JP2563214B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

電動機の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はワンウェイクラッチ動作を実現する電動機の
制御装置に関する。
本発明の電動機の制御装置は例えば電動いか釣機に用
いることができ、機械式ワンウェイクラッチを用いずに
電動いか釣機にワンウェイクラッチ機能を実現できるも
のである。
「従来の技術」 従来、電動機による釣り糸の巻き上げ及び送り出しを
行う電動いか釣機においては、釣り糸を海中に送り出す
際に釣り糸がらみによって分銅(おもり)を巻取りドラ
ム周囲に振り回すという危険を防止するために、電動機
出力軸と巻取り軸すなわち巻取りドラムとの間に機械式
ワンウェイクラッチを設けている。
「発明が解決しようとする課題」 上述のような機械式ワンウェイクラッチは、構造が複
雑であり、かつワンウェイ動作時のトルク(ワンウェイ
トルク)調整が微妙であるために、故障が多くメンテナ
ンスも容易ではなく、またワンウェイ動作時には大きな
騒音が発生する。
また機械式ワンウェイクラッチを例えば電動いか釣機
に用いる場合には、電動いか釣機では比較的大きな伝達
力が必要となるため、装置の形状が大きく、重く、かつ
高価となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、機械式ワンウェイクラッチを用
いずに電動機の制御によりワンウェイクラッチ機能を実
現することにより、装置の小型化、軽量化、低価格化、
低騒音化、メンテナンスの容易化を図ることにある。
「課題を解決するための手段」 上述の課題を解決するために、本発明に係る電動機の
制御装置は、電動機の回転速度を指令する回転指令信号
を発生する回転指令信号発生手段と、前記電動機の実際
の回転速度を検出してそれに応じた回転速度信号を出力
する回転速度検出手段と、前記回転指令信号と該回転速
度信号とから速度誤差信号を求める速度誤差信号発生手
段と、前記速度誤差信号を電動機に供給するトルク電圧
に変換する速度−トルク変換手段と、前記回転指令信号
と前記回転速度信号との速度差が所定の回転方向である
か否かを判定し、前記回転指令信号と前記回転速度信号
との速度差が所定の回転方向であると判定された時に、
前記電動機のトルクを所定の低い値に制限するワンウェ
イクラッチ動作指令信号を発生するワンウェイクラッチ
動作指令手段と、前記ワンウェイクラッチ動作指令信号
に基づき前記速度−トルク変換手段の出力するトルク電
圧を所定の値に制限するトルク制御手段とを具備してな
る。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例としての電動機の制御装置
を電動いか釣機の動力機構に用いた場合の構成が示され
る。
電動いか釣機本体10から延びる巻取り軸11の端部に巻
取りドラム12を取り付け、巻取り軸11と電動機13の出力
軸18の間は、スプロケット14、15とチェーン16で連結す
る。
この電動機13の反負荷側の出力軸には該電動機13の回
転方向を含めた回転速度を検出するためのパルス発生器
17が取り付けられており、このパルス発生器17は電動機
13の回転速度に比例した周波数のパルス列を発生する。
この電動機13の制御装置の構成例が第2図に示され
る。
第2図において、回転指令電圧発生器1は巻取りドラ
ム12すなわち電動機13の出力軸18の回転速度を決定する
回転指令電圧を発生するための調節器であり、巻き上げ
時に0V〜+5V、送り出し時に0V〜−5Vの範囲の回転指令
電圧を操作者が任意に設定することができる。
この回転指令電圧は0Vで回転停止指令であり、+5Vと
−5Vでそれぞれ巻き上げ方向と送り出し方向の最大回転
速度指令を与える。
周波数/電圧変換器2は電動機13に取り付けられたパ
ルス発生器17からのパルス列の周波数を、電動機13の回
転速度を表す回転速度電圧に変換する回路である。
加算器3は回転指令電圧発生器1からの回転指令電圧
と周波数/電圧変換器2からの回転速度電圧を比較し
て、それらの差分である速度誤差電圧を出力する回路で
ある。
ここで周波数/電圧変換器2の出力電圧は、回転指令
電圧と回転速度電圧が一致したときに速度誤差電圧がゼ
ロとなるように回転速度電圧の符号が決められ、かつそ
の絶対値が調整されている。
すなわち、巻き上げ時の最大回転指令電圧+5Vに対し
て、電動機13がその指令された回転数にて回転した時
に、周波数/電圧変換器2から出力される回転速度電圧
が−5Vになるように調整されている。
速度トルク変換器4は、回転指令電圧と回転速度電圧
との比較によって加算器3で得られた速度誤差電圧をト
ルク電圧に変換する回路である。
すなわち、速度誤差電圧を電動機13が今現在必要な回
転トルクに匹敵するトルク電圧に置換する。
この速度トルク変換器4からのトルク電圧はトルク制
御回路5を経由して電力増幅器6にて増幅された後に、
電動機13に印加される。
トルク制御回路5は、速度トルク変換器4から入力さ
れたトルク電圧をそのまま通しか、あるいは或る小さな
値に制限するかの制御を行う回路であり、この切換えは
マイクロコンピュータ7からのワンウェイクラッチ動作
指令信号に応じて行う。
すなわちマイクロコンピュータ7から電動機13のワン
ウェイクラッチ動作を指令する信号がオンとなった時
に、トルク制御回路5は、入力されたトルク電圧を小さ
な値のワンウェイトルク電圧に制限するものである。
ここで電動機のワンウェイクラッチ動作は電動機13に
小さな値に制限された加速トルクを与える動作を意味
し、従ってワンウェイトルク電圧はこの小さな値に制限
された加速トルクに対応するトルク電圧を意味する。
このトルク制御回路5の構成例が第3図に示される。
第3図において、速度トルク変換器4から入力された
トルク電圧はトルク振幅制限器72に入力される。
このトルク振幅制限器72はトルク切換えスイッチ75に
より選択され入力された基準値の電圧レベルに入力トル
ク電圧の大きさを制限して出力する回路である。
トルク切換えスイッチ75はマイクロコンピュータ7か
らのワンウェイクラッチ動作指令信号がオンの時にワン
ウェイトルク基準値回路74からのワンウェイトルク基準
値を選択し、ワンウェイクラッチ動作指令信号がオフの
時には高トルク基準値回路73からの高トルク基準値を選
択してトルク振幅制限器72に与える。
ワンウェイトルク基準値は、前記したワンウェイトル
ク電圧に相当するもので、或る小さな値に制限された加
速トルク電圧である。
また高トルク基準値は電動機13の最大回転速度すなわ
ち回転トルク若しくは加速トルクを制限するためのもの
である。(過負荷による電動機の故障を防ぐのが目的で
ある。) マイクロコンピュータ7は電動機13に印加されるトル
ク電圧を制限するワンウェイクラッチ動作を行うか否か
の判断を行うものであり、回転指令電圧発生器1からの
回転指令電圧と加算器3からの速度誤差電圧が入力され
ており、これらの電圧信号を監視して、ワンウェイクラ
ッチ動作が必要であると判断した時にはトルク制御回路
5に与えるワンウェイクラッチ動作指令信号をオンにし
てワンウェイクラッチ動作を実行し、一方、不必要であ
ると判断した時にはワンウェイクラッチ動作指令信号を
オフにしてワンウェイクラッチ動作の解除を行う。
この実施例装置の動作が第4図を参照しつつ以下に説
明される。
ここで第4図はマイクロコンピュータ7によるワンウ
ェイクラッチ動作を行うか否かを決定する処理手順を示
す流れ図である。
なお、巻き取りドラム12に釣り糸を巻き取る時は、シ
ャクリ動作をともなうためワンウェイクラッチ動作は不
必要である。
電動いか釣機において、ワンウェイクラッチ動作が必
要な場合とは、巻取りドラム12から釣糸を送り出してい
る時にその巻取りドラム12の実際の回転速度が回転指令
値を越えていない場合であり、これは回転指令電圧がマ
イナスの時(すなわち送り出し時)の速度誤差電圧がマ
イナスとなっている時に相当する。
よって、マイクロコンピュータ7は回転指令電圧の符
号のプラス/マイナスを監視し(ステップS2)、これが
マイナスすなわち送り出し時であれば、さらに速度誤差
電圧の符号のプラス/マイナスを監視(ステップS3)、
これがマイナスであれば回転速度が小と判断して、ワン
ウェイクラッチ動作指令信号をオンにして電動機による
ワンウェイクラッチ動作を実行する(ステップS5)。
これによりトルク制御回路5は入力トルク電圧をワン
ウェイトルク基準値に制限して、小さなトルク電動機13
から出力するよう動作する。
すなわち電動機13を低トルク運転状態にする。
一方、上記以外の場合はすべてワンウェイクラッチ動
作信号を解除にする(ステップS4)。
これによりトルク制御回路5は入力トルク電圧をその
まま電動機13に印加して、大きな減速トルクを電動機13
から出力することによってその回転速度を抑えるように
動作する。
すなわち、電動機13を通常の高トルク運転状態にす
る。
本発明の実施にあたっては種々の変形形態が可能であ
る。
例えば上述の実施例ではマイクロコンピュータ7は回
転指令電圧発生器1からの回転指令電圧と加算器3から
の速度誤差電圧によりワンウェイクラッチ動作指令信号
のオン/オフを決定しているが、これに限られるもので
はなく、例えば回転指令電圧発生器1からの回転指令電
圧と周波数/電圧変換器2からの回転速度電圧とを入力
としてこれらに基づいてマイクロコンピュータ内部で速
度誤差電圧を演算する構成としてもよい。
また、ワンウェイクラッチ動作を行うか否かの判定手
段としてはマイクロコンピュータによりソフトウェア的
に行う他に、ハードウェア回路により論理演算で行うも
のであってもよい。
また上述の実施例では、速度トルク変換器で速度誤差
電圧からトルク電圧に変換した後の電圧を、トルク制御
回路でワンウェイクラッチ動作時に小さな値に制限する
ようにしているが、本発明はこれに限られたものではな
い。
例えばワンウェイクラッチ動作時に速度トルク変換器
に入力される速度誤差電圧を或る小さな値に制限するこ
とで、電動機のワンウェイクラッチ動作を実現するもの
であってもよい。
また速度誤差電圧の演算は、実施例のように加算器で
行うものの他、マイクロコンピュータに回転指令電圧と
回転速度電圧をA/D変換器を経て導き入れ、マイクロコ
ンピュータ内で速度誤差電圧の演算を行い、これをD/A
変換器を経て速度トルク変換器に与えるものであっても
よい。
また上述の実施例では本発明の電動機の制御装置を電
動いか釣機に適用した場合について説明したが、勿論、
これに限られるものではなく、電動機に機械式ワンウェ
イクラッチを使用している種々の産業分野に本発明を適
用することができる。
例えば巻取り装置の糸がらみ防止用などに本発明は有
効である。
但し、この場合には第4図の流れ図から回転指令電圧
の極性の判別(ステップS2)を削除することで、完全な
ワンウェイクラッチが実現できる。
回転指令電圧に対する電動機の回転速度の相対値(速
度誤差電圧)が巻き取り方向にある時(マイナスの極性
の時)は全て、ワンウェイクラッチ動作オンとなる。
「発明の効果」 以上に説明したように、本発明によれば、機械式ワン
ウェイクラッチ部分をすべて省けるため、機械式ワンウ
ェイクラッチに必要である微妙なトルク調整やワンウェ
イクラッチ動作時の大きな騒音からも逃れることができ
ると共に、機械構造上からも小型化、軽量化、低価格化
が可能となり、またメンテナンスも容易になる。
さらに本発明を電動いか釣機に適用した場合には次の
ようなメリットもある。
すなわち従来の電動いか釣機では、電動機と巻取り軸
との間にワンウェイクラッチがあったので、その滑りの
ために巻とりドラムからの釣り糸の送り出し量、すなわ
ち釣り糸先端の深度を電動機の回転数では管理すること
ができず、よって深度管理用のパルス発生器を巻取り軸
上に設けなければならず、そのために電動機の速度検出
用の速度発電機は深度管理用のパルス発生器とは別に電
動機出力軸上に設けなければならなかったが、本発明に
よれば、電動機出力軸上のパルス発生器にて釣り糸の深
度も管理できるので、その結果、検出器を一つ省くこと
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての電動機の制御装置を
電動いか釣機に適用した場合の動力機構の構成を示す
図、第2図は実施例の制御装置の構成例を示すブロック
図、第3図は実施例の制御装置のトルク制御回路の構成
例を示すブロック図、第4図は実施例におけるマイクロ
コンピュータの処理手順を示す流れ図である。 符号の説明 1:回転指令電圧発生器 2:周波数/電圧変換器 3:速度誤差電圧発生器 4:速度トルク変換器 5:トルク制御回路、6:電力増幅器 7:マイクロコンピュータ 10:電動いか釣機本体 11:巻取り軸 12:巻取りドラム 13:電動機 14:電動機スプロケット 15:巻取り軸スプロケット 16:チェーン 17:パルス発生器 72:トルク振幅制限器 73:高トルク基準値回路 74:ワンウェイトルク基準値回路 75:トルク切換えスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B66D 1/54 B66D 1/54 Z H02P 5/00 F H02P 5/00 A01K 79/00 D (56)参考文献 特開 昭53−75092(JP,A) 特開 昭61−33498(JP,A) 特開 平1−189704(JP,A) 特開 平2−163290(JP,A) 特開 平2−175570(JP,A) 実開 昭61−2789(JP,U) 実開 昭63−199570(JP,U) 実開 平1−105467(JP,U) 実開 平2−79391(JP,U) 特公 昭62−17477(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機(13)の回転速度を指令する回転指
    令信号を発生する回転指令信号発生手段(1)と、 前記電動機の実際の回転速度を検出してそれに応じた回
    転速度信号を出力する回転速度検出手段(2,17)と、 前記回転指令信号と該回転速度信号とから速度誤差信号
    を求める速度誤差信号発生手段(3)と、 前記速度誤差信号を電動機に供給するトルク電圧に変換
    する速度−トルク変換手段(4)と、 前記回転指令信号と前記回転速度信号との速度差が所定
    の回転方向であるか否かを判定し、前記回転指令信号と
    前記回転速度信号との速度差が所定の回転方向であると
    判定された時に、前記電動機のトルクを所定の低い値に
    制限するワンウェイクラッチ動作指令信号を発生するワ
    ンウェイクラッチ動作指令手段(7)と、 前記ワンウェイクラッチ動作指令信号に基づき前記速度
    −トルク変換手段の出力するトルク電圧を所定の値に制
    限するトルク制御手段(5)とを具備してなる電動機の
    制御装置。
  2. 【請求項2】ワンウェイクラッチ動作指令手段は速度誤
    差信号発生手段から速度誤差信号を得て判定を行うよう
    に構成された請求項1記載の電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】ワンウェイクラッチ動作指令手段は回転指
    令信号と該回転速度信号から差分演算を行って速度誤差
    信号を得て判定を行うように構成された請求項1記載の
    電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】電動機は電動いか釣機の動力機構に用いら
    れている請求項1、2または3記載の電動機の制御装
    置。
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CN103548793B (zh) * 2013-11-14 2015-05-20 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 一种延绳钓支线的整理装置

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