JP3110090U - 昇降床の固定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で製作しやすく、コストが安く、取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができ、高い精度で昇降床の表面と固定床の表面とが、段差のない平滑な水平面を構成することができる昇降床の固定装置を提供することである。
【解決手段】固定床6に揺動可能に取付けられ、昇降床1に下から掛合可能な鉤17を有する固定装置13であって、その本体18からほぼ直角に延びる腕部19と、その腕部に取付けられ本装置13を遠隔で揺動させる操作手段21、22と、使用しないときに本装置13を固定床6に固定する手段23とを有する昇降床の固定装置、および、それに対応する鉤受け部であって、鉤17との掛合部15aの高さを調整可能とした鉤受け部。
【選択図】 図1
【解決手段】固定床6に揺動可能に取付けられ、昇降床1に下から掛合可能な鉤17を有する固定装置13であって、その本体18からほぼ直角に延びる腕部19と、その腕部に取付けられ本装置13を遠隔で揺動させる操作手段21、22と、使用しないときに本装置13を固定床6に固定する手段23とを有する昇降床の固定装置、および、それに対応する鉤受け部であって、鉤17との掛合部15aの高さを調整可能とした鉤受け部。
【選択図】 図1
Description
本考案は、建設工事や補修工事の現場において、あるいは、生産工場において、資材の搬出入や移送などに用いられる昇降床、特に、固定されたときにその表面が固定床の表面と、段差のない平滑な水平面を構成することを要求される昇降床、を固定するのに用いる固定装置、および、その固定方法に関するものである。
昇降床は、建設や補修工事の現場や生産工場に置いて資材をある階から別の階に移送する時などに使用される。昇降には、油圧ジャッキ等の従来からある各種の機器が用いられ、ある固定床と同じ高さで停止して、その固定床からの資材の積み込みを行ない、油圧ジャッキ等を操作して昇降させ、別の固定床と同じ高さで停止して、その固定床への資材の積み降ろしを行なう。
その積み込みや積み降ろしの際に、固定床と昇降床との間に大きな段差ができないように、特許文献1のように両者の間を特殊なジグを設けて両者の間を固定し、固定後に残る段差が資材の積み込みや積み降ろしの支障にならないように、タラップをかけることが良く行なわれる。
特開2002-364179号公報
この固定床と昇降床のような構造物同士を、さらに高い精度で位置決めするためには、特許文献2のように両構造物間にピンを挿入するという手段もまた、一般に使用されている。この方法を固定床と昇降床との固定に用い、事前に両床に設けるピン穴の位置を極めて精度良く設定しておけば、ピンを挿入するだけで、昇降床の表面と固定床の表面を段差無く固定することができて、特許文献1のようなタラップをかける必要を理論的にはなくすことができる。
特開2004-316423号公報
一方、最近の工事現場での重量物の移送には、重量物と床面との間に高圧空気のクッションを設けて重量物を浮揚させて移動する空気クッション車両が良く用いられる。
空気クッション車両を用いる場合には、床面に段差があるとそこで空気クッションから空気が漏れて、その浮揚状態が維持できず、移送が困難になり、ついには停止してしまう。
空気クッション車両を用いる場合には、床面に段差があるとそこで空気クッションから空気が漏れて、その浮揚状態が維持できず、移送が困難になり、ついには停止してしまう。
重量物を、ある階、例えば、2階面で、空気クッション車両を用いて昇降床に積み込み、昇降床を降下させて、1階面で積み降ろすという場合を考えてみる。2階の固定床上を重量物を積んで運んできた空気クッション車輌を、昇降床の上まで動かして停止させ、重量物を積んだ空気クッション車両を乗せた昇降床を操作して1階面まで降下させ、そこで空気クッション車両を1階の固定床上へ移動させる作業である。
2階面で空気クッション車両が昇降床に乗り移る際に、建家と一体になっている固定床にくらべ、油圧ジャッキ等で支持されている昇降床は同じ荷重に対する撓み(沈下量)が極めて大きいので、相対的に沈下してしまい、固定床と昇降床との間に段差ができる。その段差部分で空気クッション内の空気が漏れて、空気クッション車両は完全に昇降床の上に乗ることなく停止してしまう。出願人の経験では、70tonの重量物を移送したときに約30mmの段差を生じたことがあった。
1階面で重量物を積んだ空気クッション車両が昇降床から固定床に乗り移る際にも、荷重が固定床に移るにつれて、昇降床は浮き上がり、ここでも段差ができて空気が漏れ、同じ問題が生じる。
特許文献1のように両者の間をタラップで繋いでも、昇降床が沈み込めば、タラップは斜面となり、タラップと固定床との繋ぎ部分には凸部が、タラップと昇降床の繋ぎ部分には凹部ができて、空気クッションの気密性が損なわれてしまい、空気クッション車両の使用には役に立たない。
これを防ぐためには、昇降床が重量物を受け渡しする各階に置いて、固定床と昇降床とが、段差のない平滑な水平面を作るように両者の高さを合わせて、相互に固定する必要がある。
例えば、特許文献2のようなピンを用いて、両床の間に数多くのピンを横方向に挿入して物理的に固定すればよい。
例えば、特許文献2のようなピンを用いて、両床の間に数多くのピンを横方向に挿入して物理的に固定すればよい。
しかし、この昇降床の固定の場合に用いられるピンは、重量物と空気クッション車両を乗せた昇降床全体の荷重により生じる剪断力に耐えねばならないから、その口径は大きく成らざるを得ず、その結果としてピンの重量も大きくなる。
一方、両床の高さを精度高く一致させ、また、大きな荷重に耐えさせるためには、両床に設けるピン穴はピンの口径に精度高く適合したものでなければならず、それだけにピンの挿入や抜き取りの作業は容易ではない。それは単に手間がかかるだけではなく、大きな重量を支えるものだけに作業ミスは許されず、重いピンを高所で扱うから高所作業の危険も伴う。
さらに、作業現場や生産工場では、このような重量物の昇降作業を繰返し行なうことも多く、そのたびにピンを挿入したり、抜き取ったりするのにかかる時間や人工は積算すれば大きな負担となり、経済的ではない。
一方、両床の高さを精度高く一致させ、また、大きな荷重に耐えさせるためには、両床に設けるピン穴はピンの口径に精度高く適合したものでなければならず、それだけにピンの挿入や抜き取りの作業は容易ではない。それは単に手間がかかるだけではなく、大きな重量を支えるものだけに作業ミスは許されず、重いピンを高所で扱うから高所作業の危険も伴う。
さらに、作業現場や生産工場では、このような重量物の昇降作業を繰返し行なうことも多く、そのたびにピンを挿入したり、抜き取ったりするのにかかる時間や人工は積算すれば大きな負担となり、経済的ではない。
ピンに変わる固定装置が望まれるが、構造が簡単で製作がしやすく、コストが安くて、取り扱いが容易で、かつ、昇降床を固定したときにその表面が固定床の表面と、十分な精度を持って段差のない平滑な水平面を構成することができるものが必要である。
そこで、本考案が解決しようとする課題は、構造が簡単で製作しやすく、コストが安く、取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができ、空気クッション車両等で要求されるのに十分な精度で昇降床の表面と固定床の表面とが、段差のない平滑な水平面を構成することができる昇降床の固定装置、および、それを用いた固定方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本考案は、固定床に揺動可能に取付けられた、昇降床に下から掛合可能な鉤を有する部材を本体とする昇降床の固定装置であって、
該本体からほぼ直角に、かつ、該昇降床から離れる方向に延びる腕部と、該腕部に取付けられ、該本体を遠隔で揺動させる操作手段と、
該固定装置を使用しないときに、該固定装置を該固定床に固定する固定手段とを有する昇降床の固定装置である。
該本体からほぼ直角に、かつ、該昇降床から離れる方向に延びる腕部と、該腕部に取付けられ、該本体を遠隔で揺動させる操作手段と、
該固定装置を使用しないときに、該固定装置を該固定床に固定する固定手段とを有する昇降床の固定装置である。
固定床に揺動可能に取付けられた、昇降床に下から掛合可能な鉤を有する部材を本体とする昇降床の固定装置(以下「本装置」という。)である。昇降床を固定するときには、この本体を揺動させてその鉤を昇降床に下から掛合させることにより、昇降床、および、それに積載された重量物の荷重を受止め、昇降床を固定床にがっちりと固定させる。
その本体には、ほぼ直角に延びる腕部が設けられており、その腕部に設けられた操作手段を用いて、本体を揺動させる。本装置の使用を開始するとき、すなわち、昇降床の固定のために本装置を装着するときには、鉤を昇降床に近づけるように揺動させ、本装置の使用を終わるとき、すなわち、昇降床の固定をやめて本装置を解除するときには、逆に鉤を昇降床から遠ざかるように揺動させる。
操作手段としては、腕部に結びつけたロープを用いて引張る方法、腕部にその一端を取付けた竿で動かす方法、腕部を本体に対しある角度範囲で回転可能に取付け、腕部に設けたラックを固定床に設けたピニオンの回転により動かす方法、等各種の方法を用いることができるが、いずれにしても遠隔操作できることが望ましい。例えば、昇降床が上の階にあるときに、下の階から本装置の操作が遠隔でできれば、操作員が昇降床に伴って階と階との間を往復したり、昇降床の下に潜り込んで本装置の装着・解除作業を行なう必要が無くなり、作業性が向上するからである。
本装置を使用しないときに、すなわち、本装置を解除した状態で、本体が揺動して昇降途中の昇降床に接触したりすることがないように、本装置を固定床に固定する固定手段が設けられている。固定手段は、単に本装置の揺動を止めるためだけのものであるから、本体、あるいは、腕部に磁石を取付けて、その付着力により固定床側に固定する方法や、腕部の一部を挟み込む弾性力のあるクリップ状の止め金を固定床側に取付けて、それに挟み込ませて固定する方法など、従来から用いられてきた各種の方法が適用される。
腕部が本体からほぼ直角に、かつ、昇降床から離れる方向に延びるように取付けられているので、遠隔での操作手段を、その操作が容易で、かつ、効率よく働くように取付けることができる。
例えば、1本の操作用ロープ(以下「ロープA」と言う。)を腕部の本体に最も近い端部、すなわち、最も昇降床に近い端部に取付け、腕部の他端近くに磁石による固定手段を設けて、その近くにもう1本の操作ロープ(以下「ロープB」と言う。)を取付けておく。ロープAを下に引張れば、本装置は昇降床から離れる方向に揺動して、昇降床の固定を解除する状態になり、ロープBを下に引張れば、本装置は磁石の力から外れて昇降床の方へ容易に揺動し、昇降床を固定する装着状態になる。
例えば、1本の操作用ロープ(以下「ロープA」と言う。)を腕部の本体に最も近い端部、すなわち、最も昇降床に近い端部に取付け、腕部の他端近くに磁石による固定手段を設けて、その近くにもう1本の操作ロープ(以下「ロープB」と言う。)を取付けておく。ロープAを下に引張れば、本装置は昇降床から離れる方向に揺動して、昇降床の固定を解除する状態になり、ロープBを下に引張れば、本装置は磁石の力から外れて昇降床の方へ容易に揺動し、昇降床を固定する装着状態になる。
遠隔操作により、装着位置から解除位置に、あるいは、解除位置から装着位置に、本装置を確実に動揺するために必要があれば、腕部の一部等にバランスウエイトを付けることも考えられる。
また、本考案は、上述の昇降床の固定装置において、該固定装置を使用しているときに、該固定床と該昇降床との水平方向の間隔を調整する位置調整手段を、さらに有する昇降床の固定装置である。
本装置の本体を固定床に取付けた点は固定床側にあり、本体の鉤が昇降床に掛合する点は昇降床側にあり、上から見たときに、昇降床は固定床に空けられた開口部の中を、固定床に妨げられることなく上下できるのであるから、本体の固定床への取付け点、例えば、両者をピン結合する場合のピンの位置と、鉤の昇降床への掛合部は構造上鉛直線上には配置できない。昇降床への掛合部は固定床の取付け点より、昇降床の中心方向に向かって斜めに傾いた位置になっている。
その結果、昇降床の上に偏った荷重がかかったとき、例えば、空気クッション車両が固定床から昇降床に移動しているときや、昇降床に乗っている重量物と空気クッション車両の重心が昇降床の中心からずれているときには、荷重が大きくかかった部分に位置する本装置では、昇降床の反対側、すなわち、相対的に小さい荷重のかかった部分に位置する本装置に比べて、固定床への取付け点と昇降床への掛合部がより鉛直になろうとする力が働き、昇降床はその分だけ固定床に引き寄せられる結果となり、昇降床と固定床の隙間が変化したり、僅かながら段差を生じせしめたりして好ましくない。
そこで、昇降床と固定床との隙間が変化したり、両床の間の段差が僅かであっても好ましくない場合に対応するために、本考案では本装置を使用しているとき、すなわち、昇降床を固定するために本装置を装着しているときに、固定床と昇降床との水平方向の間隔を調整する位置調整手段を設けている。
位置調整手段としては、昇降床の周囲に、昇降床を水平に押す「押しボルト」を固定床側に設けて、昇降床が本装置により固定された後、昇降床に荷重がかかる前に、この押しボルトを締めて、固定床の開口の中心に昇降床を固定する方法等従来から使用されている各種の方法が適用できる。押しボルトのような簡単な構造のものであっても、固定床と昇降床の間隔を適正に保ち、両床間の隙間の変化や、僅かな段差の発生を十分に防ぐことができる。
以上に説明した通り、本装置は構造が簡単で、バネやベアリング等の機械部品が不要であり、現場において板材を切断・溶接等の加工をすることにより安価に製作でき、一方、装着や解除等の取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができる。
そして、昇降床の表面と固定床の表面とが十分な精度で段差のない平滑な水平面を構成するように固定することができる。
そして、昇降床の表面と固定床の表面とが十分な精度で段差のない平滑な水平面を構成するように固定することができる。
さらに、本考案は、上述の昇降床の固定装置の鉤に掛合する、昇降床に取付けられた鉤受け部であって、鉤との掛合部の高さを調整可能な鉤受け部(以下「本鉤受け部」という。)である。
昇降床側には、本装置の鉤に掛合する部分が必要である。固定床と昇降床の間に許容される段差がある程度大きいときには、単に昇降床とそれに積載される重量物の荷重に充分耐える強度を持ち、鉤の形状に適合する形状を持った部分を設けるだけでよいが、空気クッション車両の使用の場合のように、高い精度で昇降床の表面と固定床の表面とを平滑な水平面に保つ必要がある場合には、昇降床に掛合部の高さを調整可能な鉤受け部を設けることが有効である。
高さを調整可能とするのは、ボルト・ナットを用いたり、シムを挿入したり、従来から重量物の高さ調整に用いられる各種の方法が適用できる。いずれの方法を適用しても、構造が簡単で、複雑な機械部品は不要であり、現場において容易に、かつ、安価に製作できる。そして、上述の本装置と組み合わせて使用することにより、本装置の装着や解除等の取り扱いが容易で、高所での固定であっても安全に作業ができる。さらに、昇降床の表面と固定床の表面とがより高い精度で段差のない平滑な水平面を構成するように固定することができる。
また、本考案は、上述の昇降床の固定装置と鉤受け部を用いて、昇降床を固定床に固定する方法である。
用いる装置の構造が簡単なので取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができ、空気クッション車両等で要求されるのに十分な精度で昇降床の表面と固定床の表面とが段差のない平滑な水平面を構成するように固定できる固定方法である。
用いる装置の構造が簡単なので取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができ、空気クッション車両等で要求されるのに十分な精度で昇降床の表面と固定床の表面とが段差のない平滑な水平面を構成するように固定できる固定方法である。
以上に説明した通り、本装置、および、本鉤受け部は、いずれも構造が簡単で、バネやベアリング等の機械部品が不要であって、現場に置いても容易に、かつ、安価に製作が可能であり、一方、装着や解除等の取り扱いが容易であり、高所での固定であっても安全に作業ができ、しかも、空気クッション車両等で要求されるのに十分な精度で、昇降床の表面と固定床の表面とが段差のない平滑な水平面を構成するように固定することができるという効果を奏する。
また、本装置および本鉤受け部を用いて昇降床を固定する本考案の固定方法を用いることにより、装着や解除等の操作が遠隔で容易にでき、高所での固定であっても安全に作業ができ、しかも、ピンの挿入や抜き取り作業に比べて人工や時間が節約でき、空気クッション車両等で要求されるのに十分な精度で、昇降床の表面と固定床の表面とが段差のない平滑な水平面を容易に構成するように固定することができるという効果を奏する。
以下、本考案を実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。なお、本考案はかかる形態に限定されず、本考案の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。
図1は本考案の固定装置の実施例の側面図、図2は本考案の鉤受け部の同じく実施例の側面図(a)と正面図(b)である。また、図3はこれらの固定装置と鉤受け部を用いて昇降床を固定床に固定する方法の説明図である。
図1の向かって右側にその一部を示した昇降床1は、重量物を乗せる上板2と、下板3,その間に配置された強度部材4等を組み合わせて製作され、油圧ジャッキ5等の昇降手段により昇降する。一方、図1の左側に一部を示された固定床6は、一般に建家等の一部を構成する鉄骨7や床板9で構成されており、その一部に昇降床が上下に通過できる開口部10を有している。
この昇降床1の上に固定床6から、重量物を乗せた空気クッション車両(いずれも図示されていない。)を移動させる、あるいは、固定床6の上に昇降床1から、空気クッション車両を移動させる。その際に空気クッションの空気が漏れず、スムースに移動が行なわれるためには、昇降床の上板2の表面と、固定床の床板9の表面が、段差のない平滑な水平面を構成していなければならない。
固定床6の開口部10に面した鉄骨7に、本考案の昇降床の固定装置13が、揺動可能にピン14によるピン結合で取付けられている。本装置13は少なくとも、図に実線で示された装着位置、すなわち、昇降床1に取付けられた鉤受け部16と鉤17とが掛合部15aでに掛合した状態から、想像線で示された解除位置13aまで揺動可能になっている。
なお、図1では、鉤受け部16として、単に荷重に耐える強度を有するし、鉤17の形状に適合した形状を有するブロック状のものが表示されているが、昇降床の上板2の表面と、固定床の床板9の表面が、より高い精度で段差のない平滑な水平面を構成していなければならない場合には、それに替えて図2で説明する本鉤受け部を用いればよい。
本装置13は鉤受け部16に掛合可能な鉤17を有する本体18と、その本体からほぼ直角に、かつ、昇降床1から離れる方向に延びる腕部19と、その腕部に取付けられた2本のロープ21、22からなる操作手段と、腕部19に取付けられた磁石23である固定手段から成っている。
昇降床1がまだ昇降の途中であって、まだ図に示す位置に達していないときには、本装置13は想像線で示した解除位置13aにあって、磁石23の力により、鉄骨7に固定され、上昇、あるいは、下降してくる昇降床の動きを阻害しない。
昇降床1が昇降を終えて固定床1に近づいたときに、その上板2の表面が固定床の床板9の表面より僅かに高い位置で一旦停止させ、作業員が下からロープ22を引くと、磁石23は鉄骨7から外れ、本装置は昇降床1側に揺動して、鉤17が鉤受け部16の下に入る。その状態で昇降床1をゆっくり降下させれば、鉤受け部16が鉤17にしっかり掛合したところで降下が終わり、昇降床1は固定床6に固定される。
昇降床1が昇降を終えて固定床1に近づいたときに、その上板2の表面が固定床の床板9の表面より僅かに高い位置で一旦停止させ、作業員が下からロープ22を引くと、磁石23は鉄骨7から外れ、本装置は昇降床1側に揺動して、鉤17が鉤受け部16の下に入る。その状態で昇降床1をゆっくり降下させれば、鉤受け部16が鉤17にしっかり掛合したところで降下が終わり、昇降床1は固定床6に固定される。
遠隔操作でロープ22を下に引き、磁石23が外れさえすれば、自ずと本装置の鉤17が鉤受け部16の真下、あるいは、それよりもさらに昇降床よりに動くようにするのが望ましい。そのために、必要があればバランスウエイト24を取付けるのがよい。
図1から分かるように、本装置が昇降床を固定したときに、その本体18には主として軸力が生じ、ピン14には主として剪断力が生じるのみであるから、荷重を受けた場合の変形量も少なく、それだけ精度の良い固定ができる。
さらに、本実施例には、固定床6と昇降床1との水平方向の間隔を調整する位置調整手段である押しボルト26が設けられている。押しボルト26は、鉄骨7に溶接されたナット27に係合して支持され、不使用時は固定床の開口部10内に突出しないように固定床側に引き込まれている。
重量物を昇降床1に積み込む階に置いては、昇降床1が本装置により固定床6に固定されたのち、まだ積載物(重量物とそれを運ぶ空気クッション車両等)の荷重がかかる以前に、押しボルト26を回して前進させ、両床の間に適切な水平方向の間隔を採るように調節する。本装置13を昇降床1の周囲に配置しておき、それぞれの有する押しボルトを調整すれば、垂直方向だけでなく水平方向に置いても昇降床を適切な位置に容易に固定できる。
重量物を昇降床1から積み降ろす階に置いては、昇降床1が本装置により固定床6に固定されたのちで、まだ搭載されている積載物が昇降床1に偏荷重をかけていない状態、すなわち、積載物の重心が昇降床1のほぼ中心にある状態で、押しボルト26を前進させて、両床の間に適切な水平方向の間隔を採るように調節すればよい。
図2は、本考案の鉤受け部30を示す側面図(a)と正面図(b)である。鉤受け部30を構成するのは、昇降床に取付けられた2枚の側板31と、その間に配置された上板32と下板33、2本のボルト35とそれらに溶接された掛合部材36、ボルト35の高さ方向の位置を調整するためのナット37、38である。いずれの部材も、昇降床1を固定するのに十分な強度を有するように設計される。
上板32は、2枚の側板31の間に掛け渡す形で固定されており、下板33は、(b)図に示すように、仮想線で示した本装置13の鉤17が掛合部である掛合部材36に掛けるのを妨害しないように、それぞれの側板31に固定された2枚の板から成っている。
上板32と下板33には、ボルト35が通過可能な穴(図示されていない。)が設けられている。
上板32と下板33には、ボルト35が通過可能な穴(図示されていない。)が設けられている。
この穴にボルト35を挿入し、ナット37とナット38を用いて2本のボルト35を同じ高さにそろえたあと、掛合部材36を2本のボルトの両方に溶接等により固定する。この構成を取ることにより、あとはナット37とナット38を締めたり、緩めたりすることによって、掛合部材36の高さ、すなわち、鉤の掛合部15bの高さを微調整することができる。
この微調整は、昇降床を使用するたびに行なう必要はなく、各階の固定床の各固定装置に掛合する本鉤受け部において、試験的に昇降床を固定して本鉤受け部を調整して掛合部材の高さを一度定めれば、あとは繰返し行なう重量物の移送作業に置いても一回ごとに調整を行なうことなく、昇降床の表面と固定床の表面とが所定の精度を持って段差のない平滑な水平面を構成するように固定ことができる。
図3は、これらの固定装置および鉤受け部を用いて昇降床を固定床に固定する方法の説明図である。
昇降床1は、基礎(図示されていない。)上に据付けられた油圧ジャッキ5等の昇降手段によって昇降する。一方、固定床6a、6bには、昇降床1が通過できる開口部10a、10bがそれぞれ設けられている。
昇降床1は、基礎(図示されていない。)上に据付けられた油圧ジャッキ5等の昇降手段によって昇降する。一方、固定床6a、6bには、昇降床1が通過できる開口部10a、10bがそれぞれ設けられている。
各固定床の開口部10a、10bの周囲には固定装置13が複数取付けられており、それら固定装置13に対応する位置の昇降床1の下側に鍵受け部30が設けられている。この図では長方形の昇降床の各辺に2台ずつ固定装置13とそれに対応する鍵受け部30が設けられている場合を示しているが、昇降床の形状や大きさ、あるいは、そこに積載される荷重によって、それらの数は適宜決めればよい。いずれの固定床に置いても、そこに取付けられた固定装置13が、昇降床1の鍵受け部30に対応しなければならないから、どの階に置いても同じ垂直線上に固定装置を取付けることとなる。
図では、作業員41が、固定床6bにおいて昇降床1に空気クッション車両に搭載した重量物(いずれも図示を省略してある。)を積み込み、固定床6aでそれを積み降ろそうとしている。
昇降床1が昇降中の状態であるから、各階の固定装置13はいずれも図1に仮想線で示した解除位置13aにあり、昇降床1が開口部10a、10bを通過するのに妨げにならないように磁石等の固定手段(図示されていない。)により固定床6a、6bに固定されている。
昇降床1が昇降中の状態であるから、各階の固定装置13はいずれも図1に仮想線で示した解除位置13aにあり、昇降床1が開口部10a、10bを通過するのに妨げにならないように磁石等の固定手段(図示されていない。)により固定床6a、6bに固定されている。
図の状態からさらに昇降床1が上昇して固定床6aの開口部10aに至り、昇降床1の表面が僅かに固定床10aの表面より高くなったところで、作業員41は一旦油圧ジャッキ5を停止させ、そこで、固定装置13に設けられたロープ22を引くと、固定装置13は昇降床1側に揺動し、その本体の鉤の部分が鉤受け部30の下に入る。その状態で、昇降床1をゆっくり降下させれば、鉤受け部30と鉤が掛合したところで降下が終わり、昇降床1は固定床10aに固定される。
事前に、鍵受け部30の掛合部材(図2の36)を調整しておけば、昇降床の表面が、固定床の表面と極めて高い精度を持って段差のない平滑な水平面を構成することができる。
また、図1で説明した押しボルト26のような位置調整手段を設けた場合には、偏荷重が昇降床に掛かっていない状態で、それを用いて調整することにより、垂直方向だけでなく水平方向に置いても昇降床を適切な位置に容易に固定できる。
また、図1で説明した押しボルト26のような位置調整手段を設けた場合には、偏荷重が昇降床に掛かっていない状態で、それを用いて調整することにより、垂直方向だけでなく水平方向に置いても昇降床を適切な位置に容易に固定できる。
以上に、固定床6aで昇降床1の積載物を積み降ろす場合を説明したが、固定床6bで昇降床1に積載物を積み込むときも、積載物を積み込む前に、同じような操作で、昇降床1を固定床6bに固定すればよい。
本考案は、建設工事や補修工事の現場において、あるいは、生産工場において、資材の搬出入や移送などに用いられる昇降床の固定に広く適用できる。
1 昇降床
2、3 その上板と下板
4 同 強度部材
5 油圧ジャッキ
6、6a、6b 固定床
7 その鉄骨
9 同 床板
10、10a、10b 同 開口部
13 固定装置
13a その解除位置
14 ピン
15a、15b 掛合部
16 鉤受け部
17 固定装置の鉤
18 同 本体
19 同 腕部
21、22 操作ロープ
23 磁石
24 バランスウエイト
26 押しボルト
30 鉤受け部
31 その側板
32、33 同 上板および下板
35 ボルト
36 掛合部材
41 作業員
2、3 その上板と下板
4 同 強度部材
5 油圧ジャッキ
6、6a、6b 固定床
7 その鉄骨
9 同 床板
10、10a、10b 同 開口部
13 固定装置
13a その解除位置
14 ピン
15a、15b 掛合部
16 鉤受け部
17 固定装置の鉤
18 同 本体
19 同 腕部
21、22 操作ロープ
23 磁石
24 バランスウエイト
26 押しボルト
30 鉤受け部
31 その側板
32、33 同 上板および下板
35 ボルト
36 掛合部材
41 作業員
Claims (4)
- 固定床に揺動可能に取付けられた、昇降床に下から掛合可能な鉤を有する部材を本体とする昇降床の固定装置であって、
該本体からほぼ直角に、かつ、該昇降床から離れる方向に延びる腕部と、該腕部に取付けられ、該本体を遠隔で揺動させる操作手段と、
該固定装置を使用しないときに、該固定装置を該固定床に固定する固定手段とを有する昇降床の固定装置。 - 請求項1記載の昇降床の固定装置において、該固定装置を使用しているときに、該固定床と該昇降床との水平方向の間隔を調整する位置調整手段を、さらに有する昇降床の固定装置。
- 請求項1または請求項2のいずれかに記載の昇降床の固定装置の前記鉤に掛合する、前記昇降床に取付けられた鉤受け部であって、該鉤との掛合部の高さを調整可能な昇降床の固定装置の鉤受け部。
- 請求項1または請求項2のいずれかに記載の昇降床の固定装置と請求項3記載の鉤受け部を用いて、昇降床を固定床に固定する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005000075U JP3110090U (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 昇降床の固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005000075U JP3110090U (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 昇降床の固定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3110090U true JP3110090U (ja) | 2005-06-16 |
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ID=43272645
Family Applications (1)
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JP2005000075U Expired - Lifetime JP3110090U (ja) | 2005-01-12 | 2005-01-12 | 昇降床の固定装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3110090U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112983018A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-06-18 | 保利长大海外工程有限公司 | 一种用于在建筑表面安装紧固件的施工设备 |
-
2005
- 2005-01-12 JP JP2005000075U patent/JP3110090U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112983018A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-06-18 | 保利长大海外工程有限公司 | 一种用于在建筑表面安装紧固件的施工设备 |
CN112983018B (zh) * | 2021-02-05 | 2024-04-05 | 保利长大海外工程有限公司 | 一种用于在建筑表面安装紧固件的施工设备 |
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