JP3112767U - 医療用複室容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作に手間がかかったり、容器全体を大きくしたりすることなく、取り扱いや廃棄が簡便であり、用時混合のし忘れなどの未開通投与といった医療過誤を防止できる医療用複室容器の提供。
【解決手段】薬剤を収納した複数の収納室4a,4bおよび各収納室間を仕切る仕切り用封止部3を有し、少なくともひとつの前記収納室に排出路を介して連通する排出口10を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他の収納室のうち少なくともひとつの収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、前記排出路に、液透過性フィルター12が設けられており、この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させる医療用複室容器。
【選択図】図1

Description

本考案は、液剤と、粉末剤や顆粒剤などの固形剤とを別個に収容する医療用複室容器、医療用二重包装容器に関する。
抗生物質などの溶液状態で不安定な薬剤が収容される医療用複室容器においては、固形状の薬剤と溶解剤とを隔壁で隔てられた収納室に別個に収容され、使用時に隔壁を開通して混合溶解する注射剤用容器が知られている(特許文献1)。
このような注射剤用容器では、例えば、誤って隔壁を開通する操作をせずに使用すれば、溶解剤のみが投与されるという懸念があった。これを防止するため、下室に薬剤を収容するという方法が考えられるが、例えば図3に示すように、ポート部分に薬剤が落下固着し、溶解が不十分になる恐れがある。そこで、薬剤とポート部分の間にさらに空室を設けた注射剤用容器が知られている(特許文献2)。
しかしながら、このような容器では、例えば図4に示すように、開通部分が二箇所以上になり、操作に手間がかかること、および容器全体が大きくなり取り扱いや廃棄が不便になることなどの欠点があった。
特開平4−364850号公報 特公平5−509025号公報
本考案は、操作に手間がかかったり、容器全体を大きくしたりすることなく、取り扱いや廃棄が簡便であり、用時混合のし忘れなどの未開通投与といった医療過誤を防止できる医療用複室容器を提供することを主目的とする。
本考案者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、医療用複室容器の収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形剤を収容し、他の収納室のうち少なくともひとつの収納室には、液剤を収容し、
排出路には、粉末剤や顆粒剤などの固形剤は通過させないが、連通後の混合薬液は通過させるように構成された液透過性フィルターを設けることにより、連通事故や用時混合のし忘れなどの医療過誤を防止できることを見出し、さらに検討を重ねて本考案を完成させるに至った。
すなわち、本考案は、
〔1〕 薬剤を収納した複数の収納室および各収納室間を仕切る仕切り用封止部を有し、少なくともひとつの前記収納室に排出路を介して連通する排出口を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、
前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他の収納室のうち少なくともひとつの収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、
前記排出路に、液透過性フィルターが設けられており、
この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されていることを特徴とする医療用複室容器、
〔2〕 液透過性フィルターの材質が、ニトロセルロース、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、脂肪族ポリアミド、ポリカーボネート、レーヨン、四フッ化エチレン(PTFT)およびポリエーテルサルホンからなる群から選ばれる1種または2種以上である前記〔1〕に記載の医療用複室容器、
〔3〕 液透過性フィルターの孔径が、0.2〜100μmである前記〔2〕に記載の医療用複室容器、
〔4〕 薬剤を収納した2つの収納室および各収納室間を仕切る仕切り用封止部を有し、一方の前記収納室に排出路を介して連通する排出口を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、
前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他方の収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、
前記排出路に、液透過性フィルターが設けられており、
この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されていることを特徴とする医療用複室容器、および
〔5〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の医療用複室容器が、脱酸素剤および/または乾燥剤とともに、ガスバリア製のフィルムで包装されていることを特徴とする医療用二重包装容器、
に関する。
本考案は、操作に手間がかかったり、容器全体を大きくしたりすることなく、取り扱いや廃棄が簡便であり、連通事故や用時混合のし忘れなどの医療過誤を防止できる。また、本考案は、固形剤の吸湿を防ぐことができる。
本考案の医療用複室容器は、薬剤を収納した複数の収納室および各収納室間を仕切る仕切り用封止部を有し、少なくともひとつの前記収納室に排出路を介して連通する排出口を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、
前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他の収納室のうち少なくともひとつの収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、
前記排出路に、液透過性フィルターが設けられており、
この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されていることを特徴とする。
以下、本考案の主要部である前記液透過性フィルターについて説明する。
前記液透過性フィルターは、排出路に設けられており、固形状の薬剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されている。このように構成された液透過性フィルターは、通常、その孔径を、固形状の薬剤の粒径よりも小さく設定し、かつ混合薬液を通過できる大きさに設定することにより得られる。前記液透過性フィルターの孔径は、例えば、前記液透過性フィルターにメンブレンフィルターまたはデプスフィルターを用いた場合であって、薬剤として、抗生物質を用いる場合には、孔径は0.2〜100μmが好ましい。
前記液透過性フィルターの材質としては、医療用に用いることができるものであれば特に限定されず、例えば、ニトロセルロース、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、脂肪族ポリアミド(例えばナイロンなど}、ポリカーボネート、レーヨン、4フッ化エチレン(PTFT)およびポリエーテルサルホンからなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
前記液透過性フィルターは排出路に設けられるが、排出路への設置手段としては、特に限定されず、接着手段、嵌め込み手段、溶着手段などが挙げられる。
本考案の医療用複室容器の前記液透過性フィルター以外の他の構成は、公知の医療用複室容器の構成を適宜に採用できる。そのため、本考案の医療用複室容器は、前記液透過性フィルターを用いて常法に従い製造され得る。
前記医療用複室容器は、前記の従来技術欄で説明したような、合成樹脂フィルムで形成した容器本体内に、弱シール部で互いに区画された複数の収納室を形成した形式のものであるのが、複数の薬剤を無菌状態で容易に混合等できる点で好適である。具体的には、例えば、複数の収納室が弱シール部により区画され、医療用複室容器の一室を外部より押圧することにより当該室が隣接する他の室と連通する医療用複室容器が、好適な例として挙げられる。また、医療用複室容器を複数の室に区画する隔壁に破断可能な流路閉塞体が設けられている構造のものなども挙げられる。また、本考案の医療用複室容器は収納室内で複数の薬剤が混合等されるものであればよく、例えば、上記弱シール部に変えて着脱可能なクリップを備えたものや、収納室間の連通路を開封可能な封止手段で封止したものなど、仕切り用封止部の種類が異なる他の形式の医療用複室容器であってもよい。
本考案の医療用複室容器の各収納室に収納される薬剤は、本考案の目的を阻害しない限り特に限定されず、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容され、他の収納室のうち少なくとも1室には、溶解剤または液状の薬剤が収容される。
本考案の医療用複室容器において、複数室が2容器以上に分かれて連結されていてもよく、その場合には、薬剤を収納する複数容器のうち、少なくとも1容器がガラス製容器であってよい。
また、本考案の医療用複室容器において、複数室が1容器に設置されている場合、容器が、例えば薬剤を収納する室が連通可能で、容器の複数室の隔壁を用時開通でき、薬剤を無菌的に混合できるプラスチック製容器であるのが好ましい。
連通可能な複数室を有するプラスチック製容器における各室の形成材料としては、貯蔵する薬剤の安定性に問題のない樹脂であればよく、比較的大容量の室を形成する部分は、柔軟な熱可塑性樹脂、例えば軟質ポリプロピレンやそのコポリマー、ポリエチレンおよび/またはそのコポリマー、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール部分ケン化物、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物、エチレン−プロピレンコポリマーのようなオレフィン系樹脂もしくはポリオレフィン部分架橋物、スチレン系エラストマー、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類もしくは軟質塩化ビニル樹脂等、またはそれらのうち適当な樹脂を混合した素材、またはナイロンなど他の素材も含めて前記素材を多層に成型したシートなどが利用可能である。
なお、ポート部分の形成材料としては、ガスバリア性を有するものであるのが好ましく、また、容器本体の形成材料としても、ガスバリア性を有するものであるのが好ましい。
本考案の医療用複室容器は、容器本体の各収納室に、薬剤を収容することにより得られ、より具体的には、排出路に連通する収納室に、固形状の薬剤(特に、粉末状や顆粒状の薬剤)を充填し、他の収納室のうち少なくとも1室に、溶解剤または液状の薬剤を充填することにより得られる。
本考案の医療用複室容器において、容器本体が有する各収納室への薬剤の充填、収納は、常法に従って行うことができ、例えば不活性ガス雰囲気下で薬剤を各室へ充填後、施栓し、加熱滅菌する方法が挙げられる。ここで、加熱滅菌は、高圧蒸気滅菌、熱水シャワー滅菌等の公知の方法を採用することができ、必要に応じて二酸化炭素、窒素、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
また、例えば薬剤を、変質、酸化等から確実に防止するために、医療用複室容器を脱酸素剤や乾燥剤と共にバリア性外装袋で包装することができる。医療用複室容器を脱酸素剤および/または乾燥剤とともに、ガスバリア製のフィルムで包装することで、医療用二重包装容器とすることができる。とりわけ、1容器に複数室が設置されている場合で、例えば容器が有する複数室の隔壁が易剥離シールにより形成されたものを採用した場合には、この医療用複室容器は、外圧により隔壁が連通しないように易剥離シール部分を二つ折りにした状態(折りたたまれた状態)でバリア性外装袋に封入されるのが好ましい。また、必要に応じて上記した不活性ガス充填包装等を行うこともできる。
バリア性外装袋の材質としては、一般に汎用されている各種材質のフィルム、シート等を使用できる。その具体例としては、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル等、またはこれらの少なくとも1種を含む材質からなるフィルム、シート等が挙げられる。
また、前記医療用二重包装容器には、上記外装袋と容器との間の空間部に封入される脱酸素剤や乾燥剤を使用してもよく、そのような脱酸素剤や乾燥剤としては、例えば、(1)炭化鉄、鉄カルボニル化合物、酸化鉄、鉄粉、水酸化鉄またはケイ素鉄をハロゲン化金属で被覆したもの、(2)水酸化アルカリ土類金属もしくは炭酸アルカリ土類金属、活性炭と水、結晶水を有する化合物の無水物、アルカリ性物質またはアルコール類化合物と亜ニチオン酸塩との混合物、(3)第一鉄化合物、遷移金属の塩類、アルミニウムの塩類、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含むアルカリ化合物、窒素を含むアルカリ化合物またはアンモニウム塩と亜硫酸アルカリ土類金属との混合物、(4)鉄もしくは亜鉛と硫酸ナトリウム・1水和物との混合物または該混合物とハロゲン化金属との混合物、(5)鉄、銅、スズ、亜鉛またはニッケル;硫酸ナトリウム・7水和物または10水和物;およびハロゲン化金属の混合物、(6)周期律表第4周期の遷移金属;スズもしくはアンチモン;および水との混合物または該混合物とハロゲン化金属との混合物、(7)アルカリ金属もしくはアンモニウムの亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはピロ亜硫酸塩;遷移金属の塩類またはアルミニウムの塩類;および水との混合物などを用いることができる。本考案においては、これら公知物の中から、所望により適宜に選択することができる。また、脱酸素剤としては、市販のものを用いることができ、かかる市販の脱酸素剤としては、例えば「エージレス」(三菱ガス化学社製)、「モデュラン」(日本化薬社製)、「セキュール」(日本曹達社製)、「タモツ」(王子化工社製)等が挙げられる。上記脱酸素剤としては、粉末状のものであれば、適当な通気性の小袋にいれて用いるのが好ましく、錠剤化されているものであれば、包装せずにそのまま用いてもよい。
前記医療用複室容器や医療用二重包装容器において、薬剤を混合する前に点滴具を上記排出口に連結しても、液透過性フィルターは、収納室内から排出路に流入する未混合状態の薬剤が通過不能な孔径であるので、未混合状態の薬剤は排出路から取り出されることがない。一方、薬剤を所定の配合に混合・溶解した後は、排出路に流入する混合薬液に対しては、前記液透過性フィルターは該混合薬液が通過可能な孔径であるので、この混合薬液が排出路から容易に取り出される。
以下、図面を用いて本考案の実施例を説明するが、本考案はこれら実施例に限定されるものではない。
図1は、本考案の医療用複室容器の一態様を示す図であって、液透過性フィルターとしてデプスフィルターを用いた場合を示す。図2は、本考案の医療用複室容器の排出部の一態様を示す図であって、液透過性フィルターにメンブレンフィルターを用いた場合の例を示す。
図1に示すように、医療用複室容器(1)は、容器本体(2)が2枚以上の合成樹脂製フィルムの周縁部を互いに融着させて形成される。この合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂など)、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂などの種々の合成樹脂を単独で或いは組み合わせてフィルム状に成形したものが挙げられる。
上記容器本体(2)の内部には、弱シール部(3)で互いに区画された2つの収納室(4)が設けられている。図1において上側の第1収納室(4a)には第1薬剤(5a)が、下側の第2収納室(4b)には第2薬剤(5b)がそれぞれ収納されている。具体的には、上記第1薬剤(5a)として、溶解剤が用いられ、第2薬剤(5b)として、固形状の薬剤が用いられる。
上記両収納室(4a・4b)を互いに区画する弱シール部(3)の融着強度は、容器本体(2)の周縁部(6)の融着強度よりも小さく設定されている。なお、この弱シール部(3)は、容器本体(2)内を複数の収納室に区画できるものであればよく、形状や形成位置はこの実施例のものに限定されない。また、この実施例では容器本体(2)内を2つの収納室(4)に区画しているが、本考案では3つ以上の収納室に区画してあってもよい。
上記容器本体(2)には、図1における上端部に掛吊穴(7)が形成してあり、下端部に排出部(8)が溶着固定してある。この排出部(8)内には排出路(9)が形成されており、この排出路(9)は上端が上記第2収納室(4b)に連通され、下端が排出口(10)に連通され、この排出口(10)がゴム栓(11)で封止してある。
上記排出路(9)には、固形状の薬剤の排出路(9)への流入を防ぐ液透過性フィルター(12)が設けてある。即ち、図1に示すように、上記排出路(9)に液透過性フィルター(12)が設けてある。
上記液透過性フィルター(12)は、固形状の薬剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成してある。上記液透過性フィルター(12)の孔径は、混合薬液が通過でき、かつ固形状の薬剤が通過できない大きさである。
次に、上記医療用複室容器の使用手順等について説明する。
保管中は前記の両収納室(4a・4b)が前記の弱シール部(3)で区画されているので、各収納室(4a・4b)に収納された両薬剤(5a・5b)は互いに混合されることがなく、混合による経時変化が防止される。このとき、上記液透過性フィルターは、第2薬剤(5b)の固形状の薬剤よりも小さい孔径であり、第2薬剤(5b)は上記液透過性フィルターを通過できない。
上記医療用複室容器(1)を使用する際には、最初に、容器本体(2)を外方から押圧し、両収納室(4a・4b)の少なくとも一方の内圧を高めて上記弱シール部(3)を剥離させる。これにより両収納室(4a・4b)が互いに連通するので、上記第1薬剤(5a)と第2薬剤(5b)とを所定の配合に混合する。両薬剤(5a・5b)を充分に混合すると混合薬液となる。この薬液を患者に投与する際には、上記医療用複室容器(1)を上記掛吊穴(7)で支柱等に吊下げて、上記排出部(8)を下方に位置させる。これにより上記混合薬液が上記排出路(9)内に流入するが、この混合薬液は上記液透過性フィルターを通過可能であるので、混合薬液は上記液透過性フィルター(12)を通過し、点滴具先端の注射針でゴム栓(11)を貫通させることにより、混合薬液が排出路(9)を介して取り出され、患者に投与される。
上記の使用の際に、誤って両薬剤(5a・5b)を混合せずに医療用複室容器(1)を吊下げてゴム栓(11)に刺栓針を刺通すると、上記排出路(9)内には第2薬剤(5b)が流入するが、上記液透過性フィルター(12)の孔径は、固形状の薬剤よりも小さい孔径であるので、第2薬剤(5b)は上記液透過性フィルターを通過できず、この結果、未混合状態の第2薬剤(5b)が取り出されることがない。
なお、参考までに、上記液透過性フィルターがデプスフィルターではない例を、図2に示す。図2は、図1の排出部(8)の他の態様を示し、上記液透過性フィルターがメンブレンフィルターである場合の例を示す。図2のその他の構成は上記図1の実施例と同様であるので、説明を省略する。
また、上記実施例ではそれぞれ1個の液透過性フィルターを用いる場合について説明したが、本考案では2種類の液透過性フィルターを組み合わせて用いてもよい。
本考案により、操作に手間がかかったり、容器全体を大きくしたりすることなく、取り扱いや廃棄が簡便であり、連通事故や用時混合のし忘れなどの医療過誤を防止できる医療用複室容器および医療用二重包装容器を提供できる。
本考案の医療用複室容器の一態様を示す図であって、液透過性フィルターとしてデプスフィルターを用いた場合を示す。 本考案の医療用複室容器の排出部の一態様を示す図であって、液透過性フィルターにメンブレンフィルターを用いた場合の例を示す。 従来の2室からなる医療用複室容器であって、下室に粉末剤を収容した医療用複室容器の一例を示す。 図3で示される医療用複室容器の下室に、さらに弱シールすることにより、排出口側に空室を設けた従来の医療用複室容器の一例を示す。
符号の説明
1 医療用複室容器
2 容器本体
3 仕切り用封止部(弱シール部)
4 収納室
4a 第一収納室
4b 第二収納室
5 薬剤
5a 第一薬剤
5b 第二薬剤
6 周縁部
7 掛吊穴
8 排出部
9 排出路
10 排出口
11 ゴム栓
12 液透過性フィルター
12a デプスフィルターである液透過性フィルター
12b メンブレンフィルターである液透過性フィルター

Claims (5)

  1. 薬剤を収納した複数の収納室および各収納室間を仕切る仕切り用封止部を有し、少なくともひとつの前記収納室に排出路を介して連通する排出口を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、
    前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他の収納室のうち少なくともひとつの収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、
    前記排出路に、液透過性フィルターが設けられており、
    この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されていることを特徴とする医療用複室容器。
  2. 液透過性フィルターの材質が、ニトロセルロース、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、脂肪族ポリアミド、ポリカーボネート、レーヨン、四フッ化エチレン(PTFT)およびポリエーテルサルホンからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の医療用複室容器。
  3. 液透過性フィルターの孔径が、0.2〜100μmである請求項2に記載の医療用複室容器。
  4. 薬剤を収納した2つの収納室および各収納室間を仕切る仕切り用封止部を有し、一方の前記収納室に排出路を介して連通する排出口を備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、
    前記収納室のうち、排出路に連通する収納室には、固形状の薬剤が収容されており、他方の収納室には、溶解剤または液状の薬剤が収容されており、
    前記排出路に、液透過性フィルターが設けられており、
    この液透過性フィルターは、固形剤を通過させないが、連通後の混合薬液を通過させるように構成されていることを特徴とする医療用複室容器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の医療用複室容器が、脱酸素剤および/または乾燥剤とともに、ガスバリア製のフィルムで包装されていることを特徴とする医療用二重包装容器。
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