JP3116134B2 - 踏力検出装置、およびそれを用いたブレーキ装置の性能評価装置 - Google Patents

踏力検出装置、およびそれを用いたブレーキ装置の性能評価装置

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JP3116134B2
JP3116134B2 JP10309392A JP30939298A JP3116134B2 JP 3116134 B2 JP3116134 B2 JP 3116134B2 JP 10309392 A JP10309392 A JP 10309392A JP 30939298 A JP30939298 A JP 30939298A JP 3116134 B2 JP3116134 B2 JP 3116134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車輌に装備され
るマスタシリンダと連結されたブレーキペダルに人為的
若しくは機械的に付与される操作力からブレーキペダル
のフリクションや遊びなどの不安定要素を排除して、実
際にブレーキペダルを介して作用する踏力を正確に検出
することを目的とした踏力検出装置と、それを用いたブ
レーキ装置の性能評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に車輌に使用されている踏力セン
サは、ブレーキペダルの踏面または表面に直接固着さ
れ、ブレーキ操作時にブレーキペダルを踏むことで踏面
に圧力が発生し、その圧力が直接的に踏力センサに作用
してセンサ検知部を変形させることにより生じる電気抵
抗の変化を計測する歪ゲージから構成される圧力センサ
から成る。
【0003】しかしながら、ブレーキペダルの踏面に作
用する圧力は、踏面全域において均一に作用するもので
はない。したがって、踏力センサの貼付位置の精度によ
って検出値のばらつき誤差が大きくなるという問題があ
ると共に、ブレーキペダルの踏面または表面に直接固着
しているために外乱要因の影響を極めて受けやすく、正
確な踏力を求めることは非常に困難であった。
【0004】また、従来の踏力センサを用いたブレーキ
装置の性能評価装置においては、ダッシュパネルに接続
されたフロアパネルにエアシリンダを固定し、エアシリ
ンダを作動せしめてブレーキペダルを押し込み、その時
の負荷をブレーキペダルのペダル面に設けた踏力センサ
より踏力として計測し、また同時にエアシリンダのスト
ロークをポテンションメータでペダルストローク量とし
て計測し、踏力とペダルストロークとの関係からブレー
キ配管内のエア残留を検出するとともに、一定踏力保持
状態におけるペダルストローク量の変化によってブレー
キ液漏れを検出する評価を行っていた。(特開平4−2
0836号公報参照)
【0005】しかし、踏力負荷によるブレーキ油圧の変
動がペダルストロークの変化量に近似的に同じであると
仮定しているために、実際のブレーキ油液の挙動を反映
した直接的な評価ではなく、あくまでも二次的評価に過
ぎない。しかも、ペダルストロークをエアシリンダのス
トロークで代用していることから、ブレーキペダルが有
するフリクションや遊び、エアシリンダ自身のずれ等を
ストロークとして含んでしまい、またブレーキペダル加
圧時に発生するダッシュパネルの変形をも含んでしま
う。これらを原因として、ストロークの零点またはスト
ローク量に誤差が生じ、ブレーキ管内エア残留並びに配
管系統の液漏れの有無を正確に判断することが出来な
い。
【0006】この様な問題点を解決するため、ブレーキ
ペダルの作動部に特殊ロードセルから構成された踏力セ
ンサと非接触式測距センサを取り付け、さらにブレーキ
ペダルに連結されかつ所定の踏力とペダルストロークを
与えることを目的とした流体シリンダよりブレーキ装置
の検査装置を構成し、踏力センサから計測された踏力実
測値と非接触式測距センサから計測されたペダルストロ
ーク実測値、予め設定された踏力設定値とペダルストロ
ーク設定値とをそれぞれ比較して、ブレーキ管内のエア
残留と配管系統の液漏れの有無を判断するブレーキ装置
の評価装置が提案されている。(特開平7−14004
7号公報参照)
【0007】ところで、上述した従来例では、性能評価
を行うために流体シリンダや非接触式測距センサ、特殊
ロードセル等の専用設備をブレーキペダル廻りという極
めて狭い空間内に設置しなければならず、省スペース・
低コストの実現においては非常に困難であるという問題
がある。また、従来例はその構成から、車輌生産ライン
において新たに組み立てられたブレーキ装置の初動試験
のみを対象として提案されたものに他ならない。実際、
ブレーキ装置の故障は、過度の踏み込みや繰り返し使用
による配管系統内のエア残留、経年による配管の疲労や
外乱要因からの衝撃による破壊を主因とする液漏れが原
因であり、そのほとんどが車輌稼働中において発生する
ものである。すなわち、車輌の搭乗者の生命を守るとい
う重要な役割を担うブレーキ装置の作動適正を車輌稼働
中において逐次監視することは、ブレーキ装置の故障に
よる事故を防止するという観点から非常に重要な技術で
あり、その面で従来例は不適である。さらに、実際のブ
レーキ油液の挙動を反映した直接的な評価ではない、二
次的評価の問題も解決されていない。
【0008】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、外乱要因を排除した正確な踏力
を検出する踏力検出装置と、それを利用した、かつ実際
のブレーキ油液の挙動を反映しながら車輌稼働中におけ
るブレーキ装置の作動適正を逐次監視することで、ブレ
ーキ装置の故障による事故防止を目的とした性能評価装
置を提供することを、その課題とする。
【0009】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0010】本願発明の第1の側面によれば、一端部を
中心に回動可能なアーム部と、このアーム部と車輛のマ
スタシリンダとを連結するプッシュロッドと、アーム部
の他端部に取り付けられたペダル踏面とを有するブレー
キペダルと、ペダル踏面に踏力が加わったときにアーム
部に生じる内部応力のうち、踏力のプッシュロッド運動
方向の分力により作用する剪断応力が存在し、踏力のア
ーム部回動軸芯方向の分力により作用する捻り応力や、
踏力のプッシュロッド運動方向とアーム部回動軸芯方向
とに直交する方向の分力により作用する曲げ応力の影響
が無いか若しくは極めて小さい分布帯である応力中心帯
を内包するようにアーム部に設けられた孔に埋設固着さ
れた、歪ゲージより構成される踏力検出センサとを備え
ており、踏力検出センサが、ブレーキペダルに人為的若
しくは機械的に付与される操作力によって、ブレーキペ
ダルのアーム部に作用する剪断応力をブレーキペダルに
作用する踏力として検出するように構成したことを特徴
とする、踏力検出装置を提供する。
【0011】
【0012】
【0013】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、踏力検出センサは、ブレーキペダルと同等の金属材
質からなる立方体若しくは平板状の基体の表面に歪ゲー
ジが貼着される事により構成され、その歪ゲージの貼着
面が、孔の中心軸に対して垂直な互いに向かい合う二面
であって、その中心面に対して面対称となる位置に貼着
される。
【0014】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、踏力検出センサは、二軸の歪ゲージにより構成さ
れ、かつ両者がブレーキペダルのアーム部に作用する剪
断応力の方向に対して互いに45゜の傾きを為して直交
する関係にある。
【0015】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、踏力検出センサは、隔離材を介して孔に埋設固着さ
れており、その隔離材がエポキシ性樹脂剤より構成さ
れ、孔の内壁に対して踏力検出センサの接触面との空隙
を埋めて接合される。
【0016】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、踏力検出センサは、隔離材を介して孔に埋設固着さ
れており、その隔離材がブレーキペダルのアーム部と同
じ材質で構成されたインサート金属であり、孔の内壁に
対して踏力検出センサの接触面との空隙を埋めて接合さ
れる。
【0017】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、温度変化による歪ゲージの抵抗変動を補正する温度
補償回路をさらに備えており、この温度補償回路は、踏
力検出センサとともにブレーキペダルに設けられた孔に
埋設固着される。
【0018】本願発明の他の好適な実施の形態によれ
ば、温度補償回路は、基体の表面に貼着された一軸若し
くは二軸のゲージ部より構成されており、そのゲージ部
が踏力検出センサの歪ゲージと比較して高い温度係数特
性を有するピエゾ抵抗素子から構成され、さらに貼着面
の中心線に沿って設置されている。
【0019】本願発明の第2の側面によれば、一端部を
中心に回動可能なアーム部と、このアーム部と車輛のマ
スタシリンダとを連結するプッシュロッドと、アーム部
の他端部に取り付けられたペダル踏面とを有するブレー
キペダルと、マスタシリンダの油圧配管に装着され、油
圧配管内のマスター油圧情報を得ることができる任意数
の油圧センサと、ペダル踏面に踏力が加わったときにア
ーム部に生じる内部応力のうち、踏力のプッシュロッド
運動方向の分力により作用する剪断応力が存在し、踏力
のアーム部回動軸芯方向の分力により作用する捻り応力
や、踏力のプッシュロッド運動方向とアーム部回動軸芯
方向とに直交する方向の分力により作用する曲げ応力の
影響が無いか若しくは極めて小さい分布帯である応力中
心帯を内包するようにアーム部に設けられた孔に埋設固
着され、かつ歪ゲージより構成されて、ブレーキペダル
に対して人為的若しくは機械的に付与される操作力によ
って、ブレーキペダルのアーム部に作用する剪断応力を
ブレーキペダルに作用する踏力として検出する踏力検出
センサと、踏力検出センサより検出された測定値を演算
することにより、ブレーキペダルの操作を介してマスタ
シリンダに作用するマスター油圧を求める油圧演算手段
とから構成され、踏力検出センサから与えられる踏力計
測値から演算されるマスター油圧演算値、および油圧セ
ンサから検出されるマスター油圧計測値とをそれぞれ比
較して、ブレーキ管内のエア残留若しくは管内系統の液
漏れの有無を判断する判断手段を備えてなることを特徴
とする、ブレーキ装置の性能評価装置を提供する。
【0020】油圧配管内のマスター油圧情報は、1個の
油圧センサから直接得ても良いし、油圧センサからの検
出信号を演算することにより得ても良い。さらには、複
数の油圧センサからの検出信号を演算することにより得
ても良い。
【0021】このように本願発明によれば、歪ゲージよ
り構成される踏力検出センサをブレーキペダルに存在す
る応力中心帯に内包される位置にある孔に埋設固着し
て、人為的若しくは機械的に付与される踏力を剪断応力
として検出するので、ブレーキペダルのフリクションや
遊びなどの不安定要素の影響を受けない、正確な踏力を
検出することが可能となる。しかも、剪断応力はブレー
キペダルに均一に存在するので、従来のような圧力セン
サを用いる検出技術と比較して、歪ゲージの貼付位置精
度による検出値のばらつき誤差が大きくなるという問題
も良好に解消できる。
【0022】さらに、踏力検出センサを隔離材を介して
孔に埋設固着されるために、この隔離材が踏力検出セン
サと外部とを遮断する機能を併せ持ち、従来のブレーキ
ペダルの踏面または踏面に直接固着する技術と比較し
て、外乱要因の影響を受けることなく正確な踏力を計測
することができる。また同時に、温度補償回路をも踏力
検出センサとともに埋設固着するため、温度変化による
歪ゲージの抵抗変動を補正することができることから
も、計測精度をより一層向上させることができる。
【0023】また、この様な踏力検出センサをブレーキ
装置の性能評価装置に採用することにより、従来のブレ
ーキ装置の性能評価には不可欠であった特殊な専用設備
をブレーキペダル廻りという極めて狭い空間に設ける必
要性が一切無くなり、省スペース・低コスト化が実現で
きるとともに、さらに油圧配管内のマスター油圧情報の
併用によって、実際のブレーキ油液の挙動を反映した直
接的な性能評価が実現でき、判断の精度が向上する。し
かも、ペダルストロークを計測する必要が無いため、ブ
レーキペダルが有するフリクションや遊び、ブレーキペ
ダル加圧時に発生するダッシュパネルの変形を主因とす
るストロークの零点またはストローク量の誤差といった
誤判断要因を一切排除することができることからも、性
能評価の判断精度をより一層向上することができる。
【0024】さらに、従来技術では専用設備の必要性か
ら実現不可能であった車輌稼働中のブレーキ装置の作動
適正の逐次監視を実現することができ、ブレーキ装置の
故障による事故の発生を防止するという面で特に顕著な
効果を得ることができる。
【0025】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図示を参照して具体的に説明する。なお、ここ
に示すのは好ましい実施形態の一例であって、特許請求
の範囲はここに示す実施例に限定されるものではない。
【0027】まず、本願発明に係わる踏力検出装置の構
成に関して説明する。図1は、一般的なブレーキペダル
廻りを構成する部品の説明図であって、ブレーキペダル
1はブラケット8に支持軸7によって回動可能に取り付
けられている。また、リターンスプリング4がブレーキ
ペダル1のアーム部10とブラケット8の間に張設さ
れ、ブレーキペダル1は反時計回りの方向に付勢されて
いる。その結果、ブレーキペダル1は無負荷状態では、
ストップアジャストスクリュ5に当接し、原位置に保た
れる。
【0028】前記ピン9はプッシュロッド3の一端をブ
レーキペダル1に連結しており、ブレーキペダル1はプ
ッシュロッドを介してマスタシリンダ2に接続されてい
る。すなわち、ブレーキペダル1のペダル踏面6に人為
的若しくは機械的な要因による外部からの負荷である踏
力が作用すると、ブレーキペダル1は支持軸7を中心と
して順時計方向に回転するような運動を行い、ピン9を
介してブレーキペダル1に連結されたプッシュロッド3
はマスタシリンダ側へ押動される。このようなプロセス
を経て、マスタシリンダ2にブレーキペダル1の踏力に
対応する液圧が発生させられ、車輌の前輪側および後輪
側のブレーキ系統にブレーキ制動力として伝達される。
【0029】図2は、本願発明に係わる踏力検出装置を
構成する踏力検出センサ12の外観図であって、この踏
力検出センサ12は、たとえばブレーキペダルと同等の
金属材料若しくはシリコン系材料からなる直方体形状の
基体20と、その表面に貼着された金属抵抗薄膜からな
る4個の歪ゲージ21、22、31、32とから構成さ
れる。歪ゲージは、基体20にある一方向からの外力が
負荷された場合、その外力により発生する内部歪みに対
応して、歪ゲージの抵抗薄膜が変形することによる電気
抵抗変動を出力値として検出するものであり、一般的に
は市販の金属抵抗体若しくは半導体プロセスによる薄膜
技術を利用するものが知られているが、それに限るもの
ではない。また、図2では、矢印19はブレーキペダル
のアーム部10に設けられた孔15への挿入方向を示す
ものであり、踏力検出センサの装着例に関しては図4に
て詳説することとする。
【0030】歪ゲージ21と22および31と32は、
それぞれが基体20の貼着面の中心線に対して互いに4
5゜の傾きを為して直交するように配置されている。ま
た、歪ゲージが貼付される基体20の貼着面は、ブレー
キペダルのアーム部10に設けられた孔15への挿入方
向である矢印19に対して垂直かつ互いに向かい合う関
係にある。さらに、歪ゲージ21と31、また22と3
2とが、貼着面に平行な基体中心面に対して各々面対称
な位置になるように配設されている。
【0031】図3は、本願発明に係わる踏力検出装置に
おける信号処理回路であって、前記踏力検出センサ12
の歪ゲージ21、22、31、32は、それぞれ他の3
個の定抵抗素子16と組合わさってひとつのブリッジ回
路17を構成している。すなわち、信号処理回路内部に
は、各歪ゲージ21、22、31、32に対応した4つ
のブロック回路が存在していることとなる。各ブリッジ
回路17は、電気信号線18を介して増幅回路41と直
流電源42に接続され、さらに演算回路43に電気的に
接続されている。
【0032】前記踏力検出センサ12に応力が作用する
ことにともなって、歪ゲージ21、22、31、32
は、基体20の面内に生じる歪みを検知する。歪みによ
り生じる各歪ゲージの微小な抵抗変動は、それに対応す
るブリッジ回路17によって電圧信号に変換され、さら
に増幅回路41を介して応力に比例した電圧信号に増幅
される。演算回路43は、各増幅回路41より出力され
る電圧信号を総括してロジック演算として処理される。
具体的には、演算回路43は、増幅回路41から出力さ
れた各電圧信号を加算若しくは減算するロジック演算手
段と、ロジック演算手段より演算された応力に比例した
電圧信号を歪み量に換算する歪量演算手段と、さらにそ
の歪み量に対応した応力を演算する応力演算手段とから
構成される。
【0033】このような歪ゲージの構成を有する踏力検
出センサを採用することによって、踏力を効果的に検出
することが可能になる。以下に、その理由について理論
的に考察する。
【0034】図4は、本願発明に係わる踏力検出装置の
ブレーキペダルへの踏力検出センサの装着例であって、
踏力検出センサ12は、ブレーキペダル1のアーム部1
0に形成された孔15に埋設固着される。
【0035】孔15は、ブレーキペダルの幅方向に沿っ
て、かつブレーキペダルに存在する応力中心帯を内包す
る位置に設けられている。ここで応力中心帯とは、ブレ
ーキペダルに複数の方向から外力が作用したときの内部
応力の分布を考えた場合、測定を目的とする方向成分の
外力による応力が存在し、かつそれ以外の方向成分の外
力により作用する内部応力の影響が無いか若しくは極め
て小さいような分布帯であると定義される。すなわち、
ブレーキペダルの踏面6に作用する踏力Fは、x軸方向
成分の分力f1と、z軸方向成分の分力f2と、y軸方
向成分の分力f3とのベクトル的な合力であるとして考
えることができるが、x軸方向成分の分力f1により作
用する剪断応力のみが存在し、かつz軸方向成分の分力
であるf2による曲げ応力やy方向成分の分力f3によ
る捻り応力による影響が無いか若しくは極めて小さいよ
うな場所を含むように孔15を設けて、前記の場所に踏
力検出センサ12を埋設固着してやればよい。x軸方向
とはプッシュロッド3の往復運動方向に一致するもので
あり、y軸方向はブレーキペダルの幅方向を、z軸方向
はプッシュロッドの移動方向に対して垂直な上下方向を
それぞれ示す。また分力f3は、ペダル踏面6に作用す
る踏力荷重点と、ブレーキペダルのアーム部10と踏面
6との接着面とが一致していないことを主因とするx軸
廻りに回転する捻れ応力を発生させる成分である。
【0036】孔15の設定方法としては、たとえば計算
力学的手法のひとつとされる有限要素法を用いたFEM
(finite element method)解析
を利用する方法が一般的である。すなわち、踏力の分力
f1、f2、f3がそれぞれ単独で作用した場合の応力
分布図をFEM解析によって求め、FEM解析によって
得られたブレーキペダル内部の分力f2とf3による曲
げおよび捻り応力の分布図を重ね合わせて、両応力がと
もに最小である範囲を決定し、その決定範囲と分力f1
による剪断応力分布図とを照合して、剪断応力が最大に
検知される最適位置を含むように決定すればよい。
【0037】このようにすることで、剪断応力以外の他
方向成分を有する応力による影響を排除した極めて正確
な剪断応力、換言すると踏力Fを検出することができ
る。しかも、ブレーキペダルに作用する応力を直接計測
するため、ブレーキペダル自身が有するフリクションや
遊びなどの不安定要素を排除した、実際にブレーキペダ
ルに付与される踏力のみに対応した計測が可能となる。
なお孔15は、必ずしもブレーキペダルを幅方向に貫通
する必要はなく、例えば深さ5mmの止メ穴でも良い。
またその直径は、たとえば7mmである。
【0038】さらに、材料力学の応力分布の観点から、
剪断応力はそれに作用する構造体に対して一様に分布す
ることが公知である。したがって、ペダル踏面6に作用
する踏力Fからの剪断応力はブレーキペダル全体に均一
に分布している。すなわち、従来の踏力検出センサに作
用されている圧力検出型踏力センサの欠点を排除したセ
ンサ装着位置精度によらない踏力に対応した剪断応力の
検出が実現される。
【0039】図5は、本願発明に係わる踏力検出センサ
装着部の拡大図であって、踏力検出センサ12は、応力
中心帯にスポット的に装着される。また、踏力検出セン
サ12は、基板20のゲージ貼着面の中心線とブレーキ
ペダルのアーム部に作用する剪断応力f1の作用方向と
並行にあるように配設されている。さらに、歪ゲージ2
1と22、および31と32は、基板20のゲージ貼着
面の中心線に対して互いに45゜の傾きを為して直交す
るように配置されている。すなわち、歪ゲージ21と2
2、および31と32は、ブレーキペダルのアーム部に
作用する剪断応力f1の作用方向に対して45゜の傾き
をもって直交し合う関係を有する。
【0040】このような、剪断応力の作用方向と歪ゲー
ジとの配置関係を構築することで、より効果的に踏力に
対応した剪断応力のみを検知することができる。以下に
その理論的根拠を図11を用いて講じる。
【0041】ある一方向の応力を基板20に付与させた
場合の歪ゲージ21、22、31、32の抵抗変化量
は、絶対値的に見て同等である。この関係は、応力方向
が剪断、曲げ、捻れの何れの場合においても成立するも
のであり、各応力の方向に応じてその極性のみが変化す
る。具体的には、剪断方向に応力が作用した場合、図1
1(a)に示されるように、歪ゲージ21と31には引
っ張り方向の変形が、歪ゲージ22と32には圧縮方向
の変形が生じる。今、各ゲージの変形による抵抗変化量
の絶対値をεと仮定すると、歪ゲージ21と31には引
っ張り方向の変形が生じるために+εが、歪ゲージ22
と32には圧縮方向の変形による−εが出力される。次
に曲げ応力が作用した場合の各ゲージからの出力値を考
察すると、歪ゲージ21と22には引っ張り方向の変形
が作用するので+εを、歪ゲージ31と32には圧縮方
向の変形が作用して−εを出力する(図11(b)参
照)。捻り応力の場合においても同様にして、歪ゲージ
21と32は+εを、歪ゲージ22と31は−εをそれ
ぞれ出力する(図11(c)参照)。ここで、下記数式
1に各歪ゲージから得られる出力値を代入する。なお、
下記数式におけるaは歪ゲージ21の出力値、bは歪ゲ
ージ22の出力値、cは歪ゲージ31の出力値、dは歪
ゲージ32の出力値にそれぞれ相当する。また、Eは応
力に対応した総括的ロジック演算値であり、数式1は図
3で示した演算回路43により実現される。
【0042】
【数1】 E=(a+c)−(b+d)
【0043】前述の基板20に作用する応力に応じた各
歪ゲージの出力傾向に基づいて上記数式1を演算する
と、剪断応力による総括的ロジック演算値Eは4εとな
るが、その他の応力による総括的ロジック演算値Eは何
れの場合においても零となる。すなわち、ブレーキペダ
ルのアーム部に作用する剪断応力f1の作用方向に対し
て45゜の傾きを為して直交し合うような関係をもって
歪ゲージを配置することで、他方向成分の応力からの影
響を排除して剪断応力のみを検出する効果がより一層顕
著に得ることが可能となる。
【0044】一般に従来の踏力検出センサは、ブレーキ
ペダルのアーム部側面やペダル踏面の表面に貼着されて
いる場合が多く、装着場所周辺の環境といった外部雰囲
気による不確定な要因からの影響に左右されやすい。結
果として、車輌生産ラインにおける初動試験といった予
め使用環境を設定できる静的実験でしか対処できず、車
輌稼働における動的環境化においては、安定した出力を
提供するという意味合いでその実用化に問題がある。
【0045】これを解決するために図5に示すように、
上記孔15は、隔離剤13によってその内部を充填され
る。この隔離材13は、エポキシ性樹脂剤より構成され
ているものであっても良いし、若しくはブレーキペダル
と同等の応力伝達特性を有する材質で構成されたインサ
ート金属であっても良い。インサート金属を使用する接
合方法としては、一般的に液相拡散接合と呼ばれる手法
が知られており、これは接合面を局所的に加熱すること
による接合材料間の熱膨張係数の拡差を利用して加圧
し、接合面に挿入されたインサート金属を溶融液相化し
た後に、拡散を利用して等温凝固させるものと定義され
る。インサート金属としては、融点が低くかつ比較的等
温凝固しやすいアモルファスNiや、融点を下げる効果
および拡散係数が大きいボロンを含んだNi合金などが
採用される。
【0046】この隔離材13は踏力検出センサ12の周
辺を十分に充填されており、孔15の内壁面と踏力検出
センサ12の接触面との空隙を埋めて接合される。すな
わち、踏力検出センサ12は隔離材13によって外界と
は完全に遮断されており、踏力検出センサ12を孔15
内部に確実に固着するだけではなく、外界雰囲気からの
外乱要因から保護するインシールド的役割を隔離材13
が果たすことによって、踏力のみに対応した安定した検
出結果を提供することができる。さらに、後述する温度
補償機能を有するセンサ部14を踏力検出センサ12と
ともに孔15に埋設固着することで、温度変化による歪
ゲージの抵抗変動をも補正した踏力に対応した検出結果
を得ることが可能となる。
【0047】図6に本願発明に係わる温度補償機能を有
するセンサの外観図を、図7に温度補償回路を組み込ん
だ踏力検出信号処理回路の構成図を示す。温度補償回路
としては、たとえば一般によく用いられるオフセット電
圧温度特性を考慮した温度係数の高いピエゾ抵抗素子で
構成されたセンサ部14によって構築される。なお、温
度補償回路以外の電圧信号処理に関しては、前述した図
3に示す信号処理回路と同様であり、ここでは重複を避
けるために省略する。
【0048】図6に示す温度補償機能を有するセンサ部
14は、たとえば踏力検出センサ12の基体20と同じ
材料からなる直方体形状の基板部24と、その表面に形
成されたピエゾ抵抗素子からなるゲージ部25、26と
から構成される。なお基板部24は、必ずしも直方体形
状である必要はなく、たとえば立方体形状若しくは板状
の基板の表面にゲージ部を形成する構成であっても良
い。
【0049】ゲージ部25、26は、それぞれが基板部
24の貼着面の中心線に沿って互いに直交するように配
置されている。すなわち、センサ部14に作用する剪断
応力に準ずる分力f1の方向に対して垂直若しくは水平
にゲージ部を配設することで、ゲージ部25、26は剪
断応力によって作用される剪断歪みによる影響を受けな
い温度変化による抵抗変動のみを検知する。
【0050】図7は、温度補償回路を組み込んだ踏力検
出信号処理回路の構成図であって、温度補償機能を有す
るセンサ部14を構成するゲージ部25、26は、ブリ
ッジ回路17の定抵抗素子16に並列的に接続される。
以下に、具体的に踏力検出センサを構成する歪ゲージ2
1を含むブリッジ回路17aを例に挙げて詳説する。温
度補償機能を有するセンサ部14を構成するひとつのゲ
ージ部25は、踏力検出センサを構成する歪ゲージ21
と向かい合う形で接続された定抵抗素子16aに並列的
に接続される。もうひとつのゲージ部26は、歪ゲージ
21と直流電源42を含んでクローズ回路を構築する定
抵抗素子16bに並列的に接続される。他の歪ゲージ2
2、31、32に関しても同様の処理を行う。
【0051】このような構成にすることによって、歪ゲ
ージ21、22、31、32に発生する温度変化による
電気抵抗変動は補正され、オフセット電圧温度特性を考
慮した外的要因を排除するという問題は効果的に解消で
き、正確かつ安定な出力を得ることが可能となる。
【0052】図8は、本願発明に係わる踏力検出装置を
利用したブレーキ装置の性能評価装置の回路ブロック図
であって、このブレーキ装置の性能評価装置は、装置全
体を制御するCPU(central process
ing unit)47、CPU47のワークメモリと
して用いられるRAM(random accessm
emory)48、各種のプログラムやデータなどが格
納されたROM(read only memory)
49、およびCPU47とセンサなどの入出力機器との
間の信号授受を制御するインターフェイス50を備えて
いる。インターフェイス50は、入力されるアナログ信
号をディジタル信号に変換する機能などを有しており、
インターフェイス54には、ブレーキペダルに作用する
踏力に比例した電圧を出力する踏力検出センサ12と、
マスタシリンダの油圧配管に装着されて油圧配管内のマ
スター油圧情報に比例した電圧を出力する油圧センサ4
5と、ブレーキ装置の性能評価の判断結果を車輌の搭乗
者に知らせるための警告通知ランプ46とが接続されて
いる。
【0053】図9は、CPU47がROM49に格納さ
れたプログラムに基づいて動作されることにより実現さ
れる仮想的な回路ブロック図であって、CPU47は、
演算手段51、ΔP演算手段52、エア残留判断
手段53、油液漏れ判断手段54、正常動作判断手段5
5、および異常信号出力手段56を実現している。これ
らの回路は、車輌のブレーキペダルが踏み込まれること
により、CPU47がROM49に格納されている制御
プログラムを実行することによって実現される。ブレー
キペダルの踏み込みは、ブレーキペダルに装着された踏
力検出センサ12、あるいはマスタシリンダの油圧を監
視する油圧センサ45に基づいて、CPU47が判断す
る。
【0054】P演算手段51は、踏力検出センサ12
からインターフェイス50を介して入力された踏力Fに
基づいて、踏力Fに対応した理想油圧値Pを演算す
る。具体的には図10に示すように、正常時でのブレー
キペダルに作用する踏力とマスタシリンダ内部で発生し
て各車輪のブレーキ装置に供給されるマスター油圧とは
比例関係にあることは明らかであり、踏力Fに対応した
マスター油圧の理想値である油圧Pは下記数式2より
求められる。なお、下記数式に於けるαは比例定数、β
は無負荷状態でのマスター油圧の初期値である。
【0055】
【数2】 P=αF−β
【0056】ΔP演算手段52は、油圧センサ45から
インターフェイス50を介して入力されたマスター油圧
計測値Pと、踏力検出センサ12からの踏力Fに基づい
て、判断パラメータΔP=P−Pを演算する。
【0057】エア残留判断手段53は、踏力検出センサ
12からの踏力Fに基づいて演算された油圧演算値P
と、油圧センサ45からのマスター油圧計測値Pとに基
づいて、ブレーキ管内のエア残留を検出し、エア残留検
知信号を生成する。具体的には、ΔP演算手段52から
の判断パラメータΔPが、極性が正の所定値以上である
ならば、すなわち、マスター油圧計測値Pが油圧演算値
と比較して十分に大きければ、ブレーキ管内におい
てエア溜まりが残留していると判断して、エア残留検知
信号を異常信号出力手段56に出力する。
【0058】油液漏れ判断手段54は、踏力検出センサ
12からの踏力Fに基づいて演算された油圧演算値P
と、油圧センサ45からのマスター油圧計測値Pとに基
づいて、管内系統の液漏れを検出し、油液漏れ検知信号
を生成する。具体的には、ΔP演算手段52からの判断
パラメータΔPが、極性が負の所定値以下であるなら
ば、すなわち、マスター油圧計測値Pが油圧演算値P
と比較して十分に小さければ、油圧配管系統において液
漏れ発生していると判断して、油液漏れ検知信号を異常
信号出力手段56に出力する。
【0059】正常動作判断手段55は、踏力検出センサ
12からの踏力Fに基づいて演算された油圧演算値P
と、油圧センサ45からのマスター油圧計測値Pとに基
づいて、ブレーキ装置が正常に動作していることを検出
し、正常動作検知信号を生成する。具体的には、ΔP演
算手段52からの判断パラメータΔPが、ある所定値の
範囲内であるならば、すなわち、マスター油圧計測値P
が油圧演算値Pと比較してほぼ同等であるならば、マ
スタシリンダは正常に動作して各車輪毎のブレーキ装置
に油圧を供給しているものと判断して、正常動作検知信
号を異常信号出力手段56に出力する。
【0060】異常信号検出手段56は、踏力検出センサ
12からの踏力Fに基づいて演算された油圧演算値
、油圧センサ45からのマスター油圧計測値P、油
圧比較手段52からの判断パラメータΔP、エア残留判
断手段53からのエア残留検知信号、油液漏れ判断手段
54からの油液漏れ検知信号、および正常動作判断手段
55からの正常動作検知信号とに基づいて、警告通知ラ
ンプ46を動作させる。さらに異常信号検出手段56
は、何らかの異常を検知して作動した警告通知ランプ4
6を、ブレーキ装置等の修理によって異常原因が取り除
かれて人為的にキャンセルされるまで、その作動を保持
する。
【0061】すなわち、P演算手段51は、踏力検出
センサ12からの踏力情報に応じた理想油圧値Pを演
算する油圧演算手段を構成している。ΔP演算手段52
は、油圧センサ45からのマスター油圧計測値Pと、油
圧演算手段により演算された理想油圧値Pとの差であ
る判断パラメータΔPを演算する油圧比較手段を構成し
ている。エア残留判断手段53、油液漏れ判断手段5
4、正常動作判断手段55、および異常信号検出手段5
6は、油圧比較手段より得られた判断パラメータΔPを
用いて警告通知ランプ46を制御する警告通知ランプ制
御手段を構成している。さらに異常信号検出手段56
は、一度作動した警告通知を補修処理などによって人為
的にキャンセルされるまで支持する警告通知保持手段を
構成している。
【0062】次に上記ブレーキ装置の性能評価装置の動
作を説明する。ブレーキペダルが踏み込まれると、異常
信号出力手段56が、ΔP演算手段52からの判断パラ
メータΔPを逐次監視し、判断パラメータΔPが予め設
定された所定値を越えた時点で、エア残留判断手段53
がエア残留検知信号を出力して、警告通知ランプ46を
制御して例えばエア残留警告ランプを点灯させる。な
お、所定値は正の極性を有する数値であり、ROM49
にて予め設定されて保存されている。
【0063】また同時に、異常信号出力手段56が、Δ
P演算手段52からの判断パラメータΔPを逐次監視
し、判断パラメータΔPが予め設定された所定値まで減
少した時点で、油液漏れ判断手段54が油液漏れ検知信
号を出力して、警告通知ランプ46を制御して例えば油
液漏れ警告ランプを点灯させる。なお、所定値は負の極
性を有する数値であり、ROM49にて予め設定されて
保存されている。
【0064】さらに、異常信号出力手段56が、ΔP演
算手段52からの判断パラメータΔPを逐次監視し、判
断パラメータΔPが予め設定された所定値の範囲内に滞
在しているのであれば、正常動作判断手段55が正常動
作検知信号を出力して、警告通知ランプ46を制御して
例えば警告ランプを消灯させる。なお、所定値の範囲は
ROM49にて予め設定されて保存されている。
【0065】以降、上記のようなブレーキ装置の性能評
価が、車輌の稼働停止まで繰り返される。
【0066】このようにすれば、従来の踏力センサを用
いたブレーキ性能評価装置のようなペダルストロークの
比較を利用した二次的評価方法に甘んじることな〈、実
際のブレーキ油液の挙動を反映した直接的な評価制御を
容易に実現できる。また、正確な測定手法が確立されて
おらず、あくまで推定値としての域を出ないペダルスト
ロークを制御パラメータとして使用していないので、ブ
レーキペダルが有するフリクションや遊び、またはブレ
ーキペダル加圧時に発生するダッシュパネルの変形とい
った不安定要素を排除する事ができ、ブレーキ管内エア
残留並びに配管系統の液漏れの有無を的確に判断する制
御が可能である。
【0067】また、従来例の欠点である流体シリンダや
非接触式測距センサ、特殊ロードセルといった性能評価
に不可欠な専用設備をブレーキペダル廻りという極めて
狭い空間内に設置する必要が無く、ブレーキペダルに埋
設固着された踏力検出センサとマスタシリンダからのマ
スター油圧情報を提供する油圧センサのみの使用で対応
できることから、省スペース・低コスト化が容易に実現
される。さらに上述のような動作を実現することによ
り、ブレーキ装置の初動試験のみならず、車輌稼働中に
おいてもブレーキ装置の作動適正を逐次監視して、ブレ
ーキ装置の故障による事故発生を未然に防止する若しく
は減少させることができる。
【0068】
【発明の効果】本願発明は、外乱要因および不安定要素
を排除した正確なブレーキペダルに作用する踏力を検出
する踏力検出装置と、それを利用して実際のブレーキ油
液の挙動を反映しながら車輌稼働中におけるブレーキ装
置の作動適正を逐次監視する性能評価装置を提供するこ
とで、ブレーキ装置の故障による事故発生を未然に防止
し、車輌搭乗者の生命の安全をより的確に確保すること
に著しく効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なブレーキペダル廻りを構成する部品の
概略説明図である。
【図2】本願発明に係わる踏力検出装置における踏力検
出センサの外観図である。
【図3】本願発明に係わる踏力検出装置における信号処
理回路図である。
【図4】本願発明に係わる踏力検出装置に設けられた踏
力検出センサの配置説明図である。
【図5】本願発明に係わる踏力検出装置における踏力検
出センサ装着部の拡大図である。
【図6】本願発明に係わる踏力検出装置に設けられた温
度補償機能を有するセンサ部の外観図である。
【図7】本願発明に係わる踏力検出装置における温度補
償回路を組み込んだ信号処理回路の構成図である。
【図8】本願発明に係わるブレーキ装置の性能評価装置
における回路ブロック図である。
【図9】本願発明に係わるブレーキ装置の性能評価装置
に備えられたCPUにより実現される仮想的な回路ブロ
ック図である。
【図10】正常動作における踏力とマスター油圧の関係
を示すグラフである。
【図11】本願発明に係わる踏力検出センサにおける応
力方向に対応した各歪ゲージの変化傾向説明図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 6 ブレーキペダル踏面 10 ブレーキペダルアーム部 12 踏力検知センサ 13 隔離材 14 温度補償機能を有するセンサ部 15 孔 45 油圧センサ 46 警告通知ランプ 47 CPU 48 RAM 49 ROM 50 インターフェイス 51 P演算手段 52 ΔP演算手段 53 エア残留判断手段 54 油液漏れ判断手段 55 正常動作判断手段 56 異常信号出力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−76267(JP,A) 特開 昭56−54327(JP,A) 特開 平8−210934(JP,A) 特開 平7−117668(JP,A) 特開 平8−152370(JP,A) 特開 平10−129446(JP,A) 特開 平6−241922(JP,A) 特開 平4−331336(JP,A) 特開 平4−221258(JP,A) 特開 平4−58125(JP,A) 実開 平1−68517(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 7/02 G01L 5/22 G01M 17/007

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部を中心に回動可能なアーム部と、
    このアーム部と車輛のマスタシリンダとを連結するプッ
    シュロッドと、前記アーム部の他端部に取り付けられた
    ペダル踏面とを有するブレーキペダルと、前記ペダル踏面に踏力が加わったときに前記アーム部に
    生じる内部応力のうち、前記踏力の前記プッシュロッド
    運動方向の分力により作用する剪断応力が存在し、前記
    踏力の前記アーム部回動軸芯方向の分力により作用する
    捻り応力や、前記踏力の前記プッシュロッド運動方向と
    前記アーム部回動軸芯方向とに直交する方向の分力によ
    り作用する曲げ応力の影響が無いか若しくは極めて小さ
    い分布帯である応力中心帯を内包するように前記アーム
    部に設けられた孔に埋設固着された、歪ゲージより構成
    される 踏力検出センサとを備えており、 前記踏力検出センサが、前記ブレーキペダルに人為的若
    しくは機械的に付与される操作力によって、前記ブレー
    キペダルのアーム部に作用する剪断応力を前記ブレーキ
    ペダルに作用する踏力として検出するように構成したこ
    とを特徴とする、踏力検出装置。
  2. 【請求項2】 前記踏力検出センサが、ブレーキペダル
    と同等の金属材質若しくはシリコン系材料からなる立方
    体あるいは平板状の基体の表面に歪ゲージが貼着される
    ことにより構成され、 その歪ゲージの貼着面が、前記孔の中心軸に対して垂直
    な互いに向かい合う二面であって、その中心面に対して
    面対称となる位置に貼着されることを特徴とする、請求
    1に記載の踏力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記踏力検出センサが、二軸の歪ゲージ
    により構成され、かつ両者が前記ブレーキペダルのアー
    ム部に作用する剪断方向に対して互いに45°の傾きを
    為して直交する関係にあることを特徴とする、請求項1
    または2に記載の踏力検出装置。
  4. 【請求項4】 前記踏力検出センサは前記孔に隔離材を
    介して埋設固着されており、 前記隔離材が、エポキシ性樹脂材により構成され、 前記孔の内壁に対して前記踏力検出センサの接触面との
    空隙を埋めて接合されることを特徴とする、請求項1乃
    の何れかに記載の踏力検出装置。
  5. 【請求項5】 前記踏力検出センサは前記孔に隔離材を
    介して埋設固着されており、 前記隔離材が、前記ブレーキペダルのアーム部と同じ材
    質で構成されたインサート金属であり、 前記孔の内壁に対して前記踏力検出センサの接触面との
    空隙を埋めて接合されることを特徴とする、請求項1乃
    の何れかに記載の踏力検出装置。
  6. 【請求項6】 温度変化による歪ゲージの抵抗変動を補
    正する温度補償回路をさらに備えており、 前記温度補償回路が、前記踏力検出センサとともにブレ
    ーキペダルに設けられた孔に埋設固着されることを特徴
    とする、請求項1乃至の何れかに記載の踏力検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記温度補償回路が、基体の表面に貼着
    された一軸若しくは二軸のゲージ部より構成されてお
    り、 前記ゲージ部が、前記踏力検出センサの歪ゲージと比較
    して高い温度係数を有するピエゾ抵抗素子から構成さ
    れ、 その貼着面の中心線に沿って前記ゲージ部が設置されて
    いることを特徴とする、請求項に記載の踏力検出装
    置。
  8. 【請求項8】 一端部を中心に回動可能なアーム部と、
    このアーム部と車輛のマスタシリンダとを連結するプッ
    シュロッドと、前記アーム部の他端部に取り付けられた
    ペダル踏面とを有するブレーキペダルと、 前記マスタシリンダの油圧配管に装着され、油圧配管内
    のマスター油圧情報を得ることができる任意数の油圧セ
    ンサと、前記ペダル踏面に踏力が加わったときに前記アーム部に
    生じる内部応力のうち、前記踏力の前記プッシュロッド
    運動方向の分力により作用する剪断応力が存在し、前記
    踏力の前記アーム部回動軸芯方向の分力により作用する
    捻り応力や、前記踏力の前記プッシュロッド運動方向と
    前記アーム部回動軸芯方向とに直交する方向の分力によ
    り作用する曲げ応力の影響が無いか若しくは極めて小さ
    い分布帯である応力中心帯を内包するように前記アーム
    部に設けられた孔に埋設固着され 、かつ歪ゲージより構
    成されて 、前記ブレーキペダルに対して人為的若しくは
    機械的に付与される操作力によって、前記ブレーキペダ
    ルのアーム部に作用する剪断応力を前記ブレーキペダル
    に作用する踏力として検出する踏力検出センサと、 前記踏力検出センサより検出された測定値を演算するこ
    とにより、ブレーキペダルの操作を介してマスタシリン
    ダに作用するマスター油圧を求める油圧演算手段とから
    構成され、 前記踏力検出センサから与えられる踏力計測値から演算
    されるマスター油圧演算値、および前記油圧センサから
    検出されるマスター油圧計測値とをそれぞれ比較して、
    ブレーキ管内のエア残留若しくは管内系統の液漏れの有
    無を判断する判断手段を備えてなることを特徴とする、
    ブレーキ装置の性能評価装置。
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