JP3108187B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP3108187B2
JP3108187B2 JP04073735A JP7373592A JP3108187B2 JP 3108187 B2 JP3108187 B2 JP 3108187B2 JP 04073735 A JP04073735 A JP 04073735A JP 7373592 A JP7373592 A JP 7373592A JP 3108187 B2 JP3108187 B2 JP 3108187B2
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賢治 中井
晃二 東本
健介 弘中
他▲く▼美 早川
昭夫 小牧
偉文 中長
正俊 谷口
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新神戸電機株式会社
大塚化学株式会社
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリチウム二次電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の小型化及び軽量化に伴
い、エネルギー密度の高い二次電池が求められている。
エネルギー密度の高い二次電池の一つとして、五酸化バ
ナジウム(V25 )を主成分とする正極活物質層とリ
チウム(Li)を含有する負極活物質層とを電解質を介
して積層したリチウム二次電池が知られている。このリ
チウム二次電池は次のような反応式により充放電を繰り
返す。
【0003】
【化1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より充放電を繰り
返しても容量を高く維持できるリチウム二次電池を得る
ことが課題となっている。図3は典型的なリチウム二次
電池のサイクル寿命特性を示す図である。リチウム二次
電池は初期充放電時期(この例では0〜20サイクル)
に大きく放電容量が低下し(初期の放電容量低下)、あ
る程度充放電回数が進むと(この例では200サイクル
程度)再度放電容量が大きく低下する(終期の放電容量
低下)。放電容量の低下する原因の一つとしてリチウム
二次電池の過放電が考えられる。放電が進行して電池が
過放電状態になり、放電生成物(LiX25)のX
値が許容範囲(正極活物質の充放電可逆領域)を超える
と、電池を再充電してもこの放電生成物は充電生成物
(V25 )に戻らなくなる。
【0005】これは、正極活物質(V25 )の層の間
に過剰に挿入されたリチウムイオン(Li)がV2
5の原子配列を乱して充電時にLiが脱離できなくな
るためであると考えられる。そのため、電池過放電が繰
り返されると正極及び負極の活物質利用率が低下して電
池の放電容量が低下することになる。しかしながら充放
電初期においてはある程度の量のリチウムが放電生成物
中に残留するだけであるが、ある程度充放電が繰り返さ
れてた後では過放電が起きるとリチウムの残留量が増大
して寿命を短くする。
【0006】本発明の目的は、充放電を繰り返しても放
電容量が低下しにくく、しかも長寿命のリチウム二次電
池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は五酸化バナジウム(V25のキセロゲ
を主成分とする正極活物質層とリチウム(Li)を含
有する負極活物質層とが電解質を介して積層されたリチ
ウム二次電池を対象として、負極活物質層のリチウムが
放電反応により全て放電生成物(LiX25 )に変
化したと仮定したときの放電生成物のX値が1.15以
上1.50以下になるように負極活物質層のリチウム含
有量を決める。具体的には、負極活物質層のリチウムの
重量Amgと正極活物質層のV25の重量Bmgとが次式
の関係になるように負極活物質層のリチウムの重量Amg
を決める。
【0008】
【数1】
【0009】
【作用】発明者は、五酸化バナジウム(V 2 5 )のキ
セロゲルを主成分とする正極活物質層とリチウム(L
i)を含有する負極活物質層とが電解質を介して積層さ
れたリチウム二次電池においては、実験により放電生成
物(LiX25 )の充放電可逆領域の上限値がほぼ
X=1.50であることを見出だした。X値が1.50
以下であれば放電生成物は電池を充電することにより
大部分が元の充電生成物に戻る。そこで本発明のよう
負極活物質層のリチウムが放電反応により全て放電
生成物(LiX25 )に変化したと仮定したときの
放電生成物のX値が1.50以下になるように負極活物
質層のリチウム含有量を決めると、過放電状態になるこ
とはなく、仮に電池が完全に放電したとしても、電池を
充電することにより放電生成物はほとんど再び充電生成
物に戻る。そのため、本発明の電池に充放電を繰り返し
ても電池の容量を高く維持できる。X値を小さくし過ぎ
ると、容量が低下し過ぎる問題が生じるが、放電生成物
(LiX25 )のX値が1.15以上になるように
負極活物質層のリチウム含有量を決めると、必要な容量
を維持できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本発明を偏平形の高分子固体電解質
リチウム二次電池に適用した実施例の概略断面図であ
る。図1において、1は正極集電体、2は正極活物質
層、3は固体電解質層、4は負極活物質層、5は負極集
電体、そして6はホットメルトである。
【0011】正極集電体1は厚み約30μm のニッケル
等の金属箔により形成されている。正極活物質層2はキ
セロゲル膜の五酸化バナジウム(V25 ・nH2 O)
により形成されている。この正極活物質層2は、非晶質
五酸化バナジウム(V25)を2〜3重量%の割合で
蒸留水に溶かした溶液を正極集電体1の一方の面1aの
中央部分にスクリーン印刷等で塗布し、これを乾燥させ
て得た。ちなみに正極活物質層2の厚みは約10μm で
あった。この正極活物質層2は正極集電体1の表面1a
上に正極活物質層2を囲む外周端面1bを残すように形
成されている。固体電解質層3は正極活物質層2上に密
着した状態で形成されており、具体的にはポリホスファ
ゼン誘導体の一種であるメトキシオリゴエチレンオキシ
ポリホスファゼン(MEP7)に過塩素酸リチウム(L
iClO4 )1mol/dm3 を溶解した混合物により形成さ
れている。ちなみに固体電解質層3の厚みは100μm
であった。負極活物質層4は厚みが10μm でリチウム
含有重量2%のリチウム−アルミニウム合金箔により構
成されており、負極集電体5の一方の面5a上に外周端
面5bを残すように配置されている。負極活物質層4の
リチウム−アルミニウム合金箔中のリチウム(負極活物
質)の重量は負極活物質層のリチウムが放電反応により
全て放電生成物(LiX25 )に変化したと仮定し
たときの放電生成物のX値が1.15以上1.50以下
になるように定められている。具体的には、正極活物質
層2中のV25 (正極活物質)の重量の4.42×1
−2倍以上5.77×10−2 倍以下の範囲の重量で
ある。負極集電体5は厚み20μm の正極集電体1と同
材質の金属箔である。正極集電体1及び負極集電体5
は、それぞれ電池の外装ケースの一部を構成し、且つ端
子の機能を果たしている。ホットメルト6は、加熱され
ると表面側から溶融して接着性を示す枠部材である。こ
のホットメルト6は集電体1及び5の外周端面1b及び
5bに対応した輪郭が矩形状を呈するリングであり、具
体的にはポリオレフィン系樹脂から形成されている。集
電体1及び5の外周端面1b及び5bがホットメルト6
に接続されて電池が組み立てられている。
【0012】本実施例のリチウム二次電池の特性を調べ
るために製造した各種の電池a〜dは次の通りである。
電池a及びbは本実施例の電池であり、電池c及びdは
比較例の電池である。各電池a〜dの負極活物質層中の
リチウム重量は、各電池が完全放電したと仮定して生成
された放電生成物(LiX25 )のX値がそれぞれ
1.15、1.50、0.60、1.90になる重量で
ある。具体的には、各電池a〜dの正極活物質層中のV
25 の重量を28mgにして、各電池の負極活物質層
中のリチウムの重量をそれぞれ1.24mg、1.62m
g、0.65mg、2.05mgにした。尚、電池a〜dは
負極活物質層以外の構成はいずれの電池も同じ構成にな
っている。
【0013】各電池a〜dに25μA/cm2 (25℃)で
1.0Vになるまで放電した後に、25μA/cm2 (25
℃)で4.2Vまで充電を行う充放電を繰り返して、各
電池の充放電回数と放電容量との関係(サイクル寿命特
性)を測定した。図2は測定結果を示している。図2か
ら放電生成物のX値が1.15を下回るように負極活物
質量を決めた比較例の電池cでは、本実施例の電池a及
びbに比べて放電容量が低くなるのが判る。また放電生
成物のX値が1.50を超えるように負極活物質量を決
めた比較例の電池dでは、本実施例の電池a及びbに比
べて少ない充放電回数(200サイクル)で放電容量が
急激に低下してしまうのが判る。これは電池dが電池a
及びbに比べて過放電状態になりやすいためである。
尚、図2から見ると本実施例の電池a及びbの前述した
初期の放電容量低下量は、4.5mAh −3mAh =1.5
mAh である。この数値より、本実施例の電池a及びbの
初期の放電容量低下をもたらした残留リチウムの放電生
成物中における含有重量率C%は、次式により算出する
ことができる。
【0014】
【数2】
【0015】
【発明の効果】本発明に係る五酸化バナジウム(V 2
5 )のキセロゲルを主成分とする正極活物質層とリチウ
ム(Li)を含有する負極活物質層とが電解質を介して
積層されたリチウム二次電池においては、負極活物質層
のリチウムが放電反応により全て放電生成物(LiX
25 )に変化したと仮定したときの放電生成物のX値
が1.50以下になるように負極活物質層のリチウム含
有量を決めるので、仮に電池が完全に放電したとして
も、電池を充電することにより放電生成物はほとんど再
び充電生成物に戻る。そのため、本発明の電池に充放電
を繰り返しても電池の容量を高く維持できる。しかも放
電生成物(LiX25 )のX値が1.15以上にな
るように負極活物質層のリチウム含有量を決めるので、
必要な容量を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のリチウム二次電池の概略断面
図である。
【図2】試験に用いた電池の充放電回数と放電容量との
関係を示す図である。
【図3】一般的なリチウム二次電池の充放電回数と放電
容量比との関係を示す図である。
【符号の説明】
2…正極活物質層、3…固体電解質層、4…負極活物質
層。
フロントページの続き (72)発明者 弘中 健介 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新 神戸電機株式会社内 (72)発明者 早川 他▲く▼美 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新 神戸電機株式会社内 (72)発明者 小牧 昭夫 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新 神戸電機株式会社内 (72)発明者 中長 偉文 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大塚化学株式会社 徳島研究所内 (72)発明者 谷口 正俊 大阪府大阪市中央区大手通3丁目2番27 号 大塚化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−114465(JP,A) Nobuya Machida,et al.,”Behavior of Rapidly Quenched V ▲下2▼O▲下5▼ Glass at Cathode in Lithiu m”,Journal of Elec trochemical Societ y,August 1989,Vol.136, No.8,p.2133−2136 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/40 - 4/58 H01M 4/02 - 4/04 H01M 10/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】五酸化バナジウム(V25のキセロゲ
    を主成分とする正極活物質層とリチウム(Li)を含
    有する負極活物質層とが電解質を介して積層されたリチ
    ウム二次電池において、 前記負極活物質層のリチウムが放電反応により全て放電
    生成物(LiX25 )に変化したと仮定したときの
    前記放電生成物のX値が1.15以上1.50以下にな
    るように前記負極活物質層のリチウム含有量が決められ
    ていることを特徴とするリチウム二次電池。
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Nobuya Machida,et al.,"Behavior of Rapidly Quenched V▲下2▼O▲下5▼ Glass at Cathode in Lithium",Journal of Electrochemical Society,August 1989,Vol.136,No.8,p.2133−2136

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