JP3113404B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP3113404B2
JP3113404B2 JP04230340A JP23034092A JP3113404B2 JP 3113404 B2 JP3113404 B2 JP 3113404B2 JP 04230340 A JP04230340 A JP 04230340A JP 23034092 A JP23034092 A JP 23034092A JP 3113404 B2 JP3113404 B2 JP 3113404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
carrier
toner
image
developer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04230340A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0683147A (ja
Inventor
孝夫 河村
浩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP04230340A priority Critical patent/JP3113404B2/ja
Publication of JPH0683147A publication Critical patent/JPH0683147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3113404B2 publication Critical patent/JP3113404B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコロナ帯電を不要として
露光と現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた電
子写真方式に用いられる画像形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置とし
ては、コロナ放電により感光体に帯電を行なうカールソ
ン方式が広く用いられている。この方式では、ドラム状
あるいはベルト状の感光体の周囲に、コロナ帯電器、露
光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電
手段等を配置し、帯電、露光、現像、転写、定着のプロ
セスを経て、記録紙上に画像を形成するため、装置の構
成や画像形成プロセスが複雑になり、コロナ放電用には
高電圧電源が必要であり、またコロナ放電のためにオゾ
ンが発生して周囲に悪影響を与える等の問題があった。
【0003】これらの問題に対して、近時、コロナ放電
を不要とする電子写真方式が提案されている(特公平2-
4900号、特公昭60-59592号、特開昭58-44445号、特開昭
58-153957 号、特開昭61-46961号、特開昭62−280772号
など)。
【0004】上記提案の電子写真方式によれば、透光性
支持体上に透光性導電層と光導電層とを順次積層したド
ラム状もしくはベルト状感光体に対して、透光性支持体
側より露光器により露光するとともに現像バイアス供給
用の電源によりバイアス電圧を印加した現像器上の導電
性磁性トナーからなる磁気ブラシでもって感光体表面を
摺擦させ、これによって帯電と露光と現像とをほぼ同時
に行ない、感光体上にトナー像を形成する。そのトナー
像は、転写ローラを用いて記録紙に転写され、定着手段
により定着されて記録画像となる。一方、感光体上に残
留したトナーは、現像器で回収され、再利用される。
【0005】また上記提案の電子写真方式に用いる光導
電層は、公知のアモルファス化したSiやSeやSeA
s、CdS、ZnO、有機光半導体、有機ポリシラン等
により形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
ような公知の光導電層を備えた感光体では、未だ十分に
満足が得られるような特性が得られないことが判明し
た。
【0007】即ち、この電子写真方式に設けた感光体に
は、透光性支持体側からの画像露光に対してキャリアを
効果的に生成する励起特性に優れた光キャリア励起層を
有していることが良く、特に画像露光による画像形成
が、感光体と現像剤とが接触している領域で両者が離れ
る寸前で行われるために、プロセスの安定化と高速化の
ためには光感度特性の更に優れた感光体であることが望
ましい。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、透光性支持体上に透光性導電層と光導電層とを順次
積層して成る感光体と、その感光体の上記光導電層側に
配設した現像手段と、現像手段のスリーブと透光性導電
層の間に現像バイアス電圧を印加するための手段と、上
記感光体に現像剤による画像を形成するため上記透光性
支持体側から光を照射する露光手段とを設けた構成であ
って、上記光導電層がアモルファス化したSi1-X X
(0≦X<0.5)層と金属薄層とを順次積層した光キ
ャリア励起層と、その光キャリア励起層上に積層したキ
ャリア輸送層とから成ることを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0010】図1は本発明の電子写真方法による画像形
成装置1を表す模式図であり、図中、2は透光性支持体
3上に透光性導電層4と光導電層5と表面層6が積層さ
れたドラム状の感光体、7は露光手段としてのLEDヘ
ッド、8は現像器、9は転写ローラである。LEDヘッ
ド7と現像器8は、感光体2のある一部を介して、ほぼ
対称的に配置される。10はイレース用光源としてのL
EDアレイであり、感光体2の外側に配置してもよい。
但し、このLEDアレイ10は必ず設けなくてはならぬ
というものではない。現像器8においては、例えば8極
の円柱状の磁極ローラ11と、その外周に亘って配設さ
れた導電性スリーブ12とから成り、更に導電性磁性キ
ャリアと絶縁性磁性トナーとからなる2成分現像剤がト
ナー受13に貯蔵され、この2成分現像剤はスリーブ1
2の外周へ配送され、磁気ブラシ14を形成する。ま
た、スリーブ12と透光性導電層4との間にはバイアス
電源15が設けられ、その両者4、12の間に感光体2
の電位特性に応じて+或いは−の0〜300Vの電圧を
印加する。16は感光体2の表面に形成されたトナー
像、17は記録紙、18は残留トナーである。これ以外
に現像剤の回転手段と感光体2の回転手段とを設ける。
尚、露光手段にはここではLEDヘッドを用いたが、レ
ーザや液晶シャッタ、ELヘッド等を用いたものでもよ
い。イレース用光源10にも、LEDアレイの他、ハロ
ゲンランプや蛍光灯、ELアレイ等の光源が使用可能で
ある。
【0011】かくして上記構成の画像形成装置によれ
ば、回転する感光体2の透光性支持体3側からLEDヘ
ッド7より画像露光の光を照射し、光導電層5の内部に
正孔と電子を発生させると、現像器側に+のバイアス電
圧を印加してあれば、そのバイアス電圧によって電子は
光導電層5の表面側へ移動し、磁気ブラシ14の末端の
正電荷と打ち消し合い、感光体2の表面にトナーが付着
される。そして、そのトナーは転写ローラ9により記録
紙17上に転写され、次いで定着される。
【0012】次に上記構成の画像形成装置の具体的内容
を更に詳述する。
【0013】図2は上記感光体2の一部と現像手段8に
より形成される現像剤溜り19を表す説明図である。
【0014】現像剤を保持させる現像器8は、導電性の
スリーブ12と、その内部に配置された磁極ローラ11
とから成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ11を固定し
てスリーブ12を回転してもよく、またはスリーブ12
を固定して内部の磁極ローラ11を回転してもよい。
【0015】ここで現像剤を感光体2と逆方向に回転さ
せると、両者の摩擦で現像器8と感光体2の最近接部位
よりも下流側(感光体が現像剤から離れる側)に現像剤
溜り19が生じる。現像剤溜り19は図の破線で区切っ
た部分である。即ち現像剤の本来の高さよりもはみ出し
た部分が現像剤溜り19であり、現像剤の搬送速度や現
像剤の高さ、スリーブ12と感光体2の表面とのギャッ
プ等は、感光体2の回転速度や必要とする現像剤溜り1
9の大きさに応じて適宜設定する。
【0016】20は制御電極であり、この制御電極20
はスリーブ12上で感光体2との最近接部位に設け、絶
縁体21でスリーブ12と絶縁する。制御電極20は、
感光体2や現像剤に均一な電界が加わるように、スリー
ブ12の長さ方向に沿った帯状とする。この制御電極2
0は本発明にとって必須不可欠のものではなく、適宜採
用される。
【0017】画像露光を行なう位置は、感光体2の表面
と現像スリーブ12との最近接位置Aではなく、感光体
2の逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り19の位
置Bとし、好ましくは現像剤溜り19の中でも下流側の
後半部とする。現像剤溜り19の位置で露光を行なうこ
とにより、露光までの間に感光体2の帯電が十分に行な
われ、帯電前の感光体2の電位の履歴の影響が抑えられ
ると共に、感光体2の表面の残留トナーや画像背景部の
トナーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体2が十
分に帯電されてから露光を行なって電荷を消失させるた
めに、現像剤と感光体2との電気的引力が強く、良好な
トナー像16が形成される。そして、トナー像16の形
成後は感光体2が現像剤溜り19から速やかに離れるた
め、感光体2の表面のトナー像16が現像剤の衝突や摩
擦等のような機械的な力により乱されることがなく、良
好な解像度のトナー像16が得られる。
【0018】現像剤溜り19の位置では、感光体2の表
面と現像スリーブ12とが最も近接する位置Aよりも、
感光体2の表面と磁極ローラ11の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ11の側に吸引する磁力
は弱くなり、感光体2の表面に形成されたトナー像16
の一部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃
度が低下したり、磁力により乱されて解像度が低下した
りすることを防止できる。 更に帯状の制御電極20を
設け、その電位を電源22により所定の電位に調整す
る。例えば制御電極20を接地し、透光性導電層4と共
通電位にする。あるいはスリーブ12の電位に対してそ
の電位を低くもしくは高く設定する。
【0019】このようにスリーブ12とは独立に電位を
印加できる制御電極20を設けると、感光体2の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体2の表面の
電位を揃え、以前のプロセスでの帯電や露光の有無等に
よる感光体2の履歴の影響を打ち消すことができる。こ
の結果、繰り返し使用時、例えば1枚の画像を得るため
に感光体2を数回転させる場合等に、安定した現像状態
と記録画像とが得られる。ここで制御電極20の電位を
調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適画像形
成条件を調整して得ることができる。また、制御電極2
0の電位を高くし、スリーブ12の電位を低くすること
により、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナー
が付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0020】感光体2の表面に形成されたトナー像16
は次いで記録紙17に転写され、定着されて記録画像と
なり、転写されずに感光体2の表面に残った残留トナー
18は、次の画像形成プロセスにおいて現像手段に回収
されて再利用される。
【0021】更に、転写後の感光体2にイレース用光源
10により除電光を照射することにより、以前のプロセ
スでの帯電や露光の有無等による感光体2の履歴の影響
をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時に
おける残像現象などの画像上の問題を抑制することが出
来る。また、感光体2の光導電層5と表面層6との界面
などにトラップされたキャリアを消去し、感光体2とそ
の表面の残留トナーとの電気的な引力をなくして、残留
トナーを現像器8に回収され易くすることが出来る。
【0022】また、感光体2の層構成は図3もしくは図
4に示す通りである。これらの図に示すように、ドラム
状透光性支持体3の上に透光性導電層4を形成し、更に
その透光性導電層4の上に光導電層5や表面層6を積層
した構成であり、更に光導電層5はアモルファス化した
Si1-X X (0≦X<0.5)層(以下、a−Si
1-X X と略記する)5aと金属薄層5bとを順次積層
した光キャリア励起層5cと、その光キャリア励起層5
c上に積層したキャリア輸送層5dとから成る。
【0023】上記透光性支持体3を構成する材料には、
パイレックスガラス、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスな
ど、また石英、サファイアなどの無機質系、並びに弗素
樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ビニロン、エポキシ、マイラーなどの
有機樹脂系が挙げられる。そして、この透光性支持体3
はドラム状、シート状、ベルト状等の任意に形状に製作
する。
【0024】上記透光性導電層4を構成する材料には、
インジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫(SnO
2 )、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などがあり、
また半透明になる程度に薄くしたAl、Ni、Auなど
から成る金属層を用いてもよい。就中、ITO、SnO
2 がよく、これらにより透光性導電層4を形成した場合
には良好な光透過性と導電率が得られ、光キャリア励起
層5cとの間に電子に対するショットキー障壁ができ、
その結果、電界印加時に光電流増倍効果をもたらし、高
い光キャリア生成効率を得られる。
【0025】この透光性導電層4の形成法には真空蒸着
法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFス
パッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネト
ロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリン
グ法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗
布法、浸漬法などがあり、その厚みは500Å〜3μm
がよく、好適には700Å〜1μmがよく、この範囲内
であれば、良好な光透過性と導電性の両特性が得られ
る。
【0026】次に上記a−Si1-X X 層5aと金属薄
層5bとを順次積層した光キャリア励起層5cにおいて
は、優れた耐電圧性を有し、残留電位が小さく、低バイ
アス電圧での使用が可能となり、高い光感度と優れた光
応答性を有する等の特長がある。
【0027】本発明者等の実験によれば、この組合せの
光キャリア励起層5cに対して、ITOやSnO2 から
成る透光性導電層4を設けた場合には、2V以上の電圧
が印加された状態で露光すると、正負のどちらの極性に
対しても外部量子効率(a−Si1-X X 層5aに吸収
されたフォトン数に対する光キャリア数の比)が1を越
える、所謂、光電流増倍効果がおきることが判り、これ
により、光キャリア励起効率がきわめて高くなった。
【0028】このa−Si1-X X 層5aのX値は、0
≦X<0.5がよく、この範囲内であれば、高い暗抵抗
率と優れた光導電性を示す良好な光キャリア励起層とな
り、これにより、高い帯電性と高い光感度、並びに低い
残留電位等の優れた電子写真特性が得られる。
【0029】a−Si1-X X 層5aは、例えばグロー
放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法など
により形成し、その形成に当たってダングリングボンド
終端用に水素(H)やハロゲン元素を1〜40原子%含
有させる。また、この層5aの暗導電率や光導電率など
の電気的特性、光学的バンドギャップなどについて所望
の特性を得るために、周期律表第III a族元素(以下周
期律表第III a族元素をIII a族元素と略す)や第Va
族元素(以下Va族元素と略す)を含有させたり、窒素
(N)、酸素(O)等の元素を含有させるとよい。
【0030】透光性導電層4から観てa−Si1-X X
層5a側に負の電圧を印加する負極性の現像バイアスに
対しては、キャリア輸送層5dに正孔を注入させるため
にi型からp型のa−Si1-X X 層5aにすればよ
い。また、正極性の現像バイアスに対しては、キャリア
輸送層5dに電子を注入させるためにi型からn型のa
−Si1-X X 層5aにすればよい。p型a−Si1-X
X 層5aにはIII a族元素を1〜1000ppm、好
適には1〜500ppm含有させるとよく、n型a−S
1-X X 層5aにはVa族元素を1〜1000pp
m、好適には1〜500ppm含有させるとよい。III
a族元素やVa族元素としては、それぞれB元素やP元
素が共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点
で、その上優れた光感度が得られるという点で望まし
い。
【0031】a-Si系光導電層5の厚みは、0.1〜5μ
m、好適には0.5〜5μmにすればよく、この範囲内
であれば、良好な光キャリア生成効率、帯電性、光感度
等が得られる。
【0032】金属薄層5bはAu、Al、Ag、Cr、
Ni等から成り、半透明になる程度に薄く形成する。こ
の層5bの厚みは200〜5000Åがよい。この層5
bは抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法等の各種蒸着
法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、マ
グネトロンスパッタリング法等の各種スパッタリング法
により形成する。この層5bの厚みが上記の範囲内であ
れば、一様な層になり、十分なショットキー障壁が形成
でき、しかも、画像露光に応じてa−Si1-X X 層5
a中での光キャリア励起で形成された電荷パターンが、
この金属薄層5b内で膜面方向に拡散せず、良好な画像
解像が得られる。
【0033】かくして上記のような透光性導電層4/a
−Si1-X X 層5a/金属薄層5bの積層構造にした
場合には、露光波長がa−Si1-X X 層5aの光学的
バンドギャップEgoptより少し大きなエネルギーに
なるような波長になる時に、その層5aのバルク全体で
光キャリア励起が行われ、これにより、最も効果的に光
電流増倍がおきる。
【0034】本発明者等はこの光電流増倍効果について
は、未だ推論の域を脱しえないが、次のように考える。
・・・a−Si1-X X 層5aとの透光性導電層4及び
金属薄層5bとの両界面には、電子に対するショットキ
ー障壁が存在しており、電界が印加されると両層4、5
bから上記ショットキー障壁を越えてa−Si1-X X
層5a内に電子によるトンネリング電流が流れる。この
ような条件においてa−Si1-X X 層5aに露光され
ると、その層5a内で光生成された正孔がショットキー
障壁の空乏層内に蓄積され、ショットキー障壁に電界が
集中するために両層4、5bとの界面の空乏層幅が狭く
なり、トンネリング電流が増加し、その結果、光励起さ
れたキャリア以上の電子がa−Si1-X X 層5aに流
れて光電流増倍がおきると考える。また、この光電流増
倍現象は、a−Si1-X X 層5aにVa族元素を添加
し、バンドギャップ内のドナー密度(価電子帯側の局在
準位密度)が増加すると、上記空乏層内の正孔の密度が
増加して光電流増倍現象がより低電界で起きるようにな
ることからも、推測できる。
【0035】また、この光電流増倍現象は印加する電界
の極性を変えると両層4、5bの界面での障壁の傾きが
逆転し、空乏層内に電子が蓄積され、両層4、5bから
正孔がトンネリング電流として注入されることになり、
同様の現象を示す。この場合、a−Si1-X X 層5a
にIII a族元素を添加すると、光電流増倍現象がより低
電界でおきる。
【0036】キャリア輸送層5dは、アモルファスシリ
コン、Se、ZnO、CdS、各種OPC等から成る。
このキャリア輸送層5dには低分子キャリア輸送剤を含
有した有機ポリシランを用いると良好な感光体特性が得
られる。
【0037】この有機ポリシランは、主鎖にSi−Si
σ結合をもつ高分子であり、絶縁性で且つ高いホールド
リフト移動度を有する。側鎖には有機基、特にアルキル
基、アリール基、アラルキル基等の一価炭化水素基を有
するものが好適であり、このようなポリシランには、メ
チルフェニルポリシラン、メチルプロピルポリシラン、
メチルt−ブチルポリシラン、ジフェニルポリシラン、
メチルトリルポリシラン、或いはこれらのコポリマー等
がある。しかも、これらのポリシランの末端は、シラノ
ール基、アルコキシ基等であってもよい。このようなポ
リシランはフィルムを形成するのに必要な分子量とし
て、5,000〜50,000、好適には5,000〜
20,000の重量平均分子量を有するのがよい。
【0038】上記ポリシランに含有させる低分子キャリ
ア輸送剤としては、それ自体公知のもの例えばフェニレ
ンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物、スチ
リル系化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合
物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合
物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物、等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物
がある。
【0039】これらの低分子キャリア輸送剤は、ポリシ
ランに対して1〜60重量%、好適には5〜50重量%
で含有させるとよく、1重量%未満の場合にはキャリア
輸送機能が高められず、光感度の向上や残留電位の抑制
効果がなく、60重量%より多い場合には、キャリアの
移動度が飽和して光感度が飽和するとともに帯電能が低
下して、相対的に感度特性が劣化する。
【0040】このキャリア輸送層6は、種々の有機溶剤
により溶液化し、それをバーコート法、浸漬法、溶融押
出法、スプレー法等の塗布法により塗布乾燥を行って形
成する。この有機溶剤には、ベンゼン、トルエン等の芳
香族系炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、IPA等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジ
メチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、エステル類、ハロゲン類、ハロ
ゲン化炭化水素等が用いられ、それらを1種もしくは2
種以上混合して用いる。
【0041】また、キャリア輸送層5dの厚みは1〜1
5μm、好適には3〜10μmの範囲がよく、この範囲
であれば、良好な帯電特性と光応答性が共に得られ、し
かも、残留電位の上昇も抑制できる。
【0042】更にまた、この種のキャリア輸送層5dは
特に正孔の輸送特性に優れており、そのために負極性の
現像バイアスで使用するのが望ましいが、その他に、低
分子キャリア輸送剤として電子の輸送特性に優れた各種
のフタロシアニン系顔料やアゾ系顔料、ペリレン系顔
料、TNF等を用いて正極性の現像バイアスにも使用で
きる。
【0043】表面層6には高抵抗表面層、特にアモルフ
ァスシリコンカーバイド(a-SiC )、アモルファスシリ
コンナイトライド(a-SiN )、アモルファスシリコンオ
キサイド(a-SiO )、アモルファスシリコンオキシカー
バイド(a-SiCO)、アモルファスシリコンオキシナイト
ライド(a-SiNO)などのアモルファスシリコン(a-Si)
系高抵抗表面層を用いるのがよい。この表面層6におけ
るカーボン量は、Si1-X x のx値で0.3 <x<1.0 、
好適には0.5 ≦x≦0.95の範囲がよい。また、この高抵
抗表面層6にも、電気的特性の調整用としてIII a族元
素やVa族元素を含有させてもよい。
【0044】表面層6の厚みは0.05〜5μm、好適には
0.1 〜3μmにすればよく、0.05μm未満の場合には、
この層6で十分な絶縁耐圧の向上や、光キャリアを効果
的にトラップしてトナー像の形成に寄与させることが出
来ず、また、繰り返し使用した場合、摩耗により寿命も
劣る。5μmを越えた場合には精細な電荷パターンを形
成するに当たって、この層6中で電界(電気力線)が膜
面方向に広がりを生じ、これにより、解像力の低下をき
たし、十分な解像度が得られない。また、表面に残留す
る電荷が多くなって残留電位が高くなるため、画像濃度
の低下やバックのかぶり或いは繰り返し使用における画
像濃度の変化等の問題が生じる。
【0045】本発明に係る画像形成装置の感光体2は、
上述した透光性導電層4とa-Si系光導電層5との間に更
にキャリア注入阻止層を形成してもよい。
【0046】上記キャリア注入阻止層はa-Si層またはa-
SiC 層のいずれでもよく、通常、光導電層5における光
キャリア発生に有効な光を吸収しないように、その光導
電層5に比べて光学的バンドギャップを大きくする必要
があり、そのために酸素また窒素などの元素を含有させ
るとよい。また、キャリア注入阻止層をa-SiC 層により
形成した場合、光導電層5に比べてカーボン量を多くす
るとよい。
【0047】またキャリア注入阻止層には透光性導電層
4から光導電層5へのキャリアの注入を阻止するために
不純物元素を含有させる。即ち、負電荷キャリアの注入
を阻止するためにはIII a族元素を1〜10,000ppm 、好
適には100 〜5,000ppm含有するとよく、一方、正電荷キ
ャリアの注入を阻止するためにはVa族元素を5,000ppm
以下、好適には300 〜3,000ppm含有するとよい。これら
の元素は層厚方向に亘って勾配を設けてもよく、その場
合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
【0048】このようにキャリア注入阻止層にIII a族
元素を含有した場合、正極性の現像バイアスが用いら
れ、他方、Va族元素を含有した場合、負極性の現像バ
イアスが用いられる。
【0049】III a族元素やVa族元素としては、それ
ぞれB元素やP元素が共有結合性に優れて半導体特性を
敏感に変え得る点で、その上優れた注入阻止能並びに光
感度が得られるという点で望ましい。また上記キャリア
注入阻止層の厚みは0.01〜3μm、好適には0.1 〜2μ
mの範囲内がよく、これにより、必要な絶縁耐圧が確保
し易く、またこの層での露光の不必要な吸収を抑制して
光導電層において光キャリアを有効に生成でき、しか
も、残留電位の上昇を抑制することができる。
【0050】上記キャリア注入阻止層には酸素及び/又
は窒素の各元素合計含有量が0.01〜30原子%の範囲内で
含有させた場合、透光性導電層4からのキャリアの注入
を更に一層阻止することができるとともに、その層4に
対する密着力も一段と高めることができる。
【0051】本発明によれば、上記構成の画像形成装置
において、導電性磁性キャリアと絶縁性磁性トナーとか
らなる2成分現像剤を用いることがよい。
【0052】この2成分現像剤であれば、絶縁性磁性ト
ナーにより感光体2の上に形成されたトナー像の普通紙
への静電的な転写が容易になり、多様な記録紙に良好な
記録画像を形成できる。特にバインダー樹脂中に磁性体
を分散させた粒子の表面に導電性層を形成した導電性磁
性キャリアと絶縁性磁性トナーとの組み合わせによる2
成分現像剤を用いると、感光体2へのバイアス印加特性
や画像濃度の向上、残留トナーの効果的な回収等の特性
に優れ、良好な記録画像が得られる。
【0053】上記絶縁性磁性トナーは磁気ブラシを形成
するが、その際に現像器8の磁力によりキャリア上に保
持され、また感光体2上の残留トナーは磁気ブラシによ
る掻き取り力とともに磁力によっても回収されるので、
バックのかぶりやトナーの機内飛散が抑制され、残留ト
ナーの回収に優れた良好な現像特性が得られる。
【0054】上記絶縁性磁性トナーの磁性粉には、希土
類ガーネット、イットリウム鉄ガーネット(Y3 Fe5 O
12)等の希土類鉄ガーネット、イットリウム・ガリウム
・ガーネットの単結晶又は多結晶等の希土類ガリウム・
ガーネットの少なくとも1種を用いる。これらは透明で
あり、また着色剤により任意に色を着けることができ、
カラートナーとして色の濁りの少ない鮮明な記録画像が
得られる。
【0055】これらの磁性粉の粒径は0.01〜20μ
mが好ましく、所要によりトナーの特性に応じて適宜選
択される。
【0056】このような2成分現像剤はキャリアにより
形成される磁気ブラシにトナーが付着しており、主とし
て磁力によりキャリアに付着している。
【0057】また、導電性磁性キャリアは、体積固有抵
抗が105 Ω・cm以下であることが適当であり、好適
には104 Ω・cm以下、最適には102 〜104 Ω・
cmである。体積固有抵抗が余り大きくなると、導電性
キャリアとしての特性が損なわれ、背面露光記録におい
て感光体への電荷の注入が速やかに行われず、感光体の
帯電が不十分となる。尚、上記キャリアの体積固有抵抗
は、底部に電極を有する内径20mmのテフロン製筒体
にキャリアを1.5g入れ、外径20mmの電極を挿入
し、上部から1kgの荷重を掛けて測定した時の値であ
る。
【0058】更にまた、キャリアの磁力は、ある程度以
上に大きいことが必要であり、好ましくは5kOeの磁
場での最大磁化(磁束密度)が55emu/g以上、好
適には55〜90emu/g、最適には60〜85em
u/gである。また、1kOeの磁場での最大磁化は、
40emu/g以上が好適であり、より好適には40〜
60emu/gであり、最適には45〜60emu/g
である。キャリアの磁力が余り小さくなると、現像剤の
搬送性が劣化し、またキャリアがトナーとともに現像さ
れ、いわゆるキャリア引きを生じる。
【0059】キャリアの平均粒度は、5〜100μmが
好適であり、好ましくは5〜50μm、より好ましくは
10〜40μmである。キャリアが余り大きくなると感
光体を均一に帯電させることが困難となる。一方、余り
小さすぎると、現像スリーブ上の現像剤の搬送性が悪く
なり、また一定の電位を感光体に付与するのが難しくな
る。
【0060】導電性磁性キャリアとしては、例えば以下
のものを用いることができる。
【0061】(1)磁性体粉体をそのまま、あるいは表
面酸化処理、表面樹脂コーティング等の安定化処理を施
して用いる磁性粉体キャリア。
【0062】(2)バインダー樹脂に磁性体を含有せし
めた母粒子の表面に、導電層を形成した表面導電化樹脂
キャリア。
【0063】(3)磁性体粉体の表面に導電層を形成し
た、表面導電化粉体キャリア。
【0064】上記磁性粉体キャリアにおける磁性体とし
ては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェラ
イト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一
種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウ
ムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、
表面が酸化処理または樹脂コート処理された鉄や合金の
粒子を用いることができる。その形状は、粒状、球状、
針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合
には、鉄等の強磁性微粒子を用いることができる。ま
た、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガン
マ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライ
ト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒
子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含
有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有するキ
ャリアを得ることができる。
【0065】図5は表面導電化樹脂キャリア23の実施
例を示す模式図であり、磁性体粒子24がバインダー樹
脂中に均一に分散されてなるキャリア母粒子25の表面
に、導電性微粒子26が固定されて導電層を形成し、キ
ャリア23が構成されている。キャリア母粒子25に用
いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂
に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイ
ロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が用いられる。
【0066】磁性体粒子24としては、磁性粉体キャリ
アと同様のものが用いられる。磁性体粒子24はキャリ
ア母粒子25中の70〜90重量%を占める量で添加す
ることが適当である。導電性微粒子26としては、カー
ボンブラック、酸化スズ、導電性酸化チタン(酸化チタ
ンに導電性材料をコーティングしたもの)、炭化ケイ素
などが用いられ、空気中の酸素による酸化によって導電
性を失わないものが望ましい。
【0067】キャリア母粒子25の表面への導電性微粒
子26の固着は、例えばキャリア母粒子25と導電性微
粒子26とを均一混合し、キャリア母粒子25の表面に
導電性微粒子26を付着させた後、機械的・熱的な衝撃
力を与え導電性微粒子26をキャリア母粒子25中に打
ち込むようにして固定することにより行われる。導電性
微粒子26は、キャリア母粒子25中に完全に埋設され
るのではなく、その一部をキャリア母粒子25から突き
出すようにして固定される。
【0068】このようにキャリア23の表面に導電性微
粒子を固定して導電層を形成することにより、効率的に
キャリア23に高い導電性を付与できる。またキャリア
母粒子25中には導電性微粒子26を配合する必要がな
いので、それだけ多くの磁性体粒子24をキャリア母粒
子25中に配合でき、キャリア23の磁力を大きくする
ことができる。
【0069】図6は、導電化樹脂キャリアの他の実施例
を示す模式図であり、磁性体粒子24がバインダー樹脂
中に均一に分散されてなる図5と同様のキャリア母粒子
25の表面に、導電性薄膜27が形成されて導電層を形
成し、キャリア23が構成されている。
【0070】表面導電化粉体キャリアにおいては、例え
ば以下の方法で表面導電層を形成することができる。
【0071】(1)導電化樹脂キャリアと同様にして導
電性薄膜を形成する。
【0072】(2)磁性体粉体の表面を樹脂コーティン
グしたのち、この樹脂コーティング層に対して導電性樹
脂キャリアと同様にして導電性微粒子を固定する。
【0073】また、キャリアの真密度は、磁性粉体キャ
リアの場合は使用した磁性体によって決まり、表面導電
化粉体キャリアの場合も実質的に同様である。また導電
化樹脂キャリアの真密度は、3.0〜4.5g/cm3
の範囲が好適である。嵩密度は2.5g/cm3 以下が
好適であり、好ましくは2.0g/cm3 以下、より好
ましくは1.5g/cm3 以下である。上記のキャリア
とトナーとを混合して現像剤とする。トナーとしては通
常の絶縁性トナーが用いられ、好ましくは体積固有抵抗
が1014Ω・cm以上のものであり、好ましくは1015
Ω・cm以上である。この値は、キャリアの場合と同様
に測定される。
【0074】また図5に示したキャリア23と同様に、
トナー母粒子の表面に帯電性微粒子を固着せしめてトナ
ーとすることにより、トナーの帯電特性を制御すること
もできる。
【0075】更に本発明によれば、現像剤としての体積
固有抵抗は106 Ω・cm以下が好適であり、好ましく
は105 Ω・cm以下、より好ましくは103 〜105
Ω・cmである。この値は、キャリアと同様にして測定
される。抵抗が大きくなりすぎると、感光体の帯電が不
十分となる。
【0076】2成分現像剤としての電気抵抗は、トナー
とキャリアの電気抵抗、トナー濃度、トナーとキャリア
の粒度比、真密度によっても変化する。
【0077】また表面導電化樹脂キャリアを用いた場合
の現像剤のトナー濃度(トナー/キャリア、即ちT/
C)は、10重量%以上が好適であり、好ましくは20
重量%以上、より好ましくは20〜50重量%である。
トナー濃度が低すぎると、本発明の画像記録方式に適用
した場合に十分な画像濃度が得られなくなる。一方、ト
ナー濃度が高すぎると、感光体の帯電が不十分となる。
尚、本発明の画像形成方法では、トナー濃度T/Cの広
い範囲でほぼ同様な画像濃度が得られるので、トナー濃
度の制御を実質上不要または大幅に簡略化することがで
きる。
【0078】導電化樹脂キャリアを用いた現像剤では、
キャリアとトナーの平均粒径の比(キャリア)/(トナ
ー)を、1〜5とすることが好適であり、好ましくは1
〜3である。キャリアに比べてトナーが著しく小さくな
ると、一定トナー濃度の場合にトナーによって覆われる
キャリアの表面積が増加し、感光体ドラムを十分に帯電
させることができなくなる。その結果、本発明の画像形
成方法に適用した場合に条件によっては画像濃度が低下
する場合がある。尚、トナーの平均粒径は一般に20μ
m以下が好ましく、より好ましくは15μm以下であ
る。
【0079】また、本発明者等は上記の特徴を有する2
成分系現像剤を用いた場合において、繰り返し実験を行
ったところ、現像バイアス電圧を250V以下の低バイ
アスとするのがよいという結果を得た。現像バイアス電
圧が高すぎるとトナーだけでなく、キャリアまでが現像
され、所謂キャリア引き現像が生じ、画像品質が低下す
る。これは特にキャリアの粒径が小さい場合に顕著であ
る。このような低バイアス電圧での現像には光キャリア
励起特性が良好で、キャリア移動度が高い等の優れた光
感度特性を有する本願発明に係る感光体が好適である。
【0080】就中、バインダー樹脂中に磁性体を分散し
た粒子の表面に、導電性層を形成した導電性磁性キャリ
アと、絶縁性トナーとを組合せた2成分系現像剤を用い
ると、感光体へのバイアス印加による帯電特性や画像濃
度の向上、残留トナーの効果的な回収等の特性に優れ、
極めて良好な記録画像が得られる。
【0081】次に実施例を個々詳述する。
【0082】(例1)外径30mmの透明な円筒状ガラ
ス基板の外周面に、透光性導電層4としてSnO2 層を
活性反応蒸着法により1000Åの厚みで形成し、次いでそ
の上に容量結合型グロー放電分解装置を用いて表1の成
膜条件によりa−Si1-X X 層5aを積層した。
【0083】
【表1】
【0084】次に電子ビーム蒸着法により500 Åに厚み
のAu層を蒸着し、その後に容量結合型グロー放電分解
装置を用いて表2の成膜条件によりキャリア輸送層と表
面層を順次積層して感光体Aを作製した。
【0085】
【表2】
【0086】この感光体Aを図1に示すような上記画像
形成装置に装着し、2成分現像剤を用い、また、ダイナ
ミックドライブ方式の発光波長685nm、解像度30
0DPI(ドット/インチ)のLEDヘッドを配し、そ
して、スリーブ12と透光性導電層4との間にVs=+
70Vの電圧を印加し、露光量0.7μJ/cm2 の条
件で画像露光を行い、感光体上にトナー像を形成し、そ
のトナー像を−300Vの転写バイアス電圧を印加した
転写ローラにより市販普通紙に転写し、熱定着を行って
画像を得た。この画像を評価したところ、光学濃度(以
下、O.D.と記す)が1.4の画像濃度を有し、バッ
クのかぶりもなく、解像度も300DPIの良好な画像
であった。
【0087】(例2)感光体Aを作製するに当たって、
透光性導電層4としてSnO2 層を形成する代わりに活
性反応蒸着法により1000Åの厚みのITO層を形成し、
感光体Bを作製した。
【0088】この感光体Bを(例1)と同様に画像形成
装置に装着し、画像評価したところ、O.D.が1.4
の画像濃度を有する画像が得られ、バックのかぶりもな
く、解像度も300DPIの良好な画像であった。
【0089】(例3)(例1)において、キャリア輸送
層として次の方法で作製した有機ポリシラン輸送層を形
成して、感光体Cを作製した。
【0090】フェニルメチルジクロロシラン100gに
金属ナトリウム0.3モルと脱水トルエン300gを加
えて120℃に加熱して攪拌し、その後冷却して得られ
た反応液にメチルアルコールを加え、これによって出来
た沈澱物を分離し、乾燥した後に、それをトルエンに溶
かしてメチルアルコール中に滴下して沈澱させて、フェ
ニルメチルポリシランを得た。このフェニルメチルポリ
シラン100重量部に低分子キャリア輸送剤としてポリ
シランと等しいイオン化電位をもつフェニレンジアミン
化合物(N,N,N',N'-テトラ(m−リトル)−m−
ジアミノベンゼン)を50重量部を溶剤としてのベンゼ
ンに加えて攪拌混合し、この溶液を浸漬法により塗布
し、その後に100℃で30分間熱風乾燥して約7μm
の厚みのキャリア輸送層を形成し、感光体Cを作製し
た。
【0091】この感光体Cを図1に示すような上記画像
形成装置に装着し、2成分現像剤を用い、また、ダイナ
ミックドライブ方式の発光波長685nm、解像度30
0DPI(ドット/インチ)のLEDヘッドを配し、そ
して、スリーブ12と透光性導電層4との間にVs=−
70Vの電圧を印加し、露光量0.7μJ/cm2 の条
件で画像露光を行い、感光体上にトナー像を形成し、そ
のトナー像を+300Vの転写バイアス電圧を印加した
転写ローラにより市販普通紙に転写し、熱定着を行って
画像を得た。この画像を評価したところ、O.D.が
1.4の画像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像
度も300DPIの良好な画像であった。
【0092】(例4)感光体Aを作製するに当たって、
Au層を設けないで他は同様に形成した感光体Dを作製
した。
【0093】この感光体Dの画像評価を行ったところ、
画像露光強度を約40%増加させないと感光体Aと同程
度の画像濃度と解像度が得られなかった。
【0094】
【発明の効果】以上の通り、本発明の画像形成装置によ
れば、それに搭載した感光体が、透光性導電層とa−S
1-X X 層と金属薄層との積層構造から成る光キャリ
ア励起層を有するものであり、これにより、光電流増倍
効果が生じ、高いキャリア励起効率が得られ、その結
果、高感度の感光体となる。
【0095】また、高感度の感光体を用いているので、
露光に光量の小さい光源を用いることができ、画像形成
装置の小型化、省電力化が図られ、また、プロセスの高
速化が可能となる。
【0096】更に上記感光体のキャリア輸送層を形成す
る材料を種々選択することにより正もしくは負の現像バ
イアス極性となり、更にa−Si1-X X 層への不純物
の添加により一層感度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子写真方法を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の電子写真方法の要部構成図である。
【図3】本発明に係わる感光体の層構成を示す断面図で
ある。
【図4】本発明に係わる感光体の層構成を示す断面図で
ある。
【図5】本発明に係わる表面導電化樹脂キャリアを示す
模式図である。
【図6】本発明に係わる表面導電化樹脂キャリアを示す
模式図である。
【符号の説明】
2 感光体 4 透光性導電層 5 光導電層 5a アモルファス化したSi1-X X 層 5b 金属薄層 5c 光キャリア励起層 5d キャリア輸送層 7 LEDヘッド 8 現像器 9 転写ローラ 10 イレース用光源 12 スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−294569(JP,A) 特開 平2−22262(JP,A) 特開 昭62−43653(JP,A) 特開 平2−230264(JP,A) 特開 平4−234062(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/08 G03G 15/05 G03G 15/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性支持体上に透光性導電層と光導電
    層とを順次積層して成る感光体と、該感光体の上記光導
    電層側に配設した現像手段と、該現像手段のスリーブと
    透光性導電層の間に現像バイアス電圧を印加するための
    手段と、上記感光体に現像剤による画像を形成するため
    上記透光性支持体側から光を照射する露光手段とを設け
    た画像形成装置において、前記光導電層がアモルファス
    化したSi1-X X (0≦X<0.5)層と金属薄層と
    を順次積層した光キャリア励起層と、該光キャリア励起
    層上に積層したキャリア輸送層とから成ることを特徴と
    する画像形成装置。
JP04230340A 1992-08-28 1992-08-28 画像形成装置 Expired - Lifetime JP3113404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04230340A JP3113404B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04230340A JP3113404B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0683147A JPH0683147A (ja) 1994-03-25
JP3113404B2 true JP3113404B2 (ja) 2000-11-27

Family

ID=16906315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04230340A Expired - Lifetime JP3113404B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3113404B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6233386B1 (en) 1998-06-24 2001-05-15 Samsung Electronica Co., Ltd. Optical fiber for use in Bragg grating and fiber Bragg grating using the same

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3650731B2 (ja) * 2000-10-16 2005-05-25 独立行政法人科学技術振興機構 光電流増倍型感光体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6233386B1 (en) 1998-06-24 2001-05-15 Samsung Electronica Co., Ltd. Optical fiber for use in Bragg grating and fiber Bragg grating using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0683147A (ja) 1994-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0492665A1 (en) Electroconductive magnetic carrier, developer using the same and image formation method
US4382118A (en) Electrophotographic member with transport layer having inorganic n-type particles
JP3113404B2 (ja) 画像形成装置
JP3046087B2 (ja) 画像形成装置
JPH07120953A (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成方法
EP0543672B1 (en) Electrophotographic method and photosensitive material used therefor
JPH07191529A (ja) 画像形成装置
JP3020698B2 (ja) 画像形成装置
JP3157891B2 (ja) 画像形成装置
JP3026390B2 (ja) 画像形成装置
JP3037487B2 (ja) 画像形成装置
JP3140115B2 (ja) 画像形成方法
JP3004106B2 (ja) 画像形成装置
JP3140116B2 (ja) 画像形成方法
JP2959599B2 (ja) 二成分現像剤および画像形成方法
JPH05241400A (ja) 画像形成装置
JP3000311B2 (ja) 画像形成装置
JP3300783B2 (ja) 感光体用ポリシラン化合物及びポリシラン化合物含有感光体並びに画像形成装置
JP2986030B2 (ja) 画像形成装置
JP3004114B2 (ja) 画像形成方法
JPH05150590A (ja) 画像形成装置
JPH0695454A (ja) 画像形成装置
JPH06230634A (ja) 画像形成装置
JPH05150538A (ja) 現像剤用導電性磁性キヤリア、現像剤および画像形成方法
JP2920668B2 (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070922

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term