JP3112079B2 - ポリエステル多層成形品 - Google Patents

ポリエステル多層成形品

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広信 北川
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features
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  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフイルム、トレイ等の成形品に適した新規な
性能を有するポリエステル樹脂による積層多層成形品に
関する。更に詳しくはポリエチレンテレフタレート樹脂
とエチレン−2,6−ナフタレート単位とエチレンイソフ
タレート単位との共重合ポリエステル樹脂を少なくとも
二層に積層せしめたカスバリヤー性、透明性、成形性の
優れたフイルム、トレイ等に使用し得るポリエステル系
多層成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリエチレンテレフタレート(以下PETと記
す)によるフイルム、トレイ等の成形品は機械的強度、
透明性、成形性、耐薬品性等に優れた特性を有すること
から、成形用樹脂として広く使用されている。 しかしながら、かかるPET成形品においても酸素、炭
酸ガス等のカスバリヤー性が十分ではなく、保存が長期
に及んだり、容器が小さい場合等、さらに高カスバリヤ
ーが要求される場合に、商品価値を低める欠点を有す
る。
【0003】 かかる欠点を改良する方法として、PETよりカスバリ
ヤー性の特に優れたキシレン基含有ポリアミド樹脂(以
下MXD−6と記す)とPETを積層せしめる方法、例えば特
開昭56−64866、特公昭60−240409号公報に提案されて
いる。またPETにこのMXD−6をブレンドする方法例えば
特開昭58−160344号公報に提案されている。さらにPET
よりカスバリヤー性の優れたポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(以下PENと記す)をPETに積層せしめる方法、
例えば特公平1−26940号公報に提案されている。
【0004】 しかしかかる成形品はPETとMXD−6との積層の場合は
層間接着性がきわめて弱く剥離が生じやすかったり、MX
D−6が未延伸で積層されている所はMXD−6の吸湿結晶
化により白化するという実用上の大きな欠点を有してい
る。またPETにMXD−6をブレンドする場合は、PETとMXD
−6が非相溶であるため透明性特に、MXD−6によるパ
ール光沢の発現による透明感の悪さが実用上の大きな欠
点となる。
【0005】 一方PENとPETの積層の場合はPEN及びPETの融解温度と
ガラス転位温度がそれぞれ、273℃、113℃及び254℃、7
2℃とPENがPETより融解温度で約20℃、ガラス転位温度
で約40℃高く、この樹脂の有する基本的な熱的挙動の差
異が成形加工上の問題となって現われる。例えば溶融成
形時にホットランナーの温度をPETに適した温度に設定
すると、成形品にPENによる白濁が発生したり、さらに
著しい場合は、固化物が混入したりする。またPENに適
した温度に設定すると高温のためPETの熱劣化つまり分
子量の低下、アセトアルデヒドの発生を促進したりす
る。
【0006】 一方、成形品が、延伸体である場合は、延伸時の延伸
温度がPETでTg(72℃)+20℃〜Tg+50℃、一方PENでTg
(113℃)+20℃〜Tg+50℃の温度範囲が適切な温度範
囲と一般的に考えられており、PETとPENの積層体を延伸
する場合に延伸温度を低温側に設定すると、PENが冷延
伸状態となり微少なボイドが発生したり著しい延伸むら
が発生し、高温側に設定すると、PETが適切な配向を伴
なわない所謂ドロー延伸状態になったり、延伸むらが発
生したり、さらには熱結晶化により白濁が生じる。ま
た、カスバリヤー性を付与しようとしてPENの使用比率
を多くした場合、この欠点がさらに著しく現れ、成形上
の大きな欠点となる。この様にカスバリヤー性、成形
性、透明性をバランスよく改良せしめるに至らない欠点
があり、その改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れたカスバリヤー性、透明性を有
するフイルム、トレー等の成形品を得るに適した成形性
に優れるポリエステル多層成形品を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題に着目し、前記の如き欠点の無
いフイルム、トレイ等の成形品を得るに適した多層成形
品に関し、鋭意研究の結果、カスバリヤー性、透明性、
成形性に優れ、前記欠点を改善出来うるポリエステル多
層成形品を見出し本発明に到達した。 即ち本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂
〔A〕層とエチレン−2,6−ナフタレート単位40〜90モ
ル%とエチレンイソフタレート単位60〜10モル%との共
重合ポリエステル樹脂〔B〕層とを少なくとも一層づつ
含むポリエステル多層成形品であって、その層構成比
〔A〕:〔B〕が10〜75重量%対90〜25重量%であるこ
とを特徴とするポリエステルフィルム又はシートであ
る。
【0009】 本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂
〔A〕はポリエチレンテレフタレートのホモポリマーを
主たる対象とするがテレフタル酸成分の一部を例えばイ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフエノキシエタンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環族ジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の
如き脂肪族ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ
安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の如きオキシ酸等の
他の二官能性カルボン酸の1種以上で、及び/又はエチ
レングリコール成分の一部を例えばトリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1,1−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2
−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキジフェニル)プロ
パン、ビス(4′−β−ヒドロキシエトキジフェニル)
スルホン酸等の他の多官能化合物の1種以上で置換して
5モル%以下、好ましくは2モル%以下の範囲で共重合
せしめたコポリマーであっても良い。
【0010】 また、本発明におけるポリエステル樹脂〔B〕は、エ
チレン−2,6−ナフタレート単位とエチレンイソフタレ
ート単位との共重合ポリエステル樹脂であって、2,6−
ナフタレンジカルボン酸成分90〜40モル%好ましくは80
〜50モル%、イソフタル酸成分10〜60モル%好ましくは
20〜50モル%のモル比で、2,6−ナフタレンジカルボン
酸成分が90モル%より多い場合はイソフタル酸成分との
共重合、ランダム化による融解温度降下とガラス転位温
度降下の効果が現われず、PETとの積層成形時における
溶融成形性及び延伸成形性への効果が現われない。ま
た、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が50モル%より
少ない場合は、融解温度が著しく低下して、溶融粘度の
低下をきたし、重合釜からのキャスティングが非常に困
難になり、PETとの積層時には共重合樹脂自体の溶融時
の熱劣化が著しくなる。
【0011】 そして、この共重合ポリエステル樹脂〔B〕は、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸及びイソフタル酸とエチレ
ングリコールとを触媒の存在下で適当な反応条件下に結
合せしめることによって合成され、さらに、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸成分の一部を2,7−、1,5−、1,6
−、1,7−その他のナフタリンジカルボン酸の異性体或
いはテレフタル酸或いは前述の多官能性カルボン酸の1
種以上で、及び/又はエチレングリコール成分の一部を
前述の多官能性グリコールの1種以上で各々置換して5
モル%以下、好ましくは2モル%以下で共重合せしめた
コポリマーであっても良い。
【0012】 かかるポリエステル樹脂〔A〕および〔B〕の固有粘
度(IV)は、溶融押出し、射出成形がなしうる範囲、加
熱延伸時の延伸性が良好である範囲、得られた成形品の
機械的特性等より、IV=0.3〜1.2、好ましくは0.4〜1.0
の範囲である。
【0013】 本発明におけるポリエステル樹脂〔A〕層と〔B〕層
との構成は、ポリエチレンナフタレート樹脂〔A〕と共
重合ポリエステル樹脂〔B〕との二層以上のいかなる組
合わせであっても良いが、特にPET層を内層とし共重合
ポリエステル樹脂〔B〕を外層とした二層、PET層を最
内層及び最外層とし、共重合ポリエステル層を中間層と
した三層が好ましい。各層を構成する重量割合は、カス
バリヤー性の効果及び延伸性の制約からポリエステル樹
脂〔A〕10〜75重量%、特に25〜75重量%、共重合ポリ
エステル樹脂〔B〕90〜25重量%、特に75〜25重量%が
好ましい。
【0014】 これらの樹脂には、必要により少量の他の重合体を添
加あるいは混合することもできるが、この場合は前記ポ
リエステル樹脂の性質を本質的に変化させない範囲で行
うことが好ましい。これらの添加物或いは混合物として
は、例えばポリアミド、ポリオレフィン、その他ポリエ
ステル等が挙げられる。また前記ポリエステル樹脂は必
要に応じて艶消剤、着色剤、安定剤等の添加剤を含有し
ても差し支えない。
【0015】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 まず、主な物性値の測定法は次の通りである。 極限粘度〔IV〕: o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定。 融解温度〔Tm〕: 高柳式融点測定機(京都計量器製作所社製)で測定。 ガラス転位温度〔Tg〕: 示差熱量計(PERKIN−ELMER社製DSC−1B)により20℃
/minの昇温速度で測定。 酸素透過率: Ox−Tran100形酸素透過率測定器(MOCON社製)により
25℃×100%RHにて測定。 霞度〔Haze〕:ヘーズメーターS(東洋精機社製)によ
り次式から算出した。 Haze=T4/T2×100−T3(%) T2:全透過光量、T3:装置による散乱光量 T4:装置と試料により散乱される光量 配向度〔△n〕: アッベ屈折計に偏光板を装置し、延伸フイルムから切
り取った試料の平面方向及び厚み方向の屈折率を温度25
℃でナトリウムのD線を用いて測定し、両者の差を計算
により求めた。 引張破断強度: 巾5mのたんざく状試片を用いてテンンロン(東洋ボール
ドウィン社製)によりチャック間40mm、引張速度50mm/m
inの条件下で測定した(23℃)。
【0016】 次に使用したポリエチレンテレフタレート樹脂
〔A〕,エチレン−2,6−ナフタレート単位とエチレン
イソフタレート単位との共重合ポリエステル樹脂〔B〕
及びポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂は次の通り
である。 (1)ポリエチレンテレフタレート樹脂〔A〕: 日本ユニペット(株)製IV=0.75のPETホモポリマー。 (2)エチレン−2,6−ナフタレート単位とエチレンイ
ソフタレート単位との共重合ポリエステル樹脂〔B〕: オートクレーブにて、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸
及びイソフタル酸とエチレングリコールとのエステル交
換反応を触媒の存在下で行なうことにより初期縮合物を
製造し、この初期縮合物を重縮合させしめることにより
得られた。この様にしてオートクレーブにて次の表1に
示す4種類の共重合ポリエステル樹脂〔B−1〕〜〔B
−4〕を得た。
【0017】
【0018】 (3)ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂オートク
レーブにて、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸とエチレ
ングリコールとのエステル交換反応を触媒の存在下で行
なうことにより初期縮合物を製造し、この初期縮合物を
重縮合せしめることにより得られたIV=0.61のPENホモ
ポリマー。
【0019】 実施例1〜5、比較例1 前記の各樹脂を用いて、プラスチック研究所製多層シ
ート成形機のシリンダI温度275℃設定、シリンダII温
度設定275℃設定、ホットランナー温度270℃設定、チル
ロール温度17℃設定にて厚み250μmの積層及び単層の
未延伸シートを形成し、次にこのシートを用いてTM−LO
NG社製延伸フイルム成形機の延伸温度105〜115℃設定、
延伸倍率3倍×3倍設定の二軸延伸積層及び単層フイル
ムを得た。該フイルムの酸素がカスバリヤー性の評価結
果を表2に示す。
【0020】
【0021】 表2より明らかな如く、PETと共重合ポリエステル樹
脂〔B〕とを積層せしめた多層フイルムはPETより優れ
た良好なガスバリヤ性を示す。
【0022】 実施例6〜10及び比較例2〜3 前記の各樹脂を用いて、プラスチック研究所製多層シ
ート成形機のシリンダI,III(PET層用シリンダ)275℃
設定、シリンダI(中間層用シリンダ)275℃、285℃、
295℃設定、ホットランナー280℃設定、チルロール温度
17℃設定にて厚み250μmの積層及び単層の未延伸シー
トを成形した。該シートの透明性及び破断強度の評価結
果を表3に示す。
【0023】
【0025】 表3より明らかな如く、PETと共重合ポリエステル
〔B〕とを積層せしめた多層シートは、PETとPENとを積
層せしめた多層シートの様な曇りは現われず、特に低温
溶融成形時の透明性に対する成形性が優れている。また
PETに共重合ポリエステル〔B〕を積層せしめたシート
はPETの単層シートより優れた強度特性を示す。
【0024】 実施例11〜15、比較例4〜5 前記の各樹脂を用いて、プラスチック研究所製多層シ
ート成形機のシリンダI,III(PET層用シリンダ)275℃
設定、シリンダII(中間層用シリンダ)、275℃及び295
℃設定、ホットランナー280℃設定、チルロール17℃設
定にて厚み250μmの積層及び単層の未延伸シートを成
形した。次にこのシートを用いてTM−LONG社製延伸フイ
ルム成形機の延伸温度設定90〜170℃の5℃間隔で延伸
倍率3倍×3倍設定の二軸延伸フイルムを得た。この時
の成形状況から各樹脂での延伸範囲を表4に示す。
【0025】
【0026】 表4に示した延伸温度範囲より低い場合はネック延伸
を伴なう配向むらが発生したり冷延伸による微小ボイド
が発生し、この延伸温度より高い場合はしだいに適切な
配向を伴なわない所謂ドロー延伸になってしまい、いず
れの場合にも延伸体の外観上、上記の延伸温度より5℃
〜10℃低温、高温側で厚みむら、シワ等の不具合が観察
された。 表4より、PETと共重合ポリエステル樹脂〔B〕との
積層体の場合はPETと同等の延伸温度で延伸が可能であ
り、現在工業的に広く用いられているPET用のフイルム
延伸装置等が広く使用可能であり、成形加工上も優れた
特性をもつ。
【0027】
【発明の効果】
以上実施例で述べた如く、本発明のポリエステル多層
成形品は、カスバリヤー性に優れたパール光沢のない透
明感のある多層成形品であり、かつその成形時や延伸時
におけるトラブル発生が少なく、成形性においても優れ
た特性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−85732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレート樹脂〔A〕層
    とエチレン−2,6−ナフタレート単位40〜90モル%とエ
    チレンイソフタレート単位60〜10モル%との共重合ポリ
    エステル樹脂〔B〕層とを少なくとも一層づつ含むポリ
    エステル多層成形品であって、その層構成比〔A〕:
    〔B〕が10〜75重量%対90〜25重量%であることを特徴
    とするポリエステルフィルム又はシート。
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