JP3037487B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3037487B2
JP3037487B2 JP3317113A JP31711391A JP3037487B2 JP 3037487 B2 JP3037487 B2 JP 3037487B2 JP 3317113 A JP3317113 A JP 3317113A JP 31711391 A JP31711391 A JP 31711391A JP 3037487 B2 JP3037487 B2 JP 3037487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ帯電を不要とし
て露光と現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた
電子写真方式に用いられる画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置とし
ては、コロナ放電により感光体に帯電を行なうカールソ
ン方式が広く用いられている。この方式では、ドラム状
あるいはベルト状の感光体の周囲に、コロナ帯電器、露
光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電
手段等を配置し、帯電、露光、現像、転写、定着のプロ
セスを経て、記録紙上に画像を形成するため、装置の構
成や画像形成プロセスが複雑になり、コロナ放電用には
高電圧電源が必要であり、またコロナ放電のためにオゾ
ンが発生して周囲に悪影響を与える等の問題があった。
【0003】これらの問題に対して近時、コロナ放電を
不要とする電子写真方式が提案されている(特開昭58-4
4445号、特開昭58-153957 号、特開昭61-46961号、特開
昭62−280772号など)。
【0004】上記提案の電子写真方式によれば、透光性
支持体上に透光性導電層と光導電層とを順次積層したド
ラム状もしくはベルト状感光体に対して、透光性支持体
側より露光器により露光するとともに現像バイアス供給
用の電源によりバイアス電圧を印加した現像器上の導電
性磁性トナーからなる磁気ブラシでもって感光体表面を
摺擦させ、これによって帯電と露光と現像とをほぼ同時
に行ない、感光体上にトナー像を形成する。そのトナー
像は、転写ローラを用いて記録紙に転写され、定着手段
により定着されて記録画像となる。一方、感光体上に残
留したトナーは、現像器で回収され、再利用される。
【0005】これらの先行技術の中で、感光体の表面の
現像剤(トナー)との接触部における、トナー溜りの形
成と画像露光位置について述べているのは、特開昭62-2
80772 号、同62-209470 号、同61-46961号である。
【0006】特開昭62-280772 号では、現像剤の穂立ち
の位置の調整と、現像剤を感光体と同じ回転方向に速い
周速で供給することで、感光体の上流側(現像剤と接触
を始める側)にトナー溜りを形成し、露光は感光体がト
ナーと分離する所に近い位置で行なう。
【0007】特開昭62-209470 号では、現像剤を感光体
と逆方向に回転させ、感光体の下流側に現像剤溜りを形
成し、露光は現像剤溜りより上流側の現像手段との最近
接部位で行なう。
【0008】また、特開昭60-90357号では、現像器のス
リーブ上の感光体との最近接位置にスリーブとは電気的
に絶縁された対向電極を設けることが開示されており、
特開昭62-209470 号では、同じくスリーブ上の感光体と
の最近接位置にスリーブとは電気的に絶縁された記録電
極を設けることが開示されているが、いずれも、画像露
光はこれら電極部位において、感光体の透光性支持体側
から行なう。
【0009】また、このような電子写真方式において、
上記光導電層にアモルファスシリコン(以下アモルファ
スシリコンをa-Siと略す)層を用いることが提案されて
いる(特開昭63-240553 号、特開平2-106761号)。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等の実験によれば、上記提案の電子写真方式におい
ては、十分な画像濃度を有し、かつ高い画像品質を備え
た画像を得るのは困難であった。また、a-Si光導電層を
備えた感光体を用いた場合においても、その層厚を小さ
くして良好な画像を得ようとしても、未だ満足しえるよ
うな画像濃度が得られず、感光体の層構成の改善が必要
であった。
【0011】従って本発明の目的は、叙上の問題点を解
決し、コロナ放電を不要とする電子写真方式において十
分な画像濃度と高い画像品質を有する高信頼性かつ高品
質の画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、透光性支持体上に透光性導電層を形成し、該透光性
導電層上に形成した光導電層とからなる感光体と、感光
体の上記光導電層側に配設した現像手段と、現像手段の
スリーブと透光性導電層の間に現像バイアスを印加する
ための手段と、上記スリーブ上の感光体と対向する部位
に絶縁体を介して所定のバイアスが印加された導電体
と、上記感光体に現像剤による画像を形成するため上記
透光性支持体側から光を照射する露光手段とを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0013】また本発明では、感光体と現像剤とを逆方
向に回転させて、感光体と現像器との間の現像剤が入り
込む側に現像剤の溜りを形成するとともに、前記露光手
段が該現像剤の溜りと対応する感光体の部位を照射する
ようにしたことも特徴である。
【0014】この現像剤の溜りを安定して再現性良く得
るために、感光体と現像剤とを逆方向に回転させる。感
光体と現像剤を逆方向に回転させると、両者の摩擦によ
り現像器と感光体との最近接部位よりも下流側に現像剤
溜りが発生する。なお下流側とは感光体から見た下流側
で、感光体が現像剤から離れて行く側を意味する。
【0015】このようにして得た現像剤溜りは、現像剤
を感光体と同方向に回転させて現像剤の周速を感光体の
周速よりも大きくする場合よりも、安定で再現性が高
い。これは周速の差を利用して現像剤を押し込むより
も、逆方向回転での摩擦等により現像剤溜りを得る方が
容易で、再現性が高いためである。
【0016】次に本発明では、得られた現像剤溜りの部
分で露光を行ない、好ましくは、現像剤溜りの上流側よ
りも下流側で露光する。このようにすると、(1)露光
前の感光体と現像剤との接触距離が大きく、均一で十分
な帯電が得られ、この結果均一で十分な濃度のトナー像
が得られ、(2)露光前の現像剤と感光体との接触距離
が大きいため、感光体表面の残留トナーおよび画像背景
部に付着するトナーを十分に回収して地かぶりを小さく
し、(3)露光後に感光体は現像剤から速やかに離れる
ため、現像剤によって感光体の露光部が再帯電されるた
めに感光体とトナーの付着力が弱まり、感光体表面に付
着したトナーが現像手段に回収されてトナー濃度が低下
するといった問題を小さくし、(4)露光後に感光体は
現像剤から速やかに離れるため、感光体表面に形成され
たトナー像と現像剤との摩擦等の機械的な力によるトナ
ー像の乱れを小さくし、(5)露光位置での現像器と感
光体との距離が大きいため、現像器の磁力等による感光
体表面の付着トナーの回収やトナー像の乱れを小さくで
きる。
【0017】このように、現像剤の溜りを感光体下流側
に形成し、その溜りで露光を行なうと、帯電、露光、現
像のプロセスへの以前の履歴の影響が抑制され、均一な
画像形成が行なえる。
【0018】次に、現像器に制御電極を設ける場合、制
御電極の電位は現像器の導電性スリーブの電位とは独立
して設定できるようにする。また制御電極は露光位置の
上流側に設け、好ましくは現像器と感光体との最近接部
位に設ける。このようにすると、制御電極で感光体の表
面電位を均一に制御し、以前の履歴の影響を更に打ち消
すことができる。また制御電極の電位により、画像濃度
を制御し、地かぶりを解消することができる。これは制
御電極の電位で、感光体の帯電条件を制御できるからで
ある。
【0019】本発明者らは、この制御電極に印加する電
圧Veとスリーブに印加する電圧Vsとの大小関係を次
のように設定することで、現像剤による現像状態を大き
く変化させることが出来ることを見い出した。即ち、V
sとVeの設定により、以下のように現像状態を変化さ
せることが出来た。
【0020】 (1)Vs>>Ve(VsがVeより十分大きい) 感光体の以前の画像形成のプロセスの履歴を効果的に抑
制出来るが、バックのかぶりが発生することがある。
【0021】 (2)Vs>Ve、Vs=Ve、Vs<Ve(VsとV
eの差が小さい) バックのかぶりを効果的に除去し、画像濃度が高く、か
つ解像力の良好な画像が得られる。
【0022】 (3)Vs<<Ve(VsがVeより十分小さい) バックにトナーが付着し、露光部にトナーが付着せず、
いわゆる反転現像の画像が得られる。
【0023】更に、本発明においては、感光体の前歴を
より効果的に除去するために、転写工程を経て次の画像
形成プロセスに入る前に、感光体に除電光を照射するこ
とが望ましい。これにより、感光体上に直前に形成され
た画像が次の画像に影響を与える、いわゆる残像現象が
抑制でき、高い画像品質が得られる。この除電光は感光
体の内側および外側のどちらから照射してもよいが、画
像形成装置の小型化のためには、感光体の内側から透光
性支持体を通して照射するようにするのが望ましい。
【0024】また、現像剤として、導電性かつ磁性のキ
ャリアと絶縁性トナーとから成る2成分系現像剤を用い
ると、感光体への良好かつ均一な帯電及び安定した現像
が可能となり、しかも、現像されたトナーが絶縁性であ
るために静電転写により高い画像濃度で安定して普通紙
等の多様な記録紙に良好な記録画像を得ることができ、
更にカラートナーを用いた多色の記録画像も得られる。
このような現像剤を用いる場合には、現像バイアス電圧
を250V以下の低バイアスとするのが好ましい。この
現像バイアス電圧が高すぎると、トナーだけでなく、キ
ャリアまでが現像されて、所謂キャリア引き現象が生
じ、画像品質が低下する。これは特にキャリアの粒径が
小さい場合に顕著である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。図1
は本発明の電子写真方法による画像形成装置1を表す模
式図であり、図中、2は透光性支持体3上に透光性導電
層4と光導電層5と表面層6が積層されたドラム状の感
光体、7は露光手段としてのLEDヘッド、8は現像
器、9は転写ローラである。LEDヘッド7と現像器8
は、感光体2のある一部を介して、ほぼ対称的に配置さ
れる。10はイレース用光源としてのLEDアレイであ
り、感光体2の外側に配置してもよい。現像器8におい
ては、例えば8極の円柱状の磁極ローラ11と、その外
周に亘って配設された導電性スリーブ12とから成り、
更にトナー受13に貯蔵された現像剤としての1成分磁
性導電性トナーまたは導電性磁性キャリアと絶縁性トナ
ーとから成る2成分現像剤はスリーブ12の外周へ配送
され、磁気ブラシ14を形成する。また、スリーブ12
と透光性導電層4との間にはバイアス電源15が設けら
れ、その両者4、15の間に感光体2の電位特性に応じ
て+或いは−の0〜300Vの電圧を印加する。16は
感光体2の表面に形成されたトナー像、17は記録紙、
18は残留トナーである。これ以外に現像剤の回転手段
と感光体2の回転手段とを設ける。
【0026】かくして上記構成の画像形成装置によれ
ば、回転する感光体2の透光性支持体3側からLEDヘ
ッド7より画像露光の光を照射し、a-Si系光導電層5の
内部に正孔と電子を発生させると、現像器側に+のバイ
アス電圧を印加してあれば、そのバイアス電圧によって
電子はa-Si系光導電層5の表面側へ移動し、磁気ブラシ
14の末端の正電荷と打ち消し合い、感光体2の表面に
トナーが付着される。そして、そのトナーは転写ローラ
9により記録紙17上に転写され、次いで定着される。
【0027】露光手段にはここではLEDヘッドを用い
たが、レーザや液晶シャッタ、ELヘッド等を用いたも
のでも良い。イレース用光源10にも、LEDアレイの
他、ハロゲンランプや蛍光灯、ELアレイ等の光源が使
用可能である。
【0028】また図2は上記感光体2の一部と現像手段
8により形成される現像剤溜り19を表す説明図であ
る。
【0029】現像剤を保持させる現像器8は、導電性の
スリーブ12と、その内部に配置された磁極ローラ11
とから成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ11を固定し
てスリーブ12を回転してもよく、またはスリーブ12
を固定して内部の磁極ローラ11を回転しても良い。
【0030】ここで現像剤を感光体2と逆方向に回転さ
せると、両者の摩擦で現像器8と感光体2の最近接部位
よりも下流側(感光体が現像剤から離れる側)に現像剤
溜り19が生じる。現像剤溜り19は図の破線で区切っ
た部分である。即ち現像剤の本来の高さよりもはみ出し
た部分が現像剤溜り19であり、現像剤の搬送速度や現
像剤の高さ、スリーブ12と感光体2の表面とのギャッ
プ等は、感光体2の回転速度や必要とする現像剤溜り1
9の大きさに応じて適宜設定する。
【0031】20は制御電極であり、この制御電極20
はスリーブ12上で感光体2との最近接部位に設け、絶
縁体21でスリーブ12と絶縁する。制御電極20は、
感光体2や現像剤に均一な電界が加わるように、スリー
ブ12の長さ方向に沿った帯状とする。
【0032】現像剤には例えば導電性磁性トナーを用い
るが、これは磁気ブラシ14および現像剤溜り19を形
成し、必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でも良
く、導電性のキャリアと絶縁性のトナーとを所定の混合
比で混合して必要な導電率にした2成分の現像剤を用い
ても良い。
【0033】画像露光を行なう位置は、感光体2の表面
と現像スリーブ12との最近接位置Aではなく、感光体
2の逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り19の位
置Bとし、好ましくは現像剤溜り19の中でも下流側の
後半部とする。現像剤溜り19の位置で露光を行なうこ
とにより、露光までの間に感光体2の帯電が十分に行な
われ、帯電前の感光体2の電位の履歴の影響が抑えられ
ると共に、感光体2の表面の残留トナーや画像背景部の
トナーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体2が十
分に帯電されてから露光を行なって電荷を消失させるた
めに、現像剤と感光体2との電気的引力が強く、良好な
トナー像16が形成される。そして、トナー像16の形
成後は感光体2が現像剤溜り19から速やかに離れるた
め、感光体2の表面のトナー像16が現像剤の衝突や摩
擦等のような機械的な力により乱されることがなく、良
好な解像度のトナー像16が得られる。
【0034】現像剤溜り19の位置では、感光体2の表
面と現像スリーブ12とが最も近接する位置Aよりも、
感光体2の表面と磁極ローラ11の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ11の側に吸引する磁力
は弱く、感光体2の表面に形成されたトナー像16の一
部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃度が
低下したり、磁力により乱されて解像度が低下したりす
ることを防止できる。更に帯状の制御電極20を設け、
その電位を電源22により所定の電位に調整する。例え
ば制御電極20を接地し、透光性導電層4と共通電位に
する。あるいはスリーブ12の電位に対してその電位を
低くもしくは高く設定する。
【0035】このようにスリーブ12とは独立に電位を
印加できる制御電極20を設けると、感光体2の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体2の表面の
電位を揃え、以前のプロセスでの帯電や露光の有無等に
よる感光体2の履歴の影響を打ち消すことができる。こ
の結果、繰り返し使用時、例えば1枚の画像を得るため
に感光体2を数回転させる場合等に、安定した現像状態
と記録画像とが得られる。ここで制御電極20の電位を
調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適画像形
成条件を調整して得ることができる。また、制御電極2
0の電位を高くし、スリーブ12の電位を低くすること
により、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナー
が付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0036】感光体2の表面に形成されたトナー像16
は次いで記録紙17に転写され、定着されて記録画像と
なり、転写されずに感光体2の表面に残った残留トナー
18は、次の画像形成プロセスにおいて現像手段に回収
されて再利用される。
【0037】更に、転写後の感光体2にイレース用光源
10により除電光を照射することにより、以前のプロセ
スでの帯電や露光の有無等による感光体2の履歴の影響
をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時に
おける残像現象などの画像上の問題を抑制することが出
来る。また、感光体2の光導電層5と表面層6との界面
にトラップされたキャリアを消去し、感光体2とその表
面の残留トナーとの電気的な引力をなくして、残留トナ
ーを現像器8に回収され易くすることが出来る。
【0038】これらの図において、感光体2はドラム状
透光性支持体3の外周面に透光性導電層4を形成し、更
にその透光性導電層4の上に光導電層5および表面層6
を積層した構成である。
【0039】上記透光性支持体3を構成する材料には、
パイレックスガラス、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスな
ど、また石英、サファイアなどの無機質系、並びに弗素
樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ビニロン、エポキシ、マイラーなどの
有機樹脂系が挙げられる。
【0040】上記透光性導電層4を構成する材料には、
インジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫、酸化
鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などがあり、また半透明
になる程度に薄くしたAl、Ni、Auなどから成る金
属層を用いてもよい。その層形成法には真空蒸着法、活
性反応蒸着法、RFスパッタリング法、DCスパッタリ
ング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグ
ネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCV
D法、スプレー法、塗布法、浸漬法などがある。光導電
層5には、特にa-Si系光導電層を用いるのがよく、この
a-Si系層は、例えばグロー放電分解法、スパッタリング
法、ECR法、蒸着法などにより形成し、その形成に当
たってダングリングボンド終端用に水素(H)やハロゲ
ン元素を1〜40原子%含有させる。また、この層の暗
導電率や光導電率などの電気的特性、光学的バンドギャ
ップなどについて所望の特性を得るために、周期律表第
III a族元素(以下周期律表第III a族元素をIII a族
元素と略す)や第Va族元素(以下Va族元素と略す)
を含有させたり、カーボン(C)、窒素(N)、酸素
(O)等の元素を含有させるとよい。中でも、アモルフ
ァスシリコンカーバイド(以下アモルファスシリコンカ
ーバイドをa-SiC と略す)を光導電層 に用いる場合に
は、Si1-X x のx値を0<x≦0.5 、好適には0.05≦
x≦0.45の範囲に設定するとよく、この範囲であれば、
a-Si層よりも高抵抗となり、かつ良好なキャリアの走行
が確保できるという点で望ましい。III a族元素やVa
族元素としては、それぞれB元素やP元素が共有結合性
に優れて半導体特性を敏感に変え得る点で、その上優れ
た光感度が得られるという点で望ましい。
【0041】a-Si系光導電層5の厚みは、0.5〜20
μm、好適には1 〜15μmにすればよい。
【0042】表面層6には高抵抗表面層、特にa-SiC
や、アモルファスシリコンナイトライド(a-SiN )、ア
モルファスシリコンオキサイド(a-SiO )、アモルファ
スシリコンオキシカーバイド(a-SiCO)、アモルファス
シリコンオキシナイトライド(a-SiNO)などのa-Si系高
抵抗表面層を用いるのがよく、これらは光導電層5と同
様の薄膜形成手段により形成する。表面層6と光導電層
5にa-SiC を用いた場合には、光導電層5に含まれるカ
ーボン量に比べて表面層6のカーボンを多く含有させ
る。この表面層 におけるカーボン量は、Si1-X x
x値で0.3 <x<1.0 、好適には0.5 ≦x≦0.95の範囲
がよい。また、この高抵抗表面層6にも、電気的特性の
調整用としてIII a族元素やVa族元素を含有させても
よい。
【0043】表面層6の厚みは0.05〜5μm、好適には
0.1 〜3μmにすればよく、0.05μm未満の場合には、
この層6で十分な絶縁耐圧の向上や、光キャリアを効果
的にトラップしてトナー像の形成に寄与させることが出
来ず、また、繰り返し使用した場合、磨耗により寿命も
劣る。5μmを越えた場合には精細な電荷パターンを形
成するに当たって、この層6中で電界(電気力線)が膜
面方向に広がりを生じ、これにより、解像力の低下をき
たし、十分な解像度が得られない。また、表面に残留す
る電荷が多くなって残留電位が高くなるため、画像濃度
の低下やバックのかぶり或いは繰り返し使用における画
像濃度の変化等の問題が生じる。
【0044】本発明の画像形成装置の感光体2は、上述
した透光性導電層4とa-Si系光導電層5との間に更にキ
ャリア注入阻止層を形成してもよい。
【0045】上記キャリア注入阻止層はa-Si層またはa-
SiC 層のいずれでもよく、通常、光導電層5における光
キャリア発生に有効な光を吸収しないように、その光導
電層5に比べて光学的バンドギャップを大きくする必要
があり、そのために酸素また窒素などの元素を含有させ
るとよい。また、キャリア注入阻止層をa-SiC 層により
形成した場合、光導電層5に比べてカーボン量を多くす
るとよい。
【0046】またキャリア注入阻止層には透光性導電層
4から光導電層5へのキャリアの注入を阻止するために
不純物元素を含有させる。即ち、負電荷キャリアの注入
を阻止するためにはIII a族元素を1〜10,000ppm 、好
適には100 〜5,000ppm含有するとよく、一方、正電荷キ
ャリアの注入を阻止するためにはVa族元素を5,000ppm
以下、好適には300 〜3,000ppm含有するとよい。これら
の元素は層厚方向に亘って勾配を設けてもよく、その場
合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
【0047】このようにキャリア注入阻止層にIII a族
元素を含有した場合、正極性の現像バイアスが用いら
れ、他方、Va族元素を含有した場合、負極性の現像バ
イアスが用いられる。
【0048】III a族元素やVa族元素としては、それ
ぞれB元素やP元素が共有結合性に優れて半導体特性を
敏感に変え得る点で、その上優れた注入阻止能並びに光
感度が得られるという点で望ましい。また上記キャリア
注入阻止層の厚みは0.01〜3μm、好適には0.1 〜2μ
mの範囲内がよく、これにより、必要な絶縁耐圧が確保
し易く、またこの層での露光の不必要な吸収を抑制して
光導電層において光キャリアを有効に生成でき、しか
も、残留電位の上昇を抑制することができる。
【0049】上記キャリア注入阻止層には酸素及び/又
は窒素の各元素合計含有量が0.01〜30原子%の範囲内で
含有させた場合、透光性導電層4からのキャリアの注入
を更に一層阻止することができるとともに、その層4に
対する密着力も一段と高めることができる。
【0050】また、本発明者等は導電性かつ磁性のキャ
リアと絶縁性トナーとからなる2成分系現像剤を用いた
場合において、繰り返し実験を行ったところ、下記のよ
うな諸点を見出し、それを詳述する。
【0051】先ず、この現像剤を用いて画像形成する場
合には現像バイアス電圧を250V以下の低バイアスと
するのがよい。現像バイアス電圧が高すぎるとトナーだ
けでなく、キャリアまでが現像され、所謂キャリア引き
現像が生じ、画像品質が低下する。これは特にキャリア
の粒径が小さい場合に顕著である。このような低バイア
ス電圧での現像には光キャリア励起特性が良好で、キャ
リア移動度が高い等の優れた光感度特性を有するa−S
i系感光体が好適である。
【0052】就中、バインダー樹脂中に磁性体を分散し
た粒子の表面に、導電性層を形成した導電性磁性キャリ
アと、絶縁性トナーとを組合せた2成分系現像剤を用い
ると、感光体へのバイアス印加による帯電特性や画像濃
度の向上、残留トナーの効果的な回収等の特性に優れ、
極めて良好な記録画像が得られる。
【0053】このような2成分現像剤を用いた場合には
キャリアにより形成される磁気ブラシにトナーが付着し
ており、トナーが磁性トナーの場合は主として磁力によ
り、また非磁性トナーの場合には帯電によりキャリアに
付着している。
【0054】また、導電性磁性キャリアは、体積固有抵
抗が105 Ω・cm以下であることが適当であり、好適
には104 Ω・cm以下、最適には102 〜104 Ω・
cmである。体積固有抵抗が余り大きくなると、導電性
キャリアとしての特性が損なわれ、光背面露光記録にお
いて感光体への電荷の注入が速やかに行われず、感光体
の帯電が不十分となる。
【0055】なお、上記キャリアの体積固有抵抗は、底
部に電極を有する内径20mmのテフロン製筒体にキャ
リアを1.5g入れ、外径20mmの電極を挿入し、上
部から1kgの荷重を掛けて測定した時の値である。
【0056】更にまた、キャリアの磁力は、ある程度以
上に大きいことが必要であり、好ましくは5kOeの磁
場での最大磁化(磁束密度)が55emu/g以上、好
適には55〜90emu/g、最適には60〜85em
u/gである。また、1kOeの磁場での最大磁化は、
40emu/g以上が好適であり、より好適には40〜
60emu/gであり、最適には45〜60emu/g
である。キャリアの磁力が余り小さくなると、現像剤の
搬送性が劣化し、またキャリアがトナーとともに現像さ
れ、いわゆるキャリア引きを生じる。
【0057】キャリアの平均粒度は、5〜100μmが
好適であり、好ましくは5〜50μm、より好ましくは
10〜40μmである。キャリアが余り大きくなると感
光体を均一に帯電させることが困難となる。一方、余り
小さすぎると、現像スリーブ上の現像剤の搬送性が悪く
なり、また一定の電位を感光体に付与するのが難しくな
る。
【0058】導電性磁性キャリアとしては、例えば以下
のものを用いることができる。
【0059】(1)磁性体粉体をそのまま、あるいは表
面酸化処理、表面樹脂コーティング等の安定化処理を施
して用いる磁性粉体キャリア。
【0060】(2)バインダー樹脂に磁性体を含有せし
めた母粒子の表面に、導電層を形成した表面導電化樹脂
キャリア。
【0061】(3)磁性体粉体の表面に導電層を形成し
た、表面導電化粉体キャリア。
【0062】上記磁性粉体キャリアにおける磁性体とし
ては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェラ
イト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一
種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウ
ムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、
表面が酸化処理または樹脂コート処理された鉄や合金の
粒子を用いることができる。その形状は、粒状、球状、
針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合
には、鉄等の強磁性微粒子を用いることができる。ま
た、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガン
マ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライ
ト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒
子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含
有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有するキ
ャリアを得ることができる。
【0063】図3は表面導電化樹脂キャリア23の実施
例を示す模式図であり、磁性体粒子24がバインダー樹
脂中に均一に分散されてなるキャリア母粒子25の表面
に、導電性微粒子26が固定されて導電層を形成し、キ
ャリア23が構成されている。キャリア母粒子25に用
いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂
に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイ
ロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が用いられる。
【0064】磁性体粒子24としては、磁性粉体キャリ
アと同様のものが用いられる。磁性体粒子24はキャリ
ア母粒子25中の70〜90重量%を占める量で添加す
ることが適当である。 導電性微粒子26としては、カ
ーボンブラック、酸化スズ、導電性酸化チタン(酸化チ
タンに導電性材料をコーティングしたもの)、炭化ケイ
素などが用いられ、空気中の酸素による酸化によって導
電性を失わないものが望ましい。
【0065】キャリア母粒子25の表面への導電性微粒
子26の固着は、例えばキャリア母粒子25と導電性微
粒子26とを均一混合し、キャリア母粒子25の表面に
導電性微粒子26を付着させた後、機械的・熱的な衝撃
力を与え導電性微粒子26をキャリア母粒子25中に打
ち込むようにして固定することにより行われる。導電性
微粒子26は、キャリア母粒子25中に完全に埋設され
るのではなく、その一部をキャリア母粒子25から突き
出すようにして固定される。
【0066】このようにキャリア23の表面に導電性微
粒子を固定して導電層を形成することにより、効率的に
キャリア23に高い導電性を付与できる。またキャリア
母粒子25中には導電性微粒子26を配合する必要がな
いので、それだけ多くの磁性体粒子24をキャリア母粒
子25中に配合でき、キャリア23の磁力を大きくする
ことができる。
【0067】図7は、導電化樹脂キャリアの他の実施例
を示す模式図であり、磁性体粒子24がバインダー樹脂
中に均一に分散されてなる図6と同様のキャリア母粒子
25の表面に、導電性薄膜27が形成されて導電層を形
成し、キャリア23が構成されている。
【0068】表面導電化粉体キャリアにおいては、例え
ば以下の方法で表面導電層を形成することができる。
【0069】(1)導電化樹脂キャリアと同様にして導
電性薄膜を形成する。
【0070】(2)磁性体粉体の表面を樹脂コーティン
グしたのち、この樹脂コーティング層に対して導電性樹
脂キャリアと同様にして導電性微粒子を固定する。
【0071】また、キャリアの真密度は、磁性粉体キャ
リアの場合は使用した磁性体によって決まり、表面導電
化粉体キャリアの場合も実質的に同様である。また導電
化樹脂キャリアの真密度は、3.0〜4.5g/cm3
の範囲が好適である。嵩密度は2.5g/cm3 以下が
好適であり、好ましくは2.0g/cm3 以下、より好
ましくは1.5g/cm3 以下である。上記のキャリア
とトナーとを混合して現像剤とする。トナーとしては通
常の絶縁性トナーが用いられ、好ましくは体積固有抵抗
が1014Ω・cm以上のものであり、好ましくは1015
Ω・cm以上である。この値は、キャリアの場合と同様
に測定される。トナーとしては、従来と同様の構成のも
のが用いられ、例えば、バインダー樹脂、着色剤、電荷
制御剤、オフセット防止剤などを配合することができ
る。また、磁性体を添加して磁性トナーとすることもで
き、トナーの機内飛散の防止に有効である。
【0072】バインダー樹脂としては、スチレン・アク
リル共重合物等のポリスチレン系樹脂に代表されるビニ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が用いられる。
【0073】着色剤としてはカーボンブラックをはじめ
各種の顔料、染料が、荷電制御剤としては第4級アンモ
ニウム化合物、ニグロシン、ニグロシン塩基、クリスタ
ルバイオレット、トリフェニルメタン化合物等が、オフ
セット防止剤、定着向上助剤としては低分子量ポリプロ
ピレン、低分子ポリエチレンあるいはその変性物等のオ
レフィンワックス、磁性体としてはマグネタイト、フェ
ライトなどが使用できる。
【0074】また図6に示したキャリア23と同様に、
トナー母粒子の表面に帯電性微粒子を固着せしめてトナ
ーとすることにより、トナーの帯電特性を制御すること
もできる。
【0075】更に本発明によれば、現像剤としての体積
固有抵抗は106Ω・cm以下が好適であり、好ましく
は105 Ω・cm以下、より好ましくは103 〜105
Ω・cmである。この値は、キャリアと同様にして測定
される。抵抗が大きくなりすぎると、感光体の帯電が不
十分となる。
【0076】2成分現像剤としての電気抵抗は、トナー
とキャリアの電気抵抗、トナー濃度、トナーとキャリア
の粒度比、真密度によっても変化する。
【0077】また表面導電化樹脂キャリアを用いた場合
の現像剤のトナー濃度(トナー/キャリア、即ちT/
C)は、10重量%以上が好適であり、好ましくは20
重量%以上、より好ましくは20〜50重量%である。
トナー濃度が低すぎると、本発明の画像記録方式に適用
した場合に十分な画像濃度が得られなくなる。一方、ト
ナー濃度が高すぎると、感光体の帯電が不十分となる。
なお、本発明の画像形成方法では、トナー濃度T/Cの
広い範囲でほぼ同様な画像濃度が得られるので、トナー
濃度の制御を実質上不要または大幅に簡略化することが
できる。
【0078】導電化樹脂キャリアを用いた現像剤では、
キャリアとトナーの平均粒径の比(キャリア)/(トナ
ー)を、1〜5とすることが好適であり、好ましくは1
〜3である。キャリアに比べてトナーが著しく小さくな
ると、一定トナー濃度の場合にトナーによって覆われる
キャリアの表面積が増加し、感光体ドラムを十分に帯電
されることができなくなる。その結果、本発明の画像形
成方法に適用した場合に条件によっては画像濃度が低下
する場合がある。なお、トナーの平均粒径は一般に20
μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以下であ
る。
【0079】次に実施例を個々詳述する。
【0080】(例1)透明な円筒状ガラス基板の周面
に、透光性導電層4としてITO層を活性反応蒸着法に
より1000Aの厚みで形成し、次いでその上に容量結合型
グロー放電分解装置を用いて表1の成膜条件によりa-Si
注入阻止層、a-Si光導電層、a-SiC 表面層を順次積層し
て、感光体Aを作製した。
【0081】
【表1】
【0082】この感光体Aを図1に示すような画像形成
装置に装着し、そして、スリーブ12と透光性導電層4
との間にVs=+20Vの電圧を印加し、制御電極20を
接地して(Ve=0V)、透光性導電層4と同電位にし
ながら、波長660nm、露光量0.5 μJ/cm2 の条
件で画像露光を行い、感光体上にトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録紙に転写し、熱定着を行って画像を得
た。なお、現像剤には、1成分導電性磁性トナー(抵抗
率103 Ω・ cm)を用い、現像剤を感光体2と逆方向
に回転させて現像剤溜り19を形成し、その部位に露光
を行なった。この画像を評価したところ、光学濃度(以
下、O.D.と記す)が1.2 の画像濃度を有し、バック
のかぶりのない解像度の良好な画像であった。
【0083】(例2)次に(例1)の画像評価におい
て、Veはそのままで、Vsを+30Vに上げて画像形
成を行なったところ、画像濃度はO.D.が1.4 と向上
したが、バックのかぶりが生じた。
【0084】(例3)次に(例2)の画像評価におい
て、Vsは+30Vのままで、Veを+15Vから+4
0Vまで変化させて画像形成を行なったところ、いずれ
もO.D.が1.4 の画像濃度を有し、バックのかぶりが
消えた、解像力の良好な画像が得られた。これにより、
制御電極20の電位Veの設定によって、バックのかぶ
りが制御できることが確認できた。
【0085】(例4)次に(例1)の画像評価におい
て、Ve=+30Vに設定し、Vsを+20Vから+1
0Vに下げて画像形成を行なったところ、(例1)から
(例3)の画像とはトナー付着が逆になり、非露光部に
トナーが付着し、露光部にトナーが付着せず、いわゆる
反転現像の画像が得られた。
【0086】これにより、制御電極20の電位Veとス
リーブ12の電位Vsの設定により、正規現像の画像か
ら反転現像の画像までが得られ、画像形成の状態を大き
く変化させて制御できることが確認できた。
【0087】(例5)透明な円筒状ガラス基板の周面
に、透光性導電層4としてITO層を活性反応蒸着法に
より1000Aの厚みで形成し、次いでその上に容量結合型
グロー放電分解装置を用いて表2の成膜条件によりa-Si
注入阻止層、a-Si光導電層、a-SiC 表面層を順次積層し
て、感光体Bを作製した。
【0088】
【表2】
【0089】この画像評価を行うに当たって、次の導電
性磁性キャリアと絶縁性トナーからなる2成分現像剤を
用いて画像評価を行った。
【0090】この導電性かつ磁性のキャリアは、以下の
ようにして調整した。スチレン/アクリル酸n−ブチル
共重合体(共重合比80/20)25重量部とマグネタ
イト75重量部とを混練し、ジェットミルで粉砕し、分
級して平均粒径23μmのキャリア母粒子を得た。キャ
リア母粒子100重量部に対し、2重量部の導電性カー
ボンブラック(平均粒径20〜30nm)をヘンシェル
ミキサーで混合し、キャリア母粒子の表面に均一に付着
させた。次いで表面処理装置(ハイブリタイザー,奈良
機械製作所製)を用い、機械的衝撃力によりカーボンブ
ラック粒子を母粒子表面に均一に固着させた。この導電
性かつ磁性のキャリアの性状は、体積固有抵抗が2×1
3 Ω・cmで、最大磁化(5kOeで測定)が60e
mu/gであった。
【0091】スチレン/アクリル酸n−ブチル共重合体
(共重合比80/20)73重量部と、マグネタイト1
5重量部と、カーボンブラック5重量部と、ポリプロピ
レンワックス5重量部、荷電制御剤2重量部を混練し、
ジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径7μmの絶縁
性トナーを得た。上記のキャリア70重量部と、トナー
30重量部を、均一混合して現像剤とした。現像剤の体
積固有抵抗は3×10 4 Ω、現像剤溜まりで測定したダ
イナミックな抵抗は5×105 Ωであった。
【0092】上記各感光体を光背面記録方式の画像形成
装置に装着し、現像バイアス電圧を+50Vとし、制御
電極を接地して(Ve=0V)、−200Vの転写バイ
アス電圧を転写ローラに印加して市販普通紙に転写し、
熱定着を行って画像形成したところ、いずれも画像濃度
が1.4と高く、地かぶりがなく、解像度が良好な画像
が得られた。
【0093】
【発明の効果】以上の通り、本発明の画像形成装置によ
れば、 (1)現像剤の溜りを、感光体の回転方向において現像
手段との下流側に形成することにより、感光体への帯電
が十分に行なわれて画像露光により十分な濃度のトナー
像が形成され、また地かぶりの原因となる感光体表面の
残留トナーを十分に現像手段に回収することができるた
め、地かぶりのない良好なコントラストの画像が得られ
る。また感光体への帯電を均一に行なうことにより、以
前の露光の有無等の履歴による帯電の不均一さを解消
し、繰り返し画像形成を行なう場合にも鮮明な画像が得
られる。
【0094】(2)現像剤の溜りの部分で画像露光を行
なうことにより、画像露光後の感光体表面は速やかに現
像剤と離れるため、感光体上に形成されたトナー像が現
像剤との衝突や摩擦等の現像剤からの攪乱で乱されるこ
とがなく、解像力の良好な画像が得られる。
【0095】(3)現像剤の溜りの部分で露光を行なう
ことにより、露光部と現像手段との間隔を大きくし、現
像手段の磁力等による画像の乱れを防止できる。
【0096】(4)感光体の下流側の現像剤の溜りは、
感光体と現像剤供給の回転方向を逆にすることにより、
簡単に形成することができ、複雑な構造の現像手段や調
整手段を必要とせずに、良好な画像が得られる。
【0097】(5)現像器のスリーブ12上に、スリー
ブ12の電位とは独立して電位を設定できる制御電極を
設けることにより、感光体の電位を露光前に均一化して
以前の履歴の影響を小さくしたり、画像濃度の制御や地
かぶりの防止を行なったり、更には反転現像の画像形成
を行なうことが、各々の電位設定により簡便に行なうこ
とができる。
【0098】また本発明によれば、a-Si系光導電層の上
にa-SiC高抵抗表面層を積層して耐磨耗性及び耐環境性
を高めるとともに、キャリア注入阻止層を形成して光感
度や絶縁耐圧や感光体層の密着性を高めた画像形成装置
を提供することもできた。
【0099】更にまた本発明によれば、現像剤として、
導電性かつ磁性のキャリアと絶縁性トナーとから成る2
成分系現像剤を用いると、感光体への良好かつ均一な帯
電及び安定した現像が可能となり、しかも、現像された
トナーが絶縁性であるために静電転写により高い画像濃
度で安定して普通紙等の多様な記録紙に良好な記録画像
を得ることができ、更にカラートナーを用いた多色の記
録画像も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子写真方法を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の電子写真方法の要部構成図である。
【図3】本発明に係わる表面導電化樹脂キャリアを示す
模式図である。
【図4】本発明に係わる表面導電化樹脂キャリアを示す
模式図である。
【符号の説明】
2 感光体 7 LEDヘッド 8 現像器 9 転写ローラ 10 イレース用光源 4 透光性導電層 5 光導電層 6 表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 浩 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の 6 京セラ株式会社滋賀八日市工場内 (56)参考文献 特開 平1−292365(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性支持体上に透光性導電層と光導電層
    とを順次積層して成る感光体に、該感光体の上記光導電
    層側に配設した現像手段と、該現像手段のスリーブと透
    光性導電層の間に現像バイアス電圧を印加するための手
    段と、上記感光体に現像剤による画像を形成するため上
    記透光性支持体側から光を照射する露光手段とを設ける
    とともに、現像手段と感光体との最近接部位における
    記スリーブ上の感光体と対向する部位に絶縁体を介して
    所定のバイアスが電圧印加された導電体を配設し、且つ
    感光体の移動に伴う上記最近接部位よりも下流側に現像
    溜りを設け、該現像溜りに対し露光手段により光照射す
    るように成した画像形成装置。
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