JP3108737B2 - パルスモータ制御方法 - Google Patents

パルスモータ制御方法

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JP3108737B2
JP3108737B2 JP03210113A JP21011391A JP3108737B2 JP 3108737 B2 JP3108737 B2 JP 3108737B2 JP 03210113 A JP03210113 A JP 03210113A JP 21011391 A JP21011391 A JP 21011391A JP 3108737 B2 JP3108737 B2 JP 3108737B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスモータ制御方法
に関し、特に複数の励磁コイルにより形成される合成磁
界ベクトルを回転させることによってロータの回転角制
御を行う多相励磁式パルスモータのロータ回転制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、
その他各種の事務機器等において、その駆動源としてパ
ルスモータが広く使用されている。このパルスモータ
は、単一のパルスによって一定の回転角だけロータを回
転させることができるため、その制御性の良さから高精
度にて対象物を搬送する場合等に適したモータである。
【0003】ここで、パルスモータを使用した例えばプ
リンタの概略について説明する。プリンタのプラテンに
は印字用紙が巻き付けられるが、このプラテンに巻き付
けられた印字用紙を印字動作に同期させて搬送するため
にいわゆるラインフィードモータ(以下、LFモータと
略記する)が設けられる。このLFモータとしてパルス
モータが用いられる。このLFモータには、所定のタイ
ミングで制御部から印字用紙のラインフィード量に対応
する回転角だけプラテンを回転させるためのパルスが供
給される。LFモータは、このパルスに基づいてプラテ
ンを回転駆動することにより、指定された量だけ印字用
紙をフィードする。
【0004】また、ラインフィード終了後は、このLF
モータに対し一定の保持トルクが付与される。この保持
トルクは、外力により印字用紙が簡単に動いてしまうこ
とを防止するのに十分なトルクであり、かつ、オペレー
タが手動により印字用紙をフィードすることが可能な程
度のトルクである。実際には、その保持トルクはLFモ
ータにより印字用紙をフィードするときの回転トルクの
1/5〜1/10程度の値に設定されている。
【0005】ところで、プリンタのLFモータ等に用い
られるパルスモータとして、例えば2つの励磁コイルに
対して供給される励磁電流を段階的に制御することによ
り、2つの励磁コイルによって図4に示す如き合成磁界
のベクトル(1) ,(2) ,(3)・・・-(8),-(9),-(10)
が形成され、この合成磁界のベクトルを回転させること
によってロータが各々の合成磁界のベクトルから回転を
開始し、又、各々の合成磁界のベクトルの位置へ停止す
る多相励磁式パルスモータがある。この多相励磁式パル
スモータによれば、所定の単位角度でロータの回転角制
御を行い合成磁界のベクトルの各々から回転の開始及び
各々の位置での回転の停止を行うことができる。
【0006】次に、多相励磁式パルスモータを用いたL
Fモータの従来の制御方法につき、図5のフローチャー
トにしたがってその処理手順を説明する。なお、その制
御はマイクロプロセッサによって実行される。装置全体
の電源が投入されると、マイクロプロセッサは先ず、自
身の内部及びその他の装置全体のイニシャル処理を行い
(ステップS51)、しかる後モータ・スタート時の初
期ロック時間TC 並びにモータ・ストップ時の最終ロッ
ク時間TD をセットする(ステップS52)。次に、モ
ータ駆動回路に対してモータスタートの指令を発し(ス
テップS53)、続いて初期ロック時間TC を設定して
初期ロック処理を実行し(ステップS54)、しかる後
モータの定速回転モードに移行する(ステップS5
5)。モータの停止処理に際し、マイクロプロセッサ
は、モータ駆動回路に対して最終ロック時間TD を設定
し(ステップS56)、しかる後モータストップ処理に
実行し(ステップS57)、LFモータを停止させる。
【0007】図6に、このLFモータとして用いられる
パルスモータの駆動タイミングとロータの速度の関係を
示す。同図において、縦軸に駆動速度、横軸に時間をと
り、T0 からTn+1 までのnパルスの駆動状態を示して
いる。T0 は初期ロック時間を示し、図4の(3),(8),-
(3),-(8) の磁界ベクトルのいずれかの位置にロータを
ロックしている時間である。続いて、T1 からT4 まで
加速され、T5 からTn-4 まで定速状態となり、Tn-3
からTn までに減速され、Tn+1 の最終ロック時間を経
てモータは停止する。この場合、図4の磁界ベクトルの
動作は、(1) の位置から(3) →(8) →-(3)→……→(8)
→(10)にて停止している。即ち、制御部は前回のロータ
の停止位置(1) からロータを(3) の位置に移動させて一
旦安定させるために初期ロックをT0 時間行い、その
後、安定相である(3) →(8) →-(3)→……→(8) の順に
ロータを回転させ、最終的に目的とする停止位置(10)に
最終ロック時間TDを経てモータは停止する。この停止
位置は印刷用紙を所望の位置(図6の例では(10)の位
置)までフィードして停止させる位置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような2相励磁のパルスモータ制御方法では、励磁電流
の比率が1:1の場合、即ち、ロータの停止位置が図4
の(3),(8),-(3),-(8) にある時にロータは一番安定する
が、磁界ベクトルの位置の比が大きい程、励磁コイルに
供給する励磁電流の比率が大きくなり、励磁電流の比率
が大きい程(図4及び表1を参照)、LFモータのロー
タが不安定状態となる。そのため、モータ性能のバラツ
キ、負荷のバラツキ或いはモータスタートのタイミング
等によっては、次のモータスタートの際に、ロータが不
安定な状態で回転されることになり、脱調を起こしてし
まう可能性があった。そのため、従来ロータの停止位置
が最も不安定な相からスタートさせてもモータを安定し
て回転させるように、初期ロック時間を長くして一番ロ
ータが安定する相に一旦ロータを安定させてからロータ
を回転させたり、図6に破線で示すように加減速を緩や
かに行うことにより、モータ性能のバラツキ、負荷のバ
ラツキ或いはモータスタートのタイミング等に起因する
脱調を防止していた。しかし、初期ロック時間は最もロ
ータが不安定な状態から回転を始める場合でも脱調しな
いだけの時間を設ける必要があり、そのため、LFモー
タの処理時間が延びてしまいLFモータのスループット
が下がってしまうという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、モータ性能のバラツ
キ、負荷のバラツキ或いはモータスタートのタイミング
等に起因する脱調や、初期ロック時間を長くしたり、加
減速を緩やかに行うことによって生ずるスループットの
低下を防止し、高信頼性でかつ高スループットを可能に
するパルスモータのロータ回転制御方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるパルスモー
タのロータ回転制御方法は、複数の励磁コイルの各々に
対して供給する複数の励磁電流の比率をそれぞれ独立に
制御可能な励磁回路を有し、複数の励磁電流を所定の比
率で制御することにより複数の励磁コイルにより形成さ
れる合成磁界ベクトルを所定の単位角度の実数倍ずつ回
転させることによってロータの回転角制御を行うととも
に、ロータの停止時には複数の励磁電流比率のうちいず
れか1つに対応した位置に停止させ、その停止位置から
ロータを回転させる多相励磁式パルスモータのロータ回
転制御方法であって、ロータの回転開始時に前回停止時
の前記合成磁界ベクトルに対するロータの位置を判断
し、各々の停止位置に対応して設けられたプリロック時
間の中から前回停止位置に応じたプリロック時間を設定
し、停止位置に対応する比率の励磁電流を設定されたプ
リロック時間で前回の停止相に供給してロータの位置ズ
レを補正し、しかる後初期ロック処理にてロータをその
回転方向に最も近い安定相の位置にロックさせてからロ
ータを回転させることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明において、モータスタート時に合成磁界
ベクトルに対するロータの前回停止位置を判断し、各々
の停止位置に対応して設けられたプリロック時間の中か
ら前回停止位置に応じたプリロック時間を設定し、その
停止位置の合成磁界ベクトルの位置に対応する比率の励
磁電流を設定されたプリロック時間で前回の停止相に供
給することで、ロータの現在停止している位置における
位置ずれを補正する。この位置ずれは負荷変動等に起因
して発生するものであることから、磁界ベクトルの比が
大きい程、ロータが不安定状態となるために位置ズレが
生じ易い。したがって、この位置ズレの補正処理によっ
て所定の停止位置に確実にかつ短時間で相合わせでき
る。その結果、初期ロック処理において、初期ロック時
間が短くてもロータをその回転方向に最も近い安定相の
位置にロックさせることができ、そして、その安定相か
らロータの回転を開始させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明によるパルスモータのロータ
回転制御方法の処理手順を示すフローチャート、図2は
本発明が適用されるプリンタの制御回路のブロック図で
ある。先ず、図2において、バスライン1には、マイク
ロプロセッサ2、ROM(リード・オンリ・メモリ)
3、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)4、LFモ
ータ6の駆動回路5、I/F(インターフェース)制御
部7及び印字部9がそれぞれ接続されている。マイクロ
プロセッサ2はプリンタ制御のための演算処理等を行う
ものである。ROM3はその動作プログラム等を格納す
るためのメモリ、又RAM4は演算等の動作に必要な各
種のデータを格納するためのメモリである。駆動回路5
はLFモータ6に対しその駆動用のパルスを出力する回
路である。I/F制御部7はホスト側からI/Fコネク
タ8を介して入力されるパラレルデータを取り込み、又
I/Fコネクタ8を介して所定の情報をホスト側へ送出
する回路である。印字部9はマイクロプロセッサ2の制
御によって印字用紙に所定の印字を行う印字ヘッドを含
む種々のメカニズムから構成されている。
【0013】かかる構成のプリンタの制御回路におい
て、ホスト側からI/Fコネクタ8を介してI/F制御
部7に印字開始指令及び印字データが入力されると、こ
の印字データはRAM4に格納される。そして、マイク
ロプロセッサ2がこの印字データを読み出し、所定の印
字信号を生成して印字部9を駆動する。この印字動作に
より、1行分の印字が終了すると、マイクロプロセッサ
2は駆動回路5に対し所定の印字制御信号を供給する。
これにより、LFモータ6は所定の回転角だけ回転す
る。
【0014】LFモータ6の駆動回路5の具体的な回路
構成を図3に示す。同図において、LFモータ6は、一
対の励磁コイル21,22によって形成される合成磁界
のベクトルを回転させることにより、ロータが回転する
2相励磁式パルスモータからなる。各励磁コイル21,
22には、各々に供給する励磁電流を独立に制御可能な
励磁回路31,32が接続されている。なお、図3で
は、励磁コイル21の励磁電流を制御する励磁回路31
のみの回路構成を示しているが、励磁回路32も全く同
一の回路構成となっているものとする。
【0015】励磁回路31の入力端子41には相切替え
信号S11が、入力端子42には励磁電流の電流値を決定
する制御信号S12がそれぞれ入力される。この励磁回路
31は、制御信号S12をアナログ化するD/A変換器4
3と、このアナログ出力を非反転入力とするコンパレー
タ44と、その比較出力をトリガ入力とする単安定マル
チバイブレータ45と、この単安定マルチバイブレータ
45の出力と相切替え信号S11を2入力とするゲート回
路46と、このゲート回路46の4出力に基づいて励磁
コイル21への励磁電流のオン・オフタイミング及びそ
の方向を決定するためのスイッチ回路47とを有してい
る。また、励磁コイル21の励磁電流をモニタし、これ
をコンパレータ44の反転入力として導くためのフィー
ドバック回路48が設けられており、このフィードバッ
ク回路48は抵抗R10,R11及びコンデンサC1 によっ
て構成されている。
【0016】ゲート回路46は、互いに直列接続されて
相切替え信号S11を2度反転するインバータ461,4
62と、相切替え信号S11を反転するインバータ463
と、相切替え信号S11及び単安定マルチバイブレータ4
5の出力を2入力とするNORゲート464と、インバ
ータ461の反転出力及び単安定マルチバイブレータ4
5の出力を2入力とするNORゲート465とから構成
されている。スイッチ回路47は、トランジスタT11
14及びダイオードD1 〜D4 からなり、ゲート回路4
6におけるインバータ462、インバータ463、NO
Rゲート464及びNORゲート465の各出力をトラ
ンジスタT11,T12,T13及びT14の各ベース入力とし
ている。
【0017】次に、上記構成のLFモータ6の駆動回路
5の回路動作について説明する。先ず、相切替え信号S
11が入力され、入力端子41の電位が“H”レベルにな
ると同時に、入力端子42を経て所定の電流値に対応す
るディジタル信号(PWM信号)がD/A変換器43に
供給される。そして、このD/A変換器43でアナログ
化された信号がコンパレータ44の非反転入力となるこ
とにより、コンパレータ44の出力が立ち上がる。一
方、単安定マルチバイブレータ45は、当初その出力が
“L”レベル状態にあり、コンパレータ45の出力の立
ち下がりによってトリガされることにより、一定時間だ
け“H”レベルの出力を発生する構成となっている。
【0018】ゲート回路46に対し、入力端子41を介
して“H”レベルの信号が、又単安定マルチバイブレー
タ45から“L”レベルの信号が入力されると、インバ
ータ462の出力が“H”レベル、インバータ463の
出力が“L”レベル、NORゲート464の出力が
“L”レベル、NORゲート465の出力が“H”レベ
ルとなる。これにより、スイッチ回路47において、ト
ランジスタT11及びT14がオン状態となリ、トランジス
タT12及びT13がオフ状態となる。その結果、励磁コイ
ル21には図の矢印方向の励磁電流が流れる。一方、入
力端子41の電位が“L”レベルとなると、先の場合と
反対に、トランジスタT12及びT13がオン状態となり、
トランジスタT11及びT14がオフ状態となる。これによ
り、励磁コイル21には、図の矢印方向と逆方向の励磁
電流が流れる。
【0019】上述した説明から明らかなように、上記L
Fモータ6の駆動回路5によれば、相切替え信号S11
極性に応じた方向の励磁電流が、コンパレータ44の非
反転入力の信号電圧に応じた一定の電流として励磁コイ
ル21に供給されることになる。また、励磁コイル2
1,22に供給される励磁電流を所定の比率で制御する
ことにより、図4に示すように、2つの励磁コイル2
1,22によって形成される合成磁界のベクトルを単位
角度(図4で示す、(1) ,(2),(3), ・・・,-(8),-(9),-
(10))ずつ回転させることができる。その結果、従来の
パルスモータの最小回転角の整数分の1に分割した単位
角度で回転角制御を行うことができることになる。
【0020】次に、マイクロプロセッサ2によって実行
されるLFモータ6の制御方法の処理手順につき、図1
のフローチャートにしたがって説明する。装置全体の電
源が投入されると、マイクロプロセッサ2は先ず、自身
の内部及びその他の装置全体のイニシャル処理を行い
(ステップS11)、しかる後LFモータ6を駆動する
ためのロック時間TA 〜TD をROM3からバスライン
1を介して順に読み込み、内部レジスタにセットする
(ステップS12)。ここで、TA は図4の磁界ベクト
ル(1),(5),(6),(10),-(1),-(5),-(6),-(10) からモータ
スタートする場合のプリロック時間を示し、TB は図4
の磁界ベクトル(2),(4),(7),(9),-(2),-(4),-(7),-(9)
からモータスタートする場合のプリロック時間を示し、
C は図4の磁界ベクトル(3),(8),-(3),-(8) からモー
タスタートする場合の初期ロック時間を示し、TD はモ
ータストップ時の最終ロック時間を示している。
【0021】次に、マイクロプロセッサ2は、駆動回路
5に対しモータスタートの指令を発し(ステップS1
3)、続いてLFモータ6のロータの前回停止位置が合
成磁界ベクトルに対して(3),(8),-(3),-(8) の位置であ
ったか否かを判断し(ステップS14)、これらの位置
で無いと判定した場合には、次にロータの前回停止位置
が磁界ベクトル(2),(4),(7),(9),-(2),-(4),-(7),-(9)
の位置であったか否かを判断する(ステップS15)。
なお、マイクロプロセッサ2は、合成磁界ベクトルに対
するロータの前回停止位置を記憶しているものとする。
【0022】この判断処理において、マイクロプロセッ
サ2は、磁界ベクトル(2),(4),(7),(9),-(2),-(4),-
(7),-(9) の位置でも無いと判定した場合には、ロータ
の前回停止位置が磁界ベクトル(1),(5),(6),(10),-(1),
-(5),-(6),-(10) の位置となる訳であるから、駆動回路
5に対しプリロック時間TA を設定しその磁界ベクトル
の位置の比に対応する表1の励磁電流比率のNo.(1),
(5),(6),(10)に基づき励磁電流を励磁コイル21,22
に供給する処理を行い(ステップS16)、又磁界ベク
トル(2),(4),(7),(9),-(2),-(4),-(7),-(9) の位置であ
ると判定した場合には、プリロック時間TB を設定しそ
の磁界ベクトルの位置の比に対応する表1の励磁電流比
率のNo.(2),(4),(7),(9) に基づき励磁電流を励磁コ
イル21,22に供給する処理を行い(ステップS1
7)、しかる後初期ロック処理モードに移行する(ステ
ップS18)。なお、ステップS14において、ロータ
位置が磁界ベクトル(3),(8),-(3),-(8) の位置であると
判定した場合には、直接ステップS18に移行する。
【0023】ステップS18において、初期ロック時間
C を設定して初期ロック処理を行った後、マイクロプ
ロセッサ2はLFモータ6の定速回転モードに移行する
(ステップS19)。この定速回転モードでは、磁界ベ
クトルが(3),(8),-(3),-(8)の位置であり励磁電流比率
が1:1であり励磁コイル21,22に対して所定のタ
イミングで供給する励磁電流を1:1の比率で一定値に
保持する制御を行う。又、安定相から安定相への相切換
えは一定の相切換え周期で行うことにより定速回転を行
うことができる。次に、モータの停止処理に際し、マイ
クロプロセッサ2は、駆動回路5に対し最終ロック時間
D を設定し(ステップS20)、しかる後モータスト
ップの命令を発し(ステップS21)、LFモータ6を
停止させる。以上、LFモータ6のスタートからストッ
プまでのカテゴリーを概略的に説明した。
【0024】次に、パルスモータのロータの停止位置に
ついて、図4の磁界ベクトルを用いて説明する。なお、
図4に示した例は、1パルスで回転される角度(90
°)をさらに1/5にした単位角度(18°)で回転制
御を行った場合である。また、表1はロータを単位角度
(18°)で回転制御を行う場合の図4に示した合成磁
界ベクトルの各々の位置における励磁コイル21,22
に実際に流す電流の励磁電流比を表したものである。
【表1】 表1のNo.(1)は図4の(1)に対応し、表1のN
o.(2)は図4の(2)に対応する。励磁コイル21
の励磁電流と励磁コイル22の励磁電流との励磁電流の
比率を表1に基づいて設定すれば図4に示したように、
2つの励磁コイル21,22によって形成される合成磁
界のベクトルが単位角度(18°)ずつ回転することに
なる。
【0025】ここで、例えば図4の(1) に示した方向の
磁界ベクトルを形成しようとすれば、磁界のベクトル角
は9°であるから磁界のベクトル角9°に対する励磁コ
イル21の励磁電流と励磁コイル22の励磁電流の比率
は、I(cosθ)、II(sinθ)により求める
と、cos(9)=0.988 : sin(9)=0.156 となり、6:1の比
率となる。よって、励磁コイル21に実際に流す電流と
励磁コイル22に実際に流す電流との比を6:1に設定
すればよい。そして、図4の(2)に示した方向の磁界
のベクトルを形成しようとすれば、磁界のベクトル角は
27°であるから磁界のベクトル角27°に対する励磁
コイル21の励磁電流と励磁コイル22の励磁電流の比
率は、I(cosθ)、II(sinθ)により求める
と、cos(27)=0.891 : sin(27)=0.454 となり2:1の比
率となる。よって、励磁コイル21に実際に流す電流と
励磁コイル22に実際に流す電流との比を2:1に設定
すれば、この磁界のベクトルが単位角度18°(27−
9)だけ反時計方向に回転し、図4の(2) に示した方向
に向く。この励磁コイル21の励磁電流と励磁コイル2
2の励磁電流の比率を表に示すと表1に示すようにな
り、この表1で、No.(1), (5), (6), (1
0)の如くその比率が大きい程、単位角度θでロータが
安定するまでの時間は長いので、その比率に応じて、N
o.(1),(5),(6),(10)ではプリロック時間TA を設定
し、No.(2),(4),(7),(9) ではプリロック時間TB
設定する。この設定されたプリロック時間によりモータ
スタートを行う。
【0026】図6に、パルスモータの駆動タイミングと
ロータの速度の関係を示す。同図には、縦軸に駆動速度
を、横軸に時間をとり、T0-1 からTn+1 までのnパル
スの駆動状態を示している。ここで、加速・減速はそれ
ぞれT1 〜T4 間とTn-3 〜Tn 間の4パルスで行って
おり、5パルス目のT5 から (n-4)パルス目のTn-4
でが定速駆動期間である。そして、T0-1 〜Tn+1 の幅
は、それぞれ各パルスの印加時間に対応した時間幅とな
っており、加速期間のT1〜T4では徐々に時間幅が短
くなっており、定速期間のT5〜T(n−4)では一定
の時間幅となっており、減速期間のTn−3〜Tnでは
徐々に時間幅が長くなっている。
【0027】ここで、T0-1 は停止相に対応して設定さ
れたプリロック時間TA 又はTB の時間を示し、現在停
止している位置の負荷変動等による位置ズレを補正し、
確実に所定の停止位置に相合わせを行うために設定され
たものであり、停止位置により0,TA ,TB の予め設
定された時間の間に所定の比率の励磁電流を停止相に供
給するものとする。また、T0 は初期ロック時間TC
示し、図4の(3),(8),-(3),-(8) の安定相の磁界ベクト
ル位置の中でロータの回転方向に最も近い安定相の位置
にロックさせ、T1 からの加速に対し、安定相からスタ
ートさせるために設定されたものである。Tn+1 は最終
ロック時間であり、減速されてきた最終のnパルス目の
状態に続き、安定時間も含めて確実に相合わせを行うた
めに設定されたものである。
【0028】今、図4において、磁界ベクトル(1) の位
置からスタートする場合、ロータはnパルス駆動され、
(1) →(3) →(8) →-(3)→-(8)→(3) →……→(3) →
(8) →(10)と回転し、最終的に磁界ベクトル(10)の位置
で停止する。この場合、スタートが磁界ベクトル(1) の
位置であるからプリロック時間T0-1 は、図1のフロー
チャートにおけるプリロック時間TA となる。次に、初
期ロック時間T0 のところで、初期ロック時間TC の間
に停止位置を(1) の位置から次の(3) の安定相の位置へ
移動させ、ここから(8) →-(3)→-(8)・・・と安定相を
順に駆動し、その後、nパルス目の(8) の位置まで駆動
し、最終ロック時間Tn+1 のところで(10)の停止位置へ
移動させる。これらT0-1 ,T0 ,Tn+1 の各パルス印
加時間は、1パルス応答時間の約2倍程度の時間をとる
ように設定する。
【0029】以上のようにして、図4の(3),(8),-(3),-
(8) の磁界ベクトル位置である安定相以外の非安定相か
らロータを回転させる場合、前回停止相に対応して設定
されたプリロック時間T0-1 により確実に現在の停止位
置に相合わせを行ってから、安定相へロータを回転させ
ることにより、常に安定相からモータスタートを行うこ
とができることになる。
【0030】なお、上記実施例では、LFモータとして
パルスモータを用いたプリンタに適用した場合について
説明したが、本発明は、複数の励磁コイルにより形成さ
れる合成磁界ベクトルを回転させることによりロータを
回転させる多相励磁式パルスモータを使用する全ての装
置に適用可能である。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、モータスタート時に前回停止時の合成磁界ベクト
ルに対するロータ位置を判断し、そのロータ位置に対応
して設けられたプリロック時間の中から前回停止位置に
応じたプリロック時間を設定し、停止位置に対応する比
率の励磁電流を設定されたプリロック時間で前回の停止
相に供給して位置ズレの補正を行うことにより、確実に
停止位置に相合わせを行ってから安定相ヘロータを回転
し、その後、次の安定相に励磁電流を供給してモータの
スタートを行うようにしたことにより、ロータを常に安
定相から回転させることができるので、モータ性能のバ
ラツキ、負荷のバラツキ或いはモータスタートのタイミ
ング等による脱調や、初期ロック時間を長くしたり、加
減速を緩やかにすることにより生じるスループットの低
下を防止でき、信頼性の向上及び高スループット化が図
れることになる。特に、前回停止位置に対するプリロッ
ク時間がないと、起動時の初期ロック時間として、全体
の相の中で一番安定時間がかかる相のプリロック時間を
全ての相に対して同じように加えて供給しなければなら
ず、全部の相の初期ロック時間を一番長い初期ロック時
間に設定しなければならない。しかし、本発明において
は、各々の停止位置に対応して設けられたプリロック時
間の中から前回の停止位置に応じたプリロック時間を設
定し、停止位置に対応する比率の励磁電流を設定された
プリロック時間での前回の停止相に供給するようにして
いるので、前回の停止相に対応した最適なプリロック時
間を設定して起動時の初期ロック時間を最小限に設定す
ることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパルスモータ制御方法の処理手順
を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係るプリンタの制御回路のブロック図
である。
【図3】図2におけるLFモータの駆動回路の具体的な
構成を示す回路図である。
【図4】励磁コイルによる合成磁界のベクトル図であ
る。
【図5】従来のパルスモータ制御方法の処理手順を示す
フローチャートである。
【図6】パルスモータの駆動タイミングと速度の関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1 バスライン 2 マイクロプロセッサ 3 ROM(リード・オンリ・メモリ) 4 RAM(ランダム・アクセス・メモリ) 6 ラインフィード(LF)モータ 21,22 励磁コイル 31,32 励
磁回路 43 D/A変換器 44 コンパレ
ータ 45 単安定マルチバイブレータ 46 ゲート回
路 47 スイッチ回路 48 フィード
バック回路 S11 相切替え信号 S12 励磁電流
制御信号
フロントページの続き (72)発明者 笠井 忠 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 阿久津 直司 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の励磁コイルの各々に対して供給す
    る複数の励磁電流の比率をそれぞれ独立に制御可能な励
    磁回路を有し、前記複数の励磁電流を所定の比率で制御
    することにより前記複数の励磁コイルにより形成される
    合成磁界ベクトルを所定の単位角度の実数倍ずつ回転さ
    せることによってロータの回転角制御を行うとともに、
    前記ロータの停止時には複数の励磁電流比率のうちいず
    れか1つに対応した位置に停止させ、該停止位置からロ
    ータを回転させる多相励磁式パルスモータのロータ回転
    制御方法であって、 前記ロータの回転開始時に前回停止時の前記合成磁界ベ
    クトルに対する前記ロータの位置を判断し、 各々の停止位置に対応して設けられたプリロック時間の
    中から前回停止位置に応じたプリロック時間を設定し、
    前記停止位置に対応する比率の励磁電流を設定されたプ
    リロック時間で前回の停止相に供給してロータの位置ズ
    レを補正し、 しかる後初期ロック処理にて前記ロータをその回転方向
    に最も近い安定相の位置にロックさせてからロータを回
    転させることを特徴とするパルスモータのロータ回転制
    御方法。
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