JP3113773B2 - 空気弁 - Google Patents

空気弁

Info

Publication number
JP3113773B2
JP3113773B2 JP06087199A JP8719994A JP3113773B2 JP 3113773 B2 JP3113773 B2 JP 3113773B2 JP 06087199 A JP06087199 A JP 06087199A JP 8719994 A JP8719994 A JP 8719994A JP 3113773 B2 JP3113773 B2 JP 3113773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
air
small
hole
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06087199A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07280118A (ja
Inventor
幸雄 上條
啓司 重野
Original Assignee
株式会社日邦バルブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日邦バルブ filed Critical 株式会社日邦バルブ
Priority to JP06087199A priority Critical patent/JP3113773B2/ja
Publication of JPH07280118A publication Critical patent/JPH07280118A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3113773B2 publication Critical patent/JP3113773B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気弁に関し、さらに詳
細に言えば、水道の配管等に取り付け、管内に導入され
た空気を排気するための空気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】水道用空気弁として、小空気孔を備え、
本体カバーもしくはボンネットに形成された大空気口を
開閉する遊動弁体と、その小空気孔を開閉するフロート
弁体とを備えたタイプのものが知られている。
【0003】そのようなタイプの空気弁として、例えば
特公平4−72114号に記載のものがある。この空気
弁においては、弁箱上部に空気口を有する弁蓋を取り付
け、この弁箱内に弁体ケースを吊垂状態で配設する。こ
のケース内に遊動弁体とフロート弁とフロートケースと
を収納し、フロートケースはその中にフロート弁を収納
した状態で遊動弁体に、下方へ吊垂された状態で取り付
けられている。弁体ケースのその上部寄りには複数の大
径の窓孔を、底部寄りに小孔を設け、その内側面には遊
動弁体の上下動を案内する縦方向複数のガイド部を設け
てある。遊動弁体は円柱状に形成し、一側縁寄りに小径
の排気孔を貫通して設け、該排気孔下部に弁座を突出し
て設け、さらにその弁座に近接して一対のガイド杆を下
向きに取り付けてある。フロート弁にはそのガイド杆が
遊嵌するガイド孔を設けて、フロート弁の遊動弁体に対
する運動をガイドする。フロートケースは多数の窓孔を
有している。この構成により、大量の空気が導入された
ときにも、遊動弁体とフロート弁がその導入空気で直接
吹き上げられることなく、弁体ケースの大径の窓孔から
排気孔へと排気でき、また空気口及び小径排気孔をそれ
ぞれ遊動弁体とフロート弁が閉じた状態で少量づつ空気
が導入されたときには、弁箱内の水位の低下に伴い、フ
ロート弁が傾斜して小排気孔を開き、次いでフロート弁
がガイド杆に案内されて遊動弁体から離れて落下し、さ
らに弁箱内の圧力低下に伴い、遊動弁体が、その自重と
フロート弁、フロートケースの重みで落下して空気口を
開くと言うものである。
【0004】以上の説明から明らかなように、上記の空
気弁においては部品点数が比較的に多く、その構成も複
雑である。そしてこの空気弁では、大量排気の時に遊動
弁体とフロート弁が下側から直接吹き上げる空気の作用
を受けないようにするために、弁体ケース及びフロート
ースに水を出入りさせる小孔あるいは窓孔はそれぞれの
側壁部に形成している。従って、逆に配管から水を排出
す時のよう大量吸気するときに、それぞれのケース内に
水が残存する可能性がある。その残存した水は汚染され
る可能性があり、再度通常の使用状態に戻されたときに
問題となる。またこの構成では、フロート弁をガイド杆
とガイド孔の構成で案内するので、その部分での磨耗が
問題となる可能性がある。
【0005】ところで、上記公報記載の空気弁では、小
径の排気孔部分の構成は、弁座と弁座受けとで構成され
るとだけ記載され、その部分の図面の記載も不明瞭なた
め、具体的な構成の詳細は明らかでない。しかし、その
様な小排気孔の構成の一例が実公昭63−16944号
に記載されている。すなわち、そこに記載された空気弁
の(小)排気路部分の構成は、空気口を有する弁座をね
じコマを介して取り付け、弁座受けで弁座を押さえるも
のである。すなわち、弁座のフランジ部分を弁座受けと
ねじコマとで圧縮挟持して弁座を取り付ける構成となっ
ている。このようにこの構成においては、弁座のフラン
ジ部分が圧縮することによりその部分のシールをも行う
ものであるが、その圧縮量は一定量ではなく、組立て時
の調整によるものであり、その組立時の圧縮の程度によ
っては、弁座の空気口を大幅に狭め、あるいは閉じてし
まう可能性がある。
【0006】また、上記いずれの空気弁においても、通
常の使用状態では小排気孔を構成する弁座にフロート弁
が水圧により強く押しつけられており、空気の導入に伴
う水位の低下に応じてそれが傾斜して小排気孔を開くの
であるが、その空気の導入が極めて僅かづつの場合に
は、長期間フロート弁が弁座(通常はゴム製)に強く押
しつけられていることとなる結果、軽い粘着状態にな
り、フロート弁が弁座から離れにくくなり、予定した水
位でのフロート弁の傾斜、落下が生じない可能性があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記各問題点
に鑑みなされたものであり、従来の構成に比して部品点
数が少なく、その構成が簡単でありながら、大量排気の
場合にも遊動弁体やフロート弁体が吹き上げられること
なく、確実に排気でき、通常使用状態で導入された空気
の排気も支障なく行える空気弁を提供することを目的と
する。
【0008】また、本発明は、フロート弁体の運動を案
内するガイド杆とガイド孔を廃し、耐久性に優れた空気
弁を提供することもその目的とする。
【0009】さらに、空気弁内に空気が導入され、その
中の水位が所定の位置に達したときに、確実にフロート
弁の傾斜、落下を生じ、正常な作動をする空気弁を提供
することも本発明の目的である。
【0010】さらに本発明は、遊動弁体に取り付けられ
る弁座部材のシール部が、あらかじめ定められた量だけ
圧縮されるようにし、止水機能を確保する一方、取り付
け作業により小空気孔が閉じられることがなく、確実に
排気できる空気弁を提供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、弁箱と、弁箱の上部開口に取り付けら
れ、大径の空気口を備えた蓋体と、空気口に沿って設け
られた大径空気口弁座と、弁箱内に固定配置される籠体
と、籠体内に収納され大径空気口を開閉する遊動弁体
と、同じく籠体内に収納され、遊動弁体に設けられる小
空気孔を開閉するフロート弁体で構成される空気弁にお
いて、籠体の周壁の上部に窓穴を形成する一方、その底
壁に小孔を形成する。遊動弁体には、小空気孔とは別
に、籠体内に浸入した空気を外に排気できる通気孔を設
け、その通気孔の遊動弁体上側面での開口が、遊動弁体
が大径排気孔弁座に着座したとき、大径の空気口の径方
向外側に位置するように構成する。
【0012】ある実施例では、小空気孔弁座の先端はテ
ーパが付されている。
【0013】さらに他の実施例では、小空気孔弁座のシ
ール部はあらかじめ定められた寸法だけ圧縮されるよう
になっている。
【0014】
【作用】通常の使用状態では、空気弁内に溜まるにつれ
て弁箱内の水位が下がり、それにより遊動弁体が小空気
孔弁座の位置を支点として傾斜し、小空気孔を開いて排
気する。大量排気をするときには、籠体の周囲から窓孔
を経て大空気口へ流れるとともに、籠体の底壁の小孔か
らも空気が籠体内に入るが、この空気が遊動弁体の通気
孔から抜けてしまい、遊動弁体、フロート弁体は吹き上
げられない。また、大量吸気をするときには、籠体の底
壁の小孔から中の水が完全に排出され、残留することが
ない。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の具体的実施例を
説明する。しかしながら、本発明の範囲は、以下に説明
される実施例の具体的構成に限定されるものではない。
【0016】図1は、本発明の一実施例による空気弁1
の構成を示す縦断面図であり、符号3は空気弁1の本体
としての弁箱を示している。弁箱3は内部に空腔5が形
成され、その下部開口部7に設けられた接続部8には雌
ねじ9を刻設され、この部分で水道配管(図示せず)に
接続されるようになっている。図示はしてないが、下部
開口部7にはごみ取り用のストレーナが取り付けられ、
雌ねじ9の根元部分には配管と弁箱3との間のシールを
するパッキンが配置されるようになっている。
【0017】上部開口部11には、蓋体としてのボンネ
ット13がボンネットの雌ねじ14と弁箱の雄ねじ15
を用いて取り付けられている。17は弁箱3とボンネッ
ト13との間をシールするOリングである。このOリン
グ17は、ボンネット13の雌ねじ14の根元より内側
に円周状の凹溝19を形成し、ここに弁箱3の側面との
間で圧縮されて収納されるようになっている。
【0018】ボンネット13はその中央部に大径の空気
口21が形成されており、この大径空気口21にはゴム
等弾性材料製の大径空気口パッキン23が配置されてい
る。25はパッキン押さえであり、27はボンネット1
3にネジ結合で取り付けられてパッキン23をパッキン
押さえ25を介して圧縮固定するキャップである。大径
空気口パッキン23は断面L字形をし、その円筒部分は
後述の遊動弁体が離着座する弁座29を構成し、その端
部30の形状は円弧状になっている。これにより、長時
間遊動弁体が着座していた後でも、その離座が容易に行
われる。なお、円弧状に代えて、テーパ状にしてもよ
い。31は、ネジ結合でボンネット13に取り付けられ
たカバーであり、その側壁部に複数の吸排気口32を備
えている。
【0019】弁箱3の空腔5には、籠体としてのバケッ
ト33が、その上端開口部に設けられた外フランジ34
を弁箱3の内フランジ35とボンネット13の下側面と
の間に挟持されて、懸垂状態で固定され、取り付けられ
ている。このバケット33は周壁36と底壁38とを備
え、周壁36のフランジ34に近い上側部分には比較的
に大きな窓孔37が複数個形成され、底壁38には比較
的に小さい複数個の孔39が形成されている。本実施例
では、底壁38が緩やかではあるが中央に向かって傾斜
した形状となっており、その中央部に小孔39の一つが
形成されている。これにより、後述する大量吸気を行う
際に、バケット33内の水を完全に排出することが出来
る。バケット33はその周壁36の下側部分において、
弁箱3の内面に円周方向で隔てて形成された4個の小突
起41により、横方向の振れを規制されている。
【0020】符号43はプラスチック、例えば本実施例
ではPP(ポリプロピレン)で作られた遊動弁体であ
り、略円盤状の本体部45と、本体部45から下方へ伸
びる円筒状のスカート部47を備えている。スカート部
47の上縁部すなわち本体部45の近くで円周方向に隔
てて複数個の通気孔49が形成されている。さらにスカ
ート47の外側面上に、これも円周方向で隔てられ、軸
方向すなわち縦方向に伸びる複数のリブ51が形成され
ている。このリブ51は、バケット33内での遊動弁体
43の上下動を案内するとともに、遊動弁体43の周囲
に円周方向で均一な空間を確保する。
【0021】遊動弁体43の本体部45には、その中心
から変位した位置で本体部45の上側面53と下側面5
5との間を貫通して伸びている、比較的小径の小空気孔
57が形成されている。そして、この小空気孔57の上
側面53側の開口は、遊動弁体43がバケット33内で
上に移動し、上側面53が弁座29に着座したときに、
弁座29の内側に位置し、大径空気口21に連通するよ
うな位置に設けられている。
【0022】小空気孔57の下側面55側にはゴム等弾
性材料で作られた小空気孔弁座61を構成する小空気孔
パッキン59が、パッキン押さえ63を用いて取り付け
られている。弁座61の先端は、遊動弁体43の下側面
55から僅かに突出している。
【0023】図3はパッキン59の形状と、その取り付
け方を示す拡大断面図であり、実線でパッキン59の形
状を示し、2点鎖線で遊動弁体43とパッキン押さえ6
3とを示している。パッキン59は、遊動弁体43の本
体部45とパッキン押さえ63の間で挟持される円盤状
のシール部65と、このシール部65から垂直に伸び
る、弁座61を構成する円筒状の弁座部67とを備えて
いる。そしてその両方の部分を貫いて貫通孔69が形成
されており、小空気孔57の一部を構成するようになっ
ている。シール部65の外周縁部71はOリングの形状
になっている。
【0024】パッキン押さえ63の上面にはシール部6
5を収受するための凹所73が形成され、一方遊動弁体
43の本体部45の下側面55側において小空気孔57
の周囲にパッキン押さえ63を収受するための凹所75
が形成されている。パッキン押さえ63の外周上に円周
方向に伸びる突条77が形成され、遊動弁体43の凹所
の内周面にこれに対応して円周方向に伸びる溝79が形
成され、突条77を溝79に嵌入させるこにより、パッ
キン59とパッキン押さえ63とを遊動弁体43に取り
付けることが出来る。このとき、凹所73の底面と凹所
75の底面との間の寸法は、パッキン59の円周外縁部
71の寸法より小さく、この部分を圧縮する。これによ
り遊動弁体43とパッキン押さえ63との間をシールす
る。この際、圧縮されるのはOリング状の外周縁部71
のみで、その圧縮量はあらかじめ定められているので、
この圧縮は貫通孔69の形状に殆ど影響せず、貫通孔6
9が狭くなったり、さらには閉じてしまうことは無い。
突条77は必ずしも全周に渡っている必要はなく、部分
的に設けられていてもよい。また図示はしないが、パッ
キン押さえ63の下面外周部に切り欠き等を設け、パッ
キン押さえの取り外しを容易にすることが出来る。
【0025】弁座部67の端部に形成される弁座61の
先端80は図1、3から判るとおり、遊動弁体43の下
側面55から突出し、その先端80の形状は僅かな角度
でテーパが付されている。本実施例では直線的にテーパ
を付しているが、他の実施例では曲率半径の大きな円弧
状にしてもよい。このような円弧状も含めてここではテ
ーパと称する。このような形状にすることにより、以下
に述べるフロート弁体が長期間弁座61に着座した状態
が続いた後でも、離座が確実に行われる。
【0026】再び図1に戻り説明すると、遊動弁体43
の本体部45にはさらに、その外周に近い部分で上下に
貫通している通気孔81が複数個、円周方向に隔てて設
けられている。本実施例では、その径は小空気孔57の
径よりかなり大きくしてある。その通気孔81の上側面
53側での開口の位置は、遊動弁体43が上に移動して
その上側面53が弁座29に着座したときに、弁座29
の径方向外側に、すなわち弁座29の外側に位置するよ
うになっている。すなわち、遊動弁体43の上側面53
と弁座29との接触により、通気孔81の大径空気口2
1への連通は遮断されるようになっている。
【0027】バケット33の中で遊動弁体43の下方
に、NBR(アクリロニトリロブタジェンゴム)で作ら
れたフロート弁体83が上下動自在に配置されている。
そして、フロート弁体83は遊動弁体43のスカート4
7内に収受されている。スカート47の長さは、フロー
ト弁体83が図1の位置にあり、遊動弁体43が弁座2
9に接触する位置にあっても、フロート弁体83の頭部
がスカート47内に納まっているような長さである。フ
ロート弁体83の形状はゆるやかな逆円錐台の形をして
おり、その上側面85は小空気孔57の弁座61に当接
可能である。前述のとおり、弁座61は遊動弁体43の
中心から偏心しており、弁座61に当接するフロート弁
体83の上側面85上の位置も、図から明らかなように
フロート弁体83の中心から偏心している。なお、遊動
弁体43の下側面55には、弁座61の突出量と同じ寸
法だけ突出する小突起87が適宜設けられている。本実
施例においては、小突起87は2個設けられ、その位置
は、小空気孔57と2個の小突起87が遊動弁体43の
中心を内部に含んだ三角形の各頂点に位置するように決
められている。これにより、フロート弁体83が弁座6
1に着座するときには、フロート弁体83は略水平な状
態に保たれ、これにより弁座61とフロート弁体83と
の接触の状態が弁座61の円周方向で均一に保たれる。
小突起87はフロート弁体83に設けてもよい。フロー
ト弁体83の外周と遊動弁体43のスカート47の内周
との間には、空隙が設けられ、両者の間を空気あるいは
水が流れることが可能である。符号89は、バケット3
3の底壁38の内側に、小孔39と重ならないようにし
て円周方向で隔てて形成された複数の径方向に伸びるリ
ブで、図示の如くその上にフロート弁体83を支持する
ことができる。これにより、フロート弁体83が下方に
下がっても、小孔39を塞ぐことはなく、バケット33
からの水あるいは空気の出入りが妨げられることはな
い。
【0028】次に、以上のような構成からなる空気弁1
の作動について説明する。工事中等配管内に水が存在し
ていないときには、空気弁1の各部材は、図1に示す状
態にある。そして、配管内に水が流入してくると、配管
内に存在している大量の空気が空気弁1を通って急速に
排気されようとする。この大量の空気は、下部開口部7
を通って弁箱3内に入る。そして大半の空気は、弁箱3
とバケット33との間の空間を通り、バケット33の窓
孔37からバケット33内へ入り、大径空気口21を通
って吸排気口32から空気弁1の外へ排気される。
【0029】空気の一部は、バケット33の底壁38に
設けられた小孔39を通り、バケット33内に入りフロ
ート弁体の下側面88からその外周部へと流れる。そし
て、そのさらに一部は遊動弁体43のスカート47とバ
ケット33との間の空間を流れて大径空気口21に至る
が、スカート47内に入り込む空気もある。この空気
は、フロート弁体83の外周部と遊動弁体43のスカー
ト47の内周との間を上方へと流れ、通気孔81を通
り、大径空気口21へ流れ、吸排気口32から排気され
る。この場合、バケット33内へ流れ込んだ空気は、先
ず最初にフロート弁体83の下側面88に当たり、これ
に上向きの力を作用させる。次にスカート47内に入り
込んだ空気は遊動弁体43の下側面55に当たりこれに
上向きの力を作用させる。しかしながらこの空気の量は
全体のうちの僅かであり、それも通気孔81を通り抜け
るようになっているので、その上向きの力はきわめて小
さいものであり、遊動弁体43やフロート弁体83を吹
き上げて大径空気口を閉じ、以後の排気が出来なくなる
といった事態は生じない。大量排気が進むにつれて水が
下部開口部7から弁箱3内へ浸入し、小孔39を通って
バケット33内へも浸入する。さらにバケット33の外
側から窓孔37を通ってバケット33内に入り、さらに
スカート47の通気孔49を通ってスカート47内に流
れるものもある。これによりフロート弁体83と遊動弁
体43とは一緒に持ち上げられ、図2に実線で示す状態
となる。この状態では、大径空気口21は遊動弁体43
により閉じられ、小空気孔57はフロート弁体83によ
って閉じられている。
【0030】図2の通常の状態から、例えば配管工事開
始に当たって配管内の水が排出されるときには、弁箱3
内の水は下部開口部7から排出される。その際バケット
33内の水は小孔39を通って残らず排出される。それ
に伴い空気弁1から大量の吸気が行われることとなる
が、空気の流れが先の大量排気の時と逆になり、最終的
に図1に示す状態に至る。
【0031】配管内に水が流れている通常の状態では、
空気弁1は図2に実線で示す状態にある。すなわち、空
気弁1の弁箱3内へ下部開口部7から水が浸入し、その
水は小孔39からバケット33内へ入り、フロート弁体
83、遊動弁体43を上方へ移動させ、遊動弁体43の
上側面53が弁座29に、フロート弁体83の上側面8
5が弁座61にそれぞれ着座して、大径空気口21及び
小空気孔57を閉鎖している。
【0032】ここで、少量づつ空気が空気弁1内に溜ま
ってくると、空気弁1内の空気圧が次第に高まってく
る。そして、それにつれて弁箱3内の水位が次第に下が
る。この空気圧は遊動弁体43を弁座29に押しつける
作用をするが、フロート弁体83に対してはその上側面
85に下向きの、即ち遊動弁体43から離す方向に作用
する。弁箱3内の空気圧が高まる一方、水位の低下によ
りフロート弁体83に作用する浮力は低下し、空気圧が
浮力に打ち勝つと、フロート弁体83を下方へ移動させ
ようとするが、この際、空気弁1内の気圧は大気圧以上
になっており、小空気孔57からは大気圧が作用してい
るので、フロート弁体83の上側面85の弁座61に接
触している部分は吸着状態にある。そしてその位置はフ
ロート弁体の中心から偏心した位置にあるので、図中2
点鎖線で示すようにフロート弁体83は弁座61を支点
として傾き始める。そして所定量傾くと、小空気孔57
が部分的に開放されて通気され、弁箱3内の空気は小空
気孔57を通って排気される。この際、バケット33の
外側の空気は、通気孔49、81を通ってバケット33
内に入り、小空気孔57から流出する。
【0033】それ以後の作動については、空気弁1のフ
ロート弁体の大きさ、重量、弁座の大きさ、偏心位置等
の各設計諸元あるいは内部の空気圧等により異なるが、
小空気孔57から少量づつ排気されて弁箱3内が減圧さ
れると直ぐに水位が戻り、再び小空気孔57を閉鎖する
場合もあり、減圧が進むうちにフロート弁体83の弁座
61での吸着状態が解消され、フロート弁体83が遊動
弁体43から離れて落下し、さらには弁箱3内が大気圧
になることにより、遊動弁体43も弁座29から離れて
落下し、一気に排気される場合もある。いずれにして
も、排気されると弁箱3内の水が上がり、図2に実線で
示す状態に再び戻る。
【0034】図4は、遊動弁体の他の実施例を示す断面
図である(弁座部材、弁座押さえの図示は省略してあ
る。)。この遊動弁体101も本体部分103、スカー
ト105を有し、本体部分103には小空気孔109、
通気孔111が設けられている点では先の実施例と同じ
であるが、スカート105の比較的に大きな通気孔49
に代えて複数の小さい通気孔107が形成されている点
が異なる。この小さい複数の通気孔107は、スカート
105の内外間の空気、水の出入りを許すとともに、水
が外から内側に入るときに、その中に紛れ込んでいるか
もしれないゴミを除くためのスクリーンあるいはストレ
ーナとして使用でき、この場合には、弁箱3の下部開口
部7に取り付けるストレーナが不要となる。なおこの際
には、バケット33の底壁38の小孔39もスクリーン
として使用可能な程度の小孔とするとよい。これらの径
を小さくする分、その数を増やすことにより、通気能力
等は確保できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明では、バケ
ットの底壁に小孔を設ける一方、遊動弁体に通気孔を設
けたので、大量吸気の際のバケット内、換言すれば空気
弁内の水の排水を完全に行えるようにして、汚染された
水が配管内に残留するのを防止する一方、大量排気を行
う際には、遊動弁体あるいはフロート弁体が吹き上げら
れて排気を阻害することが防止される。
【0036】また、本発明では遊動弁体に対するフロー
ト弁体の運動をガイドするガイド軸それに嵌合するガイ
ド孔等は設けてないので、磨耗等でこれら部材が損傷す
ることがない。
【0037】本発明では、小排気口弁座のシール部は、
あらかじめ定められた量だけ圧縮されることになってい
るので、弁座の取り付けの際の圧縮で弁座を貫通する小
空気口が狭くなったり、閉じてしまうことがなく、小空
気口の機能が損なわれることはない。
【0038】また、弁座特に小排気口弁座の先端はテー
パが付されているので、長時間フロート弁体が圧着され
ていた後でも、弁箱内の水位が所定の位置までさがる
と、弁体の弁座からの離座作用が確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る空気弁の構成を示す断
面図である。
【図2】通常の使用状態を示す断面図である。
【図3】小空気孔弁座の形状及びその取り付け方を示す
断面図である。
【図4】遊動弁体の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 空気弁 3 弁箱 7 下部開口部 13 ボンネット(蓋体) 21 大径空気口 23 大径空気口パッキン 33 バケット(籠体) 36 周壁 37 窓孔 38 底壁 39 小孔 43 遊動弁体 45 本体部 47 スカート部 53 上側面 55 下側面 57 小空気孔 61 小空気口弁座 81 通気孔 83 フロート弁体 85 上側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭64−25581(JP,U) 実開 平4−126076(JP,U) 実開 平1−146080(JP,U) 特公 平4−72114(JP,B2) 特公 昭61−43592(JP,B2) 実公 昭63−16944(JP,Y2) 実公 平5−45898(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 24/00 - 24/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部開口部において配管に接続されるよ
    うになっており、上部が開口した弁箱と、前記弁箱の上
    部開口に取り付けられ、大径の空気口を備えた蓋体と、
    前記空気口に沿って設けられた大径空気口弁座と、前記
    弁箱内に固定配置され、周壁と、底壁と、前記周壁の上
    部に形成された窓穴と、前記底壁に形成された小孔とを
    備えた上部が開口した有底籠体と、前記籠体内において
    上下動自在に配置され、前記大径空気口弁座に離着座可
    能な上側面と、下側面と、前記上側面と下側面との間で
    貫通して伸びている小空気孔とを備えた遊動弁体と、前
    記小空気孔の前記下側面側に設けられた小空気孔弁座を
    構成する弁座部材と、前記籠体内において前記遊動弁体
    の下方に、上下動自在に配置され、前記小空気孔弁座に
    離着座可能な上側面を備えたフロート弁体とを備え、前
    記小空気孔の前記上側面側の開口は、前記遊動弁体の前
    記上側面が前記大径排気孔弁座に着座したとき、前記大
    径の空気口内に位置し、下側面側の開口は前記遊動弁体
    の中心から偏心して位置し、前記遊動弁体はさらに、前
    記上側面と前記下側面との間で貫通して伸びる通気孔を
    有し、該通気孔の前記上側面側の開口は、前記遊動弁体
    の前記上側面が前記大径排気孔弁座に着座したとき、前
    記大径の空気口の径方向外側に位置することとなる、空
    気弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気弁において、前記
    フロート弁体の前記上側面が離着座可能な前記小空気孔
    弁座の端部は、前記遊動弁体の前記下側面から僅かに突
    出している、空気弁
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の空気弁において、前記
    小空気孔弁座の前記端部の外形形状は、先端が径小とな
    るようにテーパが付されている、空気弁。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の空気
    弁において、前記弁座部材は、円盤状のシール部と、該
    シール部から垂直に伸びる円筒状の前記小空気孔弁座と
    を備え、前記空気弁はさらに、前記小空気口弁座が挿通
    される貫通孔と、前記シール部を収受する凹所を備えた
    弁座部材取り付け部材を備え、前記取り付け部材は前記
    遊動弁体の前記小空気孔の前記下側面側の周囲に形成さ
    れた凹所にあらかじめ定められた位置に位置決めして収
    受、固定され、前記シール部は、前記取り付け部材の前
    記凹所の底面と、前記遊動弁体の前記凹所の底面との間
    で一定の寸法だけ圧縮され、挟持される、空気弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の空気弁において、前記
    弁座部材の前記シール部の外周縁部はOリングの形状を
    なし、該外周縁部が、前記取り付け部材の前記凹所の底
    面と、前記遊動弁体の前記凹所の底面との間で圧縮挟持
    される、空気弁。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の空気弁において、前記
    シール部の前記外周縁部の直径は、前記取り付け部材の
    前記凹所の深さより、所定の寸法だけ大きくなってい
    る、空気弁。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の空気弁において、前記
    取り付け部材の外周面と、前記遊動弁体の前記凹所の内
    周面とのいずれか一方に円周方向に伸びる突条が形成さ
    れ、他方に該突条を収受する溝が形成されている、空気
    弁。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の空気弁において、前記
    遊動弁体は、前記小空気口を備えた本体部と、該本体部
    の外周縁部から下方に伸びる円筒状のスカートを備え、
    前記フロート弁体は前記スカート内で上下動自在であ
    る、空気弁。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の空気弁において、前記
    スカートの前記本体部に近接した位置に、複数の小さな
    貫通孔が設けられている、空気弁。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の空気弁において、前
    記籠体の前記底壁の内面に、前記フロート弁体がその上
    に載置可能な小突起が形成されている、空気弁。
JP06087199A 1994-04-04 1994-04-04 空気弁 Expired - Lifetime JP3113773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06087199A JP3113773B2 (ja) 1994-04-04 1994-04-04 空気弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06087199A JP3113773B2 (ja) 1994-04-04 1994-04-04 空気弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07280118A JPH07280118A (ja) 1995-10-27
JP3113773B2 true JP3113773B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=13908311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06087199A Expired - Lifetime JP3113773B2 (ja) 1994-04-04 1994-04-04 空気弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3113773B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002043496A (ja) 2000-07-21 2002-02-08 Hitachi Ltd 半導体装置
JP4744045B2 (ja) * 2001-09-27 2011-08-10 旭有機材工業株式会社 空気弁
JP2005061618A (ja) * 2003-07-25 2005-03-10 Kyowa Kogyo Kk 空気弁、及び空気弁付き消火栓
JP5649128B2 (ja) * 2011-07-11 2015-01-07 千代田工業株式会社 水道用空気弁及びそれを備えた消火栓
JP6462314B2 (ja) * 2013-11-18 2019-01-30 株式会社清水合金製作所 口金付き空気弁
JP6636767B2 (ja) * 2015-10-19 2020-01-29 株式会社清水合金製作所 不凍結形空気弁
JP7122747B2 (ja) * 2018-10-01 2022-08-22 株式会社日邦バルブ 吸排気弁および吸排気弁の異物除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07280118A (ja) 1995-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101194726B1 (ko) 밸브 장치
US5738132A (en) Roll over vent valve
US4922954A (en) Bi-directional pressure relief vent for a fuel tank
EP0100657A1 (en) Air admittance valve
JP4700234B2 (ja) ダイヤフラム弁
US6929025B2 (en) Two-way valve
JPH07208289A (ja) 燃料容器の通気弁
JP3113773B2 (ja) 空気弁
EP0059558A1 (en) Improvements in or relating to relief valves for sanitation systems or the like
JPH0553995B2 (ja)
US7784484B2 (en) Fuel leakage preventing valve
KR20100032818A (ko) 밸브 장치
JPH0914475A (ja) 容器の通気・排気弁
US5258243A (en) Pressure relief valve for recombinant battery
IE65116B1 (en) A valve device
US6289916B1 (en) Ventilating device for motor vehicle fuel tank
CN114599905A (zh) 阀装置
JP4448613B2 (ja) 空気弁
JP4508965B2 (ja) 弁のシール構造
JP2002021667A (ja) 燃料タンクの液面検知バルブ
JP2001193108A (ja) 空気弁付き消火栓
JPH0433500Y2 (ja)
JPH04126076U (ja) てこ式複合空気弁
JPH0331919Y2 (ja)
JPS6316958Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070922

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term