JP3110392B2 - 写真付ハガキ製造装置におけるハガキ供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、写真付ハガキの製
造工程において、貼着すべきハガキを帯状写真に対して
供給するハガキ供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】移動してくる帯状写真へハガキを一枚一
枚貼着する装置として、特開平２−２２９０９４号公報
（特願平１−５１１９８号）に記載の装置がある。この
装置は、多数の画像が一定間隔でプリントされ各画像位
置に対応したセンサー感知孔を有した帯状写真をガイド
ローラで周回状に誘導させながら帯状写真の裏面に液状
糊を塗布して画像と対応した裏面位置にハガキを貼着す
るための帯状写真に対するハガキの貼着装置であって、
帯状写真の繰出し手段と、前記繰出し手段から繰出され
る帯状写真に液状糊を付着させる糊付着手段と、前記帯
状写真の画像と対応した裏面に順次ハガキを送り出して
貼着させるハガキ貼着手段とを有する、帯状写真に対す
るハガキの貼着装置である。

【０００３】この装置におけるハガキ供給装置は、ハガ
キを積層収容して帯状写真の送り動作と同期しながら帯
状写真の移動方向と平行に往復移動するハガキ収容盤機
構と、このハガキ収容盤機構と平行移動される帯状写真
を挟むようにして、ハガキ収容盤機構と対向した位置に
設けられ、帯状写真をハガキ収容盤機構側へ押圧しつつ
帯状写真の送り動作と同期移動しながら帯状写真の糊塗
布面にハガキを接着させる押圧板を備えた押圧板機構
と、ハガキ収容盤機構と押圧板機構とを同期連動させる
同期連動機構を備えたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような装置を用
いて、移動してくる帯状写真に対して順次ハガキを供給
し、帯状写真にハガキを貼着してハガキ付帯状写真を製
造することができる。しかしながら、上記した従来の装
置におけるハガキ供給装置は、帯状写真にハガキを貼着
させるハガキ貼着手段の中の一部の装置として構成され
たものであり、ハガキ収容筒内のハガキを上方に押し上
げ、帯状写真を押圧板により押圧して最上面のハガキを
接着剥ぎ取りする構造であるので、構造が複雑であり、
また一枚一枚のハガキを帯状写真に貼着するのに時間が
かかり、かつ確実性に欠けるという問題があった。

【０００５】この問題に対して本出願人は、特願平３−
３５３５４５号にかかる帯状写真に対するハガキの貼着
装置において、ハガキを積層収容するハガキ収容部と、
前記積層したハガキの前面下方にあってハガキ供給方向
直前に位置する固定ローラーと、この固定ローラーの下
方に対向して位置し、ハガキを駆動供給する駆動ローラ
ーと、積層収容したハガキの下方に位置して積層収容し
たハガキの最下部のハガキと接し、偏心軸を有する揺動
ローラーおよびこれらの駆動機構とを備えたハガキ供給
装置を提案した。

【０００６】このハガキ供給装置によれば、ハガキ収容
部に積層収容されたハガキの下部が揺動でほぐされ、最
下部に位置するハガキから順に一枚ずつ送り出し、それ
らを帯状写真に向かって一定間隔ごとに供給することが
可能となるため、帯状写真への一枚ごとのハガキの供給
が確実に効率良く行われ、装置構造も簡素化され、制作
費も低減される。

【０００７】しかしながら上記先願にかかるハガキ供給
装置においては、使用するハガキの厚さが一様である場
合は帯状写真に対して何ら支障なくハガキを供給するこ
とができるが、使用するハガキの種類が途中で変わり、
その厚さが変化すると、一枚ずつ正確に供給できなくな
ることがある。

【０００８】このような場合、使用するハガキの厚さに
応じて、固定ローラーと駆動ローラー間の距離や密着状
態を調整する必要があるため、厚さの異なる多種類のハ
ガキを使用して写真付ハガキを製造する場合には、調整
が面倒であり、作業効率も低下する。

【０００９】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、使用するハガキの厚さの変化に自動的に対応するこ
とが可能で、作業効率の向上を図ることができるハガキ
供給装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、写真付ハガキ製造装置において多数の画像
が一定間隔でプリントされた帯状写真に対して順次ハガ
キを供給する装置であって、ハガキを積層収容するハガ
キ収容部と、前記積層したハガキの前面下方にあってハ
ガキ供給方向直前に位置する固定ローラーと、この固定
ローラーの下方に固定ローラーに対向して配置され、そ
の軸位置が固定ローラー軸位置よりハガキ供給方向につ
いて後方側に位置する主駆動ローラーと、前記積層した
ハガキの下方に位置する駆動ローラーとを備えたことを
特徴とする。

【００１１】このような構成とすることにより、ハガキ
収容部に積層収容されたハガキのうちの最下部に位置す
るハガキから順に１枚ずつ送り出し、それらを帯状写真
に向かって一定間隔ごとに供給することが可能となるた
め、作業効率および作業精度が向上する。この場合、固
定ローラーは主駆動ローラーよりハガキ供給方向へ偏位
させて配置され、かつ両ローラー間にはスリットが形成
されているので、ハガキの厚さが変わった場合、ハガキ
の進入角度が変化することによって自動的に固定ローラ
ーと主駆動ローラーとの間に入り込んで送り出される。
したがって、供給するハガキの厚さの変化に自動的に対
応することが可能であり、各種調整作業などが不要とな
るため、作業効率も向上する。

【００１２】また、本発明のハガキ供給装置では、ハガ
キ収容部に積層収容されたハガキの後端部と当接して、
最下部のハガキを供給方向へ誘導する案内ブロックを備
えた構造とすることができる。このような構造とするこ
とにより、最下部のハガキは供給方向へ誘導された状態
で駆動ローラーに当接するようになるので、ハガキをス
ムーズに送り出すことができる。この場合、案内ブロッ
クとして、略円柱状のブロックを採用することができ
る。

【００１３】また、本発明のハガキ供給装置では、前記
帯状写真に形成されたセンサー感知孔を感知して前記主
駆動ローラーおよび前記駆動ローラーを駆動する同期手
段を備えた構造とすることができる。このような構造と
することにより、移動する帯状写真上の所定位置に向か
って正確にハガキを供給することが可能となるため、作
業精度が高まるとともに、作業効率も向上する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施形態にかかるハガキ供給装
置は図６〜図８に示すような構造、機能であるが、写真
付ハガキ製造工程においては、帯状写真への糊塗布を行
った後、この帯状写真に対するハガキの供給を行うの
で、まず、図１〜図５を参照しながら糊塗布装置に関す
る説明を行った後、図６〜８に基づいてハガキ供給装置
について説明する。

【００１５】図１および図２は実施形態における糊塗布
装置を示す要部断面図であり、図１は帯状写真への糊塗
布を行っているときの状態を示し、図２は帯状写真への
糊塗布を中断しているときの状態を示す。

【００１６】通常の状態では、図１に示すように、塗布
ノズル１１は糊放出溝１１ａが下を向く姿勢にあり、こ
の糊放出溝１１ａから液状糊が放出され、接摺ローラー
１２にて押し上げられた帯状写真３１の裏面に塗布され
る。

【００１７】この糊塗布中に、帯状写真３１に不良箇所
があるとセンサーによりこれを感知して、図２に示すよ
うに、回転機構（図示せず）により塗布ノズル１１を瞬
時に回転させ、糊放出溝１１ａを帯状写真３１裏面より
離し、同時に塗布ノズル１１への液状糊の供給も中止し
て、帯状写真３１への糊塗布を中断させる。

【００１８】本実施形態においては、回転機構にはステ
ッピングモーターを使用し、約３０度の回転を塗布ノズ
ル１１に与えると、塗布ノズル１１からの液状糊の垂れ
もなく、良好な結果を得た。

【００１９】図３〜図５は本実施形態における蒸気発生
器を示す図であり、図３は蒸気発生器の配置位置を示す
側面図、図４は蒸気発生器の正面図、図５は蒸気発生器
の側面図である。

【００２０】蒸気発生器１３は、図３に示すように、帯
状写真３１の移動方向について塗布ノズル１１より下流
で、ハガキ供給装置（図６参照）から帯状写真３１上へ
ハガキ２７が供給される直前の位置に設けられ、乾燥し
た水溶性糊が再生するのに必要なだけの水蒸気が供給さ
れる。

【００２１】水蒸気は矢印１４の方向に噴出され、乾燥
した水溶性糊を再生する。再生された糊上には、ハガキ
供給装置によりハガキ２７が供給され、供給されたハガ
キ２７は、圧着ローラー１５によって圧着され、帯状写
真３１に貼着される。なお、水蒸気は、塗布ノズルによ
り新たに塗布された糊については必要でないので、水蒸
気を発生させるための給水やヒーターの温度について
は、必要な時に水蒸気を発生させるように制御装置によ
り帯状写真の移動や他の関連機器の作動と共に制御され
る。

【００２２】本実施形態における蒸気発生器１３は、金
属体に２本のロッドヒーター１３ａを埋め込んで熱源と
し、オリフィスを設けて水を定量連続的に供給する給水
機構より給水された水を蒸気発生室１３ｂで加熱し、発
生させた水蒸気を蒸気流路１３ｃを通して蒸気ヘッダー
１３ｄに導き、蒸気ヘッダー１３ｄより数個の蒸気噴出
孔１３ｅを通して水蒸気を噴出させるものである。本実
施例においては、オリフィス開口径０．５ｍｍ、蒸気噴
出孔１３ｅの内径１．０ｍｍ、噴出する水蒸気温度１２
０〜１２５℃で良好な結果を得た。

【００２３】蒸気発生室１３ｂは、その容積を大きくし
て加熱される面積を広くとり、水蒸気を安定して連続発
生させるようにし、蒸気流路１３ｃはその経路を長くし
て水分を完全に蒸気になすようにしている。

【００２４】次に図６〜図８を参照して、帯状写真３１
の糊塗布面に対してハガキ２７を供給するハガキ供給装
置について説明する。図６は実施形態におけるハガキ供
給装置の側面図、図７および図８は図６のハガキ供給装
置の要部を示す側面図である。

【００２５】図６において、帯状写真３１に供給される
ハガキ２７は、傾斜して設置されたハガキカセット２５
に積層収容されている。積層収容されたハガキ２６の下
部でハガキ供給方向直前に、固定ローラー２１と、この
固定ローラー２１の下方に、固定ローラー２１に対向
し、その軸位置が固定ローラー２１の軸位置よりハガキ
供給方向について後方側に位置する主駆動ローラー２２
とが設けられ、積層収容されたハガキ２６の下面には駆
動ローラー２３、さらにその後方には案内ブロック２４
が設けられている。

【００２６】積層収容されたハガキ２６の最下部のハガ
キは、帯状写真３１の移動に従って制御装置の制御によ
り一枚一枚順次に駆動ローラー２３および主駆動ローラ
ー２２により駆動されて、固定ローラー２１と主駆動ロ
ーラー２２の間隙にて形成されるスリットを通して、帯
状写真３１の糊塗布面に供給される。

【００２７】固定ローラー２１と主駆動ローラー２２
は、図７および図８に示すように、主駆動ローラー２２
および駆動ローラー２３に駆動されて帯状写真３１上に
供給される一枚のハガキ２７の両側に対向して配置し、
ハガキ２７の供給方向に対して固定ローラー２１軸位置
を主駆動ローラー２２軸位置より前方に位置させる。

【００２８】こうすることにより、積層収容されたハガ
キ２６の最下部の一枚のハガキが、主駆動ローラー２２
および駆動ローラー２３にて固定ローラー２１と主駆動
ローラー２２との間隙で形成されるスリットを通して繰
り出される際、そのハガキ２７の厚さがそのハガキの種
類により多様に変化しても、図８に示すように、このス
リットに進入するハガキ２７の進入角度がそのハガキの
厚さに応じて変化することにより、固定ローラー２１と
主駆動ローラー２２との間隙をそのハガキ２７が通り抜
けるのに必要な寸法にして、ハガキ２７を安定して供給
することができる。

【００２９】本実施形態においては、固定ローラー２１
の径に対して主駆動ローラー２２の径を大きくとり、ハ
ガキ２７と主駆動ローラー２２との接触面積を広くして
確実に駆動力を伝えるとともに、ハガキ２７の撓み角を
小さくして、固定ローラー２１と主駆動ローラー２２と
の間をハガキ２７が通過する際の抵抗を不必要に増大さ
せることのないようにしている。

【００３０】また、案内ブロック２４は、単純な形状の
円柱状となし、積層収容されたハガキ２６の下部のハガ
キ一枚一枚の端部が、固定ローラー２１表面に容易に添
うようにしている。

【００３１】

【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏するこ
とができる。

【００３２】（１）ハガキを積層収容するハガキ収容部
と、積層したハガキの前面下方にあってハガキ供給方向
直前に位置する固定ローラーと、この固定ローラーの下
方に固定ローラーに対向して配置され、その軸位置が固
定ローラー軸位置よりハガキ供給方向について後方側に
位置する主駆動ローラーと、積層したハガキの下方に位
置する駆動ローラーとを備えたことにより、最下部に位
置するハガキから順に１枚ずつ送り出しながら、帯状写
真に対して一定間隔ごとに供給することが可能となるた
め、作業効率および作業精度が向上する。さらに、供給
するハガキ厚の変化に自動的に対応可能であり、ハガキ
厚の変化による調整作業が不要となる。

【００３３】（２）ハガキ収容部に積層収容されたハガ
キの後端部と当接して、最下部のハガキを供給方向へ誘
導する案内ブロックを備えることにより、最下部のハガ
キは供給方向へ誘導された状態で駆動ローラーに当接す
るようになるので、ハガキをスムーズに送り出すことが
できる。

【００３４】（３）帯状写真に形成されたセンサー感知
孔を感知して駆動ローラーを駆動する同期手段を備えた
構造とすることにより、移動する帯状写真上の所定位置
に向かって正確にハガキを供給することが可能となるた
め、作業精度が高まるとともに、作業効率も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施形態における糊塗布装置を示す要部断面
図であり、帯状写真への糊塗布を行っているときの状態
を示す。

【図２】 実施形態における糊塗布装置を示す要部断面
図であり、帯状写真への糊塗布を中断しているときの状
態を示す。

【図３】 実施形態における蒸気発生器の配置位置を示
す側面図である。

【図４】 実施形態における蒸気発生器の正面図であ
る。

【図５】 実施形態における蒸気発生器の側面図であ
る。

【図６】 実施形態におけるハガキ供給装置の側面図で
ある。

【図７】 図６のハガキ供給装置の要部を示す側面図で
ある。

【図８】 図６のハガキ供給装置の要部を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１１ 塗布ノズル １２ 接摺ローラー １３ 蒸気発生器 １３ａ ロッドヒーター １３ｂ 蒸気発生室 １３ｃ 蒸気流路 １３ｄ 蒸気ヘッダー １３ｅ 蒸気噴出孔 ２１ 固定ローラー ２２ 主駆動ローラー ２３ 駆動ローラー ２４ 案内ブロック ２５ ハガキカセット ２６ 積層収容されたハガキ ２７ ハガキ ３１ 帯状写真

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真付ハガキ製造装置において多数の画
   像が一定間隔でプリントされた帯状写真に対して順次ハ
   ガキを供給する装置であって、ハガキを積層収容するハ
   ガキ収容部と、前記積層したハガキの前面下方にあって
   ハガキ供給方向直前に位置する固定ローラーと、この固
   定ローラーの下方に固定ローラーに対向して配置され、
   その軸位置が固定ローラー軸位置よりハガキ供給方向に
   ついて後方側に位置する主駆動ローラーと、前記積層し
   たハガキの下方に位置する駆動ローラーとを備えたこと
   を特徴とする写真付ハガキ製造装置におけるハガキ供給
   装置。
2. 【請求項２】 前記ハガキ収容部に積層収容されたハガ
   キの後端部と当接して、最下部のハガキを供給方向へ誘
   導する案内ブロックを備えた請求項１記載の写真付ハガ
   キ製造装置におけるハガキ供給装置。
3. 【請求項３】 前記帯状写真に形成されたセンサー感知
   孔を感知して前記主駆動ローラーおよび前記駆動ローラ
   ーを駆動する同期手段を備えた請求項１，２記載の写真
   付ハガキ製造装置におけるハガキ供給装置。