JP2005000228A - 医療用複室容器 - Google Patents

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崇 吉成
Katsumi Nagao
勝美 長尾
Koichi Kume
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Abstract

【課題】混合前の薬剤の排出を防止するとともに、収納室の薬剤に加え、他の薬剤を用いる場合に、その薬剤を容易に、しかも確実に混合することができる医療用複室容器を提供する。
【解決手段】薬剤を収納する2つの収納室9,11、及びこれら収納室9,11を仕切る仕切り用封止部13を有する容器本体5と、この容器本体5に取り付けられ収納室9,11から薬剤を排出可能な排出部7とを備え、仕切り用封止部13は、使用に際して開封し両収納室9,11を連通させる医療用複室容器であって、容器本体5は、排出部7と第2の収納室11との間を仕切り、使用に際して開封可能な排出用封止部15をさらに備え、排出用封止部15が薬剤が収納される小収納室15cを備えており、小収納室15c内の薬剤は排出用封止部15の開封に伴って流出し、収納室9,11の薬剤と混合するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同時に配合すると経時変化を起こすような不安定な各種薬剤(液剤、粉末若しくは固形剤)を個別に収納する複数の収納室を備えた医療用複室容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静脈注射により患者に投与される薬剤の中には、予め配合すると望ましくない経時的変化を起こすような不安定な薬剤がある。例えばアミノ酸輸液とブドウ糖輸液とを配合して保存しておくと、いわゆるメイラード反応によって混合液が褐変する。また、脂肪乳剤と電解質溶液とを配合して保存しておくと脂肪分が凝集を生じ、リン酸含有液とカルシウム含有液とを配合しておくとリン酸カルシウムの沈殿を生じる。
【0003】
このような薬剤に対しては、混合前の成分を個別に収納する医療用複室容器が用いられることが多い。この複室容器は、例えば特許文献1に示されるように、個別に薬剤を収納する2つの収納室を備え、各収納室間を仕切り用封止部で仕切ったものである。仕切り用封止部は、対向するフィルム面同士を熱融着することで構成され、使用に際して一方の収納室を押圧すると、収納室内の圧力が高まって開封するようになっている。そして、仕切り用封止部が開封すると、両収納室が連通して両薬剤を混合することができ、この混合液を一方の収納室に取り付けられた排出部から排出して、患者に投与する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−158061号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記複室容器では、排出部が一方の収納室に接続されているため、仕切り用封止部を開封する前に、排出部から薬剤を排出してしまうと、混合前の薬剤が排出されるという問題があった。
【0006】
ところで、上記特許文献1には、高カロリー輸液(IVH)に使用される複室容器について記載されており、IVHを施行する際に問題となるビタミン欠乏症を解消するため、各収納室内の薬剤とは別個にビタミン溶液を収納することが記載されている。より詳細に説明すると、この複室容器には、ビタミン溶液が収納された小容器が一方の収納室内に固着されており、この小容器は押圧によって開封するように構成されている。そして、使用の際には、収納室の外部から小容器を押圧して開封させ、内部のビタミン液を両収納室の薬剤と混合させてから患者に投与している。
【0007】
ところが、上記のような小容器の開封操作は、仕切り用封止部の開封操作とは別個に行う必要があるため、容器を使用する際の作業が煩雑になるという問題がある。特に、多忙な医療現場においては、このような煩雑な作業は作業者にとって大きな負担となることが多い。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、混合前の薬剤の排出を防止するとともに、収納室の薬剤に加え、他の薬剤を用いる場合に、その薬剤を容易に、しかも確実に混合することができる医療用複室容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、薬剤を収納する複数の収納室、及びこれら収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出可能な排出部とを備え、前記仕切り用封止部は、使用に際して開封し前記複数の収納室を連通させる医療用複室容器であって、上記目的を達成するためになされたものであり、前記容器本体は、前記排出部と収納室との間を仕切り、使用に際して開封可能な排出用封止部をさらに備え、当該排出用封止部は薬剤が収納される小収納室を備えており、当該小収納室内の薬剤は前記排出用封止部の開封に伴って流出し、前記収納室の薬剤と混合するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、収納室と排出部との間に排出用封止部が形成されているため、仕切り用封止部の開封前に、排出部を開封しても薬剤が排出されることはない。したがって、混合前の薬剤が排出されるのを確実に防止することができる。また、排出用封止部に薬剤が収納された小収納室が形成されているため、排出用封止部が開封すれば、各収納室の薬剤の混合液に小収納室から流出した薬剤が混合される。したがって、例えばIVHを施行する際に、従来例のようにビタミン用液が封入された小容器を準備する必要がなく、しかも小容器の開封を別個に行う作業が不要になるため、薬剤投与作業の簡素化を図ることができる。
【0011】
排出用封止部は、種々の態様で構成することができるが、例えば次のようにすることができる。すなわち、排出用封止部が、容器本体の対向する内壁面同士を離間可能に固着した固着部を有し、小収納室は、その周縁を前記固着部で囲むことによって形成され、固着部を形成する内壁面の離間に伴って、排出用封止部が開封するように構成することができる。なお、本発明の固着部は、容器本体の内壁面同士を直接接触させて融着させるほか、対向する内壁面の間に、融着可能な部材を挟み、この部材を介して内壁面同士を固着したものも含む。また、熱融着以外でも、内壁面同士を離間可能に固着できるものであれば、その方法は特には限定されない。
【0012】
前記排出用封止部は、その両端部が前記容器本体の周縁部と連結され、当該端部の一方または双方の幅が中央部の幅より小さくすることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、排出用封止部の端部の幅が中央部よりも小さくなっているため、例えば同一の圧力が作用した場合には、中央部よりも端部の方が開封しやすくなっている。ここで、容器本体を押圧して排出用封止部に作用する力は、その中央部に大きく作用する一方、端部に作用する力は小さいため未開封の部分が残ることがある。これに対して、上記のように構成すると、端部に作用する力が弱くても開封させることができるため、薬剤の排出の妨げとなる未開封部分が容器本体周縁部に生じるのを防止することができる。その結果、未開封部分が障壁となって薬剤の一部が容器本体中に残留するのを防止し、薬剤排出部から薬剤を確実に排出することができる。上記の場合、排出用封止部の両端部のうち、一方の端部の幅のみを小さくしてもよいが、未開封部分を確実になくして薬剤をスムーズに排出するためには、両端部の幅を小さくすることが好ましい。
【0014】
なお、本明細書中にいう排出用封止部における「中央部」とは、開封時に破壊されずに封止状態のまま残りやすい両端部を除いた中央寄りの部分を意味する。
【0015】
また、端部を開封しやすくするためには、排出用封止部の長手方向における単位長さあたりの封止解除強度が、該排出用封止部の両端部のうち少なくとも一方の端部のものが、中央部のものより小さくなるように構成することによっても実現することができる。
【0016】
また、排出用封止部は、その両端部が容器本体の周縁部と連結され、排出部における収納室側を向く端部を囲むように形成することが好ましい。このようにすると、融着面積を小さくすることができるため、製造時間や製造コストを低減することができる。また、融着面積が小さいことから、排出用封止部にしわが生じにくく、その結果、不良発生率を低減できるという利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る医療用複室容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る医療用複室容器の平面図である。
【0018】
図1に示すように、この医療用複室容器1は、矩形状の2枚のフィルムの周縁部3を熱融着して袋状に形成された容器本体5と、この容器本体5に接続され内部にゴム栓(図示省略)を有する薬剤排出部7とを備えている。容器本体5は、長手方向に並べて配置され薬剤が封入される第1収納室9及び第2収納室11を有しており、2つの収納室9,11は仕切り用封止部13で仕切られている。また、上記した薬剤排出部7は容器本体5における第2収納室11側の端部に接続されており、この排出部7と第2収納室11とは、排出用封止部15によって仕切られている。容器本体5において薬剤排出部7と反対側の端部には、容器1を吊り掛けるための吊掛孔17が形成されている。
【0019】
各収納室9,11には、予め混合或いは溶解しておくとメイラード反応等の経時変化を起こすため隔離する必要がある各種薬剤a,bがそれぞれ封入されている。例えば一方の収納室にアミノ酸を含有する溶液、他方の収納室にブドウ糖を含有する溶液を収納することができる。また、必要に応じていずれか一方の収納室に電解質等を封入することもできる。なお、液剤だけでなく、いずれか一方の収納室に固形または粉末薬剤を収納することもできる。
【0020】
容器本体5を構成するフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等、種々の樹脂材料を採用することができる。但し、後述するように仕切り用封止部13は容器本体5の内壁面同士を融着することから、容器本体5のフィルムは互いに相溶性が乏しく融点の異なる樹脂を混合した混合樹脂で形成することが好ましい。このようにすると、融着強度の制御が容易になるという利点がある。そのような樹脂の組み合わせとしては、例えばスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、又はポリプロピレンから選ばれる樹脂と、ポリエチレンとの混合樹脂を例示することができる。そのうち、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂、及びポリエチレンと環状オレフィン樹脂との混合樹脂は、医療用として安全性が確認されていること、及び製造上の取り扱いが確立されていることから特に好ましい。
【0021】
また、容器本体5を形成するフィルムは、上述した樹脂のみからなる単層のフィルムの他、多層構造のフィルムを使用することができる。この場合、容器本体5の最内層を構成する樹脂層が上記のような樹脂から形成されていればよい。
【0022】
仕切り用封止部13および排出用封止部15は、容器本体5の内壁面同士を熱融着することで構成されており、収納室9,11の内圧を高めると開封するようになっている。このうち、排出用封止部15は、排出部7が取り付けられた容器本体周縁部3の一辺にその両端部が連結されており、排出部7を囲むように円弧状に形成されている。また、排出用封止部15は、容器本体5の内壁面同士を熱融着した円弧状の2つの固着部15a,15bを備えている。より詳細には、各固着部15a,15bは、排出用封止部15における第2収納室11を向く端縁、及び排出部7を向く端縁をそれぞれ形成しており、両固着部15a,15bの間にはビタミンD溶液を収納する小収納室15cが形成されている。
【0023】
仕切り用封止部13及び排出用封止部15の固着部15a,15bは、上記のように収納室内の圧力を高めたときに開封する強度で、内壁面同士を熱融着したものである。このような融着強度としては、例えば、直径100mmの円板でいずれかの収納室を押圧し、10〜30kg程度の力をかけたときに仕切り用封止部13或いは固着部15aが開封するようなものが適当である。
【0024】
なお、小収納室15cには、上記ビタミンD溶液以外にも、各収納室9,11に封入されている薬剤に直接混入するのが好ましくない種々の薬剤、例えば抗生物質、抗癌剤、強心剤等の粉末剤や液剤などを広範囲に選択することができる。また、液剤としては、特に限定されるものではないが、ビタミン類や微量元素の液剤、生理食塩液やブドウ糖液などの溶解液、輸液などを採用することができる。ここで、小収納室15cに収納される薬剤が通常のプラスチックフィルムに吸着されやすいものである場合には、容器本体5を多層フィルムで形成し、最内層に薬剤吸着防止樹脂を配置することが好ましい。このとき用いられる樹脂としては、環状オレフィン樹脂、ポリアクリロニトリル、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエステルなどを例示することができる。
【0025】
次に、上記のように構成された医療用複室容器の使用方法について説明する。複室容器1内の薬剤を患者に投与するには、まず、第1収納室9を押圧する。これにより、収納室9内の圧力が高まって、仕切り用封止部13が開封し、両収納室9,11が連通する。その結果、両収納室9,11内の薬剤が混合される。続いて、連通した両収納室9,11を押圧し排出用封止部15を開封する。このとき、まず第2収納室9側の固着部15aが開封し、ビタミンD溶液が流出する。これにより容器本体5内の全ての薬剤が混合される。ここからさらに両収納室9,11を押圧すると、排出部7側の固着部15bが開封する。続いて、薬剤排出部7のゴム栓に導管(図示省略)が接続された刺栓針(図示省略)を刺入すると、混合された薬液が導管を介して患者に投与される。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、第2収納室11と排出部7との間を仕切る排出用封止部15が設けられているため、仕切り用封止部13を開封する前に、排出部7に導管が刺入されても薬剤の排出が排出されることはない。したがって、混合前の薬剤の排出を未然に防止することができる。
【0027】
また、上記排出用封止部15には、ビタミンD溶液が収容された小収納室15cが形成されているため、排出用封止部15の開封とともに、この小収納室15cからビタミンD溶液を流出させることができる。したがって、従来例のように仕切り用封止部の開封とは別個に、小容器の開封を行う作業が不要になり、薬剤投与作業の簡素化を図ることができる。
【0028】
なお、本発明に係る医療用複室容器は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態の排出用封止部15は、円弧状に形成された一対の固着部15a,15bの間に小収納室15cを形成したものであるが、これに限定されるものではない。すなわち、排出用封止部15の中に小収納室が形成され、排出用封止部15の開封とともに小収納室から薬剤が流出するように構成されていればよい。例えば、図1のように排出用封止部の全体に亘って小収納室を形成するのではなく、図2(a)に示すように、排出用封止部15の中央部に楕円状の小収納室15cを形成することができる。或いは、図2(b)に示すように、排出用封止部15を角部を有する矩形状に形成し、第2収納室11側を向く一辺に小収納室15cを形成することもできる。また、図2(c)に示すように、小収納室を2つに分割し、2種類の薬剤を収納することもできる。この場合、分割された2つの小収納室15c1,15c2間は上記と同様の強度の固着部15dによって仕切られ、この固着部15dの開封により両小収納室15c1,15c2の薬剤は混合するようになっている。
【0029】
また、排出用封止部15を開封しやすくするためには、次のようにすることが好ましい。図3に示すように、この例では、排出用封止部15を構成する固着部15a,15bの頂部それぞれにV字形の突出部15a1,15b1が形成されている。この突出部15a1,15b1は、図3(a)に示すように第2収納室11側を向いていてもよいし、図3(b)に示すように排出部7側を向いていてもよい。
【0030】
この突出部を設けることによって、次のような効果を得ることができる。以下では、図3(a)の例を用いて説明する。図4(a)に示すように、第2収納室内11の圧力が高くなると、排出用封止部15には図中の矢印の方向に圧力が作用する。このとき、圧力は封止部15に対して垂直に且つ等しく作用するため、突出部15a1の頂部B付近の領域に作用する総圧力は、排出用封止部15の他の領域に比べて高くなる。こうして、図5(b)に示すように、この圧力は容器本体3を構成するフィルムを離間させる方向に作用し、収納室11内の圧力が高くなると、排出用封止部15は、突出部21aの頂部Bから開封を開始する。これにより、圧力の作用下に開封が急速に進行し、第2収納室11と排出部32とが連通する。
【0031】
以上のような構成にすることで、比較的小さい力で排出用封止部15を開封することができる。また、このようにすると、次のような利点もある。例えば、上記のように仕切り用封止部13を先に開封すると、排出用封止部15を開封するためには、第1及び第2収納室9,11からなる広い面積を押圧しなければならないため、押圧力を大きくする必要がある。これに対して、上記のように構成すると、押圧面積が大きくても比較的小さい力で、排出用封止部15を開封することができる。
【0032】
なお、図3(b)のように構成しても、同様の作用効果を得ることができる。すなわち、この場合は、図4(a)に示す圧力(同図の矢印)が突出部15a1における頂部Bとは反対側(同図の下側)から作用する。このようになっても、突出部15a1の頂部B付近に圧力が集中して作用するため、排出用封止部15を比較的小さい力で開封することができる。
【0033】
ところで、上記のような排出用封止部15では、開封の際に容器本体5を押圧することによって封止部15に作用する圧力が、その中央付近に作用しやすい傾向にある。そのため、封止部15の中央付近のみが開封する一方、その両端部が未開封状態のままになるということがあった。
【0034】
このような状態が排出用封止部15で発生すると、図5(a)に示すように、両端部の未開封部分が障壁になって薬剤排出部7への薬液の流れが妨げられることになり、容器の両側部付近の薬液Lが薬剤排出部7へ流れず、すべての薬液をスムーズに投与できないという問題がある。これに対して、図5(b)に示すように、排出用封止部7の端部Eの幅を、その中央部よりも小さくすると、端部が開封しやすくなり、未開封部分となるのを防止することができる。このとき、同図のように段差を付けてもよいし、中央部から端部にいくにしたがって徐々にその幅が狭くなるようにしてもよい。
【0035】
或いは、排出用封止部7の端部の封止解除強度を中央部よりも小さくすることで、上記問題を解決することができる。ここで言う封止解除強度とは、排出用封止部7の単位長さあたりの封止(熱融着によるフィルム面同士の固着状態)を解除するために必要な力をいい、例えばJIS−Z0238に基づく方法で計測した力で表すことができる。この場合、端部の融着時間や融着圧力を中央部よりも小さくすることで、上記のような封止解除強度の差を設けることができる。
【0036】
また、上記実施形態では、排出用封止部15を円弧状に形成しているが、容器本体5の左右の両側辺を結ぶ直線状に形成することもできる。但し、融着面積を小さくできることを考慮すると、排出用封止部15は排出部7の端部を囲むように形成することが好ましい。
【0037】
上記実施形態では、容器本体5の対向する内壁面同士を直接熱融着して固着しているが、これに限定されるものではない。つまり、内壁面同士が固着され、使用に際して外力が作用すると固着状態が解除されるようになっていればよい。例えば、容器本体5の対向する各フィルム面に凸条部及び凹条部をそれぞれ設け、これらを離脱可能に凹凸嵌合させることによって構成することもできる。
【0038】
また、上記実施形態の医療用複室容器では、収納室を2つ設けているが、これに限定されるものではなく、3以上の収納室を備えるようにすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、混合前の薬剤の排出を防止するとともに、収納室の薬剤に加え、他の薬剤を用いる場合に、その薬剤を容易に、しかも確実に混合することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用複室容器の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明にかかる医療用複室容器の他の例を示す平面図である。
【図3】本発明にかかる医療用複室容器の他の例を示す平面図である。
【図4】図3に示す複室容器の排出用封止部の開封を説明する図である。
【図5】本発明にかかる医療用複室容器の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 医療用複室容器
5 容器本体
9,11 収納室
13 仕切り用封止部
15 排出用封止部
15a,b 固着部
15c 小収納室

Claims (5)

  1. 薬剤を収納する複数の収納室、及びこれら収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出可能な排出部とを備え、前記仕切り用封止部は、使用に際して開封し前記複数の収納室を連通させる医療用複室容器であって、
    前記容器本体は、前記排出部と収納室との間を仕切り、使用に際して開封可能な排出用封止部をさらに備え、
    当該排出用封止部は薬剤が収納される小収納室を備えており、当該小収納室内の薬剤は前記排出用封止部の開封に伴って流出し前記収納室の薬剤と混合するように構成されている医療用複室容器。
  2. 前記排出用封止部は、前記容器本体の対向する内壁面同士を離間可能に固着した固着部を有しており、
    前記小収納室は、その周縁を前記固着部で囲むことによって形成され、
    前記固着部を形成する前記内壁面の離間に伴って、前記排出用封止部が開封する請求項1に記載の医療用複室容器。
  3. 前記排出用封止部は、その両端部が前記容器本体の周縁部と連結され、
    当該端部の一方または双方の幅が中央部の幅より小さくなっている請求項1または2に記載の医療用複室容器。
  4. 前記排出用封止部は、その両端部が前記容器本体の周縁部と連結され、
    前記排出用封止部の長手方向における単位長さあたりの封止解除強度は、当該排出用封止部の両端部のうち少なくとも一方の端部のものが、中央部のものより小さくなるように構成されている請求項1または2に医療用複室容器。
  5. 前記排出用封止部は、その両端部が前記容器本体の周縁部と連結され、前記排出部における前記収納室を向く端部を囲むように形成されている請求項1から4のいずれかに記載の医療用複室容器。
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