JP3107659U - 機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材、緩衝材又は鮮度保持材 - Google Patents

機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材、緩衝材又は鮮度保持材 Download PDF

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Abstract

【課題】 脱臭剤、抗菌剤等を別途設ける必要がなく、細菌の発生や繁殖をも防止しつつ、生鮮物の貯蔵、保存、輸送、販売などに至極好適に利用できる上、極めて容易に資源リサイクル効果を得ることができる安全性の高い機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材又は緩衝材を提供する。
【構成】 フィルム状ないしシート状の基材1が複数積層された積層シート材において、この基材1の少なくとも1つ或いは基材1と基材1の間には、少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質2が設けられて成る。
【選択図】 図1

Description

本考案は、生鮮物、特に生鮮食料品或いは植物等の貯蔵、保存、輸送、販売などに至極好適に利用できる上、再生利用がすこぶる容易であり、強度低下が生じ難く環境にも穏やかで、しかも安全性が極めて高い機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材、緩衝材又は鮮度保持材に関する。
従来より、フィルム状或いはシート状の基材が複数積層された積層シート材には、これを所望の形状に形成して生鮮物収納容器として使用したり、或いは、前記積層シート材を敷設することで緩衝材として使用するなど、多種多様ものが知られている。
例えば、鮮魚の貯蔵、保存、輸送、販売などに用いられる生鮮物収納容器としては、間伐材を製材した木材からなる木箱が用いられていたが、現代においては、間伐材の不足を解消するために、発泡スチロール製の生鮮物収納容器が多用されている。
しかし、発泡スチロール製の生鮮物収納容器は、これを合成樹脂製品の原料に再生するには膨大な処理費用が掛かるので、ほとんど再生されることなく、廃却処理され、環境破壊の原因となっている。
又、発泡スチロール廃棄物は嵩高い廃棄物であり、しかも、焼却による廃却処分には有害ガスが発生し、大気を汚染する恐れがある。このため、現在、発泡スチロール製の生鮮物収納容器は、廃棄物問題を通じて社会の厄介者になっている。
更に、発泡スチロール製の生鮮物収納容器を廃却処分することは、石油資源などの資源を次々と消費することになるので、資源の枯渇を早めることになり、将来に対する課題を残すことになる。
そこで、資源を再利用して枯渇を遅らせるという観点から、発泡スチロール製の生鮮物収納容器に代わり、後掲する特許文献1に開示されているように、紙、不織布、織布、有孔または無孔のプラスチックフィルム等の複合体から選ばれたシート状物体に、金属酸化物セラミックス微粒子または、重金属イオン含有酸化物セラミックス微粒子、有機高分子粘結剤を必須成分として含有している水性の分散体組成物を含浸または被覆せしめて抗菌性、脱臭性を有するシート状物体が提案されている。
特開平5−1936376号公報
しかしながら、この特許文献1のシート状物体においては、有孔のプラスチックフィルムが用いられているが、その要約には、「ドリップ吸収性を有する」、と記載されており、又、特許文献1、第2頁、左欄の[0001]において、「ドリップ吸収性を有するシート状物体」、との記載があり、更に、特許文献1、第2頁、左欄、下から2行目には、「生鮮食品等から惨出するドリップの吸収性」、との記載があり、特に、特許文献1の[0006]において、「ドリップ吸収体という観点から考えれば、プラスチックフィルム単体の使用では、その性能は期待できないために、プラスチックフィルムを使用する場合には、紙、不織布、織布等との複合体シートとして用いることが好ましい。」、と記載されているように、特許文献1に記載の有孔のプラスチックフィルムは通水性を有することが明らかである。
しかしながら、特許文献1に記載されている複合体はドリップ吸収体に利用されるので、容器内面に内張りされる合成樹脂製フィルムが通水性を有する結果、この通水性合成樹脂製フィルムを透過したドリップなどの水分を紙に吸収させるように構成している。
このため、生鮮物が保持している水分が紙に吸収され易く、生鮮物の品質が低下し易いという問題があった。
また、吸収された水分は、生ごみ同様、臭気が発生し易く、細菌の発生、繁殖を誘引し易いという問題もある。
一方、無孔の合成樹脂製フィルムを用いると、通気性がないので、上記問題は生じないが、生鮮物収納容器の内外にわたる空気の流通が遮断される結果、生鮮物収納容器内に収納した生鮮品の品質低下が早められたり、生鮮物収納容器内に臭気がこもったりするという課題が生じる。
特に、果物や生鮮野菜等の青果物更に生け花などの植物の場合、その保存中に呼吸に伴って植物ホルモンの一種であるエチレンガスを発生し、このエチレンガスが果物の追熟や植物の枯れを促進する結果、青果物や植物の長期保存性には適さないなどの致命的な課題がある。
そのため、上記生鮮物収納容器内に、脱臭剤、抗菌剤等を別途設けることもあるが、限られたスペース内で個々の生鮮物に近接させて上記脱臭剤、抗菌剤等を配置することはできず、その効果を十分に発揮できないという問題があった。
加えて、これら脱臭剤、抗菌剤等の設置スペースを要するうえ、当該脱臭剤等を一々収納するという手間を要するという問題もある。
本考案は、従来技術のこれらの課題を解決し、脱臭剤、抗菌剤等を別途設ける必要がなく、細菌の発生や繁殖をも防止しつつ、生鮮物の貯蔵、保存、輸送、販売などに至極好適に利用できる上、極めて容易に資源リサイクル効果を得ることができる安全性の高い機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材、緩衝材又は鮮度保持材を提供することを目的とする。
請求項1に係る機能性積層シート材においては、この目的を達成するため、フィルム状ないしシート状の基材が複数積層された積層シート材において、この基材の少なくとも1つ或いは基材と基材の間には、少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質が設けられて成ることを特徴とする。
このものでは、複数積層された基材と基材の間に、少なくとも活性炭等の粉末からなる機能性物質を設けているため、空気が流通する際に、この機能性物質を透過して活性化され、生鮮食料品や植物等の鮮度を長期間にわたって保持し、又、この活性炭に起因する遠赤外線の照射によって細菌や黴の発生ないし繁殖を抑制できる。
また、機能性積層シート材は、上記生鮮食料品等に敷設したり、或いは、生鮮食料品等を被覆するようにして設置されるため、機能性物質である活性炭の粉末が、生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、脱臭、除菌効果等を十分に発揮できる。
ここで、機能性物質である活性炭の粉末は、臭気成分を物理的に吸着すると共に、イオン化学反応的に収着する上、マイナスイオンを照射したり、遠赤外線照射機能を備えているので、至極優れた効率のよい消臭機能及び脱臭機能を備える上、後述するように殺菌機能、消毒機能、抗菌機能、防黴機能などの防疫的機能を備え、しかも、物理的吸着による調湿機能や吸水機能も備えているので、本考案の機能性物質として特に必須のものである。
なお、活性炭の原料としては、ヤシ殻、コーヒー殻、おから、籾殻、茶殻などが用いられるが、特に、ヤシ殻活性炭が望ましい。
請求項2に係る機能性積層シート材は、請求項1において、積層シート材が、通気性を有する紙層からなる基材と、その片面にラミネートされた通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材との二層構造に形成されていることを特徴とする。
このものでは、基材の一方が通規制を有する紙層であり、この紙層の片面に、通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムをラミネートした二層構造にしている。
この多孔質合成樹脂製フィルムは、通気性を有するが、通水性を有しないので、生鮮食料品等から漏出される水分等を保留して生鮮食料品等の乾燥を防止できる。また、二層構造のうち、食品などの種類に応じて、各層の機能に適した面を選択してリバーシブルに使用することができる。
ここで、多孔質合成樹脂製フィルムとしては、通気性を有するが、通水性を有しないものであれば特に限定されるものではなく、このような性質を有するものであれば発泡又は非発泡の通気性フィルムが挙げられる。
例えば、多孔質合成樹脂製フィルムとして、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体などが考えられるが、これらの中では、安価で、しかも使用後の生鮮物収納容器から製紙原料を再生する際に容易に細片への裁断やこう解ができる上、延伸によって極めて容易に、通気性を有するが、通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムが得られるなどの理由から、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂を用いるのが望ましい。
これらのうち、公知のリッシー法(L80−4000H型リッシー法透湿度測定器)により測定される透湿度が50〜3,500g/m2・24hrの範囲のものが好ましく、又、100〜2,750g/m2・24hrの範囲のものが一層好ましく、更に、150〜2,500g/m2・24hrの範囲のものが最も好ましい。
ここで、リッシー法とは、世界各国の工業規格に準拠した方法であり、所定の温度に保たれ、試料フィルムで区画された高湿度室から低湿度室に該試料フィルムを透過する水分により低湿度室の湿度が所定値だけ増加する時間を測定し、同じ条件で測定される透湿度が既知の標準フィルムのその時間と対比して試料フィルムの透湿度を求める方法である。
実際には、L80−4000H型リッシー法透湿度測定器を使用し、JIS Z0208で規定されている温度40℃で、相対湿度差90%RHの条件を満たすように、高湿度室(下部チャンバー)の相対湿度を水を充填することにより100%RHに保ち、この高湿度室と試料フィルム又は標準フィルムで区画された空の低湿度室(上部チャンバー)の相対湿度が10%RHを中心にして±1%RHの幅で増加する時間、即ち、9%RHから11%RHに増加するに要した時間を測定し、透湿度既知の標準フィルムについて測定された時間と試料フィルムのそれとを比較して試料フィルムの透湿度を求める方法である。
また、同じ透湿度でもその厚さによって、通水性を有する場合と、通水性を有しない場合があり、又、用いられる合成樹脂の疎水性(発水性)によっても異なるので、この点も配慮する必要がある。
この透湿度が50g/m2・24hr未満であると、容器本体を透過する空気(容器内の雰囲気)と機能性物質である活性炭(更に、他の機能性物質を添加する場合、活性炭と他の機能性物質)との接触効率が低くなり過ぎて、機能性物質を添加する効果が薄れるので好ましくなく、一方、3,500g/m2・24hrを超えると、生鮮物からの水分が内面層を透過して、紙層に滲み込み、当該紙層(容器本体)の強度を低下させるおそれがある上、機能性物質の有効期間が短縮される恐れがあるので好ましくない。
ところで、多孔質合成樹脂製フィルムの厚さは、特に限定されないが、10〜3,000μmとすることが好ましく、その厚さが、10μm未満であれば、必要な機械的強度が得られなくなる上、膜厚を均一にすることが困難になるので好ましくなく、一方、3,000μmを超えると、意味が無いだけでなく、コストが高く不経済である上、必要とされる通気性を得ることが困難になるので好ましくないのである。
一方、紙層としては、予め製紙された紙で構成してもよいが、後述するように、原料繊維をこう解して水に懸濁させ、所要の添加物の添加、仕上げのこう解による均質化、ろ過による粗大繊維や夾雑物の除去、濃度調整などの処理を施した原質(懸濁液)を、当該容器本体の形状をした金型に吹付け、要求される強度やコスト等に配慮しつつ、繊維を平らに絡み合わせて乾燥させるという手順で形成することもできる。
前記紙は、原料繊維を水に懸濁させ、水漉しをして薄く平らに絡み合わせた後乾燥させたものを言い、原料繊維としては、砕木パルプ、ケミグラウンドパルプ、サルファイドパルプ等の木材パルプ、コウゾ、ミツマタ、ガンピなどの靭皮繊維に代表される植物繊維が用いられるが、本考案においては、再利用されるレーヨンや再利用合成樹脂繊維が混じったものでもよい。
言い換えると、多孔質合成樹脂製フィルムと紙層とからなる本考案の機能性積層シート材を適当な大きさに裁断し、こう解、即ち、水中で機械力により叩いて紙層の紙に適した性質を与えることにより、再生利用することができるのである。
このように基材を紙層で構成しているので、使用済みの機能性積層シート材を、簡単に適当なサイズの小片に裁断して再生紙原料にすることができる。
そして、この再生紙原料を用いて、例えばこう解、サイズ液、目止剤、着色剤などの添加、仕上げのこう解(精整ともいう。)、スクリーンなどによるろ過などの工程を踏んで極めて容易に再生原質を得ることができる。
更に、この再生原質の水漉し、乾燥などの工程、あるいは、この再生原質の担持物への吹付け、乾燥などの工程を踏んで極めて容易に再生紙を製造することができる。
もちろん、上述のようにして得た再生紙原料、水漉し前の再生原質、あるいは再生紙の用途は、特に限定されるものではないが、本考案の基材として再生することもできる。
請求項3に係る機能性積層シート材は、請求項1において、積層シート材は三層の基材からなるサンドイッチ構造とし、その中間層からなる基材が少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質を設けた基材、或いは少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質の層であることを特徴とする。
このものでは、基材を三層構造とし、その中間層には、機能性物質を設けた基材を配置するか、或いは機能性物質の層が配置されたサンドイッチ構造にしており、この中間層だけに機能性物質を設けることによって、機能性積層シート材の全体強度を向上することができる。
活性炭の粉末からなる機能性物質の層は、活性炭の粉末を担持させる他、活性炭の粉末をシート状に成形したものでも良い。
請求項4に係る機能性積層シート材においては、請求項1ないし3のいずれか1項において、機能性積層シート材には、その内面に通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材を備えると共に、その外面に通水性を有しない外面層を積層していることを特徴とする。
このものでは、外面に通水性を有しない外面層を更に積層することで、通水性を確実に遮断して成るため、例えば、ミルクカートン紙のような液体の包装容器として使用することができる。
また、通水性を有しない外面層を片面にのみ積層して、例えば、植物の植木鉢として使用することもできる。
請求項5に係る機能性積層シート材においては、請求項1ないし4のいずれか1項において、機能性物質が活性炭と活性炭以外の機能性物質からなり、この活性炭以外の機能性物質が、殺菌機能(滅菌機能)、消臭機能、脱臭機能、消毒機能、抗菌機能、防黴機能、遠赤外線照射機能、酸化防止機能、脱酸素機能、エチレンガスなどの植物ホルモンガス吸着機能、調湿機能、吸水機能又は磁気発生機能から選ばれた少なくとも1種であることを特徴にしている。
このものでは、活性炭以外の機能性物質が更に付加されており、活性炭が保有する機能を強化或いは補填されるので一層望ましい。
この場合、活性炭以外の機能性物質(活性炭以外の機能性物質を含む全機能性物質)の量は、紙材料の種類、或いは作成後の機能性積層シート材に求められる強度によって、適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には、紙材料100重量部に対して、機能性物質5〜150重量部程度であることが好ましく、特に、7.5〜100重量部とするのが好ましい。
この活性炭以外の機能性物質としては、機能性積層シート材の用途、利用方法に応じて、脱臭剤、消臭剤、殺菌剤、抗菌剤、防黴剤、脱酸素剤等を、機能性物質である活性炭と共に、併用しても良く、これによって、各種機能の向上を実現できるのである。
このうち、酸化防止機能や脱酸機能を有する機能性物質、例えば鉄粉などの金属粉を主成分とする脱酸素剤の場合では、生鮮物収納容器内の酸素を吸収して低酸素濃度の雰囲気にして、酸化による生鮮物の劣化を防止できると共に、好気性微生物を死滅させたり、その繁殖を抑制したりして、長期間にわたって好気性微生物の繁殖による臭気の発生、収納物の劣化などを防止することができるものである。
加えて、調湿機能や吸水機能を有する機能性物質の場合、生鮮物などの湿度雰囲気を生鮮物に適した最良の状態に維持できるのである。
消臭機能あるいは脱臭機能を有する機能性物質としては、多孔質体、無機系イオン化学吸着型消臭剤があり、無機系イオン化学吸着型消臭剤にはプラスイオン型とマイナスイオン型とがある。
又、前記吸着剤としては、変性し難く、水分や臭い成分を吸着・保持する物質、臭気成分を物理的に吸着し、又はこれに加えて臭気成分をイオン化学反応的に吸着(このイオン化学反応的吸着は、物理的な吸着と区別するために、特に収着と言う場合がある。)したりするものであれば特に限定されるものではないのである。
具体的には、例えば活性炭(ブラックカーボン)の他に、竹炭、木炭、籾殻炭、酸化カルシウムや酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属や遷移金属の酸化物、水酸化物或いは塩化物、更に、シリカゲル、ゼオライト、パーライト、パーミキュライト、アルミナ、活性白土、珪藻土又は含水アルミノケイ酸塩鉱物等が挙げられるのであり、これらの物質から選ばれた少なくとも1種以上を用いることができる。
本考案において、プラスイオン型の無機系イオン化学吸着型消臭剤は、臭気成分と反応して無臭化するプラスイオンを発生するものであり、プラスイオン発生体とも呼ばれている。例えば亜鉛イオン、銅イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、銀イオン、鉄イオンなどの金属イオンが挙げられるのであり、これらのうち、特に、安全で、しかもあらゆる菌に対して優れた殺菌能力を発現する銀イオンを発生する銀イオン発生体が望ましい。
マイナスイオン型の無機系イオン化学吸着型消臭剤は、臭気成分と反応して無臭化するマイナスイオンを発生するものであり、マイナスイオン発生体とも呼ばれている。例えばトルマリン、レアアース鉱石、希陽石、コハク、ブラックカーボン、ガーネット、サンゴ石、トロン、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、過マンガン酸カリウム、酸化バナジウム、酸化クロム、ゲルマニウム、金などがその例として挙げられる。
特に、トルマリンは、電気石とも呼ばれ、細かく粉砕しても自発的に結晶の両端に正極(+極)と負極(−極)が存在し、負極から正極に流れるマイナスイオンを半永久的に発生するので好ましい。
前記レアアース鉱石は、天然照射性元素であるウラン、トリウムなどを極微量含む鉱石であり、その照射エネルギーにより空気中の水分、酸素、窒素などをマイナスイオン化させて消臭又は脱臭する作用を備え、又、常温においても多量の遠赤外線を放出し、この遠赤外線で臭気の原因となる微生物を死滅させることにより消臭あるいは脱臭する作用を備える。
なお、前記プラスイオンやマイナスイオンは、消臭機能だけではなく、殺菌などの防疫的機能も備える。
前記遠赤外線照射機能とは、常温で、又は加熱により電磁波である遠赤外線を照射する機能のことであるが、この遠赤外線の波長領域については共通の見解が確立されているとは言えない。そこで、本発明では、赤外線の波長領域、即ち、0.75μm〜1,000μmの波長領域の中で、2.5μm〜1,000μmの範囲に属する電磁波を遠赤外線ということにする。
この遠赤外線は、遠赤外線照射機能を有する機能性物質と接触している微生物はもとより、遠赤外線照射機能を有する空気処理体と接触していない微生物であっても、遠赤外線が到達する範囲内に存在する微生物の体内の水分子を励起して発熱させ、この発熱により微生物を死滅させる殺菌機能を備える。又、発臭源である微生物を死滅させることによる消臭機能又は脱臭機能を備える。
遠赤外線照射機能を有する機能性物質としては、特に限定されないが、遠赤外線を照射する金属の酸化物、炭化物、窒化物又は炭酸塩などから選ばれる少なくとも1種類の非金属を含有する無機質固体(遠赤外線照射セラミックス)が多用される。
前記金属としては、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、イットリウム(Y)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、クローム(Cr)、セレン(Se)、亜鉛(Zr)、カルシウム(Ca)、タンタリウム(Ta)又はニオビウム(Nb)などから選ばれた少なくとも1種の金属あるいは合金が用いられる。
請求項6に係る機能性積層シート材は、請求項1ないし5のいずれか1項において、機能性物質が、基材に分散ないし混在、塗着、含浸、圧入又は接着によって設けられている構造にして成る。
このものでは、機能性物質が、基材に応じた様々な手段によって設けられており、多孔質合成樹脂製フィルム、或いは紙層である基材の原料に、活性炭粉末等の機能性物質を予め混在させたり、含浸させるなどして、所望の形状に一体成形することで、基材に活性炭を容易に設けることができる。
請求項7に係る包装材は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を包装可能な形状に形成されていることを特徴とする。
ここで、生鮮食料品とは、生鮮魚介類、食肉類、生鮮野菜類又は生鮮果実類などを意味し、植物等とは、根の付いた植木や切り花などの全ての植物を含む意味である。
また、包装可能とは、生鮮食料品、植物等を被覆して包装できれば足り、例えば、薄膜の包装紙やラッピング紙などで包装することと同義である。
このものでは、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、包装紙やラッピング紙などのフィルム状、シート状に形成して、生鮮食料品や植物等の包装材として使用することができ、生鮮食料品や植物等を包装するだけで、活性炭等の機能性物質が生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、生鮮食料品等の脱臭、除菌効果等を十分に発揮できる。
請求項8に係る包装容器は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を収納・保護するための食品用トレイ、卵パック或いはトロ箱などの上端開口の容器、冷蔵・冷凍用容器又はクーラーボックスなどの蓋付き容器に形成されていることを特徴とする。
ここで、包装容器とは、生鮮食料品或いは植物等を収納可能な容器体を意味する。
このものでは、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、皿状に形成して食品用トレイを構成し、この食品用トレイに、例えば、肉、魚などの生鮮物を載置して、当該生鮮物を収納・保護できる。
また、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、上端を開口した開放型の容器又は蓋付きの密閉型の容器に形成して、生鮮食料品や植物等を輸送、保管等する包装容器として使用することができる。
このような包装容器によれば、機能性物質に、湿度(含水量)を調整する作用があるので、食品用トレイ、卵パック或いはトロ箱などの上端開口の容器、冷蔵・冷凍用容器又はクーラーボックスなどの蓋付き容器に収納されている生鮮物等の水分をコントロールして当該生鮮物等に適した保存状態の湿度を確保し、これによって、出荷時での貯蔵、保存或いは、輸送中における生鮮食料品等の品質を保持できる。
請求項9に係る仕切り材は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を仕切ることができる所定の形状に形成されていることを特徴とする。
このものでは、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、木箱、トロ箱、発泡合成樹脂製容器等の既存の箱体に差し込んで取付け、生鮮食料品や植物等を個別に仕切ることのできる仕切り材として使用することができ、上記効果に加え、既存の箱を利用できるためコストダウンを図ることができる。
請求項10に係る緩衝材は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に敷設或いは添設して、これらの生鮮物を衝撃から保護するための形状に形成されていることを特徴とする。
このものでは、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、木箱、トロ箱、発泡合成樹脂製容器等の既存の箱体に敷設、添設させて緩衝材として使用することができ、上記効果に加え、肉や魚などの生鮮食品品から惨出するドリップを吸収すると共に、O−157に代表される雑菌の発生や繁殖を抑止して生鮮食料品等の品質を保持できる。
請求項11に係る鮮度保持材は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物の乾燥材や脱酸素材として機能する小片に形成されていることを特徴とする。
このものでは、1枚の大きな機能性積層シート材を小片に分断加工するだけで、この小片を生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に添付させる乾燥材や脱酸素材として使用でき、機能性物質を含んだ小片を簡単に大量生産できる。
本考案によれば、次のような効果がある。
請求項1に係る機能性積層シート材によれば、空気が機能性積層シート材を介して流通する際、活性炭の粉末等の機能性物質を透過して活性化され、生鮮食料品や植物等の鮮度を長期間にわたって保持し、又、この活性炭に起因する遠赤外線の照射によって細菌や黴の発生ないし繁殖を抑制できる。
また、機能性積層シート材は、上記生鮮食料品等に敷設したり、或いは、生鮮食料品等を被覆するようにして設置されるため、機能性物質である活性炭の粉末が、生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、脱臭、除菌効果等を十分に発揮できる。
請求項2に係る機能性積層シート材によれば、基材の一方が通規制を有する紙層であり、この紙層の片面に、通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムをラミネートした二層構造であり、この多孔質合成樹脂製フィルムは、通気性を有するが、通水性を有しないので、生鮮食料品等から漏出される水分等を保留して生鮮食料品等の乾燥を防止できる。また、二層構造のうち、食品などの種類に応じて、各層の機能に適した面を選択してリバーシブルに使用することができる。
請求項3に係る機能性積層シート材によれば、基材を三層構造とし、その中間層には、機能性物質を設けた基材を配置するか、或いは機能性物質の層が配置されたサンドイッチ構造にしているので、この中間層だけに機能性物質を設けることによって、機能性積層シート材の全体強度を向上することができる。
請求項4に係る機能性積層シート材によれば、外面に通水性を有しない外面層を更に積層することで、通水性を確実に遮断できるため、これを適宜形状に成形して、ミルクカートン紙のような液体の包装容器、或いは、植物の植木鉢として使用できる。
請求項5に係る機能性積層シート材によれば、活性炭以外の機能性物質が更に付加されるので、活性炭の粉末である機能性物質が保有している各機能を強化することができ、或いは、当該活性炭が保有している各機能以外の機能をも同時に得ることができる。
請求項6に係る機能性積層シート材によれば、機能性物質が、基材に応じた様々な手段によって設けられており、多孔質合成樹脂製フィルム、或いは紙層である基材の原料に、活性炭粉末等の機能性物質を予め混在させたり、含浸させるなどして、所望の形状に一体成形することで、基材に活性炭を容易に設けることができる。
請求項7に係る包装材によれば、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、包装紙やラッピング紙などのフィルム状、シート状に形成して、生鮮食料品や植物等の包装材として使用することができ、生鮮食料品や植物等を包装するだけで、活性炭等の機能性物質が生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、生鮮食料品等の脱臭、除菌効果等を十分に発揮できる。
請求項8に係る包装容器によれば、機能性物質に、湿度(含水量)を調整する作用があるので、食品用トレイ、卵パック或いはトロ箱などの上端開口の容器、冷蔵・冷凍用容器又はクーラーボックスなどの蓋付き容器に収納されている生鮮物等の水分をコントロールして当該生鮮物等に適した保存状態の湿度を確保し、これによって、出荷時での貯蔵、保存或いは、輸送中における生鮮食料品等の品質を保持できる。
請求項9に係る仕切り材によれば、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、木箱、トロ箱、発泡合成樹脂製容器等の既存の箱体に差し込んで取付け、生鮮食料品や植物等を個別に仕切ることのできる仕切り材として使用することができ、上記効果に加え、既存の箱を利用できるためコストダウンを図ることができる。
請求項10に係る緩衝材によれば、請求項1ないし6の何れかに記載の機能性積層シート材を、例えば、木箱、トロ箱、発泡合成樹脂製容器等の既存の箱体に敷設、添設させて緩衝材として使用することができる。
請求項11に係る鮮度保持材によれば、1枚の大きな機能性積層シート材を小片に分断加工するだけで、この小片を生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に添付させる乾燥材や脱酸素材として使用でき、機能性物質を含んだ小片を簡単に大量生産できる。
以下、本考案を実施例図面に基づき詳細に説明するが、本考案はこれに限定されるものではない。
図1及び図2は、本考案に係る一実施例の機能性積層シート材Aを部分断面して示す部分斜視図であり、図1(a)及び図2(a)は、2層構造の機能性積層シート材Aを各々示し、図1(b)及び図2(b)は、3層構造の機能性積層シート材Aを各々示したものである。
図1(a)及び図2(a)の実施例に係る機能性積層シート材Aにおいては、通気性を有する紙層からなる基材1aと、その片面にラミネートされた通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材1bとからなり、この基材1bには、この場合、活性炭の粉末からなる機能性物質2が分散されてなる。
図1(a)の機能性積層シート材Aにおいては、例えば、古紙で形成された紙層(坪量150g/m)を基材1aとし、その片面に、活性炭を分散させた多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材1bをラミネートして形成されたものである。
この実施例において、基材1bは、活性炭の粉末からなる機能性物質2を分散させたポリエチレン樹脂製材料(活性炭の含有割合9重量%)をTダイ法でフィルム状に成形し、これを二軸延伸して厚さ25μmに形成したものであり、この基材1bの片面に前記紙層1aを加熱ロールで圧着、積層することにより、前記基材1bが前記基材1aにラミネートされた機能性積層シート材Aを形成できる。
図2(a)の機能性積層シート材Aは、図1(a)と同じく、紙材からなる基材1aとポリエチレン製多孔質フィルムからなる基材1bとをラミネートして形成したものであるが、これらの基材1a、1bの間には活性炭の粉末からなる機能性物質2を分散、担時(75g/m)して形成されている点において相違する。
この基材1bにおいては、ポリエチレン樹脂製材料をTダイ法でフィルム状に成形し、これを二軸延伸して厚さ25μmに形成したものを用いた。
なお、前記実施例に代えて、紙層からなる基材1aに活性炭の粉末からなる機能性物質2を分散、担時させ、その片面にポリエチレン製多孔質フィルムからなる基材1bをラミネートして機能性積層シート材Aを形成しても良いのである。
例えば、基材1aの原料である紙を精選後、調成段階の内部添加剤を添加する際に、活性炭の粉末からなる機能性物質2を分散させて抄造、仕上げれば、機能性物質2が紙材に担持されるのであり、この紙材を既存の手段で、例えばダンボール紙等に成形すれば、機能性物質2を設けた基材1aを形成できる。そして、この基材1aの片面にポリエチレン製多孔質フィルムからなる基材1bを積層し、前記同様に、加熱ロールで圧着すれば、ラミネートされた機能性積層シート材Aを形成できる。
また、紙層からなる基材1aの片面に、活性炭の粉末からなる機能性物質2を分散させ、その上面からポリエチレン製多孔質フィルムからなる基材1bを積層し、前述の方法でラミルートすることも可能である。
このように形成した機能性積層シート材Aによれば、空気が機能性積層シート材Aを介して流通する際、機能性物質2を透過してエチレンガス等の植物ホルモンガスやアンモニアガス等の腐敗ガスを吸収し、これによって、生鮮食料品や植物等の鮮度を長期間にわたって保持し、又、この活性炭に起因する遠赤外線の照射によって細菌や黴の発生ないし繁殖を抑制できるのである。
また、二層構造のうち、食品などの種類に応じて、各層の機能に適した面を選択してリバーシブルに使用することができる。
図1(b)及び図2(b)の実施例では、三層の基材1a、1b、1aからなるサンドイッチ構造からなり、その中間層からなる基材1bが少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質2を担持けた基材1、或いは少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質2の層である機能性積層シート材Aを例示している。
なお、この成形手段については、前記二層構造を三層構造に形成する点では相違するが、その基本的な工程は同様であるため、重複説明は省略し、本実施例の特徴についてのみ説明する。
図1(b)で示す機能性積層シート材Aにおいては、紙層からなる基材1aを複数積層したものの1種であるダンボール紙状に形成したものであり、具体的には、機能性物質2を担持させた紙層1bである中間層(フルート)を波状に形成し、その両面に表板紙(ライナー)としての紙製の基材1a、1aを貼り付けたものである。このようにすれば、機能性物質2の層が介在されたサンドイッチ構造に形成された機能性積層シート材Aが成形される。勿論、この紙層1bである中間層(フルート)の片面又は両面に、ポリエチレン製多孔質フィルムからなる基材1bを積層しても良いのである。
図2(b)で示す機能性積層シート材Aは、ダンボール紙を既存の方法で成形する際、その中間層1bの片面から機能性物質2を分散させたうえで、その両面に表板紙(ライナー)としての紙製の基材1a、1aを貼り付けたものである。このようにすれば、機能性物質2を中間層に配置したサンドイッチ構造の機能性積層シート材Aを成形できる。
このようなダンボール紙状にすれば、全て紙材を使用して安価である上、特に保形力が強く、しかも、内部に空気層からなる断熱層が形成されているので、収納物を保冷又は保温する機能が優れるので特に好ましい。
このような機能性積層シート材Aによれば、基材1を三層構造とし、その中間層には、機能性物質2を設けた基材1bを配置するか、或いは機能性物質の層が配置されたサンドイッチ構造にしており、この中間層だけに機能性物質を設けることによって、機能性積層シート材の全体強度を向上することができるのである。
また、前記の通り機能性物質2として、活性炭の粉末以外の機能性物質を加えたものを使用すれば、この活性炭以外の機能性物質が、殺菌機能(滅菌機能)、消臭機能、脱臭機能、消毒機能、抗菌機能、防黴機能、遠赤外線照射機能、酸化防止機能、脱酸素機能、エチレンガス等の植物ホルモンガス吸着機能、調湿機能、吸水機能又は磁気発生機能を発揮し、活性炭が保有する機能を強化或いは補充することができる。
なお、本実施例で示す機能性積層シート材Aを裁断機或いは粉砕機等で細かな小片に形成し、この小片を生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に一緒にいれるだけで、乾燥材や吸着材として機能させることもできる。
図3〜図7は、図1又は図2で説明した機能性積層シート材Aを用いて形成した本考案に係る包装材A1、包装容器A2、仕切り材A3、緩衝材A4の一実施例を示す斜視図である。
なお、図面中、図1、図2と共通する部位には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3は、機能性積層シート材Aを用い、生鮮食料品或いは植物等を包装可能な袋状に形成された包装材A1を示したものである。この場合、この機能性積層シート材Aをそのままシート状で切り花等の包装材として用いても良いのである。
ここで、生鮮食料品とは、生鮮魚介類、食肉類、生鮮野菜類又は生鮮果実類などのを意味し、植物等とは、根の付いた植木や切り花などの全ての植物を含む意味である。
また、包装可能とは、前記生鮮食料品、植物等を被覆して包装できれば足り、例えば、薄膜の包装紙やラッピング紙、或いは、図3で示したような包装袋などで包装することと同義である。
このような包装材A1によれば、生鮮食料品や植物等を包装するだけで、機能性物質2が、包装される生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、生鮮食料品等の脱臭、除菌効果等を十分に発揮できる。
図4及び図5は、機能性積層シート材Aを用い、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を収納・保護するための食品用トレイ、卵パック或いはトロ箱などの上端開口の容器、冷蔵・冷凍用容器又はクーラーボックスなどの蓋付き容器に形成した包装容器A2を示したものである。
図4で示す包装容器A2は、機能性積層シート材Aを複数の収納部3を形成した筺状に形成し、この収納部3にイチゴ、みかん等の青果物を収納して、これを保護するための食品用容器である
このような包装容器A2によれば、生鮮食料品等を収納するだけで、活性炭等の機能性物質2が生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、一々脱臭剤、抗菌剤等を設ける手間やスペースも必要がないうえ、出荷時での貯蔵、保存或いは、輸送中における生鮮食料品等の品質を保持できる。特に、機能性物質2である活性炭は、吸着、湿度(含水量)、遠赤外線の照射、殺菌等の機能があるので、青果物をその鮮度が長期間にわたって維持された状態で保存できる。
図5で示す包装容器A2は、機能性積層シート材Aをプランター又は植木鉢のような容器状に形成し、その内部に植物が収納されるようにしたものである。
この包装容器A2には、その底面の一部に水捌け用の孔を設けると共に、それ以外に通水性を有しない外面層4を更に積層するのが望ましい。
このような包装容器A2によれば、土や植物を収納するだけで、活性炭等の機能性物質2が土や植物に近接或いは密接して配置されることとなり、土の栄養分を吸着すると共に、活性炭等の機能性物質2の遠赤外線照射機能によって、植物の成長を促進できるのである。
図6は、機能性積層シート材Aを用い、生鮮食料品或いは植物等を仕切ることが可能な所望の形状に形成した仕切り材A3を示したものである。
ここでは、上方が開放された有底な直方形紙箱或いは木箱、発泡製合成樹脂箱の側壁に、切り溝5を対向して形成し、この切り溝5に仕切り材A3の各端縁が嵌挿されると共に、前記紙箱を区分けする板状の仕切り材A3を示している。
このような仕切り材A3によれば、これを紙箱等に嵌挿するだけで、活性炭等の機能性物質2が生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、前記同様の効果を発揮することができるのであり、しかも、既存の紙箱等を利用できるためコストダウンを図ることができる上、環境に穏やかであり、又、リサイクルが可能になるのである。
図7は、機能性積層シート材Aを、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に敷設或いは添設して、これらの生鮮物を衝撃から保護するための形状に形成された緩衝材A4を示したものである。
ここでは、上方が開放された有底な浅底の直方形トレー容器の底壁に、この底壁に敷設されるシート状の緩衝材A4を示している。
このような緩衝材A4によれば、これをトレー容器等の底壁に敷設するだけで、活性炭等の機能性物質2が生鮮食料品等に近接或いは密接して配置されることとなり、肉や魚などの生鮮食品品から惨出するドリップを吸収すると共に、O−157に代表される雑菌の発生や繁殖を抑止して生鮮食料品等の品質を保持できるのである。
本考案は、生鮮食料品や植物等の生鮮物の貯蔵、保存、輸送、販売などに好適な機能性積層シート材及びこれを用いた包装材、包装容器、仕切り材、緩衝材又は鮮度保持材として有効に利用することができるのである。
図1は、本考案に係る機能性積層シート材の一実施例を示す部分断面にした状態の部分斜視図であり、図1(a)は、2層構造の機能性積層シート材を示し、又、図1(b)は、3層構造の機能性積層シート材を示すものである。 図2は、本考案に係る機能性積層シート材の一実施例を示す部分断面にした状態の部分斜視図であり、図2(a)は、2層構造の機能性積層シート材を示し、又、図2(b)は、3層構造の機能性積層シート材を示すものである。 図3は、図1又は図2の機能性積層シート材を用いて形成した本考案に係る包装材の一実施例を示す斜視図である。 図4は、図1又は図2の機能性積層シート材を用いて形成した本考案に係る包装容器の一実施例を示す斜視図である。 図5は、図1又は図2の機能性積層シート材Aを用いて形成した本考案に係る包装容器の他の実施例を示す斜視図である。 図6は、図1又は図2の機能性積層シート材を用いて形成した本考案に係る仕切り材の一実施例を示す斜視図である。 図7は、図1又は図2の機能性積層シート材を用いて形成した本考案に係る緩衝材の一実施例を示す斜視図である。
符号の説明
A 機能性積層シート材
A1 包装材
A2 包装容器
A3 仕切り材
A4 緩衝材
1 基材
1a 紙層(基材)
1b ポリエチレン製多孔質フィルム
2 機能性物質
4 外面層

Claims (11)

  1. フィルム状ないしシート状の基材が複数積層された積層シート材において、この基材の少なくとも1つ或いは基材と基材の間には、少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質が設けられて成ることを特徴とする機能性積層シート材。
  2. 積層シート材が、通気性を有する紙層からなる基材と、その片面にラミネートされた通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材との二層構造に形成されている請求項1に記載の機能性積層シート材。
  3. 積層シート材は三層の基材からなるサンドイッチ構造からなり、その中間層からなる基材が少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質を設けた基材、或いは少なくとも活性炭の粉末からなる機能性物質の層である請求項1に記載の機能性積層シート材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の機能性積層シート材には、その内面に通気性を有し且つ通水性を有しない多孔質合成樹脂製フィルムからなる基材を備えると共に、その外面に通水性を有しない外面層を積層してなる機能性積層シート材。
  5. 機能性物質が活性炭と活性炭以外の機能性物質からなり、この活性炭以外の機能性物質が、殺菌機能(滅菌機能)、消臭機能、脱臭機能、エチレンガスなどの植物ホルモンガス吸着機能、消毒機能、抗菌機能、防黴機能、遠赤外線照射機能、酸化防止機能、脱酸素機能、調湿機能、吸水機能又は磁気発生機能から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の機能性積層シート材。
  6. 機能性物質が、基材に分散ないし混在、塗着、含浸、圧入又は接着によって設けられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の機能性積層シート材。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を包装可能な形状に形成されていることを特徴とする包装材。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を収納・保護するための食品用トレイ、卵パック或いはトロ箱などの上端開口の容器、冷蔵・冷凍用容器又はクーラーボックスなどの蓋付き容器に形成されていることを特徴とする包装容器。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物を仕切ることができる所定の形状に形成されていることを特徴とする仕切り材。
  10. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物に敷設或いは添設して、これらの生鮮物を衝撃から保護するための形状に形成されていることを特徴とする緩衝材。
  11. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の機能性積層シート材が、生鮮食料品或いは植物などの生鮮物の乾燥材や脱酸素材として機能する小片に形成されている鮮度保持材。
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