JP3110005B2 - 低カロリーシロップ - Google Patents

低カロリーシロップ

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JP3110005B2
JP3110005B2 JP09209087A JP20908797A JP3110005B2 JP 3110005 B2 JP3110005 B2 JP 3110005B2 JP 09209087 A JP09209087 A JP 09209087A JP 20908797 A JP20908797 A JP 20908797A JP 3110005 B2 JP3110005 B2 JP 3110005B2
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calorie
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質で充分な甘
味を有し、かつ低カロリーのシロップに関する。より詳
細には、エリスリトールおよび羅漢果配糖体を含有する
低カロリーシロップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シロップは、果糖、ショ糖、
異性化糖などを甘味源として製造されてきた。しかし、
このようなシロップは、非常に高カロリーでありかつ高
い糖含量を有するため、ダイエットが要求される人々お
よび現在日本に500万人以上存在するといわれる、カロ
リー制限を強いられる糖尿病患者(一次性および二次性
の糖尿病患者)にとって好ましくない。さらに、近年
は、年齢を問わず多くの人々がカロリーを過剰摂取する
ようになったため、従来は生活習慣病(成人病)を発症
しにくいと考えられていた幼年層および若年層のような
年齢層の人々までもが、将来生活習慣病を発症するかも
しれない、いわゆる生活習慣病予備軍となっている。実
際、カロリーの過剰摂取と糖尿病のような生活習慣病の
前段階と考えられている高脂血症の発症との因果関係が
明らかになっているため、このような人々にとっても高
カロリーのシロップは好ましくない。これらのことか
ら、低カロリーのシロップが要求されてきた。
【0003】そこで、低カロリーのシロップを提供する
ために、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、高甘味度甘
味料などのシロップへの使用が提案された。
【0004】還元麦芽糖水飴は、ショ糖の75〜95%の甘
味度を有し、かつ約1/2量のカロリーしか有しないとい
う利点を有する。しかし、摂取した還元麦芽糖水飴のほ
とんどは、吸収されずにそのまま大腸に達するために、
過剰摂取をすると緩下作用(軟便および下痢症状など)
を示すという欠点がある。そのため、低カロリー甘味料
として使用するには好ましくない。
【0005】低カロリーの甘味料として、エリスリトー
ルが使用されている。エリスリトールは、ブドウ糖を原
料とし、酵母を用いる醗酵法により得られる甘味料であ
り、経口摂取されたエリスリトールの大部分は、小腸で
吸収された後、代謝されることなく速やかに尿中に排泄
されるので、カロリーをほとんど有していない。さら
に、エリスリトールは、緩下作用をほとんど示さない;
非う蝕性であるので、虫歯の原因にならない;血中の血
糖値およびインスリン濃度に影響を及ぼさない、などの
生理的特性を有する。加えて、低吸湿性であり、耐熱性
であるという優れた物理化学的特徴を有する。これらの
ことから、エリスリトールは、安全性の高い新しい糖質
として、卓上甘味料、菓子類、乳製品、飲料類など広範
囲の食品分野で利用されている。しかし、エリスリトー
ルの甘味度は、ショ糖の約70%であり、かつ甘みの残留
性が非常に弱いために、エリスリトールを単独で使用す
ると、甘味質に物足りなさを感じる。そのため、低カロ
リー甘味料としては不充分である。
【0006】これに対して、極めて甘味度が高いため、
使用量が少量ですむという特徴を有する人工または天然
の高甘味度甘味料が開発されている。
【0007】人工の高甘味度甘味料としては、サッカリ
ン、アスパルテームなどがあるが、天然物でないため一
般に受け入れられにくい場合がある。
【0008】天然の高甘味度甘味料としては、ステビア
抽出物、甘草抽出物、羅漢果エキスなどがあり、これら
の天然物からの抽出物は人体に対して安全性が高い。し
かし、一般に、上記の抽出物は焦げ味または苦味を伴う
だけでなく、しつこく甘みが残留するために、ショ糖と
比較した場合、甘味質がきわめて劣っており、ショ糖の
代替品として用いられる低カロリー甘味料として不充分
である。
【0009】天然の高甘味度甘味料の中でも特に、羅漢
果エキスについては、比較的強い甘味質を有し、かつ薬
効成分を有するために人に対して有益な効果が期待でき
ることから、菓子類、飲料類、シロップなどの甘味成分
として用いることが提案されてきた(特開昭53−93
52、特開昭53−9359)。しかし、羅漢果エキス
も本質的に上記の欠点を有している。つまり、黒砂糖な
どの焦げ味に似た羅漢果特有の著しい焦げ味、独特の匂
い、苦味、甘みのしつこい残留性などがあるため、飲食
の際に非常に不快感を伴い、シロップなどの食品に利用
することは非常に困難である。
【0010】これに対して羅漢果エキスおよびその抽出
物の甘味質を改善するための甘味剤組成物が提案されて
いる。例えば、特開昭54-14562号公報には、羅漢果エキ
スにステビオサイドを配合することにより、甘味剤組成
物の焦げ味が改善されたことが記載されている。しか
し、この甘味剤組成物の焦げ味は改善されたが、この組
成物の甘味質の改善は不十分であり、長年、慣れ親しん
できたショ糖の甘味質には劣る。
【0011】これらのことから、低カロリーであって、
安全性に懸念がなく、ショ糖と同等の甘味質を有し、シ
ョ糖シロップの代替となり得る低カロリーシロップが、
依然として要求されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低カロリー
であって、ショ糖に近い甘味質を有し、かつ安全性の高
いシロップを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、エリスリトールおよび羅漢果配糖体を含有する
シロップが、ショ糖の甘味質に近い甘味質を有し、後味
に優れ、安全性が高く、かつ低カロリーであることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】本発明の低カロリーシロップは、エリスリ
トールおよび羅漢果配糖体を含有する。
【0015】一実施態様においては、本発明の低カロリ
ーシロップは、上記エリスリトール100重量部に対して
上記羅漢果配糖体を、0.025〜70重量部の割合で含有す
る。
【0016】他の実施態様においては、本発明の低カロ
リーシロップは、さらに補助甘味成分を含有する。
【0017】さらに他の実施態様においては、上記補助
甘味成分は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、および糖ア
ルコール類からなる群より選択される少なくとも1種で
ある。
【0018】さらに他の実施態様においては、上記補助
甘味成分が、羅漢果エキス、甘草抽出物、ステビア抽出
物、および甘茶抽出物からなる群より選択される少なく
とも1種の高甘味度成分である。
【0019】さらに他の実施態様においては、上記エリ
スリトールの含有量は、3〜40重量%である。
【0020】さらに他の実施態様においては、本発明の
低カロリーシロップは、さらに増粘成分を含有する。
【0021】さらに他の実施態様においては、上記増粘
成分は、海藻抽出物、植物種子多糖類、微生物多糖類、
および蛋白質類からなる群より選択される少なくとも1
種である。
【0022】さらに他の実施態様においては、本発明の
低カロリーシロップは、色素、香料、および果汁からな
る群より選択される添加物をさらに含有する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の低カロリーシロップは、
羅漢果配糖体およびエリスリトールを含有する。
【0024】ここでいう「低カロリーシロップ」とは、
100gあたりのカロリーが約40kcal以下であるシロップ
をいう。この低カロリーシロップは、100gあたりのカ
ロリーが実質的に0カロリーであるシロップ、つまりノ
ンカロリーシロップをも包含する。
【0025】本発明のシロップに含有されるエリスリト
ールは、分子量が122の公知のテトロースアルコールで
あり、市販の製品を利用し得る。
【0026】エリスリトールは、代表的には約3〜約40
重量%、好ましくは約10〜約30重量%、さらに好ましく
は約15〜約20重量%の割合でシロップに含有される。エ
リスリトールの含有量が約3重量%よりも低いと、甘味
がほとんど感じられなくなる場合がある。エリスリトー
ルの含有量が約40重量%を超えると、シロップの温度が
10℃以下になった場合にエリスリトールが結晶として析
出し、シロップの商品価値が下がる場合がある。
【0027】「羅漢果配糖体」とは、羅漢果に含まれる
Mogroside V、Mogroside VIなどの高甘味度を有する配
糖体のことであるが、本明細書においては、この用語は
このMogroside V、Mogroside VIなどの配糖体の1種あ
るいは2種以上の混合物、さらにこれらの配糖体を主成
分とする羅漢果からの抽出物のいずれをも包含する。羅
漢果配糖体は、羅漢果を水、アルコールなどで抽出した
後濃縮したものである羅漢果エキスとは異なり、甘味成
分が選択的に抽出されており、羅漢果エキスの有する独
特の著しい焦げ味、匂い、苦み、甘みの残留性などが弱
い。
【0028】羅漢果(学名:Momordicae Grosvenori)
は、ウリ科の多年生草本の薬用植物であり、古代より中
国の民間薬として広く利用されており、現在でも中国広
西省チワン族自治区の桂林周辺の高冷地で栽培される特
産品の一つである。羅漢果の有する薬効は、のどの荒れ
および痛みの緩和、咳止め、去痰、気管支炎の緩和、扁
桃腺炎の緩和、解熱、胃腸の機能促進、ストレス解消、
利尿、便秘解消など多数にのぼり、そのほかに高血圧
症、糖尿病などを防止する作用、老化防止作用などの作
用も有することが知られている。近年ではさらに、羅漢
果には、フリーラジカル消去作用および抗過酸化効果を
有する成分が含まれていることが明らかになっている
(「基礎と臨床」27(8),3159-3166(1993))。羅漢果の
高甘味度成分は、上記Mogroside V、Mogroside IVなど
のトリテルペン系配糖体であり、その化学構造解析およ
びショ糖と比較した甘味度が報告されている(Chem.Pha
rm.Bull. 38(7)2030-2032(1990))。この羅漢果配糖体
は、一般に褐色〜黄色粉末の形状である。羅漢果配糖体
は、例えば、羅漢果を洗浄し、水で抽出し、得られた抽
出物から配糖体を含有する画分を回収し、これを濃縮お
よび乾燥することにより製造される。羅漢果配糖体は、
例えば、中国広西チワン自治区桂林福製薬工場で製造さ
れており、日本国内で市販品として入手可能である。
【0029】この羅漢果配糖体は、エリスリトール100
重量部に対して、代表的には0.025〜70重量部、好まし
くは0.125〜30重量部、より好ましくは0.25〜20重量部
の割合で含有される。エリスリトールに対する羅漢果配
糖体の割合がこの範囲内であると、エリスリトールの甘
味質の欠点が程良く補強されて、シロップは、ショ糖の
甘味質に極めて近い、良好な甘味質を有する。羅漢果配
糖体の割合が約0.025重量部よりも低いと、甘みの残留
性が低くなり、甘味質に物足りなさを感じることがあ
る。羅漢果配糖体の割合が約70重量部を超えると、羅漢
果エキスにみられるような独特の著しい焦げ味、苦味、
匂い、甘みの残留性などが強くなるので、シロップの飲
用時に不快感を生じることがある。
【0030】羅漢果配糖体は、シロップ全体の重量に対
して、代表的には約0.01〜約2重量%、好ましくは約0.
05〜約1重量%、さらに好ましくは約0.1〜約0.5重量%
の割合で含有される。
【0031】本発明の低カロリーシロップは、さらに補
助甘味成分を含有し得る。補助甘味成分の例としては、
単糖類、二糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類などの糖
質、および高甘味度成分が挙げられる。単糖類として
は、果糖、ブドウ糖、ソルボース、ガラクトース、異性
化糖などがある。二糖類としては、麦芽糖、乳糖、トレ
ハロース、ショ糖、異性化乳糖、パラチノースなどがあ
る。オリゴ糖類としては、キシロオリゴ糖、フラクトオ
リゴ糖、ダイズオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラクト
スクロース、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース、パラ
チノースオリゴ糖、シュクロオリゴ糖、テアンオリゴ
糖、海藻オリゴ糖などがある。糖アルコール類として
は、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、マン
ニトール、パラチニットなどがある。そして、高甘味度
甘味料としては、羅漢果エキス、甘草抽出物、ステビア
抽出物(例えば、ステビオサイドまたはレバウディオサ
イド類)、甘茶抽出物などがある。
【0032】補助甘味成分の含有量は、得られるシロッ
プのカロリーがシロップ100gあたり約40kcal以下であ
る限り、任意の割合であり得る。補助甘味成分がマルチ
トールである場合、エリスリトール100重量部に対し
て、約670重量部以下、代表的には約12.5重量部〜約600
重量部、好ましくは約25〜約500重量部である。シロッ
プ全体の重量に対していえば、約20重量%以下、代表的
には約5〜約18重量%、好ましくは約10〜約15重量%で
ある。補助甘味成分の含有量が、20重量%を超えると、
シロップのカロリーが高くなるため好ましくない。補助
甘味成分がステビア抽出物である場合、エリスリトール
100重量部に対して、約67重量部以下、代表的には約0.0
125重量部〜約33.3重量部、好ましくは約0.025〜約16.7
重量部である。シロップ全体の重量に対していえば、約
2重量%以下、代表的には約0.005〜約1重量%、好ま
しくは約0.01〜約0.5重量%である。高甘味度甘味料の
含有量が約2重量%を超えると、苦みまたは甘みが著し
く残留するために、好ましくない。
【0033】本発明のシロップは、さらに増粘成分を含
有し得る。増粘成分の例としては、寒天、カラギーナン
などの海藻抽出物;ローカストビーンガム、グアガムな
どの植物種子多糖類;キサンタンガム、ジェランガムな
どの微生物多糖類;およびゼラチンなどの蛋白質類が挙
げられる。
【0034】増粘成分の含有量は、該成分の種類により
異なるが、シロップ全体の重量に対して、約5重量%以
下、代表的には約0.03〜約1.0重量%、好ましくは約0.0
5〜約0.5重量%である。増粘成分の含有量が約5重量%
を超えると、シロップの粘度が高くなりすぎるために好
ましくない。
【0035】本発明のシロップは、さらに、添加物を含
有し得る。添加物の例としては、香料、果汁、および色
素が挙げられる。香料の例としては、オレンジ香料、ア
ップル香料、ブルーベリー香料などの果実系香料;シナ
モン香料などのハーブ系香料が挙げられる。果汁の例と
しては、みかん、バナナ、ストロベリーなどを搾汁して
得られた果汁が挙げられる。果汁含量は、シロップ全体
のカロリーを考慮して決定される。色素の例としては、
アントシアニン系色素、フラボノイド系色素、ベタシア
ニン系色素などが挙げられる。
【0036】本発明の低カロリーシロップは、酸化防止
剤、防腐剤、pH調整剤などの成分の1種以上をさらに含
み得る。
【0037】本発明の低カロリーシロップは、代表的に
は、エリスリトールおよび羅漢果配糖体、ならびに必要
に応じて他の成分と必要量の水とを混合して溶解させる
ことにより製造される。
【0038】例えば、アイスコーヒー、アイスティー用
などに用いられるポーションタイプのシロップの場合
は、代表的には、以下の通りに製造する。まず、約15〜
約20重量%のエリスリトールおよび約0.1〜約0.5重量%
の羅漢果配糖体、ならびに必要に応じて、約0.01〜約0.
5重量部の高甘味度甘味料(ステビア抽出物など)と必
要量の水とを混合して溶解させる。溶解後、キサンタン
ガムなどの増粘剤を約0.1〜約0.5重量部、徐々に加えて
撹拌溶解させて、シロップを得る。次に、得られたシロ
ップを熱殺菌処理(例えば、140℃4秒)した後、所定
のポーションパックに無菌充填する。
【0039】本発明のシロップは、ほとんどカロリーを
有さないエリスリトールおよび羅漢果配糖体を主要な甘
味源とするために、低カロリーである。従って、カロリ
ー摂取が制限される人(例えば、一次性糖尿病、二次性
糖尿病、または高脂血症の関連症患者など)およびダイ
エットが要求される人に広く利用され得る。エリスリト
ールおよび羅漢果配糖体は天然由来の甘味成分であり、
人体に対して安全性が高い。
【0040】従来のショ糖、異性化糖などを甘味源とす
るシロップは、熱による褐変および着色を生じやすいた
め、加熱を必要とする料理および菓子類への利用が限ら
れていたが、本発明のシロップに含まれるエリスリトー
ルおよび羅漢果配糖体は、熱に安定であり、褐変および
着色を生じないため、長期保存による変色が回避され
る。
【0041】さらに、本発明のシロップは、他の利点も
有する。例えば、従来は、ほとんどカロリーの発生しな
い甘味料は、顆粒または粉体が分包されたものが存在す
るのみであり、シロップ状のものは存在しなかったの
で、糖尿病患者のようなカロリーの摂取量が制限される
人またはダイエットが要求される人が、ホテル、レスト
ラン、喫茶店などにおいてコーヒーなどの嗜好飲料を飲
む場合には、分包された低カロリー甘味料を使用せざる
を得なかった。このような顆粒または粉体の形態は経口
医薬品を強く連想させるので、使用者は違和感および不
快感を生じるという問題があった。さらに、分包タイプ
の低カロリー甘味料をコールドタイプの嗜好飲料に使用
する場合、溶解速度が遅いという問題があった。しか
し、本発明のシロップは、液体状であるために、経口医
薬品を連想させることがなく、かつコールドタイプの嗜
好飲料に使用する場合も、容易に混合され得る。
【0042】さらに、本発明の低カロリーシロップを摂
取しても、下痢などの緩下作用をほとんど発生しないこ
と;および非う蝕性であるので、例えば虫歯の予防など
のために口腔衛生的にも好適であることなどの利点があ
る。
【0043】本発明のシロップは、上記のように、一般
的な甘味料として、あるいは、コーヒー、紅茶、カフェ
オーレなどの嗜好飲料の甘味料として広く使用され得
る。
【0044】さらに、本発明の低カロリーシロップに含
有される成分であるエリスリトールおよび羅漢果配糖体
を含有する甘味組成物は、一般の低カロリー甘味料とし
て利用され得る。例えば、ゼリーのような洋菓子、和菓
子類、飲料類、乳製品などの食品用途および医薬品用途
に低カロリーの甘味料として広く利用され得る。
【0045】
【実施例】本発明を以下に実施例によって説明するが、
これら実施例は例示のみを意図しており、本発明の範囲
を限定しない。本発明の範囲内の他の局面、利点、およ
び改変は、本発明に関係する分野の当業者には明らかで
ある。
【0046】(実施例1)容量1000mlのジャケット加熱
式ステンレスニーダーに、170gのエリスリトール(日
研化学社製)、1g、2g、3gまたは5gの羅漢果配
糖体(中国広西チワン自治区桂林福製薬工場製、加商株
式会社販売)、水、および必要に応じて1gのステビア
抽出物(守田化学工業社製)を、以下の表1の実施例の
サンプルA〜サンプルEに示す重量で加えた。この混合
物を撹拌しながら50℃まで加温した後、増粘剤として1
gのキサンタンガムを徐々に加え、50℃で20分間撹拌す
ることにより5種のシロップをそれぞれ1000g得た。
【0047】(比較例1)シロップ成分を表1に示すよ
うに変更したこと以外は実施例1と同様に操作し、比較
例のサンプルF〜サンプルMの8種のシロップを各々10
00g得た。ここで使用した羅漢果エキスおよび甘草抽出
物は、それぞれ日本粉末薬品社製の製品および丸善製薬
社製の製品を使用した。
【0048】
【表1】
【0049】(実験例1)上記実施例および比較例で得
られたシロップをそれぞれ蒸留水で10倍に希釈し、熟練
の男性被験者14名および熟練女性被験者4名の合計18名
の被験者によって、焦げ味、苦味、匂い、および甘みの
残留性について味覚の官能評価を行なった。
【0050】いずれの項目についても、「ほとんど感じ
ない」を0点、「極めてわずかに感じる」を1点、「わ
ずかに感じる」を2点、「かなり感じる」を3点、「極
めて感じる」を4点として評価した。それぞれの検体に
ついての18名の評価点数を合計した点数を、表2に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】表2から明らかなように、エリスリトール
および羅漢果配糖体を含有する実施例のサンプルA〜E
は、焦げ味、苦味、匂い、および甘みの残留性のいずれ
の評価点数も低く、これらのサンプルの甘味質は、ショ
糖(比較例のサンプルM)の甘味質と類似した。このこ
とから、サンプルA〜Eが優れた甘味質を有することが
分かった。一方、羅漢果配糖体(サンプルF)、羅漢果
エキス(サンプルG)、ステビア抽出物(サンプル
I)、または甘草抽出物(サンプルK)を単独の甘味成
分とするシロップの甘味質は、焦げ味、苦味、匂い、ま
たは甘みの残留性のいずれかの評価点数が高かったの
で、これらの比較検体の甘味質は劣っていた。また、エ
リスリトールと羅漢果配糖体とを組み合わせることによ
り得られた甘味質改善効果は、エリスリトールと羅漢果
エキスとの組み合わせ(サンプルH)、エリスリトール
とステビア抽出物との組み合わせ(サンプルJ)、およ
びエリスリトールと甘草抽出物との組み合わせ(サンプ
ルL)のいずれによっても得ることができなかった。
【0053】(実施例2)シロップ成分を表3に示すよ
うに変更したこと以外は、実施例1と同様に操作し、実
施例2のサンプルO〜サンプルQの3種のシロップをそ
れぞれ1000g得た。
【0054】(比較例2)シロップ成分を表3に示すよ
うに変更したこと以外は、実施例1と同様に操作し、比
較例2のサンプルRのシロップを1000g得た。
【0055】
【表3】
【0056】(実験例2)このようにして得られた実施
例2のサンプルO〜Qのシロップおよび比較例2のサン
プルRのショ糖シロップ10mlを、それぞれ市販の無糖ア
イスコーヒー100mlに添加し、溶解させた。熟練の男性
被験者9名および熟練女性被験者4名の合計13名の被験
者によって、サンプルO〜Qの官能試験を行なった。試
験は、一対比較法により、比較例2のシロップを基準と
して、試験されるサンプルO〜Qの焦げ味、苦味、匂
い、および甘さの残留性を評価した。いずれの項目につ
いても、比較例2のシロップと比較して実施例2サンプ
ルO〜Qのシロップの味が「非常に強い」場合を、+2
点;「やや強い」場合を、+1点;「変わらない」場合
を、0点;「やや弱い」場合を、−1点;そして「非常
に弱い」場合を、−2点とすることにより評価した。そ
れぞれの実施例についての上記13名の評価点数を合計し
た点数を、表4に示す。実施例2のサンプルO〜Qのシ
ロップと比較例2のサンプルRのシロップとの間の評価
点数の合計の有意差判定の結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】表4の官能試験結果から明らかなように、
実施例2サンプルO〜Qのシロップは、焦げ味、苦味、
匂い、および甘さの残留性のいずれの項目についても、
比較例2サンプルRのショ糖シロップと統計的な有意差
(危険率95%)は認められなかった。つまり、実施例2
サンプルO〜Qのシロップは、ショ糖シロップと同等の
優れた甘味質を有することが分かった。
【0059】
【発明の効果】本発明により、ショ糖に近い上質な甘味
質を有しかつ低カロリーのシロップが提供される。この
シロップは、糖尿病患者のような、カロリー摂取を制限
されている人およびダイエットを要求される人に有利に
使用され得る。従来の粉末タイプの低カロリー甘味料で
問題であった違和感および不快感を感じることがなく、
かつコールドタイプの嗜好飲料への使用も容易である。
本発明の低カロリーシロップは、天然甘味料であるエリ
スリトールおよび羅漢果配糖体を主要甘味成分としてい
るため、安全性に優れている。本発明の低カロリーシロ
ップは、ショ糖を含有せずかつ低カロリーであるため、
高脂血症を誘引する懸念がなく、また、羅漢果配糖体を
含有するために羅漢果の有する薬効作用による高血圧
症、糖尿病などを防止する作用、老化防止作用などの有
益な効果が期待できる。これらの理由から、本発明の低
カロリーシロップは、多くの需要があると考えられ、商
業的にも非常に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−173009(JP,A) Foods & Food Ingr ed J.Jpn.,1994,Vol. 1,No.62,p.24−28 Beverage Jpn.,1996, Vol.19,No.11,p.40−41 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/09 A23L 1/236 A23L 1/307 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エリスリトールおよび羅漢果配糖体を含
    有する低カロリーシロップであって、該エリスリトール
    100重量部に対して該羅漢果配糖体が、0.025〜70重量部
    の割合で含有される、低カロリーシロップ
  2. 【請求項2】 さらに補助甘味成分を含有する、請求項
    1に記載の低カロリーシロップ。
  3. 【請求項3】 前記補助甘味成分が、単糖類、二糖類、
    オリゴ糖類、および糖アルコール類からなる群より選択
    される少なくとも1種の糖類である、請求項に記載の
    低カロリーシロップ。
  4. 【請求項4】 前記補助甘味成分が、羅漢果エキス、甘
    草抽出物、ステビア抽出物、および甘茶抽出物からなる
    群より選択される少なくとも1種の高甘味度成分であ
    る、請求項に記載の低カロリーシロップ。
  5. 【請求項5】 前記エリスリトールの含有量が、3〜40
    重量%である、請求項1に記載の低カロリーシロップ。
  6. 【請求項6】 さらに増粘成分を含有する、請求項1〜
    のいずれか1項に記載の低カロリーシロップ。
  7. 【請求項7】 前記増粘成分が、海藻抽出物、植物種子
    多糖類、微生物多糖類、および蛋白質類からなる群より
    選択される少なくとも1種である、請求項に記載の低
    カロリーシロップ。
  8. 【請求項8】 色素、香料、および果汁からなる群より
    選択される添加物をさらに含有する、請求項1〜のい
    ずれか1項に記載の低カロリーシロップ。
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