JP3115504B2 - 原子吸光光度計および黒鉛管 - Google Patents
原子吸光光度計および黒鉛管Info
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- G01N21/62—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
- G01N21/71—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light thermally excited
- G01N21/74—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light thermally excited using flameless atomising, e.g. graphite furnaces
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料を原子化させその
原子を吸光分析することにより金属元素の分析を行う原
子吸光光度計に係り、特に、分析精度を向上できる原子
吸光光度計およびその原子吸光光度計用のグラファイト
アトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管に関する。
原子を吸光分析することにより金属元素の分析を行う原
子吸光光度計に係り、特に、分析精度を向上できる原子
吸光光度計およびその原子吸光光度計用のグラファイト
アトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管に関する。
【0002】
【従来の技術】試料を原子化させその原子を吸光分析す
ることにより金属元素の分析を行う原子吸光光度計にお
いては、グラファイトアトマイザ炉内に取り付けられた
黒鉛管に試料を注入、収容し、その黒鉛管に管長手方向
に電流を供給して抵抗発熱により試料を加熱し、乾燥、
灰化および原子化させ、さらにその試料の原子蒸気に光
源からの光束を照射し、その原子蒸気による吸光度を測
定する。
ることにより金属元素の分析を行う原子吸光光度計にお
いては、グラファイトアトマイザ炉内に取り付けられた
黒鉛管に試料を注入、収容し、その黒鉛管に管長手方向
に電流を供給して抵抗発熱により試料を加熱し、乾燥、
灰化および原子化させ、さらにその試料の原子蒸気に光
源からの光束を照射し、その原子蒸気による吸光度を測
定する。
【0003】このような原子吸光光度計のグラファイト
アトマイザ炉内に取り付けられる黒鉛管としては、例え
ば、特開平3−146853号公報に記載されているよ
うに、試料を定位置に収容するために段差によって区分
される部屋(太径部)を設け、その試料収容用の部屋の
両側がその部屋よりも径の小さい部分(細径部)のもの
が用いられることがあった。また、上記黒鉛管におい
て、試料収容用の部屋を区分する段差の表面と試料を収
容する側の面とのなす角度を110度以上の鈍角とした
り、またはその段差の表面を球面とすることにより、段
差を超えて試料が広がることを防止し、測定時の再現性
および分析精度の向上を図っている。
アトマイザ炉内に取り付けられる黒鉛管としては、例え
ば、特開平3−146853号公報に記載されているよ
うに、試料を定位置に収容するために段差によって区分
される部屋(太径部)を設け、その試料収容用の部屋の
両側がその部屋よりも径の小さい部分(細径部)のもの
が用いられることがあった。また、上記黒鉛管におい
て、試料収容用の部屋を区分する段差の表面と試料を収
容する側の面とのなす角度を110度以上の鈍角とした
り、またはその段差の表面を球面とすることにより、段
差を超えて試料が広がることを防止し、測定時の再現性
および分析精度の向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような黒鉛管
は、それぞれ異なる外径と内径とを有する太径部と細径
部を組み合わせた程度のものであるため、太径部、細径
部、およびそれら太径部と細径部を区分する段差部のそ
れぞれにおいて、管長手方向に垂直な面内の断面積につ
いては何ら考慮されていなかった。特に、段差部が、太
径部や細径部の断面積の2倍以上の断面積を有する場合
もあった。従って、黒鉛管の各部分によって電流を管長
手方向に流す場合の抵抗値が異なり、特に、段差部の抵
抗発熱量が小さくなってしまう。これにより、黒鉛管は
各部分によって発熱量が異なり、その熱分布が均一でな
くなる。
は、それぞれ異なる外径と内径とを有する太径部と細径
部を組み合わせた程度のものであるため、太径部、細径
部、およびそれら太径部と細径部を区分する段差部のそ
れぞれにおいて、管長手方向に垂直な面内の断面積につ
いては何ら考慮されていなかった。特に、段差部が、太
径部や細径部の断面積の2倍以上の断面積を有する場合
もあった。従って、黒鉛管の各部分によって電流を管長
手方向に流す場合の抵抗値が異なり、特に、段差部の抵
抗発熱量が小さくなってしまう。これにより、黒鉛管は
各部分によって発熱量が異なり、その熱分布が均一でな
くなる。
【0005】その結果、収容された試料のうち、段差部
に接する試料は太径部中央付近に置かれた試料より温度
が低くなり、乾燥、灰化、原子化時に余分に加熱する必
要が生じ、余分な加熱時間を要する。また、試料が高融
点試料の場合は原子化温度の低い部分に完全に原子化し
ない試料が残留しやすくなり、次の試料測定に影響を及
ぼすメモリー現象が生じてしまうことが多い。つまり、
分析精度が低下してしまう。さらに、黒鉛管の熱分布が
不均一なために全ての試料が同時に原子化されず、原子
吸収の際の吸光度に損失が生じ、原子化効率が劣化す
る。
に接する試料は太径部中央付近に置かれた試料より温度
が低くなり、乾燥、灰化、原子化時に余分に加熱する必
要が生じ、余分な加熱時間を要する。また、試料が高融
点試料の場合は原子化温度の低い部分に完全に原子化し
ない試料が残留しやすくなり、次の試料測定に影響を及
ぼすメモリー現象が生じてしまうことが多い。つまり、
分析精度が低下してしまう。さらに、黒鉛管の熱分布が
不均一なために全ての試料が同時に原子化されず、原子
吸収の際の吸光度に損失が生じ、原子化効率が劣化す
る。
【0006】本発明の目的は、試料の加熱時の熱分布を
均一にして分析精度および分析効率を向上することがで
きる原子吸光光度計および原子吸光光度計用グラファイ
トアトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管を提供すること
にある。
均一にして分析精度および分析効率を向上することがで
きる原子吸光光度計および原子吸光光度計用グラファイ
トアトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、試料を定位置に収容する太径部、
その太径部に連続し太径部よりも径の小さい細径部、お
よび前記太径部と前記細径部とを区分する段差部を備え
た黒鉛管と、その黒鉛管に電流を供給し抵抗発熱によっ
て前記試料を原子化するグラファイトアトマイザ炉とを
有し、前記試料の原子の吸光分析を行う原子吸光光度計
において、前記グラファイトアトマイザ炉により供給さ
れる電流方向に垂直な面における黒鉛管の断面積が、前
記太径部、前記細径部、および前記段差部のいずれにお
いても等しいことを特徴とする原子吸光光度計が提供さ
れる。
め、本発明によれば、試料を定位置に収容する太径部、
その太径部に連続し太径部よりも径の小さい細径部、お
よび前記太径部と前記細径部とを区分する段差部を備え
た黒鉛管と、その黒鉛管に電流を供給し抵抗発熱によっ
て前記試料を原子化するグラファイトアトマイザ炉とを
有し、前記試料の原子の吸光分析を行う原子吸光光度計
において、前記グラファイトアトマイザ炉により供給さ
れる電流方向に垂直な面における黒鉛管の断面積が、前
記太径部、前記細径部、および前記段差部のいずれにお
いても等しいことを特徴とする原子吸光光度計が提供さ
れる。
【0008】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、試料を定位置に収容する太径部、その太径部に
連続し太径部よりも径の小さい細径部、および前記太径
部と前記細径部とを区分する段差部を備え、前記試料の
原子の吸光分析を行う原子吸光光度計用のグラファイト
アトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管において、供給さ
れる電流方向に垂直な面の断面積が、前記太径部、前記
細径部、および前記段差部のいずれにおいても等しいこ
とを特徴とする黒鉛管が提供される。
よれば、試料を定位置に収容する太径部、その太径部に
連続し太径部よりも径の小さい細径部、および前記太径
部と前記細径部とを区分する段差部を備え、前記試料の
原子の吸光分析を行う原子吸光光度計用のグラファイト
アトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管において、供給さ
れる電流方向に垂直な面の断面積が、前記太径部、前記
細径部、および前記段差部のいずれにおいても等しいこ
とを特徴とする黒鉛管が提供される。
【0009】
【作用】上記のように構成した本発明の黒鉛管において
は、試料を定位置に収容する太径部、その太径部に連続
し太径部よりも径の小さい細径部、および太径部と細径
部とを区分する段差部のいずれにおいても、供給される
電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるように
する。これにより、黒鉛管の太径部、細径部、および段
差部のいずれの部分においても、電流方向に対する抵抗
値が等しくなり、黒鉛管に電流を流し抵抗発熱によって
加熱した際に、黒鉛管の各々の部分における発熱量は同
じになり、そのため黒鉛管の熱分布は均一となる。
は、試料を定位置に収容する太径部、その太径部に連続
し太径部よりも径の小さい細径部、および太径部と細径
部とを区分する段差部のいずれにおいても、供給される
電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるように
する。これにより、黒鉛管の太径部、細径部、および段
差部のいずれの部分においても、電流方向に対する抵抗
値が等しくなり、黒鉛管に電流を流し抵抗発熱によって
加熱した際に、黒鉛管の各々の部分における発熱量は同
じになり、そのため黒鉛管の熱分布は均一となる。
【0010】従って、収容された試料は均一に加熱され
て温度が低い部分ができることがなく、乾燥、灰化、原
子化時に余分に加熱したり、加熱時間を余分にかける必
要がなくなる。また、試料が高融点試料の場合でも均一
な加熱により均一に原子化するため、原子化しない試料
が残留することがなく、メモリー現象が起こらなくな
る。さらに、原子化時の黒鉛管の熱分布が均一なため、
全ての試料が同時に原子化され、原子吸収の際の吸光度
に損失が生じることがない。
て温度が低い部分ができることがなく、乾燥、灰化、原
子化時に余分に加熱したり、加熱時間を余分にかける必
要がなくなる。また、試料が高融点試料の場合でも均一
な加熱により均一に原子化するため、原子化しない試料
が残留することがなく、メモリー現象が起こらなくな
る。さらに、原子化時の黒鉛管の熱分布が均一なため、
全ての試料が同時に原子化され、原子吸収の際の吸光度
に損失が生じることがない。
【0011】
【実施例】本発明による原子吸光光度計、およびその原
子吸光光度計用のグラファイトアトマイザ炉に取り付け
られる黒鉛管の一実施例について、図1から図5を参照
しながら説明する。
子吸光光度計用のグラファイトアトマイザ炉に取り付け
られる黒鉛管の一実施例について、図1から図5を参照
しながら説明する。
【0012】図2は本実施例による黒鉛管を示す断面図
である。図2に示すように、黒鉛管1は、試料を定位置
に収容する太径部1a、その太径部1aに連続し太径部
1aよりも径の小さい細径部1b、および太径部1aと
細径部1bとを区分する段差部1cよりなり、黒鉛管1
の材質はいずれの部分も同一の黒鉛(グラファイト)で
ある。本実施例の場合、段差部1cは45゜の角度で傾
斜している。
である。図2に示すように、黒鉛管1は、試料を定位置
に収容する太径部1a、その太径部1aに連続し太径部
1aよりも径の小さい細径部1b、および太径部1aと
細径部1bとを区分する段差部1cよりなり、黒鉛管1
の材質はいずれの部分も同一の黒鉛(グラファイト)で
ある。本実施例の場合、段差部1cは45゜の角度で傾
斜している。
【0013】加熱用の電流は管長手方向、即ち管の軸方
向に流されるが、太径部1a、細径部1b、および段差
部1cのいずれにおいても、管長手方向、即ち供給され
る電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるよう
にする。つまり、黒鉛管1を管長手方向に直交するいず
れの面で輪切りにしても、その切断面の面積が等しくな
るようにする。これにより、黒鉛管1の太径部1a、細
径部1b、および段差部1cのいずれの部分において
も、電流方向に対する抵抗値が等しくなり、黒鉛管1に
電流を流して加熱した際に、黒鉛管1の各々の部分にお
ける発熱量は同じになり、そのため黒鉛管1の熱分布は
均一となる。
向に流されるが、太径部1a、細径部1b、および段差
部1cのいずれにおいても、管長手方向、即ち供給され
る電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるよう
にする。つまり、黒鉛管1を管長手方向に直交するいず
れの面で輪切りにしても、その切断面の面積が等しくな
るようにする。これにより、黒鉛管1の太径部1a、細
径部1b、および段差部1cのいずれの部分において
も、電流方向に対する抵抗値が等しくなり、黒鉛管1に
電流を流して加熱した際に、黒鉛管1の各々の部分にお
ける発熱量は同じになり、そのため黒鉛管1の熱分布は
均一となる。
【0014】また、太径部1aには、小さな窓2が開け
られており、この窓2から試料が注入され、太径部1a
内に試料が収容される。この窓2の存在によって太径部
1aの一部の断面積が小さくなるが、その断面積減少量
はごく小さく、誤差範囲におさまる。より正確性を期し
たい場合は、窓2に相当する分だけ太くする等の工夫を
すればよい。
られており、この窓2から試料が注入され、太径部1a
内に試料が収容される。この窓2の存在によって太径部
1aの一部の断面積が小さくなるが、その断面積減少量
はごく小さく、誤差範囲におさまる。より正確性を期し
たい場合は、窓2に相当する分だけ太くする等の工夫を
すればよい。
【0015】図3は、図2の黒鉛管を変形し、段差部3
cと太径部1aとの境界部分、および段差部3cと細径
部1bとの境界部分を曲面となるようにした黒鉛管3の
断面図である。それ以外の形状は図2の黒鉛管1と同一
であり、勿論、太径部3a、細径部3b、および段差部
3cのいずれにおいても、管長手方向、即ち供給される
電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるように
し、それによっていずれの部分においても電流方向に対
する抵抗値が等しくなっている。本実施例では、図2、
図3のどちらの形状の黒鉛管を用いてもよいが、以下で
は図2の形状のものを用いることとして説明する。
cと太径部1aとの境界部分、および段差部3cと細径
部1bとの境界部分を曲面となるようにした黒鉛管3の
断面図である。それ以外の形状は図2の黒鉛管1と同一
であり、勿論、太径部3a、細径部3b、および段差部
3cのいずれにおいても、管長手方向、即ち供給される
電流方向に垂直な面における断面積が等しくなるように
し、それによっていずれの部分においても電流方向に対
する抵抗値が等しくなっている。本実施例では、図2、
図3のどちらの形状の黒鉛管を用いてもよいが、以下で
は図2の形状のものを用いることとして説明する。
【0016】図1は本実施例による原子吸光光度計の全
体構成を示す概略図である。この原子吸光光度計におい
ては、グラファイトアトマイザ炉10の電極11に黒鉛
管1が取り付けられており、電極11は電源12に接続
されている。黒鉛管1の太径部1aには前述のように窓
2から測定対象である試料13が注入され、収容され
る。電極11に電源12より電流が供給されると、黒鉛
管1は抵抗発熱し、試料13は加熱される。そして、順
に乾燥、灰化、原子化の加熱段階によって試料13は原
子蒸気となる。
体構成を示す概略図である。この原子吸光光度計におい
ては、グラファイトアトマイザ炉10の電極11に黒鉛
管1が取り付けられており、電極11は電源12に接続
されている。黒鉛管1の太径部1aには前述のように窓
2から測定対象である試料13が注入され、収容され
る。電極11に電源12より電流が供給されると、黒鉛
管1は抵抗発熱し、試料13は加熱される。そして、順
に乾燥、灰化、原子化の加熱段階によって試料13は原
子蒸気となる。
【0017】黒鉛管1内部の原子蒸気には光源14から
の光束が照射され、黒鉛管3内部を通過した光において
は試料13に特有の波長が原子吸収される。原子吸収が
行われた光は分光器15に取り込まれて分光され、測定
光のみが検知器16に送られて検知される。検知器16
からは検知データが信号処理部17に送られ、演算処理
等により試料13の吸光度が測定され、その結果が出力
部18に出力される。一つの試料13の測定が終了する
と、試料13の残留物を除去するためにさらに加熱が行
われる。
の光束が照射され、黒鉛管3内部を通過した光において
は試料13に特有の波長が原子吸収される。原子吸収が
行われた光は分光器15に取り込まれて分光され、測定
光のみが検知器16に送られて検知される。検知器16
からは検知データが信号処理部17に送られ、演算処理
等により試料13の吸光度が測定され、その結果が出力
部18に出力される。一つの試料13の測定が終了する
と、試料13の残留物を除去するためにさらに加熱が行
われる。
【0018】上記において、電源12からの電流値やそ
の電圧等は電源制御部19によって制御される。また、
信号処理部17および電源制御部19は中央処理部20
にまとめられている。
の電圧等は電源制御部19によって制御される。また、
信号処理部17および電源制御部19は中央処理部20
にまとめられている。
【0019】原子吸光光度計による測定においては、黒
鉛管3の熱分布が均一であることが重要であり、そうで
ないと高精度で高能率な分析ができない。本実施例にお
いては、黒鉛管1の太径部1a、細径部1b、および段
差部1cのいずれの部分の抵抗値も等しいため、黒鉛管
1の各々の部分における抵抗発熱量は同じになり、熱分
布は均一となる。従って、試料13は均一に加熱されて
温度が低い部分ができることがなく、乾燥、灰化、原子
化時に余分に加熱したり、加熱時間を余分にかける必要
がなくなる。また、試料13が高融点試料の場合でも均
一な加熱により均一に原子化するため、原子化しない試
料13が残留することがなく、前の試料が次の試料測定
に影響を及ぼすメモリー現象がほとんど起こらなくな
る。さらに、原子化時の黒鉛管1の熱分布が均一なた
め、全ての試料13が同時に原子化され、原子吸収の際
の吸光度に損失が生じることがない。
鉛管3の熱分布が均一であることが重要であり、そうで
ないと高精度で高能率な分析ができない。本実施例にお
いては、黒鉛管1の太径部1a、細径部1b、および段
差部1cのいずれの部分の抵抗値も等しいため、黒鉛管
1の各々の部分における抵抗発熱量は同じになり、熱分
布は均一となる。従って、試料13は均一に加熱されて
温度が低い部分ができることがなく、乾燥、灰化、原子
化時に余分に加熱したり、加熱時間を余分にかける必要
がなくなる。また、試料13が高融点試料の場合でも均
一な加熱により均一に原子化するため、原子化しない試
料13が残留することがなく、前の試料が次の試料測定
に影響を及ぼすメモリー現象がほとんど起こらなくな
る。さらに、原子化時の黒鉛管1の熱分布が均一なた
め、全ての試料13が同時に原子化され、原子吸収の際
の吸光度に損失が生じることがない。
【0020】図4は本実施例の原子吸光光度計によって
元素Moメモリー試験を行った場合の試験結果を示す
図、図5は図4の試料加熱時の温度プログラムと所要時
間を示す図である。但し、この時の測定は、40ppb
の試料20マイクロリットルを、各回の測定毎に試料を
入れ換えて10回連続して測定した後に3回ブランク試
料を測定した結果である。
元素Moメモリー試験を行った場合の試験結果を示す
図、図5は図4の試料加熱時の温度プログラムと所要時
間を示す図である。但し、この時の測定は、40ppb
の試料20マイクロリットルを、各回の測定毎に試料を
入れ換えて10回連続して測定した後に3回ブランク試
料を測定した結果である。
【0021】図4の11回目以降の測定はブランク試料
の測定であるため、そのブランク試料において吸光度が
測定されることはメモリー現象が生じていることを表し
ており、11回目以降の測定吸光度は極力小さいことが
高精度な分析が可能であることを示している。本実施例
の黒鉛管では、11回目のブランク試料測定の吸光度を
従来の黒鉛管に対して20%に低減できた。即ち、本実
施例によれば、従来のメモリーのおよそ20%に低減で
きた。また、図5に示すように、本実施例の黒鉛管では
試料加熱時の各加熱段階の所要時間を短縮でき、従って
合計の加熱時間を従来に比べ20秒程度短縮できた。
の測定であるため、そのブランク試料において吸光度が
測定されることはメモリー現象が生じていることを表し
ており、11回目以降の測定吸光度は極力小さいことが
高精度な分析が可能であることを示している。本実施例
の黒鉛管では、11回目のブランク試料測定の吸光度を
従来の黒鉛管に対して20%に低減できた。即ち、本実
施例によれば、従来のメモリーのおよそ20%に低減で
きた。また、図5に示すように、本実施例の黒鉛管では
試料加熱時の各加熱段階の所要時間を短縮でき、従って
合計の加熱時間を従来に比べ20秒程度短縮できた。
【0022】本実施例では、黒鉛管のどの部分の材質も
同一の黒鉛(グラファイト)とし、どの部分の比抵抗も
同一としたが、例えば、太径部、細径部、段差部で異な
る比抵抗の材質を用いた場合には、供給される電流方向
に垂直な面における単位厚さの抵抗値がどの部分におい
ても等しくなるようにすればよい。
同一の黒鉛(グラファイト)とし、どの部分の比抵抗も
同一としたが、例えば、太径部、細径部、段差部で異な
る比抵抗の材質を用いた場合には、供給される電流方向
に垂直な面における単位厚さの抵抗値がどの部分におい
ても等しくなるようにすればよい。
【0023】以上のような本実施例によれば、黒鉛管1
の電流方向に垂直な面における断面積がいずれの部分に
おいても等しくなるようにするので、いずれの部分の抵
抗発熱量も同じになって熱分布を均一にすることができ
る。従って、試料13を原子化させるために余分に加熱
したり、加熱時間を余分にかける必要がなくなる。ま
た、試料13が高融点試料の場合であっても、原子化し
ない試料13の残留によるメモリー現象が起こらなくな
り、分析精度を向上することができる。さらに、全ての
試料13が同時に原子化されるので、原子吸収の際の吸
光度に損失が生じることがなく、分析効率を向上するこ
とができる。
の電流方向に垂直な面における断面積がいずれの部分に
おいても等しくなるようにするので、いずれの部分の抵
抗発熱量も同じになって熱分布を均一にすることができ
る。従って、試料13を原子化させるために余分に加熱
したり、加熱時間を余分にかける必要がなくなる。ま
た、試料13が高融点試料の場合であっても、原子化し
ない試料13の残留によるメモリー現象が起こらなくな
り、分析精度を向上することができる。さらに、全ての
試料13が同時に原子化されるので、原子吸収の際の吸
光度に損失が生じることがなく、分析効率を向上するこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、黒鉛管の電流方向に垂
直な面における断面積が、太径部、細径部、段差部のい
ずれにおいても等しくなるようにするので、いずれの部
分の抵抗発熱量も同じになって熱分布を均一にすること
ができる。従って、試料を余分に加熱したり、加熱時間
を余分にかける必要がなくなる。また、原子化しない試
料の残留によるメモリー現象が起こらなくなり、分析精
度を向上することができる。さらに、原子吸収の際の吸
光度に損失が生じることがなく、分析効率を向上するこ
とができる。
直な面における断面積が、太径部、細径部、段差部のい
ずれにおいても等しくなるようにするので、いずれの部
分の抵抗発熱量も同じになって熱分布を均一にすること
ができる。従って、試料を余分に加熱したり、加熱時間
を余分にかける必要がなくなる。また、原子化しない試
料の残留によるメモリー現象が起こらなくなり、分析精
度を向上することができる。さらに、原子吸収の際の吸
光度に損失が生じることがなく、分析効率を向上するこ
とができる。
【図1】本発明の一実施例による原子吸光光度計の全体
構成を示す概略図である。
構成を示す概略図である。
【図2】図1の原子吸光光度計用グラファイトアトマイ
ザ炉の黒鉛管を示す断面図である。
ザ炉の黒鉛管を示す断面図である。
【図3】図2の黒鉛管を変形し、段差部と太径部との境
界部分、および段差部と細径部との境界部分を曲面とな
るようにした黒鉛管の断面図である。
界部分、および段差部と細径部との境界部分を曲面とな
るようにした黒鉛管の断面図である。
【図4】図1の原子吸光光度計によって元素Moメモリ
ー試験を行った場合の試験結果を示す図である。
ー試験を行った場合の試験結果を示す図である。
【図5】図4の試料加熱時の温度プログラムと所要時間
を示す図である。
を示す図である。
1 黒鉛管 1a 太径部 1b 細径部 1c 段差部 2 窓 3 黒鉛管 3a 太径部 3b 細径部 3c 段差部 10 グラファイトアトマイザ炉 11 電極 12 電源 13 試料 14 光源 15 分光器 16 検知器 17 信号処理部 18 出力部 19 電源制御部 20 中央処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 照井 康 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式 会社 日立製作所 計測器事業部内 (56)参考文献 特開 平1−288755(JP,A) 特開 昭53−43593(JP,A) 特開 平3−146853(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/74 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 試料を定位置に収容する太径部、前記太
径部に連続しその太径部よりも径の小さい細径部、およ
び前記太径部と前記細径部とを区分する段差部を備えた
黒鉛管と、前記黒鉛管に電流を供給し抵抗発熱によって
前記試料を原子化するグラファイトアトマイザ炉とを有
し、前記試料の原子の吸光分析を行う原子吸光光度計に
おいて、 前記グラファイトアトマイザ炉により供給される電流方
向に垂直な面における前記黒鉛管の断面積が、前記太径
部、前記細径部、および前記段差部のいずれにおいても
等しいことを特徴とする原子吸光光度計。 - 【請求項2】 試料を定位置に収容する太径部、前記太
径部に連続しその太径部よりも径の小さい細径部、およ
び前記太径部と前記細径部とを区分する段差部を備え、
前記試料の原子の吸光分析を行う原子吸光光度計用のグ
ラファイトアトマイザ炉に取り付けられる黒鉛管におい
て、 供給される電流方向に垂直な面の断面積が、前記太径
部、前記細径部、および前記段差部のいずれにおいても
等しいことを特徴とする黒鉛管。
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JP07096718A JP3115504B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 原子吸光光度計および黒鉛管 |
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DE19615164A DE19615164C2 (de) | 1995-04-21 | 1996-04-17 | Küvette zur Aufnahme einer Probe bei einem Atomabsorptionsspektrometer |
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