JP3037851B2 - パルスモータの駆動制御方法 - Google Patents

パルスモータの駆動制御方法

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JP3037851B2
JP3037851B2 JP14695693A JP14695693A JP3037851B2 JP 3037851 B2 JP3037851 B2 JP 3037851B2 JP 14695693 A JP14695693 A JP 14695693A JP 14695693 A JP14695693 A JP 14695693A JP 3037851 B2 JP3037851 B2 JP 3037851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスモータを回転駆
動した後所定の状態に正確に停止させるためのパルスモ
ータの駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルスモータは、プリンタやファクシミ
リ装置、複写機、その他各種の事務機器に広く採用され
ている。このパルスモータは1個のパルスによって一定
の回転角だけロータを回転させることができるため、制
御性がよく、高精度に対象物を搬送することの要求され
る場合に特に適したモータである。
【0003】ここで、パルスモータを使用したプリンタ
を用いてその動作の説明を行なう。図2に、プリンタの
制御回路ブロック図を示す。このプリンタは、プラテン
1に巻き付けられて搬送される用紙2に対し、印字ヘッ
ド3を用いて印字する構成のものである。プラテン1
は、パルスモータから成るラインフィードモータ4によ
って回転駆動される。印字ヘッド3はプラテン1の回転
軸と平行な方向にスペーシングしながら用紙2の上に印
字を行なう。1行分の印字が終了するとラインフィード
モータ4が回転駆動され、用紙2を1行分だけ搬送す
る。ラインフィードモータ4には、このようなラインフ
ィード量に対応する回転角だけプラテン1を回転させる
ために必要な数のパルスが供給される。
【0004】上記のような印字制御及びラインフィード
制御等のために、図2の下側に示すような制御回路が設
けられる。この回路はバスライン5に対し接続されたプ
ロセッサ6、駆動回路7、リード・オンリ・メモリ(R
OM)8、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)9、
印字制御部10、I/F制御部11等から構成される。
印字動作全体の制御はプロセッサ6が行なう。駆動回路
7はラインフィードモータ4の駆動用パルスを供給する
回路である。ROM8はプロセッサ6の動作プログラム
を格納し、RAM9はその動作パラメータ等を格納す
る。印字制御部10は印字ヘッド3に対し印字データを
供給し、その動作制御を行なう部分である。I/F制御
部11は、ホストコンピュータ13に対しI/Fコネク
タ12を介して接続され、ホストコンピュータ13から
印字データ等の供給を受ける回路である。
【0005】なお、上記ラインフィードモータ4には、
プラテン1を1行分ずつ回転駆動するためのパルスの
他、印字中にプラテン1を定められた位置に保持してお
くための保持電流が、駆動回路7から供給される。この
保持電流がラインフィードモータ4に供給されると、ラ
インフィードモータ4は外部の力によって用紙2が容易
に動くことがないよう一定の保持トルクを発生する。こ
のトルクは、例えばプラテン1を回転駆動するためのト
ルクの5分の1から10分の1程度に設定されている。
【0006】図3に、上記のようなパルスモータ駆動回
路の結線図を示す。図2に示す駆動回路7は、具体的に
はこの図に示すような構成とされる。なお、ラインフィ
ードモータ4のロータ25は、ステータに巻回された一
対の励磁コイルL1、L2によって形成される合成磁界
のベクトルの回転により回転される。これはバイポーラ
駆動型の2相励磁式パルスモータと呼ばれている。各励
磁コイルL1、L2には、それぞれ励磁電流を独立に可
変制御することができる図のような励磁回路が接続され
ている。
【0007】この図3においては、励磁コイルL1の励
磁回路のみを具体的に示し、同一構成の励磁コイルL2
の励磁回路は図示を省略している。本発明において、励
磁コイルL1を第1相と呼び、励磁コイルL2を第2相
と呼んで説明を進める。励磁コイルL1を励磁する励磁
回路の入力端子は端子21及び端子15である。端子2
1には、励磁コイルL1に供給される励磁電流の方向を
指定する第1相切換信号が入力する。また、端子15に
は、励磁コイルL1に供給される励磁電流のレベルを指
定する第1相励磁信号が供給される。励磁コイルL2を
駆動する励磁回路の入力端子27には、第1相切換信号
と同一の性質の第2相切換信号が入力し、端子28に
は、第1相励磁信号と同一の性質の第2相励磁信号が入
力するものとする。
【0008】上記励磁コイルL1を励磁する励磁回路
は、端子15から入力する第1相励磁信号をディジタル
信号からアナログ信号に変換するためのD/A変換器1
6とコンパレータ17及び単安定マルチバイブレータ1
8とを備えている。論理回路22には、端子21から入
力する第1相切換信号と単安定マルチバイブレータ18
の出力とが入力する構成となっている。論理回路22
は、インバータG1、G2、G3と、ノアゲートG4、
G5とを備えている。また、この論理回路22の出力は
4個のスイッチングトランジスタT1〜T4と4個の転
流ダイオードD1〜D4により構成されるスイッチング
回路に入力している。
【0009】端子15から入力する第1相励磁信号は、
図2に示したプロセッサ6により生成されるディジタル
信号であって、D/A変換器16によりアナログ信号に
変換され、コンパレータ17の非反転入力端子に入力す
る。また、このコンパレータ17の反転入力端子には、
励磁コイルL1に供給される励磁電流をモニターしフィ
ードバックするためのコンデンサC1、抵抗R1、R2
から成る回路が接続されている。
【0010】以上のような励磁回路は次のように動作す
る。まず、端子21から第1相切換信号がハイレベルで
入力されると同時に、端子15から予め設定された電流
値に該当するディジタル形式の第1相励磁信号が入力す
る。第1相励磁信号はD/A変換器16によりアナログ
信号に変換され、コンパレータ17の非反転入力端子に
入力される。これにより、コンパレータ17の出力は立
ち上がる。単安定マルチバイブレータ18は、通常その
出力をロウレベルにしており、コンパレータ17の出力
の立ち下がりによってトリガされ、一定時間その出力を
ハイレベルにする。論理回路22に端子21からハイレ
ベルの第1相切換信号が入力し、単安定マルチバイブレ
ータ18からロウレベルの信号が入力すると、その出力
によりスイッチング回路におけるトランジスタT1とT
4がオンする。これにより、励磁コイルL1には、トラ
ンジスタT1から励磁コイルL1を通り、トランジスタ
T4に流れ込む矢印26方向の励磁電流が流れる。な
お、このような励磁電流供給のため、端子23は図示し
ない直流電源に接続されている。
【0011】このような励磁電流は抵抗R1に流れ、そ
の励磁電流に比例した端子電圧が抵抗R2とコンデンサ
C1を介してコンパレータ17の反転入力端子にフィー
ドバックされる。励磁電流が増加し、コンパレータ17
の非反転入力端子に入力した設定電流値を超えると、コ
ンパレータ17の出力が立ち下がる。このとき、単安定
マルチバイブレータ18の出力が一定時間ハイレベルに
なる。これによって、論理回路22の出力がトランジス
タT4を一定時間オフさせてその後再びオンさせる。上
記のような動作が繰り返され、トランジスタT4がオン
オフすることにより、予め設定されたレベルの励磁電流
値が維持される。
【0012】次に、端子21から第1相切換信号がロウ
レベルで入力されると、論理回路22によってトランジ
スタT2とT4がオンされる。これにより、励磁電流は
矢印26と反対方向に流れ、その後は先に説明したと同
様にトランジスタT3がオンオフを繰り返し、設定電流
値を維持する。なお、転流ダイオードD1〜D4は、ト
ランジスタT1〜T4がオンオフした場合に、励磁コイ
ルL1に流れ続けようとする電流をバイパスさせる。
【0013】図4に、上記のような回路に供給する従来
の駆動制御信号タイミングチャートを示す。上記のよう
な励磁コイルL1の励磁電流方向を決定する第1相切換
信号は、励磁コイルL2の励磁電流の方向を決定する第
2相切換信号と互いに90度の位相差でハイレベルとロ
ウレベルを繰り返す。この状態を図4の(a)、(b)
に示す。これらの信号におけるハイレベルは図3に示す
矢印26の電流方向とし、ロウレベルはこの矢印26と
反対方向とする。また、励磁コイルL1に供給される励
磁電流の値を決定する第1相励磁信号と、励磁コイルL
2に供給される励磁電流の値を決定する第2相励磁信号
とは、図4(c)、(d)に示すように、第1相切換信
号や第2相切換信号と同期して一定時間オンし、その後
短い時間オフとなるよう、そのタイミングが設定されて
いる。この場合のハイレベルはロータの駆動時の電流値
を示し、ロウレベルはロータの停止時の電流値を示すも
のとする。なお、(e)に示す回転ベクトルは、次に説
明する図5に示したベクトル図に対応するものである。
【0014】図5に、パルスモータの回転ベクトル説明
図を示す。1相励磁式のパルスモータにおいては、一対
の励磁コイルによってこの図に示すような合成磁界ベク
トルに基づく回転ベクトルを発生させる。即ち、例えば
図4に示す時刻t1、t2の間では第1相と第2相の励
磁コイルL1、L2が同時に励磁され、図に示すR1方
向のベクトルを発生させる。次に図4に示す時刻t2か
らt3の間では、第1相の励磁コイルL1のみが励磁さ
れ、図5に示すR2の方向に回転ベクトルを発生させ
る。また、図4に示す時刻t3から時刻t4において
は、時刻t1から時刻t2の場合と逆の方向に、第二相
の励磁コイルの電流が流れ、励磁コイルL1、L2の両
方に励磁電流が供給される。これによって、図5に示し
たR3の方向の回転ベクトルが発生する。このような制
御によって、パルスモータのロータは反時計回りに1ス
テップあたり45度ずつ回転駆動される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のパルスモータの駆動制御方法は、次のような解
決すべき課題があった。図4及び図5を用いて説明した
ように、上記のようなパルスモータでは、励磁コイルL
1とL2を同時に励磁してロータを回転させるモード
と、いずれか一方の励磁コイルのみを励磁してロータを
回転させるモードが交互に発生する。一方、ロータを回
転させた後は図2を用いて説明したように、ロータに対
し一定の保持トルクを与えるべく、励磁コイルに保持ト
ルク発生用の電流を供給する必要がある。
【0016】このような制御のため、従来次のような方
法で各励磁コイルに対し励磁電流が供給されていた。図
6に、従来の2相励磁駆動停止モード波形図を示す。2
個の励磁コイルL1、L2を同時に駆動し、その後保持
トルクを発生させてロータを停止させる場合、この図の
(a)、(b)に示すように、第1相励磁電流と第2相
励磁電流とを例えば時刻t1まで電流値I0 で駆動し、
その後駆動電流を保持トルクを発生するために十分な電
流値I1 まで低下させる。なお、この電流値は回路のイ
ンダクタンスによって、一定の減衰曲線を描きながら低
下し、時刻t2に保持電流に落ち着く。
【0017】このとき、励磁コイルL1、L2のインダ
クタンスをL、回路全体の抵抗値をR、時刻t2におけ
る励磁コイルの端子電圧をEとすると、その放電電流I
は時間tの経過に従って、次の(1)式のように変化す
る。 I(t)=−(E/R)(1−exp(−Rt/L)) +I0 exp(−Rt/L) …(1) 励磁コイルL1、L2共に励磁電流は時刻t1から時刻
t2まで同様の変化をする。
【0018】図7に、従来の1相励磁駆動停止モード波
形図を示す。この図は、1相のみを励磁してロータを回
転駆動し、その後保持トルクを発生させてロータを停止
させる場合の電流変化を示している。この例では、励磁
コイルL1と励磁コイルL2に時刻t3まで駆動電流を
供給し、その後時刻t3から時刻t4の間では励磁コイ
ルL2にのみ駆動電流を供給している。そして、時刻t
4において、駆動電流を停止し、その後保持トルク発生
用の電流値I1 の電流を励磁コイルL2に供給するよう
な制御を行なっている。なお、この場合に、時刻t3に
おいて、第1相の励磁コイルL1に供給する励磁電流を
オフすると、放電電流は図のようにI0 から0まで上記
(1)式に示すような特性で低下していく。しかしなが
ら、上記のような2種のモードでは、ロータに加わる回
転トルクの時間的な変化に相違が生じる。
【0019】図8に、従来の停止直前のトルク変化図を
示す。図の(a)は図6に示す2相励磁駆動停止モード
におけるトルク変化図である。また、(b)は図7に示
した1相励磁駆動停止モードにおける変化図である。こ
の図に示すように、2相励磁の場合には、第1相と第2
相の励磁電流が全く等しい特性で減衰するため、ロータ
に加わる回転トルクは単に駆動時から停止時への電流値
の減少のみで、そのベクトルに変化はない。従って、ロ
ータは回転後停止するまでこのベクトルの方向の力を受
け、この方向に向いて停止する。
【0020】しかしながら、1相励磁の状態では、この
図(b)に示すように、第1相励磁電流が次第に減衰し
ていくときにロータに加わるトルクによって、第2相の
みによる励磁方向と完全に一致する状態までロータが回
転せずに回転を停止してしまう。即ち、本来図7に示す
ようなモードで駆動を行なうと、励磁コイルは第2相と
一致する図8(b)の破線に示すようなベクトルで保持
トルクを発生させ、ロータの回転を停止することが必要
である。しかし、現実には、このように(a)の状態か
ら45度回転する前にロータが停止してしまう。
【0021】プリンタ等においては、機械的な負荷や用
紙の摩擦による負荷等で、例えば用紙がほとんど搬送さ
れないままラインフィードが停止し、印字品位の低下を
招くおそれもある。このような問題を解決する対策とし
ては、例えば図7に示す時刻t3から時刻t4までの励
磁コイルL2のみを励磁する時間を十分長くとると共
に、1相のみを励磁する場合には、その励磁電流を2相
で励磁する場合の√2倍に引き上げる方法がある。こう
すれば2相で励磁する場合の回転トルクと1相で励磁す
る場合の回転トルクが等しくなる。しかしながら、これ
では制御時間が長くなり、また駆動電流を増加させるこ
とにより図3に示すスイッチング用トランジスタT1〜
T4を大型化する必要があり、コストアップになるとい
う問題があった。
【0022】本発明は以上の点に着目してなされたもの
で、1相のみを励磁してロータを回転させ、その後保持
トルクを発生させてロータを停止させる場合に、正確に
設定された位置にロータを回転させ停止させることので
きるパルスモータの駆動制御方法を提供することを目的
とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のパルスモータの
駆動制御方法は、2相を励磁してロータを回転させた後
保持トルクを発生させてロータを停止させる状態と、1
相のみを励磁してロータを回転させた後保持トルクを発
生させてロータを停止させる状態との2種の状態をとる
1−2相励磁式パルスモータの駆動制御方法において、
予め回転角に応じたパルス数をプロセッサに知らせて、
プロセッサは、このパルス数が偶数か奇数かを判断し、
この判断の結果と現在のロータの停止位置から最終的に
ロータを停止させる状態を判断して、最終的にロータを
停止させる状態が、上記1相のみを励磁してロータを回
転させた後保持トルクを発生させてロータを停止させる
状態の場合に、ロータの停止直前に、上記2相を励磁し
て1ステップ進んだ方向の回転ベクトルを与えた後、上
記1相のみを励磁する駆動電流を供給しロータを停止さ
せて、その後保持トルク用に当該駆動電流より小さい電
流を供給することを特徴とするものである。
【0024】
【作用】この方法では、2相を同時に励磁してロータを
1ステップ回転させた後、1相のみを励磁してロータを
次のステップまで回転させ、その後保持トルクを発生さ
せてロータを停止させる直前に、励磁電流をオフするも
う一方の相の励磁コイルの励磁電流を例えば反転させ
て、ロータに一時的に次のステップまで回転するような
回転トルクを与える。この回転トルクを与える時間を適
当に選定すれば、ロータは正確に目的とする状態まで回
転し、停止する。従って、1相励磁による電流値を増大
させたり、1相励磁駆動時間を延長する必要はなくな
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説
明する。図1は、本発明の駆動制御方法実施例を示す制
御信号波形図である。この波形図は、予め2相分の励磁
コイルを駆動してロータを回転させた後、最後に1相の
みを励磁してロータを回転させ、その後保持トルクを発
生させて動作を停止させる場合の各信号内容を示してい
る。即ち、時刻t1からt3の間は2相を励磁してロー
タを回転させる駆動モードで、時刻t4から時刻t5ま
では1相のみを励磁してロータを回転させる駆動モード
である。本発明においては、この時刻t3から時刻t4
の間で、ロータの回転方向にみて次の状態にある駆動モ
ードで、励磁コイルの励磁を行なう構成となっている。
【0026】即ち、図1(a)に示す第1相切換信号
は、時刻t3からt4までロウレベルとなり、この間励
磁コイルL1(図3に示したもの)の励磁電流が反転す
る。また、第2相切換信号は時刻t2までロウレベル
で、その後ハイレベルに設定され、時刻t2以降は同一
方向の駆動電流となる。(c)に示す第1相励磁信号
は、時刻t4までハイレベルで、その後ロウレベルにな
る。従って、(a)の切換信号と照らし合わせてみる
と、時刻t2から時刻t3まで、設定された励磁電流が
供給され、時刻t3から時刻t4までは逆方向の同レベ
ルの励磁電流が供給され、その後スイッチオフの状態と
なる。
【0027】一方、第2相の励磁コイルL2には、時刻
t2からt5まで駆動時の励磁電流が供給され、時刻t
5以降は保持電流が供給される。このような電流が供給
されると、ロータに加わる回転ベクトルが図1(e)に
示すようになる。即ち、図5の回転ベクトル説明図と照
らし合わせて、図1(e)の回転ベクトルを見ると、始
め時刻t1からt2までR8のベクトルであったもの
が、時刻t2からt3ではR1の回転ベクトルとなる。
更に、その次はR2の回転ベクトルとすべきところを、
本発明においては一旦R3の回転ベクトルを付与し、そ
の後時刻t4以後、R2の回転ベクトルを与えるように
している。
【0028】図1(f)及び(g)には各励磁コイルL
1、L2の励磁電流をグラフで示した。この図に示すよ
うに、時刻t3までは励磁コイルL1にもL2にも同一
のレベルのI0 の駆動電流が供給されている。そして、
時刻t3において、第1相の励磁コイルL1に反対方向
の駆動電流が加えられる。この場合には、単に励磁コイ
ルL1の電源をオフする場合に比べて、励磁コイルL1
の両端に、これまで流れていた電流とは逆方向の電流を
流すための電源電圧とほぼ等しい高電圧が加わる。従っ
て、図1(f)に示すように、時刻t3から第1相の励
磁コイルL1の放電が比較的急速に行なわれ、時刻t6
で電流の方向が反転する。第1相切換信号は、(c)に
示すように、時刻t4まで供給されているため、第1相
の励磁コイルL1にはこれまでと逆方向の電流が流れ始
め、時刻t4でマイナスの最大値となり、その後は放電
により0まで減衰する。
【0029】一方、図1(g)に示す第2相の励磁コイ
ルL2に供給される電流は、時刻t5まで駆動用の電流
I0 に保持され、その後は放電により減衰し、保持電流
I1に至る。以上のような制御を行なうと、ロータはそ
の停止直前に次のようなトルクを受ける。なお、図3の
回路を用いて図1に示す時刻t3から時刻t4の間の現
象を説明すると次のようになる。まず、時刻t3で端子
21から入力する第1相切換信号がロウレベルになる
と、トランジスタT1とT4がオンからオフになり、逆
にトランジスタT2とT3がオフからオンになる。この
とき、励磁コイルL1の励磁電流I0 はダイオードD3
とD2を通って放電する。従って、励磁コイルL1の端
子電圧が端子23に接続された図示しない電源の電圧と
ほぼ等しい電圧になる。このような状態で、時刻t4ま
でトランジスタT2とT3により励磁コイルL1に励磁
電流が供給される。その後は全てのトランジスタがオフ
となり、励磁コイルL1の励磁電流はダイオードD1と
D4を通って放電される。
【0030】図9に、本発明による停止直前のトルク変
化図を示す。上記のような制御を行なうと、先に説明し
たように、図1の時刻t2からt3までの間、R1方向
の回転ベクトルが生じ、その次のタイミングでR2方向
の回転ベクトルを与える代わりに、もう1ステップ進ん
だR3方向の回転ベクトルを与える。これによって、ロ
ータは従来より強い力で反時計方向に回転駆動される。
その後、1相分の励磁コイルのみを励磁して回転ベクト
ルR2方向の駆動電流を供給し、その後保持トルク用の
電流を供給すると、この図9に示すように、ロータは正
確にR1の状態から45度回転して停止する。
【0031】なお、理論的には、図1(f)に示す時刻
t3から時刻t6までの間にだけ第1相の励磁コイルを
励磁し、逆方向への励磁電流は不要であるが、実際のプ
リンタでは、機械的な負荷や印字用紙の摩擦による負荷
に打ち勝ってラインフィードモータを回転させるため
に、強力な励磁駆動を行なうことが好ましい。そこで、
図1の時刻t3から時刻t4までの間、励磁コイルのオ
ーバードライブを行なうような構成となっている。従っ
て、時刻t3から時刻t4までの時間は、実際に各種の
負荷を与えた状態でテストを行ない、最適値に選定する
ことが好ましい。
【0032】本発明は、ロータが停止する直前の駆動モ
ードが、1相のみを励磁してロータを回転させた後保持
トルクを発生させてロータを停止させるといったモード
である場合にのみ適用される。従って、2相を励磁して
ロータを回転させた後、保持トルクを発生させてロータ
を停止させる場合には、上記のような制御が行なわれな
い。通常、パルスモータを駆動する場合には、予めその
回転角に応じた数のパルスが供給され、そのパルスの数
は予めプロセッサが知ることができる。従って、次のよ
うな制御によって、本発明をより具体的に実施すること
が可能になる。
【0033】図10は、本発明による制御フローチャー
トを示す。このフローチャートは、例えば図2に示すよ
うなブロック構成の装置により実施される。例えば、図
2に示すプロセッサ6がホストコンピュータ13からI
/Fコネクタ12を介してnパルス改行のデータを受け
入れると、図10のステップS1からステップS2に移
り、このパルス数nが偶数かどうかが判断される。例え
ば、nが偶数の場合にはステップS3に移り、現在のロ
ータの停止位置を判断する。現在のロータの停止位置が
1相モードの場合、nが偶数であれば最終的な停止位置
は1相モードとなる。従って、ステップS5に移り、1
相停止モードの制御が行なわれる。これは本発明の図1
に示した制御である。
【0034】一方、ステップS3において、停止位置が
2相モードの状態であると判断された場合、nが偶数で
あれば2相モードで停止する。従って、ステップS6に
移り、従来と全く同一の図6に示したようなモードで停
止制御が行なわれる。また、ステップS2において、n
が奇数と判断された場合にはステップS4に移り、再び
ロータの停止位置が判断される。停止位置が1相モード
であればステップS6に移り、停止位置が2相モードで
あればステップS5に移る。このようにして、駆動パル
スの数によって、本発明の駆動制御方法を実施するか従
来の駆動制御方法を実施するかの選択を行なう。
【0035】本発明は以上の実施例に限定されない。上
記実施例ではパルスモータをプリンタのラインフィード
モータとして使用した例を用いて説明したが、複写機そ
の他各種の機器において、同様の制御を行なうことによ
り、正確な停止位置制御が可能となる。また、そのよう
な励磁コイルの駆動回路は、上記の実施例に限らず同様
の機能を持った自由な構成にして差し支えない。
【0036】
【発明の効果】以上説明した本発明のパルスモータの駆
動制御方法は、2相を励磁してロータを回転させた後、
1相のみを励磁してロータを回転させ、その後保持トル
クを発生させてロータを停止させる場合に、この停止直
前に、ロータの回転方向に向かって次の状態であって2
相を励磁してロータを回転させるための駆動モードを、
一時的に実行するようにしたので、ロータを比較的強い
力で回転させ、正確な位置に停止させることが可能にな
る。また、この場合に、長時間励磁電流を供給したり、
より大きい励磁電流を供給するといった要求がなくなる
ため、励磁コイルの駆動回路を大型化する必要がなく、
コストアップが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動制御方法制御信号波形図である。
【図2】プリンタの制御回路ブロック図である。
【図3】パルスモータ駆動回路結線図である。
【図4】従来の駆動制御信号タイミングチャートであ
る。
【図5】パルスモータの回転ベクトル説明図である。
【図6】従来の2相励磁駆動停止モード波形図である。
【図7】従来の1相励磁駆動停止モード波形図である。
【図8】従来の停止直前のトルク変化図である。
【図9】本発明による停止直前のトルク変化図である。
【図10】本発明による制御フローチャートである。
【符号の説明】
t1〜t5 時刻 R1〜R8 回転ベクトル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2相を励磁してロータを回転させた後保
    持トルクを発生させてロータを停止させる状態と、1相
    のみを励磁してロータを回転させた後保持トルクを発生
    させてロータを停止させる状態との2種の状態をとる1
    −2相励磁式パルスモータの駆動制御方法において、予め回転角に応じたパルス数をプロセッサに知らせて、
    プロセッサは、このパルス数が偶数か奇数かを判断し、
    この判断の結果と現在のロータの停止位置から最終的に
    ロータを停止させる状態を判断して、 最終的にロータを停止させる状態が、前記1相のみを励
    磁してロータを回転させた後保持トルクを発生させてロ
    ータを停止させる状態の場合に、 ロータの停止直前に、前記2相を励磁して1ステップ進
    んだ方向の回転ベクトルを与えた後、前記1相のみを励
    磁する駆動電流を供給しロータを停止させて、その後保
    持トルク用に当該駆動電流より小さい電流を供給する
    とを特徴とするパルスモータの駆動制御方法。
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