JP3118394B2 - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JP3118394B2 JP07189105A JP18910595A JP3118394B2 JP 3118394 B2 JP3118394 B2 JP 3118394B2 JP 07189105 A JP07189105 A JP 07189105A JP 18910595 A JP18910595 A JP 18910595A JP 3118394 B2 JP3118394 B2 JP 3118394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料や汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロキ
シカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は、機械的や
物理的性能、化学的性能が優れているばかりでなく、他
に害を与えることなく自然環境下で分解され、最終的に
は微生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の
機能を有しており、最近医療用材料や汎用樹脂代替等、
様々な分野で特に注目されているプラスチックである。
【0003】通常、ポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、ヒドロキシカルボン酸、例えば、乳酸、グ
リコール酸の場合は、脱水二量化し一旦環状二量体を得
た後、触媒(Sn系触媒)の存在下、開環溶融重合する
ことで高分子量のポリマーが得られることが知られてい
る(以下、間接重合法と称する。)。しかし、この方法
では反応の操作が複雑であり、得られたポリマーは高価
であるばかりでなく、又該製造法が溶融重合後そのまま
ペレットとして製品を得る方法であるため、得られる該
ポリマー形態はペレット状に制約される。又、ヒドロキ
シカルボン酸の種類によっては、環状二量体を形成しな
いものがあり、この場合はこの方法は使用できない。
【0004】一方、ヒドロキシカルボン酸あるいはその
オリゴマーから直接脱水縮合することによって、ポリヒ
ドロキシカルボン酸を得る方法(以下、直接重合法と称
する。)が幾つか開示されている(特開昭59−096
123号、特開昭61−028521号)。この方法で
は前述した様な原料の制約は無く、様々なポリヒドロキ
シカルボン酸のホモポリマー、コポリマーを製造するこ
とが可能である。更にその製造方法においても、ヒドロ
キシカルボン酸から直接重合して該ポリマーを得るとい
う非常に簡略化されたものであり、工業的に有用な製造
方法である。しかしながら、ポリヒドリキシカルボン酸
の有機溶媒溶液から該ポリマーを取り出す方法としては
幾つか挙げられるが、工業的に満足する方法は未だ知ら
れていない。
【0005】例えば、一般にポリマーの固体状物を得る
為には、一旦ポリマーを良溶媒に溶解した後、非あるい
は貧溶媒と接触させることによりポリマーを析出させ取
り出す方法が知られているが、該ポリマーにこの方法を
適用しても、析出するポリマーがゲル状物となり攪拌が
困難になったり、釜に付着したりする等の問題を生じる
等幾つかの問題点がある。
【0006】このような問題に対し、該ポリマー溶液を
沈澱したポリマーが微粒子に分割されるように乱流剪断
力の影響下に沈澱剤と接触させ、該ポリマーの精製及び
単離を同時に行う方法が開示されている(特開昭63−
254128号)。しかしながら、この方法においては
特殊な装置を使用しなければならず、過大な設備費を要
する等の欠点を有する。
【0007】この他、ポリヒドロキシカルボン酸をキシ
レンやフタル酸ジエチルエステルの溶剤に加熱溶解した
後冷却し、かかる溶剤を除去する方法が開示されている
(特開昭58−206637号、特開昭61−0425
31号)。この方法では確かに該ポリマーのパウダーを
容易に得ることは可能だが、例えば特開平04−337
321号に開示されている様な直接重合法で得られる該
ポリマー溶液の場合は、重合時に用いた溶媒と異なる溶
媒を新たに用いることとなるため、また、記載通りにポ
リヒドロキシカルボン酸と溶媒を分離すると、分離され
た溶媒中に該ポリマーのオリゴマーを多く含むため、そ
れら溶媒及びオリゴマーの分離回収工程が複雑になり過
大な設備費を必要とする。更に、高分子量且つ高濃度の
ポリヒドロキシカルボン酸溶液では、冷却すると該溶液
全体が固化するため、記載されているような濾過により
該ポリマーと溶媒を分離する方法は不可能であるという
問題がある。
【0008】又、本発明者らは、ヒドロキシカルボン酸
を特殊な溶媒を用い直接重合法によって高分子量の該ポ
リマーを得、更に該反応マスを特定の濃度に制御し冷却
晶析することにより該ポリマーの固体状物が得られるこ
とを見いだした(特開平06−172502号)。しか
しながら、この方法においては晶析時のポリマーの分子
量と濃度条件によって、得られる固体状物の形状が粉末
状、粒状、ブロック状、塊状となり、そのため取扱が容
易な粉末状、粒状のポリマーを得るためには、晶析時の
濃度を極端に低くする必要があり、また濾過により該ポ
リマーと溶媒を分離するため、前述したような溶媒及び
オリゴマーの分離回収工程を設けなければならなく、工
業的に該ポリマーの固体状物を取り出す技術の出現が望
まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、容
易に連続化し得る工業的に有用な、ポリヒドロキシカル
ボン酸の有機溶媒溶液から固体状ポリヒドロキシカルボ
ン酸を製造する方法を提供することにある。本発明の他
の目的は、高分子量且つ高濃度であっても固体状ポリヒ
ドロキシカルボン酸を容易且つ安価に取り出す方法を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリヒド
ロキシカルボン酸を工業的に効率良く、しかも安価に製
造し得る製造方法に関し鋭意検討した結果、該ポリマー
の有機溶媒溶液に特定の処理を施すことにより該ポリマ
ーが高分子量、高濃度にあっても容易且つ安価に該ポリ
マーの固体状混合物を取り出せることを見出し本発明を
完成したものである。すなわち、本発明はポリヒドロキ
シカルボン酸の有機溶媒溶液を冷却固化及び粉砕処理す
ることからなる固体状ポリヒドロキシカルボン酸の製造
方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明方法に於けるポリヒドロキシカルボン酸
は、具体的には、2−ヒドロキシエタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシプロパノイックアシッド、2−ヒド
ロキシブタノイックアシッド、2−ヒドロキシペンタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシヘキサノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
メチルブタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エ
チルブタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチ
ルペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロ
ピルペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブ
チルペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メ
チルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エ
チルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プ
ロピルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
ブチルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
ペンチルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2
−メチルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2
−エチルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2
−プロピルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−
2−ブチルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−
2−ペンチルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
−2−ヘキシルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキ
シ−2−メチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキ
シ−2−エチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキ
シ−2−プロピルオクタノイックアシッド、2−ヒドロ
キシ−2−ブチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロ
キシ−2−ペンチルオクタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−ヘキシルオクタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシ−2−ヘプチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシプロパノイックアシッド、3−ヒドロキシブ
タノイックアシッド、3−ヒドロキシペンタノイックア
シッド、3−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、3−
ヒドロキシヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキシオ
クタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルブ
タノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルペン
タノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルペン
タノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキ
サノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルヘキ
サノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピルヘ
キサノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルヘ
プタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルヘ
プタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピル
ヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ブチル
ヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチル
オクタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチル
オクタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピ
ルオクタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ブチ
ルオクタノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ペン
チルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシブタノイ
ックアシッド、4−ヒドロキシペンタノイックアシッ
ド、4−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、4−ヒド
ロキシヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシオクタ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−エチルヘキサ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−メチルヘプタ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−エチルヘプタ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−プロピルヘプ
タノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−メチルオク
タノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−エチルオク
タノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−プロピルオ
クタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4−ブチルオ
クタノイックアシッド、5−ヒドロキシペンタノイック
アシッド、5−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、5
−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキシ
オクタノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチル
ヘキサノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチル
ヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−エチル
ヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチル
オクタノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−エチル
オクタノイックアシッド、5−ヒドロキシ−5−プロピ
ルオクタノイックアシッド、6−ヒドロキシヘキサノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、6−ヒドロキシオクタノイックアシッド、6−ヒド
ロキシ−6−メチルヘプタノイックアシッド、6−ヒド
ロキシ−6−メチルオクタノイックアシッド、6−ヒド
ロキシ−6−エチルオクタノイックアシッド、7−ヒド
ロキシヘプタノイックアシッド、7−ヒドロキシオクタ
ノイックアシッド、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタ
ノイックアシッド、8−ヒドロキシオクタノイックアシ
ッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びそれらから誘
導されるオリゴマーを直接脱水重合して得られるポリマ
ー、又はグリコライド、ラクタイドの様な環状二量体を
溶融重合して得られるポリマーであっても良く、一種又
は二種以上の混合物のコポリマー、あるいは混合物であ
っても良い。又その製造方法にも何等制限はない。更に
これらヒドロキシカルボン酸及びそれらオリゴマー又は
環状二量体の中には光学活性炭素を有し、各々D体、L
体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発明方法に
おいては、その形態に何ら制限はない。すなわち、ポリ
ヒドロキシカルボン酸の形態には何ら制限はない。
【0011】直接脱水重合で該ポリマーを得る場合、重
合触媒は目的とするポリマーの重合度(対数粘度)によ
って添加したり、しなかったり任意に選択することがで
きる。低分子量のポリマーを製造する場合(対数粘度が
約0.3dl/g未満)は、触媒を添加しても、しなく
ても目的とするポリマーを容易に得ることができるが、
高分子量(対数粘度が約0.3dl/g以上)のポリマ
ーを製造する場合は、反応時間(反応速度)の関係上触
媒を用いる方が好ましい。
【0012】その触媒としては、元素周期律表I、I
I、III、IV、V族の金属、あるいはそれらの塩が
挙げられる。例えば、亜鉛、錫、アルミニウム、マグネ
シウム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の
金属酸化物、塩化亜鉛、塩化第一錫、臭化第二錫、フッ
化アンチモン、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等
の金属ハロゲン化物、硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アルミニ
ウム等の硫酸塩、水酸化錫、水酸化亜鉛等の水酸化物、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム等の炭酸
塩、酢酸錫、オクタン酸錫、乳酸錫、酢酸亜鉛、酢酸ア
ルミニウム等の有機カルボン酸塩、トリフルオロメタン
スルホン酸錫、p−トルエンスルホン酸錫等の有機スル
ホン酸塩等が挙げられる。
【0013】その他、ジブチルチンオキサイド等の上記
金属の有機金属酸化物又はチタニウムイソプロポキサイ
ド等の上記金属の金属アルコキサイド又はジエチル亜鉛
等の上記金属のアルキル金属又はダウエックス、アンバ
ーライト等のイオン交換樹脂等が挙げられる。その使用
量は、上記ヒドロキシカルボン酸又はそれらのオリゴマ
ーの0.0001〜10重量%が良い。
【0014】直接脱水重合において、重合中の熱劣化に
よる着色を抑えるために着色防止剤を添加して重縮合反
応を行っても良い。使用される着色防止剤としては、リ
ン酸、リン酸トリフェニル、ピロリン酸、亜リン酸、亜
リン酸トリフェニル等のリン化合物が好ましい。その添
加量は、ポリマーに対して好ましくは0.01〜5重量
%、より好ましくは0.5〜2重量%である。0.01
重量%未満では、着色防止剤効果が小さくなり、5重量
%を超えると、着色防止剤効果においては、更なる効果
が期待できない上に、重合度が上がらなくなる場合が生
じる。
【0015】直接脱水重合において重合条件は、常圧
下、減圧下のいずれでも良く、使用する溶媒の還流温度
までの範囲をとることが出来、好ましくは50〜220
℃、より好ましくは100〜170℃である。50℃未
満では、反応によって生成する水を反応系外へ除去する
効率が悪くなるため反応速度が著しく低下する。また2
20℃を越える温度ではポリマーの劣化を生じ、そのた
め反応液に着色を生じ、得られる製品の品質を悪化させ
ることがある。
【0016】直接脱水重合において使用される有機溶媒
は、脂肪族炭化水素系化合物、芳香族炭化水素系化合
物、ハロゲン化炭化水素系化合物、エーテル系化合物、
ケトン系化合物等を用いることができるが、好ましくは
脱水重縮合時の重合速度が速い溶媒がよく、例えばテト
ラデカン、ドデセン、ジフェニル、ナフタレン、ジクロ
ロベンゼン、クロロナフタレン、ヘキシルエーテル、ア
ニソール、エトキシベンゼン、2,4−ジクロロメトキ
シベンゼン、ジフェニルエーテル、、シクロヘキシルケ
トン、アセトフェノン等が挙げられる。これらは一種ま
たは二種以上の混合物でもよくその組成に何ら制限はな
い。
【0017】その使用量は、ポリマー濃度が通常3〜9
0重量%になるような範囲であり、好ましくは15〜8
0重量%、更に好ましくは30〜70重量%になるよう
な範囲である。90重量%を超えるとと該ポリマーを加
熱溶解した時の粘度が極端に高くなり、移液などの取り
扱いや攪拌等の操作が困難になる場合が生じる。逆に3
重量%未満の場合は、反応及び後処理等には問題はない
が、容積効率の点で問題がある。
【0018】直接脱水重合において反応に使用する装置
については、該反応が脱水重縮合であるため、高分子量
のポリマーを得るためには、反応の進行と共に生成する
水を系外へ除去できるような装置にする必要がある。生
成水の除去方法としては、還流する溶剤と水の混合物を
そのまま系外へ除去したり、その混合物を脱水装置に通
し、乾燥した溶剤を再び系内へ戻す方法等を用いること
ができる。
【0019】脱水装置を用いる場合については、モレキ
ュラーシーブス(3A,4A,5A等)、シリカゲル等
の無機乾燥剤;水酸化二リン、五酸化リン、水素化カル
シウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム等の金属水
素化物;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム
等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属等の脱水剤を詰
めた脱水塔を用いて留出する溶剤の乾燥を行うことが出
来る。又、蒸留分離能力を備えた装置を用いて還留する
溶剤中の水分を分離除去する方法を用いたり、又は還留
留出物を一旦反応系外へ流出させた後、蒸留分離し、脱
水された溶剤を反応系内へ戻す方法を用いたりすること
もでき、反応系内へ戻す溶剤中の水分が実質上除去され
ていれば良く、何らその方法に制限はない。
【0020】本発明はポリヒドロキシカルボン酸の有機
溶媒溶液を冷却固化及び粉砕することからなる固体状ポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法である。従って、直
接脱水重合法で重合して得られるポリヒドロキシカルボ
ン酸の有機溶媒溶液の場合は、溶液濃度を適宜調整した
後、そのまま本発明方法に適用し該ポリマーと有機溶媒
との固体状混合物を得ることができるが、間接重合法で
得られるポリヒドロキシカルボン酸の場合は、ペレット
状であるため、前述したような有機溶媒等に再溶解し、
該ポリマーの有機溶媒溶液にした後に本発明方法に適応
させる必要がある。
【0021】本発明に使用するポリヒドロキシカルボン
酸の対数粘度は0.3〜5.0dl/gの範囲が好まし
い。0.3dl/g未満では、該有機溶媒溶液を冷却し
た際に十分に固化しない場合がある。また、5.0dl
/gを越えると、装置にかかる負荷が大きくなり、該有
機溶媒溶液の濃度を低くしなければならない。
【0022】冷却固化及び粉砕する際の該ポリマー溶液
の濃度は、該ポリマーの種類や分子量によって若干異な
るが通常15〜95重量%の範囲であり、好ましくは2
0〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%であ
る。濃度が15wt%より低い場合は、ポリマーの析出
には何等問題はないが、容積効率、処理能力の点で問題
がある。逆に95重量%より高い場合は、ポリマーの分
子量が高くなるに従い溶液粘度が高くなり、装置への負
荷が大きくなり操作出来なくなる場合が生じる。
【0023】本発明方法においてポリヒドロキシカルボ
ン酸と有機溶媒との固体状混合物を取り出す方法として
は、冷却固化と粉砕を同時に行っても良く、一旦冷却固
化した後、得られた該ポリマーと有機溶媒との固体状混
合物を粉砕して行っても良い。
【0024】冷却固化、粉砕処理を同時に行う方法とし
ては、ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液を混練
機に装入し、冷却混練しながら該ポリマーの固体状混合
物を取り出す方法が挙げられる。この場合、混練機に装
入された該ポリマー溶液は、冷却されていくと共に粘度
が上昇し、徐々に該ポリマーと有機溶媒の固体状混合物
が析出し、同時に混練により粉砕される。
【0025】一方、一旦冷却固化した後に粉砕する方法
としては、ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液を
冷却固化した後、得られた該ポリマーと有機溶媒との固
体状混合物を粉砕する方法が挙げられる。この場合、例
えばフレーカー及び粉砕機を使用する方法が挙げられ、
フレーカーにて冷却固化された該ポリマー溶液の固体状
混合物を一旦生成した後に粉砕機等によって粉砕する。
【0026】いずれの方法でも、高分子量且つ高濃度の
該ポリマー溶液から該ポリマーの固体状混合物を取り扱
い易い形状にして取り出すことができ、また使用する装
置の選択により連続化が容易である。
【0027】本発明方法で使用可能な混練機は、一般に
捏和機とも呼ばれるものであり、好ましくは2本以上の
撹拌翼が互いに一方の撹拌できない部分を補い合うよう
なクリアランスの良いものが良いが、ポリヒドロキシカ
ルボン酸の有機溶媒溶液を冷却し、該ポリマーと有機溶
媒との固体状混合物が析出するまで混練できるものであ
れば機種や形状には特に制限はなく、従来既知のものを
使用できる。
【0028】例えば、回分式の混練機としては双腕型捏
和機(ワーナー式ニーダー或いは単にニーダーなどと呼
ばれる)やダブルプラネタリミキサー、内部式捏和機
(インターナルミキサーとも呼ばれる)、マラー型捏和
機(エッジランナーとも呼ばれる)、ロールミキサー等
があり、連続式の混練機としてはロールミルやボテータ
ー、K.R.C.ニーダー(セルフクリーニング式リア
クター)等が挙げられ、この他にスクリュー型押し出し
機であるスクリューエクストルーダやミクストルーダ、
ギヤーコンパウンダー、コーニーダー、プラストミル等
が挙げられる。商品名としては例えば、入江商会製卓上
型ニーダー(PN−1,PN−5,PNV−1,PNV
−5,PBV等)、三菱重工業製セルフクリーニング式
リアクター(SCR,N−SCR,HVR等)、栗本鉄
工製SCプロセッサ(SCP−100)、栗本鉄工製K
RCニーダー、栗本鉄工製KEXエクストルーダ、日立
製作所製眼鏡翼重合機等が挙げられる。
【0029】ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
を冷却固化した後、該ポリマーと有機溶媒の固体状混合
物を粉砕する場合は、冷却装置又は粉砕装置を使用し、
該ポリマーの有機溶媒溶液を冷却固化した後に粉砕する
ことができればいずれの装置でも使用する事ができ、そ
の形状や機種及び冷却方法や粉砕方法に何ら制限はな
い。冷却固化する装置としては、好ましくは薄膜形成機
能を有する冷却固化装置が良く、更に好ましくは、その
冷却固化した該ポリマーと有機溶媒との固体状混合物を
粉砕する機能を同時に有する装置が好ましい。一般に薄
膜形成機能を有する冷却固化装置としては、シングルベ
ルトフレーカーやダブルベルトフレーカー、ドラムフレ
ーカー等が知られており、ドラムフレーカーとしてはフ
レーカ(玉川機械(株)製)や回転冷却機(日本真空技
術K.K製)等が挙げられる。また、粉砕機能を同時に
有するドラムフレーカーとしては、ドラムクーラー(三
菱化成テクノエンジニアズ(株)製)等が挙げられる。
【0030】ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
を、これらの装置で処理する際の装置内部または該ポリ
マー溶液の受入れ部の温度は通常150℃から−10℃
であり、好ましくは100℃から0℃、より好ましくは
80〜10℃の範囲である。150℃を越える温度で
は、該ポリマーの劣化等の品質上の問題や、該ポリマー
の有機溶媒への溶解による析出不良等の問題が生じる。
又−10℃未満では冷却する為の過剰な労力が必要とな
る。
【0031】又、該ポリマーと有機溶媒との有機溶媒溶
液を冷却固化処理させる際の冷却速度は通常0.01〜
200℃/分、好ましくは0.01〜100℃/分、よ
り好ましくは0.01〜20℃/分である。200℃/
分を越えると冷却に過剰な労力を要する。
【0032】本発明で得られた、ポリヒドロキシカルボ
ン酸と有機溶媒との固体状混合物の形状は、使用する混
練装置の形状(撹拌羽根とのクリアランス)、冷却固化
粉砕する際の粉砕機の形状や該ポリマーの分子量及び濃
度、冷却速度等によって異なり、粉末状、顆粒状、粒
状、フレーク状、ブロック状等の形状を有し、その嵩密
度はほぼ0.05〜0.60g/mlの範囲を有する。
従って、取扱の良好な形状を有する固体状混合物を得た
い場合は、混練機又は粉砕機の羽根形状の適当な物を選
択するか、あるいは混練機又は粉砕機で処理し得られた
該ポリマーの固体混状合物を、更に粉砕機等で所望の粒
径に調節することもできる。
【0033】更に粉砕機で粉砕する場合、そのまま粉砕
する乾式粉砕、又は有機溶媒又は水等の液体媒体中で粉
砕する湿式粉砕を行うこともできる。乾式粉砕機として
は、例えば、ロートプレックス(ホソカワミクロン
(株)製)やハンマミル(ホソカワミクロン(株)
製)、バンタムミル(ホソカワミクロン(株)製)等が
挙げられ、湿式粉砕機としてはディスインテグレータ
(小松ゼノア(株)製)やゴラトールポンプ(東商
(株)製)等があげられるが、該固体状混合物を粉砕で
きれば良く、その形状や機種に何ら制限はない。
【0034】このようにして得られた該ポリマーと溶媒
との固体混合物から、例えば、溶媒と混合する溶剤を用
いてスラッジング及び濾過した後、乾燥する等の公知の
方法で溶媒を除去し、該ポリマーの固体状物を容易に得
ることができる。スラッジングする際に使用できる溶剤
としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、等のアルコール類や、ア
セトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、メチル−t−
ブチルエーテル等のエーテル類、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等
の炭化水素類が挙げられるが、該ポリマーを溶解せずに
溶媒を除去することができるものであればいかなる溶媒
であってもよい。スラジング及び濾過したのちのケーキ
は該ポリマーが溶剤に溶解しない温度で乾燥すれば、目
的とする固体状ポリヒドロキシカルボン酸を得ることが
できる。
【0035】
【実施例】以下に、本発明方法における実施例を記載す
るが、本発明は以下に記載する方法及び装置に限定され
るものではない。 対数粘度(ηinh)は下記式(数1) ηinh=ln(t/t。)/C で表され、ここで t。=粘度計中の溶媒の流下時間 t =同一粘度計中の同一溶媒のポリマー希薄溶液の流
下時間 c =溶媒100ml中のポリマー固形分のグラム数で
表した濃度 0.1gポリマー固形分/ジクロロメタン20mlの濃
度、温度20℃で測定した。 重量平均分子量(Mw) Shodex GPC system−11(昭和電工
製)を用いて測定した。尚、Mw値はポリスチレン換算
で求めた。
【0036】実施例−1 90%L−乳酸104.2gを130℃/50mmHg
で3時間系外へ水を除去しながら加熱攪拌した後、ジフ
ェニルエーテル75g、錫粉0.4gを加え、モレキュ
ラーシーブス3A30gを詰めたディーンスタックを反
応装置に備え付け、還流する溶剤がモレキュラーシーブ
スを通って系内へ戻るようにした。130℃/15mm
Hgで30時間反応を行った。反応終了後、反応液をΣ
型ニーダー(入江商会製PNV−1H)に装入し混練し
ながら1時間で20℃に冷却した。この時ポリマー液は
徐々に固化しながら粉砕され、白色の粉末状となった。
このポリマーとジフェニルエーテル混合物(ポリマー濃
度50重量%)の粉末を、メタノール各300gで3回
洗浄濾過したのち、60℃、100mmHgで減圧乾燥
し、白色粉末状のL−ポリ乳酸を得た。収率 93.1
%、Mw 21.2万、対数粘度 1.51dl/g、
嵩密度 0.25g/mlであった。
【0037】実施例−2 反応時間を8時間にした以外は実施例−1と同様の方法
で行った結果、得られたポリ乳酸は白色粉末状で、収率
89.4%、Mw 5.2万、対数粘度 0.61d
l/g、嵩密度 0.26g/mlであった。
【0038】実施例−3 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gと90
%D/L−乳酸15gを用いた以外は、実施例−1と同
様の方法で行った結果、白色粉末状のL−乳酸とD/L
−乳酸のコポリマーを得た。収率 94.2%、重量平
均分子量Mw23.1万、対数粘度 1.60dl/
g、嵩密度 0.21g/mlであった。
【0039】実施例−4 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gと70
%−グリコール酸9.6gを用いた以外は、実施例−1
と同様の方法で行った結果、白色粉末状のL−乳酸とグ
リコール酸とのコポリマーを得た。収率 87.2%、
重量平均分子量Mw 18.2万、対数粘度 1.30
dl/g、嵩密度 0.22g/mlであった。
【0040】実施例−5 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gとDL
−4−ヒドロキシブタノイックアシッド6.8gを用い
た以外は、実施例−1と同様の方法で行った結果、白色
粉末状のL−乳酸とDL−4−ヒドロキシカルボン酸と
のコポリマーを得た。収率 89.6%、重量平均分子
量Mw 16.5万、対数粘度 1.22dl/g、嵩
密度 0.19g/mlであった。
【0041】実施例−6 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gとDL
−3−ヒドロキシブタノイックアシッド6.8gを用い
た以外は、実施例−1と同様の方法で行った結果、白色
粉末状のL−乳酸とDL−3−ヒドロキシブタノイック
アシッドとのコポリマーを得た。収率 88.3%、重
量平均分子量Mw 15.2万、対数粘度 1.12d
l/g、嵩密度 0.19g/mlであった。
【0042】実施例−7 ジフェニルエーテルの代わりにアニソールを用い、重合
条件を130℃/350mmHgにした以外は実施例−
1と同様の方法で行った結果、得られたL−ポリ乳酸
は、白色粉末状で収率 88.6%、重量平均分子量M
w 15.2万、対数粘度 1.12dl/g、嵩密度
0.25g/mlであった。
【0043】実施例−8 実施例−7と同様の方法で得られたL−ポリ乳酸のアニ
ソール溶液を、ディーンスタックとコンデンサーを備え
付けたニーダーに装入し、130℃/350mmHgで
溶媒を抜き出して75重量%に濃縮した後、実施例−1
と同様に処理した。得られたL−ポリ乳酸は、白色粉末
状で収率 88.5%、重量平均分子量Mw 15.5
万、対数粘度 1.14dl/g、嵩密度 0.23g
/mlであった。
【0044】実施例−9 アニソールを225gにした以外は実施例−7と同様の
方法で行った結果、得られたL−ポリ乳酸は、白色粉末
状で収率 88.5%、重量平均分子量Mw15.5
万、対数粘度 1.14dl/g、嵩密度 0.24g
/mlであった。
【0045】実施例−10 ジフェニルエーテルの代わりにo−ジクロロベンゼンを
用い、重合条件を140℃/250mmHgにした以外
は、実施例−1と同様の方法で行った。得られたL−ポ
リ乳酸は、白色粉末状で収率91.1%、重量平均分子
量Mw 17.2万、対数粘度 1.25dl/g、嵩
密度0.26g/mlであった。
【0046】実施例−11 アニソールの代わりにo−ジクロロベンゼンを用い、重
合条件を140℃/250mmHgにした以外は、実施
例−8と同様の方法で行った。得られたL−ポリ乳酸
は、白色粉末状で収率 90.8%、重量平均分子量M
w 17.4万、対数粘度 1.26dl/g、嵩密度
0.25g/mlであった。
【0047】実施例−12 90%L−乳酸1500gをディーンスタック及び冷却
器、温度計、撹拌機を備えた2000mlの3ツ口フラ
スコに装入し、150℃で常圧から30mmHgまで徐
徐に下げ8時間、脱水反応を行った。これにZn粉末を
加え200℃/5mmHg/4Hrで留出する乳酸の環
状二量体(ラクタイド)を分取した。この時の収率は乳
酸に対して85モル%であった。このラクタイドを酢酸
エチル中で再結晶、乾燥した後、ラクタイドに対し触媒
のオクタン酸錫0. 1重量%、分子量調節剤のラウリ
ルアルコール2重量%/ラクタイドを加え窒素雰囲気
下、180℃/4時間で撹拌させた。反応終了後、反応
装置下部の抜き出し口から抜き出し、得られるストラン
ドを冷却しペレタイザーにてカットした。得られたL−
ポリ乳酸は、重量平均分子量Mw 16.5万、対数粘
度 1.21dl/gであった。このL−ポリ乳酸のペ
レット200gとジフェニルエーテル100gをニーダ
ーに装入し、130℃で1時間加熱撹拌し溶解させた
後、混練しながら徐々に冷却して1時間で20℃まで冷
却した。得られたポリ乳酸とジフェニルエーテルとの固
体状混合物をメタノール800gで3回洗浄濾過し、6
0℃で減圧乾燥した。得られたL−ポリ乳酸は白色粉末
状で、収率 98.7%、重量平均分子量Mw 16.
5万、対数粘度 1.23dl/g、嵩密度 0.20
g/mlであった。
【0048】実施例−13 ニーダーに装入するL−ポリ乳酸のペレットを100g
にし、ジフェニルエーテルの代わりにキシレン150g
を用いた以外は、実施例−12と同様の方法で行った。
得られたポリ乳酸は白色粉末状で、収率 98.5%、
重量平均分子量Mw 16.5万、対数粘度 1.21
dl/g、嵩密度 0.22g/mlであった。
【0049】実施例−14 購入したポリ乳酸のペレット(ベーリンガー製、Lo
t.No.L−210、Mw 74万、対数粘度 3.
62dl/g)を使用した以外は、実施例−13と同様
の方法で行った結果、得られたポリ乳酸は白色粉末状
で、収率 94.2%、重量平均分子量Mw 72万、
対数粘度 3.60dl/g、嵩密度 0.24g/m
lであった。
【0050】実施例−15 90%L−乳酸104.2gを130℃/50mmHg
で3時間系外へ水を除去しながら加熱攪拌した後、ジフ
ェニルエーテル75g、錫粉0.4gを加え、モレキュ
ラーシーブス3A30gを詰めたディーンスタックを反
応装置に備え付け、還流する溶剤がモレキュラーシーブ
スを通って系内へ戻るようにした。130℃/15mm
Hgで30時間反応を行った。得られたL−ポリ乳酸の
ジフェニルエーテル溶液の内70gを内径12cmの平
底フラスコに装入し、徐々に室温まで冷却した。この
時、反応溶液は温度が低下するにしたがって、L−ポリ
乳酸が析出し、最終的に均一な固体状薄膜になった。こ
のL−ポリ乳酸とジフェニルエーテルの固体状混合物
(ポリマー濃度 50重量%)の薄膜を掻き取り、メタ
ノール300g中ホモジナイザーで粉砕後、スラッジ、
濾過を3回繰り返し、60℃で減圧乾燥し、白色粉末状
のL−ポリ乳酸を得た。収率 92.1%、重量平均分
子量Mw 21.4万、対数粘度 1.54dl/g、
嵩密度 0.24g/mlであった。
【0051】実施例−16 反応時間を8時間にした以外は実施例−15と同様の方
法で行った結果、得られたポリ乳酸は白色粉末状で、収
率 88.9%、Mw 5.2万、対数粘度0.61d
l/g、嵩密度 0.24g/mlであった。
【0052】実施例−17 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gと90
%D/L−乳酸15gを用いた以外は実施例−15と同
様の方法で行った結果、白色粉末状のL−乳酸とD/L
−乳酸のコポリマーを得た。収率 92.8%、重量平
均分子量Mw22.9万、対数粘度 1.59dl/
g、嵩密度 0.23g/mlであった。
【0053】実施例−18 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gと70
%−グリコール酸9.6gを用いた以外は、実施例−1
5と同様の方法で行った結果、白色粉末状のL−乳酸と
グリコール酸のコポリマーを得た。収率 86.3%、
重量平均分子量Mw 18.6万、対数粘度 1.30
dl/g、嵩密度 0.26g/mlであった。
【0054】実施例−19 90%L−乳酸の代わりに90%L−乳酸75gとDL
−4−ヒドロキシブタノイックアシッド6.8gを用い
た以外は、実施例−15と同様の方法で行った結果、白
色粉末状のL−乳酸とDL−4−ヒドロキシカルボン酸
とのコポリマーを得た。収率 88.7%、重量平均分
子量Mw 16.5万、対数粘度 1.22dl/g、
嵩密度 0.21g/mlであった。
【0055】実施例−20 90%L−乳酸の代わりに90%−L乳酸75gとDL
−3−ヒドロキシブタノイックアシッド6.8gを用い
た以外は、実施例−15と同様の方法で行った結果、白
色粉末状の乳酸とDL−3−ヒドロキシブタノイックア
シッドとのコポリマーを得た。収率 90.1%、重量
平均分子量Mw 15.1万、対数粘度1.13dl/
g、嵩密度 0.23g/mlであった。
【0056】実施例−21 90%L−乳酸を69.5kgを200L反応機に装入
し、130℃/50mmHgで3時間系外へ水を除去し
ながら、加熱撹拌した後、アニソールを50kg、錫粉
末133gを加え、留出したアニソールがモレキュラー
シーブズ3Aを充填した脱水装置を通って系内に戻るよ
うにして、130℃/350mmHgで30時間反応を
行った。得られたポリ乳酸のアニソール溶液をドラムフ
レーカーで冷却固化した。ドラム温度0〜10℃、回転
数1rpm、処理量2.2kg/Hrで取り出された該
ポリマー溶液の固体状混合物の粗粉砕物をロートプレッ
クス R−20/10(ホソカワミクロン製)を用い、
スクリーン径1mmで乾式粉砕した。得られた粉砕物を
メタノール200kgでスラッジ、濾過することを3回
繰り返し、60℃で減圧乾燥した。得られたポリ乳酸は
白色フレーク状で収率89.2%、重量平均分子量Mw
15.5万、対数粘度1.12dl/g、嵩密度0.
16g/mlであった。
【0057】実施例−22 アニソールの代わりにジフェニルエーテルを用い、重合
条件を130℃/15mmHgにした以外は実施例−2
1と同様の方法で合成及び冷却固化してポリ乳酸とジフ
ェニルエーテルとの固体状混合物粗粉砕物を得た。この
固体状混合物25kgをイソプロピルアルコール100
kgと共に200L反応機に装入し、200rpmで撹
拌を行い、反応機下部よりゴラトールポンプ(東商
(株)製)でスラリーを循環しながら湿式粉砕を行っ
た。粉砕後、スラッジ、濾過を2回繰り返し、60℃で
減圧乾燥した。得られたポリ乳酸は白色粉末状で、収率
86.7%、重量平均分子量Mw 19.8万、対数粘
度 1.52dl/g、嵩密度0.14g/mlであっ
た。
【0058】実施例−23 アニソールの代わりにo−ジクロロベンゼンを用い、重
合条件を140℃/250mmHgにした以外は実施例
−21と同様の方法で行った。得られたポリ乳酸は白色
フレーク状で、収率87.0%、重量平均分子量Mw
18.2万、対数粘度 1.39dl/g、嵩密度0.
16g/mlであった。
【0059】実施例−24 実施例−12と同様の方法で得られたL−ポリ乳酸のペ
レット37gとo−ジクロロベンゼン37gを内径12
cmの平底フラスコに装入し、130℃でペレットを溶
解した後、徐々に冷却してポリ乳酸とo−ジクロロベン
ゼンの固体状混合物を得た。この固体状混合物を掻き出
してメタノール300g中ホモジナイザーで粉砕後、ス
ラッジ、濾過を3回行って減圧乾燥した。得られたポリ
乳酸は白色粉末状で収率92.1%、重量平均分子量M
w 16.4万、対数粘度 1.19dl/g、嵩密度
0.24g/mlであった。
【0060】実施例−25 購入したポリ乳酸のペレット(ベーリンガー製、Lo
t.No.L−210、Mw 74万、対数粘度 3.
62dl/g)を使用した以外は、実施例−24と同様
の方法で行った。得られたポリ乳酸は白色粉末状で、収
率 94.1%、重量平均分子量Mw 70万、対数粘
度 3.59dl/g、嵩密度 0.23g/mlであ
った。
【0061】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより、高
分子量固体状ポリヒドロキシカルボン酸を容易且つ安価
に取り出すことができ、容易に連続化し得る工業的に有
用なポリヒドロキシカルボン酸の製造方法を提供でき
る。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−203135 (32)優先日 平成6年8月29日(1994.8.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/06 C08J 3/12 - 3/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶
    液を冷却固化及び粉砕することからなる固体状ポリヒド
    ロキシカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶
    液を混練機に装入し、冷却混練しながら該ポリマーと有
    機溶媒の固体状混合物を取り出すことからなる請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶
    液を冷却固化した後、得られた該ポリマーと有機溶媒と
    の固体状混合物を粉砕することからなる請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶
    液がヒドロキシカルボン酸類及びそれらのオリゴマーを
    触媒の存在下又は非存在下、有機溶媒溶液中で脱水縮合
    後得られるものである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリヒドロキシカルボン酸の対数粘度が
    0.3〜5.0dl/gである請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶
    液の濃度が15〜95重量%である請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 触媒が2価スズ化合物又はスズ粉末であ
    る請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 2価スズ化合物が、塩化第一スズ、水酸
    化第一スズ、硫酸スズ、酸化第一スズから選ばれるもの
    である請求項7記載の方法。
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