JP3187985B2 - ステッピングモータ駆動装置 - Google Patents

ステッピングモータ駆動装置

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  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルス幅制御(以下、
PWM制御と呼ぶ)を用いて励磁電流を制御するステッ
ピングモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータ(以下、単にモータ
と呼ぶ)を駆動する方式としては、PWM制御により通
電時間を変化させることにより、モータ各相に流れる平
均電流を制御して、必要なトルクを発生させる方式が知
られている。
【0003】図6はバイポーラ方式のモータを用いた駆
動回路の一例であり、I1=“H”,I2=“L”のと
モータ励磁相Lに対して矢印方向に通電され、I1=
“L”,I2=“H”のときモータ励磁相Lに対して矢
印とは逆方向に通電(ただし、P1,P2はPWM入力
を示す)される。またRSはモータ励磁相Lに流れる電
流を電圧降下により検出するための抵抗である。
【0004】図7はPWM制御によりモータ励磁相に流
れる平均電流の変化する様子を示す図でありその様子を
簡単に説明すると、Ton1 はPWM制御における一
周期内でのモータ励磁相への実際に通電されている時間
を示し、Toff1は通電がオフされている。この時モ
ータ励磁相に流れる電流はTon1 期間には増加を続
け、Toff1期間には通電がオフされているにもかか
わらずモータ励磁相の逆起電力によって電流が減少しな
がら継続しており、平均電流IAV1 が流れているこ
とを示す。また、Ton2 オン時間を長くしたときで
平均電流IAV2 は増加している。
【0005】従ってPWM制御においてはTon時間を変
化させることにより平均電流IAVを変化させることが出
来るため、あらかじめPWM値−平均電流−モータ発生
トルクの関係を知ることによって、PWM値で必要なト
ルクを発生させることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術ではモータ相抵抗、ドライバスイッチング速度、ドラ
イバ飽和電圧等のバラツキによって、PWM値とトルク
との関係にもバラツキが生じていた。このため、安定し
たモータ駆動を実現するためにはバラツキを考慮した必
要以上のトルクに設定する必要があり、従来のこうした
対処方法では、モータ駆動時の損失の増大、過大なトル
クによるモータ騒音、振動の増大等の欠点があった。
【0007】よって本発明の目的は、上述の点に鑑み
て、必要最小限のモータトルクでの駆動を可能にして、
モータの騒音・振動を低減させ得るステッピングモータ
駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ステッピングモータ各相への通電をオ
ン・オフする開閉手段と、基準となる周期内での前記モ
ータ各相への通電オン時間を任意に設定する時間設定手
段と、前記時間設定手段で設定された通電オン時間によ
り前記モータ各相に通電した際に前記モータ各相に通電
する電流値を検出する電流値検出手段と、を有するステ
ッピングモータ駆動装置であって、前記モータ各相に通
電する電流値のうち最も電流値の小さい相の電流値に応
じて、すべての相の通電オン時間を補正する補正値を求
めるものである。ここで、前記ステッピングモータ駆動
装置に着脱可能なチェッカーを有し、前記チェッカーは
前記電流値検出手段を備える構成をとることも可能であ
る。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【実施例】以下、本発明の各実施例を詳細に説明する。
【0018】実施例1 図2は、本発明を適用した記録装置21の主要部を示す
図である。本図において、4は記録紙3の記録紙を検出
するための反射型の検出センサで、投光部と受光部が一
体になった構造のものであり、キャリッジ19の上に固
定されている。この検出センサ4は、キャリッジ19が
B方向に移動するときプラテン7(無反射)の部分では
反射が弱く、紙3(反射部材)の部分では反射が強いこ
とを利用して、紙の存在を検出するためのものである。
【0019】14はキャリッジ19をBまたはC方向に
駆動するためのモータで、15は紙3上に情報を記録す
る記録ヘッドである。記録ヘッド15はホスト17[後
述]からの記録データにより駆動され、キャリッジ19
の矢印B方向への移動にともない記録紙3に記録を行な
い、1行の記録が終了するとモータ18によりローラ2
0を駆動して記録紙3をD方向に送る。
【0020】図1は図2の記録装置21におけるモータ
14に適用した本発明によるモータ駆動装置の一実施例
のブロック図である。本図においてCPU10は、記録
装置21の制御を行なうためのマイクロプロセッサであ
り、ROM11に格納されているプログラムにより動作
する。
【0021】いま、ホスト17からの記録データがI/
F16を介してCPU10に入力されると、データはR
AM12に一時的に記憶され、通常の記録装置と同様に
必要な処理が行なわれた後、ヘッド15にデータが転送
され、記録紙3上にデータに応じた記録が行なわれる。
【0022】この記録動作において、キャリッジ19は
モータ14によって、左から右へ、または右から左に駆
動される。
【0023】またモータ14は、モータドライバ33お
よび34の2個によって駆動される一般にバイポーラ駆
動と呼ばれる方式であり、モータ14の駆動方向あるい
は1相,2相,1−2相等の励磁方式によって、各相に
流れる電流のオフ,オン、方向を変えることができるも
のである。
【0024】図6は、一般的に知られているモータドラ
イバをより詳細に説明した図である。図示したモータド
ライバ33,34は従来から知られているものである
が、本実施例においても使用することができる。
【0025】図6において、I1はA相(B相)等の励
磁相入力、I2は上記I1とは逆相の励磁相入力であ
る。またP1,P2はPWM入力であり(一般に10K
Hz以上の周波数である)、I1,I2の励磁期間中に
Lへの通電をオン,オフすることによって、図7に示し
た様に平均電流を変化させることが出来る。RSはLに
流れる電流の検出用の抵抗である。Lはモータ相のコイ
ルであり、I1=“H”,I2=“L”のときには図の
矢印方向に、また、I1=“L”,I2=“H”のとき
には矢印の逆方向の電流が流れる。
【0026】再び、図1に示した本実施例の説明を行
う。
【0027】図1において、30はモータ14を駆動す
るための
【0028】
【外1】 A,(以下、「反転A」という),B,(以下、
「反転B」という)
【0029】の各相の励磁相出力用ポート、31はモー
タ各相への通電をオン、オフするためのPWM信号発生
装置、32はモータ各相電流検出用の抵抗(RS1,R
S2)に接続されたA/D変換器で、A/D1はA相及
び反転A相、A/D2はB相及び反転B相の検出を行
う。R1及びC1、R2及びC2は各々ローパスフィル
タを構成してA/D1,A/D2への信号のリップル分
を除去するものである。
【0030】図3は、本実施例の具体的な操作手順の一
例である。
【0031】・S1では、ある基準となるPWM値
(K)をPWM発生装置31にセットを行う。
【0032】・S2では、モータ励磁相のA相にのみ励
磁を行うための設定を出力ポート30に行い、以降PW
M値=KでA相にのみ励磁が行われる。
【0033】・S3では、A相への励磁電流が安定する
まで一定の時間(例では0.2mS)待つ。
【0034】・S4では、A相への平均電流(IA)を
RS1の電圧降下としてCPU10を介してRAM12
に記憶する。
【0035】・S5〜S7では、前記S2〜S4と同様
の手順で反転A相への平均電流(I反転A)を求める。
【0036】・S8〜S10では、前記S2〜S4と同
様の手順でB相への平均電流(IB)を求める。
【0037】・S11〜S13では、前記S2〜S4と
同様の手順で反転B相への平均電流(I反転B)を求め
る。
【0038】・S14では、S2〜S13で求めた平均
電流IA,I反転A,IB,I反転Bの中から最も小さ
い値を求める。これはモータの発生トルクの最も小さい
相を基準にしてあらかじめ設定された必要最小限以上の
モータ発生トルクに補正するためである。
【0039】・S15では、あらかじめROM11に記
憶されているPWM値=Kに対する平均電流と補正値と
のテーブルを用いて、最適なPWM補正値を求めRAM
12にPWMHとして記憶する。
【0040】以降、モータを駆動する場合には、あらか
じめ設定されているPWM値に対して補正値PWMHを
考慮すれば良い。
【0041】前記実施例の説明ではROM11のテーブ
ルにはPWM値に対して補正値PWMHを記憶するとし
てあるが、PWM値そのものを記憶してもよい。
【0042】また、モータ駆動モードによってPWM設
定値を複数持つ場合には前記テーブルを複数持てば良
い。
【0043】前記実施例の説明では平均電流IA,I反
転A,IB,I反転Bの中から最も小さい値を求め使用
したが、モータ駆動モード(例えば2−2相励磁の様に
一相だけでトルクが決らない場合等)によっては必ずし
も最も小さい値である必要は無い。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】なお、本実施例による補正値の検出は電源
投入後に最低一度行えば良い。また、モータ駆動等によ
る温度変化等の影響を低減させるために適宜行うことは
さらに有効である。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】実施例2 図4 は、第2の実施例を示すブロック図である。図4
おいて、230はモータ214を駆動するためのA,反
転A,B,反転Bの各相の励磁相出力用ポート、231
はモータ各相への通電をオン、オフするためのPWM信
号発生装置である。240は生産行程に於て接続される
チェッカーであり、A,B,C,Dは端子を表し、Aは
記録装置内のCPUバスに接続して出力ポート230,
PWM信号発生装置231,不揮発性メモリ232を制
御するものである。BはCPU210をホールト状態に
させることによって前記AのCPUバスへの接続を可能
にする。C,Dはモータ各相電流検出用の抵抗(RS
1,RS2)に接続され電圧降下によって電流を検出す
るものである。241はA/D変換器で、A/D1はA
相及び反転A相、A/D2はB相及び反転B相の電流検
出を行う。R1及びC1、R2及びC2は各々ローパス
フィルタを構成してA/D1,A/D2への信号のリッ
プル分を除去するものである。
【0094】図5は本実施例の制御手順を示すフローチ
ャートである。
【0095】・S200では、生産行程においてチェッ
カーを接続し、CPU210をホールト状態にする。
【0096】・S201では、ある基準となるPWM値
(K)をPWM発生装置231にセットする。
【0097】・S202では、モータ励磁相のA相にの
み励磁を行うための設定を出力ポート230に行い、以
降PWM値=KでA相にのみ励磁が行われる。
【0098】・S203では、A相への励磁電流が安定
するまで一定の時間(例では0.2mS)待つ。
【0099】・S204では、A相への平均電流(I
A)をRS1の電圧降下としてチェッカーコントローラ
に記憶する。
【0100】・S205〜S207では、前記S202
〜S204と同様の手順で反転A相への平均電流(I反
転A)を求める。
【0101】・S208〜S210では、前記S202
〜S204と同様の手順でB相への平均電流(IB)を
求める ・S211〜S213では、前記S202〜S204と
同様の手順で反転B相への平均電流(I反転B)を求め
る。
【0102】・S214では、S202〜S213で求
めた平均電流IA,I反転A,IB,I反転Bの中から
最も小さい値を求める。これは、モータの発生トルクの
最も小さい相を基準にして、あらかじめ設定された必要
最小限以上のモータ発生トルクに補正するためのであ
る。
【0103】・S215では、あらかじめ記憶されてい
るPWM値=Kに対する平均電流と補正値とのテーブル
を用いて、最適なPWM補正値を求め不揮発性メモリ2
32にPWMHとして記憶する。
【0104】・S216では、補正値の書き込みが終了
したのでチェッカーをはずす。
【0105】実際の動作時には、あらかじめ設定されて
いるPWM値に対して不揮発性メモリ232に記憶され
ている補正値PWMHを考慮して駆動する。
【0106】前記実施例の説明では、不揮発性メモリ2
32にはPWM値に対して補正値PWMHを記憶すると
してあるが、PWM値そのものを記憶してもよい。
【0107】また、モータ駆動モードによってPWM設
定値を複数持つ場合には、不揮発性メモリ232内に補
正値をテーブルにして複数持てば良い。
【0108】前記実施例の説明では平均電流IA,I反
転A,IB,I反転Bの中から最も小さい値を求め使用
したが、モータ駆動モード(例えば2−2相励磁の様に
一相だけでトルクが決らない場合等)によっては、必ず
しも最も小さい値である必要は無い。
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、モ
ータ各相に通電する電流値のうち最も電流値の小さい相
の電流値に応じて、すべての相の通電オン時間を補正す
る補正値を求めることとしているので、モータの発生ト
ルクの最も小さい相を基準にして、すべての相の発生ト
ルクが予め設定された必要最小限以上の発生トルクにな
るように補正することができる。その際、補正値を各相
ごとに求める必要はなく1つだけ求めればよいので、補
正値を求める工程が簡略化され、また補正値を記憶する
ための記憶手段のメモリ使用量も少なくてすむ、という
効果が得られる。
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明を実施するに好適な記録装置を示す斜視
図である。
【図3】第1の実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図4】第2の実施例を示すブロック図である
【図5】第2の実施例の制御手順を示すフローチャート
である
【図6】従来例のバイポーラ式モータドライバ及び実施
例におけるバイポーラ式モータドライバを詳細に示す図
である
【図7】PWM制御におけるモータ電流の変化を説明す
るための図である
【符号の説明】
10 CPU 14 キャリッジ駆動用のバイポーラ式モータ 30 励磁相出力用のポート 31 PWM発生装置 32 A/D変換器 33,34 バイポーラ式モータドライバ 36,37 コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 隆之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−57838(JP,A) 特開 平1−222699(JP,A) 特開 平1−107700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 8/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータ各相への通電をオン
    ・オフする開閉手段と、 基準となる周期内での前記モータ各相への通電オン時間
    を任意に設定する時間設定手段と、 前記時間設定手段で設定された通電オン時間により前記
    モータ各相に通電した際に前記モータ各相に通電する電
    流値を検出する電流値検出手段と、 を有するステッピングモータ駆動装置であって、 前記モータ各相に通電する電流値のうち最も電流値の小
    さい相の電流値に応じて、すべての相の通電オン時間を
    補正する補正値を求めることを特徴とするステッピング
    モータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記ステッピングモータ駆動装置に着脱
    可能なチェッカーを有し、前記チェッカーは前記電流値
    検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のス
    テッピングモータ駆動装置。
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