JP3110923B2 - p型II−VI族化合物半導体薄膜の製造方法および装置 - Google Patents

p型II−VI族化合物半導体薄膜の製造方法および装置

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JP3110923B2 JP05225152A JP22515293A JP3110923B2 JP 3110923 B2 JP3110923 B2 JP 3110923B2 JP 05225152 A JP05225152 A JP 05225152A JP 22515293 A JP22515293 A JP 22515293A JP 3110923 B2 JP3110923 B2 JP 3110923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はp型II−VI族化合物半導
体薄膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛、カドミウム、マグネシウム等のII
族元素と硫黄、セレン、テルル等のVI族元素との化合物
であるII−VI族化合物は、禁制帯幅が遠赤外から紫外に
及ぶ半導体で、赤外線センサ、蛍光体などを始めとして
数々の用途に供されている。また、特に近年は青・緑色
発光素子材料としても盛んに研究・開発が行われてい
る。
【0003】これらのII−VI族化合物の中で、特に禁制
帯幅の大きい硫化亜鉛(ZnS)やセレン化亜鉛(Zn
Se)はp型層を作製することが困難であった。p型の
II−VI族化合物半導体を得るためには、p型添加物(ド
ーパント)となるリチウムやナトリウムなどI 族元素ま
たは窒素やリンなどのV 族元素を添加する必要がある。
これらのドーパントがアクセプタとして有効に働くため
には、I 族原子はII族原子の、V 族原子はVI族原子の置
換位置に入らなくてはならない。しかし、I 族元素をp
型ドーパントに用いた場合、これらの原子が容易に格子
間位置に移動することができるため、添加された原子の
一部が逆にドナーとして働いて高い正孔濃度は得られな
い。一方、V 族元素をp型ドーパントに用いた場合、リ
ンやヒ素を一定以上添加すると、V 族原子周囲の格子緩
和または原子空孔との会合により自己補償してしまい、
やはり高い正孔濃度は得られない。現在まで、このよう
なI 族元素またはV 族元素をドーパントとした広禁制帯
幅II−VI族化合物半導体では、V 族元素の一つである窒
素をドーパントに用いた場合にのみ1017cm-3以上の高
い正孔濃度を有するp型層が得られている。
【0004】しかし、どのようなII−VI族化合物半導体
薄膜の製造方法においても窒素添加により正孔濃度が高
いp型層が得られるわけではなく、高真空下で結晶成長
を行う分子線蒸着法(Molecular Beam Epitaxy:MBE
法)と窒素分子をプラズマ励起して添加する方法の組み
合わせ以外に有効な手段はないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】II−VI族化合物半導体
薄膜の製造方法の一つであるキャリアガス中の低真空下
で成長を行う有機金属気相成長法(Metal Organic Vapo
r Phase Epitaxy :MOVPE 法)においては、アンモニ
ア、トリ・メチル・アミンやターシャリ・ブチル・アミ
ンなどの窒素化合物を用いて窒素添加が既に試みられて
いる。しかし、これらの窒素化合物は分解温度が高く低
温では窒素を遊離しないため、成長温度を非添加結晶の
場合よりも高くするか、あるいは分解促進のために光照
射するなどして窒素添加の効率向上が図られているが、
正孔濃度が高いp型層を得るには至っていない。これ
は、アンモニアのような窒素と水素が直接結合を持つ化
合物をドーパント原料に用いた場合は、窒素−水素結合
が非常に強いため結合が切れないまま結晶中に取り込ま
れ、水素がドーパントである窒素の電荷を補償し正孔濃
度が高く成り難いためと考えられている。
【0006】この窒素−水素結合の問題を解決するた
め、MOVPE法においてもMBE法におけるのと同様
の窒素分子をプラズマ励起して添加する方法が試みられ
たが、この方法でも正孔濃度が高いp型層を得られてい
ない。本発明者らが実際にMOVPE法において窒素分
子をプラズマ励起して添加する実験を試みた結果、結晶
中に1018cm-3以上の高濃度の窒素が取り込まれているに
も関わらず、本発明者らが使用した測定方法の測定下限
である1×1013cm-3よりも正孔濃度の低い結晶しか得ら
れなかった。この原因を明らかにするために種々の検討
を行った結果、ドーパントである窒素分子自体は窒素−
水素結合を持たないが、有機化合物原料ガスを成長室へ
輸送するキャリアガスである水素ガスとプラズマ励起さ
れて活性な状態の窒素分子が反応して窒素−水素結合を
結び結晶に取り込まれるのが原因であることがわかっ
た。上記のようにMOVPE法では1017cm-3以上の高い
正孔濃度を有するp型層を得るのが困難である。しか
し、MOVPE法はMBE法に比べて装置の構成が比較
的簡単であるため、価格、保守等の点から見ると利点が
多く、大量生産向きであるという特徴もある。したがっ
て、MOVPE法で窒素添加により正孔濃度が高いp型
層が製造可能になれば非常に有用である。
【0007】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、MOVPE法で利用
可能なp型II−VI族化合物半導体薄膜の製造方法および
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のp型II−VI族化合物半導体薄膜の製造方法
は、II−VI族化合物半導体の薄膜を成長するMOVPE
法おいて、有機化合物原料ガスを成長室へ輸送するキャ
リアガスとして不活性ガスを用い、該成長室とは別に設
けた活性化室において活性化した窒素分子を該成長室に
導入して、窒素原子を添加したp型II−VI族化合物半導
体薄膜を半導体基板上に成長することを特徴とする。
【0009】本発明において不活性ガスとは、不性か
つガス分子に水素および酸素を含まないガスと定義す
る。本発明において用いる不活性ガスには、ヘリウム
(He)、窒素(N2 )、ネオン(Ne)、アルゴン
(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)
等がある。本発明において用いる活性化室には、活性化
方法として高周波で励起したプラズマを用いる構成、オ
スミウム(Os)材料を触媒として用いる構成等があ
る。
【0010】次に本発明による第1の製造装置は、II−
VI族化合物半導体薄膜をMOVPE法によって成長させ
る装置において、有機化合物原料ガスを成長室へ輸送す
るキャリアガスとして不活性ガスを用い、該成長室とは
別に設けた窒素分子を活性化する活性化室と、該活性化
室に窒素ガスを供給する窒素ガス配管とを備え、該成長
室の中に半導体基板を載せる加熱用サセプタが配置さ
れ、該活性化室と該成長室の間に活性化した窒素分子を
該成長室に導入するためのオリフィスが設けられている
ことを特徴とするMOVPE装置である。
【0011】また、本発明による第2の製造装置は、II
−VI族化合物半導体薄膜をMOVPE法によって成長さ
せる装置において、有機化合物原料ガスを成長室へ輸送
するキャリアガスとして不活性ガスを用い、該成長室の
中に半導体基板を載せる加熱用サセプタと、該半導体基
板に向けて窒素ガスを吹き付ける窒素ガス導入管と、該
半導体基板と該窒素ガス導入管との間で該半導体基板に
近接させた位置にオスミウム材料を載せて加熱する加熱
用サセプタとを備えるように構成されたことを特徴とす
るMOVPE成長装置である。
【0012】
【作用】有機化合物原料ガスを不活性なキャリアガスで
成長室に輸送し、成長室の中には有機化合物原料ガスの
熱分解で生じる微量の水素以外に水素が存在しないよう
にすることにより、高周波励起プラズマあるいはオスミ
ウム材料の触媒を用いて活性化した窒素分子と水素の反
応が抑制される。したがって、窒素だけを効率よく添加
することができ、MOVPE法における従来の窒素添加
技術では得られなかった高い正孔濃度を有するp型層の
結晶成長が可能となる。
【0013】
【実施例1】以下に図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の実施例の1つで、ZnCdSSeの
MOVPE装置である。図において、1は有機金属原料
ガスのキャリアガスとなる高純度アルゴンガスボンベ、
2は高純度窒素ガスボンベ、3はプラズマ活性化室、4
は高周波コイル、5は高周波電源、6は窒素プラズマ、
7は成長室、8はGaAs基板、9は有機金属原料ガス
導入管、10はオリフィス、11は基板加熱用炭素製サ
セプタ、12は真空排気装置、13は窒素ガス配管、3
1〜37は流量制御器、41は亜鉛原料(例えばジエチ
ル亜鉛)、42はカドミウム原料(例えばジメチルカド
ミウム)、43はセレン原料(例えばターシャリ・ブチ
ル・セレノール)、44は硫黄原料(例えばターシャリ
・ブタン・チオール)、51〜60は原料流路切り替え
バルブである。尚、本図面では、簡略化のため本発明に
関連する部分のみを図示してあり、通常MOVPE装置
に備えられている圧力計やバルブなどの機器は一部省略
されている。
【0014】本装置では、高純度アルゴンガスボンベ1
から供給されるアルゴン・キャリアガスを流量制御器3
3〜36で所定の流量に調節し、有機金属原料41〜4
4をバブリングすることにより有機金属原料ガスを成長
室7に輸送する。輸送した有機金属原料ガスとキャリア
ガスを、成長室7の上流側に配置した有機金属原料ガス
導入管9から基板加熱用炭素製サセプタ11で加熱され
たGaAs基板8に向けて吹き付けると、GaAs基板
8付近で有機金属原料ガスが熱分解を起こしGaAs基
板8上にII−VI族化合物の結晶が成長する。高純度窒素
ガスボンベ2から供給される窒素ガスを流量制御器37
で所定の流量に調節して窒素ガス配管13を通してプラ
ズマ活性化室3に導入する。ここで、活性化室3内の圧
力はプラズマの発生が容易な数十Torr以下に保つ。高周
波電源5から高周波コイル4に高周波電力を供給し窒素
ガスで満たされたプラズマ活性化室3内に窒素プラズマ
6を発生させ、窒素分子を活性な状態に励起する。この
活性状態の窒素分子をオリフィス10を通して成長室7
に導きGaAs基板8に向けて吹き付ける。ここで、活
性状態の窒素分子の導入には、活性化室3内と成長室7
内の圧力差を利用するため、成長室7内の圧力を活性化
室3内より低く保つ。また、MOVPE装置で常用され
る成長室内の圧力は数十Torr〜大気圧であるが、そのよ
うな成長室圧力では活性状態になった窒素の大半が、オ
リフィス10からGaAs基板8に到達する前に他のガ
ス分子と衝突して再び不活性な状態に戻ってしまう。こ
のような他のガス分子との衝突を減少させるためにも成
長室7内の圧力を活性化室3内より低い数Torr以下にす
る必要がある。成長室7内には有機金属原料ガスの熱分
解で生じる微量の水素以外に水素は存在しないため、他
のガス分子と衝突しなかった窒素分子の大部分は水素と
反応せずに活性な状態を保ったままGaAs基板8に到
達し、ここで成長中のII−VI族化合物の結晶中に取り込
まれる。
【0015】発明者が図1の装置を用いて行った実験で
は、p型層の成長に有効な窒素分子の励起状態を得易い
条件は活性化室3内の圧力5〜20Torr、高周波電力2
00〜800Wであった。基板にクロム・酸素ドープの
半絶縁性(100)GaAsを用い、成長温度300
、ジエチル亜鉛流量5μmol./min、ターシャリブチル
セレノール流量50μmol./minでZnSe薄膜の成長を
行った場合、効率良く活性状態の窒素をGaAs基板8
に供給でき、かつ良質の結晶を成長できる成長室7内の
圧力は0.1 〜1Torr であった。また、このときのアルゴ
ン・キャリアガス流量は30SCCM(成長室圧力0.1T
orr)および200SCCM (成長室圧力1Torr)であり、
ZnSe薄膜の成長速度は1μm/h であった。膜厚3μ
m のZnSe薄膜の表面に形成した金ショットキー障壁
の容量−電圧特性から求めた正孔濃度は、窒素流量およ
びプラズマ励起高周波電力の増加に伴って増加するとい
う結果が得られた。
【0016】
【実施例2】実施例1では窒素の活性化室が、活性化方
法として高周波で励起したプラズマを用いた場合を示し
たが、活性化方法としてオスミウム材料を触媒として用
いてZnCdSSeのMOVPE装置に本発明を適用し
た例を図2に示す。21はオスミウム粒、22は石英
管、23は電気炉であり、その他の構成要素は図1と同
じである。ここで、オスミウム21は表面積を増やして
体積効率を上げるために粒状にしてある。有機金属原料
41〜44のガスを成長室7に導入してGaAs基板8
上にII−VI族化合物の結晶を成長させる方法は実施例1
と同じである。高純度窒素ガスボンベ2から供給される
窒素ガスを流量制御器37で所定の流量に調節し、窒素
ガス配管13を通してオスミウム粒21を封入した石英
管22に導入する。石英管22内部の圧力は、活性状態
の窒素分子を成長室7に導入するための差圧が生じるよ
うに成長室7より高くする。オスミウム粒21は、電気
炉23で160℃以上の高温に加熱されており導入され
た窒素分子を化学吸着する。吸着された窒素は、オスミ
ウム粒21表面から脱離した直後は活性状態となってい
る。この活性状態の窒素をオリフィス10から成長室7
に導入しGaAs基板8に向けて吹き付ける。成長室7
内部の圧力は、活性状態の窒素分子と他のガス分子との
衝突を減少させるために数Torr以下に保つ。成長室7内
には有機金属原料ガスの熱分解で生じる微量の水素以外
に水素は存在しないため、他のガス分子と衝突しなかっ
た窒素分子の大部分は水素と反応せずに活性な状態を保
ったままGaAs基板8に到達し、ここで成長中のII−
VI族化合物の結晶中に取り込まれる。
【0017】発明者が図2の装置を用いて行った実験で
は、p型層の成長に有効な窒素分子の励起状態を得易い
条件は石英管22内圧力10〜100Torr 、オスミウム粒2
1の加熱温度200〜300℃であった。基板にクロム
・酸素ドープの半絶縁性(100)GaAsを用い、成
長温度300℃、ジエチル亜鉛流量5μmol./min、ター
シャリブチルセレノール流量50μmol./minでZnSe
薄膜の成長を行った場合、効率良く活性状態の窒素をG
aAs基板8に供給でき、かつ良質の結晶を成長できる
成長室7内の圧力は0.1 〜1Torrであった。また、この
ときのアルゴン・キャリアガス流量は30SCCM(成
長室圧力0.1Torr)および200SCCM(成長室圧力1T
orr) であり、ZnSe薄膜の成長速度は1μm/hであっ
た。膜厚3μm のZnSe薄膜の表面に形成した金ショ
ットキー障壁の容量−電圧特性から求めた正孔濃度は、
窒素流量およびオスミウム粒加熱温度の増加に伴って増
加するという結果が得られた。
【0018】
【実施例3】図3は、ZnCdSSeのMOVPE装置
に本発明を適用した一例を示したものである。24はオ
スミウム板、25はオスミウム板加熱用炭素製サセプ
タ、26は窒素ガス導入管であり、その他の構成要素は
図1と同じである。基板加熱用炭素製サセプタ11の直
前に、加熱装置を備えたオスミウム板24を配置したこ
とが本発明の特徴である。基板加熱用炭素製サセプタ1
1及びオスミウム板加熱用炭素製サセプタ25は抵抗加
熱方式により、互いに独立して温度制御ができるように
なっている。成長室7中に窒素ガス導入管26を通して
導入された窒素は、高温に加熱されたオスミウム板24
の表面に一旦化学吸着される。この吸着された窒素はあ
る時間経過した後表面より脱離し、活性状態のままで直
近に配置された基板8付近に到達する。ここで成長中の
II−VI族化合物の表面に吸着され、結晶中に取り込まれ
る。オスミウムは、160℃以上の高温に加熱すると窒
素分子を化学吸着する。吸着された窒素は、オスミウム
表面から再び脱離した直後は活性状態となっている。こ
の活性窒素は、他のガス分子と衝突すると実施例1およ
び実施例2で述べたように直ちに不活性な窒素に戻って
しまう。しかし、実施例1および実施例2とは異なり本
実施例ではオスミウム板24を基板の直近に配置してい
るため、活性状態の窒素が他のガス分子と衝突せずに基
板8に到達する確率が高くなり、MOVPE装置で常用
される成長室内圧力でも活性状態を保ったまま窒素を供
給することができる。
【0019】
【実施例4】実施例1〜3では広禁制帯幅のII−VI族化
合物半導体の例を挙げてきたが、本発明が適用可能な範
囲はこれに留まらない。例えばテルル化カドミウム亜鉛
やテルル化水銀カドミウムなど、より狭い禁制帯幅を有
するII−VI族化合物のp型薄膜の製造にも用いることが
出来る。また、実施例1〜3では不活性ガスとしてアル
ゴンを例として挙げているが、ヘリウム(He)、窒素
(N2 )、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)および
キセノン(Xe)あるいはこれらの混合ガスであっても
よい。さらに、実施例2では粒状、実施例3では板状の
オスミウムを例として説明したが、これら以外の形状、
例えば、蜂の巣状、多孔質塊(スポンジ)状、粉末であ
っても構わない。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
りMOVPE法でII−VI族化合物半導体薄膜中に効率良
く窒素原子のみを添加することができる。これにより、
MOVPE法で用いられる従来の窒素添加技術では得ら
れなかった高い正孔濃度を有するp型薄膜の作製が可能
となる。特に、窒素分子の活性化にオスミウム材料の触
媒を用いる構成では、使用できる成長圧力範囲が広いた
め他の成長条件や装置構成の自由度が大きく、また加熱
するだけで活性窒素を供給できるので極めて簡単な構成
で良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をZnCdSSeのMOVPE装置に適
用した一例を示す装置系統図である。
【図2】本発明をZnCdSSeのMOVPE装置に適
用した一例を示す装置系統図である。
【図3】本発明をZnCdSSeのMOVPE装置に適
用した一例を示す装置系統図(a)とその一部拡大図
(b)である。
【符号の説明】
1 高純度アルゴンガスボンベ 2 高純度窒素ガスボンベ 3 プラズマ活性化室 4 高周波コイル 5 高周波電源 6 窒素プラズマ 7 成長室 8 GaAs基板 9 有機金属原料ガス導入管 10 オリフィス 11 基板加熱用炭素製サセプタ 12 真空排気装置 13 窒素ガス配管 21 オスミウム粒 22 石英管 23 電気炉 24 オスミウム板 25 オスミウム加熱用炭素製サセプタ 26 窒素ガス導入管 31〜37 流量制御器 41 亜鉛原料(例えばジエチル亜鉛) 42 カドミウム原料(例えばジメチルカドミウム) 43 セレン原料(例えばターシャリ・ブチル・セレノ
ール) 44 硫黄原料(例えばターシャリ・ブタン・チオー
ル) 51〜60 原料流路切り替えバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−22343(JP,A) 特開 平4−29332(JP,A) 特開 平4−67617(JP,A) 特開 平5−267192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/00 C30B 25/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 II−VI族化合物半導体薄膜をMOVPE
    法によって成長させる製造方法において、有機化合物原
    料ガスを成長室へ輸送するキャリアガスとして不燃性か
    つガス分子に水素および酸素を含まない不活性ガスを用
    い、該成長室とは別に設けた活性化室において活性化し
    た窒素分子を該成長室に導入して、窒素原子を添加した
    p型II−VI族化合物半導体薄膜を半導体基板上に成長す
    ることを特徴とするp型II−VI族化合物半導体薄膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスが、ヘリウム(He)、
    窒素(N2 )、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、ク
    リプトン(Kr)およびキセノン(Xe)の内の少なく
    とも1つであることを特徴とする請求項1に記載のp型
    II−VI族化合物半導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記活性化室における活性化方法として
    高周波で励起したプラズマを用いることを特徴とする請
    求項1に記載のp型II−VI族化合物半導体薄膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記活性化室における活性化方法として
    オスミウム(Os)材料を触媒として用いることを特徴
    とする請求項1に記載のp型II−VI族化合物半導体薄膜
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 II−VI族化合物半導体薄膜をMOVPE
    法によって成長させる装置において、有機化合物原料ガ
    スを成長室へ輸送するキャリアガスとして不燃性かつガ
    ス分子に水素および酸素を含まない不活性ガスを用い、
    該成長室とは別に設けた窒素分子を活性化する活性化室
    と、該活性化室に窒素ガスを供給する窒素ガス配管とを
    備え、該成長室の中に半導体基板を載せる加熱用サセプ
    タが配置され、該活性化室と該成長室の間に活性化した
    窒素分子を該成長室に導入するためのオリフィスが設け
    られていることを特徴とするp型 II −VI族化合物半導
    体薄膜の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記不活性ガスが、ヘリウム(He)、
    窒素(N2 )、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、ク
    リプトン(Kr)およびキセノン(Xe)の内の少なく
    とも1つであることを特徴とする請求項5に記載のp型
    II−VI族化合物半導体薄膜の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記活性化室が、前記活性化のために高
    周波で励起したプラズマを用いる構成であることを特徴
    とする請求項5に記載のp型II−VI族化合物半導体薄膜
    の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記活性化室が、前記活性化のためにオ
    スミウム材料を触媒として用いる構成であることを特徴
    とする請求項5に記載のp型II−VI族化合物半導体薄膜
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 II−VI族化合物半導体薄膜をMOVPE
    法によって成長させる装置において、有機化合物原料ガ
    スを成長室へ輸送するキャリアガスとして不燃性かつガ
    ス分子に水素および酸素を含まない不活性ガスを用い、
    該成長室の中に半導体基板を載せる加熱用サセプタと、
    該半導体基板に向けて窒素ガスを吹き付ける窒素ガス導
    入管と、該半導体基板と該窒素ガス導入管との間で該半
    導体基板に近接させた位置にオスミウム材料を載せて加
    熱する加熱用サセプタとを備え、前記窒素ガスの吹き付
    けにより該加熱用サセプタ上の前記オスミウム材料に吸
    着した後に活性状態で脱離した窒素が前記半導体基板上
    に供給されるように構成されたことを特徴とするMOV
    PE成長法によるp型II−VI族化合物半導体薄膜の製造
    装置。
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KR100705189B1 (ko) * 2000-12-30 2007-04-06 주식회사 하이닉스반도체 반도체 소자의 박막 형성 방법

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JPH0758038A (ja) 1995-03-03

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