JP3108258B2 - X−y方向入力装置 - Google Patents

X−y方向入力装置

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JP3108258B2
JP3108258B2 JP05284088A JP28408893A JP3108258B2 JP 3108258 B2 JP3108258 B2 JP 3108258B2 JP 05284088 A JP05284088 A JP 05284088A JP 28408893 A JP28408893 A JP 28408893A JP 3108258 B2 JP3108258 B2 JP 3108258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ装置のス
クリーン上に表示されるカーソルを任意方向に移動する
X−Y方向入力装置に係わり、特にボールを手で操作し
てスイッチ入力可能なX−Y方向入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等に備えられるディスプレ
イ装置のスクリーン上に表示されるカーソルを任意方向
へ移動制御するX−Y方向入力装置として、ケーシング
上面のの開口より露出するボールを手で操作するトラッ
クボールと称せられるものが従来より知られている。こ
のトラックボールには、回転操作可能な操作体としての
ボールの他、座標入力(指定)やメニュー選択のための
スイッチが備えられており、スイッチの入力操作性を向
上させるために、ボールを押圧することによりスイッチ
がオンとなるトラックボールも提案されている。
【0003】このようなトラックボールの一例として
は、実公平3−13789号公報に記載されたものがあ
る。図11はこの公報に記載された従来のX−Y方向入
力装置を示す断面図、図12は図11のX−Y方向入力
装置の操作時を示す断面図、図13は図11の作動部を
示す平面図である。
【0004】これらの図に示す従来のX−Y方向入力装
置は、開口1を有し、外殻を形成するケーシング2と、
このケーシング2内に回転可能に設けられ、一部が開口
1より突出するボール3と、このボール3のX軸方向お
よびY軸方向の回転量をそれぞれ検出すべくボール3と
接触して回転可能な第1および第2の従動ローラ4,5
と、これら第1および第2の従動ローラ4,5の回転角
(回転量)を個別に検出する第1および第2の回転角検
出手段6,7と、第1および第2の従動ローラ4,5な
らびに第1および第2の回転角検出手段6,7が配設さ
れる基板8と、この基板8の下方のケーシング2内に固
定されたプッシュスイッチ9とを備えている。さらに、
図13に示すように、前記基板8には、支持ローラ(弾
性付勢ローラ)10が設けられており、この支持ローラ
10と第1および第2の従動ローラ4,5とでボール3
を3点で支持している。また、基板8の四隅には孔8a
が開けられており、この孔8aに案内軸2aを挿通させ
ることにより、基板8は上下動可能となっており、非操
作時には、図11に示すように、基板8はストッパ部2
bに当接するよう案内軸2aに設けたバネ2cにより上
方に押し上げられている。
【0005】このように構成されたX−Y方向入力装置
を操作する場合、まず、ボール3を手で回転操作し、ス
クリーン上のカーソルを移動させる。そして、カーソル
が所望の位置に達したところでボール3を押下すると、
図12に示すように、基板8がバネ2cに抗して案内軸
2aにガイドされて下方へ移動し、基板8がプッシュス
イッチ9を押圧して、プッシュスイッチ9が投入され、
座標入力が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したよう
な従来のX−Y方向入力装置にあっては、ボール3を押
圧したとき、基板8を水平に上下動させることは難し
く、そのため、基板8が上下動する際に傾き、その傾き
が大きな場合には、基板8の四隅の孔8aと案内軸2a
が引っかかりスイッチ9を投入するの大きな押圧力が必
要になったり、最悪の場合には、スイッチ9が入力され
ないおそれがある。
【0007】また、最近、ノートブック型のパソコンの
普及にともない、X−Y方向入力装置であるトラックボ
ールを片手に持って使用するケースが増えてきている。
しかし、上述したような従来のX−Y方向入力装置で
は、基板8を上下動させるべく、ケーシング2の四隅に
案内軸2aを設けているため、構造が複雑となって、入
力装置本体が大きくなってしまうという問題もあり、そ
の結果、片手で持って使用するタイプのX−Y方向入力
装置にボールを押すとスイッチが入る機能を採用しにく
いという不具合があった。
【0008】本発明の目的は、上述した従来技術の実情
ならびに要望に鑑み、構造が簡単で、ボールを押圧した
ときに確実にスイッチの入力が行われ、しかも小型化が
可能なX−Y方向入力装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、開口を有し、外殻をなすケーシングと、このケーシ
ング内に回転可能に設けられ、一部が前記開口より突出
するボールと、このボールのX軸方向およびY軸方向の
回転量をそれぞれ検出する一対の回転量検出手段と、前
記一対の回転量検出手段が取り付けられ、前記ボールを
支持するベースと、前記ボールを押圧することにより入
力されるスイッチとを有するX−Y方向入力装置におい
て、前記ベースには、前記ボールへの押圧力により前記
ベースが回動されるべく、前記ボールが配設された位置
より偏倚した位置に、前記ベースの両側端から突出する
回動部が前記ケーシング内に形成した凹部に遊嵌され、
さらに、前記ボールおよび回動部のいずれよりも偏倚し
た前記ベース上の位置に前記スイッチおよびスイッチア
クチュエータのいずれか一方を設け、このスイッチおよ
びスイッチアクチュエータのいずれか一方と対向して
スイッチおよびスイッチアクチュエータのいずれか他
方を前記ケーシング内に設けることによって達成され
る。
【0010】また、前記ベースは少なくとも一部が印刷
配線基板で構成されており、この印刷配線基板に前記ス
イッチが取り付けられている構成とした。
【0011】さらに、前記スイッチはプッシュスイッチ
とし、前記スイッチアクチュエータはボールの押圧力方
向にスライド移動可能なスイッチ押圧部と、このスイッ
チ押圧部を所定の位置に押し戻すバネ部材とを備え、こ
のバネ部材のバネ定数が前記プッシュスイッチが入力さ
れるオン荷重より大きく、かつ耐荷重より小さくなるよ
うに設定した。
【0012】
【作用】ベースには、ボールが配設された位置より偏倚
した位置に回動部を、ボールおよび回動部のいずれより
も偏倚した位置にスイッチおよびスイッチアクチュエー
タのいずれか一方を設け、このスイッチおよびスイッチ
アクチュエータのいずれか一方と対向してスイッチおよ
びスイッチアクチュエータのいずれか他方をケーシング
内に設けたため、ボールを押圧すると、回動部を中心
(支点)としてベースが回動し、この回動により対向し
て配置されたスイッチとスイッチアクチュエータとが当
接し、スイッチの入力が確実に行われる。
【0013】また、ベースの一部を印刷配線基板で構成
し、この印刷配線基板にスイッチを取り付けた場合に
は、スイッチのために別途基板を設ける必要がなくなる
ため、回転量検出手段がマウントされる基板とスイッチ
がマウントされる基板とを接続する配線も不要となり、
組立作業性を向上できる。
【0014】さらに、スイッチをプッシュスイッチで構
成し、スイッチアクチュエータがボールの押圧力方向に
スライド移動可能なスイッチ押圧部と、このスイッチ押
圧部を所定の位置に押し戻すバネ部材とを備えており、
このバネ部材のバネ定数を前記プッシュスイッチのオン
荷重より大きく、かつ耐荷重より小さくなるように設定
した場合には、ボールに必要以上の押圧力が加えられて
も前記バネ部材がたわんでダンパー機能を果たし、プッ
シュスイッチに耐荷重以上の力が加えられるのを防止す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の第1実施例に係わるX−Y方向入力
装置であるマウス兼用トラックボールの縦断面図、図2
は図1のX−Y方向入力装置の内部を透視して第1のケ
ース側から見た平面図、図3は図1のX−Y方向入力装
置に備えられる制御回路のブロック図、図4は図1のX
−Y方向入力装置の側面図、図5はその第2のケース側
から見た平面図、図6は図1のX−Y方向入力装置に備
えられるモード切り換え手段を示す説明図、図7は図6
のモード切り換え手段の動作説明図、図8はモードが切
り換わる動作点を示す説明図、図9は図2のA−A線に
沿う断面図である。
【0016】本実施例のX−Y方向入力装置は、図1に
示すように、開口11を有し、外殻を形成するケーシン
グ12と、このケーシング12に内蔵される基板(印刷
配線基板)13と、この基板13に装着され、基板13
とともにベースを構成する略正方形状のシャーシ14
と、このシャーシ14に形成される丸孔15に一部が露
出し、他の一部が前記開口11より突出するボール16
と、前記のシャーシ14に設けられ、このボール16の
Y軸方向およびX軸方向の回転量をそれぞれ検出する一
対の回転量検出手段、例えばロータリエンコーダ17,
18と、前記開口11の向きに応じてマウスモードとト
ラックボールモードの切り換えを行うモード切り換え手
段19とを備えている。なお、前記基板13の長手方向
の中心線をY軸とし、この中心線と直交する基板13の
短手方向の直線をX軸とする。すなわち、前記Y軸方向
は、図5に示すようにケーシング12の長手方向であ
り、前記X軸方向はケーシング12の短手方向である。
【0017】上述したケーシング12は、前記開口11
を有する蓋体21が着脱可能に設けられた第1のケース
22と、この第1のケース22に周囲が嵌め合わされ、
図5に示す開口23,24を有する第2のケース25と
からなり、これらの第1のケース22および第2のケー
ス25は、蓋体21の内側に設けられる図2に示すねじ
26により締結される。
【0018】図2に示すように、上述したY軸方向のロ
ータリエンコーダ17は、ケーシング12の短手方向に
延設され、シャーシ14の軸受部31,31により回転
可能に支持される回転軸32と、この回転軸32の一端
側に設けられ、ボール16が開口11側から外力を受け
たときにこのボール16と接触し、この状態でボール1
6の回転に伴って回転するローラ33と、前記回転軸3
2の他端側に設けられ、この回転軸32を介して回転駆
動されるスリット円盤34と、このスリット円盤34を
介して互いに対向し、基板13に実装される発光素子3
5、受光素子36とからなっている。このロータリエン
コーダ17は、ボール16を図1に示す机などのベース
板37に接触した状態でケーシング12を移動したと
き、あるいは直接手でボール16を操作したときに回転
するボール16の回転量のY軸方向成分を検出する。
【0019】同様に、X軸方向のロータリエンコーダ1
8は、ケーシング12の長手方向に延設され、シャーシ
14の軸受部41,41により回転可能に支持される回
転軸42と、この回転軸42の一端側に設けられ、ボー
ル16が開口11側から外力を受けたときにこのボール
16と接触し、この状態でボール16の回転に伴って回
転するローラ43と、前記回転軸42の他端側に設けら
れ、この回転軸42を介して回転駆動されるスリット円
盤44と、このスリット円盤44を介して互いに対向
し、基板13に装着される発光素子45、受光素子46
とからなっている。このロータリエンコーダ18は、ボ
ール16の回転量のX軸方向成分を検出する。
【0020】図1と図6および図7に示すように、上述
したモード切り換え手段19は、第2のケース25の内
側に設けられ、前記開口11側に向かって突出する筒体
51と、この筒体51内に移動可能に設けられた球状の
アクチュエータ(金属球)52と、前記筒体51より開
口11側に設けられ、アクチュエータ52により作動可
能な作動体53とからなっている。前記筒体51は、開
口11側に向かってその断面の内径が細くなるようなテ
ーパ面54を有する先端部55と、この先端部55に形
成され、前記作動体53が係合する貫通孔56とを有し
ている。そして、ケーシング12の開口11の向きが図
8に示す第1の角度θ1の領域内にあるとき、前記アク
チュエータ52は、図6に示すように筒体51の貫通孔
56上に位置し、前記開口11の向きが他の第2の角度
θ2の領域内にあるとき、前記アクチュエータ52は、
図7に示すように筒体51のテーパ面54上を転動して
前記貫通孔56から離れるようになっている。ここで、
前記第1の角度θ1の領域はマウスモードであり、図8
に示す水平線Hより必ず下方に位置し、第1の直線L1
から鉛直線Vを通り第2の直線L2に至る下向きの領域
である。一方、前記第2の角度θ2の領域はトラックボ
ールモードであり、主に前記水平線Hより上方に位置
し、第1の直線L1から鉛直線Vを通り第2の直線L2
に至る上向きの領域であり、θ1<θ2の関係にある。
これによって、第1のケース22の開口11の向きが水
平方向、すなわち前記水平線Hより下方を向く領域内
で、作動体53よりモード切り換え信号としてオン/オ
フ信号を出力するようになっている。
【0021】前記作動体53は、前記シャーシ14から
突出する軸受体61と、この軸受体61に一端が回転可
能に支持される回転体62と、この回転体62の他端に
係合し、基板13上に実装されるフォトインタラプタ6
3と、前記シャーシ14から突出するピン69に巻回さ
れ、前記回転体62に対して図1および図6の上方向の
弾性力を付与するバネ体64とからなっている。そし
て、前記回転体62の他端には、図6に示すように、前
記貫通孔56内に挿入される突起65と、前記フォトイ
ンタラプタ63の発光素子から受光素子に向かう光路6
6を遮蔽可能なシャッタ部67とが形成されている。
【0022】図2に戻り、上述したシャーシ14の一面
には、前記ロータリエンコーダ17,18をそれぞれ支
持する前記軸受部31,41と、ボール16に当接する
半球状の突起68とが一体に形成されており、この突起
68および前記ローラ33,43により前記ボール16
がいわゆる三点支持されている。また、シャーシ14に
は、前記スリット円盤34を介して配置され、前記発光
素子35、受光素子36がそれぞれ嵌入される略長方形
の嵌入孔71,72と、前記スリット円盤44を介して
配置され、前記発光素子45、受光素子46がそれぞれ
嵌入される略長方形の嵌入孔73,74とが穿設されて
いる。そして、シャーシ14を基板13にスナップ止め
する際に、前記嵌入孔71〜74に前記素子35,3
6,45,46をそれぞれ嵌入させることにより、これ
ら素子35,36,45,46の位置決めを正確に行う
ようになっている。すなわち、前記嵌入孔71〜74
は、前記素子35,36,45,46のガイドの役目を
果たしている。
【0023】さらに、三点支持される前記ボール16の
配置位置からY軸方向に偏倚した前記ベースの一部を構
成するシャーシ14の両端部から円柱状の回動部である
円柱突起75、76が突出しており、これらの円柱突起
75、76が第1のケース22に形成された凹部77、
78にそれぞれ遊嵌され、第2のケース25の両側面に
形成された突起96により上方から押さえられている
(図9参照)。これによって、両ケース22、25が前
記ねじ26により一体化された状態において、前記円柱
突起75、76が凹部77、78から抜け出すことが防
止されるとともに、円柱突起75、76が回動軸とな
、この円柱突起75、76を中心としてボール16を
支持する基板13とシャーシ14とで構成されるベース
が図9の矢印Bに示すように所定角度だけ回動可能にな
っている。そのために、ボール16に加える押圧力が小
さくとも、基板13とシャーシ14とで構成されるベー
スを容易に回動させることができるようになっている。
なお、前記シャーシ14は合成樹脂にて形成されてお
り、両側に一体に形成され、シャーシ14の面より垂直
に延びるスナップ爪97、98が前記基板13に係合し
ている。このように、シャーシ14は基板13に装着さ
れ、両者は一体化されてベースを構成している。
【0024】さらに、上述した基板13の前記シャーシ
14が装着された一面には、前記発光素子35,45、
受光素子36,46がそれぞれはんだ付けされている。
一方の受光素子36には、スリット円盤34を介して得
られた光を検出し、90度位相のずれた2つの波形のA
相信号,B相信号をそれぞれ出力する2つのフォトトラ
ンジスタ(図示せず)が内蔵され、前記A相信号,B相
信号の位相差によりボール16の回転方向の向きを検出
するようになっており、他方の受光素子46も同様であ
る。また、基板13の他面には、前記モード切り換え手
段19のフォトインタラプタ63と、図3に示すプッシ
ュスイッチからなる第1のスイッチ素子81、第2のス
イッチ素子82および第3のスイッチ素子83とがそれ
ぞれはんだ付けされている。
【0025】図3に示すように、上述した基板13に
は、ロータリエンコーダ17,18より具体的には受光
素子36,46に接続される波形整形回路84と、これ
らの波形整形回路84とフォトインタラプタ63および
スイッチ素子81〜83に接続され、ホスト側のディス
プレイ装置86にカーソル制御信号を出力するマイクロ
プロセッサ85とが実装されている。この基板13に
は、図1に示すように、前記ボール16が露出する円形
部と、前記シャーシ14に形成された軸受体61および
ピン69が挿通される矩形部とからなる孔87が穿設さ
れている。
【0026】前記第1のスイッチ素子81および第2の
スイッチ素子82は、前記基板13上でX軸方向に並ん
で配置されており、このスイッチ素子81,82の中心
を結ぶ直線は、図9に示すように、前述した基板13お
よびシャーシ14の回動中心、すなわち、第1のケース
22の凹部77,78の中心線とY軸方向において一致
している。第1のスイッチ素子81は、第2のケース2
5の開口23より突出する第1のキートップ88を介し
て操作可能であり、このスイッチ素子81の入力により
例えば「メニュー選択」を果たすように前記マイクロプ
ロセッサ85あるいはホスト側で信号処理される。一
方、第2のスイッチ素子82は他の開口24より突出す
る第2のキートップ89を介して操作可能であり、この
スイッチ素子82の入力により例えば「メニュー選択の
取消」を果たすようにマイクロプロセッサ85あるいは
ホスト側で信号処理される。
【0027】また、前記第3のスイッチ素子83は基板
13の自由端側、すなわち、ボール16の配置位置をは
さんで前記回動中心(円柱突起75,76)とは反対側
に設けられており、このスイッチ素子83は、第2のケ
ース25の内側にスイッチ素子83と対向して設けられ
る押圧体(スイッチアクチュエータ)90によって操作
される。図1に示すように、前記押圧体90は、第2の
ケース25の天面(ボール16を上側に見たときには、
底面)から垂設された段付き円筒体91と、この円筒体
91の段部に一端が圧入固定されたコイルバネ92と、
円筒体91に一端が挿入されるつば付き操作軸93とか
らなっている。この操作軸93の他端に一体的に形成さ
れるつば部94は、コイルバネ92の他端を一面で受け
るとともに、他面が前記スイッチ素子83と対向してお
り、このスイッチ素子83を押圧可能となっている。ま
た、第2のケース25の天面からストッパ筒体95が垂
下しており、これら押圧体90とストッパ筒体95とで
第3のスイッチ素子83が破壊しないように保護されて
いる。
【0028】すなわち、ケーシング12の開口11から
突出するボール16を押圧すると、このボール16を介
してシャーシ14および基板13とからなるベースに押
圧力が付与されるので、これらシャーシ14および基板
13が円柱突起75,76を中心として図1の時計方向
に回動され、その結果、前記操作軸93のつば部94に
よりスイッチ素子83が押圧されてオンとなり、前記コ
イルバネ92は僅かに圧縮される。続けてボール16を
押圧すると、その押圧力により前記操作軸93が図1の
上方向にさらに移動し、前記コイルバネ92もさらに圧
縮される。さらに、ボール16を押圧すると、ボール1
6はストッパ筒体95に当接し、これによって、前記ボ
ール16への押圧力がストッパ筒体95で受けられる。
つまり、前記コイルバネ92がダンパー機能を有し、前
記ストッパ筒体95がストッパ機能を有しており、この
ため、前記コイルバネ92のバネ定数は、ダンパー機能
を果たすようにスイッチ素子83のオン荷重より大き
く、かつスイッチ素子83の耐荷重より小さくなるよう
に設定されている。
【0029】前記第3のスイッチ素子83は各種機能の
操作スイッチとして用いることが可能であるが、本実施
例の場合、前記第1のスイッチ素子81と同一機能を果
たすようにマイクロプロセッサ85で信号処理される。
すなわち、前記開口11(ボール16)を上方あるいは
側方に向けて、X−Y方向入力装置がトラックボールモ
ードで用いられる場合、すべてのスイッチ素子81〜8
3が入力可能であり、このときに第1のスイッチ素子8
1と第3のスイッチ素子83とは同一の機能(例えば
「メニュー選択」)を果たすようにマイクロプロセッサ
85で信号処理される。一方、図1に示すように、開口
11を下方に向け、マウスモードで用いられる場合、前
記スイッチ素子81〜83のうち2つのスイッチ素子8
1,82のみが入力可能である。このマウスモードで第
3のスイッチ素子が操作された場合、このスイッチ素子
83からオン/オフ信号は出力されるが、このスイッチ
素子83からの信号にかかわらず、マイクロプロセッサ
85は「メニュー選択」信号を出力しない処理を行う。
【0030】上述したマイクロプロセッサ85には、モ
ード切り換え手段19のフォトインタラプタ63からの
オン/オフ信号と、波形整形回路84からのパルス信号
YA’,YB’,XA’,XB’と、第1のスイッチ素
子81、第2のスイッチ素子82および第3のスイッチ
素子83からの各オン/オフ信号とが入力される。そし
て、マイクロプロセッサ85は、前記フォトインタラプ
タ63からのオン/オフ信号に応じてモード切り換えを
行うとともに、前記パルス信号YA’,YB’,X
A’,XB’に応じて、ホスト側のディスプレイ装置8
6に表示されるカーソルを任意方向へ移動させるカーソ
ル制御信号を出力する。
【0031】この実施例にあっては、X−Y方向入力装
置をマウスモードで使用する場合は、図1に示すように
開口11を下向きにした状態でケーシング12をベース
板37上に載置する。このとき、X−Y方向入力装置
は、第1のケース22の前側、すなわち図1の右側がベ
ース板37より幾分浮くように構成されているため、ケ
ーシング12に図1の上方より力をかけることにより、
前記ベース板37からの反力によりボール16が押し上
げられ、このボール16が突起68およびローラ33,
43に確実に当接される。したがって、ケーシング12
をベース板37上で移動させる場合は、移動操作する手
でケーシング12の上からベース板37側に幾分力を加
えながら行うようにする。この状態でケーシング12を
移動させると、前記ベース板37上をボール16が転動
するので、このボール16の転動量をロータリエンコー
ダ17,18により検出し、Y軸方向のロータリエンコ
ーダ17から出力されるA相信号YA、B相信号YB,
およびX軸方向のロータリエンコーダ18から出力され
るA相信号XA、B相信号XBをそれぞれ波形整形回路
84でパルス波形(矩形波)に整形処理した後、波形整
形処理された信号YA’,YB’,XA’,XB’をマ
イクロプロセッサ85に入力する。次いで、このマイク
ロプロセッサ85は、前記信号YA’,YB’,X
A’,XB’に応じて、ホスト側のディスプレイ装置8
6に表示されるカーソルを任意方向へ移動させるカーソ
ル制御信号を出力し、カーソルが所望の位置に移動す
る。
【0032】このようにカーソルが所望の位置に達した
ところで、第2のケース25の開口23より突出する第
1のキートップ88を押圧操作すると、第1のスイッチ
素子81がオンとなり、メニューなどの選択操作が行わ
れる。また、第2のケース25の開口24より突出する
第2のキートップ89を押圧操作すると、第2のスイッ
チ素子82がオンとなり、メニュー選択の取消操作が行
われる。その際、ケーシング12をベース板37側に強
く押圧すると、その反力でボール16が押圧され、第3
のスイッチ素子83がオンしてしまう可能性がある。こ
のため、マウスモードが選択されている場合には、前述
したようにマイクロプロセッサ85により第3のスイッ
チ素子83が機能しなくなるような処理が行われる。具
体的には、図3に示すように、第3のスイッチ素子83
のオン/オフ信号は、マイクロプロセッサ85の入力ポ
ートに入力され、マイクロプロセッサ85の出力ポート
からは各スイッチ素子81〜83に関する信号もカーソ
ルの移動量、移動方向に関する信号とともに出力される
が、仮に第3のスイッチ素子83がオンとなっても、マ
イクロプロセッサ85からは第3のスイッチ素子83
(=第1のスイッチ素子81)がオンとなったという信
号を出力しないようにマイクロプロセッサ85のプログ
ラムが組まれている。もちろん、第3のスイッチ素子8
3と同一機能を有する第1のスイッチ素子81がオンと
なれば、そのオン信号はマイクロプロセッサ85から出
力される。
【0033】なお、上述したように、X−Y方向入力装
置がマウスモードにあるとき、開口11は図8に示す第
1の角度θ1の領域内にあり、必ず鉛直線Vの下方を向
いているため、モード切り換え手段19のアクチュエー
タ52は、図6に示すように、筒体51の先端部55に
形成される貫通孔56上に位置している。したがって、
前記アクチュエータ52の自重により、前記貫通孔56
より突出する突起65が押圧され、回転体62がバネ体
64の弾性力に抗して図6の反時計方向に押し下げら
れ、その結果、シャッタ部67がフォトインタラプタ6
3の光路66を遮蔽し、このフォトインタラプタ63が
オフ状態に保たれる。これに伴い、マイクロプロセッサ
85によりマウスモードとしてY軸方向のパルス波形の
位相の補正処理と、第3のスイッチ素子83の信号キャ
ンセル処理と、必要に応じてホスト側に送出する信号の
フォーマット化処理とが行われる。
【0034】一方、X−Y方向入力装置をトラックボー
ルモードで使用する場合は、ケーシング12を上下逆に
してベース板37上に載置した状態で使用してもよい
が、通常は、ケーシング12を片手で持って操作する。
すなわち、ケーシング12を例えば右手で把持した場合
は、親指でボール16を操作しやすい所に位置させ、人
差し指を第2のキートップ89の近傍に位置させる。マ
ウスモードの使用状態からケーシング12を傾けていく
と、開口11が真横を向く前に、すなわち開口11の向
きが図8に示す直線L1または直線L2を横切った時点
で、アクチュエータ52は、図7に示すように、筒体5
1の先端部55に形成されるテーパ面54上を転動して
前記貫通孔56から離れる。その結果、回転体62がバ
ネ体64の弾性力により押し上げられ、シャッタ部67
が光路66から離れてフォトインタラプタ63がオン状
態となるため、マイクロプロセッサ85によりトラック
ボールモードとしてY軸方向のパルス波形の位相の非補
正処理と、第3のスイッチ素子83の信号回復処理と、
必要に応じてホスト側に送出する信号のフォーマット化
処理とが行われる。
【0035】このようにケーシング12を所定角度以上
傾け、X−Y方向入力装置がトラックボールモードとな
ったなら、親指でボール16を回転させることにより、
ディスプレイ装置86に表示されるカーソルを所望の位
置まで移動させ、カーソルが所望の位置まで達したとこ
ろで、そのまま親指でボール16を押圧する。これによ
り、前述したように基板13が円柱突起75,76を支
点として回転し、第3のスイッチ素子83がオンとなっ
てメニュー等の選択操作が行われる。ここで、第1のス
イッチ素子81と第3のスイッチ素子83とは同一機能
であるため、親指でボール16を押圧する代わりに、人
差し指で第1のキートップ88を押圧操作して第1のス
イッチ素子81をオンさせてもよい。また、必要に応じ
て人差し指で第2のキートップ89を押圧すると、第2
のスイッチ素子82がオンとなり、前記選択操作のキャ
ンセルが行われる。なお、これら第1および第2のキー
トップ88,89の押圧操作は、必ずしも人差し指で行
う必要はなく、ケーシング12を把持したときに操作し
やすい指、例えば中指で操作してもよい。
【0036】この一実施例においては、モード切り換え
手段19のアクチュエータ52によりモードがマウスモ
ードとトラックボールモードとで切り換わる動作点(第
1の直線L1と第2の直線L2)を、ケーシング12の
開口11が水平線Hより下方を向いている領域内に設定
したため、ケーシング12を手に持って傾けて使用する
場合には、確実にトラックボールとして機能するように
なり、所望のカーソル移動が可能である。
【0037】このように構成した本発明の一実施例にあ
っては、ボール16が配設される位置よりY軸方向に偏
倚したシャーシ14の両側端から突出する円柱突起7
5,76を第1のケース22に形成した軸受となる凹部
77,78に遊嵌させて回動軸(回動中心)とし、この
回動軸とボール16をはさんでY軸方向において反対側
に位置するシャーシ14と一体化された基板13にスイ
ッチ素子83を取り付け、このスイッチ素子83と対向
する押圧体90を第2のケース25の内側に設けたの
で、ボール16を押圧すると、回動軸を中心としてシャ
ーシ14と基板13とからなるベースが回動し、この回
動により押圧体90が対向して配置されたスイッチ素子
83を押圧し、スイッチ素子83の投入が確実に行われ
る。
【0038】また、スイッチ素子83が押圧体90によ
り押圧操作される構成は、前記回動軸(円柱突起75,
76)を支点、ボール16の配設位置を力点、スイッチ
素子83の位置を作用点としたてこの原理を使ったもの
となっているため、この三点のいずれかの位置、例えば
基板13に載置されるスイッチ素子83の位置を変える
ことにより、ボール16を押圧したときにスイッチ素子
83がオンとなる押圧力(作動力)適宜変更することが
でき、顧客やユーザーの様々な要求に容易に対応するこ
とができる。
【0039】さらに、この一実施例では、光学素子3
5,36,45,46や波形整形回路84、マイクロプ
ロセッサ85等の回路部品が実装された基板13にすべ
てのスイッチ素子81〜83もマウントしているので、
ボール16を押圧したときに投入されるスイッチ素子の
ために別途基板を設ける必要がなく、したがって、回転
量検出手段や信号処理回路がマウントされる基板とスイ
ッチ素子がマウントされる基板とを接続する配線も不要
であり、組立作業性の向上が図れる。
【0040】しかしながら、本発明はすべての電気部品
を同一の基板にマウントしたX−Y方向入力装置に限ら
れるものではなく、別途スイッチ素子をマウントする基
板を設けてもよい場合には、図1の第2のケース25の
内側にスイッチ素子を別基板を介して取り付け、基板1
3にこのスイッチ素子を押圧操作する押圧体(スイッチ
アクチュエータ)を設けることもできる。
【0041】また、上記一実施例にあっては、第1およ
び第2のスイッチ素子81,82の中心線を結ぶ直線
を、前記ボール16への押圧力によって回動する基板1
3およびシャーシ14の回動中心軸の軸線とY軸方向
(軸線と直交する方向)において一致させたので、トラ
ックボールモード時にボール16を強く押圧してもスイ
ッチ素子81,82がオンとなってしまうことがなく、
スイッチ素子81,82の誤入力を防止することができ
る。なお、第1および第2のスイッチ素子81,82の
中心線を結ぶ直線は、回動中心軸の軸線とその直交方向
において必ずしも完全に一致している必要はなく、両直
線が近接していれば、実用上問題のないレベルでスイッ
チ素子81,82の誤入力を防止することができる。
【0042】さらに、上記一実施例では、前記コイルバ
ネ92のバネ定数をスイッチ素子83のオン荷重より大
きく、かつスイッチ素子83の耐荷重より小さくなるよ
うに設定し、また、前記第2のケース25にボール16
の力を受けるストッパ筒体95を設けたので、コイルバ
ネ92がダンパー機能を、ストッパ筒体95がストッパ
機能を果たし、ボール16に必要以上の力が加えられて
もスイッチ素子83に耐荷重以上の力が加わることはな
く、したがって、スイッチ素子83の破壊を防止でき
る。
【0043】なお、上記一実施例では、前記シャーシ1
4の両側端から回動軸となる円柱突起75,76を突出
させ、これら円柱突起75,76を軸受となる第1のケ
ース22に形成した凹部77,78にそれぞれ遊嵌させ
ることにより基板13とシャーシ14とからなるベース
を回動可能としたが、これとは逆に、ケーシング12の
対向する両内面に回動軸としての円柱突起を突出させ、
この円柱突起をシャーシ14の両側端に形成した軸受と
なる凹部に遊嵌させてベースを回動可能としてもよい。
【0044】図10は本発明の第2実施例に係わるX−
Y方向入力装置のY軸方向に沿った概略断面図である。
図10に示すX−Y方向入力装置は、第1実施例のマウ
ス兼用トラックボールと異なり、マウスモードを備えて
いないトラックボールである。また、ベースの回動中
心、スイッチ素子およびボールの配設位置を第1実施例
と異ならしめている。
【0045】この第2実施例のX−Y方向入力装置は、
マウスモードを備えていないため、モード切り換え手段
やマウスモードのときに操作するスイッチ素子等は有し
ていないが、ボールの回転量検出手段等は第1実施例の
ものと同様であるため、重複する部分の詳細説明は適宜
省略する。
【0046】この実施例のX−Y方向入力装置は、第1
実施例と同様、図10に示すように、開口101を有
し、外形をなす図10の左右方向(Y軸方向)に長い略
直方体状のケーシング102と、このケーシング102
に内蔵される基板(印刷配線基板)103と、この基板
103に両端がスナップ止めされ、基板103とともに
ベースを構成する略正方形状のシャーシ104と、前記
基板103およびシャーシ104に形成された丸孔10
5,106に一部(下部)が露出し、他の一部が前記開
口101より突出するボール107と、前記シャーシ1
04に設けられ、前記ボール107のY軸方向およびX
軸方向の回転量をそれぞれ検出する回転量検出手段(ロ
ータリエンコーダ)108,109とを備えている。
【0047】X軸方向の前記ロータリエンコーダ109
は、前記シャーシ104の軸受部110,110により
回転可能に支持される回転軸111と、この回転軸11
1に設けられ、ボール107と接触してボール107の
回転に伴って回転するローラ112と、前記回転軸11
1の一端に設けられ、前記ボール107のX軸方向の回
転量を検出する回転量検出部113とからなっている。
Y軸方向のロータリエンコーダ108も同様、軸受部1
14に支持される回転軸115と、ボール107と接触
してボール107の回転に伴って回転するローラ116
と、前記回転軸115の一端に設けられ、ボール107
のY軸方向の回転量を検出する回転量検出部117とか
らなっている。なお、回転量検出部113,117は、
第1実施例と同様、図示は省略するが、スリット円盤、
発光素子および受光素子とを備えている。また、シャー
シ104には、ボール107に当接する半球状の突起
(図示せず)が一体に形成されており、この突起と前記
ローラ112,116とで前記ボール107が三点支持
されている。
【0048】前記ケーシング102は、下ケース118
と上ケース119とからなっており、両ケース118,
119は図示省略したねじにより一体化されている。下
ケース118には、前記丸孔105,106を介して前
記ボール107と対向するストッパ筒体120が一体に
形成されている。また、上ケース119には、前記基板
103にマウントされたスイッチ素子121と対向し、
ボール107が押されたときスイッチ素子121を押圧
する押圧体122が設けられている。この押圧体122
は、円筒体123、この円筒体123に一端が挿入さ
れ、上下動可能なつば付きの操作軸124、前記円筒体
123と操作軸124のつば部125との間に設けられ
るコイルバネ126とからなっており、詳細構成は第1
実施例の押圧体90と同様であるため、これ以上の説明
は省略する。なお、第1実施例と同様、コイルバネ12
6がダンパー機能を、ストッパ筒体120がストッパ機
能を果たし、ボール107に必要以上の押圧力がかけら
れてもスイッチ素子121が破壊しないようにになって
いる。このため、前記コイルバネ126のバネ定数は、
ダンパー機能を果たすべく、スイッチ素子121のオン
荷重より大きく、かつスイッチ素子121の耐荷重より
小さくなるように設定されている。
【0049】前記ボール107が三点支持されている位
置からY軸方向、すなわち、図10の右側に所定の距離
偏倚した前記シャーシ104の両側端からは円柱突起1
27が突出しており、これらの円柱突起127は下ケー
ス118の両側面に形成された凹部128に遊嵌され、
上ケース119の両側面に形成された突起129により
上方から押さえられている。これによって、両ケース1
18,119が一体化された状態において、前記円柱突
起127が凹部128から抜け出すことが防止されると
ともに、円柱突起127が回動軸、凹部128が軸受と
なり、この円柱突起127を中心としてシャーシ104
および基板103が矢印Cに示すように所定角度だけ回
動可能となっている。また、前記スイッチ素子121
は、前記円柱突起127よりもさらにY軸方向に偏倚し
た前記基板103にはんだ付けにて固定されている。
【0050】さらに、前記円柱突起127とY軸方向に
おいて一致する前記基板103には、前記スイッチ素子
121とは別のスイッチ素子(図示せず)がマウントさ
れており、この別のスイッチ素子はキートップ130に
て外部より押圧操作可能となっている。また、基板10
3には、両スイッチ素子および回転量検出部113,1
17の信号を処理する図示しない処理回路を構成する部
品が搭載されている。
【0051】このように構成された第2実施例のX−Y
方向入力装置を使用する場合、ケーシング102を机な
どに載置するか片手に持って操作する。ここでは、ケー
シング102を右手に把持して操作する場合について述
べる。まず、親指でボール107を回転させることによ
り、ケーシング102に接続された図示しないディスプ
レイ装置に表示されるカーソルを所望の位置まで移動さ
せ、カーソルが所望の位置に達したところで、ボール1
07の回転操作を止め、そのまま親指でボール107を
押圧する。これにより、前述したように基板103およ
びシャーシ104が円柱突起127を支点として回動
し、スイッチ素子121が押圧体122により押圧され
オンとなってメニュー等の選択操作が行われる。ここ
で、もしスイッチ素子121がオンとなった後も続けて
強い力をボール107に加えたとしても、第1実施例と
同様、コイルバネ126によるダンパー機能が働き、最
終的には、ボール107への押圧力をストッパ筒体12
0で受けるので、スイッチ素子121が破壊されること
はない。また、キートップ130により操作される図示
しない別のスイッチ素子は、前述したようにその配設位
置をY軸方向において基板103およびシャーシ104
の回動中心と一致させているため、ボール107を押圧
しても、この別のスイッチ素子がオンとなることはな
い。なお、必要に応じてやはり親指で前記キートップ1
30を押圧すると、別のスイッチ素子がオンとなり、前
記選択操作のキャンセルが行われる。
【0052】このように構成した本発明の第2実施例に
あっても、ボール107が配置される位置よりY軸方向
に偏倚したシャーシ104の両側端から突出する円柱突
起127を下ケース118に形成した軸受となる凹部1
28に遊嵌させて回動軸(回動中心)とし、この回動軸
よりさらにY軸方向に偏倚した基板103上にスイッチ
素子121を設け、このスイッチ素子121と対向する
押圧体122を上ケース119の内側に設けたので、ボ
ール107を押圧すると、回動軸を中心として基板10
3とシャーシ104とからなるベースが回動し、この回
動により押圧体122が対向して配置されたスイッチ素
子121を押圧し、スイッチ素子121の投入が確実に
行われる。
【0053】また、この第2実施例においても、回転量
検出部113,117等の信号を処理する回路部品が実
装された基板103にすべてのスイッチ素子もマウント
しているので、ボール107を押圧したときに投入され
るスイッチ素子121のために別途基板を設ける必要が
なく、したがって、回転量検出手段や信号処理回路がマ
ウントされる基板とスイッチ素子がマウントされる基板
とを接続する配線も不要であり、組立作業性の向上が図
れる。
【0054】さらに、上記第2実施例にあっては、別の
スイッチ素子の中心を、前記ボール107への押圧力に
よって回動する基板103およびシャーシ104の回動
中心軸の軸線とY軸方向において一致させたので、ボー
ル107を強く押圧しても別のスイッチ素子がオンとな
ってしまうことがなく、このスイッチ素子の誤入力を防
止することができる。また、前述した第1実施例と同様
に、別のスイッチ素子の中心を、回動中心軸の軸線とそ
の軸線と直交する方向において近接させてもよい。
【0055】なお、上記第2実施例でも、第1実施例と
同様、前記コイルバネ126のバネ定数をスイッチ素子
121のオン荷重より大きく、かつスイッチ素子121
の耐荷重より小さくなるように設定し、また、前記下ケ
ース118にボール107の力を受けるストッパ筒体1
20を設けたので、コイルバネ126がダンパー機能
を、ストッパ筒体120がストッパ機能を果たし、ボー
ル107に必要以上の力が加えられてもスイッチ素子1
21に耐荷重以上の力が加わることはなく、したがっ
て、スイッチ素子121の破壊を防止できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベースに、ボールが配設された位置より偏倚した位置に
回動部を、ボールおよび回動部のいずれよりも偏倚した
位置にスイッチおよびスイッチアクチュエータのいずれ
か一方を設け、このスイッチおよびスイッチアクチュエ
ータのいずれか一方と対向してスイッチおよびスイッチ
アクチュエータのいずれか他方をケーシング内に設けた
ため、ボールを押圧すると、回動部を中心としてベース
が回動し、この回動により対向して配置されたスイッチ
とスイッチアクチュエータとが当接し、スイッチの入力
が確実に行われる。また、従来のように基板を平行に上
下動させるための案内軸等の機構が不要となり、入力装
置本体の小型化を図ることができる。
【0057】また、ベースの一部を印刷配線基板で構成
し、この印刷配線基板にスイッチを取り付けた場合に
は、スイッチのために別途基板を設ける必要がなく、し
たがって、回転量検出手段がマウントされる基板とスイ
ッチがマウントされる基板とを接続する配線も不要とな
り、組立作業性も向上される。
【0058】さらに、スイッチをプッシュスイッチで構
成し、スイッチアクチュエータがボールの押圧力方向に
スライド移動可能なスイッチ押圧部と、このスイッチ押
圧部を所定の位置に押し戻すバネ部材とを備えており、
このバネ部材のバネ定数を前記プッシュスイッチのオン
荷重より大きく、かつ耐荷重より小さくなるように設定
した場合には、ボールに必要以上の押圧力が加えられて
もダンパー機能によりプッシュスイッチの破壊を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わるX−Y方向入力装
置であるマウス兼用トラックボールの縦断面図である。
【図2】図1のX−Y方向入力装置の内部を透視して第
1のケース側から見た平面図である。
【図3】図1のX−Y方向入力装置に備えられる制御回
路のブロック図である。
【図4】図1のX−Y方向入力装置の側面図である。
【図5】図1のX−Y方向入力装置の第2のケース側か
ら見た平面図である。
【図6】図1のX−Y方向入力装置に備えられるモード
切り換え手段を示す説明図である。
【図7】図6のモード切り換え手段の動作説明図であ
る。
【図8】モードが切り換わる動作点を示す説明図であ
る。
【図9】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係わるX−Y方向入力
装置のY軸方向に沿った概略断面図である。
【図11】従来のX−Y方向入力装置を示す断面図であ
る。
【図12】図11のX−Y方向入力装置の操作時を示す
断面図である。
【図13】図11の作動部を示す平面図である。
【符号の説明】
11 開口 12 ケーシング 13 基板(印刷配線基板) 14 シャーシ 16 ボール 17,18 ロータリエンコーダ(回転量検出手段) 19 モード切り換え手段 33,43 ローラ 34,44 スリット円盤 35,45 発光素子 36,46 受光素子 68 突起 75,76 円柱突起 77,78 凹部 83 第3のスイッチ素子 84 波形整形回路 85 マイクロプロセッサ 90 押圧体(スイッチアクチュエータ) 91 円筒体 92 コイルバネ(バネ部材) 93 操作軸 94 つば部(スイッチ押圧部) 95 ストッパ筒体 96 突起 97,98 ストッパ爪 101 開口 102 ケーシング 103 基板 104 シャーシ 105、106 丸孔 107 ボール 108、109 ロータリエンコーダ(回転量検出手
段) 112,116 ローラ 113,117 回転量検出部 120 ストッパ筒体 121 スイッチ素子 122 押圧体(スイッチアクチュエータ) 123 円筒体 124 操作軸 125 つば部(スイッチ押圧体) 126 コイルバネ(バネ部材) 127 円柱突起 128 凹部 129 突起

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口を有し、外殻をなすケーシングと、
    このケーシング内に回転可能に設けられ、一部が前記開
    口より突出するボールと、このボールのX軸方向および
    Y軸方向の回転量をそれぞれ検出する一対の回転量検出
    手段と、前記一対の回転量検出手段が取り付けられ、前
    記ボールを支持するベースと、前記ボールを押圧するこ
    とにより入力されるスイッチとを有するX−Y方向入力
    装置において、前記ベースには、前記ボールへの押圧力
    により前記ベースが回動されるべく、前記ボールが配設
    された位置より偏倚した位置に、前記ベースの両側端か
    ら突出する回動部が前記ケーシング内に形成した凹部に
    遊嵌され、さらに、前記ボールおよび回動部のいずれよ
    りも偏倚した前記ベース上の位置に前記スイッチおよび
    スイッチアクチュエータのいずれか一方を設け、このス
    イッチおよびスイッチアクチュエータのいずれか一方と
    対向して前記スイッチおよびスイッチアクチュエータの
    いずれか他方を前記ケーシング内に設けたことを特徴と
    するX−Y方向入力装置。
  2. 【請求項2】 前記ベースは少なくとも一部が印刷配線
    基板で構成されており、この印刷配線基板に前記スイッ
    チが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載
    のX−Y方向入力装置。
  3. 【請求項3】 前記スイッチはプッシュスイッチで構成
    され、前記スイッチアクチュエータはボールの押圧力方
    向にスライド移動可能なスイッチ押圧部と、このスイッ
    チ押圧部を所定の位置に押し戻すバネ部材とを備え、こ
    のバネ部材のバネ定数が前記プッシュスイッチが入力さ
    れるオン荷重より大きく、かつ耐荷重より小さくなるよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項2記載のX
    −Y方向入力装置。
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