JPH09125719A - 組立式の収納庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り畳み形状を小さくして梱包時の荷姿を小
さくでき、輸送や保管に要するスペースおよびコストを
減らせる組立式の収納庫を提供する。 【解決手段】 庫本体１はコ字形に展開できる周側パネ
ル６を有し、その上下に装着される天板パネル１０と底
パネル１１とを備えている。周側パネル６は、左右一対
の側壁４・４と、背壁５とを含む。背壁５は、左背壁５
ａ及び右背壁５ｂと、両背壁５ａ・５ｂを内折り可能に
連結する間柱２２とからなる。各背壁５ａ・５ｂは、左
右の側壁４・４に対しそれぞれ内折り可能に連結する。
左右の側壁４・４と左右背壁５ａ・５ｂの四者は、平行
姿勢でほぼ隙間なく折り畳める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、左右の側壁と背壁
とが折り畳み可能に連結してあって、簡単に組み立てら
れる収納庫に関し、例えば事務用品や家庭小物の整理棚
やキャビネットとして使用されるものである。

【０００２】

【従来の技術】左右の側壁と背壁とを折り畳み可能に連
結して、組み立ての手間を省くようにした収納庫は、実
開昭６１−１３７０２号公報に公知である。そこでは、
背壁の左右両端を側壁側へそれぞれ突出して連結部を形
成し、各連結部に左右の側壁を折り畳み自在に連結して
いる。折り畳み状態において、左右の側壁を背壁と平行
に重合させるために、左右の側壁の連結点は前後にずら
してある。左右の側壁をコ字形に展開した後、天井パネ
ルと底パネルを嵌合すると、前面が開口する収納庫本体
を組み上げることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、左右側
壁と背壁とからなる周側パネルを折り畳み自在に構成す
ると、組み立ての手間を省くことはできるが、背壁が一
枚の薄い面壁で構成されているので十分な剛性を得難
い。収納庫本体の左右幅に比べて奥行寸法が小さい場合
に、周側壁の折り畳み寸法を背壁の外形寸法以下に小さ
く設定することができず、梱包時の荷姿が大きくなって
輸送コストや保管コストが嵩む。ユーザー自身が梱包キ
ットを持ち帰るのにも不便があるなどの不利がみられ
た。

【０００４】本発明の目的は、左右側壁に加えて背壁も
二つに折り畳むことができ、従って梱包時の荷姿を十分
に小さくして輸送コストを減らし、あるいはユーザーが
支障なく持ち帰ることのできる組立式の収納庫を提供す
ることにある。本発明の目的は、組み立ての手間を省く
ことができ、組み上がり状態において剛性のある収納庫
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の収納庫は、図２
に示すごとく左右の側壁４・４に背壁５を折り畳み自在
に連結してなる周側パネル６と、周側パネル６の上下に
装着固定される天板パネル１０および底パネル１１とを
備えていて、前面に出入口２が開口している。図３およ
び図４において背壁５は、左右一対の左背壁５ａおよび
右背壁５ｂと、両背壁５ａ・５ｂをそれぞれ内折り可能
に連結する間柱２２とで構成する。左背壁５ａと左方の
側壁４、および右背壁５ｂと右方の側壁４も、それぞれ
内折り可能に連結し、以て図６に示すごとく左右背壁５
ａ・５ｂおよび左右の側壁４・４間を重ねて折り畳み可
能としたものである。

【０００６】具体的には、図４に示すごとく左右背壁５
ａ・５ｂと、両背壁５ａ・５ｂの外面に配置した間柱２
２とを、内折り可能に連結する。左右の側壁４・４の後
縁に隣接して背壁５側へ突出する連結枠１５・１５をそ
れぞれ設ける。各連結枠１５・１５に左背壁５ａおよび
右背壁５ｂをそれぞれ内折り可能に連結する。そして、
左右背壁５ａ・５ｂが左右の側壁４・４間に平行姿勢で
折り畳み可能としている。

【０００７】

【実施例】図１ないし図６は本発明に係る組立式の収納
庫の実施例を示す。図２において収納庫は横長角箱状の
庫本体１と、庫本体１の前面に開口した出入口２を開閉
する左右一対の揺動ドア３・３とからなる。

【０００８】図３において庫本体１は、左右の側壁４・
４に背壁５を折り畳み自在に連結してなる周側パネル６
と、左右の側壁４・４の前部どうしを連結する前上枠７
および前下枠８と、両上下枠７・８を連結する左右一対
の前柱９・９と、周側パネル６の上下に装着固定される
天板パネル１０および底パネル１１と、必要に応じて付
加される数枚の棚板（図示していない）などで構成され
ている。

【０００９】左右の各側壁４は左右対称形になるよう形
成してあり、四角形の面壁の四周縁をそれぞれ内向きに
折り曲げ、該面壁の後隅部にアングル状の後柱１３が溶
接固定されている。詳しくは、各側壁４の前縁に掛止壁
１４を、各側壁４の後縁に背壁５側へ突出する連結枠１
５をそれぞれ曲げ形成し、各側壁４の上縁に断面Ｌ字形
の上受壁１６を張り出し、さらに各側壁４の下縁に断面
Ｌ字形の下受壁１７を張り出し形成する。掛止壁１４
は、図４に示すごとく面壁の前部を含んで断面コ字形に
形成し、その折り曲げ遊端にドア受壁１４ａを突設す
る。掛止壁１４の上下両端、および上受壁１６と下受壁
１７の前端には、図１および図３に示すごとくそれぞれ
前上枠７および前下枠８を組むための切欠き１９ａ・１
９ｂを形成しておく。連結枠１５は断面鈎形に形成して
あり、その折り曲げ遊端に背壁５との係合部２０を有す
る。後柱１３は各側壁４の後縁部を補強し、連結枠１５
と共同して各側壁４の後部の剛性を確保する。図１にお
いて３７は、後柱１３に形成した棚板受金具用の係合孔
である。

【００１０】背壁５は左右一対の左背壁５ａおよび右背
壁５ｂと、両背壁５ａ・５ｂを内折り可能に連結する間
柱２２とからなる。両背壁５ａ・５ｂは、．図５に示す
ごとく四角形の面壁の上縁に後ろ側へ折れ曲がる上受壁
２３を設け、該面壁の下縁前部に断面Ｌ字形の下受壁２
４と連結片３０を設け、該面壁の左右の各側縁には図４
に示すごとくそれぞれ断面鈎形の接合壁２５・２６を後
ろ側へ折り曲げ形成してなる。但し、左右の背壁５ａ・
５ｂは左右対称形に形成する。間柱２２は断面台形状の
中空枠からなり、その上下が端壁２７・２７で塞がれて
いる。

【００１１】隣接する左右背壁５ａ・５ｂの接合壁２６
・２６が間柱２２内に収まる状態で、間柱２２を左右背
壁５ａ・５ｂの外面に配置し、隣接する上受壁２３・２
３の端部は上端壁２７にそれぞれ設けた縦向きの軸２８
・２９で相対回動自在に連結し、さらに側壁下部で隣接
する連結片３０・３０は下端壁２７にそれぞれ設けた縦
向きの軸２８・２９で相対回動自在に連結する。これに
より、左右背壁５ａ・５ｂは間柱２２に対して軸２８・
２９を中心にして内折れできる。さらに、両背壁５ａ・
５ｂの側端の接合壁２５・２５をそれぞれが対応する側
壁４・４の係合部２０・２０に内側方から掛け止め連結
することにより、左右背壁５ａ・５ｂを側壁４に対して
それぞれ内折れできる。前記軸２８・２９としては、リ
ベットやブラインドリベットを適用でき、ボルトやピン
を用いることができる。

【００１２】折り畳み状態において、左右の側壁４・４
および左右背壁５ａ・５ｂの四者を平行にしかもできる
だけ隙間なく折り畳むために、左右背壁５ａ・５ｂは個
別の軸２８・２９で間柱２２に連結し、一対の軸２８・
２９の中心間隔を両背壁５ａ・５ｂの上受壁２３の張り
出し寸法と同じか、これより僅かに大きく設定する。さ
らに、左右の側壁４・４の連結枠１５・１５は、上受壁
１６の内側端面より背壁５側へ直角に折り曲げて突設
し、折り畳み状態において両背壁５ａ・５ｂが連結枠１
５の突出範囲内に平行に収まるようにしている。

【００１３】前上枠７はチャンネル材状の主枠７ａと、
主枠７ａの左右両端に溶接されて下向きに突出する一対
の係合枠７ｂとで形成する。前下枠８は前上枠７と上下
対称に形成された主枠８ａおよび一対の係合枠８ｂとか
らなる。これら上下両枠７・８の係合枠７ｂ・８ｂにＣ
形チャンネル材状の前柱９を密に外嵌接合することによ
り、主枠７ａ・８ａと前柱９・９とが正しく直角に接合
する前枠体を組み立てる。この前枠体の左右の前柱９・
９に、展開した左右の側壁４・４の掛止壁１４・１４が
掛け止め連結され、その状態を上下両枠７・８で維持固
定する。

【００１４】底パネル１１は、展開した周側パネル６の
内法寸法より僅かに小さな四角形の面壁を有し、その四
周縁をそれぞれ下面側へ折り曲げて脚壁３１を設けてな
る。図５に示すように三周縁の脚壁３１は、左右側壁４
・４の下受壁１７・１７と、左右背壁５ａ・５ｂの下受
壁２４・２４にそれぞれ上方から差し込み係合すること
により、周側パネル６の下部を遊動不能に保持固定し
て、これにても周側パネル６が前後あるいは左右方向か
らの外力に対向できるようにしてある。

【００１５】天板パネル１０は底パネル１１よりひと回
り大きな四角形の面壁を有し、その左右および後縁に周
側壁３２を下向きに折れ曲げ形成してあり、面壁の前縁
に前上枠７の主枠７ａに前面側から回り込み係合する庇
壁３３を設ける。さらに、天板パネル１０の内面には後
縁寄りに規制壁３４を取り付けてあり、これと後縁側の
周側壁３２とで、左右背壁５ａ・５ｂの上受壁２３の前
後を挟持できるようにしている。

【００１６】以上のように構成した収納庫は、以下の手
順で組み立てる。まず図３に示すごとく、周側パネル６
をコ字形に展開して起立させ、左右の側壁４・４の前端
の掛止壁１４に前下枠８をパネル内方から落とし込み嵌
合して、下受壁１７上に仮り組みする。次に、左右の前
柱９を切欠き１９ａを介して掛止壁１４の内側に差し込
み、その下端を係合枠８ｂに外嵌係合する。さらに、前
上枠７を切欠き１９ａを介して前柱９に内嵌係合し、左
右の側壁４・４の前部を上下枠７・８で挟持固定する。
このとき、各前柱９と上下枠７・８とは、両者の嵌合面
において図外の係合突起と係合溝との係合で抜け外れ不
能に一体化される。

【００１７】底パネル１１を周側パネル６の内底に嵌め
込み、その脚壁３１を前述の各下受壁１７・２４に上方
から差し込み係合する。これにより左右背壁５ａ・５ｂ
の下部は面一（一直線）状に矯正されて、各背壁５ａ・
５ａの接合壁２５・２５が左右側壁４・４の連結枠１５
・１５の係合部２０・２０に密接する（図４参照）。従
って周側パネル６の下部周縁が平行四辺形状にたわみ変
形するのを阻止できる。最後に、天板パネル１０を周側
パネル６の上部に外嵌装着して庫本体１を完成する。詳
しくは、図５に示すごとく天板パネル１０の前部の庇壁
３３を前上枠７の主枠７ａに上方へ抜け外れないように
掛け止めながら、左右の周側壁３２を上受壁１６に外嵌
し、さらに後方の周側壁３２と規制壁３４を左右背壁５
ａ・５ｂの上受壁２３に上方から外嵌固定する。このと
き、規制壁３４に設けた数個の突起３５が上受壁２３の
係合孔３６に係合して、天板パネル１０を分離不能に固
定する。これにより、上記と同様に各接合壁２５・２５
が係合部２０・２０に密接して、周側パネル６の上部周
縁が平行四辺形状にたわみ変形したり、ガタつくのを最
終的に阻止し、左右背壁５ａ・５ｂが前後に屈折するの
も阻止する。

【００１８】以上のように、庫本体１は各構成部材を規
定された手順通りに組むだけで形成することができ、そ
の際にビスやボルト等の締結部品を一切用いる必要がな
く、組立作業が簡単に行える。さらに左右の側壁４・４
は前部では掛止壁１４・１４が高剛性の前柱９・９に係
合し、後部では後縁と後柱１３とで補強されるので、組
み上がり状態において、側壁４・４が前後あるいは左右
に傾動することをよく防止できる。なお、棚板は前柱９
と後柱１３とを利用し、両柱９・１３の前後対向面に設
けた多段状の係合孔３７（図１参照）に受金具を掛け止
め、これで棚板を受ける。揺動ドア３は前上枠７と前下
枠８とに常法通り揺動軸を差し込み係合して、庫本体１
に組み付ける。

【００１９】梱包状態において、周側パネル６は図６に
示すように折り畳まれる。左右背壁５ａ・５ｂは、間柱
２２を介して連結端が前方に突出する状態で内折り状に
折り畳まれる。次に、左右の側壁４・４を両背壁５ａ・
５ｂの外面に平行に折り畳む。このとき、両側壁４・４
の連結枠１５・１５が接当して、両背壁５ａ・５ｂが平
行となり、その重合隙間を確保する。さらに、間柱２２
および両背壁５ａ・５ｂが、左右側壁４・４の対向隙間
を規定する。従って、両側壁４・４および両背壁５ａ・
５ｂの四者は、実質的に平行状態でほぼ隙間なく重ねる
ことができる。

【００２０】折り畳み状態において、各側壁４・４と左
右背壁５ａ・５ｂとの間、および左右背壁５ａ・５ｂ間
には、それぞれ空所が形成される。前者の空所は揺動ド
ア３・３の梱包スペースとして利用でき、後者の空所は
棚板用の受金具等の小形部品群の梱包スペースとして利
用できる。周側パネル６の折り畳み状態を維持するため
に、その上下縁に発泡スチロール等の成形緩衝体を装着
するが、上記のように各壁部材を平行に折り畳むので、
成形緩衝体の形状を簡素化できる。

【００２１】上記の実施例以外に、各側壁４・４と左右
背壁５ａ・５ｂとは市販の蝶番を用いて相対揺動自在に
連結してもよい。間柱２２と左右背壁５ａ・５ｂも同様
に市販の蝶番を用いて連結することができる。間柱２２
は左右背壁５ａ・５ｂの内面に配置することもある。庫
本体１の出入口２は、引き違い戸で開閉してもよく、場
合によっては出入口２の全体を開放した状態で使用する
こともある。

【００２２】

【発明の効果】本発明の収納庫によれば、左右の側壁４
・４を背壁５に対して内折り可能に連結するだけでな
く、更に背壁５を左右背壁５ａ・５ｂおよび間柱２２で
構成し、この背壁５も二つに折り畳めるようにした。従
って、周側パネル６の全体を小さく折り畳んで梱包で
き、その分だけ梱包時の荷姿を小さくして、輸送に要す
る費用や在庫時の保管スペースを減少できる。梱包キッ
トを小形化できるので、トラック等による配送を待つま
でもなく、ユーザー自身が購入した梱包キットを持ち帰
って直ちに組み立てて使用することも可能となる。左右
の側壁４・４と左右背壁５ａ・５ｂを平行に折り畳むの
で、成形緩衝体による梱包形状を単純化して梱包作業に
要する手間や時間を減らすことができ、成形緩衝体の形
状を単純化できることも加わって、全体しとて梱包に要
する費用を低減できる。

【００２３】左右背壁５ａ・５ｂは間柱２２を介して連
結しているので、組み立て状態における背壁５の構造強
度を増加でき、がた付きのない堅牢な収納庫が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】周側パネルの折り畳み途中状態を示す前面側か
らの斜視図である。

【図２】全体の外観斜視図である。

【図３】分解斜視図である。

【図４】要部を拡大して示す横断平面図である。

【図５】要部を拡大して示す縦断側面図である。

【図６】折り畳み状態を示す横断平面図である。

【符号の説明】

１ 庫本体 ２ 出入口 ４ 側壁 ５ 背壁 ５ａ 左背壁 ５ｂ 右背壁 ６ 周側パネル １０ 天板パネル １１ 底パネル １３ 後柱 １５連結枠 ２２ 間柱 ２７ 間柱の上下の端壁 ２８・２９ 軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の側壁４・４に背壁５を折り畳み自
   在に連結してなる周側パネル６と、周側パネル６の上下
   に装着固定される天板パネル１０および底パネル１１と
   を備えていて、前面に出入口２が開口している組立式の
   収納庫であって、 背壁５が、左右一対の左背壁５ａおよび右背壁５ｂと、
   両背壁５ａ・５ｂをそれぞれ内折り可能に連結する間柱
   ２２とで構成されており、 左背壁５ａと左方の側壁４、および右背壁５ｂと右方の
   側壁４が、それぞれ内折り可能に連結されており、 左右背壁５ａ・５ｂおよび左右の側壁４・４間を重ねて
   折り畳み可能としていることを特徴とする組立式の収納
   庫。
2. 【請求項２】 左右背壁５ａ・５ｂと、両背壁５ａ・５
   ｂの外面に配置した間柱２２とが、内折れ可能に連結さ
   れており、 左右の側壁４・４の後縁に隣接して背壁５側へ突出する
   連結枠１５・１５がそれぞれ設けられており、 各連結枠１５・１５に左背壁５ａおよび右背壁５ｂがそ
   れぞれ内折り可能に連結されており、左右背壁５ａ・５
   ｂが左右の側壁４・４間に平行姿勢で折り畳み可能とさ
   れている請求項１記載の組立式の収納庫。