JP3109898U - 宝石保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】宝石のカット面、特に輝きの中心となるテーブル面を十分に露呈し、製作が容易であると共に、宝石を確実に保持する見栄えの良い宝石保持具を提供すること
【解決手段】切頭円錐部の側面であるクラウン及び該切頭円錐部の切頭面であるテーブルと、下側円錐部の側面であるパビリオン及び該下側円錐部の頂点であるキューレットと、前記クラウンと前記パビリオンとの間の周部にはガードルとを有するファセットカットされた宝石を保持する宝石保持具において、前記クラウンに当接させる爪部と、該爪部と一体形成され前記パビリオンに当接させる当接部と、該当接部に一体形成され前記キューレットを挿嵌させる支持座とを有し、該支持座の略中心に形成される座孔内においては、前記爪部との対面に前記パビリオンと接触する接触面が形成され、前記宝石を前記爪部と該接触面により挟持する
【選択図】2

Description

本考案は、指輪、ペンダント、ブローチ、イヤリング、ピアス等に使用されるファセットカットした宝石を保持する宝石保持具及びこの宝石保持具にファセットカットした宝石を保持する宝石装身具に関する。
従来、装身具に使用される宝石保持具は、高価な宝石の落下防止を優先させる観点から、複数本の固定爪をかしめることで、確実に宝石を保持、固定するものがほとんどであった。
それに対し、図3に示すように、ファセットカットした宝石114のガードル116近傍に当接する凹面110を形成したツメ部111と、キューレット115近傍に当接する穴を形成した保持部112とを設けた宝石の取り付け構造が開示されている(実公平6-8730号公報)。
また、図4に示すように、切頭円錐部の側面であるクラウン204及び該切頭円錐部の切頭面であるテーブル205と、下側円錐部の側面であるパビリオン207と、前記クラウン204と前記パビリオン207との間のガードル203とを有するファセットカットされた宝石を保持する宝石保持具201において、前記クラウン204に当接させる爪部202と、該爪部202と一体形成され前記パビリオン207に当接させる当接部209と、該当接部209に一体形成され前記下側円錐部の頂点であるキューレット部210を支持させる支持座211とを有し、前記爪部202の先端が前記テーブル205に面的に当接し、前記ガードル203に対向する位置の前記爪部202と前記当接部209の交わる部分が反ガードル203側に凹ませて凹形状206に形成されたものが開示されている(特許3182683号)。
しかしながら、複数の固定爪をかしめる従来的な宝石保持具においては、宝石のカットされた面が複数の爪により隠され、多くのカット面の輝きが失なわれると云う問題があった。
一方、図3の宝石の取り付け構造は、爪がテーブル117まで至ってなく、そのため宝石114が外れ易いと云う問題があると共に、外れにくくするためにはある程度以上の巾が必要であるため、細く出来ないと云う問題があった。
さらに、図4の宝石保持具201においては、宝石を保持する支持座211は、宝石のキューレット210近傍を支持座211の当接点212で支持することより、その強度を保つためには、爪部202がテーブル205の相当部分にまで到達しなければ、宝石を確実に固定できないという問題点がある。その結果、宝石の輝きの中心部分であるテーブル205の一部が覆い隠され、宝石が十分な輝きを発揮できないという問題があった。
本考案の目的は、宝石のカット面、特に輝きの中心となるテーブル面を十分に露呈し、製作が容易であると共に、宝石を確実に保持する見栄えの良い宝石保持具を提供することである。
上記目的を達成するため、本考案に係る宝石保持具は、切頭円錐部の側面であるクラウン及び該切頭円錐部の切頭面であるテーブルと、下側円錐部の側面であるパビリオン及び該下側円錐部の頂点であるキューレットと、前記クラウンと前記パビリオンとの間の周部にはガードルとを有するファセットカットされた宝石を保持する宝石保持具において、前記クラウンに当接させる爪部と、該爪部と一体形成され前記パビリオンに当接させる当接部と、該当接部に一体形成され前記キューレットを挿嵌させる支持座とを有し、該支持座の略中心に形成される座孔内においては、前記爪部との対面に前記パビリオンと接触する接触面が形成され、前記宝石を前記爪部と該接触面により挟持することを特徴とし、また、前記接触面が、前記テーブルにより形成される宝石の水平面に対し、30度乃至50度範囲の傾斜で設けられていること及び前記支持座が、前記宝石の高さに対し、少なくとも10%以上であることが好ましい。
このようにすることにより、宝石を外れることなく確実に保持し、宝石のカット面の中心となるテーブル面を十分に露呈させることができる。この宝石保持具は一体形成することが可能で強度的信頼性がある。又、爪部202の内側に不必要な凹形状を形成しないため、仕上げ研磨等の製作工程も容易で見栄えも良い。
本考案によれば、宝石の輝きの中心であるテーブルを露呈し、その輝きを十分に発揮することができる。そして、製作が容易であると共に、宝石を確実に保持する見栄えの良い宝石保持具を提供することが出来、さらにそれを使用して見栄えの良い宝石装身具を提供することが出来る。
本考案は、ペンダント、イヤリング、ピアス、ブローチ等に使用されるダイヤモンド、ルビー、サファイア等、その他のファセットカットされた貴石や半貴石を保持、固定する宝石保持具及びこの宝石保持具を使用する宝石装身具に関する。以下、本考案の好ましい実施形態につき、図面を使用して説明する。
図1は、本考案に係る宝石保持具に保持される宝石の一実施形態を示す側面図であり、図2は、本考案に係る宝石保持具にファセットカットされた宝石を保持させた宝石装身具の一実施形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
宝石1は、上側に略円錐の円錐側面であるクラウン5及びこの略円錐の頂点側を底面と平行に切頭して形成された平坦部であるテーブル4を有する切頭円錐部と、下側に略円錐の円錐側面であるパビリオン6及び該下側円錐部の頂点であるキューレット8と、前記クラウン5と前記パビリオン6との間の周部にはガードル2とを有し、多数のファセット面でカットされたものである。
本実施の形態の宝石保持具10は、クラウン5に当接する巾狭の爪部12と、パビリオン6に当接する当接部15と、キューレット8を挿嵌する支持座14とを備え、爪部12、当接部15及び支持座15が、一体形成されたものである。
爪部12は、クラウン5に当接するものであるが、クラウン5及びテーブル4に当接するものであっても差し支えない。そして、本実施の形態においては、テーブル4に当接する爪部12の先端3は、テーブル4を透視する方向からみて、宝石1の保持側で支持座14の外側に位置する。
当接部15は、爪部12とほぼ同様の巾で支持座14まで全辺に渡ってパビリオン6に当接する。したがって、パビリオン6方向からみて、爪部12と当接部15は略逆くの字状に形成される。
支持座14は、キューレット8を挿嵌するもので、平面的には、座孔19のコーナ部がつくる円形状に形成されているが(図示せず。)、多角形状であっても良い。又、支持座14の略中心には座孔19が形成されている。
座孔19は、略円錐状の貫通孔として形成されているが、勿論、座孔19は窪み状の凹んだ穴の形態でも良い。そして、座孔19内における爪部12との対面には、パビリオン6と接触する接触面18が設けられている。接触面18は、宝石1におけるパビリオン6と同様の傾斜角度、例えば、テーブル4により形成される宝石の水平面に対し、30度乃至50度範囲の傾斜で設けられている。
この結果、宝石保持具10においては、前記宝石保持具201に比し、支持座14は厚み(高さ)のあるものである。その厚み(高さ)には、特に限定がないが、例えば、宝石1の高さの10%以上であることが好ましく、そのことにより、パビリオン6と接触面18の接触面積を十分に採ることができる。
なお、吊孔部17は、ペンダントにおいて、上側に紐、鎖等を通すための孔である。
宝石保持具10における爪部12、当接部15及び支持座14等は、ブラチナ、金、銀などの貴金属や真鎌などの金属材料を使用し、鍛造加工、切削加工、その他の成形加工によって一体形成できるもので、必要によって表面処理加工、熱処理加工等が施される。また、宝石保持具1には、前記宝石保持具201の如く、宝石1との接触回避を行うための凹形状206部分は存在せず、仕上げ研磨等の最終工程も容易である。
以上の構造を有する本実施の形態の宝石保持具10は、次のように作用する。即ち、宝石保持具10を開いた状態で、宝石1をキューレット8部分より座孔16に挿嵌する。次に、パビリオン6と接触面18を接触した状態で爪部12を閉鎖方向に折り曲げる。宝石保持具10の爪部12は、宝石1のクラウン3と、当接部15はパビリオン6と当接し、宝石1は接触面18と爪部12により挟持される。
宝石保持具10は、クラウン3に当接する爪部12と、パビリオン6に当接する当接部11と、キューレット8を挿挟する支持座9とを備え、かつ座孔19内における爪部12との対面には、パビリオン6と接触する接触面18が設けられていることで、宝石1を確実に固定することができる。
更に、宝石保持具1は、巾狭の爪部12を備え、その長さをテーブル4にまで到達させる必要がなく、細くスマートに出来て見栄えが良いばかりか、宝石1の輝きの中心であるテーブル4を十分に露呈させることが出来る。そして、一体形成されているので、強度的信頼性も高く、製作が容易であると共に、宝石を確実に固定することができる。
以上この考案を図示の実施形態について詳しく説明したが、それを以ってこの考案をそれらの実施例のみに限定するものではなく、この考案の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
宝石を示す側面図である。 (A)は、本考案に係る宝石保持具を示す正面図、(B)は、その側面図である。 (A)は、従来の宝石保持具を示す正面図、(B)は、その側面図である。 (A)は、従来の宝石保持具を示す正面図、(B)は、その側面図である。
符号の説明
1 宝石
2 ガードル
4 テーブル
5 クラウン
6 パビリオン
8 キューレット

10 宝石保持具
12 爪部
14 支持座
15 当接部
17 吊孔部
18 接触面
19 座孔

110 凹面
111 ツメ部
112 保持部
114 宝石
115 キューレット
116 ガードル

201 宝石保持具
202 爪部
203 ガードル
205 テーブル
207 パビリオン
209 当接部
210 キューレット部
211 支持座

Claims (3)

  1. 切頭円錐部の側面であるクラウン及び該切頭円錐部の切頭面であるテーブルと、下側円錐部の側面であるパビリオン及び該下側円錐部の頂点であるキューレットと、前記クラウンと前記パビリオンとの間の周部にはガードルとを有するファセットカットされた宝石を保持する宝石保持具において、前記クラウンに当接させる爪部と、該爪部と一体形成され前記パビリオンに当接させる当接部と、該当接部に一体形成され前記キューレットを挿嵌させる支持座とを有し、該支持座の略中心に形成される座孔内においては、前記爪部との対面に前記パビリオンと接触する接触面が形成され、前記宝石を前記爪部と該接触面により挟持することを特徴する宝石保持具。
  2. 前記接触面が、前記テーブルにより形成される宝石の水平面に対し、30度乃至50度範囲の傾斜で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の宝石保持具。
  3. 前記支持座が、前記宝石の高さに対し、少なくとも10%以上であることを特徴とする請求項1乃請求項2に記載の宝石保持具。
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