JP3114519B2 - ラダー型フィルタ - Google Patents

ラダー型フィルタ

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JP3114519B2
JP3114519B2 JP06229798A JP22979894A JP3114519B2 JP 3114519 B2 JP3114519 B2 JP 3114519B2 JP 06229798 A JP06229798 A JP 06229798A JP 22979894 A JP22979894 A JP 22979894A JP 3114519 B2 JP3114519 B2 JP 3114519B2
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弘明 開田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも1個の直列
共振子及び少なくとも1個の並列共振子が梯子状に接続
されたラダー型フィルタに関し、特に、直列共振子及び
並列共振子を構成する共振子の構造が改良されたラダー
型フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のラダー型フィルタの構造の一例を
図1に示す。このラダー型フィルタは、角板の拡がり振
動モードを利用した複数の圧電共振子を用いて構成され
ている。すなわち、矩形板状の直列共振子1,2及び同
じく矩形板状の並列共振子3,4を用いて、図2の回路
図で示す4素子2段型のラダー型フィルタが構成されて
いる。
【0003】なお、図1において、2aは直列共振子の
一方主面に形成された電極を示し、直列共振子2の他方
主面側にも、同様の電極が形成されている。また、直列
共振子1の両主面にも、同様の電極が形成されている。
他方、並列共振子3,4には、両主面の全面に電極3
a,4aが形成されている。
【0004】また、5〜11は、金属端子を示し、直列
共振子1,2及び並列共振子3,4を図2に示すように
相互に電気的に接続するために用いられている。この金
属端子5〜11は、直列共振子1,2及び並列共振子
3,4と共に、絶縁性材料よりなるケース材12内に収
納される。また、図示しない蓋材によりケース材12の
上方開口12aが閉成されてラダー型フィルタ部品が構
成される。この場合、金属端子9〜11がケース外に引
き出され、外部との接続端子として利用される。
【0005】ところで、上記ラダー型フィルタを駆動す
る場合、直列共振子1,2及び並列共振子3,4がケー
ス内に収納された状態で所望の態様で振動し得ることが
必要である。すなわち、ケース内に収納された状態で、
各共振子1〜4の振動が妨げられてはならない。そこ
で、端部に位置する金属端子11としてはばね性を有す
る、いわゆるばね端子が用いられている。
【0006】図1のラダー型フィルタでは、ケースに収
納した状態の共振子1〜4の振動を妨げないために、金
属端子11として、ばね端子が用いられていたため、か
なりの不要空間が形成され、そのためラダー型フィルタ
全体の大きさがかなり大きくなりがちであった。例え
ば、図示した4素子内蔵の2段のラダー型フィルタにお
いて、最終的なラダー型フィルタ部品として構成した場
合の寸法は、7.0mm×8.0mm×厚み8.0mm
程度の大きさとなっていた。
【0007】また、近年、他の電子部品と同様に、ラダ
ー型フィルタにおいても面実装型電子部品として構成さ
れたものが求められている。そこで、特開平4−284
01号公報には、全体形状を小型にすることができ、か
つ面実装型電子部品として構成し得るラダー型フィルタ
が提案されている。このラダー型フィルタでは、直列共
振子及び並列共振子が、圧電板の1つの端縁において音
叉状振動部を構成してなる音叉型圧電共振子により構成
されている。そして、直列共振子及び並列共振子を構成
する複数の音叉型圧電共振子が、互いの音叉状振動部の
振動を妨げないための空洞を確保するための空洞形成材
を介して積層されて一体化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した音叉型圧電共
振子を用いたラダー型フィルタでは、組み立て工程の簡
略化、小型化及び面実装化を果たすことができる。しか
しながら、音叉型圧電共振子を用いたものであるため、
充分な帯域幅を確保することができないという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、製造工程の簡略化、小型
化及び面実装化を果たし得るだけでなく、充分な帯域幅
を確保し得るラダー型フィルタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、直列腕を構成
する少なくとも1個の直列共振子と、並列腕を構成する
少なくとも1個の並列共振子とを備え、前記直列共振子
及び並列共振子のうち、少なくとも1個の共振子が、長
辺と短辺とを有する一対の対向し合っている矩形の面を
有し、かつある方向に分極処理された圧電体と、前記圧
電体の外表面において所定距離を隔てて配置されてお
り、かつ前記分極方向に直交する方向に電圧を印加する
ための第1,第2の共振電極とを備え、前記圧電体の前
記矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さをa、圧電体を
構成している材料のポアソン比をσとしたときに、比b
/aが、
【0011】
【数2】
【0012】(但し、nは整数)を満たす値を中心とし
て±10%以内の範囲とされている、すべりモードを利
用した圧電共振子である、ラダー型フィルタである。ま
た、上記すべりモードを利用した圧電共振子では、圧電
体に支持部が連結されていてもよく、この場合、支持部
を、上記すべりモードを利用した圧電共振子の振動のノ
ード部に連結することにより、支持部を介して圧電体を
その振動を妨げることなく支持することができる。
【0013】また、好ましくは、上記支持部は、圧電体
の両側に連結されていてもよく、その場合には、圧電体
を支持部により両側から支持することができるため、よ
り安定な特性のラダー型フィルタを得ることができる。
【0014】また、支持部には、さらに保持部が連結さ
れていてもよく、それによって保持部を利用してすべり
モードを利用した上記圧電共振子を機械的に保持するこ
とができる。この場合、好ましくは、支持部に比べて大
きな外表面を有する保持部を用いることにより、圧電共
振子の保持構造を安定なものとすることができる。
【0015】また、好ましくは、上記圧電体、支持部及
び保持部は板状の部材により構成される。従って、ラダ
ー型フィルタにおいて、上記すべりモードを利用した圧
電共振子として板状の圧電共振子を用い得るため、ラダ
ー型フィルタの低背化を進め得る。
【0016】また、圧電体、支持部及び保持部を板状の
部材で構成する場合には、好ましくは、1枚の圧電板を
機械加工することにより、圧電体、支持部及び保持部を
一体的に構成してもよい。もっとも、圧電体、支持部及
び保持部等は、別部材で用意され、接着剤等により連結
されて一体化されていてもよい。
【0017】また、本発明のラダー型フィルタで用いら
れる上記すべりモードを利用した圧電共振子では、圧電
基板に、第1,第2の溝を形成し、この第1,第2の溝
間の圧電基板部分により上記特定の範囲の比b/aを満
たす圧電体を構成してもよい。
【0018】また、本発明のラダー型フィルタで用いら
れる上記すべりモードを利用した圧電共振子では、さら
に、支持部の外側に動吸振部が構成されていてもよく、
この場合、動吸振部により、より一層効果的に振動エネ
ルギーを閉じ込めることができる。従って、保持部を利
用して機械的に保持したとしたも、特性の影響が生じ難
い。
【0019】動吸振部は、動吸振現象により共振部から
漏洩してきた振動を減衰させる。動吸振現象の詳細は、
例えば谷口修著「振動工学」第113頁〜第116頁
(コロナ社)に記載されている。簡単に言えば、動吸振
現象とは、振動が防止されるべき主振動体に副振動体を
連結し、該副振動体の固有振動数を適当に選ぶことによ
り、主振動体の振動が抑制される現象である。
【0020】請求項8に記載の発明における動吸振部
は、上記動吸振現象における副振動体に相当し、共振部
からの振動を動吸振部に伝える部分が主振動体に相当す
る。
【0021】
【作用及び発明の効果】本発明では、ラダー型フィルタ
を構成している少なくとも1個の共振子が、上記b/a
が式(1)を満たす値を中心として±10%の範囲内と
されているすべりモードを利用した圧電共振子で構成さ
れている。このすべりモードを利用した共振子では、後
述の実施例から明らかなように、その振動エネルギー
が、圧電体内に効率良く閉じ込められる。比b/aを上
記特定の範囲内とすることにより、すべりモードの振動
が圧電体に効果的に閉じ込められることは、本願発明者
により実験的に見いだされたものである。
【0022】また、請求項8に記載の発明では、動吸振
部までの部分に振動エネルギーが効果的に閉じ込められ
る。本発明では、共振部が上記特定の寸法比を有するよ
うに構成されているため、振動の漏洩は非常に少ないの
であるが、僅かに漏洩してきた振動も、上記動吸振部に
より効果的に相殺することができる。従って、すべりモ
ードを利用した圧電共振子の小型化をより一層図ること
ができ、ひいてはラダー型フィルタの小型化を進めるこ
とができる。
【0023】以上のように、本発明のラダー型フィルタ
で用いられているすべりモードを利用した圧電共振子で
は、保持が容易であり、同種の圧電共振子や異なる圧電
共振子と簡単に組み合わせることができる。すなわち、
複数の直列共振子及び/または並列共振子を、横方向に
連結すること、並びに厚み方向に積層することも容易で
ある。
【0024】よって、ラダー型フィルタの製造工程の簡
略化及び小型化を図ることができ、面実装型電子部品と
して構成することも容易である。
【0025】
【実施例の説明】以下、本発明の非限定的な実施例を説
明することにより、本発明を明らかにする。
【0026】まず、本発明において用いられている特徴
的な構成としてのすべりモードを利用した圧電共振子に
つき説明し、しかる後、該圧電共振子を用いた本発明の
実施例にかかるラダー型フィルタを説明することにす
る。
【0027】図3及び図4は、請求項1に記載の発明で
用いられるエネルギー閉じ込め型のすべりモードを利用
した圧電共振子を説明するための側面図及び斜視図であ
る。圧電共振子211は、矩形板状の圧電セラミック板
212を用いて構成されている。圧電セラミック板21
2は、その主面と平行な方向すなわち図示の矢印P方向
に分極軸が揃うように分極処理されている。
【0028】圧電セラミック板212の上面212aに
おいては、一方端面212cから他方端面212d側に
向かって、ただし他方端面212dには至らないように
第1の共振電極213が形成されている。同様に、圧電
セラミック板212の下面212b上では、端面212
d側から端面212c側に向かって、ただし端面212
cには至らないように第2の共振電極214が形成され
ている。
【0029】また、圧電セラミック板212の上面21
2aには、幅方向に延びる第1の溝215が、下面21
2b上にも、幅方向に延びる第2の溝216が形成され
ている。そして、第1の溝215と第2の溝216とで
挟まれた圧電セラミック板部分において、上下の第1,
第2の共振電極213,214が圧電セラミック板21
2を介して重なり合っており、それによって共振部が構
成されている。すなわち、第1,第2の共振電極21
3,214の先端側に、それぞれ、第1,第2の溝21
5,216が形成されて、第1,第2の溝215,21
6間に共振部が構成されている。
【0030】言い換えれば、第1,第2の共振電極は対
向し合っている共振部を挟むように、圧電セラミック板
212の対向2面に、第1の溝215及び第2の溝21
6がそれぞれ形成されており、それによって第1,第2
の溝215,216間の共振部にすべりモードの振動が
閉じ込められる。
【0031】さらに、圧電共振子211では、共振部に
おける圧電セラミック板212の厚みをa、該共振部の
分極方向の長さをb(図3参照)とし、圧電セラミック
板212を構成している圧電材料のポアソン比をσとし
たときに、比b/aが、
【0032】
【数3】
【0033】を中心として±10%の範囲内とされてい
る。言い換えれば、比b/aが、上記特定の範囲内とな
るように、上記溝215,216が形成されており、そ
れによって共振部の寸法が定められている。
【0034】比b/aが上記特定の範囲内となるように
溝215,216を形成することにより、すべりモード
による振動エネルギーが共振部内に効果的に閉じ込めら
れる。この理由を、図5〜図8を参照して説明する。
【0035】いま、図5(a)に側面図で示すように、
矢印P方向すなわち上面及び下面と平行な方向に分極処
理されており、かつ比b/a=1である圧電体21の両
主面に共振電極222,223を形成した構造を想定す
る。この場合、共振電極222,223から交流電圧を
印加することにより、圧電体221は輪かくすべりモー
ドで振動する。その結果、図示の破線Aで示す振動姿態
と、破線Aで示す振動姿態と左右対称である振動姿態と
の間で振動することになる。
【0036】上記振動体221の各部分の位置を、図5
(b)にx−y座標系で示す。この場合、振動に際して
コーナー部分Aはx方向及びy方向の何れにおいて最も
大きな変位を示す。また、圧電体221の中心である点
Oは振動のノード点となる。他方、圧電体221の側面
の中間高さ位置の点O1 ,O2 においても、変位がみら
れる。
【0037】従って、点O1 ,O2 においても変位がみ
られることになるため、上記圧電体221の両側面の外
側に、さらに圧電板を連ねた形状の輪かくすべりモード
の共振子を構成した場合、振動エネルギーの閉じ込め効
率は十分でないことがわかる。これに対して、比b/a
を、
【0038】
【数4】
【0039】としたときには、変位分布は図6に示すと
おりであることがわかった。すなわち、図6に略図的側
面図で示す圧電体231は、破線Bで示す振動姿態と、
該振動姿態と左右対称である振動姿態との間で振動する
ことになる。この場合、短辺側の変位ベクトルはx方向
の成分のみを有する。また、圧電体231の側面231
a,231bでは、上半分の部分と、下半分の部分とで
変位方向が逆転する。
【0040】本発明者は、上記の事実を検討した結果、
上記圧電体231の側面231aにおいて、1/2の高
さ位置の点O1 よりも下方に支持体を連結し、側面23
1b側において、1/2の高さ位置の点O2 よりも上方
に支持体を連結すれば上記x方向における変位の支持体
への漏洩を防止することができるのではないかと考え
た。
【0041】そこで、上記b/aを種々変更し、かつ種
々の圧電材料を用いて圧電体231に支持体を連ねた構
造の変位状態を調べた。その結果、使用する圧電材料の
ポアソン比σと比b/aとの間に図7に示す関係がある
ことが確かめられた。図7の結果から、比b/aを、式
(1)を満たすように圧電体231の厚みa及び振動部
分の長さbを選択することにより、支持体側への変位の
伝達を減少させることができ、言い換えれば、振動体2
31の部分に振動エネルギーを効果的に閉じ込められる
ことがわかった。
【0042】上記のようにして、式(1)を満たすよう
に圧電体の共振部分の寸法を選択することにより圧電振
動体231から支持体への振動の伝達を効果的に防止し
得ることが確かめられた。この結果に基づき、図8に示
すように、ポアソン比σ=0.31の圧電材料を用い、
b/a=1.57とした場合の圧電振動体231に、支
持部232A,233Bを介して圧電振動体231と等
しい幅の厚みを有する支持部234,235を一体的に
構成した共振子の変位分布を有限要素法により調べた。
【0043】図8から明らかなように、この共振子23
6では、圧電振動体231部分におけるすべりモードの
振動エネルギーが支持部232A,233B側にはほと
んど漏洩していないことがわかる。すなわち、上記比b
/aを式(1)を満たすように選択することにより、エ
ネルギー閉じ込め効率の高いすべりモードを利用した共
振子を構成し得ることがわかる。
【0044】次に、あるポアソン比σにおいて、上記式
(1)のnを0.85〜1.1まで変化させ、図8に示
す変位量の最も大きな点Pの変位量に対する変位量の最
も小さな点Qにおける変位量の比、すなわち相対変位
(%)を測定した。結果を図9に示す。
【0045】図9から明らかなように、nの値が0.9
〜1.1の範囲であれば、相対変位は10%以下である
ことがわかる。他方、相対変位が10%以下の場合に
は、共振子を構成する場合に実質的に問題のないことが
わかっている。従って、式(1)を満たす値から±10
%の範囲内であれば、共振部に振動エネルギーを効果的
に閉じ込めることができる。
【0046】上記のように、すべり振動モードを利用し
た圧電共振子においては、共振部における第1,第2の
共振電極間の距離aと分極方向に沿う共振部の長さbと
の関係を式(1)で示す値から±10%の範囲内とする
ことにより、エネルギー閉じ込め効率を効果的に高め得
ることがわかった。
【0047】そこで、図3及び図4に示した圧電共振子
211では、共振部の圧電セラミック板の厚みaと共振
部の分極方向Pに沿う長さ寸法bが上記式(1)で示す
値から±10%の範囲内とするように、上記第1,第2
の溝215,216が形成されており、それによってエ
ネルギー閉じ込め効率が高められている。
【0048】図10は、本発明で用いられる圧電共振子
の他の例を示す側面図であり、第1の例について示した
図3に相当する図である。第2の例の圧電共振子241
では、矢印P方向に分極処理された圧電セラミック板2
42の上面242aにおいて、第1の溝245の外側
に、さらに第3の溝247が形成されており、他方、圧
電セラミック板242の下面242b側においても、第
2の溝246の外側に第4の溝248が形成されてお
り、それによって第1,第2の動吸振部249,250
が構成されている。この動吸振部249,250は、公
知の動吸振現象により、漏洩してきた振動によって共振
し、漏洩してきた振動を打ち消すように作用する。従っ
て、動吸振部249,250の寸法は、このような動吸
振現象による振動の相殺を果たすような大きさに選ばれ
ている。
【0049】第2の例の圧電共振子241では、上記第
3,第4の溝247,248が形成されて動吸振部24
9,250が構成されていることを除いては、第1の例
と同様であるため、その他の部分については相当の参照
番号を付することにより、その説明は省略する。
【0050】第2の例の圧電共振子241では、共振部
における比b/aが式(1)で示す値から±10%の範
囲内とされているため、共振部に振動エネルギーが効果
的に閉じ込められる。しかも、わずかに漏洩した振動
は、上記動吸振部249,250によって動吸振現象に
より相殺される。従って、第3,第4の溝247,24
8よりも外側の保持部251,252において圧電共振
子241を機械的に保持した場合、共振特性の劣化がほ
とんど生じない。よって、第1の例に比べて、より一層
エネルギー閉じ込め効率を高めることかでき、より小型
の圧電共振子を提供することができる。
【0051】図11に示す第3の例に係る圧電共振子2
61は、幅すべりモードを利用した圧電共振子である。
図11を参照して、圧電共振子261は、矩形板状の圧
電セラミック板262を用いて構成されている。圧電セ
ラミック板262は、矢印P方向に分極処理されてい
る。すなわち、圧電セラミック板262の上面262a
と平行な方向に分極処理されている。
【0052】圧電セラミック板262の両端縁に沿うよ
うに、一対の共振電極263,264が形成されてい
る。共振電極263,264の延びる方向は、分極方向
Pと平行であり、共振電極263,264は、圧電セラ
ミック板262の上面262a上において、中央領域に
おいて所定距離を隔てて対向されている。
【0053】また、共振電極263の先端側には、第1
の溝265が、第2の共振電極264の先端側には第2
の溝266が形成されており、それによって第1,第2
の溝265,266で挟まれた共振部における共振電極
263,264間の圧電セラミック板262の寸法を
a、共振部の分極方向Pに沿った方向の長さbとしたと
きに、比b/aを式(1)に示す値から±10%以内の
範囲とすることにより、第1の例と同様に、共振部に振
動エネルギーを効果的に閉じ込めることができる。
【0054】つぎに、上記のようなすべりモードを利用
し、かつ共振部が上記特定の比b/aを満たしている圧
電共振子を用いたラダー型フィルタの実施例を説明す
る。第1の実施例 図12は、第1の実施例に係るラダー型フィルタの分解
斜視図であり、図13は該ラダー型フィルタの外観を示
す斜視図である。
【0055】ラダー型フィルタ20は、図12に示すケ
ース基板21,第1の共振プレート22、分離用スペー
サー23、第2の共振プレート24及びケース基板25
を積層した構造を有する。
【0056】第1の共振プレート22は、すべり振動モ
ードを利用した動吸振部内蔵型圧電共振子26,27
と、幅振動モードを利用した動吸振部内蔵型圧電共振子
28とを接着して一体化し、さらに外側に動吸振部内蔵
型圧電共振子26〜28と厚みの等しいスペーサー板2
9,30を接着剤を用いて接合した構造を有する。スペ
ーサー板29,30は、アルミナなどの絶縁性セラミッ
クスあるいは合成樹脂等の適宜のある程度の強度を有す
る絶縁性材料により構成されており、かつ圧電共振子2
6,27の振動部分の振動を妨げないための切欠29
a,30aを有する。
【0057】動吸振部内蔵型圧電共振子26は、図14
(a)に示すように、矢印Pで示す方向に一様に分極処
理された細長い矩形板状の圧電セラミック板26aを用
いて構成されている。圧電セラミック板26aの一方の
側面には、圧電セラミック板26aの一端から他端側に
向かって第1の共振電極26bが形成されている。この
共振電極26bの先端は、側面を切欠くことにより形成
された第1の溝26cに至る部分で終了されている。ま
た、溝26cと所定距離を隔てて第3の溝26dが形成
されており、それによって溝26c,26d間に第1の
動吸振部26eが構成されている。
【0058】同様に、圧電セラミック板26aの他方側
面においても、圧電セラミック板26aの他方端から前
記一方端に延びるように第2の共振電極26fが形成さ
れている。また、第1の共振電極26bが形成されてい
る側と同様に、第2,第4の溝26g,26hを形成す
ることにより、第2の動吸振部26iが構成されてい
る。
【0059】圧電共振子26では、上記共振電極26b
と共振電極26fとが重なり合っている部分が共振部を
構成している。この共振部における比b/aは、前述し
た式(1)を満たす値に対して±10%以内の範囲とな
るように構成されている。すなわち、圧電共振子26の
共振部は、図3及び図4に示した圧電共振子211の共
振部と同様に構成されている。従って、すべり振動モー
ドが該共振部に効果的に閉じ込められる。なお、共振部
と動吸振部26e,26iとの間の部分が支持部を構成
し、溝26d,26hが形成されている部分よりも外側
端の圧電セラミック板部分が保持部を構成し、該保持部
と動吸振部26e,26iとの間の相対的に幅の狭い圧
電セラミック部分が連結部を構成している。
【0060】動吸振部内蔵型圧電共振子26では、共振
電極26b,26fから交流電圧を印加することによ
り、共振電極26b,26fが重なり合う領域が、すべ
り振動モードで共振し、圧電共振子として動作する。
【0061】また、上記共振電極26b,26fが重な
り合う領域で発生した振動は、動吸振部26e,26i
までの部分に閉じ込められる。すなわち、すべり振動モ
ードの共振が、共振電極26b,26fが重なり合う部
分、すなわち共振部から外側に漏洩したとしても、該漏
洩した振動により動吸振部26e,26iが共振し、動
吸振現象により減衰される。従って、動吸振部26e,
26iよりも外側の圧電セラミック板部分には振動もほ
とんど伝達されない。よって、動吸振部内蔵型圧電共振
子26では、動吸振部26e,26iよりも外側の圧電
セラミック板部分を他の部材に連結することにより、共
振部の共振を妨げることなく圧電共振子26を機械的に
保持することが可能とされている。
【0062】図12に戻り、第1の共振プレート22に
用いられている動吸振部内蔵型圧電共振子28を、図1
4(b)を参照して説明する。動吸振部内蔵型圧電共振
子28は、図14(b)に示す平面形状を有する圧電セ
ラミック板28aを用いて構成されている。この圧電セ
ラミック板28aでは、圧電セラミック板は中央に平面
形状が矩形の共振部28bが構成されている。共振部2
8bでは、図示の矢印P方向に分極処理されており、か
つ両主面に共振電極28cが形成されている(下面側の
共振電極については図示されず)。共振部28bの両主
面の共振電極28cから交流電圧を印加することによ
り、共振部28bは幅振動モードで共振される。
【0063】他方、共振部28bの互いに対向している
側面中央には、細長い棒状の支持部28d,28eが連
結されており、支持部28d,28eの外側端にそれぞ
れ、動吸振部28f,28gが構成されている。動吸振
部28f,28gは、屈曲モードで振動するように構成
されており、共振部28bから伝達してきた振動によっ
て共振するように構成されている。従って、共振部28
bにおける共振は、動吸振部28f,28gまでの部分
に閉じ込められる。
【0064】また、動吸振部28f,28gの外側に
は、連結部28h,28iが連結されており、該連結部
28h,28iの外側端に保持部28j,28kが連結
されている。保持部28j,28kは、圧電共振子28
を他の部材と連結したり、機械的に保持するための部分
として設けられており、図示のように比較的大きな面積
を有する。
【0065】なお、図14(a)及び(b)に示した動
吸振部内蔵型圧電共振子26,28は、上記のように1
枚の圧電セラミック板を機械加工することにより形成さ
れてもよいが、各部分が別体で構成されており、相互に
接着剤等により連結されていてもよい。例えば、図14
(b)に示した圧電セラミック板28aに変えて、共振
部を構成する矩形の圧電セラミック板の側方に、上記支
持部28d,28e、動吸振部28f,28g、連結部
28h,28i及び保持部28j,28kを構成する各
部材を接着剤等により接着して一体化してもよい。後述
の第2の実施例以下の実施例で用いられる動吸振部内蔵
型圧電共振子においても、各圧電共振子を構成するため
の圧電セラミック板等は、本実施例と同様に、圧電セラ
ミック板を機械加工により形成したものであっても、あ
るいは複数の部材を連結して構成されていてもよいこと
を指摘しておく。
【0066】また、共振電極28cは、接続導電部28
lを介して保持部28kの上面に形成された電極28m
に電気的に接続されている。同様に、共振部28bの下
面に形成された共振電極についても、接続導電部を介し
て保持部28jの下面に形成された電極に電気的に接続
されている。
【0067】図12に戻り、上記動吸振部内蔵型圧電共
振子26と同一の構造を有する動吸振部内蔵型圧電共振
子27と、上記動吸振部内蔵型圧電共振子26,28が
互いの保持部の側面を絶縁性接着剤で接着することによ
り一体化されており、かつ前述したスペーサ板29,3
0をさらに側方に接合することにより、第1の共振プレ
ート22が構成されている。
【0068】共振プレート22においては、上面側に、
圧電共振子26〜28を後述のようにラダー型フィルタ
を構成するように電気的に接続するための電極22a〜
22dが形成されている。電極22aは、前述した圧電
共振子26の共振電極26f(図14(a)参照)に電
気的に接続されている。同様に、電極22cは、共振電
極26bに、電極22b,22dは、それぞれ、圧電共
振子27の側面に形成された一方の共振電極に電気的に
接続されている。また、圧電共振子28では、一方の共
振電極28cに接続されている電極28mが図示のよう
に共振プレート22の端縁に至るように形成されてお
り、同じく下面側の共振電極に電気的に接続される電極
も共振プレート22の下面において反対側の端縁に至る
ように形成されている。
【0069】第2の共振プレート24では、圧電共振子
26と同一構造を有するすべり振動モードを利用した動
吸振部内蔵型圧電共振子31の両側に、動吸振部内蔵型
圧電共振子28と同様に構成された幅振動モードを利用
した動吸振部内蔵型圧電共振子32,33が接着されて
いる。また、これらの圧電共振子31〜33と厚みの等
しい絶縁性セラミックスもしくは合成樹脂等の適宜のあ
る程度の強度を有する絶縁性材料により構成されたスペ
ーサ34,35が、圧電共振子32,33の側方に接着
されている。スペーサ34,35は、図示のように、圧
電共振子32,33側の端縁に略コの字状の切欠34
a,35aを有する。切欠34a,35aは、圧電共振
子32,33の共振部及び動共振部の振動を妨げないた
めの空間を確保するために設けられている。なお、圧電
共振子31及び圧電共振子32,33の構造自体は、前
述した圧電共振子26及び圧電共振子28と同様である
ため、その詳細な説明は省略する。
【0070】第2の共振プレート24においては、上面
に、電極24a,24bが異なる端縁に至るように形成
されている。電極24a,24bは、それぞれ、圧電共
振子31の両側面に形成された共振電極の一方に電気的
に接続されている。また、圧電共振子32,33では、
上面に形成された共振電極32a,33aに電気的に接
続された保持部上の電極32c,33dが共振プレート
24の異なる端縁に至るように形成されている。また、
これらの圧電共振子32,33の共振部の下面に形成さ
れた共振電極については、下面において反対側の端縁に
至る電極に電気的に接続されている。
【0071】ケース基板21,25は、それぞれ、下面
及び上面に凹部21a,25aを有する。凹部21a,
25aは、積層された際に隣接する圧電共振子の共振部
や動吸振部の振動を妨げないように設けられている。ま
た、分離用スペーサ23においても、上面に凹部23a
が形成されており、図12では明確ではないが、下面側
にも凹部23aと同じ形状の凹部が形成されている。こ
れらの凹部は、上下に配置される圧電共振子の共振部及
び動吸振部の振動を妨げないために設けられている。
【0072】もっとも、上述した凹部21a,23a,
25aを設けずに、平板状のケース基板21、分離用ス
ペーサ23及びケース基板25を用いてもよい。その場
合には、共振部及び動吸振部の振動を妨げないために、
凹部21a,23a,25aの深さに相当する厚みの矩
形枠状のスペーサを間に介在させたり、あるいは絶縁性
接着剤を矩形枠状に塗布することにより、同様の空間を
形成する必要がある。
【0073】ケース基板21,25及び分離用スペーサ
23は、ある程度の強度を有する絶縁性材料、例えばア
ルミナなどの絶縁性セラミックスもくしは合成樹脂等に
より構成することができる。
【0074】本実施例では、上述したケース基板21、
第1の共振プレート22,分離用スペーサ23、第2の
共振プレート24及びケース基板25を積層し、絶縁性
接着剤で接着することにより、積層構造を有するラダー
型フィルタとして一体化される。これを、図13を参照
して説明する。
【0075】図13から明らかなように、本実施例のラ
ダー型フィルタ20では、矩形板状の複数の部材を積層
した構造を有し、側面から上面及び下面に至るように端
子電極20a〜20lが形成されている。端子電極20
a〜20lは、導電ペーストを塗布し、焼き付けること
により、あるいは蒸着、メッキもしくはスパッタリング
等により形成することができる。また、図12に示され
ているように、ケース基板21の上面に、予め電極21
bを複数形成しておき、さらにケース基板25の下面に
も同様に複数の端子電極部分を形成しておき、しかる
後、図13に示されているように積層体の側面に電極材
料を付与することにより、側面から上面及び下面に至る
端子電極20a〜20lを形成してもよい。
【0076】上記のようにして得られたラダー型フィル
タでは、図15に示すように、端子電極20a〜20l
を結線し、端子電極20aを入力端とし、端子電極20
k,20jを出力端とし、端子電極20l,20f,2
0bを接地電位に接続することにより、図16に回路図
で示すラダー型フィルタとして動作させることができ
る。
【0077】本実施例のラダー型フィルタ20では、す
べり振動モードや幅振動モードを用いた動吸振部内蔵型
圧電共振子26〜28,31〜33を用いて直列共振子
及び並列共振子が構成されている。従って、音叉型圧電
共振子を用いたラダー型フィルタに比べて、通過帯域幅
を容易に拡げることができる。
【0078】しかも、各動吸振部内蔵型共振子では、動
吸振部までの部分において振動エネルギーが閉じ込めら
れるため、各動吸振部内蔵型共振子をその保持部を利用
して上述のように簡単に連結し、一体化することができ
る。
【0079】第2の実施例 図17は、第2の実施例に係るラダー型フィルタに用い
られるT型接続用のフィルタの分解斜視図であり、図1
8は該T型フィルタの外観を示す斜視図である。
【0080】T型フィルタ70は、ケース基板71と、
共振プレート72と、ケース基板73とを積層すること
により構成されている。ケース基板71,73は、第1
の実施例のケース基板21,25と同様に構成されてい
る。すなわち、ケース基板73の上面には凹部73aが
形成されており、特に図示はされていないが、ケース基
板71の下面にも同様の凹部が形成されている。
【0081】他方、共振プレート72は、第1の実施例
で用いられた共振プレート22とほぼ同様に構成されて
いる。すなわち、中央に幅モードを利用した動吸振部内
蔵型圧電共振子28を配置し、その側方にすべりモード
を利用した動吸振部内蔵型圧電共振子26,27を接着
し、さらに外側にスペーサ29,30を接着した構造を
有する。もっとも、本実施例では、圧電共振子28の上
面においては、共振電極28cに接続される電極28m
が引き出された端縁側に、圧電共振子26,27の各一
方の共振電極に接続される電極72a,72bも引き出
されている。
【0082】また、図17において右側に破線で示すよ
うに、下面側においても、共振電極28nに電気的に接
続される電極28oが圧電共振子26,27の他方の共
振電極に電気的に接続される電極72c,72dと同一
端縁側に引き出されている。
【0083】図18から明らかなように、上記各部材を
積層して得られたラダー型フィルタ70では、上記電極
28m,72a〜72dが形成されている位置に応じ
て、端子電極70a〜70fが形成されている。従っ
て、端子電極70cを入力端、端子電極70bを接地電
位に接続されるようにし、端子電極70aを出力端と
し、端子電極70d〜70fを共通接続することによ
り、図19に示すT型のフィルタが構成される。
【0084】上記フィルタ70は、図20及び図21を
参照して示すπ型フィルタと接続されて、3段のラダー
型フィルタを構成する。このπ型フィルタを、図20及
び図21を参照して説明する。
【0085】π型フィルタ80は、ケース基板81、共
振プレート82及びケース基板83を積層した構造を有
する。ケース基板81,83は、図17に示したケース
基板71,73と同様に構成されている。すなわち、ケ
ース基板81の下面に凹部が、ケース基板83の上面に
凹部83aが形成されている。
【0086】他方、共振プレート82は、第1の実施例
の共振プレート24とほぼ同様に構成されている。異な
るところは、幅モードを利用した動吸振部内蔵型圧電共
振子32,33の上面の共振電極32a,33aが何れ
も、共振プレート82の一方端縁側に引き出されてお
り、図20に破線で右側に示すように、下面の共振電極
についても、何れもが共振プレート82の他方の端縁側
に引き出されていることにある。その他の点について
は、図12の共振プレート24と同様であるため、相当
の部分については相当の参照番号を付することによりそ
の説明は省略する。
【0087】図21に示すように、このπ型フィルタ8
0において、側面に端子電極80a〜80fを形成し、
端子電極80a,80bを共通接続し、出力端とし、端
子電極80c,80dを接地電位に接続し、端子電極8
0g,80fを共通接続して入力端とすることにより、
図22に示すπ型フィルタが構成される。
【0088】従って、上記T型フィルタ70の出力端と
π型フィルタ80の入力端とを接続することにより、3
段のラダー型フィルタが構成される。言い換えれば、T
型フィルタ70とπ型フィルタ80とを接続することに
より、第1の実施例のラダー型フィルタと同じ段数のラ
ダー型フィルタを構成することができる。
【0089】第3の実施例 図23は、第3の実施例に係る1段のラダー型フィルタ
を示す分解斜視図、図24はその外観を示す斜視図であ
る。
【0090】本実施例のラダー型フィルタ110では、
ケース基板111、共振プレート112、空洞形成用ス
ペーサ113、共振プレート114及びケース基板11
5が積層されている。
【0091】ケース基板115の上面には凹部115a
が、ケース基板111の下面にも同じような凹部が形成
されており、それによって積層される共振プレートの振
動部分の振動を妨げないための空間が確保されている。
また、空洞形成用スペーサ113を間に介在させること
により、共振プレート112,114の振動部分の振動
を妨げないための空間が構成される。
【0092】上記ケース基板111,115及び空洞形
成用スペーサ113の詳細は、第1の実施例に用いたケ
ース基板及び空洞形成用スペーサと同様にして構成され
るので、その詳細な説明は省略する。
【0093】共振プレート112は、図14(a)に示
した動吸振部内蔵型圧電共振子26の両側にスペーサ1
16,117を貼り合わせた構造を有する。スペーサ1
16,117は、圧電共振子26側の側面に切欠116
a,117aを有し、それによって圧電共振子26の振
動部分の振動が妨げないようにされている。
【0094】他方、共振プレート114は、共振電極の
引き出されている部分の電極の形成位置が若干異なるこ
とを除いては、図14(b)に示した圧電共振子28と
同一の圧電共振子28の側方にスペーサ118,119
を貼り合わせることにより構成されている。スペーサ1
18,119は、スペーサ116,117と同様に、圧
電共振子28側に切欠118a,119aを有する。
【0095】なお、図23では、必ずしも明確ではない
が、圧電共振子28では、共振部28bの下面にも共振
電極が形成されており、該共振電極に電気的に接続され
た電極が共振プレート114の端縁114a側に至るよ
うに形成されている。
【0096】本実施例のラダー型フィルタ110では、
上記各部材を積層し、図24に示すように端子電極11
0a,110b,110cを側面に形成することにより
完成される。すなわち、端子電極110aを接地電位に
接続し、端子電極110bを入力端、端子電極110c
を出力端とすることにより、図25に示すように1段の
ラダー型フィルタを構成することができる。また、上記
共振プレート112,114をそれぞれ2枚以上積層す
ることにより、2段以上のラダー型フィルタも容易に構
成することができる。
【0097】第4の実施例 第4の実施例のラダー型フィルタ120を、図26及び
図27を参照して説明する。
【0098】第4の実施例では、すべりモードを利用し
た動吸振部内蔵型圧電共振子26と、幅モードを利用し
た動吸振部内蔵型圧電共振子28とが異なる共振プレー
ト112,114に構成されていたが、本実施例では、
両圧電共振子26,28が1枚の共振プレート121と
して一体化されている。すなわち、圧電共振子26,2
8がスペーサ122を介して接着されており、かつ圧電
共振子28の側方にスペーサ123が、圧電共振子26
の外側にはスペーサ124が接合されて、共振プレート
121が構成されている。他方、共振プレート121
を、上下からケース基板125,126で挟持し積層す
ることにより、図27に示す積層体が得られる。
【0099】この積層体の対向端面に端子電極120a
〜120dを形成することにより、1段のラダー型フィ
ルタが構成される。すなわち、端子電極120aを接地
電位に接続し、端子電極120bを入力端とし、端子電
極120c,120dを共通接続し出力端とすることに
より、図28に示すように1段のラダー型フィルタが構
成される。また、上記共振プレート121を複数枚、間
に空洞形成用スペーサを介して積層することにより、2
段以上のラダー型フィルタも容易に構成し得る。
【0100】第5の実施例 図29は、第5の実施例に係るラダー型フィルタを説明
するための分解斜視図であり、図30は該ラダー型フィ
ルタの外観を示す斜視図である。
【0101】本実施例のラダー型フィルタ160は、第
1,第2の共振プレートの構造が異なることを除いて
は、第7の実施例と同様に構成されている。図29を参
照して、第1の共振プレート161は、すべりモードを
利用した動吸振部内蔵型圧電共振子162と、幅モード
を利用した動吸振部内蔵型圧電共振子163とをその保
持部同士を接着することにより一体化されている。圧電
共振子162,163の外側には、スペーサ164,1
65が貼り合わされている。
【0102】圧電共振子162は、第1の実施例で用い
たすべりモードを利用した圧電共振子26(図14
(a)参照)と同様に構成されている。この圧電共振子
162の一方側面に形成された共振電極は、共振プレー
ト161の一方端縁に沿うように形成された電極161
aに電気的に接続されている。他方、他方側面に形成さ
れた共振電極は、共振プレート161の他方端縁に沿う
ように形成された電極161bに電気的に接続されてい
る。
【0103】また、幅モードを利用した動吸振部内蔵型
圧電共振子163は、第1の実施例で用いた圧電共振子
28と同様に構成されている。この圧電共振子163の
上面の共振電極163aは、電極161cに電気的に接
続されている。電極161cは、電極161bと同じ端
縁に沿うように形成されている。
【0104】他方、図29の右側に破線で示すように、
共振プレート161の下面側においては、圧電共振子1
63の下面に形成された共振電極163bが、共振プレ
ート161の一方端縁に沿うように形成された電極16
1dに電気的に接続されている。
【0105】第2の共振プレート166は、上記第1の
共振プレート161を反転させた構造に相当する。すな
わち、すべりモードを利用した動吸振部内蔵型圧電型共
振子167、幅モードを利用した動吸振部内蔵型圧電共
振子168を保持部同士を接着させて一体化し、外側に
スペーサ169a,169bを貼り合わせた構造を有す
る。
【0106】第1の共振プレート161を反転させたも
のに相当するため、両主面に形成される電極形状は、第
1の共振プレート161と上下が逆とされている。上記
各部材を積層し、得られた積層体に、端子電極160a
〜160fを形成することにより、図30に示すラダー
型フィルタ160が得られる。本実施例においても、第
7の実施例と同様に、端子電極160a,160dを出
力端とし、端子電極160cを入力端とし、端子電極1
60bを接地電位に接続し、端子電極160e,160
fを共通接続することにより、2段のラダー型フィルタ
として動作させることができる。
【0107】第6の実施例 前述してきた第1〜第5の実施例では、複数の圧電共振
子をその主面が水平方向となるように複数の部材を積層
して積層型のラダー型フィルタが構成されていた。しか
しながら、本発明のラダー型フィルタは、圧電共振子の
主面が水平方向を向くように複数積層した構造を有する
ものに限らない。第6の実施例はこのように複数の圧電
共振子を主面が垂直方向を向くように積層した構造の例
である。
【0108】図31を参照して、ラダー型フィルタ17
0では、厚みすべりモードの動吸振部内蔵型圧電共振子
171,172が、図示のように交互にスペーサ173
を介して横方向に積層される。圧電共振子171は、第
1の実施例で用いた圧電共振子26と同様に構成されて
いる。また、圧電共振子172は、共振電極間の対向面
積が大きくされていることを除いては、圧電共振子17
1と同様に構成されている。なお、圧電共振子171の
外側及び圧電共振子172の外側には、それぞれ、略コ
の字状のスペーサ174,175が貼り合わされる。
【0109】なお、上記複数のスペーサ173〜175
は、各圧電共振子の保持部に接着される。従って、スペ
ーサ173〜175を用いて複数の圧電共振子171,
172を接着し一体化した構造において、各圧電共振子
171,172の振動部分の振動が妨げられることはな
い。
【0110】本実施例では、上述した圧電共振子17
1,172をスペーサ173〜175とともに接着し一
体化した構造体の上面及び下面にケース基板176,1
77が積層される。
【0111】このようにして得られたラダー型フィルタ
170の外観を図32に示す。外部との接続は、得られ
た積層体の端面に形成された端子電極170a〜170
dを利用して行われる。すなわち、端子電極170aを
入力端とし、端子電極170c,170dを共通接続し
て出力端とし、端子電極170bを接地電位に接続する
ことにより、1段のラダー型フィルタが構成される。
【0112】なお、第1〜第6の実施例では、図14
(a)に示した圧電共振子26に代表されるように、動
吸振部を有する構造のものを用いたが、これらに代え
て、例えば図3に示したように動吸振部を有しない圧電
共振子211を用いてもよい。
【0113】図34は、本発明で用いられるすべりモー
ドを利用した圧電共振子のさらに他の例を示す平面図で
ある。圧電共振子381では、溝383〜386を一方
側面側に形成し、他方側面側に溝387〜390を形成
することにより、動吸振部391〜394が形成されて
いる。また、溝384,385間の圧電基板部分が、本
発明における圧電振動部395を構成している。また、
溝383,386の外側に、それぞれ、保持部396,
397が形成されている。なお、本発明の支持部は、溝
384,388間で挟まれている圧電基板部分及び溝3
85,389間で挟まれている圧電基板部分である。ま
た、上記溝383,387間の圧電基板部分及び溝38
6,390間の細い圧電基板部分が連結部を構成してい
る。
【0114】圧電振動部395は、図示の矢印P方向す
なわち圧電基板382の長さ方向に沿うように分極処理
されている。他方、共振電極398,399は、分極方
向Pと平行に圧電基板382の上面に形成されている。
また、上記圧電振動部395の上面が矩形形状を有し、
該上面の短辺の長さをa、長辺の長さをbとしたとき
に、比b/aが、前述した式(1)を満たす値を中心と
して±10%の範囲内とされている。
【0115】従って、共振電極398,399から交流
電圧を印加することにより、圧電振動部395がすべり
モードで共振し、該圧電振動部395に共振エネルギー
が効果的に閉じ込められる。さらに、動吸振部391〜
394が、漏洩してきたわずかな振動を動吸振現象によ
り抑制する。従って、圧電共振子381では、動吸振部
391〜394が設けられている部分までに振動エネル
ギーが確実に閉じ込められる。なお、保持部396,3
97上には、引き出し電極400,401が形成されて
いる。
【0116】図35は、図34に示した圧電共振子38
1の変形例である。圧電共振子381と異なるところ
は、圧電共振子411では、圧電振動部395が、図示
の矢印P方向すなわち圧電基板382の幅方向と平行に
分極処理されていることにあり、かつ共振電極398,
399が幅方向に延びるように形成されていることにあ
る。
【0117】図36は、図34に示した圧電共振子38
1のさらに他の変形例を示す斜視図である。圧電共振子
421では、圧電振動部395が、図示の矢印P方向す
なわち圧電基板382の長さ方向と平行に分極処理され
ている。圧電共振子381と異なるところは、電極の形
成位置である。
【0118】すなわち、圧電共振子421では、共振電
極398,399が、圧電振動部395において、圧電
基板382の両側面に形成されている。また、圧電共振
子421では、引き出し電極400,401が、それぞ
れ、保持部396,397において、圧電基板382の
側面に形成されている。また、引き出し電極400,4
01と、共振電極398,399と電気的に接続する接
続導電部もまた、圧電基板382の側面に沿って形成さ
れている。
【0119】圧電共振子421から明らかなように、本
発明で用いられるすべりモードを利用した圧電共振子に
おける共振電極は、圧電振動部を構成している圧電板の
上面や下面だけでなく、側面に形成されていてもよい。
さらに、例えば、図34に示した圧電共振子381にお
いて、一方の共振電極399が圧電基板382の下面に
形成されていてもよく、あるいは、圧電共振子421に
おいて、一方の共振電極398または399が、圧電基
板382の一方主面側に形成されていてもよい。
【0120】さらに、上記圧電共振子においては、圧電
振動部、支持部、及び保持部、さらに必要に応じて設け
られる動吸振部は、単一の圧電基板を機械加工すること
により構成されていてもよく、あるいは、これらが、別
部材で構成されていてもよい。
【0121】例えば、図37に示すように、圧電振動部
を構成するための矩形の圧電板431に対し、同じ厚み
の絶縁板432,433を接合することにより、基板4
34を形成してもよい。この基板434を用いて、上記
第2のタイプの圧電共振子を構成することができる。な
お、図37に示した基板434では、絶縁板432,4
33に、動吸振部435,436及び保持部437,4
38が一体に形成されていたが、これらの各部分につい
ても、別部材で構成されていてもよい。
【0122】さらに、図38に示すように、動吸振部4
35,436の外側に、同じ幅の基板部分439,44
0を形成してもよい。この場合には、基板部分439,
440が、連結部及び保持部を兼ねることになる。
【0123】上述してきた実施例では、本発明で用いら
れるすべりモードを利用した特徴的な圧電共振子とし
て、圧電体に支持部及び保持部が連結された構造のもの
につき説明したが、本発明で用いられる上記圧電共振子
においては、支持部及び保持部などは必須のものではな
い。このような例を、図39を参照して説明する。
【0124】図39に示す圧電共振子531では、矩形
の上面532a及び矩形の下面532bを有する圧電セ
ラミック板532が用いられる。上面532a及び下面
532bでは、長辺の長さをb、短辺の長さをa、圧電
セラミック板532の材料のポアソン比をσとしたとき
に、比b/aが上述した式(1)を満たす値を中心とし
て±10%の範囲内とされている。
【0125】上面532aの中央には、第1の共振電極
533が、下面532bの中央にも、第2の共振電極5
34が形成されている。第1,第2の共振電極533,
534は、圧電セラミック板532を介して対向されて
いる。
【0126】圧電セラミック板532は、上面532a
と平行な方向に分極処理されている。従って、第1,第
2の共振電極533,534から交流電圧を印加するこ
とにより、圧電共振子531はすべりモードで励振され
る。しかも、比b/aが上記のように選択されているた
め、すべりモードの振動が圧電共振子531内に効果的
に閉じ込められる。
【0127】なお、図39において、圧電セラミック板
532の上面及び下面おいては、一方端縁に沿うように
端子電極535,536が形成されている。端子電極5
35,536は、それぞれ、第1,第2の共振電極53
3,534に電気的に接続されている。端子電極53
5,536は、外部と電気的に接続するために用いられ
る。
【0128】また、圧電セラミック板132の短辺側中
央には、切欠537,538が形成されている。この切
欠537,538は、共振周波数を調整するために設け
られている。すなわち、圧電共振子531を作製したあ
とにおいて、第1,第2の共振電極533,534から
交流電圧を印加して共振周波数を測定し、その状態で、
切欠537,538を適宜の大きさに形成することによ
り、共振周波数をリアルタイムでかつ容易に調整するこ
とができる。よって、所望通りの共振特性を有する圧電
共振子531を容易に提供することができる。
【0129】なお、圧電共振子531では、端子電極5
35,536が設けられていたが、必ずしも端子電極5
35,536は外部の接続に用いられる必要はない。言
い換えれば、端子電極535,536は形成されずとも
よい。これは、中央の第1,第2の共振電極533,5
34にばね端子を接触させることにより、圧電共振子5
31と外部との電気的接続を果たし得るからである。
【0130】なお前述してきた本発明のラダー型フィル
タに用いられる上記すべりモードを利用した圧電共振子
は、上記実施例では、圧電セラミック板などの圧電板の
外表面に共振電極を形成することにより構成されていた
が、圧電板に代えて、金属板や半導体板の外表面に圧電
薄膜を形成したものを用いてもよい。
【0131】さらに、上述してきた実施例では、支持部
及び保持部等を圧電体に連結した構造では、支持部及び
保持部は圧電体の両側に連結されていたが、支持部及び
保持部等は圧電体の片側においてのみ連結されていても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラダー型フィルタを説明するための分解
斜視図。
【図2】従来のラダー型フィルタの回路構成を示す図。
【図3】本発明で用いられるすべり振動モードを利用し
た圧電共振子を示す側面図。
【図4】図3に示した圧電共振子の斜視図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、b/a=1の
場合のすべりモードを説明するための略図的側面図及び
振動体の位置を示す模式図。
【図6】b/a=0.3σ+1.48の場合の圧電振動
体の変位分布を示す模式的側面図。
【図7】b/aとポアソン比σとの関係を示す図。
【図8】圧電振動体の外側に第1,第2の溝を介して保
持部を設けた圧電共振子の変位分布を示す図。
【図9】比b/aと相対変位量との関係を示す図。
【図10】本発明で用いられる圧電共振子の他の例を示
す側面図。
【図11】本発明で用いられる圧電共振子のさらに他の
例を示す斜視図。
【図12】第1の実施例のラダー型フィルタの分解斜視
図。
【図13】第1の実施例のラダー型フィルタの外観を示
す斜視図。
【図14】(a)及び(b)は、第1の実施例に用いら
れる動吸振部内蔵型圧電共振子を説明するための各斜視
図。
【図15】第1の実施例において端子電極の結線状態を
説明するための模式的平面図。
【図16】第1の実施例のラダー型フィルタの回路構成
を示す図。
【図17】第2の実施例のラダー型フィルタを構成する
のに用いられるT型フィルタの分解斜視図。
【図18】T型フィルタを示す斜視図。
【図19】T型フィルタの回路構成を示す図。
【図20】第2の実施例において用いられるπ型フィル
タの説明するための分解斜視図。
【図21】図20に示したπ型フィルタの外観を示す斜
視図。
【図22】π型フィルタの回路構成を示す図。
【図23】第3の実施例のラダー型フィルタを示す分解
斜視図。
【図24】第3の実施例のラダー型フィルタの斜視図。
【図25】第3の実施例のラダー型フィルタの回路構成
を示す図。
【図26】第4の実施例に係るラダー型フィルタを説明
するための分解斜視図。
【図27】第4の実施例のラダー型フィルタを示す斜視
図。
【図28】第4の実施例のラダー型フィルタの回路構成
を示す図。
【図29】第5の実施例に係るラダー型フィルタを説明
するための分解斜視図。
【図30】第5の実施例のラダー型フィルタの外観を示
す斜視図。
【図31】第6の実施例のラダー型フィルタを説明する
ための分解斜視図。
【図32】第6の実施例に用いられる動吸振部内蔵型圧
電共振子を示す斜視図。
【図33】第6の実施例のラダー型フィルタの回路構成
を示す図。
【図34】本発明で用いられるすべりモードを利用した
圧電共振子の他の例を示す平面図。
【図35】すべりモードを利用した圧電共振子のさらに
他の例を示す平面図。
【図36】すべりモードを利用した圧電共振子のさらに
他の例を示す斜視図。
【図37】圧電基板の変形例を示す斜視図。
【図38】圧電基板のさらに他の変形例を説明するため
の斜視図。
【図39】本発明で用いられるすべりモードを利用した
圧電共振子の他の例を示す斜視図。
【符号の説明】
20…ラダー型フィルタ 22,23…共振プレート 26,27,31…すべりモードを利用した圧電共振子 28,32,33…幅モードを利用した動吸振部内蔵型
圧電共振子 28a…圧電セラミック板 26b,26f…第1,第2の共振電極 26c,26g…第1,第2の溝 26d,26h…第3,第4の溝 26e,26i…動吸振部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−282911(JP,A) 特開 昭55−85120(JP,A) 特開 平3−108809(JP,A) 特開 平5−145369(JP,A) 実開 平2−100335(JP,U) 実開 昭60−174325(JP,U) 実開 昭60−172425(JP,U) 実開 昭59−108330(JP,U) 実開 昭53−25245(JP,U) 特公 昭53−14436(JP,B2) 実公 昭59−12811(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/00 - 9/215 H03H 9/54 - 9/60 H03H 3/00 - 3/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列腕を構成する少なくとも1個の直列
    共振子と、並列腕を構成する少なくとも1個の並列共振
    子とを備え、前記直列共振子及び並列共振子のうち、少
    なくとも1個の共振子が、長辺と短辺とを有する一対の
    対向し合っている矩形の面を有し、かつある方向に分極
    処理された圧電体と、 前記圧電体の外表面において所定距離を隔てて配置され
    ており、かつ前記分極方向に直交する方向に電圧を印加
    するための第1,第2の共振電極とを備え、 前記圧電体の前記矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さ
    をa、圧電体を構成している材料のポアソン比をσとし
    たときに、比b/aが、 【数1】 (但し、nは整数)を満たす値を中心として±10%以
    内の範囲とされている、すべりモードを利用した圧電共
    振子である、ラダー型フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記圧電体に連結された支持部をさらに
    備える、請求項1に記載のラダー型フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記支持部が、前記圧電体の両側に連結
    されている、請求項2に記載のラダー型フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記各支持部に連結された保持部をさら
    に備える、請求項2または3に記載のラダー型フィル
    タ。
  5. 【請求項5】 前記圧電体、支持部及び保持部が板状の
    部材よりなる、請求項4に記載のラダー型フィルタ
  6. 【請求項6】 前記圧電体、支持部及び保持部が、一枚
    の圧電基板を機械加工することにより一体的に構成され
    ている、請求項5に記載のラダー型フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記圧電基板に、第1,第2の溝が形成
    されており、該第1,第2の溝間の圧電基板部分が、前
    記圧電体を構成している、請求項6に記載のラダー型フ
    ィルタ。
  8. 【請求項8】 前記支持部の外側端に連結された動吸振
    部と、動吸振部の外側に連結された連結部とをさらに備
    え、該連結部が、前記保持部に連結されている、請求項
    4に記載のラダー型フィルタ。
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