JP3111014U - 3層構造キャンディ - Google Patents

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Abstract

【課題】 舐め初めと終わりで食感や冷涼感が大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感や冷涼感を持続させることができる美味しい3層構造キャンディの提供。
【解決手段】 少なくとも中間層3のキャンディ組成がこの中間層3をサンドイッチ積層する他の2層4のキャンディ組成と異なる構成を有する3層構造キャンディ2であって、中間層3がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]が10〜30%である3層構造キャンディ2により課題を解決できる。
【選択図】 図2

Description

本考案は、3層構造キャンディに関するものであり、さらに詳しくは、中間層とこの中間層をサンドイッチ積層する他の2層からなる3層構造キャンディであって舐め続けてもその特徴的食感が持続する美味しい3層構造キャンディに関するものである。
従来、キャンディ組成が異なる2層を積層した構成の2層構造キャンディは、製造方法が簡便であり、知られている。2層構造キャンディはいずれの層もキャンディ本体の外部に大きく露出しているので、舐め始めから両方の層が溶解し食感に訴える効果が大きい。しかし、2層構造キャンディのいずれの層の溶解速度が同じであれば均等に溶解するのでよいが、いずれかの層の溶解速度が他方より早いと、溶解速度が早い層が早く溶出してなくなり、2構造キャンディは舐め初めと終わりでは食感が異なり、舐め終わるまで初期の食感を持続させることが出来ず、2層構造の特徴が失われてしまうという問題があり、2層構造キャンディの構成ではこの問題を容易には回避できなかった。
一方、キシリトールは味質の良さに加えて、キシリトールは結晶性の糖質であるので、結晶の溶解熱で舐めている時に冷涼感が得られることや虫歯予防効果の点でキャンディ業界で注目されている原料であり、キシリトール結晶層を中間層とした3層構造キャンディが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来の3層構造キャンディは、舐め初めと終わりで食感や冷涼感が大きく変化し、その変化を楽しむことはできるが、舐め終わるまで初期の食感や冷涼感を持続させることができなかった。
特許第3460187号公報
3層構造キャンディの中間層は他の2層によりサンドイッチ積層されているので2層構造キャンディとは形状や機能面で大きく異なっているが、キャンディ本体の中間層の部分の食感や冷涼感を舐め始めから求めるには、中間層の少なくとも一部が外部に露出している必要がある。
そして、中間層の露出している部分の露出表面積が大きいほうが食感に訴える効果が大きいが、舐めつづけてキャンディ本体が溶解してゆくにつれても、他の2層に対する中間層の露出程度が大きく変わらないと、舐め初めと終わりで食感や冷涼感が大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感や冷涼感を持続させることができる。
本考案の目的は、従来の問題を解決し、舐め初めと終わりで食感や冷涼感が大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感や冷涼感を持続させることができる美味しい3層構造キャンディを提供することである。
上記課題を解消するための本考案の請求項1は、少なくとも中間層のキャンディ組成がこの中間層をサンドイッチ積層する他の2層のキャンディ組成と異なる構成を有する3層構造キャンディであって、前記中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]が10〜30%であることを特徴とする3層構造キャンディである。
本考案の請求項2は、請求項1記載の3層構造キャンディにおいて、横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対するキャンディ本体の高さHの比率[(H/d)]が0.7〜1.2であることを特徴とする。
本考案の請求項3は、請求項2記載の3層構造キャンディにおいて、横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対する前記楕円の長径の内の最大長径Dの比率[(D/d)]が1.2〜2.0であることを特徴とする。
本考案の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記中間層が主成分のキシリトールに対して所定量の単糖類、二糖類およびそれらを還元した糖アルコール類から選ばれる少なくとも1つの糖類を含有するキシリトール結晶部から形成されていることを特徴とする。
本考案の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記他の2層が公知のキャンディ組成物から形成されていることを特徴とする。
本考案の請求項6は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記単糖類がグルコース、フラクトース、エリトロース、キシロースから選ばれる少なくとも1つであり、前記二糖類がシュークロース、マルトース、ラクトース、パラチノースから選ばれる少なくとも1つであり、前記糖アルコール類がソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元バラチノース、ラクチトール、マンニトールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
本考案の請求項1に記載の3層構造キャンディは、少なくとも中間層のキャンディ組成がこの中間層をサンドイッチ積層する他の2層のキャンディ組成と異なる構成を有する3層構造キャンディであって、前記中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]が10〜30%であることを特徴とするものであり、このような3層構造とすることで例え中間層の溶解速度が他の2層より大きくても、あるいは小さくても、中間層が他の2層でガードされ、リードされているので、対応が可能となり、比率[(A/B)×100)]を前記特定の範囲内に規定することにより、舐め初めと終わりで食感などが大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感などを持続させることができ、美味しいという、顕著な効果を奏する。
本考案の請求項2は、請求項1記載の3層構造キャンディにおいて、横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対するキャンディ本体の高さHの比率[(H/d)]が0.7〜1.2であることを特徴とするものであり、3層構造キャンディを舐める時に3層構造キャンディが舌の上で横になり、舌の上で3層構造キャンディが転げ易くなって、中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分が容易に舐められるような全体形状がよく、そのためには比率[(H/d)]を前記特定の範囲内に規定することが好ましく、それにより舐め終わるまで初期の食感などをより持続させることができより美味しくなるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本考案の請求項3は、請求項2記載の3層構造キャンディにおいて、横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対する前記楕円の長径の内の最大長径Dの比率[(D/d)]が1.2〜2.0であることを特徴とするものであり、比率[(D/d)]を前記特定の範囲内に規定することにより、舌の上で3層構造キャンディが転げ易くなるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本考案の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記中間層が主成分のキシリトールに対して所定量の単糖類、二糖類およびそれらを還元した糖アルコール類から選ばれる少なくとも1つの糖類を含有するキシリトール結晶部から形成されていることを特徴とするものであり、キシリトール結晶部から形成された中間層は本考案に最も適しており、口腔内で舐めた時に前記中間層のキシリトール結晶部のキャンディ本体の外部に露出している部分が溶解し、その溶解熱で舐めている時に冷涼感が得られることや、虫歯予防効果があり、舐め初めと終わりで食感や冷涼感が大きく変化せず、舐め終わるまで3層構造キャンディが口中で転がり舐められるので、少量のキシリトール結晶部で効果があり、初期の食感や冷涼感を持続させることができ、美味しいという、さらなる顕著な効果を奏する。
本考案の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記他の2層が公知のキャンディ組成物から形成されていることを特徴とするものであり、口腔内で舐めた時に前記中間層のキシリトール結晶部のキャンディ本体の外部に露出している部分が融解する吸熱作用により、冷涼感が発揮されるとともに、積層した他の2層の公知のキャンディ部分の美味しさも同時に味わうことができ美味しいという、さらなる顕著な効果を奏する。
本考案の請求項6は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の3層構造キャンディにおいて、前記単糖類がグルコース、フラクトース、エリトロース、キシロースから選ばれる少なくとも1つであり、前記二糖類がシュークロース、マルトース、ラクトース、パラチノースから選ばれる少なくとも1つであり、前記糖アルコール類がソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元バラチノース、ラクチトール、マンニトールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものであり、取り扱い性がよく、入手が容易で安価であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
次に本考案を図を用いて実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本考案の3層構造キャンディを製造するために用いる金型の1例を模式的に説明する説明図である。
図1に示した金型1は、内面がテフロン(登録商標)加工してある横断面が楕円の形状を有している上面が開口している金型である。金型1の深さは12mm、金型1の底面の楕円の長径は20mm、短径は12mm、金型1の上面の開口の楕円の長径は25mm、短径は15mmである。
金型1の開口の楕円が金型1の底面の楕円より大きいので、上方に向かって広がるようにテーパーがついており、成型した3層構造キャンディを取り出し易くし、製品を取り出す際に割れたりなど損傷を与えることがないように構成することが好ましい。
図2は、図1に示した金型を用いて製造した本考案の3層構造キャンディの1例を模式的に説明する説明図である。
図2において、2は本考案の3層構造キャンディを示し、3は、主成分のキシリトールと、主成分のキシリトールに対して所定量の単糖類、二糖類およびそれらを還元した糖アルコール類から選ばれる少なくとも1つの糖類を含有する中間層のキシリトール結晶部を示し、4は公知のキャンディ組成物から形成された層状の公知のキャンディ部分を示し、中間層のキシリトール結晶部3が対応する他の2層の公知のキャンディ部分4の間にサンドイッチ積層されている。
本考案の3層構造キャンディ2は、例えば次のようにして製造することができる。
公知のキャンディ組成物を溶融混合後、金型にデポジットし、その上に主成分のキシリトールに対して所定量の単糖類、二糖類およびそれらを還元した糖アルコール類から選ばれる少なくとも1つの糖類を溶融混合した後、キシリトールの少なくとも一部を結晶化させたスラリーをデポジットし、さらにその上に前記公知のキャンディ組成物を溶融混合後デポジットし、常温まで冷却して固化して、中間層のキシリトール結晶部3を他の2層の公知のキャンディ部分4の間にサンドイッチ積層した構成の3層構造のキャンディを製造する。
本考案の3層構造キャンディ2の寸法の例を次に示す。
本考案の3層構造キャンディ2のキャンディ本体の高さHは約12mm、本考案の3層構造キャンディ2の底面の楕円の長径D1は約20mm、短径d1は約12mmであり、本考案の3層構造キャンディ2の上部の楕円の長径D2は約25mm、短径d2は約15mmである。
本考案の3層構造キャンディ2の中間層のキシリトール結晶部3がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]=約15%である。
本考案の3層構造キャンディ2の前記楕円の短径の内の最小短径d1に対するキャンディ本体の高さHの比率[(H/d)]=約1である。
本考案の3層構造キャンディ2の前記楕円の短径の内の最小短径d1に対する前記楕円の長径の内の最大長径D2の比率[(D/d)]=約2である。
本考案の3層構造キャンディは比率[(A/B)×100)]が10〜30%であることが肝要である。3層構造とすることで例え中間層の溶解速度が他の2層より大きくても、あるいは小さくても、中間層が他の2層でガードされ、リードされているので、対応が可能となる。
比率[(A/B)×100)]が10%未満で小さいと溶解量も少なく食感などに乏しくなり、10%以上とすると効果が得られ、逆に30%を超えると他の2層が薄くなり早く他の2層が溶解してしまうので、比率[(A/B)×100)]を前記特定の範囲内に規定することにより、舐め初めと終わりで食感などが大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感などを持続させることができ、美味しい効果が得られる。
本考案の横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディにおいて、前記楕円の短径の内の最小短径dに対するキャンディ本体の高さHの比率[(H/d)]が0.7〜1.2であることが好ましい。3層構造キャンディの全体形状は食感などに大きな影響があり、例えば3層構造キャンディの他の2層のみを舌で舐めてしまうような全体形状にすると中間層の食感などが味わえなくなる問題がでるので、3層構造キャンディを舐める時に3層構造キャンディが舌の上で横になり、舌の上で3層構造キャンディが転げ易くなって、中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分が容易に舐められるような全体形状がよく、そのためには比率[(H/d)]を前記特定の範囲内に規定することにより舐め終わるまで初期の食感などをより持続させることができより美味しくなるという効果が得られる。
本考案の横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディにおいて、前記楕円の短径の内の最小短径dに対する前記楕円の長径の内の最大長径Dの比率[(D/d)]が1.2〜2.0であることが好ましい。3層構造キャンディを転げ易くするためには、球体や円柱形が理想的であるが、球体や円柱形は子供などがキャンディをのどに詰める危険性があるので、3層構造キャンディの断面形状は円形や円柱形でないことが好ましく、比率[(D/d)]を前記特定の範囲内に規定することにより、舌の上で3層構造キャンディが転げ易くなるという効果が得られる。
本考案においては、例えば糖類に他成分を多量に混合して、その性質が脆くなったり、固くなったりするなど変化してしまう場合や、粉末成分、薬効成分や果汁成分などを多量に混合するなどで糖質の性質が変化してしまう場合などにはこれらを中間層にすれば、中間層は他の2層でガードされて保護されているので、商品価値のある3層構造キャンディとすることができる。
このように薬効成分などを使用する場合にも中間層のみの混合にすることにより、主体の3層構造キャンディの味などをあまり変更せずに各種の3層構造キャンディを製造することができる。
本考案で用いる糖質としては、キシリトールに加熱時に均質混合でき、分子量の小さい単糖類と2糖類と糖アルコール類が好ましい。
本考案で用いる単糖類は炭素原子3個以上のポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトン誘導体であり、具体的には例えば、グルコース、フラクトース、エリトロース、キシロース、ソルボース、ガラクトース、その他異性化糖などを挙げることができ、これらは単独で使用することもできるが、2つ以上の混合物を使用することもできる。
単糖類として、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、エリトロース、木糖(キシロース)から選ばれる少なくとも1つを用いると結晶化制御効果が高く、取り扱い性がよく、入手が容易で安価であるので好ましい。
本考案で用いる二糖類は単糖が2個結合した形のポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトン誘導体であり、具体的には例えば、シュークロース、マルトース、ラクトース、パラチノース、その他異性化糖などを挙げることができ、これらは単独で使用することもできるが、2つ以上の混合物を使用することもできる。
2糖類としてブドウ糖と果糖が結合してできた砂糖(シュークロース)および麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、パラチノースから選ばれる少なくとも1つを用いると結晶化制御効果が高く、取り扱い性がよく、入手が容易で安価であるので好ましい。
3糖類やオリゴ糖類は分子量も大きく、加熱時の糖液粘度が高いことや、前述した結晶化温度の低下効果が低いことから多量の使用は望ましくない。
本考案で用いる糖アルコールは糖類のアルデヒドやケトンのカルボニル基を還元(水素添加)して得られる鎖状多価アルコールであり、具体的には、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、還元バラチノース、ラクチトール、マンニトールなどを挙げることができ、これらは単独で使用することもできるが、2つ以上の混合物を使用することができる。糖アルコール類も結晶化制御性が高く効果的である。
キシリトールも単糖類のキシロースを還元反応させた糖アルコールであり、砂糖並の甘味を保持しており、飲食で血糖値を上昇させ難いことや、虫歯の原因になり難いなどの特長があるので、本考案で使用できる。糖アルコール類は一般的に同様の特長が認められる。
糖アルコールとしてはブドウ糖を還元反応したソルビトール、異性体としてのマンニトール、果糖は還元反応では糖アルコールにならない。エリトロースを還元反応させたエリスリトールなどの単糖類を原料とする糖アルコールが本考案において効果的である。麦芽糖(マルトース)を還元反応した還元麦芽糖(マルチトール)、パラチノースを還元反応した還元バラチノース、乳糖(ラクトース)を還元反応したラクチトールなども本考案において効果的である。
本考案において、主成分のキシリトール1モルに対する前記糖類の混合モル比が0.5を越えると結晶化時間の増加や結晶化程度が悪く冷涼感が低下するなどの問題があり、混合モル比は出来るだけ小さく0.3以下0.02以上にすることが望ましい。0.02未満では結晶化制御が困難となる恐れがあり、0.3を超えても多くすることによるメリットはほとんどない。
本考案で用いる単糖類、二糖類、糖アルコール類、キシリトール、粘度低下剤などは、それぞれ食品あるいは食品添加物として、厚生省告示の「食品、添加物等の規格基準」にその性状など規格が定められている。これらは固形物あるいは液状物(水溶液)が市販されているが、いずれも使用可能である。
前記成分以外の成分については、通常キャンディの生産に用いられるもの、たとえば酸味料、香料、着色料、果汁、乳製品、各種薬効成分など特に限定はないが、キシリトールの結晶化に影響を与えない範囲にとどめるべきである。
本考案の3層構造キャンディの成形方法は特に限定されないが、含有するキシリトールの一部あるいは大部分を結晶化させた加工性の優れたスラリーとした状態で、保温により十分な流動性を保持できることから、金型に流し込むことにより成形する方式に非常に適している。他の成形方式としては、例えば、型押し方式、押出し方式、球断方式などが採用できる。
次に実施例および比較例により本考案を詳しく説明するが、本考案の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
キシリトール粉末90gに、ソルビトールを5g混合し、120℃に加熱して溶融液とし、70℃まで冷却後、微粉末のキシリトールを5g加えてよく撹拌しながら、温度を70℃に保持した。この時の流し込み液(スラリー)の粘度は安定していた。
別に還元麦芽糖水飴に酸味料、香料、色素を加え煮詰めた糖質を150℃まで加熱した溶融糖液を用意し、図1に示したテフロン(登録商標)加工しテーパーを付けた横断面が楕円の形状を有する金型に1.5g流し込み、その上に前述のキシリトール流し込み液(スラリー)を1g流し込み、さらにその上に先に流し込んだ還元麦芽糖水飴の溶融糖液を1.5g流し込み、空冷冷却後に脱型して本考案の3層構造キャンディを製造した。
得られた本考案の3層構造キャンディのキャンディ本体の高さHは約12mmであり、底面の楕円の長径D1は約20mm、短径d1は約12mmであり、上部の楕円の長径D2は約25mm、短径d2は約15mmであった。
本考案の3層構造キャンディの比率[(A/B)×100)]=約15%であった。
本考案の3層構造キャンディの比率[(H/d)]=約1であった。
本考案の3層構造キャンディの比率[(D/d)]=約2であった。
得られた本考案の3層構造キャンディは、舌の上で3層構造キャンディが転げ易く、舐め初めと終わりで食感などが大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感などが持続し、口腔内で舐めた時に中間層のキシリトール結晶部のキャンディ本体の外部に露出している部分が融解する吸熱作用により冷涼感が発揮されるとともに積層した他の2層の公知のキャンディ部分の美味しさも同時に味わうことができ美味しかった。
(比較例1)
実施例1と同じの2種類の流し込み液と同じ金型を使い、還元麦芽糖水飴からなる流し込み液を0.5g流し込み、その上にキシリトール流し込み液を3.0g流し込み、その上にさらに先に流し込んだ還元麦芽糖水飴の溶融糖液を0.5g流し込み、空冷冷却後に脱型して比較の3層構造キャンディを製造した。
比較の3層構造キャンディの比率[(A/B)×100)]=約35%であった。
比較の3層構造キャンディは、口腔内で舐めた時に冷涼感は持続するが、早い段階でキシリトール結晶部からなる中間層をサンドイッチ積層した他の2層の公知のキャンディ部分(還元麦芽糖水飴の上下層)が先に溶解してしまい、舐め初めと終わりで食感および冷涼感が大きく変化した。
本考案の3層構造キャンディは、少なくとも中間層のキャンディ組成がこの中間層をサンドイッチ積層する他の2層のキャンディ組成と異なる構成を有する3層構造キャンディであって、前記中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]が10〜30%であることを特徴とするものであり、比率[(A/B)×100)]を前記特定の範囲内に規定することにより、舐め初めと終わりで食感などが大きく変化せず、舐め終わるまで初期の食感などを持続させることができ、美味しいという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本考案の3層構造キャンディを製造するために用いる金型の1例を模式的に説明する説明図である。 図1に示した金型を用いて製造した本考案の3層構造キャンディの1例を模式的に説明する説明図である。
符号の説明
H キャンディ本体の高さ
D 長径
d 短径d
1 金型
2 3層構造キャンディ
3 中間層のキシリトール結晶部
4 他の2層の公知のキャンディ部分

Claims (6)

  1. 少なくとも中間層のキャンディ組成がこの中間層をサンドイッチ積層する他の2層のキャンディ組成と異なる構成を有する3層構造キャンディであって、前記中間層がキャンディ本体の外部に露出している部分の露出表面積Aのキャンディ本体の全露出表面積Bに対する比率[(A/B)×100)]が10〜30%であることを特徴とする3層構造キャンディ。
  2. 横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対するキャンディ本体の高さHの比率[(H/d)]が0.7〜1.2であることを特徴とする請求項1記載の3層構造キャンディ。
  3. 横断面が楕円の形状を有する3層構造キャンディであって、前記楕円の短径の内の最小短径dに対する前記楕円の長径の内の最大長径Dの比率[(D/d)]が1.2〜2.0であることを特徴とする請求項2記載の3層構造キャンディ。
  4. 前記中間層が主成分のキシリトールに対して所定量の単糖類、二糖類およびそれらを還元した糖アルコール類から選ばれる少なくとも1つの糖類を含有するキシリトール結晶部から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の3層構造キャンディ。
  5. 前記他の2層が公知のキャンディ組成物から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の3層構造キャンディ。
  6. 前記単糖類がグルコース、フラクトース、エリトロース、キシロースから選ばれる少なくとも1つであり、前記二糖類がシュークロース、マルトース、ラクトース、パラチノースから選ばれる少なくとも1つであり、前記糖アルコール類がソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元バラチノース、ラクチトール、マンニトールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の3層構造キャンディ。
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