JP3115538B2 - 組立式フィッティングルーム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洋服店やデパー
ト，スーパー，展示会場等で客が洋服等を試着するのに
使用される組立式フィッティングルームに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のフィッティングルームは
知られているが、何れも工場等ですべて組み立てをし、
その完成したものをそのまま納入するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、すべて工
場生産されたフィッティングルームはどうしても嵩張
り、従って、輸送効率が低く輸送コストが高くつくこと
になる。また、在庫に広い場所が必要であり、しかも納
入に際して入口が狭い場合は搬入ができず、使用場所が
制約されるといったように種々の課題があった。

【０００４】さらに、組み立てに際しても溶接によって
全体を枠組みしたり、多数個所でビス止めしたりして製
作に手間が掛かり必然的にコスト高になっていた。

【０００５】そこで、本発明は、このような従来の課題
を解決することができるように、折り畳み自在に構成し
て嵩張らず、在庫管理が容易で輸送効率もよく、しか
も、使用する場所で簡単にかつ短時間で組み立てること
ができる、組立式フィッティングルームを提供すること
を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る組立式フィッティングルームは、上端にト
ップブレースを固着し、下端にベースブレースを固着し
たリヤパネルと、該リヤパネルのトップブレース及びベ
ースブレースの左右両端に折畳み自在に装着される左右
のサイドパネルと、該左右のサイドパネルの下側に装着
され、かつ左右のサイドパネルを平面コ字形に拡開した
状態で固定するステージフレームと、該ステージフレー
ムの上面に載置されるステージ用板と、前記平面コ字形
に拡開した左右のサイドパネルの前部上端に両端を係止
して装着される表示プレートとを備え、前記左右のサイ
ドパネルは、長方形状に枠組みされた支持枠と、該支持
枠の前後フレームに装着される合成樹脂製のエッヂカバ
ーと、該エッヂカバーに嵌挿される側板とから構成され
ており、前記合成樹脂製のエッヂカバーは、円弧曲面壁
と、直面壁と、ヒンジ部を介して開閉可能に連設される
開閉壁片とにより構成されると共に、開閉壁片の開放端
縁に形成された係止突起を嵌合する嵌合溝と、側板を嵌
挿する挟挿溝と、ステージ用板の切欠部を嵌合する突条
と、を一体に備えてなることを特徴としている。

【０００７】前記左右のサイドパネルは、前後フレーム
と上下フレームとにより縦長の長方形状に枠組みされた
金属製の支持枠と、該支持枠の前後フレームに装着され
る合成樹脂製のエッヂカバーと、該エッヂカバーに嵌挿
される側板とによって構成されている。

【０００８】前記左右のサイドパネルは、上下フレーム
の上面後部位置にリヤパネルのトップブレース及びベー
スブレースに突設した突起に嵌合する小透孔を備えてお
り、また下フレームの下面前部位置にステージフレーム
の長孔に嵌挿する係止用の鉤片を備えている。

【０００９】前記合成樹脂製のエッヂカバーは、左右の
サイドパネルの前後フレームとほぼ等しい長さの円弧曲
面壁と、直面壁と、ヒンジ部を介して開閉可能に連設さ
れる開閉壁片とにより構成されると共に、開閉壁片の開
放端縁に形成された係止突起を嵌合する嵌合溝と、側板
を嵌挿する挟挿溝と、ステージ用板の切欠部を嵌合する
角筒状の突条と、を一体に備えている。

【００１０】前記ステージ用板は、前部位置の左右両側
にサイドパネルのエッヂカバーに形成された角筒状の突
条に嵌合する切欠部を備えており、また、前端にステー
ジフレームの前面縁を覆って該ステージフレームの脱落
を防ぐ折曲部を備えている。

【００１１】前記エッヂカバーに形成された角筒状の突
条は、ドアパネルの戸当り壁としての役割を果す。

【００１２】前記表示プレートは、左右両端にサイドパ
ネルの支持枠の前部上端に嵌挿するクリップ片を備えて
いる。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係わる組立式フィ
ッティングルームの実施の形態を図面と共に説明する。
図１はドアパネルを開いて示すフィッティングルームの
斜視図、図２はその分解斜視図である。本発明に係わる
組立式フィッテングルームの主要部は、左右一対のサイ
ドパネル１及び２と、リヤパネル３と、ドアパネル４と
の組み合わせよりなる。

【００１４】左右のサイドパネル１及び２は、図３に示
すようにスチール製の角パイプよりなる前後フレーム６
ａ，６ｂと上下フレーム７ａ，７ｂを縦長の長方形状に
枠組みして形成された支持枠５と、該支持枠５の前後フ
レーム６ａ，６ｂに被着する合成樹脂製のエッヂカバー
８，８と、ポリ合板からなる側板９とによって構成され
る。

【００１５】前記エッヂカバー８，８は、図４及び図５
に示すように支持枠５の前後フレーム６ａ，６ｂの隣り
合う二側壁６１ａ，６１ｂを囲う円弧曲面壁８ａと、該
円弧曲面壁８ａの一端から直角状に曲折して前後フレー
ム６ａ，６ｂの他の一側壁６１ｃに当接させる直面壁８
ｂと、前記円弧状曲面壁８ａの他端にヒンジ部８ｃを介
して開閉可能に連設され、かつ前後フレーム６ａ，６ｂ
の残る一側壁６１ｄに当接させる開閉壁片８ｄとを有
し、該開閉壁片８ｄの先端には直面壁８ｂの基部に形成
された嵌合溝８ｅに嵌合する係止突起８ｆが形成されて
いる。また、円弧状曲面壁８ａの一端と開閉壁片８ｄと
の基部には側板９を嵌挿して装着する挟挿溝８ｇが形成
されると共に、直面壁８ｂの基部に角筒状の突条８ｈが
形成されている。

【００１６】前記エッヂカバー８，８は、図５に示すよ
うに開閉壁片８ｄを開いて支持枠５の前後フレーム６
ａ，６ｂに嵌めた後、開閉壁片８ｄの係止突条８ｆを嵌
合溝８ｅに係合させる。これによって、エッヂカバー
８，８が支持枠５の前後フレーム６ａ，６ｂに確固と取
付けられる。そして、挟挿溝８ｇに側板９を嵌挿するこ
とによりサイドパネル１及び２を形成する。なお、エッ
ヂカバー８，８の突条８ｈはドアパネル４の戸当り壁と
しての役割を果す。また、図３に示すように支持枠５の
下フレーム７ｂの下面前部位置には後述するステージフ
レームを係止固定するための鉤片２５がそれぞれ形成さ
れ、下フレーム７ｂの外側面には側板９の下端を支持す
るチャンネル部材２６がそれぞれスポット溶接により固
着されている。

【００１７】前記リヤパネル３は、図６に示すように基
板の前後側面にそれぞれポリ合板を貼り合わせた積層板
を使用し、内側面の中央部に鏡１０が取着されている。
そして、リヤパネル３の上下両端にトップブレース１１
及びベースブレース１２をそれぞれ取り付ける。これら
のトップブレース１１及びベースブレース１２の取付け
は、リヤパネル３の上下端縁にそれぞれ当てがうと共
に、左右両端に直角に突出させた取付片１３の小孔１４
にビス１５を挿通してリヤパネル３の左右側端に螺締し
て固定させる。

【００１８】前記トップブレース１１の左右両端には、
図７に示すようにリヤパネル３の前方に突出して位置す
る上支持片１６ａ，１６ｂが一体に設けられており、該
上支持片１６ａ，１６ｂにはノックピン１７，１７を打
ち込むための２つの小透孔１８ａ，１８ｂがそれぞれ前
後に位置を違えて穿設されている。また、図８に示すよ
うにベースブレース１２の左右両端にはリヤパネル３の
前方に突出して位置する下支持片１９ａ，１９ｂが一体
に設けられており、一方の下支持片１９ａには突起２０
ａが、他方の下支持片１９ｂには突起２０ｂがそれぞれ
前後に位置を違えて突設されている。

【００１９】そして、ベースブレース１２の一方の下支
持片１９ａの突起２０ａをサイドパネル１の下フレーム
７ｂの下面後端寄りに穿設した嵌合孔２１に、また他方
の下支持片１９ｂの突起２０ｂをサイドパネル２の下フ
レーム７ｂの下面後端寄りに穿設された嵌合孔２２にそ
れぞれ嵌め合わせることによってサイドパネル１及び２
とリヤパネル３の下端とを枢支連結する。

【００２０】一方、トップブレース１１の一方の上支持
片１６ａの小透孔１８ａとサイドパネル１の上フレーム
７ａの上面後端寄りに穿設した嵌合孔２３とを一致さ
せ、またトップブレース１１の他方の上支持片１６ｂの
小透孔１８ｂとサイドパネル２の上フレーム７ａの上面
後端寄りに穿設した嵌合孔２４とを一致させた状態でノ
ックピン１７，１７を打ち込むことによりサイドパネル
１及び２の上端とリヤパネル３の上端とを枢支連結す
る。

【００２１】このように、トップブレース１１の上支持
片１６ａ，１６ｂの小透孔１８ａ，１８ｂ及びベースブ
レース１２の下支持片１９ａ，１９ｂの突起２０ａ，２
０ｂを左右で前後方向に位置を違えて設けると共に、こ
れらを選択することによってサイドパネル１及び２を図
９実線のように平面コ字形に拡開自在であり、かつ同図
鎖線のように互いに重ね合わせた状態で折り畳むことが
できるようになっている。

【００２２】なお、前記リヤパネル３は前述したように
基板の前後両側面にポリ合板を貼り合わせた積層板を使
用しているため経時的に吸湿乾燥を繰り返えすことによ
って反りが発生し、これが原因で内側面に取着した鏡１
０を破損させる虞れがある。このため、図１０及び図１
１に示すようにリヤパネル３の両側端面の上下ほぼ中間
位置に係止金具２７を固着し、該係止金具２７と対向す
る左右のサイドパネル１及び２の内側面に被係止金具２
８を固着している。そして、係止金具２７の切欠溝２
９，２９を被係止金具２８の係止片３０，３０に係止さ
せることによってリヤパネル３の反りを防止するように
なっている。また、前記ベースブレース１２の前側面に
は断面コ字形のチャンネル部材３１がスポット溶接によ
って一体に固着されている。

【００２３】前記左右のサイドパネル１及び２は、組立
て時においてステージフレーム３２及び表示プレート３
８，シンボルアーチ３９によって平面コ字形に拡開した
状態に固定される。このステージフレーム３２は、図２
に示すように左右のサイドパネル１及び２の拡開寸法と
ほぼ等しい長さの帯状チャンネル部３３の上面に角パイ
プからなるコ字形の枠体３４の両先端部分をスポット溶
接して固着することにより方形枠状に形成されている。
そして、帯状チャンネル部３３の上面の左右両側位置に
縦長孔３５，３５が穿設されており、下面の左右両端に
は前輪キャスター３６，３６が設けられている。なお、
リヤパネル３のベースブレース１２の下面左右両端に後
輪キャスター３７，３７が設けられている。

【００２４】前記ステージフレーム３２の取付けは、左
右のサイドパネル１及び２を拡開した状態でその前方か
ら両サイドパネル１及び２内に臨ませ、図１２及び図１
３鎖線のように枠体３４の後端をリヤパネル３のベース
ブレース１２のチャンネル部材３１に載せると共に、縦
長孔３５，３５を左右のサイドパネル１及び２の下面の
鉤片２５，２５に嵌挿させる。そして、この状態から図
１２及び図１３実線のようにステージフレーム３２を奥
端まで押し込むことによって達せられる。

【００２５】このステージフレーム３２の上面には、ス
テージ用板４０が載置される。このステージ用板４０の
前端両側には、図１４に示すように左右のサイドパネル
１及び２のエッヂカバー８，８の突条８ｈ，８ｈに嵌合
する切込部４１，４１が設けられると共に、前端部に下
方へ突出する折曲部４２が設けられており、図１５に示
すように切込部４１，４１をエッヂカバー８，８の突条
８ｈ，８ｈに嵌合することによってステージ用板４０が
固定されると共に、図１６に示すように折曲部４２をス
テージフレーム３２の枠体３４の前縁に当接させること
によって該ステージフレーム３２が前方へ移動して外れ
るのを防止するように機能させている。

【００２６】前記表示プレート３８は、左右両端に拡開
弾性を有するクリップ片４３，４３が固着されており、
図１７及び図１８に示すようにクリップ片４３，４３を
左右のサイドパネル１及び２の前フレーム６ａ，６ａの
それぞれ上端に挟装着することによって取付けるもの
で、これによって左右のサイドパネル１及び２の上部の
拡開状態が確固と固定維持される。

【００２７】前記シンボルアーチ３９は、図２に示すよ
うに山形状をなす２本のバー４４ａ，４４ｂを平面Ｘ形
状に交差させて接合し、図１９に示すように各バー４４
ａ，４４ｂの先端に設けた切欠部４５を左右のサイドパ
ネル１及び２の前後フレーム６ａ，６ｂの上端に係止固
定させるもので、これによって全体の捩れを防止するよ
うにしている。

【００２８】前記ドアパネル４は、図２０に示すように
該ドアパネル４の一側の上下と中間の３個所に固着した
蝶番金具４６の筒部４７を右サイドパネル２の前フレー
ム６ａに固着した蝶番金具４８の軸部４９に上方から嵌
挿することによって開閉自在に装着される。このように
装着されたドアパネル４は、閉じた状態のとき左サイド
パネル１のエッヂカバー８の突条８ｈが戸当り壁となっ
て衝止される。なお、ドアパネル４の表面には図２に示
すように鏡５０と把手５１が取付けられ、該ドアパネル
４の内側面には図１に示すように洋服掛け５２と把手５
３が設けられている。また、ドアパネル４は錠金具５４
によって施錠可能なようになっている。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明に係る組立式フィッティングルームは、リヤ
パネルの両側に左右のサイドパネルを折り畳み自在に装
着すると共に、ステージフレーム及び表示プレート，シ
ンボルアーチの取付けによって左右のサイドパネルを平
面コ字形に拡開した状態に確固と固定保持し、さらにス
テージフレームの上面にステージ用板を載置すると共
に、前面にドアパネルを開閉自在に装着することによっ
て組立てるようにしたものであるから、嵩ばらないよう
に折畳んで搬送又は保管することができると共に、量産
が可能となって製作コストを大幅に安くすることができ
る。

【００３０】また、工具類を全く使用しないで簡単、か
つ短時間で組立てることができると共に、その組立て状
態が確固と保持されて強度的にも優れ、安心して使用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる組立式フィッティングルームを
組み立てた状態の斜視図である。

【図２】図１の分解斜視図である。

【図３】サイドパネルの分解斜視図である。

【図４】サイドパネルの前後フレームとエッジカバーを
分解して示す斜視図である。

【図５】サイドパネルの要部分解斜視図である。

【図６】リヤパネルの分解斜視図である。

【図７】左右のサイドパネルとリヤパネルの上部部分を
分解して示す斜視図である。

【図８】左右のサイドパネルとリヤパネルの下部部分を
分解して示す斜視図である。

【図９】左右のサイドパネルを折畳んだ状態の平面図で
ある。

【図１０】リヤパネルの反り防止の構造を説明する要部
斜視図である。

【図１１】リヤパネルの反り防止の構造を説明する平面
断面図である。

【図１２】リヤパネルの下部部分の側面断面図である。

【図１３】サイドパネルとステージフレームの連結部分
の側面断面図である。

【図１４】ステージフレームの上面にステージ用板を載
置した状態の要部の斜視図である。

【図１５】図１４の平面断面図である。

【図１６】図１４の側面断面図である。

【図１７】表示プレートの取付け状態を示す要部斜視図
である。

【図１８】図１７の側面断面図である。

【図１９】シンボルアーチの取付構造を示す要部断面図
である。

【図２０】ドアパネルの取付構造を示す要部の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１，２ サイドパネル ３ リヤパネル ４ ドアパネル ５ 支持枠 ６ａ，６ｂ 前後フレーム ８ エッヂカバー ８ａ 円弧曲面壁 ８ｂ 直面壁 ８ｃ ヒンジ部 ８ｄ 開閉壁片 ８ｅ 嵌合溝 ８ｆ 係止突起 ８ｇ 挟挿溝 ８ｈ 突条 １１ トップブレース １２ ベースブレース ３２ ステージフレーム ３８ 表示プレート ３９ シンボルアーチ ４０ ステージ用板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上端にトップブレースを固着し、下端に
   ベースブレースを固着したリヤパネルと、該リヤパネル
   のトップブレース及びベースブレースの左右両端に折畳
   み自在に装着される左右のサイドパネルと、該左右のサ
   イドパネルの下側に装着され、かつ左右のサイドパネル
   を平面コ字形に拡開した状態で固定するステージフレー
   ムと、該ステージフレームの上面に載置されるステージ
   用板と、前記平面コ字形に拡開した左右のサイドパネル
   の前部上端に両端を係止して装着される表示プレートと
   を備え、 前記左右のサイドパネルは、長方形状に枠組みされた支
   持枠と、該支持枠の前後フレームに装着される合成樹脂
   製のエッヂカバーと、該エッヂカバーに嵌挿される側板
   とから構成されており、 前記合成樹脂製のエッヂカバーは、円弧曲面壁と、直面
   壁と、ヒンジ部を介して開閉可能に連設される開閉壁片
   とにより構成されると共に、開閉壁片の開放端縁に形成
   された係止突起を嵌合する嵌合溝と、側板を嵌挿する挟
   挿溝と、ステージ用板の切欠部を嵌合する突条と、を一
   体に備えてなることを特徴とする 組立式フィッティング
   ルーム。