JP3117917U - 車椅子用の座布団 - Google Patents

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恒人 岩橋
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Abstract

【課題】高く盛り上がった大腿部載置部とこれより低い臀部載置部を有する構造の簡単な車椅子用の座布団を提供する。
【解決手段】厚板状のクッション材10の一方部分を屈折して凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、クッション材10を座布団カバー8によって覆う。袋体14の内部に羽毛12を充填し、袋体14の表面をクッション面とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、車椅子の腰掛け部に載置して使用される介護サポート用の座布団に関する。
被介護者が前屈みになったり、寝たようにならない車椅子用座布団が従来知られている(例えば特許文献1参照)。この座布団は、椅子に座ったとき、大腿部が上がるように、副クッションが設けられ、この副クッションが主クッションとともに座布団カバー内に一緒に組み込まれている。
特開2003−70844号公報
従来の座布団では、被介護者の臀部をスポンジなどのクッション材に布カバーを介して長時間ダイレクトに圧着させると、褥瘡即ち床ずれが生じてしまうことがある。
本考案は被介護者の臀部に床ずれが生じないように、臀部を柔らかく支持する車椅子用の座布団を提供することを主たる目的とする。
また本考案は、車椅子に座ったとき身体が傾いてしまう被介護者が車椅子に楽に座れるようにすることを目的とする。
また身体の不自由な人が車椅子で移動するとき、腰掛け部から前方にずれてしまうことがある。これを防ぐため、上記特許文献の座布団では主クッションに副クッションを配置して、腰掛け部に座ると、太股が持ち上がるようにしている。
この座布団は、クッションを主クッションと副クッションに分割しているため、クッション構造が複雑となり、また、主クッションと副クッションを接着させる面ファスナー等の固定機構を設けなければならず、製作工程が複雑となってしまう。
本考案の他の目的は、上記問題点を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため本考案は、厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に柔らかな素材からなる中材を充填し、該袋体14の表面をクッション面としたものである。
また本考案は、厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に羽毛12を充填し該袋体14の表面をクッション面としたものである。
また本考案は、前記臀部載置部4の左右のうち、いずれか一方側4aを高く、他方側4bを、前記一方側4aより低くし、該臀部載置部4の載置面を傾けたものである。
また本考案は、厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に羽毛12を充填し、該袋体14の表面をクッション面とし、前記クッション材10の一方部分を屈折してに2層に重ね、該2層部分16によって前記凸部を形成したものである。
また本考案は、前記厚板状のクッション材を、プラスチックからなるマカロニ状の中空糸を緻密に絡み合わせたスプリング構造により構成し通気性を保有させたものである。
本考案は、クッション材の上に羽毛などの柔らかい中材が充填された袋体を配置したので、臀部を柔らかく支持することができ、床ずれの問題を解消することができるとともに、羽毛を用いた場合には、吸湿性に優れ、臀部が蒸れることがない。また1枚のクッション材を屈折させて2層部分を形成し、この2層部分によって太股の裏が位置する部分を高く形成したので、簡単な構造で、臀部載置部より高く盛り上がった大腿部載置部を形成することができ、身体の不自由な人が車椅子で移動するとき、腰掛け部から前方にずれてしまうのを防止できる。また、臀部載置部を傾斜させた構成では、身体の不自由な人の体の傾きにも対応できる。
以下に本考案の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1において、2は車椅子用の座布団本体であり、図中、本体2の左側を本体2の後部、右側を前部とすると、クッション表面2aの略三分の二の後方部分に臀部を載置する略平坦な臀部載置部4が形成され、他の三分の一の前方部分に、前記臀部載置部4より一段と高い、脚の大腿部の裏を載置する大腿部載置部6が形成されている。
前記臀部載置部4に対し、前記大腿部載置部6は、人が臀部載置部4に座ったとき、太股の部分が若干持ち上げられ、腰が後方に若干傾いて、臀部が前方にずれないようにするのに適した高さに設定されている。本実施形態では、大腿部載置部6の頂部は、臀部載置部4に対して略5cmの高さに設定されているがこの高さに特に限定されるものではない。
座布団本体2は、図4に示すように、布製のふとんカバー8と、クッション材10と、羽毛12を密集して充填した袋体14とから構成されている。クッション材10は、熱可塑性のプラスチックからなるマカロニ状の中空糸を緻密に絡み合わせたスプリング構造を有する市販の特殊スプリング構造体から成り、全体が長方形状の厚板状を呈している。
前記クッション材10は、略1/4の部分10aが表側に折り返されてクッション材10の表面に重ね合わされ、2層部分16を形成している。袋体14は、内部の羽毛12が移動しないように、袋体14の表地と裏地に縫い込まれた縫い目18によって複数の羽毛収納室に分割されている。袋体14は、前記クッション材10の上に重ねて配置され、該状態で、クッション材10を覆うふとんカバー8の周囲に縫い込まれている。
これにより、クッション材10は、表面が袋体14によって覆われ、周囲及び底面がふとんカバー8に覆われ、全体として座布団本体2を構成する。クッション材10の上に配置された袋体14の表面は、クッション材10の屈折2層構造によって、平らな低い部分と、2層部分16の上の高い部分とが形成され、平らな低い部分は、臀部載置部4を形成し、これより段差のある高い部分は大腿部載置部4を形成している。
20,22は、帯状の紐部材であり、本体2の後部の両側に取り付けられ、各先端部に、脱着自在に接着可能な市販の面ファスナー24が取り付けられている。前記紐部材20,22は、図5に示すように、本体2を車椅子26の腰掛け部28に載置したとき、車椅子26の背もたれ30の下部背面に回して、面ファスナー24,25どうしを接着し、本体2を、腰掛け部28から前方にずれないように、車椅子26に結合するものであり、紐部材20,22はずれ防止手段を構成している。
前記本体2は、図5に示すように、臀部載置部4が、車椅子26の背もたれ30に近接対向し、大腿部載置部6が、腰掛け部28の前方側に位置するように、腰掛け部28に載置される。
このような状態において、被介護者が、車椅子26の腰掛け部28に座布団本体2の上から座ると、臀部が臀部載置部4上で深く沈み、臀部載置部4より盛り上がった大腿部載置部6で、太股が少し持ち上げられ、臀部が座布団本体2にしっかりと支えられ、臀部が座布団本体2上でずれることがない。
しかも、車椅子使用者の臀部や太股部分は袋体2の表地を介して羽毛12からなる中材によってふんわりと柔らかに支えられるため、座り心地が快適であり、長時間座っていても床ずれが生じにくくまた疲れが少ない。また、羽毛12は吸湿性に優れ、臀部が蒸れることがない。尚、図6に示すように、座布団本体2の底面に、両面に粘着性の滑り止め面を有するずれ防止シート32を敷くことで、座布団2の、車椅子26の腰掛け部28に対するずれを防止することができる。
また、本考案に係る羽毛座布団は、車椅子以外に、通常の椅子にも利用できる。通常の椅子の背もたれに本体2を当て、本体2の臀部載置部4を背当てに利用すると、大腿部載置部6が腰の隙間を埋めるため、本体2を快適に利用することができる。また、袋体14の中材として羽毛が最適であるが、羽毛以外に、柔らかな種々の素材を中材として使用することができる。
上記実施形態では、臀部載置部4の載置面は、左右略同じ高さであるが、図3に示す、臀部載置部4の一方側4aを高く、他方側4bを、一方側4aよりも低く形成して、あるいは、その逆の構成として、臀部載置部4の載置面を左右いずれかの方向に傾け、車椅子に座ったとき身体が傾いてしまう被介護者が楽に通常の姿勢で座れるようにしても良い。上記臀部載置部4の高い部分4aは、大腿部載置部6の高さより高くならない範囲内で適宜設定され、臀部載置部4の高い部分4aは、袋体14の下にクッション材を配置して形成する。
本考案に係る座布団のA−A線断面図である。 座布団の側面図である。 座布団の平面図である。 座布団の分解斜視図である。 本考案に係る座布団を車椅子に装着した状態を示す側面図である。 本考案の他の実施形態を示す側面図である。
符号の説明
2 本体
2a クッション面
4 臀部載置部
6 大腿部載置部
8 ふとんカバー
10 クッション材
12 羽毛
14 袋体
16 2層部分
18 縫い目
20 紐部材
22 紐部材
24 面ファスナー
25 面ファスナー
26 車椅子
28 腰掛け部
30 背もたれ
32 ずれ防止シート

Claims (5)

  1. 厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に柔らかな素材からなる中材を充填し、該袋体14の表面をクッション面としたことを特徴とする車椅子用座布団。
  2. 厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に羽毛12を充填し該袋体14の表面をクッション面としたことを特徴とする車椅子用座布団。
  3. 前記臀部載置部4の左右のうち、いずれか一方側4aを高く、他方側4bを、前記一方側4aより低くし、該臀部載置部4の載置面を傾けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車椅子用座布団。
  4. 厚板状のクッション材10の一方部分に凸部を設け、該クッション材10に袋体14を重ねて結合配置し、該袋体14の表面に略平坦な臀部載置部4と、この臀部載置部4より高く盛り上がった大腿部載置部6を形成し、前記クッション材10を座布団カバー8によって覆った、車椅子の腰掛け部にずれ防止手段を介して載置して使用される介護サポート用の座布団であって、前記袋体14の内部に羽毛12を充填し、該袋体14の表面をクッション面とし、前記クッション材10の一方部分を屈折してに2層に重ね、該2層部分16によって前記凸部を形成したことを特徴とする車椅子用座布団。
  5. 前記厚板状のクッション材を、プラスチックからなるマカロニ状の中空糸を緻密に絡み合わせたスプリング構造により構成し通気性を保有させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つの請求項に記載の車椅子用座布団。
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