JP3108004B2 - 油圧制御弁の遠隔操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、油圧制御弁の遠隔
操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、船舶等において、巻上げ機等の油
圧機器の作動を制御する油圧制御弁を遠隔操作するの
に、油圧制御弁に直流モータを連動連結する一方、操作
盤に設けた操作レバーにポテンショメータを連動連結
し、同ポテンショメータの出力から操作レバーの操作方
向を検出して、同操作方向に対応した方向に上記直流モ
ータや交流モータ等を回動させ、油圧制御弁の作動限度
に達すると、この旨をリミットスイッチで検出して、直
流モータや交流モータ等の作動を停止させるようにして
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記船舶等
に用いられる油圧機器では、前記リミットスイッチの調
整不良や塩分による錆付きや腐食のために、同リミット
スイッチの作動不良を起しやすく、そのため、同スイッ
チが油圧制御弁が作動限度に達したことを検出できない
場合は、前記モータ等に過大な電流が流れてモータ等の
焼損や、減速ギヤ等の破損を招くという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、油
圧制御弁に連動連結したパルスモータと、同パルスモー
タに連動連結した作動量検出器と、操作盤に設けた操作
レバーに連動連結した操作量検出器と、上記作動量検出
器と操作量検出器との検出値に基づく演算結果を、パル
ス状の電力としてパルスモータに出力する制御部とを具
備して、操作レバーの操作に油圧制御弁の作動を追従さ
せる油圧制御弁の遠隔操作装置において、制御部を、差
動増幅器と、演算部と、パルスドライバとより構成し、
差動増幅器は、操作量検出器と作動量検出器との出力差
を演算部に出力し、演算部は、差動増幅器の出力に基づ
いて、エンコーダによって、正転の信号、逆転の信号、
停止信号のいづれか１つの信号をパルスドライバに出力
するとともに、パルスゼネレータによってパルス波をパ
ルスドライバに出力し、パルスドライバは、パルスゼネ
レータからのパルス波を、エンコーダからの信号に基づ
いて処理して、パルスモータに出力する油圧制御弁の遠
隔操作装置を提供せんとするものである。

【０００５】

【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。

【０００６】図１及び図２は、油圧駆動の巻上げ機Ｗ
に、本発明に係る油圧制御弁の遠隔操作装置Ａを適用し
た実施例を示しており、同巻上げ機Ｗは、ドラムW1に連
動連結した油圧モータを、油圧制御弁２を介して油圧ポ
ンプ８に連通連結しており、油圧制御弁２から突出した
操作軸９の軸端に取付けたハンドル10の操作によって油
圧制御弁２内部の流路を切換えて、巻上げ機Ｗに取付け
たワイヤ11の巻上げ・繰出し及び停止状態保持を可能に
している。

【０００７】遠隔操作装置Ａは、オペレータＢが入力す
る操作部１と、油圧制御弁２と連動連結した出力部３
と、制御部４とで構成されている。

【０００８】操作部１は、操作盤５に巻上げ機Ｗを操作
するための操作レバー６を傾動自在に立設し、同操作レ
バー６にポテンショメータ型の操作量検出器７を連動連
結し、同操作量検出器７の出力を、操作盤５中に配設し
た制御部４に伝達するようにしている。

【０００９】一方、上記油圧制御弁２の近傍に遠隔操作
装置Ａの箱体20を配設し、同箱体20の内部にパルスモー
タ21を配設して減速機22に連動連結し、同減速機22を減
速噛合歯車23を介して出力軸24に連動連結し、同出力軸
24を箱体20から前記操作軸９に対向して突出させ、同出
力軸24の先端にクランク25を連設して、同クランク25の
先端に連動フォーク26の基端を回動自在に枢着し、同連
動フォーク26の先端部に形成した二又部27の内部に、前
記ハンドル10の中途部を係脱自在に挟持することによ
り、遠隔操作装置Ａの出力軸24と油圧制御弁２とを連動
連結している。

【００１０】このように、連動フォーク26とハンドル10
とを係脱自在としたことにより、遠隔操作装置Ａと油圧
制御弁２とを連動させたり、遠隔操作装置Ａとは関係な
くハンドル10により油圧制御弁２を手動操作することが
できる。

【００１１】また、前記出力軸24には、操作量検出器７
と同一特性を有するポテンショメータ型の作動量検出器
28が連動連結しており、同作動量検出器28の出力を制御
部４に伝達するようにしている。

【００１２】制御部４は、差動増幅器30と、同差動増幅
器30に接続した演算部31と、演算部31とパルスモータ21
との間に接続したパルスドライバ32とで構成されてい
る。

【００１３】そして、上記差動増幅器30の反転入力端子
と非反転入力端子とにそれぞれ入力した前記各検出器7,
28の出力の差を検出して演算部31に出力させる。

【００１４】演算部31には、上記差動増幅器30に接続し
たエンコーダ33と、パルスドライバ32に接続したパルス
ゼネレータ34とを備えており、エンコーダ33で、前述し
た出力の差が、正の場合は正転の信号、負の場合は逆転
の信号、０の場合は停止信号をパルスドライバ32に向け
て出力し、パルスゼネレータ34は、トリマ等で設定され
た周波数のパルス波をパルスドライバ32に向けて出力す
る。

【００１５】パルスドライバ32は、上記の各信号に基づ
きパルスゼネレータ34からのパルスを処理して、上記各
信号に対応したパルスをパルスモータ21に出力し、同パ
ルスモータ21を正逆転又は停止させるようにしている。

【００１６】かかるパルスモータ21の作動は、減速機2
2、出力軸24及び連動フォーク26を介し、油圧制御弁２
の操作軸９に伝達される。従って、操作レバー６の操作
量と上記出力軸24の作動量との差が０になるように、操
作レバー６の操作に前記油圧制御弁２が追従作動するこ
とになる。

【００１７】このように、操作レバー６の操作量と、出
力軸24の作動量を検出して、操作レバー６の操作に遠隔
操作装置の出力軸24が追従作動するようにしたことによ
り、作動不良を起こしやすく、作動位置調整に手間がか
かるリミットスイッチを要せず、特に、同スイッチの作
動不良が原因のモータの焼付き等のトラブルを完全に防
止することができる。

【００１８】また、パルスモータ21で出力軸24を駆動し
ているので、例えば、出力軸24を中立ストッパなどで固
定した状態でパルスモータ21を作動させるなどの誤操作
が発生した場合でも、同パルスモータ21の焼損や減速機
22の破損が防止される。

【００１９】また、パルスモータ21の特性上、ヒステリ
シスが極めて小さいことから、操作レバー６の操作に対
する出力軸24の追従作動速度が非常に速く、しかも、パ
ルスモータ21を駆動するパルスの周波数を調整すること
により、上記追従作動速度を調整することができるので
自動制御に好適である。

【００２０】また、パルスモータ21のヒステリシスが極
めて小さいことから、操作レバー６と出力軸24との位相
差を極めて小さくすることができる。

【００２１】また、パルスモータ21で出力軸24を駆動し
ているので、操作レバー６の操作に対する出力軸24の追
従作動速度が極めて速く、しかも、パルスゼネレータ34
が発生するパルス出力の周波数をトリマ等で調整するこ
とにより、上記追従作動速度を調整することができるの
で、自動制御に好適である。

【００２２】なお、図２中、35はＤＣ２４Ｖ電源、36は
ＡＣ１００Ｖ電源、37はダイオード、38はブレーカを示
す。

【００２３】なお、本発明は、油圧制御弁の遠隔操作に
限定されず、位置決め制御に広く適用することができ
る。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得るこ
とができる。

【００２５】即ち、制御部を、差動増幅器と、演算部
と、パルスドライバとより構成し、差動増幅器は、操作
量検出器と作動量検出器との出力差を演算部に出力し、
演算部は、差動増幅器の出力に基づいて、エンコーダに
よって、正転の信号、逆転の信号、停止信号のいづれか
１つの信号をパルスドライバに出力するとともに、パル
スゼネレータによってパルス波をパルスドライバに出力
し、パルスドライバは、パルスゼネレータからのパルス
波を、エンコーダからの信号に基づいて処理して、パル
スモータに出力することによって、作動不良を起こしや
すいリミットスイッチの配設を要せず、また、同スイッ
チの作動位置の調整を要せず、同スイッチの不良による
モータの焼き付き等のトラブルを完全に防止することが
でき、かつ、出力軸の追従速度を速めることができる。

【００２６】また、パルスモータで出力軸を駆動してい
るので、例えば、出力軸を中立ストッパなどで固定した
状態でパルスモータを作動させるなどの誤操作が発生し
た場合でも、同パルスモータの焼損や減速ギヤ等の伝動
系が破損するなどのトラブルを防止することができる。

【００２７】また、パルスモータの特性上、ヒステリシ
スが極めて小さいことから、操作レバーの操作に対する
出力軸の追従作動速度が非常に速く、しかも、操作レバ
ーと出力軸との位相差を極めて小さくすることができ、
更に、パルスモータを駆動するパルスの周波数を調整し
て、追従作動速度を所望の値に調整することができるの
で自動制御に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る油圧制御弁の遠隔操作装置の構成
を示す一部切欠説明図。

【図２】同制御部の構成を示す説明図。

【符号の説明】

２ 油圧制御弁 ４ 制御部 ５ 操作盤 ６ 操作レバー ７ 操作量検出器 21 パルスモータ 28 作動量検出器

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧制御弁(2)に連動連結したパルスモ
   ータ(21)と、同パルスモータ(21)に連動連結した作動量
   検出器(28)と、操作盤(5)に設けた操作レバー(6)に連動
   連結した操作量検出器(7)と、上記作動量検出器(28)と
   操作量検出器(7)との検出値に基づく演算結果を、パル
   ス状の電力としてパルスモータ(21)に出力する制御部
   (4)とを具備して、操作レバー(6)の操作に油圧制御弁
   (2)の作動を追従させる油圧制御弁の遠隔操作装置にお
   いて、制御部(4)を、差動増幅器(30)と、演算部(31)と、パル
   スドライバ(32)とより構成し、 差動増幅器(30)は、操作量検出器(7)と作動量検出器(2
   8)との出力差を演算部(31)に出力し、 演算部(31)は、差動増幅器(30)の出力に基づいて、エン
   コーダ(33)によって、正転の信号、逆転の信号、停止信
   号のいづれか１つの信号をパルスドライバ(32)に出力す
   るとともに、パルスゼネレータ(34)によってパルス波を
   パルスドライバ(32)に出力し、 パルスドライバ(32)は、パルスゼネレータ(34)からのパ
   ルス波を、エンコーダ(33)からの信号に基づいて処理し
   て、パルスモータ(21)に出力する ことを特徴とする油圧
   制御弁の遠隔操作装置。