JPH06298914A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JPH06298914A
JPH06298914A JP8967693A JP8967693A JPH06298914A JP H06298914 A JPH06298914 A JP H06298914A JP 8967693 A JP8967693 A JP 8967693A JP 8967693 A JP8967693 A JP 8967693A JP H06298914 A JPH06298914 A JP H06298914A
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acid
hydroxy
polycondensation
reactor
weight
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JP8967693A
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Masahiro Ota
正博 太田
Ikunori Yoshida
育紀 吉田
Seiji Obuchi
省二 大淵
Hiroyuki Ito
洋之 伊藤
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシカルボン酸類を触媒の存在下、あ
るいは非存在下有機溶媒の存在下、あるいは非存在下で
脱水重縮合する方法において、脱水重縮合の全工程、ま
たは脱水重縮合工程の一部で、一軸または二軸の横型高
粘度反応機を使用し、低沸点成分を分離除去させつつ熱
重縮合することを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸
の製造方法。 【効果】 ヒドロキシカルボン酸またはそれらのオリゴ
マーから直接脱水重縮合により高分子量の該ポリマーを
工業的に、短時間に、且つ安価に得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用材料や汎用樹脂
代替の生分解生ポリマーとして有用なポリヒドロキシカ
ルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与える事なく自然環境下で分解され、最終的には微生
物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能を
有しており、近年医療用材料や、環境保全の観点から汎
用樹脂代替等、様々な分野で注目されており、今後もそ
の需要が大きく伸びることが期待されている。
【0003】通常、ポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、ヒドロキシカルボン酸例えば、乳酸、グリ
コール酸の場合は、脱水二量化し一旦環状二量体を得た
後、各種触媒の存在下、開環溶融重合する事で高分子量
のポリマ−が得られる事が知られている。この方法は、
環状二量体であるラクチド、またはグリコリドの製造に
際して多大の労力と費用を必要とするため経済的でな
い。また、ヒドロキシカルボン酸の種類によっては、環
状二量体を形成しないものもあり、この場合はこの方法
は使用できない。
【0004】一方、ヒドロキシカルボン酸及びそのオリ
ゴマーから直接脱水法によって、ポリヒドロキシカルボ
ン酸を得る方法が幾つか開示されている(特開昭59−
096123号、特開昭61−028521号)。しか
しながら、これらの方法では得られる該ポリマーの固有
粘度は約0.3dl/g程度が限界で十分な機械物性を
有さず、その用途、目的によっては使用できない。本出
願人はヒドロキシカルボン酸、またはそれらのオリゴマ
ーを、不活性ガス雰囲気中、触媒の存在下、有機溶媒
中、共沸脱水し、この際留出する溶媒を乾燥剤で処理し
た後、再び系内に戻す方法により、平均分子量が少なく
とも30000以上のポリヒドロキシカルボン酸を得る
方法を先に出願した(特願平3−336820)。しか
しながら本方法に於いても、平均分子量40,000〜
60,000のポリヒドロキシカルボン酸を得るには還
流下17〜50時間を要しており、効率的とはいえな
い。
【0005】通常の撹拌翼を備えた釜型反応器に於いて
は、反応遅延の原因となる低沸成分(ポリヒドロキシカ
ルボン酸生成の場合は水)を除去する為に減圧下または
不活性ガスの吹き込み下に行われている。しかしなが
ら、撹拌翼を備えた釜型反応器に於いては、不活性ガス
と反応物との接触効率が低いことや、減圧度を高めた場
合にも、反応物の液深の為に、期待された程の低沸成分
除去効果は達成され得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリヒ
ドロキシカルボン酸を工業的に効率よく、容易にしかも
安価に製造し得る直接脱水重縮合法に関し鋭意検討した
結果、本発明を完成するにいたった。本発明者は、上記
の如き従来技術の問題点に鑑みて種々検討を重ねた結
果、高粘度反応機を反応容器として使用する場合、より
短時間の反応でより高分子量のポリヒドロキシカルボン
酸を得られることを見いだした。
【0007】即ち、本発明は、ヒドロキシカルボン酸類
を触媒の存在下、あるいは非存在下、有機溶媒の存在
下、あるいは非存在下で脱水重縮合する方法において、
脱水重縮合の全工程、または脱水重縮合工程の一部で、
一軸または二軸の横型高粘度反応機を使用し、低沸点成
分を分離除去させつつ熱重縮合することを特徴とするポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法である。
【0008】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
の具体例としては、以下のものが上げられる。グリコー
ル酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
ヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−プロピルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタニックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッド、4
−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロキシペ
ンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノイック
アシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、4
−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、6−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイックア
シッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、7−
ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシ−
7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒドロキシオ
クタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸
が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上混合して
用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロキシカル
ボン酸は、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリ
ックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3
−ヒドロキシバレリックアシッド、またはそれらの混合
物である。
【0009】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。そしてそれらは一種または二種以上の混合物と
して用いてもよい。
【0010】これらヒドロキシカルボン酸及びそれらの
オリゴマーの中には光学活性炭素を有し各々D体、L
体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発明に於い
ては、その形態に何等制限はない。
【0011】本発明方法では、重合触媒の添加は目的と
するポリマ−の重合度(固有粘度、分子量)によって添
加したり、しなかったり任意に選択することが出来る。
低分子量のポリマーを製造する場合(固有粘度が約0.
3未満)は、触媒を添加してもしなくても目的とするポ
リマーを容易に得ることが出来る。一方、高分子量(固
有粘度が約0.3以上)のポリマーを製造する場合は、
反応時間(反応速度)の関係上触媒を用いる方が好まし
い。
【0012】本発明で用いる触媒としては、元素周期律
表I、II、III、IV、V族の金属、或はそれらの
塩または水酸化物、酸化物が挙げられる。例えば亜鉛、
錫、アルミニウム、マグネシウム、アンチモン、チタ
ン、ジルコニウム等の金属。酸化錫、酸化アンチモン、
酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン等の金属酸化物。塩化亜鉛、塩化第一錫、塩化第二
錫、臭化第一錫、臭化第二錫、フッ化アンチモン、塩化
亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハ
ロゲン化物。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニ
ッケル、水酸化銅、水酸化セシウム、水酸化ストロンチ
ウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ジルコ
ニウム等の金属水酸化物。硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アル
ミニウム等の硫酸塩。炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸カルシウム等の炭酸塩。酢酸錫、オクタン酸錫、乳酸
錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、乳酸鉄等の有機カル
ボン酸塩。トリフルオロメタンスルホン酸錫、p−トル
エンスルホン酸錫等の有機スルホン酸塩等が挙げられ
る。
【0013】その他、ジブチルチンオキサイド等の上記
金属の有機金属酸化物またはチタニウムイソプロポキサ
イド等の上記金属の金属アルコキサイドまたはジエチル
亜鉛等の上記金属のアルキル金属。およびダウエック
ス、アンバーライト等のイオン交換樹脂等が挙げられ
る。その使用量は、上記ヒドロキシカルボン酸またはそ
れらのオリゴマーの0.0001〜10重量%が用いら
れる。
【0014】本発明の方法においては脱水重縮合反応の
工程で有機溶媒を用いる方法、用いない方法、何れでも
採用できる。有機溶媒を用いる場合、用いられる有機溶
媒としては、芳香族炭化水素類、エーテル系芳香族炭化
水素類が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、トル
エン、キシレン、ナフタレン、ビフェニル、クロロベン
ゼン、o−クロロベンゼン、m−クロロベンゼン、p−
クロロベンゼンなどが挙げられる。
【0015】エーテル系芳香族炭化水素類としてはアル
コキシベンゼン類、ジフェニルエーテル類が挙げれれ
る。アルコキシベンゼン類としては、アニソール、エト
キシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼ
ン、ペントキシベンゼン、2,4−ジメトキシベンゼ
ン、2−クロロメトキシベンゼン、2−ブロモメトキシ
ベンゼン、4−クロロメトキシベンゼン、4−ブロモメ
トキシベンゼン、2,4−ジクロロメトキシベンゼン等
が挙げれれる。ジフェニルエーテル類としては、ジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジメチルジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、3−メチ
ルジフェニルエーテル等のアルキル置換ジフェニルエー
テル。4,4’−ジブロモジフェニルエーテル、4,
4’−ジクロロジフェニルエーテル、4−ブロモジフェ
ニルエーテル、4−メチル−4−ブロモジフェニルエー
テル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル。4−メトキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジメトキシジフェニ
ルエーテル、3,3’−ジメトキシジフェニルエーテ
ル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等
のアルコキシ置換ジフェニルエーテル。ジベンゾフラ
ン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等が挙げら
れる。これらは一種または二種以上の混合物で用いても
よい。
【0016】高粘度反応機は、横型の本体内に一つまた
は二つの回転軸上に多数の円板状その他の種々の形状の
撹拌翼を備えており、軸の回転に伴ってこれらの撹拌翼
が、一端側から導入された原料成分を薄い膜状に分離切
断して表面に持ち上げ、低沸点成分の飛散を促進し、重
合反応を促進させつつ他端側出口に向けて送る。本発明
の方法に於いては、高粘度反応機を脱水重縮合の全工程
を通じて用いても良いし、また脱水重縮合工程の一部分
で用いても構わない。
【0017】高粘度反応機としては特に限定されない
が、底部に気体の吹き込みノズルを備え、頂部にはガス
抜き出し用のノズルを備えた形式のものを使用するのが
好ましい。吹き込みノズルは、反応機の軸方向に複数個
設け、気体を均一に分散させることが好ましい。或は効
率は幾らか低下するが、高粘度反応機に入る原料成分中
に該気体を吹き込んでも良い。或は更に、両方の気体吹
き込み方法を併用しても良い。高粘度横型反応機の具体
的な例としては、三菱重工業(株)製の「横型二軸高粘
度反応機(HVR)」、「セルフクリーニング式リアク
ター(SCR)」、(株)日立製作所製の「日立メガネ
翼式高粘度液処理機」「格子翼重合機」、住友重機械
(株)製の「BIVOLAK(横型二軸反応装置)」、
栗本鉄工所(株)の「KRCニーダ」等が挙げられる。
本発明は前記した装置を用いバッチ法或は連続法の何れ
の方式でもポリヒドロキシカルボン酸を製造する事が出
来る。
【0018】反応は常圧下に行っても、減圧下に行って
も何れでも構わない。反応を減圧下に行う場合には、真
空ポンプを接続する。不活性ガスの吹き込み下及び/ま
たは減圧下に撹拌を行う。不活性ガスとしては、窒素、
アルゴン等が例示される。反応時は、高粘度反応機内部
を熱媒体を使用して、或は電気加熱等により加熱して行
う。反応温度は有機溶媒の使用の有無、有機溶媒を使用
するときはその溶媒の沸点により異なる。また、生成ポ
リマーの熱安定性によっても異なるが、好ましくは50
〜250℃、より好ましくは100〜200℃である。
50℃未満では反応速度が遅く経済的でない。また25
0℃を越える温度ではポリマーの劣化を生じたり、得ら
れる製品の品質を悪化させることがあるため好ましくな
い。
【0019】本発明方法では、重縮合中の熱劣化による
着色を抑えるために着色防止剤を添加して重縮合を行っ
ても良い。使用される着色防止剤としては、リン酸、リ
ン酸トリフェニル、ピロリン酸、亜リン酸、亜リン酸ト
リフェニル等のリン化合物が好ましい。その添加量は、
ポリマーに対して0.01〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。0.01重量%未満では着色
防止効果が小さくなり、5重量%以上では、さらなる着
色防止の効果は薄く、重合度が上がらないことがある。
【0020】
【実施例】以下に、本発明に於ける実施例を記載する
が、本発明は以下に記載する方法及び装置に限定される
ものではない。本実施例に記載のポリマーの分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度
23℃)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で
行った。
【0021】合成例1 通常の撹拌翼(錨形)及び還流冷却管を備えた釜型反応
機に、90%L−乳酸100重量部を仕込み、130℃
/50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹
拌した。これにジフェニルエーテル70重量部、錫粉末
0.5重量部を加え、更にモレキュラーシーブ3A10
0重量部が充填された塔を用意し還流により留出する溶
媒がモレキュラーシーブ塔を通って系内へ戻るようにし
た。反応条件を130℃/15mmHgに設定し、3時
間撹拌を続け、重量平均分子量(Mw)約10,000
の低分子量ポリ乳酸が得られた。
【0022】実施例1 合成例1で得られた低分子量ポリ乳酸溶液の一部を10
0℃に加熱し、熱媒体により150℃に加熱された横型
高粘度反応機に供給ポンプにより供給した。尚、高粘度
反応機は、長さ200mmで、2本の軸上に60枚の円
板型撹拌翼を備えていた。150℃/15mmHgで、
留出してくるジフェニルエーテルと水を除去しつつ、平
均滞留時間90分の条件で運転したところ重量平均分子
量195,000のポリ乳酸を連続的に得た。得られた
反応マス10重量部当り70重量部のクロロホルムを加
え溶解した後、濾過により錫粉末を除去した。このポリ
マ−のクロロホルム溶液にメタノール250重量部を加
え、析出した黄白色固体のポリ乳酸を濾別乾燥した。乾
燥したポリ乳酸パウダーは白色であり、重量平均分子量
193,000であった。
【0023】比較例1 合成例1で得られた低分子量ポリ乳酸の一部を、合成例
1で用いた釜型反応機で反応を継続した。150℃/1
5mmHgの条件で反応を継続し、5時間間隔でサンプ
リングし、重量平均分子量を測定した。結果を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 通常の撹拌翼(錨形)及び還流冷却管を備えた釜型反応
機に、90%L−乳酸100重量部を仕込み、130℃
/50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹
拌した。これに、塩化第一錫0.8重量部を加え、反応
条件を130℃/15mmHgに設定し、5時間撹拌を
続け重量平均分子量(Mw)約40,000のポリ乳酸
を得た。実施例1と同様の高粘度反応機を用い、上記中
分子量ポリ乳酸を100℃に加熱し、熱媒体により17
0℃に加熱された横型高粘度反応機に供給ポンプにより
供給した。170℃/15mmHgで、留出してくる水
を除去しつつ、平均滞留時間60分の条件で運転したと
ころ、重量平均分子量280,000のポリ乳酸を連続
的に得た。実施例1と同様の処理を行い白色粉末のポリ
乳酸を得た。
【0026】実施例3 実施例1で用いられた横型高粘度反応機を2機直列に連
結して反応を実施した。90%L−乳酸100重量部に
ジフェニルエーテル70重量部、塩化第一錫0.8重量
部よりなる溶液をポンプで第一の横型高粘度反応機に供
給し、130℃/50mmHgで留出してくるジフェニ
ルエーテルと水を除去しつつ平均滞留時間120分の条
件で運転した。第一の横型高粘度反応機の出口から第二
の横型高粘度反応機へはポンプで移送した。第二の横型
高粘度反応機では140℃/15mmHgで留出してく
るジフェニルエーテルと水を除去しつつ平均滞留時間1
20分の条件で運転し、連続的にポリ乳酸を得た。第二
の横型高粘度反応機の出口よりポリマーが排出しはじめ
てから2時間間隔でサンプリングし、重量平均分子量を
測定した。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】この結果から経時変化の少ない、非常に安
定した分子量のポリ乳酸が得られる事がわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明方法は、ヒドロキシカルボン酸ま
たはそれらのオリゴマーから直接脱水重縮合により高分
子量の該ポリマーを工業的に、短時間に、且つ安価に得
ることを可能とする方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 洋之 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸類を触媒の存在
    下、あるいは非存在下有機溶媒の存在下、あるいは非存
    在下で脱水重縮合する方法において、脱水重縮合の全工
    程、または脱水重縮合工程の一部で、一軸または二軸の
    横型高粘度反応機を使用し、低沸点成分を分離除去させ
    つつ熱重縮合することを特徴とするポリヒドロキシカル
    ボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が、乳酸、グリコ
    ール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒド
    ロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリック
    アシッド、またはそれらの混合物であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
    法。
JP8967693A 1993-04-16 1993-04-16 ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 Pending JPH06298914A (ja)

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JP (1) JPH06298914A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104202A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Bayer Materialscience Ag 環状ケトンの製造方法

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