JP3115519B2 - シリコーン樹脂用帯電防止剤 - Google Patents

シリコーン樹脂用帯電防止剤

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JP3115519B2
JP3115519B2 JP07290505A JP29050595A JP3115519B2 JP 3115519 B2 JP3115519 B2 JP 3115519B2 JP 07290505 A JP07290505 A JP 07290505A JP 29050595 A JP29050595 A JP 29050595A JP 3115519 B2 JP3115519 B2 JP 3115519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーン樹脂用の
帯電防止剤 に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、シリコーン樹脂製品群は、数多く
の産業分野において種々の用途に幅広く利用されてい
る。一般にシリコーン樹脂は、耐熱性、耐寒性、電気絶
縁性、耐薬品性、撥水性、離型性等の物性に優れている
ばかりでなく、外観が美しく、成形も容易である。しか
し、その反面、電気絶縁性が高いために摩擦等により、
容易に静電気を発生し、蓄積するという欠点を有してい
る。すなわち、この静電気の蓄積によって、製品に塵や
埃が付着して美観を損ねたり、加工成形工程中に生産能
力が低下する等の問題が発生している。さらに、近年エ
レクトロニクス分野で使用されるシリコーン樹脂製品の
静電気によるノイズあるいはIC部品の破損等が重要な
問題になっている。
【0003】従来、シリコーン樹脂製品の帯電を防止す
る方法として、カチオン性、アニオン性、両性等のイオ
ン型界面活性剤やノニオン型界面活性剤を内部添加ある
いは表面塗布する方法、カーボンブラック、金属粉末、
過酸化系導電剤等のフィラー状の導電剤を添加する方法
などが知られている。
【0004】一方、シリコーン樹脂製品に抗菌性を付与
する方法としては、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等
の金属イオンをゼオライト、セラミックス、シリカゲ
ル、ガラス、炭素繊維及びスメクタイト等の粘度鉱物に
担持させた抗菌剤ををシリコーン樹脂に内添する方法が
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーン樹脂製品の帯電を防止する方法のうち前者のもの
は、経時的に添加あるいは塗布した活性剤が樹脂成形品
の表面からブリードアウトし、水洗や表面の拭き取りに
より徐々に帯電防止能が低下するという致命的な欠点が
あり、また、後者のものでは、得られる導電性が大き
く、導電性能の耐久性及び持続性にも顕著に優れている
が、樹脂中に大量に配合しなければならないこと、従っ
て帯電防止のコストも比較的高いこと、及び樹脂の耐水
性や強靱性等、本来の物性が悪くなるという問題点があ
る。
【0006】また、シリコーン樹脂製品に抗菌性を付与
するために金属イオンをゼオライト等に担持させた抗菌
剤を内添する方法では、抗菌剤の分散性不足ため、経時
的に抗菌剤が樹脂表面にブリードアウトし、樹脂表面を
白亜化させ美観を損ねること、及びコストが比較的高い
こと等の問題点がある。
【0007】本発明は、シリコーン樹脂に対して少量内
部添加することによって、シリコーン樹脂本来の物性を
損なうことなしに、恒久的な帯電防止能および/または
抗菌特性を付与し得る帯電防止剤 を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、上記問題点を解決することのできる帯電防止剤
を完成するに至った。すなわち、本発明は、非イオン性
分子鎖とイオン性基が交互に繰り返される分子構造を有
するイオン性基を含む部分を有し、一般式(A)又は
(F)で示されるオルガノポリシロキサンからなること
を特徴とするシリコーン樹脂用帯電防止剤である。
【化4】 〔式中、Rは1価の炭化水素基、m、nは0〜1000
の整数(ただし、m、nが同時に0となることはな
い。)であり、X、Y、Zは下記一般式(B) で表さ
れる基またはR(各々同一または異なってもよく、すべ
てがRとなることはない)である。〕
【化5】 〔式中、R1、R4およびR7は2価の炭化水素基、エー
テル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタ
ン基またはウレア基を含有する2価の有機基、窒素また
は酸素原子含有複素環構造の基および(ポリ)オキシア
ルキレン基からなる群より選ばれる2価の有機基単独で
構成される分子鎖または該2価の有機基が複数結合した
2価の分子鎖、R2、R3、R5、R6、R8、R9およびR
10はハロゲン若しくは水酸基で置換されていてもよい1
価の炭化水素基(各々同一または異なってもよい)、W
-は陰イオン、a、bは0〜100の整数である(ただ
し、a、bが同時に0になることはない。)。〕
【化6】 〔式中、Rは1価の炭化水素基、m、nは0〜1000
の整数(ただし、nは0ではない。)、xは1〜7の整
数、yは1〜100の整数である。〕本発明による帯電
防止剤においては、分子中に含まれるイオン性基が空気
中の水分を吸着し、分極化することによって導電性を発
現する。さらに、側鎖、末端等のイオン性基を含む部分
に各々イオン性基を2個以上組み込み、かつ、一定の間
隔をあけてこれらのイオン性基を繰り返して位置させる
ことにより、より大きな帯電防止効果が得られる。ま
た、分子中のオルガノポリシロキサン部分は、シリコー
ン樹脂との化学的親和性が高く、帯電防止剤のブリード
アウト傾向を減少させることができる。従って、シリコ
ーン樹脂本来の物性を損なうことなく、恒久的な導電性
を発現し得る。
【0009】また、 第4級アンモニウム塩基、第4級
ホスホニウム塩基等のカチオン性基が細菌細胞の細胞膜
に吸着し生理作用を阻害することによって抗菌作用を発
揮する。分子中のカチオン性基を含む部分において、複
数のイオン性基を非イオン性分子鎖をはさんで繰り返し
位置させることにより、活性基密度の増加に基づく抗菌
活性の高活性化が達成できる。また、オルガノポリシロ
キサン部分は、シリコーン樹脂との化学的親和性を高め
ブリードアウト傾向を減少、低毒性化や粘膜に対する低
刺激性化等の効果が得られる。
【0010】本発明による帯電防止剤についてさらに詳
しく説明する。本発明の帯電防止剤の分子中のイオン性
基を含む部分に含まれるイオン性基は、カチオン性基で
もアニオン性基でもよく、カチオン性基とアニオン性基
の両方を含んでいてもよく、また2種以上の同じイオン
性基を含んでいても良い。カチオン性基としては、第1
級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級
アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩などの基が挙げ
られる。カチオン性基の対イオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオ
ン、メチル炭酸イオン、カルボン酸イオン等が例示され
る。これらカチオン性基のうち好ましいものは、第4級
アンモニウム塩基および第4級ホスホニウム塩基であ
る。アニオン性基としては、スルホン酸(塩)、カルボ
ン酸(塩)、硫酸エステル(塩)、リン酸エステル
(塩)等の基が挙げられる。アニオン性基の対イオンと
しては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の無機物イ
オン、アミン等の有機物イオンが挙げられる。
【0011】本発明の帯電防止剤において、イオン性基
を含む部分が、非イオン性分子鎖を2個以上、イオン性
基を2個以上有し、非イオン性分子鎖とイオン性基が交
互に繰り返される分子構造を有し、かつ非イオン性分子
鎖中の炭素原子、酸素原子および窒素原子の合計数が2
〜30個であるオルガノポリシロキサンが好ましい。長
すぎるとイオン性基を含む部分中のイオン性基の割合が
低いために帯電防止効果が不十分である。非イオン性分
子鎖としては、2価の有機基単独で構成される分子鎖で
も2価の有機基が複数結合した2価の分子鎖でもよい。
2価の有機基としては、2価炭化水素基[アルキレン基
(メチレン基、エチレン基など)、芳香族環構造の一部
(フェニレン基など)、非芳香族環構造の一部(シクロ
ヘキシレン基など)、ビニレン基など]、窒素および/
または酸素原子を含有する2価の有機基[エーテル基、
カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウ
レア基]それ自体もしくはそれらの基を含有する2価の
有機基[例えば−CH2CH2CO−、−CH2CH2CO
O−、−CH2CONH2−、−CH2CH2CH2O−、
−CH2CONHCH2CH2−、−CH2NHCONHC
2−等]、窒素もしくは酸素原子含有複素環構造の
基、(ポリ)オキシアルキレン基が挙げられる。2価の
有機基が複数結合した2価の分子鎖において、2価の有
機基はおのおの同一でも異なってもよい。イオン性基を
含む部分は、オルガノポリシロキサン分子内の側鎖に位
置しても主鎖に位置してもよく、側鎖と主鎖の両方に位
置してもよい。イオン性基を含む部分において、ポリシ
ロキサン骨格との結合部に位置しているのは非イオン性
分子鎖である。
【0012】本発明の分子内にカチオン性基を有するオ
ルガノポリシロキサンのうち好適な化合物の例として
は、一般式(A)で示される化合物が挙げられる。
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、Rは1価の炭化水素基、m、nは
0〜1000の整数(ただし、m、nが同時に0となる
ことはない。)であり、X、Y、Zは下記一般式(B)
若しくは(E)で表される基またはR(各々同一または
異なってもよく、すべてがRとなることはない)であ
る。〕
【化4】 〔式中、R 1 、R 4 およびR 7 は2価の炭化水素基、エー
テル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタ
ン基またはウレア基を含有する2価の有機基、窒素また
は酸素原子含有複素環構造の基および(ポリ)オキシア
ルキレン基からなる群より選ばれる2価の有機基単独で
構成される分子鎖または該2価の有機基が複数結合した
2価の分子鎖、R 2 、R 3 、R 5 、R 6 、R 8 、R 9 およびR
10 はハロゲン若しくは水酸基で置換されていてもよい1
価の炭化水素基(各々同一または異なってもよい)、W
- は陰イオン、a、bは0〜100の整数である(ただ
し、a、bが同時に0になることはない。)。〕
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、R1,R4およびR7は2価の炭化
水素基,エーテル基,カルボニル基,エステル基,アミ
ド基,ウレタン基またはウレア基を含有する2価の有機
基,窒素または酸素原子含有複素環構造の基および(ポ
リ)オキシアルキレン基からなる群より選ばれる2価の
有機基単独で構成される分子鎖または該2価の有機基が
複数結合した2価の分子鎖、R2,R3,R5,R6
8,R9およびR10はハロゲンもしくは水酸基で置換さ
れていてもよい1価の炭化水素基(各々同一または異な
ってもよい)、W-は陰イオン、a,bは0〜100の
整数である(ただし、a,bが同時に0になることはな
い。)。〕
【0017】化合物(A)において、式中の1価の炭化
水素基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等
のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基
等のアラルキル基等が例示されるが、メチル基、エチル
基等の低級アルキル基およびフェニル基が好ましく、特
にメチル基が好ましい。
【0018】一般式(B)および(E)で示される基に
おいて、式中の2価の有機分子鎖R1、R4およびR
7は、2価の有機基単独で構成される分子鎖でも2個の
有機基が複数結合した2価の分子鎖でもよい。2価の有
機基としては、2価炭化水素基[アルキレン基(メチレ
ン基、エチレン基など)、芳香族環構造の一部(フェニ
レン基など)、非芳香族環構造の一部(シクロヘキシレ
ン基など)、ビニレン基など]、窒素および/または酸
素原子を含有する2価の有機基[エーテル基、カルボニ
ル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア
基]、窒素または酸素原子含有複素環構造の基、(ポ
リ)オキシアルキレン基が挙げられる。この分子鎖の長
さは、構成する炭素原子、酸素原子および窒素原子の合
計数で通常2〜30個である。長すぎると、化合物
(A)中の第4級アンモニウム塩基の割合が低いため帯
電防止効果が不十分である。
【0019】一般式(B)および(E)で示される基に
おいて、式中のR2、R3、R5、R6、R8、R9およびR
10としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のア
ラルキル基等(おのおのハロゲン、水酸基等の置換基を
有していても良い。)が例示されるが、メチル基、エチ
ル基等の低級アルキル基およびフェニル基が好ましく、
特にメチル基が好ましい。
【0020】一般式(B)および(E)で示される基に
おいて、陰イオンW-としては、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、水酸イオン、硫
酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸
水素イオン、亜硫酸イオン、炭酸イオン、メチル炭酸イ
オン、エチル炭酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオ
ン、スルホン酸イオン、ホスホン酸イオン等が例示され
る。
【0021】本発明の分子内にアニオン性基を有するオ
ルガノポリシロキサンのうち好適な化合物の例として
は、下記の分子構造を持った化合物(F)が挙げられる
【0022】
【化8】
【0023】〔式中、Rは1価の炭化水素基、m,nは
0〜1000の整数(ただし、nは0でない。)、xは
1〜7の整数、yは1〜100の整数である〕
【0024】化合物(F)において、式中の1価炭化水
素基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等の
アルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等
のアラルキル基等が例示されるが、メチル基、エチル基
等の低級アルキル基およびフェニル基が好ましく、特に
メチル基が好ましい。
【0025】
【0026】
【化9】
【0027】〔式中、Rは1価の炭化水素基、m,nは
0〜1000の整数(ただし、m,nが同時に0となる
ことはない。)であり、X,Y,Zは下記一般式(D)
もしくは(E)のいずれかで表される基またはR(各々
同一または異なってもよく、すべてがRとなることはな
い)である。〕
【0028】
【化10】
【0029】〔式中、R1,R4およびR7は2価の炭化
水素基,エーテル基,カルボニル基,エステル基,アミ
ド基,ウレタン基またはウレア基を含有する2価の有機
基,窒素または酸素原子含有複素環構造の基および(ポ
リ)オキシアルキレン基からなる群より選ばれる2価の
有機基単独で構成される分子鎖または該2価の有機基が
複数結合した2価の分子鎖、R2,R3,R5,R6
8,R9およびR10はハロゲンもしくは水酸基で置換さ
れていてもよい1価の炭化水素基(各々同一または異な
ってもよい)、W-は陰イオン、a,bは0〜100の
整数である(ただし、a,bが同時に0になることはな
い。)。〕
【0030】
【化11】
【0031】〔式中、R1,R4およびR7は2価の炭化
水素基,エーテル基,カルボニル基,エステル基,アミ
ド基,ウレタン基またはウレア基を含有する2価の有機
基,窒素または酸素原子含有複素環構造の基および(ポ
リ)オキシアルキレン基からなる群より選ばれる2価の
有機基単独で構成される分子鎖または該2価の有機基が
複数結合した2価の分子鎖、R2,R3,R5,R6
8,R9およびR10はハロゲンもしくは水酸基で置換さ
れていてもよい1価の炭化水素基(各々同一または異な
ってもよい)、W-は陰イオン、a,bは0〜100の
整数である(ただし、a,bが同時に0になることはな
い。)。〕
【0032】化合物(C)において、式中の1価の炭化
水素基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等
のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基
等のアラルキル基等が例示されるが、メチル基、エチル
基等の低級アルキル基およびフェニル基が好ましく、特
にメチル基が好ましい。
【0033】一般式(D)および(E)で示される基に
おいて、式中の2価の有機分子鎖R1、R4およびR
7は、2価の有機基単独で構成される分子鎖でも2個の
有機基が複数結合した2価の分子鎖でもよい。2価の有
機基としては、2価炭化水素基[アルキレン基(メチレ
ン基、エチレン基など)、芳香族環構造の一部(フェニ
レン基など)、非芳香族環構造の一部(シクロヘキシレ
ン基など)、ビニレン基など]、窒素および/または酸
素原子を含有する2価の有機基[エーテル基、カルボニ
ル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア
基]、窒素または酸素原子含有複素環構造の基、(ポ
リ)オキシアルキレン基が挙げられる。
【0034】一般式(D)および(E)で示される基に
おいて、式中のR2、R3、R5、R6、R8、R9およびR
10としては、おのおのハロゲン、水酸基等の置換基を有
してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ラウリル
基、n−ステアリル基等のアルキル基、フェニル基等の
アリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の1価の炭
化水素基が例示される。
【0035】一般式(D)および(E)で示される基に
おいて、陰イオンWとしては、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、水酸イオン、硫
酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸
水素イオン、亜硫酸イオン、炭酸イオン、メチル炭酸イ
オン、エチル炭酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオ
ン、スルホン酸イオン、ホスホン酸イオン等が例示され
る。
【0036】本発明の帯電防止剤 を内部添加する対象
となるシリコーン樹脂製品の種類は、何ら限定されるも
のではないが、例えばシリコーンフォーム、シリコーン
シーラント、シリコーンゴム、シリコーン液状ゴム、シ
リコーンワニス等が例示される。
【0037】本発明の帯電防止剤 は、シリコーン樹脂
製品の製造工程中のいずれかの段階で内部に添加、配合
することによっておのおの効果を発揮する。内部添加、
配合する方法は特に限定されず、ニーダー、ロール等で
加熱混合する、本発明の帯電防止剤の存在下にシロキサ
ンを重合する等の方法が挙げられる。帯電防止剤の樹脂
に対する配合量が好ましくは0.1〜20重量%、より
好ましくは0.5〜10重量%となるように用いる。一
方、抗菌剤の樹脂に対する配合量が好ましくは0.1〜
10重量%となるように用いる。配合量が少なすぎると
効果が不十分であり、配合量が多すぎると樹脂本来の物
性や外観を損ねる可能性がある。
【0038】本発明の帯電防止剤 は、界面活性剤系の
帯電防止剤やフィラー状の導電材と併用することができ
る。また、通常のシリコーン樹脂用の添加剤、例えば可
塑剤、難燃材、酸化防止材、着色剤等の添加剤を併用し
ても差し支えない。
【0039】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を更に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下において部は重量部を示す。
【0040】
【実施例】
製造例1 400gの下記の化12で示されるアミノ変性シリコー
ンの混合物と250gのジメチルカーボネートを750
gのイソプロピルアルコール中に溶かし、130℃まで
昇温し、48時間4級化反応を行った。反応後、イソプ
ロピルアルコール、ジメチルカーボネート、および反応
で生成したメタノール、二酸化炭素を減圧下で留去し、
側鎖中に4級アンモニウム塩基を含むオルガノポリシロ
キサン〈1〉を得た。化合物〈1〉の第4級アンモニウ
ム塩基濃度は0.86ミリ当量/gであった。
【0041】
【化12】
【0042】製造例2 反応容器にポリエチレングリコール300(PEG30
0;数平均分子量295)299.8gと3ースルホイ
ソフタル酸ナトリウム塩(SIP)270gおよびエス
テル化触媒としてジブチル錫オキサイド0.7gを仕込
んで攪拌し、5mmHg減圧下で190℃まで昇温し、
その後190℃にて生成する水を留去しながら6時間エ
ステル化反応を行った。PEG:SIP=3:3の中間
体(PEGーSIPーPEGーSIPーPEGーSI
P)が得られた。これに下記の化13で示されるエポキ
シ変性シリコーンの混合物100gを加え、100℃で
5時間反応を行い、側鎖にスルホン酸塩基を含むオルガ
ノポリシロキサン〈2〉を得た。化合物〈2〉のスルホ
ン酸ナトリウム塩基濃度は1.87ミリ当量/gであっ
た。
【0043】
【化13】
【0044】製造例3 反応容器に400gの下記の化14で示されるアミノ変
性シリコーンの混合物を320gのトルエンに溶かした
後、12gの水酸化ナトリウムを添加した。室温で14
0gのジメチル硫酸を滴下した後、70℃まで昇温し、
4時間4級化反応を行った。反応後、固状成分をろ別
し、次いでトルエンを留去して、側鎖中に第4級アンモ
ニウム塩基を含むオルガノポリシロキサン〈4〉を得
た。化合物〈4〉の第4級アンモニウム塩基濃度は2.
51ミリ当量/gであった。
【0045】
【化14】
【0046】製造例4 反応容器に400gの下記の化15で示されるカルビノ
ール変性シリコーンの混合物と3弗化ホウ素ジエチルエ
ーテル錯体2gを320gのトルエンに溶かした。室温
で325gのエピクロルヒドリンを滴下しカチオン重合
反応を行った後、トルエンを留去した。化15の混合物
の両末端に各々平均で4分子のエピクロルヒドリンオリ
ゴマーが結合した中間体が得られた。この中間体をトリ
ブチルホスフィン850gを500mlのトルエンに溶
かした溶液中に室温、窒素雰囲気下で滴下した後、昇温
し還流下で20時間反応を行い、両末端に第4級ホスホ
ニウム塩基を含むオルガノポリシロキサン〈5〉を得
た。化合物〈5〉の第4級ホスホニウム塩基濃度は2.
72ミリ当量/gであった。
【0047】
【化15】
【0048】実施例(1) 表1に示す割合のシリコーン液状ゴム(信越化学工業製
KEー108)および硬化剤(信越化学工業製 CA
Tー108)と、本発明の帯電防止剤としての〈1〉、
〈2〉(実施例1〜3)を各々、ミキサーにて5分間混
合した後、厚さ100μmのポリエステルフィルムにバ
ーコーターを使って塗布した。室温で24時間以上放置
し、硬化、乾燥させ、試験シートを得た。形成された塗
膜の膜厚は約1μmであった。また、同様の方法にて、
帯電防止剤としてオルガノポリシロキサン骨格を持たな
い4級アンモニウム塩型界面活性剤〈5〉[三洋化成工
業製 カチオンDDC−50(塩化ジデシルジメチルア
ンモニウム、4級アンモニウム塩基濃度:2.30ミリ
当量/g)]を加えたもの(比較例1)、帯電防止剤を
添加しないもの(比較例2)についても試験シートを作
成した。各々の試験シートの塗布面の表面固有抵抗を測
定し、帯電防止性を評価した。次に、各試験シートを3
0℃の水中に16〜24時間浸漬した。取り出した試験
シートを布拭きし、乾燥させた後、再び表面固有抵抗を
測定した。
【0049】
【表1】 ■ 化合物 ■シリコーン液■硬化剤■ 表面固有抵抗値(Ω) ■種 類■部数■状ゴムの部数■の部数■ 処理前 ■ 処理後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1■〈1〉■ 5■ 90 ■ 5 ■ 2×1010■ 2×1010 実施例2■〈1〉■10■ 85 ■ 5 ■ 4×109 ■ 5×109 実施例3■〈2〉■ 5■ 90 ■ 5 ■ 8×1010■ 8×1010 比較例1■〈5〉■ 5■ 90 ■ 5 ■ 7×1011■ 5×1013 比較例2■ な し ■ 95 ■ 5 ■ 1×1014■ 1×1014
【0050】実施例1〜3の本発明の帯電防止剤をシリ
コーン樹脂に練り込んだものは、少量の添加でも、いず
れも良好な帯電防止効果を示した。また、水への浸漬、
布拭き処理によっても、帯電防止効果は失われなかっ
た。
【0051】実施例(2) 本発明の抗菌剤〈4〉、〈5〉について抗菌効果試験を
実施した。試験に用いた菌株の種類、その方法および結
果を下記に示す。なお、比較例としてAg/ゼオライト
(バクテキラー、鐘紡製)についても同様の方法にて試
験を実施した。
【0052】使用菌株 産業上重大な障害となる以下に示す細菌3種を選択し
た。 Ec: Escherichia coli IFO 3301 Sa: Staphylococcus aureus IFO 12732 Pa: Pseudomonas aeruginose IAM 1054
【0053】試験方法 (抗菌力試験)本発明による抗菌剤組成物の殺菌性を日
本化学療法学会最小発育阻止濃度(MIC)の測定によ
り検討した。即ち、菌数が106CFU/mlになるよ
うに希釈調整した菌液を薬剤混釈寒天平板上に接種し3
7℃、18〜20時間、培養した後、供試菌の発育が阻
止された薬剤の最低濃度をMICとした。 (耐ブリードアウト性)85部のKE−108および5
部のCAT−108と、本発明の抗菌剤としての
〈4〉、〈5〉(実施例4、5)を10部各々、ミキサ
ーにて5分間混合し、金型(5cm×5cm×2cm)
に流し込んだ。室温で1週間以上放置し、硬化、乾燥さ
せ試験片を得た。また、同様の方法にて、抗菌剤として
銀ゼオライト〈6〉(バクテキラ−、鐘紡製)を加えた
もの(比較例3)についても試験片を作成した。各々の
試験片を70℃にて2週間保持した後、試験片表面のブ
リードアウト性を下記の基準に従い、指触と目視で評価
した。 ◎:ブリードアウトなし △:少々ブリードアウト有り ×:大量にブリードアウト有り
【0054】製造例3および4で得られた化合物を用い
た場合の、最小発育阻止濃度および耐ブリードアウト性
の評価結果を表2に示す。
【0055】
【表2】 化合物 最小発育阻止濃度(μg/ml) 耐ブリード の種類 Ec Sa Pa アウト性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4 〈4〉 100 50 200 ◎ 実施例5 〈5〉 50 50 125 ◎ 比較例3 〈6〉 125 250 125 △
【0056】実施例4および5の本発明の抗菌剤は、い
ずれも良好な抗菌性を示した。また、シリコーン樹脂へ
の相溶性が高く、耐ブリードアウト性も良好であった。
【0057】
【発明の効果】本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤
は、 (1)イオン性基の含有量が高いため、少量でも帯電防
止効果が高い。 (2)分子中にイオン性部分と非イオン性部分の繰り返
し構造を有しており、少量でも帯電防止効果が高い。 (3)主鎖がオルガノポリシロキサンからなるため、シ
リコーン樹脂製品との相溶性が高く、耐ブリードアウト
性も良好である 。上記の効果を有することから、本発
明の帯電防止剤は、シリコーンフォーム、シリコーンシ
ーラント、シリコーンゴム、シリコーン液状樹脂、シリ
コーンワニス等のシリコーン樹脂製品に練り込む薬剤と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/26 C08G 77/30 C08G 77/452 C08L 83/08 C08L 83/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非イオン性分子鎖とイオン性基が交互に
    繰り返される分子構造を有するイオン性基を含む部分を
    有し、一般式(A)又は(F)で示されるオルガノポリ
    シロキサンからなることを特徴とするシリコーン樹脂用
    帯電防止剤。 【化1】 〔式中、Rは1価の炭化水素基、m、nは0〜1000
    の整数(ただし、m、nが同時に0となることはな
    い。)であり、X、Y、Zは下記一般式(B) で表さ
    れる基またはR(各々同一または異なってもよく、すべ
    てがRとなることはない)である。〕 【化2】 〔式中、R1、R4およびR7は2価の炭化水素基、エー
    テル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタ
    ン基またはウレア基を含有する2価の有機基、窒素また
    は酸素原子含有複素環構造の基および(ポリ)オキシア
    ルキレン基からなる群より選ばれる2価の有機基単独で
    構成される分子鎖または該2価の有機基が複数結合した
    2価の分子鎖、R2、R3、R5、R6、R8、R9およびR
    10はハロゲン若しくは水酸基で置換されていてもよい1
    価の炭化水素基(各々同一または異なってもよい)、W
    -は陰イオン、a、bは0〜100の整数である(ただ
    し、a、bが同時に0になることはない。)。〕 【化3】 〔式中、Rは1価の炭化水素基、m、nは0〜1000
    の整数(ただし、nは0ではない。)、xは1〜7の整
    数、yは1〜100の整数である。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の帯電防止剤を添加してな
    るシリコーン樹脂。
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