JP3107360B2 - 液状エポキシ樹脂封止材料 - Google Patents

液状エポキシ樹脂封止材料

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JP3107360B2 JP07341582A JP34158295A JP3107360B2 JP 3107360 B2 JP3107360 B2 JP 3107360B2 JP 07341582 A JP07341582 A JP 07341582A JP 34158295 A JP34158295 A JP 34158295A JP 3107360 B2 JP3107360 B2 JP 3107360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の封止に用
いられる液状エポキシ樹脂封止材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体実装における低コスト化、高集積
化の流れは、従来のトランスファー成形によるDIP
(デュアルインラインパッケージ)から、COB(チッ
プオンボード)、PPGA(プラスチックピングリッド
アレイ)等の実装形態へと移行している。PPGA型半
導体の封止には液状の封止材料が用いられているが、セ
ラミックスによる気密封止型に比べて信頼性の点で充分
でなく、その原因としては、『パッケージ加工された
有機プリント配線板部分から湿気が侵入する。トラン
スファー成形によるDIPと異なり無圧下で、液状封止
材料を流入し成形するため、気泡が残存し、熱ストレス
が加わった際にクラックが発生する。封止材料と半導
体チップ、有機基板との線膨張係数が異なるために、熱
ストレスが加わった際、界面で剥離を生じ湿気の侵入を
容易にしてしまう。』等が挙げられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこの
ような問題を解決するために鋭意検討を重ねてきた結
果、特定のエポキシ樹脂、芳香族ジアミン、エラストマ
ーに無機充填材を配合した組成物が、PCT(プレッシ
ャークッカーテスト)やT/C(冷熱サイクルテスト)
等の促進試験において、半導体の信頼性を大幅に向上で
きる封止材料となることを見出し、完成するに至ったも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)液状エ
ポキシ樹脂、(b)液状アルキル化ジアミノジフェニル
メタン、(c)末端にビニル基を有するアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム、及び(d)無機充填材を主成分と
する液状エポキシ樹脂封止材料において、各成分の配合
割合が重量比で(a)/[(a)+(b)]=0.65
〜0.80、(c)/[(a)+(b)]=0.02〜
0.08で且つ(d)/[(a)+(b)+(c)+
(d)]=0.50〜0.80である液状エポキシ樹脂
封止材料であり、有機プリント配線基板を用いたPPG
A型半導体の信頼性を大幅に向上できるものである。
【0005】本発明に用いられる液状エポキシ樹脂は、
その成分の50重量%以上は25℃における粘度が8Pa
・S 以下であることが好ましい。エポキシ樹脂成分の5
0重量%以上が低粘度の液状エポキシでないと組成物の
粘度が高くなり、PPGAパッケージを液状封止材料で
流入封止する際に、気泡を巻き込んだり、コーナー端部
への充填不良を発生し易くなり、信頼性低下につながる
ので好ましくない。エポキシ樹脂の粘度測定方法として
は、室温で液状の場合、25℃においてE型粘度計[東
機産業(株)製]で測定し、室温で固形の材料の場合、高
温用コーンプレート粘度計を用い150℃で測定する。
【0006】
【発明の実施の形態】この要件を満足するエポキシ樹脂
であれば、特に限定されるものではないが、具体例を挙
げると、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、3,3′,5,5′−テトラメチル−
4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタンジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、3,3′,5,5′−テトラ
メチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、1,6
−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素化クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂等があり、これらは1
種又は混合して用いても差し支えない。
【0007】本発明に用いられる液状のアルキル化ジア
ミノジフェニルメタンは、ジアミノジフェニルメタンの
ベンゼン核の水素の1個あるいは2個以上をメチル基、
エチル基等、アルキル基で置換したものであり、アルキ
ル基の炭素数は4以下が好ましい。アルキル基の炭素数
が4以下でないと、組成物の粘度が高くなり、パッケー
ジを液状封止材料で流入封止する際に気泡を巻き込んだ
り、コーナー端部への充填不良を発生し易くなり、信頼
性低下につながるので好ましくない。この要件を満足す
るアルキル化ジアミノジフェニルメタンであれば、特に
限定されるものではないが、具体例を挙げると、3,
3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラ
エチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン等であ
り、これらは1種又は混合して用いても差し支えない。
【0008】また、液状エポキシ樹脂(a)と液状アル
キル化ジアミノジフェニルメタン(b)の重量配合割合
は(a)/[(a)+(b)]=0.65〜0.80の
範囲にあることが望ましい。(a)/[(a)+
(b)]が0.80を越えると、未反応のエポキシ基が
増え、ガラス転移温度等の耐熱性が低下し、冷熱サイク
ル試験での信頼性が低下するので好ましくなく、また
0.65未満だと、組成物の保存性が低下するので好ま
しくない。
【0009】本発明に用いられる末端にビニル基を有す
るアクリロニトリル−ブタジエンゴムは、数平均分子量
が1000〜5000が好ましい。1000未満だと可
撓性付与の効果が小さくなり、5000を越えると粘度
が上昇し作業性が低下するので好ましくない。又、結合
アクリロニトリル量は10〜30%が好ましい。10%
未満あるいは30%を越えると、エポキシ樹脂との相溶
性が低下するため好ましくない。末端にビニル基を有す
るアクリロニトリル−ブタジエンゴムは、重量配合割合
で(c)/[(a)+(b)]=0.02〜0.08の
範囲にすることで、封止材料の接着性向上効果、冷熱サ
イクル試験時に発生する熱ストレスの緩和効果を有す
る。(c)/[(a)+(b)]が0.02未満だと、
接着性、ストレス緩和の向上効果に乏しく、0.08を
越えると、硬化物のガラス転移温度の低下や、組成物の
粘度が上昇し、作業性、ディスペンス性の低下をきたす
ので好ましくない。
【0010】無機充填材(d)としては、溶融シリカや
結晶シリカ等が挙げられる。これらのシリカの平均粒径
は50μm以下、最大粒径は100μm以下が好まし
い。最大粒径がワイヤー間隔より大きいとワイヤー下部
への充填不良が起こることによるからである。無機充填
材(d)は重量配合割合で(d)/[(a)+(b)+
(c)+(d)]=0.50〜0.80の範囲にあるこ
とが望ましい。0.50未満では、線膨張係数の低減効
果が小さく、0.80を越えると、組成物の粘度が上昇
し、好ましくない。本発明の液状封止材料には、前記必
須成分の他に必要に応じて他の樹脂や反応を促進するた
めの触媒、希釈剤、顔料、カップリング剤、レベリング
剤、消泡剤等の添加物を用いても差し支えない。液状封
止材料は各成分、添加物等を3本ロールにて分散混練
し、真空下脱泡処理をして製造する。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例で具体的に説明する。 (実施例1)次の原料を3本ロールにて、分散混練し真
空脱泡処理をして液状エポキシ樹脂封止材料を得た。得
られた液状エポキシ樹脂封止材料を用いて、PPGAパ
ッケージを封止し、165℃で3時間、オーブンにて硬
化して、半導体パッケージを得た。また下記の評価方法
により半導体チップ及びプリント基板界面との剥離、ク
ラックの有無を確認し、その結果を表1に示した。 ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂: 100重量部 (エポキシ当量160、25℃での粘度1.5Pa・S ) ・3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン: 40重量部 ・末端ビニル基アクリロニトリル−ブタジエンゴム: (数平均分子量3500、結合アクリロニトリル量16%) 3重量部 ・球状溶融シリカ: 350重量部 (平均粒径10μm、最大粒径75μm)
【0012】・組成物の粘度:E型粘度計,2.5rp
m、25℃ ・パッケージ充填性(流れ性):室温にてPPGAパッ
ケージをディスペンスし、5分後にキャビティへの充填
性を確認した。 ・剥離・クラックの有無確認: 常態(硬化後)、 PCT(プレッシャークッカーテスト)処理 125℃/2.3atm 、168時間後、 T/C(冷熱サイクルテスト)処理 −65℃/30分←→150℃/30分、500サイク
ル後 について、超音波探傷機(以下SATという)にて、半
導体チップ及びプリント基板界面との剥離、クラックの
有無を確認した。実施例1のものは剥離・クラック共認
められず、良好な信頼性を有していることが判明した。
各評価に用いたPPGAパッケージ数は10個である。
その結果を表1に示す。
【0013】(実施例2〜6、比較例1〜6)表1、表
2に示した配合処方で、これ以外は全て実施例1と同様
の方法にて液状エポキシ樹脂封止材料を得て、PPGA
パッケージを封止し、その信頼性を評価した。その結果
を表1、2に示す。比較例1,5,6はディスペンス
後、封止材料が充分に流れず、充填不良となったため、
試験ができなかった。
【0014】実施例1及びその他で使用した原料は次の
ものである。 ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂:エポキシ当量16
0、25℃での粘度1.5Pa・S ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1):エポキシ当
量170、25℃での粘度4.5Pa・S ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2):エポキシ当
量470、固型 ・1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂:エ
ポキシ当量170、25℃での粘度22Pa・S ・3,3′−5,5′−テトラメチル−4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン: ・3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニル
メタン: ・末端ビニル基アクリロニトリル−ブタジエンゴム: ・エポキシ変性ポリブタジエン:エポキシ当量250、
数平均分子量1800 ・球状溶融シリカ:平均粒径10μm、最大粒径75μ
【0015】 表 1 実 施 例 1 2 3 4 5 6 配合(重量部) ヒ゛スフェノ-ルF型エホ゜キシ樹脂 100 100 100 50 70 ヒ゛スフェノ-ルA型エホ゜キシ樹脂(1) 100 ヒ゛スフェノ-ルA型エホ゜キシ樹脂(2) 30 1,6-シ゛ヒト゛ロキシナフタレン型エホ゜キシ樹脂 50 3,3′-シ゛エチル-4,4′-シ゛アミノシ゛フェニルメタン 40 40 40 35 40 40 3,3′-5,5′-テトラメチル- 5 4,4′-シ゛アミノシ゛フェニルメタン 末端ヒ゛ニル基アクリロニトリル-フ゛タシ゛エンコ゛ム 3 7 11 7 7 7 球状溶融シリカ 350 350 350 350 350 350 特性 組成物粘度(Pa・s) 24 32 40 36 39 42 パッケージ充填性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 剥離 硬化後 0 0 0 0 0 0 PCT後 0 0 0 0 0 0 T/C後 0 0 0 0 0 0 クラック 硬化後 0 0 0 0 0 0 PCT後 0 0 0 0 0 0 T/C後 0 0 0 0 0 0
【0016】 表 2 比 較 例 1 2 3 4 5 6 配合(重量部) ヒ゛スフェノ-ルF型エホ゜キシ樹脂 100 50 100 100 100 30 ヒ゛スフェノ-ルA型エホ゜キシ樹脂(1) 50 ヒ゛スフェノ-ルA型エホ゜キシ樹脂(2) 70 3,3′-シ゛エチル-4,4′-シ゛アミノシ゛フェニルメタン 40 35 40 35 40 40 3,3′-5,5′-テトラメチル- 5 5 4,4′-シ゛アミノシ゛フェニルメタン 末端ヒ゛ニル基アクリロニトリル-フ゛タシ゛エンコ゛ム 7 7 20 3 エポキシ変性ポリブタジエン 7 球状溶融シリカ 500 100 350 350 350 350 特性 組成物粘度(Pa・s) 100 10 20 25 80 140 パッケージ充填性 不良 良好 良好 良好 不良 不良 剥離 硬化後 ー 0 0 0 ー ー PCT後 ー 7 5 0 ー ー T/C後 ー 10 8 4 ー ー クラック 硬化後 ー 0 0 0 ー ー PCT後 ー 0 0 0 ー ー T/C後 ー 8 5 0 ー ー
【0017】
【発明の効果】本発明の液状封止材料で半導体パッケー
ジの封止を行うと、プレッシャークッカーテストや冷熱
サイクルテストにおいて、剥離・クラックの無い高信頼
性の半導体パッケージを得ることができるので、工業的
メリットが大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 (56)参考文献 特開 平9−12684(JP,A) 特開 平9−12685(JP,A) 特開 平9−124898(JP,A) 特開 平6−85117(JP,A) 特開 平4−202318(JP,A) 特開 平3−181547(JP,A) 特開 平2−173057(JP,A) 特開 昭63−99221(JP,A) 特開 昭63−159423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08L 9/00 C08G 59/50 - 59/60 H01L 23/29

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)液状エポキシ樹脂、(b)液状ア
    ルキル化ジアミノジフェニルメタン、(c)末端にビニ
    ル基を有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム、及び
    (d)無機充填材を主成分とする液状エポキシ樹脂封止
    材料において、各成分の配合割合が重量比で(a)/
    [(a)+(b)]=0.65〜0.80、(c)/
    [(a)+(b)]=0.02〜0.08で、且つ
    (d)/[(a)+(b)+(c)+(d)]=0.5
    0〜0.80であることを特徴とする液状エポキシ樹脂
    封止材料。
  2. 【請求項2】 (a)液状エポキシ樹脂が、粘度が8Pa
    ・S /25℃以下の成分を50重量%以上有する請求項
    1記載の液状エポキシ樹脂封止材料。
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