JP3117348U - 消臭具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発生する臭気を簡単に消臭可能な消臭具の提供。
【解決手段】 通気性があるシート部材18aと、ビニールシートからなるシート部材18bとによって形成された袋12の内室14に、化学反応により臭気を無臭化する消臭剤を保持する消臭部材16を入れ、袋12の背面にこの袋を任意の位置に貼り付けることができる接着テープ面20を形成して、消臭具10とする。
【選択図】 図1

Description

本考案は、臭気を除去又は緩和する消臭具に関する。
われわれの周辺では、家庭内、車内、工場など、いたる場所から臭気が発生している。臭気が生活環境に及ぼす影響は大きい。
悪臭防止法は22の物質を特定悪臭物質として指定し、これらの物質の排出を規制し、不快な臭気によって生活環境が損なわれることを防止している。悪臭防止法が指定する22の特定悪臭物質は、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸である。なかでも、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、トリメチルアミンの4物質は4大悪臭物質と呼ばれている。これらの物質から臭気の原因となる物質の粒子が空気中に漂い出し、人に不快な臭気を感じさせる。
臭気を消すため、様々な製品が開発されている。これらの製品は、芳香剤、消臭剤、脱臭剤、防臭剤に分類される。芳香剤は空間に芳香を付与するものであり、消臭剤は臭気を化学的作用等で除去又は緩和するものであり、脱臭剤は臭気を物理的作用等で除去又は緩和するものであり、防臭剤は臭気を他の香り等でマスキングするものである。
化学的作用を利用する消臭剤が広く一般的に使われている。例えば、台所で消臭剤をゴミ箱内に噴霧し、蓋を開ける際に、ゴミ箱から臭気が漂い出てくることを防止する。また、ドアや窓を閉め切ってしばらくの間放置してあった自動車を運転するとき、消臭剤を車内に噴霧し、車内の臭気を除去する。
化学的作用を利用する消臭剤の消臭成分は、主に、植物抽出物、有機酸、界面活性剤、安定化二酸化塩素等である(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特開2003−105385号公報 特開平10−248911号公報
しかし、台所のゴミ箱には生ゴミが頻繁に投入される。したがって、ゴミ箱の臭気を除去するためには、生ゴミを投入するたびに消臭剤をゴミ箱に噴霧しなければならない。生ゴミを投入するたびに消臭剤を噴霧することは、台所で働く主婦等にとって煩雑な作業である。
また、ドアや窓を閉め切ってしばらくの間放置してあった自動車の車内には、臭気が充満している。運転手は、自動車に乗り込んでから消臭剤を車内に噴霧するまでの間、車内の臭気を我慢しなければならない。また、自動車に乗り込むたびに消臭剤を噴霧することは、運転手にとって煩雑な作業である。
本考案は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、臭気を簡単に除去又は緩和可能な消臭具を提供することである。
本考案に係る消臭具は、通気性のあるシート部材によって前面の少なくとも一部を形成した袋と、化学反応により臭気を除去又は緩和する消臭剤を有する消臭部材と、を備え、前記消臭部材が前記袋に入れられており、前記袋を任意の位置に貼り付ける接着面が、前記袋の背面に形成されている。
本考案によれば、消臭具の袋は、前面の少なくとも一部が通気性のあるシート部材によって形成されている。したがって、臭気の原因となる物質の粒子(以下、「臭気の原因となる物質の粒子」のことを「臭気原因粒子」という。)は、通気性のあるシート部材を通り抜けて袋内に入ることができ、袋内の消臭部材と接触し、消臭部材が有する消臭剤と反応する。臭気原因粒子は、消臭剤と反応して他の物質に化学変化し、臭気が除去又は緩和される。
消臭具の袋の背面には接着面が形成されているので、任意の場所に消臭具を貼り付けて、袋の前面を表に向けておくことができる。消臭具は、この消臭具を貼り付ける場所について、制約を受けない。臭気原因物質の発生場所の近傍に消臭具を貼り付けておけば、臭気原因粒子が消臭具の袋内に入り、袋内で消臭部材が有する消臭剤と反応し、他の物質に化学変化し、臭気が除去又は緩和される。
密閉された空間内の任意の場所に消臭具を貼り付けておけば、密閉された空間内の臭気原因物質が消臭具の袋内に入り、袋内で消臭部材が有する消臭剤と反応し、他の物質に化学変化する。密閉された空間内の臭気が除去又は緩和され、密閉された空間内に臭気が充満することも防止される。例えば、蓋をしたゴミ箱の中に消臭具を貼り付けておけば、ゴミ箱の蓋を開けた際の臭気が防止される。また、自動車の車内に消臭具を貼り付けておけば、ドアや窓を閉め切ったまま自動車をしばらくの間放置しておいたとしても、自動車に乗り込む際の臭気が防止される。
また、消臭具を貼り付けたらば、その後は消臭剤をいちいち噴霧等する必要がない。消臭具が古くなり、消臭部材の消臭剤が臭気を除去する能力や臭気を緩和する能力が弱くなったら、古い消臭具を剥がして新しい消臭具をまた貼り付ければよい。したがって、消臭具の取り扱いが非常に簡単であり、臭気も簡単に除去又は緩和される。
なお、通気性があるシート部材として、例えば、目の粗い織布や不織布を用いることができる。織布や不織布を構成する素材は天然繊維であっても、化学繊維であってもよい。不織布として、例えば、レジンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、湿式不織布を挙げることができる。また、これら以外の不織布を用いることも可能である。
消臭剤は、臭気原因粒子と反応し、臭気原因粒子を他の物質に化学変化させるものであればよく、従来ある消臭剤を使うことができる。例えば、植物抽出物を主成分とする消臭剤、有機酸を主成分とする消臭剤、界面活性剤を主成分とする消臭剤、安定化二酸化塩素を主成分とする消臭剤等を用いることができる。
消臭部材は、袋内に入れることができる大きさであって、消臭剤を保持できるものであればよい。例えば、軽石等の多孔質の岩石、シラスから製造されるシラスバルーン、炭、園芸用の土、高炉から出るスラグ、ゼオライト等を用いることができる。園芸用の土としては、例えば、ボラ土、富士砂、桐生土等を挙げることができる。消臭部材に消臭剤を保持させるには、例えば、消臭剤の液中に消臭部材を浸けたり、消臭剤を消臭部材に噴霧したり、消臭剤を消臭部材に流しかけるなどすればよい。
消臭部材を多孔質の部材とすれば、消臭部材の単位体積あたりの表面積が広くなり、消臭部材に多量の消臭剤を保持させることが可能となる。ウレタンフォームなどを消臭部材とすることも可能である。
上記のような消臭具であるので、発生する臭気を簡単に除去又は緩和できる。
本考案を実施するための最良の形態を図1を参照しつつ説明する。
図1(i)及び(ii)に示すように、消臭具10は、袋12と消臭部材16を備えている。袋12は四角形のシート部材18a、18bによって形成されている。シート部材18a、18bが重ねられ、その周囲が接着され、シート部材18aとシート部材18bとの間に内室14が形成されている。シート部材18aは通気性のある不織布であり、シート部材18bはビニールシートである。シート部材18aが袋12の表面側に位置し、シート部材18bが袋12の背面側に位置している。
消臭部材16が袋12の内室14に充填されている。消臭部材16は消臭剤の液中に浸したボラ土の粒を乾燥させたものである。ボラ土は多孔質であり、単位体積あたりの表面積が広い。したがって、消臭部材16の表面には、多量の消臭剤が付着して保持されている。消臭部材16をなすボラ土の粒の粒径は、消臭部材16を内室14に詰めることができる大きさであればよい。例えば、消臭部材16をなすボラ土の粒の粒径がおよそ1cm以下であれば、消臭部材16を詰めた袋12の前面や背面が凸凹してしまうことが防止される。
消臭部材16が保持する消臭剤は、悪臭防止法により特定悪臭物質と指定された物質から生じる臭気原因粒子と化学反応し、臭気原因粒子を別の物質に化学変化させるものであって、化学変化してできた別の物質が臭気を生じない物質であればよい。以下、「臭気を生じない物質」のことを「無臭物質」という。
袋12の背面側のシート部材18bの上には接着テープ面20が形成されており、接着テープ面20が接着面をなす。接着テープ面20は剥離紙22によって覆われており、剥離紙22を剥がすと接着テープ面20が露出する構成となっている。
次に、作用について説明する。
自動車の車内の臭気を消臭具10によって除去する場合について述べる。
消臭具10の接着テープ面20から剥離紙22を剥がし、接着テープ面20によって消臭具10を自動車の空調機器の空気出口付近やダッシュボードの裏側等に貼り付ける。
消臭部材16の粒径をおよそ1cm以下としておけば、内室14に充填された消臭部材16によって、袋12の背面に凹凸が生じることが防止され、接着テープ面20の凹凸も防止され、消臭具10を自動車の車内の任意の位置に貼り付けることができる。
車内では様々な箇所から臭気原因粒子が発生する。人間が自動車に乗っている間は、車内での人間の動きやドアや窓の開閉によって臭気原因粒子が拡散し、臭気原因粒子が車外へ出て行きやすい。車内に残っている臭気原因粒子は、消臭具10のシート部材18aを通り抜けて内室14に入り、消臭部材16に保持されている消臭剤と接触する。臭気原因粒子は消臭剤と反応して、無臭物質に化学変化する。
したがって、人間が自動車に乗っている間、車内の人間が臭気に悩まされることが防止されており、消臭剤を車内に噴霧などしなくても良い。
自動車のドアや窓を閉め切ったまましばらくの間放置しておくと、臭気原因粒子が車内の様々な箇所から発生してくる。特に、自動車の空調機器内では雑菌が繁殖しやすく、多くの臭気原因粒子が空調機器の空気出口から車内に漂い出る。臭気原因粒子はドアや窓から車外へ出て行くことができず、車内に溜まる。
しかし、車内の臭気原因粒子は、車内を空気の流れに乗って動き、消臭具10のシート部材18aを通り抜けて内室14に入り、消臭部材16に保持された消臭剤と接触する。臭気原因粒子は消臭剤と反応して、無臭物質に化学変化する。
車内から臭気原因粒子が除去されているので、しばらくの間放置してあった自動車を運転するとき、運転手は自動車に乗り込んだときに臭気を感じることがない。したがって、自動車に乗り込むときに、運転手が消臭剤を車内に噴霧などする必要がない。
車内から発生する臭気原因粒子の量が多い場合、車内に貼り付ける消臭具10の数を増やす。また、消臭具10の臭気を除去する能力が弱まってきたら、古い消臭具10を剥がして捨て、新しい消臭具10をまた車内に貼り付ければよい。
ゴミ箱の臭気を消臭具10によって除去する場合は、消臭具10をゴミ箱の蓋の内側などに貼り付けておけばよい。ゴミ箱内で発生した臭気原因粒子は、消臭具10のシート部材18aを通り抜けて内室14に入り、消臭部材16の消臭剤と接触する。臭気原因粒子は消臭剤と反応して、無臭物質に化学変化する。したがって、ゴミ箱の蓋を開閉するとき、臭気原因粒子による臭気がなくなり、ゴミ箱周辺に臭気が漂うことが防止される。また、ゴミ箱の蓋を開閉するたびに、消臭剤をゴミ箱に噴霧などする必要がなくなる。
消臭部材16に保持させる消臭剤の種類を別のものに変えて、消臭剤の種類が異なる消臭具10を用意すれば、臭気原因粒子の種類に対応する消臭剤の消臭具10を使うことができる。複数種類の臭気原因粒子が発生する場所には、各臭気原因粒子に対応する消臭剤の消臭具10を貼り付けておけばよい。
本実施の形態では、袋12が有する内室14の数は1つであるが、内室14の数を増やし、各内室14に入れる消臭部材16の消臭剤の種類を変えてもよい。
また、袋12の裏側のシート部材18bの上に装着されている接着テープ面20は、袋12の背面全体を覆うものであっても、袋12の背面の一部を覆うものであってもよい。接着テープ面20の広さは、接着テープ面20の接着力と消臭具10の重さに応じて定めればよい。
本考案に係る消臭具の構成図であり、(i)は消臭具の斜視図、(ii)は(i)のI−I線断面図である。
符号の説明
10 消臭具
12 袋
14 内室
16 消臭部材
18a、18b シート部材
20 接着テープ面
22 剥離紙

Claims (1)

  1. 通気性のあるシート部材によって前面の少なくとも一部を形成した袋と、
    化学反応により臭気を除去又は緩和する消臭剤を有する消臭部材と、を備え、
    前記消臭部材が前記袋に入れられており、
    前記袋を任意の位置に貼り付ける接着面が、前記袋の背面に形成されていることを特徴とする消臭具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05195829A (ja) * 1992-01-17 1993-08-03 Nippon Cable Syst Inc アクセルアクチュエータ

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