JPH05150590A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH05150590A
JPH05150590A JP31714991A JP31714991A JPH05150590A JP H05150590 A JPH05150590 A JP H05150590A JP 31714991 A JP31714991 A JP 31714991A JP 31714991 A JP31714991 A JP 31714991A JP H05150590 A JPH05150590 A JP H05150590A
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light
image
carrier
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JP31714991A
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Hiroshi Ito
浩 伊藤
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コロナ放電を不要にするとともに、十分な画
像濃度と良好な画像品質を有する画像形成装置を提供す
る。 【構成】 透光性支持体上に透光性導電層と光導電層を
積層した感光体と、該感光体の上記光導電層側に配設し
た現像手段と、上記感光体に現像剤による画像を形成さ
せるべく上記透光性支持体側から画像露光光を照射する
光源とから成るとともに、上記光導電層上に該光導電層
を通過した画像露光光を吸収する光吸収層を形成して成
る画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ帯電を不要とし
て露光と現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた
電子写真方式に用いられる画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置とし
ては、コロナ放電により感光体に帯電を行なうカールソ
ン方式が広く用いられている。この方式では、ドラム状
あるいはベルト状の感光体の周囲に、コロナ帯電器、露
光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電
手段等を配置し、帯電、露光、現像、転写、定着のプロ
セスを経て、記録紙上に画像を形成するため、装置の構
成や画像形成プロセスが複雑になり、コロナ放電用には
高電圧電源が必要であり、またコロナ放電のためにオゾ
ンが発生して周囲に悪影響を与える等の問題があった。
【0003】これらの問題に対して近時、コロナ放電を
不要とする電子写真方式が提案されている(特開昭58-4
4445号、特開昭58-153957 号、特開昭61-46961号、特開
昭62−280772号など)。
【0004】上記提案の電子写真方式によれば、透光性
支持体上に透光性導電層と光導電層とを順次積層したド
ラム状もしくはベルト状感光体に対して、透光性支持体
側より露光器により露光するとともに現像バイアス供給
用の電源によりバイアス電圧を印加した現像器上の導電
性磁性トナーからなる磁気ブラシでもって感光体表面を
摺擦させ、これによって帯電と露光と現像とをほぼ同時
に行ない、感光体上にトナー像を形成する。そのトナー
像は、転写ローラを用いて記録紙に転写され、定着手段
により定着されて記録画像となる。一方、感光体上に残
留したトナーは、現像器で回収され、再利用される。
【0005】また、このような電子写真方式において、
上記光導電層にアモルファスシリコン(以下アモルファ
スシリコンをa-Siと略す)層を用いることが提案されて
いる(特開昭63-240553 号、特開平2-106761号)。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等の実験によれば、上記提案の電子写真方式におい
ては、感光体へのバイアス印加で画像形成が行えるた
め、感光体層の層厚をカールソン方式に用いる場合より
も薄くできるが、その反面、耐電圧の点から層厚を薄く
するだけでは画像露光に対する光吸収量が減少し、特に
長波長の露光光では、感光体層を透過する光量が顕著に
増加する。そのために、この透過光は、感光体層で反射
を繰り返したり、或いは現像スリーブ等の表面で反射し
て感光体に再入射することによって、画像の解像度の低
下を引き起こすという問題点があった。先行技術として
は、特開昭62-138864 号公報があるが、この公報によれ
ば、光導電層を画像露光手段の光波長に高感度を有する
一方の光導電層と、除電光源の光波長に高感度で画像露
光手段の光波長に低感度を有する他方の光導電層とを積
層する構成であり、画像形成時に画像露光に低感度な他
方の光導電層を絶縁体として作用させて十分な画像濃度
を得るというもので、感光体層で十分に吸収されないで
透過する光が増加した場合の問題点、即ち、その透過光
の増加による解像度の低下という問題点については何ら
記載されていない。
【0007】本発明者は上述した電子写真方式におい
て、種々の実験を繰り返し行ったところ、画像露光手段
としてLEDヘッドを用いた場合、そのLEDは700
nm以上の長波長側で発光効率や発光出力が高く、量産
性も高いが、その反面、感光体層の光吸収や光感度は長
波長になる程低下する傾向にあり、特にa−Si感光体
では不利となる。本電子写真方式では低バイアスで良好
な画像形成が可能な感光体層の層厚として、a−Si感
光体層では3μm程度まで薄くすることが出来るが、そ
の反面、この層厚での光透過率は685nmでは30
%、710nmでは60%にも達し、感光体層内での反
射や透過光の外部からの反射による解像度の低下が問題
となることが判明した。また、このような光透過という
問題は、短波長側での露光においてもプロセススピード
の高速化のために露光強度を高めていくと、同様な問題
となることが判った。
【0008】従って本発明の目的は、叙上の問題点を解
決し、コロナ放電を不要とする電子写真方式において十
分な画像濃度と良好な解像度を有する画像形成装置を提
供することにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、透光性支持体上に透光性導電層を形成し、その透光
性導電層上に光導電層を積層した感光体と、その感光体
の上記光導電層側に配設した現像手段と、上記感光体に
現像剤による画像を形成させるべく上記透光性支持体側
から画像露光光を照射する光源とから成るとともに、上
記光導電層上に光導電層を通過した画像露光光を吸収す
る光吸収層を形成して成る構成を特徴とするものであ
る。
【0010】この光吸収層は光導電層を透過した画像露
光光を吸収させるために、その光吸収層の光学的バンド
ギャップEgoptを小さくする必要がある。光導電層をa
−Siにより形成した場合には、光吸収層をアモルファ
スシリコンゲルマニウムやアモルファスシリコンスズに
より形成したり、或いはグロー放電によってa−Siに
より形成するのであれば、更に基板温度や高周波電力を
高めればよい。a−Si層のEgoptは1.6〜1.7e
Vであり、これに対する光吸収層のEgoptは1.0〜
1.6eVに設定できる。
【0011】本発明では、現像手段の現像剤溜りを安定
して再現性良く得るために、感光体と現像剤とを逆方向
に回転させる。感光体と現像剤を逆方向に回転させる
と、両者の摩擦により現像手段と感光体との最近接部位
よりも下流側に現像剤溜りが発生する。なお、下流側と
は感光体から見た下流側で、感光体が現像剤から離れて
行く側を意味する。
【0012】このようにして得た現像剤溜りは、現像剤
を感光体と同方向に回転させ、現像剤の周速を感光体の
周速よりも大きくする場合よりも、安定で再現性が高
い。これは周速の差を利用して現像剤を押し込むより
も、逆方向回転での摩擦等により現像剤溜りを得る方が
容易で、再現性が高いためである。
【0013】ここで、現像手段の感光体と対向する現像
器のスリーブ表面上に制御電極を設けるとともに、制御
電極の電位を現像手段の電位と独立に設定するための電
圧印加手段を設けるのが好ましい。
【0014】次に本発明では、得られた現像剤溜りの部
分で露光を行ない、好ましくは、現像剤溜りの上流側よ
りも下流側で露光する。このようにすると、(1)露光
前の感光体と現像剤との接触距離が大きく、均一で十分
な帯電が得られ、この結果均一で十分な濃度のトナー像
が得られ、(2)露光前の現像剤と感光体との接触距離
が大きいため、感光体表面の残留トナーおよび画像背景
部に付着するトナーを十分に回収して地かぶりを小さく
し、(3)露光後に感光体は現像剤から速やかに離れる
ため、現像剤によって感光体の露光部が再帯電されるた
めに感光体とトナーの付着力が弱まり、感光体表面に付
着したトナーが現像手段に回収されてトナー濃度が低下
するといった問題を小さくし、(4)露光後に感光体は
現像剤から速やかに離れるため、感光体表面に形成され
たトナー像と現像剤との摩擦等の機械的な力によるトナ
ー像の乱れを小さくし、(5)露光位置での現像手段と
感光体との距離が大きいため、現像手段の磁力等による
感光体表面のトナー像を形成した付着トナーの回収やト
ナー像の乱れを小さくできる。
【0015】このように現像剤の溜りを感光体下流側に
形成し、その溜りで露光を行なうと、帯電、露光、現像
のプロセスへの以前の履歴の影響が抑制され、均一な画
像形成が行なえる。
【0016】次に、現像器に制御電極を設ける場合、制
御電極の電位は現像器の導電性スリーブの電位とは独立
して設定できるようにする。また制御電極は露光位置の
上流側に設け、好ましくは現像器と感光体との最近接部
位に設ける。このようにすると、制御電極で感光体の表
面電位を均一に制御し、以前の履歴の影響を更に打ち消
すことができる。また制御電極の電位により、画像濃度
を制御し、地かぶりを解消することができる。これは制
御電極の電位で、感光体の帯電条件を制御できるからで
ある。
【0017】更に本発明においては、感光体の前歴をよ
り効果的に除去するために、転写工程を経て次の画像形
成プロセスに入る前に、感光体に除電光を照射すること
が望ましい。これにより、感光体上に直前に形成された
画像が次の画像に影響を与える、いわゆる残像現象が抑
制でき、高い画像品質が得られる。この除電光は感光体
の内側および外側のどちらから照射してもよいが、画像
形成装置の小型化のためには、感光体の内側から透光性
支持体を通して照射するようにするのが望ましい。
【0018】また、現像剤として、導電性かつ磁性のキ
ャリアと絶縁性トナーとから成る2成分系現像剤を用い
ると、感光体への良好かつ均一な帯電及び安定した現像
が可能となり、しかも、現像されたトナーが絶縁性であ
るために静電転写により高い画像濃度で安定して普通紙
等の多様な記録紙に転写できて良好な記録画像を得るこ
とができる。このような現像剤を用いる場合には、現像
バイアス電圧を250V以下の低バイアスとするのが好
ましい。この現像バイアス電圧が高すぎると、トナーだ
けでなく、キャリアまでが現像されて、所謂キャリア引
き現象が生じ、画像品質が低下する。これは特にキャリ
アの粒径が小さい場合に顕著である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0020】図1は本発明の電子写真方法による画像形
成装置1を表す模式図であり、図中、2は透光性支持体
3上に透光性導電層4と光導電層5と光吸収層6が積層
されたドラム状の感光体、7は露光手段としてのLED
ヘッド、8は現像器、9は転写ローラである。LEDヘ
ッド7と現像器8は、感光体2のある一部を介して、ほ
ぼ対称的に配置される。10はイレース用光源としての
LEDアレイであり、感光体2の外側に配置してもよ
い。現像器8においては、例えば8極の円柱状の磁極ロ
ーラ11と、その外周に亘って配設された導電性スリー
ブ12とから成り、更にトナー受13に貯蔵された現像
剤としての例えば1成分磁性導電性トナーあるいは導電
性磁性キャリアと絶縁性トナーとからなる2成分現像剤
はスリーブ12の外周へ配送され、磁気ブラシ14を形
成する。また、スリーブ12と透光性導電層4との間に
はバイアス電源15が設けられ、その両者4、15の間
に感光体2の電位特性に応じて+或いは−の0〜300
Vの電圧を印加する。16は感光体2の表面に形成され
たトナー像、17は記録紙、18は残留トナーである。
これ以外に現像剤の回転手段と感光体2の回転手段とを
設ける。
【0021】かくして上記構成の画像形成装置によれ
ば、回転する感光体2の透光性支持体3側からLEDヘ
ッド7より画像露光の光を照射し、a-Si系光導電層5の
内部に正孔と電子を発生させると、現像器8側に+のバ
イアス電圧を印加してあれば、そのバイアス電圧によっ
て電子はa-Si系光導電層5の表面側へ移動し、磁気ブラ
シ14の末端の正電荷と打ち消し合い、感光体2の表面
にトナーが付着される。そして、そのトナーは転写ロー
ラ9により記録紙17上に転写され、次いで定着され
る。
【0022】露光手段にはここではLEDヘッドを用い
たが、ELヘッドやレーザ、また蛍光体ドットアレイヘ
ッド、プラズマイメージバー、液晶シャッタ等を用いた
ものでも良い。イレース用光源10にも、LEDアレイ
の他、ハロゲンランプや蛍光灯、ELアレイ等の光源が
使用可能である。
【0023】また図2は上記感光体2の一部と現像手段
8により形成される現像剤溜り19を表す説明図であ
る。
【0024】現像剤を保持させる現像器8は、導電性の
スリーブ12と、その内部に配置された磁極ローラ11
とから成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ11を固定し
てスリーブ12を回転してもよく、またはスリーブ12
を固定して内部の磁極ローラ11を回転しても良い。
【0025】ここで現像剤を感光体2と逆方向に回転さ
せると、両者の摩擦で現像器8と感光体2の最近接部位
よりも下流側(感光体が現像剤から離れて行く側)に現
像剤溜り19が生じる。現像剤溜り19は図の破線で区
切った部分である。即ち現像剤の本来の高さよりもはみ
出した部分が現像剤溜り19であり、現像剤の搬送速度
や現像剤の高さ、スリーブ12と感光体2の表面とのギ
ャップ等は、感光体2の回転速度や必要とする現像剤溜
り19の大きさに応じて適宜設定する。
【0026】20は制御電極であり、この制御電極20
はスリーブ12上で感光体2との最近接部位に設け、絶
縁体21でスリーブ12と絶縁する。制御電極20は、
感光体2や現像剤に均一な電界が加わるように、スリー
ブ12の長さ方向に沿った帯状とする。
【0027】現像剤には例えば導電性磁性トナーを用い
るが、これは磁気ブラシ14および現像剤溜り19を形
成し、必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でもよ
い。しかし、好適には導電性かつ磁性のキャリアと絶縁
性トナーとからなる2成分系現像剤を用いるのがよい。
この2成分系現像剤を用いると感光体への良好かつ均一
な帯電及び安定した現像が可能となり、また、現像され
たトナーが絶縁性であるために静電転写により高い画像
濃度で安定して普通紙等の多様な記録紙に良好な記録画
像を得ることができる。
【0028】画像露光を行なう位置は、感光体2の表面
と現像スリーブ12との最近接位置Aではなく、感光体
2との逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り19の
位置Bとし、好ましくは現像剤溜り19の中でも下流側
の後半部とする。現像剤溜り19の位置で露光を行なう
ことにより、露光までの間に感光体2の帯電が十分に行
なわれ、帯電前の感光体2の電位の履歴の影響が抑えら
れると共に、感光体2の表面の残留トナーや画像背景部
のトナーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体2が
十分に帯電されてから露光を行なって電荷を消失させる
ために、現像剤と感光体2との電気的引力が強く、良好
なトナー像16が形成される。そして、トナー像16の
形成後は感光体2が現像剤溜り19から速やかに離れる
ため、感光体2の表面のトナー像16が現像剤の衝突や
摩擦等のような機械的な力により乱されることがなく、
良好な解像度のトナー像16が得られる。
【0029】現像剤溜り19の位置では、感光体2の表
面と現像スリーブ12とが最も近接する位置Aよりも、
感光体2の表面と磁極ローラ11の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ11の側に吸引する磁力
は弱くなり、感光体2の表面に形成されたトナー像16
の一部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃
度が低下したり、磁力により乱されて解像度が低下した
りすることを防止できる。 更に帯状の制御電極20を
設け、その電位を電源22により所定の電位に調整す
る。例えば制御電極20を接地し、透光性導電層4と共
通電位にする。あるいはスリーブ12の電位に対してそ
の電位を低くもしくは高く設定する。
【0030】このようにスリーブ12とは独立に電位を
印加できる制御電極20を設けると、感光体2の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体2の表面の
電位を揃え、以前のプロセスでの帯電や露光の有無等に
よる感光体2の履歴の影響を打ち消すことができる。こ
の結果、繰り返し使用時、例えば1枚の画像を得るため
に感光体2を数回転させる場合等に、安定した現像状態
と記録画像とが得られる。ここで制御電極20の電位を
調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適画像形
成条件を調整して得ることができる。また、制御電極2
0の電位を高くし、スリーブ12の電位を低くすること
により、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナー
が付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0031】感光体2の表面に形成されたトナー像16
は次いで記録紙17に転写され、定着されて記録画像と
なり、転写されずに感光体2の表面に残った残留トナー
18は、次の画像形成プロセスにおいて現像手段に回収
されて再利用される。
【0032】更に、転写後の感光体2にイレース用光源
10により除電光を照射することにより、以前のプロセ
スでの帯電や露光の有無等による感光体2の履歴の影響
をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時に
おける残像現象などの画像上の問題を抑制することが出
来る。また、感光体2の光導電層5と光吸収層6との界
面にトラップされたキャリアを消去し、感光体2とその
表面の残留トナー18との電気的な引力をなくして、残
留トナー18を現像器8に回収され易くすることが出来
る。
【0033】これらの図において、感光体2はドラム状
透光性支持体3の外周面に透光性導電層4を形成し、更
にその透光性導電層4の上に光導電層5および光吸収層
6を積層した構成である。
【0034】上記透光性支持体3を構成する材料には、
パイレックスガラス、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスな
ど、また石英、サファイアなどの無機質系、並びに弗素
樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ビニロン、エポキシ、マイラーなどの
有機樹脂系が挙げられる。
【0035】上記透光性導電層4を構成する材料には、
インジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫、酸化
鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などがあり、また半透明
になる程度に薄くしたAl、Ni、Auなどから成る金
属層を用いてもよい。その層形成法には真空蒸着法、活
性反応蒸着法、RFスパッタリング法、DCスパッタリ
ング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグ
ネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCV
D法、スプレー法、塗布法、浸漬法などがある。光導電
層5には、特にa−Si系光導電層を用いるのがよく、
このa−Si系層は、例えばグロー放電分解法、スパッ
タリング法、ECR法、蒸着法などにより形成し、その
形成に当たってダングリングボンド終端用に水素(H)
やハロゲン元素を1〜40原子%含有させる。また、こ
の層の暗導電率や光導電率などの電気的特性、光学的バ
ンドギャップなどについて所望の特性を得るために、周
期律表第III a族元素(以下周期律表第III a族元素を
III a族元素と略す)や第Va族元素(以下Va族元素
と略す)を含有させたり、カーボン(C)、窒素
(N)、酸素(O)等の元素を含有させるとよい。中で
も、アモルファスシリコンカーバイド(以下アモルファ
スシリコンカーバイドをa−SiCと略す)を光導電層
5に用いる場合には、Si1-X x のx値を0<x≦0.
5 、好適には0.05≦x≦0.45の範囲に設定するとよく、
この範囲であれば、a−Si層よりも高抵抗となり、か
つ良好なキャリアの走行が確保できるという点で望まし
い。III a族元素やVa族元素としては、それぞれB元
素やP元素が共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変
え得る点で、その上優れた光感度が得られるという点で
望ましい。
【0036】a−Si系光導電層5の厚みは、1〜15
μm、好適には3〜10μmにすればよい。この厚みが
1μm未満では画像露光の吸収が不十分となり、電位の
コントラストも不足して十分な画像濃度が得られない。
他方、15μmを越えると画像形成に必要な現像バイア
スに対してその光導電層の厚みが必要以上に厚くなり、
無駄が生じ、光応答性も不利になる。
【0037】更に、a−Si系光導電層5の中を、光キ
ャリア発生の機能を高めた層領域と、キャリア輸送の機
能を持たせた層領域とを積層したものとすると、光感度
と耐電圧等を共に高めることが出来る。
【0038】この際、光励起層領域は、光キャリアの生
成を高めるため、成膜時の条件において、低成膜速度で
成膜する、H2 やHeでの希釈率を高める、ドープする
元素を輸送層よりも多く含有させる等すると良い。
【0039】また、キャリア輸送層領域は、主に感光体
の耐圧を高めると共に励起層から注入されたキャリアを
感光体表面へスムーズに走行させる役割を持つが、この
層においても光励起層を透過してきた光によりキャリア
生成が行われ、感光体の光感度に寄与する。
【0040】光吸収層6には、画像露光の光波長に対し
て吸収の大きな層であることが必要であり、特に長波長
光に対して光吸収の優れた光学的バンドギャップEgo
ptの小さい層を用いる。それにa−Si系の層を用い
た場合にはアモルファスシリコンゲルマニウム(以下a
−SiGeと略する)やアモルファスシリコンスズ(以
下a−SiSnと略する)、またアモルファスゲルマニ
ウム等が挙げられる。これらの材料を用いると、暗抵抗
や光感度はa−Siより小さくなり、いわゆる膜質が低
い層となりやすいが、感光体としての特性は他の層の全
体としての組合せで確保されるので、光吸収層を設ける
ことにより感光体特性が大きく低下するようなことはな
い。
【0041】プラズマCVDにより形成したa−SiG
e層の場合には、その厚みは0.1〜5μm、好適には
0.1〜3μm、最適には0.2〜2μmがよい。この
厚みが0.1μm未満ではより十分に光吸収ができず、
5μmを越えるとより一段と電子写真特性の低下(帯電
の低下、光感度の低下、残留電位の上昇等)が顕著にな
る。このa−SiGe層のSi1-X GeX のX値を0.
2以上、より好ましくは0.3以上にすると、本発明を
より優位に達成することができる。
【0042】また、プラズマCVDにより形成したa−
SiSn層の場合には、その厚みは0.1〜5μm、好
適には0.1〜3μm、最適には0.2〜2μmがよ
い。この厚みが0.1μm未満ではより十分に光吸収が
できず、5μmを越えるとより一段と電子写真特性の低
下(帯電の低下、光感度の低下、残留電位の上昇等)が
顕著になる。このa−SiSn層のSi1-X SnXのX
値を0.03以上、より好ましくは0.05以上にする
と、本発明をより優位に達成することができる。また上
記吸収層6の上に表面層を形成してもよい。この表面層
にはa−SiC高抵抗表面層を用いて、その層は、a−
Si系光導電層と同様の薄膜形成手段により形成する。
そしてこの表面層の暗抵抗率は、1013Ω・cm以上と
なるように、カーボン含有量や不純物添加量、成膜条件
を適宜設定する。ここで、この表面層の暗抵抗率が10
13Ω・cm以下であると、現像剤を通してのバイアスに
よる電荷の注入を阻止して帯電を確保し、また絶縁耐圧
を高めることができず、更にまた、露光により発生した
光キャリアを効果的にトラップして感光体の表面により
多くのトナーを引き付けてトナー像の濃度を増し、画像
濃度を十分に高めることが出来ない。
【0043】光導電層にa−SiCを用いた場合には、
光導電層に含まれるカーボン量に比べて表面層のカーボ
ンを多く含有させる。この表面層におけるカーボン量
は、Si1-X x のx値で0.3 <x<1.0 、好適には0.
5 ≦x≦0.95の範囲がよい。また、この高抵抗表面層に
も、電気的特性の調整用としてIII a族元素やVa族元
素を含有させてもよい。
【0044】表面層の厚みは0.05〜5μm、好適には0.
1 〜3μmにすればよく、0.05μm未満の場合には、こ
の層で十分な絶縁耐圧の向上や、光キャリアを効果的に
トラップしてトナー像の形成に寄与させることが出来
ず、また、繰り返し使用した場合、摩耗により寿命も劣
る。5μmを越えた場合には精細な電荷パターンを形成
するに当たって、この表面層中で電界(電気力線)が膜
面方向に広がりを生じ、これにより、解像力の低下をき
たし、十分な解像度が得られない。また、表面に残留す
る電荷が多くなって残留電位が高くなるため、画像濃度
の低下やバックのかぶり或いは繰り返し使用における画
像濃度の変化等の問題が生じる。
【0045】本発明の画像形成装置の感光体2は、上述
した透光性導電層4とa−Si系光導電層5との間に更
にキャリア注入阻止層を形成してもよい。
【0046】上記キャリア注入阻止層はa−Si層また
はa−SiC層のいずれでもよく、通常、光導電層5に
おける光キャリア発生に有効な光を吸収しないように、
その光導電層5に比べて光学的バンドギャップを大きく
する必要があり、そのために酸素また窒素などの元素を
含有させるとよい。また、キャリア注入阻止層をa−S
iC層により形成した場合、光導電層5に比べてカーボ
ン量を多くするとよい。
【0047】またキャリア注入阻止層には透光性導電層
4から光導電層5へのキャリアの注入を阻止するために
不純物元素を含有させる。即ち、負電荷キャリアの注入
を阻止するためにはIII a族元素を1〜10,000ppm 、好
適には100 〜5,000ppm含有するとよく、一方、正電荷キ
ャリアの注入を阻止するためにはVa族元素を5,000ppm
以下、好適には300 〜3,000ppm含有するとよい。これら
の元素は層厚方向に亘って勾配を設けてもよく、その場
合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
【0048】このようにキャリア注入阻止層にIII a族
元素を含有した場合、正極性の現像バイアスが用いら
れ、他方、Va族元素を含有した場合、負極性の現像バ
イアスが用いられる。
【0049】III a族元素やVa族元素としては、それ
ぞれB元素やP元素が共有結合性に優れて半導体特性を
敏感に変え得る点で、その上優れた注入阻止能並びに光
感度が得られるという点で望ましい。また上記キャリア
注入阻止層の厚みは0.01〜3μm、好適には0.1 〜2μ
mの範囲内がよく、これにより、必要な絶縁耐圧が確保
し易く、またこの層での露光の不必要な吸収を抑制して
光導電層において光キャリアを有効に生成でき、しか
も、残留電位の上昇を抑制することができる。
【0050】上記キャリア注入阻止層には酸素及び/又
は窒素の各元素合計含有量が0.01〜30原子%の範囲内で
含有させた場合、透光性導電層4からのキャリアの注入
を更に一層阻止することができるとともに、その層4に
対する密着力も一段と高めることができる。
【0051】絶縁性の注入阻止層を用いる場合には、絶
縁性のa−SiC、a−SiO、a−SiN、a−Si
ON、a−SiCON等のa−Si系絶縁層や、ポリエ
チレンテレフタレートやパリレン、ポリ四フッ化エチレ
ン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン等の有
機絶縁層等を用いるとよい。
【0052】また、本発明者等は導電性かつ磁性のキャ
リアと絶縁性トナーとからなる2成分系現像剤を用いた
場合において、繰り返し実験を行ったところ、下記のよ
うな諸点を見出し、それを詳述する。
【0053】先ず、この現像剤を用いて画像形成する場
合には現像バイアス電圧を250V以下の低バイアスと
するのがよい。現像バイアス電圧が高すぎるとトナーだ
けでなく、キャリアまでが現像され、所謂キャリア引き
現像が生じ、画像品質が低下する。これは特にキャリア
の粒径が小さい場合に顕著である。このような低バイア
ス電圧での現像には光キャリア励起特性が良好で、キャ
リア移動度が高い等の優れた光感度特性を有するa−S
i系感光体が好適である。
【0054】就中、バインダー樹脂中に磁性体を分散し
た粒子の表面に、導電性層を形成した導電性磁性キャリ
アと、絶縁性トナーとを組合せた2成分系現像剤を用い
ると、感光体へのバイアス印加による帯電特性や画像濃
度の向上、残留トナーの効果的な回収等の特性に優れ、
極めて良好な記録画像が得られる。
【0055】このような2成分現像剤を用いた場合には
キャリアにより形成される磁気ブラシにトナーが付着し
ている。トナーが磁性トナーの場合は主として磁力によ
り、また非磁性トナーの場合には帯電によりキャリアに
付着している。
【0056】また、導電性磁性キャリアは、体積固有抵
抗が105 Ω・cm以下であることが適当であり、好適
には104 Ω・cm以下、最適には102 〜104 Ω・
cmである。体積固有抵抗が余り大きくなると、導電性
キャリアとしての特性が損なわれ、光背面露光記録にお
いて感光体への電荷の注入が速やかに行われず、感光体
の帯電が不十分となる。
【0057】なお、上記キャリアの体積固有抵抗は、底
部に電極を有する内径20mmのテフロン製筒体にキャ
リアを1.5g入れ、外径20mmの電極を挿入し、上
部から1kgの荷重を掛けて測定した時の値である。
【0058】更にまた、キャリアの磁力は、ある程度以
上に大きいことが必要であり、好ましくは5kOeの磁
場での最大磁化(磁束密度)が55emu/g以上、好
適には55〜90emu/g、最適には60〜85em
u/gである。また、1kOeの磁場での最大磁化は、
40emu/g以上が好適であり、好適には40〜60
emu/g、最適には45〜60emu/gである。キ
ャリアの磁力が余り小さくなると、現像剤の搬送性が劣
化し、またキャリアがトナーとともに現像され、いわゆ
るキャリア引きを生じる。
【0059】キャリアの平均粒度は、5〜100μmが
好適であり、好ましくは5〜50μm、より好ましくは
10〜40μmである。キャリアが余り大きくなると感
光体を均一に帯電させることが困難となる。一方、余り
小さすぎると、現像スリーブ上の現像剤の搬送性が悪く
なり、また一定の電位を感光体に付与するのが難しくな
る。
【0060】導電性磁性キャリアとしては、例えば以下
のものを用いることができる。
【0061】(1)磁性体粉体をそのまま、あるいは表
面酸化処理、表面樹脂コーティング等の安定化処理を施
して用いる磁性粉体キャリア。
【0062】(2)バインダー樹脂に磁性体を含有せし
めた母粒子の表面に、導電層を形成した表面導電化樹脂
キャリア。
【0063】(3)磁性体粉体の表面に導電層を形成し
た、表面導電化粉体キャリア。
【0064】上記磁性粉体キャリアにおける磁性体とし
ては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェラ
イト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一
種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウ
ムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、
表面が酸化処理または樹脂コート処理された鉄や合金の
粒子を用いることができる。その形状は、粒状、球状、
針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合
には、鉄等の強磁性微粒子を用いることができる。ま
た、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガン
マ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライ
ト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒
子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含
有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有するキ
ャリアを得ることができる。
【0065】図3は表面導電化樹脂キャリアの実施例を
示す模式図であり、磁性体粒子25がバインダー樹脂中
に均一に分散されてなるキャリア母粒子24の表面に、
導電性微粒子26が固定されて導電層を形成し、キャリ
ア23が構成されている。キャリア母粒子24に用いら
れるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代
表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が用いられる。
【0066】磁性体粒子25としては、磁性粉体キャリ
アと同様のものが用いられる。磁性体粒子25はキャリ
ア母粒子24中の70〜90重量%を占める量で添加す
ることが適当である。
【0067】導電性微粒子26としては、カーボンブラ
ック、酸化スズ、導電性酸化チタン(酸化チタンに導電
性材料をコーティングしたもの)、炭化ケイ素などが用
いられ、空気中の酸素による酸化によって導電性を失わ
ないものが望ましい。
【0068】キャリア母粒子24の表面への導電性微粒
子26の固着は、例えばキャリア母粒子24と導電性微
粒子26とを均一混合し、キャリア母粒子24の表面に
導電性微粒子26を付着させた後、機械的・熱的な衝撃
力を与え導電性微粒子26をキャリア母粒子24中に打
ち込むようにして固定することにより行われる。導電性
微粒子26は、キャリア母粒子24中に完全に埋設され
るのではなく、その一部をキャリア母粒子24から突き
出すようにして固定される。
【0069】このようにキャリア23の表面に導電性微
粒子26を固定して導電層を形成することにより、効率
的にキャリア23に高い導電性を付与できる。またキャ
リア母粒子23中には導電層微粒子26を配合する必要
がないので、それだけ多くの磁性体粒子25をキャリア
母粒子24中に配合でき、キャリア23の磁力を大きく
することができる。
【0070】図4は、表面導電化樹脂キャリアの他の実
施例を示す模式図であり、磁性体粒子25がバインダー
樹脂中に均一に分散されてなる図3と同様のキャリア母
粒子24の表面に、導電性薄膜27が形成されて導電層
を形成し、キャリア23が構成されている。
【0071】表面導電化粉体キャリアにおいては、例え
ば以下の方法で表面導電層を形成することができる。
【0072】(1)表面導電化樹脂キャリアと同様にし
て導電性薄膜を形成する。
【0073】(2)磁性体粉体の表面を樹脂コーティン
グしたのち、この樹脂コーティング層に対して表面導電
化樹脂キャリアと同様にして導電性微粒子を固定する。
【0074】また、キャリアの真密度は、磁性粉体キャ
リアの場合は使用した磁性体によって決まり、表面導電
化粉体キャリアの場合も実質的に同様である。また表面
導電化樹脂キャリアの真密度は、3.0〜4.5g/c
3 の範囲が好適である。嵩密度は2.5g/cm3
下が好適であり、好ましくは2.0g/cm3 以下、よ
り1.5g/cm3以下である。上記のキャリアとトナ
ーとを混合して現像剤とする。トナーとしては通常の絶
縁性トナーが用いられ、好ましくは体積固有抵抗が10
14Ω・cm以上のものであり、好ましくは1015Ω・c
m以上である。この値は、キャリアの場合と同様に測定
される。トナーとしては、従来と同様の構成のものが用
いられ、例えば、バインダー樹脂、着色剤、電荷制御
剤、オフセット防止剤などを配合することができる。ま
た、磁性体を添加して磁性トナーとすることもでき、ト
ナーの機内飛散の防止に有効である。
【0075】バインダー樹脂としては、スチレン・アク
リル共重合物等のポリスチレン系樹脂に代表されるビニ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が用いられる。
【0076】着色剤としてはカーボンブラックをはじめ
各種の顔料、染料が、荷電制御剤としては第4級アンモ
ニウム化合物、ニグロシン、ニグロシン塩基、クリスタ
ルバイオレット、トリフェニルメタン化合物等が、オフ
セット防止剤、定着向上助剤としては低分子量ポリプロ
ピレン、低分子ポリエチレンあるいはその変性物等のオ
レフィンワックス、磁性体としてはマグネタイト、フェ
ライトなどが使用できる。
【0077】また図3に示したキャリア23と同様に、
トナー母粒子の表面に帯電性微粒子を固着せしめてトナ
ーとすることにより、トナーの帯電特性を制御すること
もできる。
【0078】更に本発明によれば、現像剤としての体積
固有抵抗は106Ω・cm以下が好適であり、好ましく
は105 Ω・cm以下、より好ましくは103 〜105
Ω・cmである。この値は、キャリアと同様にして測定
される。抵抗が大きくなりすぎると、感光体の帯電が不
十分となる。
【0079】2成分現像剤としての電気抵抗は、トナー
とキャリアの電気抵抗、トナー濃度、トナーとキャリア
の粒度比、真密度によっても変化する。
【0080】また表面導電化樹脂キャリアを用いた場合
の現像剤のトナー濃度(トナー/キャリア、即ちT/
C)は、10重量%以上が好適であり、好ましくは20
重量%以上、より好ましくは20〜50重量%である。
トナー濃度が低すぎると、本発明の画像記録方式に適用
した場合に十分な画像濃度が得られなくなる。一方、ト
ナー濃度が高すぎると、感光体の帯電が不十分となる。
なお、本発明の画像形成方法では、トナー濃度T/Cの
広い範囲でほぼ同様な画像濃度が得られるので、トナー
濃度の制御を実質上不要または大幅に簡略化することが
できる。
【0081】表面導電化樹脂キャリアを用いた現像剤で
は、キャリアとトナーの平均粒径の比(キャリア)/
(トナー)を、1〜5とすることが好適であり、好まし
くは1〜3である。キャリアに比べてトナーが著しく小
さくなると、一定トナー濃度の場合にトナーによって覆
われるキャリアの表面積が増加し、感光体を十分に帯電
させることができなくなる。その結果、本発明の画像形
成方法に適用した場合に条件によっては画像濃度が低下
する場合がある。なお、トナーの平均粒径は一般に20
μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以下であ
る。
【0082】次に実施例を個々詳述する。
【0083】(例1)外径30mmの透明な円筒状ガラ
ス基板の周面に、透光性導電層としてITO層を活性反
応蒸着法により1000Åの厚みで形成し、次いでその
上に容量結合型グロー放電分解装置を用いて表1の成膜
条件によりa−Si注入阻止層、a−Si光導電層、a
−SiGe光吸収層、a−SiC表面層を順次積層し
て、感光体Aを作製した。
【0084】
【表1】
【0085】この感光体Aを図1に示すような画像形成
装置に装着し、そして、スリーブ12と透光性導電層4
との間にVs=+50Vの電圧を印加し、制御電極20に
も同じ電圧を印加して(Ve=+50V)、波長660
nm、露光量0.5 μJ/cm2 の条件で画像露光を行
い、感光体上にトナー像を形成し、そのトナー像を記録
紙に転写し、熱定着を行って画像を得た。なお、現像剤
には導電性磁性キャリアと絶縁性トナーとからなる2成
分現像剤を用い、その現像剤を感光体2と逆方向に回転
させて現像剤溜り19を形成し、その部位に露光を行な
った。
【0086】この画像を評価したところ、光学濃度(以
下、O.D.と記す。)が1.3の画像濃度を有し、バ
ックのかぶりのなく、300PPI(ドット/インチ)
の1ドット毎が明瞭に解像された解像度の良好な画像で
あった。
【0087】(例2)次に本発明者等は(例1)の感光
体Aを作製するに当たり、a−SiGe光吸収層を積層
せず、その他は(例1)と同じ条件により作製して感光
体Bを作った。
【0088】次にこの感光体Bを(例1) と同様に画像
形成装置に装着し、同一条件で画像露光を行い、感光体
上にトナー像を形成し、そのトナー像を記録紙に転写
し、熱定着を行って画像を得た。この画像を評価したと
ころ、O.D.が1.3と良好であったが、画像露光光
の反射に起因すると見られる解像度の低下が認められ、
実施例に比べて画像品質が劣る画像となった。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、光導電層上にEgop
tの小さな光吸収層を積層することにより、光導電層の
層厚を薄くしても、効果的に透過光を吸収することが出
来、感光体層内での光の反射や外部で反射した透過光の
再入射による解像度の低下を抑制し、良好な画像品質を
得ることが可能となる。
【0090】また、感光体層の透過光を抑制して画像の
解像度を向上させることができるので、光導電層の膜厚
が薄い感光体に対しても、露光手段として発光出力が高
く、量産性も高い長波長の発光素子を使用することが出
来る。
【0091】更にまた、感光体層の透過光を抑制して画
像の解像度を向上させることが出来るので、光導電層の
膜厚が薄い感光体を用いても、露光強度を高めてプロセ
ススピードを高速化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の画像形成装置の要部構成図である。
【図3】実施例で用いた導電性かつ磁性のキャリアの構
造を表す図である。
【図4】実施例で用いた他の導電性かつ磁性のキャリア
の構造を表す図である。
【符号の説明】
2 感光体 7 LEDヘッド 8 現像器 9 転写ローラ 10 イレース用光源 4 透光性導電層 5 光導電層 6 光吸収層 23 導電性かつ磁性のキャリア 25 磁性体粒子 26 導電性微粒子 27 導電性薄膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性支持体上に透光性導電層と光導電
    層とを順次積層した感光体と、該感光体の上記光導電層
    側に配設した現像手段と、上記感光体に現像剤による画
    像を形成させるべく上記透光性支持体側から画像露光光
    を照射する光源とから成るとともに、上記光導電層上に
    該光導電層を通過した画像露光光を吸収する光吸収層を
    形成して成る画像形成装置。
JP31714991A 1991-11-30 1991-11-30 画像形成装置 Pending JPH05150590A (ja)

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