JP3115152B2 - 金属の連続鋳造用浮子式溶湯分配装置 - Google Patents

金属の連続鋳造用浮子式溶湯分配装置

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JP3115152B2
JP3115152B2 JP05113915A JP11391593A JP3115152B2 JP 3115152 B2 JP3115152 B2 JP 3115152B2 JP 05113915 A JP05113915 A JP 05113915A JP 11391593 A JP11391593 A JP 11391593A JP 3115152 B2 JP3115152 B2 JP 3115152B2
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欽也 大原
和雄 横井
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株式会社アリシウム
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の竪型連続鋳造装置
用の浮子式溶湯分配装置に関し、さらに詳しくはアルミ
ニウム及びその合金を上下開放鋳型により鋳造する、所
謂DC鋳造に用いる浮子式溶湯分配装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非鉄金属特にアルミニウム及びその合金
の圧延、押出、鍛造用の鋳塊は大部分が連続鋳造法、特
に竪型連続鋳造法により製造されている。この方法の一
つは所謂DC鋳造と呼ばれるもので、上下開放鋳型内に
その上部の出湯ノズルから溶湯を供給し、鋳型内の溶湯
上に配した浮子式の溶湯分配装置により出湯量を制御し
つつ、鋳型内壁から抜熱することで凝固殻を形成し、さ
らに鋳型下部から冷却剤を噴射しつつ鋳塊を引き出すこ
とで完全に凝固させる鋳造法である。
【0003】この方法の欠点は、鋳型内溶湯の表面や出
湯ノズル等で生成した酸化物が、鋳塊の表面や時として
鋳塊内部に混入することである。このような酸化物の混
入は鋳塊品質を劣化させるばかりてなく、鋳塊に割れを
発生させる起点となる。そしてこのような欠点は、酸化
反応を生じやすいAl−Mg系合金及び鋳造割れが生じ
やすいAl−Cu系やAl−Zn−Mg系合金において
顕著である。さらに非常に酸化反応を生じやすく且つ鋳
造割れも生じやすいAl−Li系合金において最も顕著
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生成
した酸化物が鋳塊の表面や内部に混入することを防止
し、健全且つ高品質の鋳塊を製造するための浮子式溶湯
分配装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】酸化物が鋳塊の表面や内
部に混入することを防止するためには、そもそも溶湯の
酸化反応を防止することにより、酸化物の生成を抑制す
ればよいことは明らかである。しかしながらアルミニウ
ム合金、特にAl−Li合金は極めて反応性が高く、酸
化反応を完全に抑制することは事実上不可能であり、特
に鋳造開始時に初期の溶湯と共に鋳塊内に流入する酸化
物を根絶することは困難である。
【0006】このため残された手段は、生成した酸化物
の鋳塊への混入を阻止することである。本発明者らは酸
化物の比重が溶湯のそれより小さく、従って酸化物が溶
湯表面に浮上することに着目した。即ち鋳型内の溶湯表
面に浮上している酸化物が、鋳塊側面に混入していく前
にせき止めれば、鋳塊品質の劣化や鋳塊の割れは防止さ
れることになる。しかしながら酸化物をせき止めるため
の特別な機構を設けることは、鋳型内の限られた空間に
設置するために小さな装置でなくてはならず、さらに熟
練を必要とする鋳造作業をさらに煩雑且つ困難なものに
しかねない。
【0007】種々の検討の過程で、鋳造作業に先だって
DC鋳型内に設置される浮子式溶湯分配装置に、酸化物
をせき止める機能を付加させることが可能であることを
見いだした。即ち下記のように酸化物せき止め機能は、
浮子式溶湯分配装置の浮子部分に酸化物せき止め用の空
間を設けることだけで達せられるため、構造が極めて単
純で且つ余分な装置の付加もなく、鋳造作業も通常の場
合と何ら変わることなく、さらにこの方法によればDC
鋳造設備自体の改造は全く不要である。
【0008】即ち、本発明の浮子式溶湯分配装置は、上
下開放鋳型内に上端部に設けた出湯ノズルから溶湯を供
給し、該鋳型下端から連続的に鋳塊を引き出す連続鋳造
装置の上記溶湯上面部に浮遊し、上記出湯ノズルを囲む
浮子部と、該浮子部と一体で出湯ノズルの下方に位置し
て溶湯上面の上下動に伴ない出湯ノズルを開閉する出湯
量制御部とからなる浮子式溶湯分配装置において、浮子
部に溶湯上面部内に侵入する空間部を設けたことを特徴
とするものであり、この際空間部の上面が閉じているの
は有効であり、また浮子部の外周縁部を下方に突設する
のも効果がある。
【0009】
【作用】以下図面に沿って説明する。Al合金等の竪型
連続鋳造装置の従来例を図4に示す。図のように溶湯
(11)は出湯ノズル(1)を通って上下開放鋳型(2)
に供給される。冷却剤は図示しない冷却剤供給管を通っ
て鋳型(2)内の冷却剤室(3)に導かれ、さらにスリ
ット(4)を通って鋳塊(5)に噴射され、鋳塊(5)
は下方に引き出される。
【0010】この際、鋳塊(5)の引き出し量と同量の
溶湯が供給される必要があるが、これは下記の浮子式溶
湯分配装置(6)により自動的に制御される。即ち浮子
式溶湯分配装置(6)は、溶湯より低比重で常に溶湯表
面に浮上している浮子部(7)と、出湯ノズル(1)下
端に配される出湯量制御部(8)から形成される。
【0011】そしてもし溶湯供給量が鋳塊引き出し量よ
り多くなると、鋳型内の溶湯面(9)が上昇するが、浮
子部(7)も上昇し従って出湯量制御部(8)も上昇す
るため、出湯ノズル(1)下端を塞ぐようになり、出湯
量が減少する。逆に溶湯供給量が鋳塊引き出し量より少
なくなると、鋳型内の溶湯面(9)が下降するが、浮子
部(7)も下降し従って出湯量制御部(8)も下降する
ため、出湯ノズル(1)下端の流動抵抗が少なくなり、
出湯量が増加する。実際には溶湯面(9)はある位置で
安定し、殆ど上下動することなく出湯量と鋳塊引き出し
量とがバランスする。
【0012】この従来装置の欠点は、出湯ノズル
(1)、溶湯面(9)等で生成した酸化物が、鋳塊の表
面や時として鋳塊内部に混入することである。
【0013】そこで本発明では図1に示すように浮子式
溶湯分配装置(6)の浮子部(7)に酸化物捕捉用空間
(10)を設けたものである。これにより出湯ノズル
(1)下端から流出する溶湯は、その大部分が酸化物捕
捉用空間(10)の下方を通過するが、その際酸化物は酸
化物捕捉用空間(10)内に浮上し、せき止められるため
鋳塊内に混入することはない。また鋳型内の溶湯面
(9)で発生し混入する可能性のある酸化物は、浮子部
(7)外側の鋳型との僅かな隙間のもののみであり、こ
の部分の酸化物は発生しても、薄い酸化膜程度の時点で
順次鋳塊の表面に巻き込まれていくため、品質上全く問
題はない。
【0014】また図2は連続鋳造状態における本発明に
係る装置の他の例の断面図である。本装置は酸化物捕捉
用空間(10)の上部が閉塞されており、従って溶湯が外
気と接する面積が小さいため、酸化防止効果が高い。
【0015】また図3は連続鋳造状態における本発明に
係る装置のさらに他の例の断面図である。本装置は酸化
物捕捉用空間(10)を囲む外周縁部が溶湯内に深く侵入
しており、従って酸化物が多い場合でも酸化物のせき止
め効果が高い。
【0016】
【実施例】図1〜図3に示す本発明の浮子式溶湯分配装
置及び図4に示す従来の浮子式溶湯分配装置を用いて、
表1に示す条件にて、 150mm×350mm のサイズのAA8090
合金を鋳造した。なお表1の寸法の欄におけるA及びB
は図5の溶湯分配装置(6)の平面図に示すように該装
置の平面的な外寸法を示し、a及びbは本発明溶湯分配
装置における酸化物捕捉用空間(10)の平面的な内寸法
を示している。上記AA8090合金はLiをおよそ 2.5%含
み、極めて酸化性が強いため、溶湯表面にArガスを吹
き付け酸化を抑制しつつ鋳造した。そして鋳造後の鋳塊
について表面状態と内部組織とを調べその結果を表2に
示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表2に示したように本発明の装置によれば
健全な鋳塊を製造できたのに対し、比較装置では酸化物
が鋳型と鋳塊の隙間に入り込んで湯漏れが生じ、鋳塊製
造自体が不可能であった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば酸化性の強い溶湯であっ
ても、健全な鋳塊が製造でき、且つ装置構造が極めて単
純で且つ余分な装置の付加もなく、さらに鋳造作業自体
は従来と何ら変わることはない。また本発明によれば従
来のDC鋳造設備自体の改造は全く不要である。なお本
発明は実施例に示した装置に限定されものではなく、同
様な思想のいかなる装置にも適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図3】本発明のさらに他の例を示す説明図である。
【図4】従来例を示す説明図である。
【図5】本発明装置の一例の平面図である。
【符号の説明】
1 出湯ノズル 2 上下開放鋳型 3 冷却剤室 4 スリット 5 鋳塊 6 浮子式溶湯分配装置 7 浮子部 8 出湯量制御部 9 鋳型内溶湯面 10 酸化物捕捉用空間 11 溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−92146(JP,A) 特開 平2−220740(JP,A) 特開 平1−202352(JP,A) 実開 昭63−174951(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/041 B22D 11/10 330 B22D 11/103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下開放鋳型内に上端部に設けた出湯ノ
    ズルから溶湯を供給し、該鋳型下端から連続的に鋳塊を
    引き出す連続鋳造装置の上記溶湯上面部に浮遊し、上記
    出湯ノズルを囲む浮子部と、該浮子部と一体で出湯ノズ
    ルの下方に位置して溶湯上面の上下動に伴ない出湯ノズ
    ルを開閉する出湯量制御部とからなる浮子式溶湯分配装
    置において、浮子部に溶湯上面部内に侵入する空間部を
    設けたことを特徴とする金属の連続鋳造用浮子式溶湯分
    配装置。
  2. 【請求項2】 空間部の上面が閉じている請求項1記載
    の浮子式溶湯分配装置。
  3. 【請求項3】 浮子部の外周縁部を下方に突設してなる
    請求項1又は2記載の浮子式溶湯分配装置。
JP05113915A 1993-04-16 1993-04-16 金属の連続鋳造用浮子式溶湯分配装置 Expired - Lifetime JP3115152B2 (ja)

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