JP3020698B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3020698B2
JP3020698B2 JP03317112A JP31711291A JP3020698B2 JP 3020698 B2 JP3020698 B2 JP 3020698B2 JP 03317112 A JP03317112 A JP 03317112A JP 31711291 A JP31711291 A JP 31711291A JP 3020698 B2 JP3020698 B2 JP 3020698B2
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孝夫 河村
成司 秋田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ帯電を不要とし
て露光と現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた
電子写真方式に用いられる画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置とし
ては、コロナ放電により感光体に帯電を行なうカールソ
ン方式が広く用いられている。この方式では、ドラム状
あるいはベルト状の感光体の周囲に、コロナ帯電器、露
光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電
手段等を配置し、帯電、露光、現像、転写、定着のプロ
セスを経て、記録紙上に画像を形成するため、装置の構
成や画像形成プロセスが複雑になり、コロナ放電用には
高電圧電源が必要であり、またコロナ放電のためにオゾ
ンが発生して周囲に悪影響を与える等の問題があった。
【0003】これらの問題に対して近時、コロナ放電を
不要とする電子写真方式が提案されている(特開昭58-4
4445号、特開昭58-153957 号、特開昭61-46961号、特開
昭62−280772号など)。
【0004】上記提案の電子写真方式によれば、透光性
支持体上に透光性導電層と光導電層とを順次積層したド
ラム状もしくはベルト状感光体に対して、透光性支持体
側より露光器により露光するとともに現像バイアス供給
用の電源によりバイアス電圧を印加した現像器上の導電
性磁性トナーからなる磁気ブラシでもって感光体表面を
摺擦させ、これによって帯電と露光と現像とをほぼ同時
に行ない、感光体上にトナー像を形成する。そのトナー
像は、転写ローラを用いて記録紙に転写され、定着手段
により定着されて記録画像となる。一方、感光体上に残
留したトナーは、現像器で回収され、再利用される。
【0005】また、このような電子写真方式において、
上記光導電層にアモルファスシリコン(以下アモルファ
スシリコンをa-Siと略す)層を用いることが提案されて
いる(特開昭63-240553 号、特開平2-106761号)。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等の実験によれば、上記提案の電子写真方式におい
ては、十分な画像濃度を有し、かつ高い画像品質を備え
た画像を得るのは困難であった。また、a−Si光導電
層を備えた感光体を用いた場合においても、その層厚を
小さくして良好な画像を得ようとしても、未だ満足しえ
るような画像濃度が得られず、またバイアス電圧を高め
て画像濃度を高めようとしても、感光体の絶縁耐圧が低
いために絶縁破壊されやすく、これによって所望通りの
画像濃度が得られないという問題点があり、感光体の層
構成の改善が必要であった。
【0007】従って本発明の目的は、叙上の問題点を解
決し、コロナ放電を不要とする電子写真方式において十
分な画像濃度と良好な画像品質を有する高信頼性かつ高
品質の画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、透光性支持体上に透光性導電層と、a-Si系キャリア
注入阻止層と、厚みが1〜15μmであるa-Si系光導電
層と、暗抵抗率が1013Ω・cm以上であり、かつ厚み
が0.05〜5μmであるアモルファスシリコンカーバ
イド(以下、アモルファスシリコンカーバイドをa−S
iCと略す)から成る高抵抗層とを順次積層した感光体
と、感光体の高抵抗層側に配設した現像手段と、感光体
に現像剤による画像を形成させるべく透光性支持体側か
ら照射する光源とから成り、更に感光体と現像手段とを
双方の最近接部位にて逆方向に移動させて現像剤溜りを
設け、この現像剤溜りに対し光源により照射するように
成したことを特徴とするものである。
【0009】本発明では、現像剤溜りを安定して再現性
良く得るために、感光体と現像剤とを逆方向に回転させ
る。感光体と現像剤を逆方向に回転させると、両者の摩
擦により現像手段と感光体との最近接部位よりも下流側
に現像剤溜りが発生する。なお下流側とは感光体から見
た下流側で、感光体が現像剤から離れて行く側を意味す
る。
【0010】このようにして得た現像剤溜りは、現像剤
を感光体と同方向に回転させ、現像剤の周速を感光体の
周速よりも大きくする場合よりも、安定で再現性が高
い。これは周速の差を利用して現像剤を押し込むより
も、逆方向回転での摩擦等により現像剤溜りを得る方が
容易で、再現性が高いためである。
【0011】ここで、現像手段の感光体と対向する現像
器のスリーブ表面上に制御電極を設けるとともに、制御
電極の電位を現像手段の電位と独立に設定するための電
圧印加手段を設けるのが好ましい。
【0012】次に本発明では、得られた現像剤溜りの部
分で露光を行ない、好ましくは、現像剤溜りの上流側よ
りも下流側で露光する。このようにすると、(1)露光
前の感光体と現像剤との接触距離が大きく、均一で十分
な帯電が得られ、この結果均一で十分な濃度のトナー像
が得られ、(2)露光前の現像剤と感光体との接触距離
が大きいため、感光体表面の残留トナーおよび画像背景
部に付着するトナーを十分に回収して地かぶりを小さく
し、(3)露光後に感光体は現像剤から速やかに離れる
ため、現像剤によって感光体の露光部が再帯電されるた
めに感光体とトナーの付着力が弱まり、感光体表面に付
着したトナーが現像手段に回収されてトナー濃度が低下
するといった問題を小さくし、(4)露光後に感光体は
現像剤から速やかに離れるため、感光体表面に形成され
たトナー像と現像剤との摩擦等の機械的な力によるトナ
ー像の乱れを小さくし、(5)露光位置での現像手段と
感光体との距離が大きいため、現像手段の磁力等による
感光体表面の付着トナーの回収やトナー像の乱れを小さ
くできる。
【0013】このように現像剤の溜りを感光体下流側に
形成し、その溜りで露光を行なうと、帯電、露光、現像
のプロセスへの以前の履歴の影響が抑制され、均一な画
像形成が行なえる。
【0014】次に、現像器に制御電極を設ける場合、制
御電極の電位は現像器の導電性スリーブの電位とは独立
して設定できるようにする。また制御電極は露光位置の
上流側に設け、好ましくは現像器と感光体との最近接部
位に設ける。このようにすると、制御電極で感光体の表
面電位を均一に制御し、以前の履歴の影響を更に打ち消
すことができる。また制御電極の電位により、画像濃度
を制御し、地かぶりを解消することができる。これは制
御電極の電位で、感光体の帯電条件を制御できるからで
ある。
【0015】更に本発明においては、感光体の前歴をよ
り効果的に除去するために、転写工程を経て次の画像形
成プロセスに入る前に、感光体に除電光を照射すること
が望ましい。これにより、感光体上に直前に形成された
画像が次の画像に影響を与える、いわゆる残像現象が抑
制でき、高い画像品質が得られる。この除電光は感光体
の内側および外側のどちらから照射してもよいが、画像
形成装置の小型化のためには、感光体の内側から透光性
支持体を通して照射するようにするのが望ましい。
【0016】また、現像剤として、導電性かつ磁性のキ
ャリアと絶縁性トナーとから成る2成分系現像剤を用い
ると、感光体への良好かつ均一な帯電及び安定した現像
が可能となり、しかも、現像されたトナーが絶縁性であ
るために静電転写により高い画像濃度で安定して普通紙
等の多様な記録紙に良好な記録画像を得ることができ
る。このような現像剤を用いる場合には、現像バイアス
電圧を250V以下の低バイアスとするのが好ましい。
この現像バイアス電圧が高すぎると、トナーだけでな
く、キャリアまでが現像されて、所謂キャリア引き現象
が生じ、画像品質が低下する。これは特にキャリアの粒
径が小さい場合に顕著である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0018】図1は本発明の電子写真方法による画像形
成装置1を表す模式図であり、図中、2は透光性支持体
3上に透光性導電層4と光導電層5と表面層6が積層さ
れたドラム状の感光体、7は露光手段としてのLEDヘ
ッド、8は現像器、9は転写ローラである。LEDヘッ
ド7と現像器8は、感光体2のある一部を介して、ほぼ
対称的に配置される。10はイレース用光源としてのL
EDアレイであり、感光体2の外側に配置してもよい。
現像器8においては、例えば8極の円柱状の磁極ローラ
11と、その外周に亘って配設された導電性スリーブ1
2とから成り、更にトナー受13に貯蔵された現像剤と
しての一成分または導電性且つ磁性のキャリアと絶縁性
トナーとからなる2成分系現像剤ははスリーブ12の外
周へ配送され、磁気ブラシ14を形成する。また、スリ
ーブ12と透光性導電層4との間にはバイアス電源15
が設けられ、その両者4、15の間に感光体2の電位特
性に応じて+或いは−の0〜300Vの電圧を印加す
る。16は感光体2の表面に形成されたトナー像、17
は記録紙、18は残留トナーである。これ以外に現像剤
の回転手段と感光体2の回転手段とを設ける。
【0019】かくして上記構成の画像形成装置によれ
ば、回転する感光体2の透光性支持体3側よりLEDヘ
ッド7より画像露光の光を照射し、a-Si系光導電層5の
内部に正孔と電子を発生させると、現像器8側に+のバ
イアス電圧を印加してあれば、そのバイアス電圧によっ
て電子はa-Si系光導電層5の表面側へ移動し、感光体表
面あるいは磁気ブラシ14の末端の正電荷と打ち消し合
い、感光体2の表面に導電性トナーが付着される。そし
て、そのトナーは転写ローラ9により記録紙17上に転
写され、次いで定着される。
【0020】露光手段にはここではLEDヘッドを用い
たが、ELヘッドやレーザや液晶シャッタ等を用いたも
のでも良い。イレース用光源10にも、LEDアレイの
他、ハロゲンランプや蛍光灯、ELアレイ等の光源が使
用可能である。
【0021】また図2は上記感光体2の一部と現像手段
8により形成される現像剤溜り19を表す説明図であ
る。
【0022】現像剤を保持させる現像器8は、導電性の
スリーブ12と、その内部に配置された磁極ローラ11
とから成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ11を固定し
てスリーブ12を回転してもよく、またはスリーブ12
を固定して内部の磁極ローラ11を回転しても良い。
【0023】ここで現像剤を感光体2と逆方向に回転さ
せると、両者の摩擦で現像器8と感光体2の最近接部位
よりも下流側(感光体が現像剤から離れていく側)に現
像剤溜り19が生じる。現像剤溜り19は図の破線で区
切った部分である。即ち現像剤の本来の高さよりもはみ
出した部分が現像剤溜り19であり、現像剤の搬送速度
や現像剤の高さ、スリーブ12と感光体2の表面とのギ
ャップ等は、感光体2の回転速度や必要とする現像剤溜
り19の大きさに応じて適宜設定する。
【0024】20は制御電極であり、この制御電極20
はスリーブ12上で感光体2との最近接部位に設け、絶
縁体21でスリーブ12と絶縁する。制御電極20は、
感光体2や現像剤に均一な電界が加わるように、スリー
ブ12の長さ方向に沿った帯状とする。
【0025】現像剤には例えば導電性磁性トナーを用い
るが、これは磁気ブラシ14および現像剤溜り19を形
成し、必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でもよ
い。しかし、好適には導電性かつ磁性のキャリアと絶縁
性トナーとからなる2成分系現像剤を用いるのがよい。
この2成分系現像剤を用いると感光体への良好かつ均一
な帯電及び安定した現像が可能となり、また、現像され
たトナーが絶縁性であるために静電転写により高い画像
濃度で安定して普通紙等の多様な記録紙に良好な記録画
像を得ることができる。
【0026】画像露光を行なう位置は、感光体2の表面
と現像スリーブ12との最近接位置Aではなく、感光体
2の逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り19の位
置Bとし、好ましくは現像剤溜り19の中でも下流側の
後半部とする。現像剤溜り19の位置で露光を行なうこ
とにより、露光までの間に感光体2の帯電が十分に行な
われ、帯電前の感光体2の電位の履歴の影響が抑えられ
ると共に、感光体2の表面の残留トナーや画像背景部の
トナーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体2が十
分に帯電されてから露光を行なって電荷を消失させるた
めに、現像剤と感光体2との電気的引力が強く、良好な
トナー像16が形成される。そして、トナー像16の形
成後は感光体2が現像剤溜り19から速やかに離れるた
め、感光体2の表面のトナー像16が現像剤の衝突や摩
擦等のような機械的な力により乱されることがなく、良
好な解像度のトナー像16が得られる。
【0027】現像剤溜り19の位置では、感光体2の表
面と現像スリーブ12とが最も近接する位置Aよりも、
感光体2の表面と磁極ローラ11の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ11の側に吸引する磁力
は弱く、感光体2の表面に形成されたトナー像16の一
部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃度が
低下したり、磁力により乱されて解像度が低下したりす
ることを防止できる。更に帯状の制御電極20を設け、
その電位を電源22により所定の電位に調整する。例え
ば制御電極20を接地し、透光性導電層4と共通電位に
する。あるいはスリーブ12の電位に対してその電位を
低くもしくは高く設定する。
【0028】このようにスリーブ12とは独立に電位を
印加できる制御電極20を設けると、感光体2の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体2の表面の
電位を揃え、以前のプロセスでの帯電や露光の有無等に
よる感光体2の履歴の影響を打ち消すことができる。こ
の結果、繰り返し使用時、例えば1枚の画像を得るため
に感光体2を数回転させる場合等に、安定した現像状態
と記録画像とが得られる。ここで制御電極20の電位を
調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適画像形
成条件を調整して得ることができる。また、制御電極2
0の電位を高くし、スリーブ12の電位を低くすること
により、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナー
が付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0029】感光体2の表面に形成されたトナー像16
は次いで記録紙17に転写され、定着されて記録画像と
なり、転写されずに感光体2の表面に残った残留トナー
18は、次の画像形成プロセスにおいて現像手段に回収
されて再利用される。
【0030】更に、転写後の感光体2にイレース用光源
10により除電光を照射することにより、以前のプロセ
スでの帯電や露光の有無等による感光体2の履歴の影響
をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時に
おける残像現象などの画像上の問題を抑制することが出
来る。また、感光体2の光導電層5と表面層6との界面
にトラップされたキャリアを消去し、感光体2とその表
面の残留トナーとの電気的な引力をなくして、残留トナ
ーを現像器8に回収され易くすることが出来る。
【0031】これらの図において、感光体2はドラム状
透光性支持体3の外周面に透光性導電層4を形成し、更
にその透光性導電層4の上に光導電層5および表面層6
を積層した構成である。
【0032】上記透光性支持体3を構成する材料には、
パイレックスガラス、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスな
ど、また石英、サファイアなどの無機質系、並びに弗素
樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ビニロン、エポキシ、マイラーなどの
有機樹脂系が挙げられる。
【0033】上記透光性導電層4を構成する材料には、
インジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫、酸化
鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅などがあり、また半透明
になる程度に薄くしたAl、Ni、Auなどから成る金
属層を用いてもよい。その層形成法には真空蒸着法、活
性反応蒸着法、RFスパッタリング法、DCスパッタリ
ング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグ
ネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCV
D法、スプレー法、塗布法、浸漬法などがある。
【0034】光導電層5には、特にa−Si系光導電層
を用いるのがよく、このa−Si系層は、例えばグロー
放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法など
により形成し、その形成に当たってダングリングボンド
終端用に水素(H)やハロゲン元素を1〜40原子%含
有させる。また、この層の暗導電率や光導電率などの電
気的特性、光学的バンドギャップなどについて所望の特
性を得るために、周期律表第III a族元素(以下周期律
表第III a族元素をIII a族元素と略す)や第Va族元
素(以下Va族元素と略す)を含有させたり、カーボン
(C)、窒素(N)、酸素(O)等の元素を含有させる
とよい。中でも、アモルファスシリコンカーバイド(以
下アモルファスシリコンカーバイドをa−SiCと略
す)を光導電層5に用いる場合には、Si1-X X のx
値を0<x≦0.5 、好適には0.05≦x≦0.45の範囲に設
定するとよく、この範囲であれば、a−Si層よりも高
抵抗となり、かつ良好なキャリアの走行が確保できると
いう点で望ましい。III a族元素やVa族元素として
は、それぞれB元素やP元素が共有結合性に優れて半導
体特性を敏感に変え得る点で、その上優れた光感度が得
られるという点で望ましい。
【0035】a−Si系光導電層5の厚みは、1〜15
μm、好適には3〜10μmにすればよい。この厚みが
1μm未満では画像露光の吸収が不十分となり、電位の
コントラストも不足して十分な画像濃度が得られない。
他方、15μmを越えると画像形成に必要な現像バイア
スに対してその光導電層の厚みが必要以上に厚くなり、
無駄が生じ、光応答性も不利になる。
【0036】表面層6にはa−SiC高抵抗表面層を用
いて、その層は、a−Si系光導電層と同様の薄膜形成
手段により形成する。そしてこの表面層6の暗抵抗率
は、1013Ω・cm以上となるように、カーボン含有量
や不純物添加量、成膜条件を適宜設定する。ここで、こ
の表面層6の暗抵抗率が1013Ω・cm以下であると、
現像剤を通してのバイアスによる電荷の注入を阻止して
帯電を確保し、また絶縁耐圧を高めることができず、更
にまた、露光により発生した光キャリアを効果的にトラ
ップして感光体の表面により多くのトナーを引き付けて
トナー像の濃度を増し、画像濃度を十分に高めることが
出来ない。
【0037】光導電層にa−SiCを用いた場合には、
光導電層に含まれるカーボン量に比べて表面層6のカー
ボンを多く含有させる。この表面層6におけるカーボン
量は、Si1-X X のx値で0.3 <x<1.0 、好適には
0.5 ≦x≦0.95の範囲がよい。また、この高抵抗表面層
6にも、電気的特性の調整用としてIII a族元素やVa
族元素を含有させてもよい。
【0038】表面層6の厚みは0.05〜5μm、好適には
0.1 〜3μmにすればよく、0.05μm未満の場合には、
この層6で十分な絶縁耐圧の向上や、光キャリアを効果
的にトラップしてトナー像の形成に寄与させることが出
来ず、また、繰り返し使用した場合、磨耗により寿命も
劣る。5μmを越えた場合には精細な電荷パターンを形
成するに当たって、この層6中で電界(電気力線)が膜
面方向に広がりを生じ、これにより、解像力の低下をき
たし、十分な解像度が得られない。また、表面に残留す
る電荷が多くなって残留電位が高くなるため、画像濃度
の低下やバックのかぶり或いは繰り返し使用における画
像濃度の変化等の問題が生じる。
【0039】本発明の画像形成装置の感光体2は、上述
した透光性導電層4とa−Si系光導電層5との間に更
にキャリア注入阻止層を形成してもよい。
【0040】上記キャリア注入阻止層はa−Si層また
はa−SiC層のいずれでもよく、通常、光導電層5に
おける光キャリア発生に有効な光を吸収しないように、
その光導電層5に比べて光学的バンドギャップを大きく
する必要があり、そのために酸素また窒素などの元素を
含有させるとよい。また、キャリア注入阻止層をa−S
iC層により形成した場合、光導電層5に比べてカーボ
ン量を多くするとよい。
【0041】またキャリア注入阻止層には透光性導電層
4から光導電層5へのキャリアの注入を阻止するために
不純物元素を含有させる。即ち、負電荷キャリアの注入
を阻止するためにはIII a族元素を1〜10,000ppm 、好
適には100 〜5,000ppm含有するとよく、一方、正電荷キ
ャリアの注入を阻止するためにはVa族元素を5,000ppm
以下、好適には300 〜3,000ppm含有するとよい。これら
の元素は層厚方向に亘って勾配を設けてもよく、その場
合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
【0042】このようにキャリア注入阻止層にIII a族
元素を含有した場合、正極性の現像バイアスが用いら
れ、他方、Va族元素を含有した場合、負極性の現像バ
イアスが用いられる。
【0043】III a族元素やVa族元素としては、それ
ぞれB元素やP元素が共有結合性に優れて半導体特性を
敏感に変え得る点で、その上優れた注入阻止能並びに光
感度が得られるという点で望ましい。また上記キャリア
注入阻止層の厚みは0.01〜3μm、好適には0.1 〜2μ
mの範囲内がよく、これにより、必要な絶縁耐圧が確保
し易く、またこの層での露光の不必要な吸収を抑制して
光導電層において光キャリアを有効に生成でき、しか
も、残留電位の上昇を抑制することができる。
【0044】上記キャリア注入阻止層には酸素及び/又
は窒素の各元素合計含有量が0.01〜30原子%の範囲内で
含有させた場合、透光性導電層4からのキャリアの注入
を更に一層阻止することができるとともに、その層4に
対する密着力も一段と高めることができる。
【0045】また、本発明者等は導電性かつ磁性のキャ
リアと絶縁性トナーとからなる2成分系現像剤を用いた
場合において、繰り返し実験を行ったところ、下記のよ
うな諸点を見出し、それを詳述する。
【0046】先ず、この現像剤を用いて画像形成する場
合には現像バイアス電圧を250V以下の低バイアスと
するのがよい。現像バイアス電圧が高すぎるとトナーだ
けでなく、キャリアまでが現像され、所謂キャリア引き
現像が生じ、画像品質が低下する。これは特にキャリア
の粒径が小さい場合に顕著である。このような低バイア
ス電圧での現像には光キャリア励起特性が良好で、キャ
リア移動度が高い等の優れた光感度特性を有するa−S
i系感光体が好適である。
【0047】就中、バインダー樹脂中に磁性体を分散し
た粒子の表面に、導電性層を形成した導電性磁性キャリ
アと、絶縁性トナーとを組合せた2成分系現像剤を用い
ると、感光体へのバイアス印加による帯電特性や画像濃
度の向上、残留トナーの効果的な回収等の特性に優れ、
極めて良好な記録画像が得られる。
【0048】このような2成分系現像剤を用いた場合に
はキャリアにより形成される磁気ブラシにトナーが付着
している。トナーが磁性トナーの場合は主として磁力に
より、また非磁性トナーの場合には帯電によりキャリア
に付着している。
【0049】また、導電性磁性キャリアは、体積固有抵
抗が105 Ω・cm以下であることが適当であり、好適
には104 Ω・cm以下、最適には102 〜104 Ω・
cmである。体積固有抵抗が余り大きくなると、導電性
キャリアとしての特性が損なわれ、光背面露光記録にお
いて感光体への電荷の注入が速やかに行われず、感光体
の帯電が不十分となる。
【0050】なお、上記キャリアの体積固有抵抗は、底
部に電極を有する内径20mmのテフロン製筒体にキャ
リアを1.5g入れ、外径20mmの電極を挿入し、上
部から1kgの荷重を掛けて測定した時の値である。
【0051】更にまた、キャリアの磁力は、ある程度以
上に大きいことが必要であり、好ましくは5kOeの磁
場での最大磁化(磁束密度)が55emu/g以上、好
適には55〜90emu/gであり、最適には60〜8
5emu/gである。また、1kOeの磁場での最大磁
化は、40emu/g以上が好適であり、好適には40
〜60emu/gであり、最適には45〜60emu/
g以上である。キャリアの磁力が余り小さくなると、現
像剤の搬送性が劣化し、またキャリアがトナーとともに
現像され、いわゆるキャリア引きを生じる。
【0052】キャリアの平均粒度は、5〜100μmが
好適であり、好ましくは5〜50μm、より好ましくは
10〜40μmである。キャリアが余り大きくなると感
光体を均一に帯電させることが困難となる。一方、余り
小さすぎると、現像スリーブ上の現像剤の搬送性が悪く
なり、また一定の電位を感光体に付与するのが難しくな
る。
【0053】導電性磁性キャリアとしては、例えば以下
のものを用いることができる。
【0054】(1)磁性体粉体をそのまま、あるいは表
面酸化処理、表面樹脂コーティング等の安定化処理を施
して用いる磁性粉体キャリア。
【0055】(2)バインダー樹脂に磁性体を含有せし
めた母粒子の表面に、導電層を形成した表面導電化樹脂
キャリア。
【0056】(3)磁性体粉体の表面に導電層を形成し
た、表面導電化粉体キャリア。
【0057】上記磁性粉体キャリアにおける磁性体とし
ては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェラ
イト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一
種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウ
ムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、
表面が酸化処理または樹脂コート処理された鉄や合金の
粒子を用いることができる。その形状は、粒状、球状、
針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合
には、鉄等の強磁性微粒子を用いることができる。ま
た、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガン
マ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライ
ト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒
子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含
有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有するキ
ャリアを得ることができる。
【0058】図3は表面導電化樹脂キャリアの実施例を
示す模式図であり、磁性体粒子25がバインダー樹脂中
に均一に分散されてなるキャリア母粒子24の表面に、
導電性微粒子26が固定されて導電層を形成し、キャリ
ア23が構成されている。キャリア母粒子24に用いら
れるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代
表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が用いられる。
【0059】磁性体粒子25としては、磁性粉体キャリ
アと同様のものが用いられる。磁性体粒子26はキャリ
ア母粒子24中の70〜90重量%を占める量で添加す
ることが適当である。
【0060】導電性微粒子26としては、カーボンブラ
ック、酸化スズ、導電性酸化チタン(酸化チタンに導電
性材料をコーティングしたもの)、炭化ケイ素などが用
いられ、空気中の酸素による酸化によって導電性を失わ
ないものが望ましい。
【0061】キャリア母粒子24の表面への導電性微粒
子26の固着は、例えばキャリア母粒子24と導電性微
粒子26とを均一混合し、キャリア母粒子24の表面に
導電性微粒子26を付着させた後、機械的・熱的な衝撃
力を与え導電性微粒子26をキャリア母粒子24中に打
ち込むようにして固定することにより行われる。導電性
微粒子26は、キャリア母粒子24中に完全に埋設され
るのではなく、その一部をキャリア母粒子24から突き
出すようにして固定される。
【0062】このようにキャリア23の表面に導電性微
粒子26を固定して導電層を形成することにより、効率
的にキャリア23に高い導電性を付与できる。またキャ
リア母粒子24中には導電性微粒子26を配合する必要
がないので、それだけ多くの磁性体粒子25をキャリア
母粒子24中に配合でき、キャリア23の磁力を大きく
することができる。
【0063】図4は、表面導電化樹脂キャリアの他の実
施例を示す模式図であり、磁性体粒子25がバインダー
樹脂中に均一に分散されてなる図3と同様のキャリア母
粒子23の表面に、導電性薄膜27が形成されて導電層
を形成し、キャリア23が構成されている。
【0064】表面導電化粉体キャリアにおいては、例え
ば以下の方法で表面導電層を形成することができる。
【0065】(1)表面導電化樹脂キャリアと同様にし
て導電性薄膜を形成する。
【0066】(2)磁性体粉体の表面を樹脂コーティン
グしたのち、この樹脂コーティング層に対して表面導電
化樹脂キャリアと同様にして導電性微粒子を固定する。
【0067】また、キャリアの真密度は、磁性粉体キャ
リアの場合は使用した磁性体によって決まり、表面導電
化粉体キャリアの場合も実質的に同様である。また表面
導電化樹脂キャリアの真密度は、3.0〜4.5g/c
3 の範囲が好適である。また、嵩密度は2.5g/c
3 以下が好適であり、好ましくは2.0g/cm3
下、より好ましくは1.5g/cm3 以下である。上記
のキャリアとトナーとを混合して現像剤とする。トナー
としては通常の絶縁性トナーが用いられ、好ましくは体
積固有抵抗が1014Ω・cm以上のものであり、好まし
くは1015Ω・cm以上である。この値は、キャリアの
場合と同様に測定される。トナーとしては、従来と同様
の構成のものが用いられ、例えば、バインダー樹脂、着
色剤、電荷制御剤、オフセット防止剤などを配合するこ
とができる。また、磁性体を添加して磁性トナーとする
こともでき、トナーの機内飛散の防止に有効である。
【0068】バインダー樹脂としては、スチレン・アク
リル共重合物等のポリスチレン系樹脂に代表されるビニ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が用いられる。
【0069】着色剤としてはカーボンブラックをはじめ
各種の顔料、染料が、荷電制御剤としては第4級アンモ
ニウム化合物、ニグロシン、ニグロシン塩基、クリスタ
ルバイオレット、トリフェニルメタン化合物等が、オフ
セット防止剤、定着向上助剤としては低分子量ポリプロ
ピレン、低分子ポリエチレンあるいはその変性物等のオ
レフィンワックス、磁性体としてはマグネタイト、フェ
ライトなどが使用できる。
【0070】また図3に示したキャリア23と同様に、
トナー母粒子の表面に帯電性微粒子を固着せしめてトナ
ーとすることにより、トナーの帯電特性を制御すること
もできる。
【0071】更に本発明によれば、現像剤としての体積
固有抵抗は106 Ω・cm以下が好適であり、好ましく
は105 Ω・cm以下、より好ましくは103 〜105
Ω・cmである。この値は、キャリアと同様にして測定
される。抵抗が大きくなりすぎると、感光体の帯電が不
十分となる。
【0072】2成分現像剤としての電気抵抗は、トナー
とキャリアの電気抵抗、トナー濃度、トナーとキャリア
の粒度比、真密度によっても変化する。
【0073】また表面導電化樹脂キャリアを用いた場合
の現像剤のトナー濃度(トナー/キャリア、即ちT/
C)は、10重量%以上が好適であり、好ましくは20
重量%以上、より好ましくは20〜50重量%である。
トナー濃度が低すぎると、本発明の画像記録方式に適用
した場合に十分な画像濃度が得られなくなる。一方、ト
ナー濃度が高すぎると、感光体の帯電が不十分となる。
なお、本発明の画像形成方法では、トナー濃度T/Cの
広い範囲でほぼ同様な画像濃度が得られるので、トナー
濃度の制御を実質上不要または大幅に簡略化することが
できる。
【0074】表面導電化樹脂キャリアを用いた現像剤で
は、キャリアとトナーの平均粒径の比(キャリア)/
(トナー)を、1〜5とすることが好適であり、好まし
くは1〜3である。キャリアに比べてトナーが著しく小
さくなると、一定トナー濃度の場合にトナーによって覆
われるキャリアの表面積が増加し、感光体を十分に帯電
させることができなくなる。その結果、本発明の画像形
成方法に適用した場合に条件によっては画像濃度が低下
する場合がある。なお、トナーの平均粒径は一般に20
μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以下であ
る。
【0075】次に実施例を個々詳述する。
【0076】(例1) 透明な円筒状ガラス基板の周面に、透光性導電層として
ITO層を活性反応蒸着法により1000Aの厚みで形成
し、次いでその上に容量結合型グロー放電分解装置を用
いて表1の成膜条件によりa-Si注入阻止層、a-Si光導電
層、a-SiC 表面層を順次積層して、感光体Aを作製し
た。
【0077】
【表1】
【0078】この感光体Aについて、a-SiC 表面層の暗
抵抗率を測定したところ、表1に示す通りの結果が得ら
れた。
【0079】この感光体Aを図1に示すような画像形成
装置に装着し、そして、スリーブ12と透光性導電層4
との間にVs=+20Vの電圧を印加し、制御電極20を
接地して(Ve=0V)、透光性導電層4と同電位にし
ながら、波長660nm、露光量0.5 μJ/cm2 の条
件で画像露光を行い、感光体上にトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録紙に転写し、熱定着を行って画像を得
た。なお、現像剤には、1成分導電性磁性トナー(抵抗
率103 Ω・cm)を用い、現像剤を感光体2と逆方向
に回転させて現像剤溜り19を形成し、その部位に露光
を行なった。
【0080】この画像を評価したところ、光学濃度(以
下、O.D.と記す。)が1.2 の画像濃度を有し、バッ
クのかぶりのない解像度の良好な画像であった。
【0081】(例2) (例1)の感光体作製に当たって、表1に示す各層に代
えて表2に示す成膜条件によりa-Si注入阻止層、a-SiC
光導電層、a-SiC 表面層を順次形成し、その他は(例
1)と同じ条件により作製して感光体Bを作った。
【0082】
【表2】
【0083】かくして得られた感光体Bの光導電層と表
面層のカーボン量および表面層の暗抵抗率を測定したと
ころ、表2に示す通りの結果が得られた。
【0084】次にこの感光体Bを(例1) と同様に画像
形成装置に装着し、同一条件で画像露光を行い、感光体
上にトナー像を形成し、そのトナー像を記録紙に転写
し、熱定着を行って画像を得た。この画像を評価したと
ころ、O.D.が1.2 の画像濃度を有し、バックのかぶ
りのない、解像度の良好な画像であった。
【0085】更にバイアスを+50Vに上げ、露光量0.6
μJ/cm2 で行ったところ、O.D.が1.4 の良好な
画像を得、高い耐電圧と高い光感度を合わせ持つことが
確認された。
【0086】(例3) 次に本発明者等は(例1)の感光体Aを作製するに当た
り、a-SiC 表面層を積層せず、その他は(例1)と同じ
条件により作製して感光体Cを作った。
【0087】次にこの感光体Cを(例1) と同様に画像
形成装置に装着し、同一条件で画像露光を行い、感光体
上にトナー像を形成し、そのトナー像を記録紙に転写
し、熱定着を行って画像を得た。この画像を評価したと
ころ、O.D.が0.2 の非常に低い画像濃度しか得られ
ず、画像濃度の不十分な画像であった。
【0088】(例4) 次に本発明者らが、(例1)(例2)の感光体につい
て、A4用紙10万枚のランニングコピー試験を行なっ
たところ、試験後も画像濃度、バックのかぶり、解像力
ともに良好な画像が得られ、耐久性にも優れていること
が確かめられた。かくして、本発明の構成の画像形成装
置によれば、高い画像濃度で、良好な画質の画像が得ら
れることが確認できた。
【0089】(例5) (例1)と(例2)の各感光体A,Bを画像評価するに
当たって、次の導電性磁性キャリアと絶縁性トナーから
なる2成分現像剤を用いて画像評価を行った。この導電
性かつ磁性のキャリアは、以下のようにして調整した。
スチレン/アクリル酸n−ブチル共重合体(共重合比8
0/20)25重量部とマグネタイト75重量部とを混
練し、ジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径23μ
mのキャリア母粒子を得た。キャリア母粒子100重量
部に対し、2重量部の導電性カーボンブラック(平均粒
径20〜30nm)をヘンシェルミキサーで混合し、キ
ャリア母粒子の表面に付着させた。次いで表面処理装置
(ハイブリタイザー,奈良機械製作所製)を用い、機械
的衝撃力によりカーボンブラック粒子を母粒子表面に均
一に固着させた。この導電性かつ磁性のキャリアの性状
は、体積固有抵抗が2×103 Ω・cmで、最大磁化
(5kOeで測定)が60emu/gであった。
【0090】スチレン/アクリル酸n−ブチル共重合体
(共重合比80/20)73重量部と、マグネタイト1
5重量部と、カーボンブラック5重量部と、ポリプロピ
レンワックス5重量部、荷電制御剤2重量部を混練し、
ジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径7μmの絶縁
性トナーを得た。上記のキャリア70重量部と、トナ1
30重量部を、均一混合して現像剤とした。現像剤の体
積固有抵抗は3×104Ω、現像剤溜まりで測定したダ
イナミックな抵抗は5×105 Ωであった。
【0091】上記各感光体を光背面記録方式の画像形成
装置に装着し、現像バイアス電圧を+50Vとし、−2
00Vの転写バイアス電圧を転写ローラに印加して市販
普通紙に転写し、熱定着を行って画像形成したところ、
いずれも画像濃度が1.4と高く、地かぶりがなく、解
像度が良好な画像が得られた。
【0092】
【発明の効果】以上の通り本発明の画像形成装置によれ
ば、厚みが1〜15μmであるa-Si系光導電層の上に、
暗抵抗率が1013Ω・cm以上であるとともに厚みが
0.05〜5μmであるa−SiC高抵抗層とを順次積
層した感光体を用いることにより耐摩耗性及び耐環境性
を高めるとともに、高い画像濃度と良好な画像品質を得
ることができた。
【0093】更にこの画像形成装置に用いられる感光体
において、キャリア注入阻止層を形成することによっ
て、光感度や絶縁耐圧や感光体層の密着性を高めること
ができた。
【0094】更にまた、本発明画像形成装置において
は、感光体と現像手段とを双方の最近接部位にて逆方向
に移動させて現像剤溜りを設け、この現像剤溜りに対し
光源により照射するように成したことで、露光までの間
に感光体の帯電が十分に行われ、帯電前の感光体の電位
の履歴の影響が抑えられ、残留トナーなどの回収が十分
に行われ、しかも、感光体が十分に帯電されてから露光
を行っている電荷を消失させており、そのために現像剤
と感光体との電気的引力が強くなり、その結果、良好な
トナー像が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の電子写真方法の要部構成図である。
【図3】実施例で用いた導電性かつ磁性のキャリアの構
造を表す図である。
【図4】実施例で用いた他の導電性かつ磁性のキャリア
の構造を表す図である。
【符号の説明】
2 感光体 7 LEDヘッド 8 現像器 9 転写ローラ 10 イレース用光源 4 透光性導電層 5 光導電層 6 表面層 23 導電性かつ磁性のキャリア 25 磁性体粒子 26 導電性微粒子 27 導電性薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 浩 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の 6 京セラ株式会社滋賀八日市工場内 (56)参考文献 特開 平1−227166(JP,A) 特開 平2−106761(JP,A) 特開 昭57−17952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/00 115 G03G 5/08 105 - 360

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性支持体上に透光性導電層と、アモル
    ファスシリコン系キャリア注入阻止層と、厚みが1〜1
    5μmであるアモルファスシリコン系光導電層と、暗抵
    抗率が1013Ω・cm以上であり、かつ厚みが0.05
    〜5μmであるアモルファスシリコンカーバイドから成
    る高抵抗層とを順次積層した感光体と、該感光体の上記
    高抵抗層側に配設した現像手段と、上記感光体に現像剤
    による画像を形成させるべく上記透光性支持体側から照
    射する光源とから成るとともに、前記感光体と現像手段
    とを双方の最近接部位にて逆方向に移動させて現像剤溜
    りを設け、該現像剤溜りに対し光源により照射せしめた
    ことを特徴とする画像形成装置。
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