JP3107065B2 - 真空二重容器を持った電気貯湯容器 - Google Patents

真空二重容器を持った電気貯湯容器

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JP3107065B2 JP10314978A JP31497898A JP3107065B2 JP 3107065 B2 JP3107065 B2 JP 3107065B2 JP 10314978 A JP10314978 A JP 10314978A JP 31497898 A JP31497898 A JP 31497898A JP 3107065 B2 JP3107065 B2 JP 3107065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空二重容器を持っ
た電気貯湯容器に関するものであり、例えば家庭用の電
気ポットなどに適用される。
【0002】
【従来の技術】いま、省資源、省エネルギーが各分野で
要求されてきている。四六時中使用し続けられることが
多い家庭用電気機器でも同様である。通電負荷の大きな
ヒータを用いている電気ポットなどでは急務になってき
ている。そこで、金属製の真空二重容器を利用した電気
ポットも実現している。これによって、ヒータで加熱し
貯湯している内容液の熱は外部に逃げにくくなり、省エ
ネルギーが図れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空二重容器
の底部に接続して、真空二重容器外で立ち上がる通常の
吐出路構造にて内容液を吐出する方式を採用すると、吐
出路内に入り、あるいは吐出後に残った内容液は、真空
二重容器の断熱性のために真空二重容器内の内容液から
の熱を受けられなくなるので、真空二重容器を採用しな
い電気ポットの場合よりも冷めやすい。このため、時間
を置いて吐出する場合の毎回、吐出路の立ち上がり部内
にある冷めた内容液が先に吐出され問題である。
【0004】本発明の目的は、吐出路内に入り、吐出後
残る内容液が冷めないようにした真空二重容器を持った
電気貯湯容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容器は、
内筒と外筒により構成される真空二重容器と、内筒内の
内容液を加熱するように真空二重容器の底部に当てがわ
れた面状のヒータと、内容液を外部に案内する吐出路
と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる吐出ポンプ
とを備えた真空二重容器を持った電気貯湯容器におい
て、吐出路の真空二重容器の胴部外側を立ち上がる部分
に液量表示部を有し、この液量表示部の背部に目盛り表
示をした液量表示板を設け、この液量表示板に前記面状
のヒータの下面に当てがわれるか面状のヒータと真空二
重容器の底部との間に挟み込まれた受熱板を設けたこと
を1つの特徴としている。
【0006】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出されて使用される。吐出路の真空二重容器
の外側を立ち上がる液量表示部では、それの背部に設け
られた液量表示板の目盛り表示とともに液量を視認で
き、これが真空二重容器内の内容液の液位と同一レベル
であることにより内容液の液量が判別できる。特に、液
量表示板は面状のヒータの下面に当てがわれるか面状の
ヒータと真空二重容器の底部との間に挟まれた受熱板を
有して、受熱板でヒータから面接触により効率よく受熱
した熱を液量表示板に伝導し、液量表示部のほぼ全長範
囲を背部から十分な熱量で加熱することができ、真空二
重容器外で冷めやすい液量表示部内の内容液を効果的に
温度補償することができる。
【0007】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、また、内筒と外筒により構成される真空二重容器
と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部
に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出
させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電気
貯湯容器において、真空二重容器の底部に当てがわれた
ヒータのまわりから、真空二重容器の底部に接続されて
真空二重容器の外側を立ち上がる吐出路の立ち上がり部
までを覆う導熱カバーを設けて、ヒータまわりの熱を吐
出路の接続部から立ち上がり部の外まわりに導くように
したことを今1つの特徴としている。
【0008】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出されて使用される。特に、吐出路は真空二
重容器の底部への接続部から真空二重容器の外側を立ち
上がる立ち上がり部までが、真空二重容器のヒータが当
てがわれた部分とともに導熱カバーにより覆われて、ヒ
ータまわりから導かれてくる熱により加熱されるので、
冷めた内容液が吐出されるのを防止することができる
し、ヒータの熱を有効利用することができ熱効率が向上
する。
【0009】この場合、吐出ポンプが、真空二重容器の
蓋を通じて内容液を加圧して吐出路を通じ押出し吐出す
るものであることにより、吐出路途中に吐出ポンプが不
要であって、導熱カバーで覆われても新たな問題は生じ
ない。
【0010】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、また、内筒と外筒により構成される真空二重容器
と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部
に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出
させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電気
貯湯容器において、真空二重容器に当てがわれたヒータ
のまわりの昇温雰囲気を吸引し、吐出路の真空二重容器
の外側を立ち上がる立ち上がり部に向け送風する送風手
段を設けたことをさらに別の特徴としている。
【0011】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出されて使用される。特に、送風手段が、真
空二重容器に当てがわれたヒータのまわりの昇温雰囲気
を吸引して、真空二重容器の外側を立ち上がって内容液
が冷めやすい立ち上がり部に送風し、吐出路の立ち上が
り部内の内容液を積極的に加熱するので、冷めた内容液
が吐出されるのを防止することができるし、ヒータの熱
を積極的に有効利用することができ熱効率が向上する。
【0012】この場合、吐出路の真空二重容器の底部近
くの途中に吐出ポンプを有していると、送風手段は吐出
ポンプと駆動モータを共用するようにするのが好適であ
る。
【0013】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発
明の各特徴は可能な限りにおいて、それ単独で、あるい
は種々な組合せで複合して用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の幾つかの実施の形
態について幾つかの参考例とともに図1〜図20を参照
しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0015】各実施の形態は真空二重容器内の内容液を
ヒータにより加熱して湯沸しや保温を行って貯湯し、吐
出ポンプにより吐出通路を通じて内容液を外部に吐出で
きるようにした電気ポットに本発明を適用した場合の一
例である。しかし、本発明は図示するものに限られるこ
とはない。
【0016】本実施の形態の電気ポットは図1、図1
0、図14、図20の各実施の形態および参考例で示す
ように、内筒4と外筒5により構成される真空二重容器
3と、内筒4内の内容液を加熱するヒータ11と、内容
液を外部に案内する吐出路25と、この吐出路25を通
じて内容液を吐出させる吐出ポンプ26とを備えてい
る。真空二重容器3は図1、図10、図20に示す実施
例のように外装ケース2に収容されて電気貯湯容器の器
体1を構成しても、図14に示すように真空二重容器3
の胴部が外部に露出して器体1を構成してもよい。いず
れにしても、真空二重容器3の内筒4内の内容液はヒー
タ11により加熱されて貯湯され、吐出ポンプ26によ
り外部に吐出されて使用される。しかし、吐出路25の
真空二重容器3の外側を立ち上がる立ち上がり部25a
では、真空二重容器3が形成する真空空間9による優れ
た断熱性のために、真空二重容器3内の内容液の温度の
影響はほとんど受けないし、ヒータ11から遠いので冷
めやすい。これが、内容液が吐出されるとき最初に冷め
た内容液が吐出される原因になる。
【0017】これに対処するのに図1〜図6に示す実施
の形態では、吐出路25の真空二重容器3の胴部3aの
外側を立ち上がる立ち上がり部25aに透明または半透
明の材料で形成されたパイプよりなる液量表示部25b
を有しているのを利用している。つまり、この液量表示
部25bの背部に目盛り表示201aを施した液量表示
板201を設け、この液量表示板201を前記ヒータ1
1またはヒータまわりの部材、例えば図1〜図3に示す
遮熱板202などに当てがうか連結する。図1〜図3に
示す実施例では遮熱板202に例えば一体に連結してい
る。連結は一体に形成して行っても、溶接やろう接、鋲
止めなど各種に行えばよい。図4〜図5に示す実施例で
は液量表示板201に受熱板201bを図5に示すよう
に例えば一体に連結し、この受熱板201bを図4の
(a)に示すようにヒータ11の外面に当てがうか、図
4の(b)に示すようにヒータ11と真空二重容器3の
底部との間に挟み込んでヒータ11に当てがうかする。
これは偏平なヒータ11が真空二重容器3の底部に下方
から当てがわれた形態に対応するもので、ヒータ11の
形態やその真空二重容器3への当てがわれ方によっては
種々に変化してもよい。要はヒータ11の熱が液量表示
板201に伝導されやすい形態を選択するのがよい。
【0018】吐出路25の真空二重容器3の外側を立ち
上がる立ち上がり部25aが形成する液量表示部25b
では、従来通り、図1などに示す外装ケース2の液量表
示窓35を通じてそれの背部に設けられた液量表示板2
01の目盛り表示201aとともに液量を視認でき、こ
れが真空二重容器3内の内容液の液位と同一レベルであ
ることにより内容液の液量が判別できる。
【0019】一方、液量表示板201はこれが当てがわ
れまたは連結されたヒータ11またはそのまわりの部材
である遮熱板202などを通じてヒータ11からの熱が
熱伝導または/および熱輻射により伝達され、その熱を
立ち上がり部25aである液量表示部25bに背部から
熱伝導や熱輻射によって及ぼし、吐出路25内に入り、
あるいは吐出後残った内容液を加熱する。これにより冷
めた内容液が吐出されるのを防止することができる。も
っとも、吐出路25の真空二重容器3の底部に接続され
て立ち上がるまでの部分はヒータ11に近く、ヒータ1
1まわりに発散される熱の輻射によってその内部の内容
液は幾分加熱されるが、従来これだけでは冷めた内容液
が吐出されるのを防止できていない。
【0020】図1〜図3に示す実施例では遮熱板202
はヒータ11と離れているので、ヒータ11からは輻射
熱を受けることになるが、ヒータ11に近いしそのヒー
タ11よりも大きい範囲を覆っていることで、ヒータ1
1の背部に放熱される無駄な熱の大半を前記吐出路25
内の内容液の加熱に有効利用することができる。また、
遮熱板202を利用することにより液量表示板201と
ともに特別な部材を用いなくてよいし、遮熱板202は
ヒータ11からの熱を液量表示板201側に熱伝導させ
て吐出路25内の内容液の加熱に消費することで、下方
に設けられることの多い図1〜図3に示す実施例の制御
基板27などの側への輻射熱を少なくして、制御基板2
7上の電子回路などへの熱影響を軽減しやすくなる利点
もある。
【0021】図4の(a)に示す実施例では受熱板20
1bがヒータ11の背面に当てがわれていて、ヒータ1
1の背面で放熱される熱を液量表示板201の側に効率
よく伝導させることができ、ヒータ11のまわりへの放
熱を図1〜図3の実施例よりも吐出路25内の内容液の
温度を高めやすいし、その分下方電気まわりへの遮熱効
果が向上する。
【0022】図4の(b)に示す実施例では受熱板20
1bが真空二重容器3の底部とヒータ11との間に挟み
込まれて、ヒータ11の熱をさらに高い比率で液量表示
板201に伝導されやすくし、受熱板201bの面積の
大きさや厚みを適宜設定して液量表示板201に必要な
熱量が伝導されるようにすることができ、吐出路25内
の内容液を真空二重容器内の内容液と同じ温度にするな
ど必要な温度にまで高めることができ、これに消費した
熱量は無駄にならない。受熱板201bは図5に示すよ
うに平坦にしてヒータ11に沿いやすく、かつ挟み込ま
れやすくしている。しかし、これに限られることはなく
必要な形状にすればよい。図4の(a)(b)、図5に
示す実施例では液量表示板201は液量表示部25bの
背部に図4の(c)に示すように密着させてあるので、
液量表示板201の熱は液量表示部25bへ熱伝導によ
り効率よく伝達される。しかし、液量表示板201を液
量表示部25bに密着させるか離すかは選択することが
できる。
【0023】図6に示す実施例では真空二重容器3の底
部の吐出路25途中の吐出ポンプ26と対向する部分を
内側に窪んだ凹部3bを設け、この凹部3bに吐出ポン
プ26が入り込むように配置してある。これにより真空
二重容器3の底部と外装ケース2の底部との間はヒータ
11や吐出ポンプ26などの動作制御を行う制御基板2
7を収納する回路ボックス28などを設けるだけのスペ
ースがあればよく、電気貯湯容器全体の高さを低く抑え
ることができる。特に、受熱板201bのヒータ11か
ら外れた部分と液量表示板201との間の連絡部201
cは、ヒータ11とともに真空二重容器3の一重底部3
cに沿わせてある。これにより、ヒータ11の内容液を
加熱する加熱効率が向上するし、液量表示板201に内
容液の熱が伝達されやすくなる。
【0024】ここで、図1〜図3に示す実施例について
詳述する。真空二重容器3はその開口縁に、この真空二
重容器3を構成する内外筒4、5の外鍔3dを形成し、
この外鍔3dを器体1の肩部6の上向きの段部7上に、
この段部7に続く立上がり壁8に対向して配置してあ
る。外装ケース2は合成樹脂製で底2aと胴2bとが一
体に形成されている。しかし、金属製でもよく胴2bが
金属製である場合は、構造や形状が複雑になりがちな底
2aは合成樹脂製にするのが好適である。外装ケース2
が底2a、胴2bとも合成樹脂製であっても、成形や全
体の組み立てなどとの関係から必要に応じて分割されて
もよい。真空二重容器3の内外筒4、5はともに熱伝導
性の低い金属であるステンレス鋼板製で、断熱性の確保
に好適であるが、特にこれに限られることはなく、場合
によっては他の金属材料を用いることもできる。真空二
重容器3を構成している内外筒4、5は耐圧性の上で金
属製であるのが好適である。しかし、内部に支持スペー
サを設けるなどすれば合成樹脂など他の材料のものでも
使用することができる。
【0025】内筒4は底を持った容器形状をしている
が、外筒5は筒形状であって下端部が内側へ折り曲げて
内筒4の底に外側から当てがいろう接などして真空漏れ
がないように一体化している。これによってできる真空
二重容器3の一重の底部3cの外側にヒータ11を当て
がって内容液を効率よく加熱し、湯沸しや保温ができる
ようにしている。真空二重容器3の外鍔3dは、内外筒
4、5の各外鍔を重ねた外周部どうしを溶接接合してい
る。これにより、内外筒4、5の前記溶接接合による一
体化を、内外筒4、5の外鍔どうしの合わせ目での外ま
わりからのTIG溶接などで容易に達成することができ
る。
【0026】この内外筒4、5の外鍔どうしが重なった
状態での溶接接合を行うために、外筒5は外鍔の内周か
ら真っ直ぐ下に延びるストレートな胴部分を持ったもの
とし、内筒4は外筒5の開口部内周に密に嵌まり合う口
部91を持つとともに、これに続く内側にやや絞って形
成した開口52を介して、口部91に近い径まで拡張し
た胴部を持ち、外筒5との間に真空断熱空間9を形成す
る閉空間を形成するようにしている。開口52が小さい
ほど、真空二重容器3内から蓋13を通じて上方に向か
う熱の逃げを防止するのに真空断熱空間9の働きが増大
する。
【0027】器体1の肩部6は、形状や構造が複雑なこ
とから合成樹脂製の独立した肩部材としてある。肩部材
6は外装ケース2の上端に上方から嵌め合わせ、肩部材
6の内周を形成している立上がり壁8の下部にある上向
き段部7上に真空二重容器3の前記外鍔3dを載置させ
て支持し、真空二重容器3の底部と外装ケース2の底と
の間を図示しない金具とねじとにより連結して、外装ケ
ース2、肩部材6、および真空二重容器3を一体に結合
し器体1を構成している。
【0028】器体1の肩部材6が形成する開口12には
前記の蓋13が設けられ、この開口12を真空二重容器
3の開口52とともに開閉するようにしてある。この開
閉のために蓋13は肩部材6の後部に設けられた軸受部
15に、ヒンジピン16によって着脱できるように枢支
されている。蓋13の着脱は、ヒンジピン16を中心に
した回動により開閉する動作において、蓋13が器体1
の開口12との嵌まり合い位置から外れた開き位置でヒ
ンジピン16を、軸受部15に対し、その内向きのスリ
ットを通じて嵌め入れたり引き出したりして行える。
【0029】蓋13は真空二重容器3からの蒸気を外部
に逃がす蒸気通路17が形成され、蓋13の真空二重容
器3内に対面する位置の内側開口17aと、外部に露出
する外面に形成された外側開口17bとの間で通じてい
る。蒸気通路17の途中には、器体1が横転して内容液
が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂
回させて、外側開口17bに至るのを遅らせる安全経路
17cを設けてある。これにより、器体1が横転して内
容液が蒸気通路17を通じて外部に流出するまでに器体
1を起こすなどの処置ができるようになる。また、蒸気
通路17には器体1の横転時に、蒸気通路17に進入し
ようとし、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止
するように自重などで働く転倒時止水弁18が適所に設
けられている。図示する実施例では内側開口17aの直
ぐ内側の一か所に設けてある。
【0030】蓋13の前部には閉じ位置で肩部材6側の
係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロ
ック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係
止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によ
ってロック位置に常時突出するようにしている。これに
対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記
ロックを解除するロック解除部材23が設けられてい
る。ロック解除部材23は図1に示すように軸24によ
って蓋13に枢支されたレバータイプのものとされ、前
端23aを親指などで押し下げて反時計回りに回動させ
ることでロック部材21をばね22に抗して後退させて
ロックを解除し、続いてロック解除操作で起き上がった
後端23bを他の指で持ち上げることによりロックを解
除された蓋13を持ち上げこれを開くことができる。
【0031】吐出ポンプ26は電動の遠心ポンプであっ
て真空二重容器3の直ぐ下の位置に設けられ、真空二重
容器3内から流れ込む内容液を吐出路25を通じて器体
1外に臨む吐出口25dに向け送りだし、吐出口25d
から外部に吐出させ使用に供する。吐出ポンプ26は真
空二重容器3内に空気を送り込んで内容液を加圧し、吐
出路25を通じて押出吐出させるようにも設けられる。
また、いずれの吐出方式でも手動ポンプに置き換えるこ
とができる。
【0032】外装ケース2の底2aと真空二重容器3の
底部との間の空間には、前記吐出ポンプ26とともに、
ヒータ11や吐出ポンプ26を通電制御する制御基板2
7を収容する回路ボックス28が設置されている。図示
する実施例では回路ボックス28は外装ケース2の底の
開口部に一体形成して設けてあるが、底2aと別体に形
成してねじ止めなどして設けてもよい。また、回路ボッ
クス28は下向きに開口しているがこれを閉じる蓋を設
けることもできる。真空二重容器3の一重の底部3cの
中央には温度センサ29が下方から当てがわれ、内容液
のその時々の温度を検出して、湯沸しや保温モードで内
容液を加熱制御する場合の温度情報を得る。
【0033】器体1の肩部材6の前部に突出する嘴状突
出部31の上面には操作パネル32が設けられ、モード
設定などの操作部や、操作に対応する表示、あるいは動
作状態を示す表示を行うようにしてある。操作パネル3
2の下には前記操作および表示に対応する信号の授受お
よび動作を行う操作基板33が設けられている。吐出路
25は真空二重容器3の内外筒4、5間を立上がって後
真空二重容器3外に出て、器体1の嘴状突出部31と外
装ケース2側のパイプカバー部2dとの間に入った部分
で逆U字状のユニット25cを構成し、このユニット2
5cの立ち上がり部25aの最上部をなす部分に転倒時
止水弁34と吐出口25dを設けている。吐出口25d
はパイプカバー部2dの底部に有した開口2eを通じて
下向きに外部に開口している。
【0034】外装ケース2の底2aにある開口2cには
下方から蓋板36を当てがってねじ止めや部分的な係合
により取付け、蓋板36の外周部には回転座環37が回
転できるように支持して設けられ、器体1がテーブル面
などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転し
て向きを変えられるようにしてある。
【0035】図7に示す参考例では、吐出路25の真空
二重容器3の胴部3a外側を立ち上がる立ち上がり部2
5aに有する液量表示部25bのまわりに、液量表示目
盛り用のライン211aを上下に多段に形成するパター
ンで配線したヒータ211を設けてある。図7の(a)
(b)に示す参考例では液量表示部25bの背部に設け
る液量表示板201にヒータ211を配線してある。こ
の配線のために液量表示板201は液量表示部25bと
対向する前面にホーロー質層を形成し、そこにヒータ2
11を配線してある。もっとも、液量表示板201自体
をセラミックなどの耐熱絶縁部材で構成することもでき
る。ヒータ211の配線は埋め込み、プリント、接着な
どどのような手法で行われてもよい。図7の(c)に示
す参考例ではガラス製の液量表示部25bの背部に直接
ヒータ211を配線してある。ヒータ211は液量表示
板201外へ延びるリード線211bによって駆動回路
に接続される。
【0036】他の構造および奏する作用は図1〜図3に
示す実施例と特に変わるところがないので、重複する図
示および説明は省略し、同じ部材には同じ符号を付して
必要な範囲で図示および引用する。液量表示部25bで
は、それのまわりに配されたヒータ211が通電され、
その赤熱するライン211aが形成する液量表示目盛り
とともに明るく着色された液量が視認でき、これが真空
二重容器3内の内容液の液位と同一レベルであることに
より内容液の液量が判別できる。特に、吐出路25に入
り、あるいは吐出後残る内容液は、吐出路25の立ち上
がり部25aである液量表示部25bのそとまわりで前
記液量表示目盛りを兼ねているヒータ211によって加
熱されるので、冷めた内容液が吐出されるのを防止する
ことができる。液量表示部25bは吐出路25の内容液
が入り、あるいは吐出後残る範囲の大半部分で、しかも
内容液が冷めやすい吐出口25dの側に位置しているの
で、吐出路25内の内容液が冷めるのを防止するのに好
適である。
【0037】ヒータ211は前記多段のライン211a
を形成するのに、連続形態が通電上よく一例として図7
の(a)(b)(c)に示すようにジグザグに配線され
てもよいが、場合によっては液量表示部25bのまわり
に螺旋状に巻き付けてもよい。このようにすると、ヒー
タ211は螺旋状の配線によりライン211aが斜めに
なるので、液量表示部25b内の内容液を透して視認さ
れるライン211aは内容液のある部分と内容液のない
部分とで、つまり内容液による光の屈折のある部分とな
い部分とで見え方が違うので、内容液のある部分とない
部分とを区別しやすい。この意味でヒータ211を図7
の(a)(b)(c)に示すようにジグザグ形態に形成
する場合に多段のライン211aが傾斜するように配線
するのが好適である。
【0038】図8に示す実施の形態では、真空二重容器
3に当てがわれたヒータ11のまわりの昇温雰囲気を吸
引し、吐出路25の真空二重容器3の外側を立ち上がる
立ち上がり部25aに向け送風する送風手段221を設
けてある。しかも、吐出路25が真空二重容器3の底部
近くの途中に吐出ポンプ26を有しているのを利用し
て、送風手段221は吐出ポンプ26と駆動モータ22
2を共用するようにするのが好適である。吐出ポンプ2
6および送風ファン223はともに真空二重容器3の底
部の下にあり、駆動モータ222を共用するため駆動モ
ータ222の一端側の出力軸に吐出ポンプ26を接続
し、他端側の出力軸に送風ファン223を接続してあ
る。これにより送風ファン223は吐出ポンプ26より
もヒータ11の中心側に位置し、しかも、吸引口223
aが上向きであることにより、ヒータ11からの放熱で
昇温されるヒータ11まわりの昇温雰囲気225を吸引
しやすくなっている。送風ファン223の吹き出し口2
23bはダクト224に接続され、ダクト224は送風
ファン223から送られてくるヒータ11まわりの昇温
雰囲気225を吐出路25の立ち上がり部25aの下ま
で案内し、送風口224aから立ち上がり部25aに向
け上向きに送風する。この送風は立ち上がり部25aの
液量表示部25bの上部位までに送風域が及ぶように設
計されるのが、吐出路25内の内容液を加熱する上で好
適である。
【0039】他の構成および奏する作用は図1〜図3に
示す実施例の場合と特に変わるところはないので、重複
する図示および説明は省略する。必要な範囲で同じ部材
には同じ符号を付して図示および引用する。送風手段2
21は、真空二重容器に当てがわれたヒータのまわりの
昇温雰囲気を吸引して、真空二重容器の外側を立ち上が
って内容液が冷めやすい立ち上がり部に送風し、吐出路
の立ち上がり部内の内容液を積極的に加熱するので、冷
めた内容液が吐出されるのを防止することができるし、
ヒータの熱を積極的に有効利用することができ熱効率が
向上する。
【0040】図9〜図13に示す参考例では、吐出路2
5をヒータ11が当てがわれた真空二重容器の一重底部
3cに接続され、吐出ポンプ26を経た部分が真空二重
容器3の底部などに接触させてある。真空二重容器3は
内外筒4、5間に真空空間9が形成されているが、一重
底部3cから外筒5の底部に熱伝導があり、これが真空
二重容器3の胴部3aにも徐々に及ぶし、ヒータ11か
らの輻射熱も同様に及ぶので、吐出路25は真空二重容
器3に接触しているだけでも内容液が加熱されて、冷め
た内容液が吐出されるのを防止することができる。外容
器5はヒータ11からの熱を受けにくい。しかし、外筒
5の底部は特にヒータ11に近く、かつヒータ11の加
熱を受ける一重底部とも近いので、昇温度が高い部分で
あるので吐出路25を図9、図10に示すように外筒5
の底部に接触させるのが好適である。
【0041】図9に示す参考例では、真空二重容器3か
らの熱伝導効率がよいように、液量表示部25bと吐出
ポンプ26とをステンレス鋼など適当な金属製の接続パ
イプ231により合成樹脂製の継ぎ手232、233を
介して接続してある。これにより接続パイプ231は合
成樹脂やゴムなどの断熱性の高い材料に比し、真空二重
容器3から熱を受けやすいし、受けた熱を内容液に伝達
しやすい。従って、吐出路25内の内容液の温度を高く
保ちやすい利点がある。
【0042】図10に示すように吐出路25の立ち上が
り部25aを液量表示部とせずに金属製パイプで形成し
て、真空二重容器3の底部に加え胴部3aにも接触させ
ておくことは真空二重容器3の外筒5の胴部3aまで及
ぶ熱をもその広い範囲で吐出路25内の内容液の加熱に
利用するので、冷めた内容液が吐出されるのを防止する
のに有効である。図10に示す例では、また、吐出路2
5の立ち上がり部25aの上端と逆U字状のユニット2
5cとの間に、真空二重容器3の開口52を形成する内
筒4のネッキング部と外筒5との間の空間を利用し、全
長においてユニット25c側から立ち上がり部25a側
に向け下向きに傾斜した傾斜部25eを一円周分設けて
あり、ユニット25cとは合成樹脂製の継ぎ手234を
介して接続してある。
【0043】これにより、電気貯湯容器がどの向きに横
転しても一円周分ある傾斜部25eのうちの、横転方向
と逆の方向の部分が常に最上部となって、内容液がそこ
を吐出口25d側に越えられなくするので、図1〜図3
に示す実施例のような転倒時止水弁を設けることなく、
電気貯湯容器横転時の吐出路25を通じた内容液の流出
を確実に阻止できる。しかも、傾斜部25eが部分的に
も真空空間9内に入って内筒4に接触していれば、内容
液の熱を吐出路25の立ち上がり部25aにその上端部
側から伝達し内容液を加熱するのに有効である。
【0044】この場合、蓋13に設ける吐出ポンプ26
は内容液を加圧するタイプのものとして手動式で周知の
ベローズポンプを採用している。このため上板151と
これに連結した下板であるベローズ下板56の上にベロ
ーズポンプ26を設置して復元ばね82を働かせ、これ
を蓋13の上板151の開口151aに設けた押圧板8
1により押圧操作して真空二重容器3の内筒4内に加圧
空気を送り込み、内容液を加圧して吐出路25を通じて
外部に押出し吐出できるようにしている。ベローズ下板
56と内蓋53との間に蒸気通路17が形成されるとと
もに、押圧板81によりベローズポンプ26を押圧操作
したときに蒸気通路17を閉じてベローズポンプ26を
真空二重容器3の内筒4内に通じるように切り換わり、
押圧操作が解除されるのに連動してベローズポンプ26
に代わって蒸気通路17が真空二重容器3の内筒4内に
通じるように切り換わる切換弁機構83が設けられてい
る。また、肩部材6の一部に蒸気通路17内に臨む蒸気
センサ84が設けられ、蒸気温度を検出することで内容
液の沸騰をより正確に検知できるようにしている。加圧
式の吐出ポンプ26は手動に限らず電動式のものでも採
用できるのは勿論である。電動式であれば吐出ポンプ2
6を働かせる操作、またはこの操作に停止に連動して切
換弁機構83の切り換えが行われるようにすればよい。
【0045】図10に示す例のように吐出路25の立ち
上がり部25aが液量表示部を有しない構成であれば、
内容液の量の違いを電極間の静電容量の違いとして検出
するなどの液量検出機構を採用し、検出された液量を液
量表示窓35や操作パネル32などの電気的に表示すれ
ばよい。
【0046】図9、図10に示す場合も他の構成および
奏する作用は、図1〜図3の実施例と特に変わるところ
はないので、重複する図示および説明は省略し、必要に
応じ同一の部材は同一の符号を付して示してある。
【0047】図11〜図13に示す参考例は、真空二重
容器3の吐出路25が接触する部分が真空空間9を形成
しない凹部241としてある。凹部241は特に胴部3
aに形成してあるが、仮想線で示すように吐出路25が
真空二重容器3の底部だけ、あるいは底部にも接触して
いる場合に、その部分をも凹部241とするのが好適で
ある。このようにすると、内容液の熱が真空二重容器3
の胴部3aの真空空間9を形成しない壁を通じて凹部2
41の外面に伝導され、これがさらに吐出路25の立ち
上がり部25aにも伝導されるし、凹部241外面に伝
導されてきた熱は凹部241内にこもりながら吐出路2
5にそのまわりから輻射させるので、吐出路25内の立
ち上がり部25a内の内容液をさらに強く加熱すること
ができ、真空二重容器3内の内容液の温度に近づけやす
い。
【0048】しかも、吐出路25は図11の(a)
(b)、図12に示すように真空二重容器3に面接触し
ているようにすると、真空二重容器3の胴部3aを通じ
た内容液の熱の吐出路25の立ち上がり部25aへの伝
導率が高くなるので、吐出路25内の内容液の温度を真
空二重容器3内の内容液の温度にさらに近づけることが
できる。同様な理由で立ち上がり部25a、外筒5、お
よび内筒4のそれぞれが面接触するようにするのがさら
に好適であるし、凹部241の部分は真空空間9を形成
しないので、内外筒4、5のいずれかだけで構成されて
もよい。その方が内筒4内の内容液の熱が吐出路25内
の内容液により直接に伝達される。なお、図示は省略す
るが真空二重容器3の真空を形成しない一重壁凹部とこ
れに溶接やろう接をして貼り合わせた通路板との間に吐
出路25の立ち上がり部を形成すると、真空二重容器3
の一重凹部だけをかいして真空二重容器3内の内容液の
熱を吐出路25内の内容液により効率よく伝達すること
ができる。
【0049】吐出路25の上端は真空二重容器3の外鍔
3dの切り欠き242を通じてその上に延び、合成樹脂
製の継ぎ手243を介して肩部材6の立上がり壁8を貫
通する接続パイプ244に接続し、逆U字状のユニット
25cと繋がるようにしてある。このユニット25cは
転倒時止水弁34を持ったものとしてある。
【0050】他の構成および作用は図1〜図3に示す実
施例と特に変わるところはなく、重複する図示および説
明は省略する。必要に応じ同一の部材には同一の符号を
付して示してある。
【0051】このように真空二重容器3の外側を立ち上
がる吐出路25でありながら、真空二重容器3の外面の
凹部241内を通ることにより胴部3aの外面に突出し
ないので、外装ケースに収容するかどうかにかかわりな
く、胴部3aまわりのかさ張りをなくし器体1のコンパ
クト化に貢献する。しかも、図の例では特に、真空二重
容器3の上端に肩部材6を装着し、底部下に合成樹脂製
の底部材245を装着して、真空二重容器3の胴部3a
が器体1の外面に露出する器体1を構成している。そこ
で、凹部241内の立ち上がり部25aを液量表示部2
5bとし、外部に直接液量を表示するようにしてある。
【0052】図14に示す参考例は吐出ポンプ26を経
た吐出路25が真空二重容器3の底部に接触した後、真
空二重容器3の胴部3aの真空空間9内を上下に貫通し
て立ち上がる金属製の立ち上がり部25aを有したもの
としてある。立ち上がり部25aが真空空間9内を立ち
上がるだけでも、その中の内容液が外部に放出して冷め
るのを防止される。しかも、立ち上がり部25aと吐出
ポンプ26との間の部分の真空二重容器3の底部との接
触部でヒータ11などからの熱を受けて内容液が加熱さ
れるので、吐出路25内の内容液を真空二重容器3内の
内容液の温度に近づけやすく、冷めた内容液が吐出され
るのを防止することができる。
【0053】なお、立ち上がり部25aと転倒時止水弁
34との間の部分に、切り換え弁251を介して分岐し
た戻し路252を設けて、これを内外筒4、5が真空空
間9を形成しない一重壁部3e部に接続し、切り換え弁
251を外部に臨むレバー251aにより切換えて、吐
出ポンプ26により吐出されてくる内容液を吐出口25
dの側に流して吐出するようにしたり、戻し路252を
通じて内筒4内に戻したりできるようにしてある。戻し
路252は真空二重容器3内の内容液を吐出しながら内
筒4内に戻すことを続けて、繰り返し循環させられるよ
うにするもので、接続パイプ203に装着した浸漬型の
浄水部や鉱水部などに内容液を繰り返し通して、浄水や
成水の処理をすることができるし、内容液にクエン酸を
入れて循環させることにより、内筒4内は勿論吐出路2
5の内部も清潔に洗浄することができる。
【0054】他の構成および作用は図1〜図3に示す実
施例と特に変わるところはなく、重複する図示および説
明は省略する。必要に応じ同一の部材には同一の符号を
付して示してある。
【0055】図15に示す実施の形態は、真空二重容器
3の底部に当てがわれたヒータ11のまわりから、真空
二重容器3の底部に接続されて真空二重容器3の外側を
立ち上がる吐出路25の立ち上がり部25aまでを覆う
導熱カバー261を設けて、ヒータ11まわりの熱を吐
出路25の接続部から立ち上がり部25aの外まわりに
導くようにしてある。導熱カバー261は屈曲し、長く
延びる吐出路25を覆うのに、複数のダクト部材261
a、261bで構成し、適所の接続部261cで接続さ
れ一体化されている。
【0056】これにより、吐出路25は真空二重容器3
の底部への接続部から真空二重容器3の外側を立ち上が
る立ち上がり部25aまでが、真空二重容器3のヒータ
11が当てがわれた部分とともに導熱カバー261によ
り覆われて、ヒータ11まわりを囲って集めた高温の熱
気として空気とともに導かれてくる熱により加熱され、
吐出路25内の内容液を真空二重容器3内の内容液の温
度に近づけやすく、冷めた内容液が吐出されるのを防止
することができる。しかも、図8の実施の形態のような
送風手段といった動作部材が不要となり構成が簡単で安
価であり、ランニングコストが掛からない利点がある。
【0057】この場合、吐出ポンプが、真空二重容器3
の蓋13を通じて内容液を加圧して吐出路25を通じ押
出し吐出するものとすることにより、吐出路25途中に
吐出ポンプが不要であって、導熱カバー261で覆われ
ても新たな問題は生じない。
【0058】図16〜図18に示す参考例は吐出路25
の立ち上がり部25aに設ける液量表示部25bの外ま
わりにヒータ211を図16、図17に示すように螺旋
状に巻き付けて配線した場合の一例である。傾斜したラ
イン211aを多段に形成し、これがヒータ211の通
電時に赤熱して内容液を赤く着色して照明するのに併
せ、ライン211aが液量表示用の目盛となる。
【0059】本実施例ではさらに、吐出ポンプ26を真
空二重容器3の胴部3aの下部に設けた真空空間9を形
成しない一重壁部3fに接続し、制御基板27も真空二
重容器3と外装ケース2との間に配置してある。これに
対応して真空二重容器3の底部と外装ケース2の底2a
との間にはヒータ11に対応して設けた断熱材262だ
けが位置する構造としてある。従って、電気貯湯容器の
全体の高さをさらに低く抑えられる。なお、外装ケース
2は金属製の胴部263および合成樹脂製の底部材26
4により構成してある。液量表示窓35の外観は図18
に示すようになる。
【0060】図19の(a)(b)に示す各参考例は、
吐出路25の立ち上がり部25a内の内容液をヒータ2
11により加熱できるようにしながら、最初に吐出され
る内容液を一時貯留部271に一時溜置いて、適時に吐
出路25内に戻し引き続き吐出されてくる真空二重容器
3内の内容液に合流させながら吐出させることで、最初
に吐出される内容液の温度を真空二重容器3内の内容液
の温度にさらに近づけ、また、最初に吐出される内容液
と後続の内容液との温度差が大きくなる違和感を防止す
ることができる。
【0061】図19の(a)の参考例は一時貯留部27
1を、吐出路25の立ち上がり部25aの外回りに広が
るオーバーフロー槽として設け、吐出されてくる内容液
が満杯になるまで受け入れてそれ以降の内容液が吐出口
25dに送り出されるようにし、一時貯留部271はそ
の下部に設けた小さな孔272を通じて吐出路25の立
ち上がり部25a内に滴下させる状態で徐々に戻すよう
にしている。
【0062】図19の(b)の参考例は一時貯留部27
1を、吐出路25の立ち上がり部25aの一側に広がる
オーバーフロー槽として設け、吐出ポンプを働かせる吐
出スイッチ273の操作に連動して一時貯留部271か
ら吐出路25の立ち上がり部25aへの戻し口274を
弁275で閉じ、初期に吐出されてくる内容液を一時貯
留し、これが単独で吐出されないようにし、吐出スイッ
チ273が操作を解除されるときの弁275の早期復帰
によって一時貯留内容液を吐出路25の立ち上がり部2
5a内に戻して真空二重容器3内の内容液に合流して全
部あるいは一部が吐出されるようにしている。
【0063】図20の(a)(b)に示す参考例は吐出
路25の上端部に、吐出する内容液を吐出口25d側と
内筒4内への戻し路252側とに切り換える切換弁25
1を設け、吐出路25の立ち上がり部25a部でヒータ
211の加熱により内容液が温度低下するのを防止しな
がら、吐出スイッチ273が働かされるのに遅延状態で
連動して吐出初期の内容液が戻し路252の側に導いた
後、所定時間後に切換弁251が戻し路252側から吐
出口25d側に切り換わってその後の内容液を吐出口2
5dに導き、真空二重容器3内の内容液から吐出され始
めるようにする。これによって、吐出路25内の内容液
が万一にも温度補償されていない場合の問題がなくなる
し、真空二重容器3内に戻される内容液はヒータ211
による加熱である程度の温度には保たれているので、少
量であることと相まって、真空二重容器3内の内容液の
温度を極端に下げるとはなく問題にならない。しかも、
一部の内容液が同じ部分に停滞するようなことも回避さ
れる。戻し路252は蓋13の側に設けた補助通路25
2aと組み合わせ使用されるもので、蓋13の開閉に伴
って接続パッキング281部で分離できるように接続さ
れる。
【0064】
【発明の効果】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯
容器の1つの特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に吐出されて使用される。吐出路の真空二重容
器の外側を立ち上がる液量表示部では、それの背部に設
けられた液量表示板の目盛り表示とともに液量を視認で
き、これが真空二重容器内の内容液の液位と同一レベル
であることにより内容液の液量が判別できる。特に、液
量表示板は面状のヒータの下面に当てがわれるか面状の
ヒータと真空二重容器の底部との間に挟まれた受熱板を
有して、受熱板でヒータから面接触により効率よく受熱
した熱を液量表示板に伝導し、液量表示部のほぼ全長範
囲を背部から十分な熱量で加熱することができ、真空二
重容器外で冷めやすい液量表示部内の内容液を効果的に
温度補償することができる。
【0065】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器の今1つの特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に吐出されて使用される。特に、吐出路は真空
二重容器の底部への接続部から真空二重容器の外側を立
ち上がる立ち上がり部までが、真空二重容器のヒータが
当てがわれた部分とともに導熱カバーにより覆われて、
ヒータまわりから導かれてくる熱により加熱されるの
で、冷めた内容液が吐出されるのを防止することができ
るし、ヒータの熱を有効利用することができ熱効率が向
上する。
【0066】この場合、吐出ポンプが、真空二重容器の
蓋を通じて内容液を加圧して吐出路を通じ押出し吐出す
るものであることにより、吐出路途中に吐出ポンプが不
要であって、導熱カバーで覆われても新たな問題は生じ
ない。
【0067】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器の別の特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内容液
はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプにより
外部に吐出されて使用される。特に、送風手段が、真空
二重容器に当てがわれたヒータのまわりの昇温雰囲気を
吸引して、真空二重容器の外側を立ち上がって内容液が
冷めやすい立ち上がり部に送風し、吐出路の立ち上がり
部内の内容液を積極的に加熱するので、冷めた内容液が
吐出されるのを防止することができるし、ヒータの熱を
積極的に有効利用することができ熱効率が向上する。
【0068】この場合、吐出路の真空二重容器の底部近
くの途中に吐出ポンプを有していると、送風手段は吐出
ポンプと駆動モータを共用するようにするのが好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電気ポットとしての1つ
の実施例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの底部の断面図である。
【図3】図1の電気ポットの液量表示板を示す斜視図で
ある。
【図4】別の実施例の電気ポットを示し、その(a)、
(b)はそれぞれ異なった実施例を示す液量表示部およ
びヒータ部の断面図、その(c)は(a)(b)に共通
の液量表示部の横断面図である。
【図5】図4の(a)(b)に共通の液量表示部の斜視
図である。
【図6】今1つの実施例の電気ポットの底部を示す縦断
面図である。
【図7】参考例の電気ポットの液量表示部を示し、1つ
の参考例の斜視図、その(b)は(a)の液量表示板の
斜視図、その(c)は別の参考例の液量表示部の斜視図
である。
【図8】本発明の今1つの実施の形態の電気ポットの底
部の断面図である。
【図9】他の参考例の電気ポットの底部の半部を示す断
面図である。
【図10】さらに別の参考例の電気ポットを示す断面図
である。
【図11】さらに今1つの参考例の電気ポットを示し、
その(a)は真空二重容器の吐出路部分の断面図、その
(b)は横断面図である。
【図12】図11の電気ポットの上端部分の前部の断面
図である。
【図13】図11、図12の電気ポットの真空二重容器
および底部材の部分を示す斜視図である。
【図14】さらに他の参考例を示す電気ポットの断面図
である。
【図15】本発明のまた別の実施の形態の実施例を示す
電気ポットの真空二重容器および吐出路部分を示す断面
図である。
【図16】図7の参考例とは別の参考例を示す電気ポッ
トの下半部の概略構成図である。
【図17】図16の真空二重容器と液量表示部の斜視図
である。
【図18】図16の電気ポットの外観斜視図である。
【図19】図7の参考例とはさらに別の参考例を示し、
その(a)は弁なしタイプの吐出路の断面図、その
(b)は弁ありタイプの吐出路の断面図である。
【図20】図7の参考例のさらに別の実施例の電気ポッ
トを示し、その(a)は全体の概略構成図、その(b)
は吐出路の断面図である。
【符号の説明】
1 器体 2 外装ケース 3 真空二重容器 4 内筒 5 外筒 6 肩部材 11 ヒータ 25 吐出路 25a 立ち上がり部 25b 液量表示部 25d 吐出口 26 吐出ポンプ 35 液量表示窓 201 液量表示板 201a 目盛り表示 201b 受熱板 202 遮熱板 221 送風手段 222 駆動モータ 231 接続パイプ 232、233 継ぎ手 241 凹部 261 導熱カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 A47J 41/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒と外筒により構成される真空二重容
    器と、内筒内の内容液を加熱するように真空二重容器の
    底部に当てがわれた面状のヒータと、内容液を外部に案
    内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させ
    る吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電気貯湯
    容器において、 吐出路の真空二重容器の胴部外側を立ち上がる部分に液
    量表示部を有し、この液量表示部の背部に目盛り表示を
    した液量表示板を設け、この液量表示板に前記面状のヒ
    ータの下面に当てがわれるか面状のヒータと真空二重容
    器の底部との間に挟み込まれた受熱板を設けたことを特
    徴とする真空二重容器を持った電気貯湯容器。
  2. 【請求項2】 内筒と外筒により構成される真空二重容
    器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外
    部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐
    出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電
    気貯湯容器において、 真空二重容器の底部に当てがわれたヒータのまわりか
    ら、真空二重容器の底部に接続されて真空二重容器の外
    側を立ち上がる吐出路の立ち上がり部までを覆う導熱カ
    バーを設けて、ヒータまわりの熱を吐出路の接続部から
    立ち上がり部の外まわりに導くようにしたことを特徴と
    する真空二重容器を持った電気貯湯容器。
  3. 【請求項3】 吐出ポンプは真空二重容器の蓋を通じて
    内容液を加圧して吐出路を通じ押出し吐出するものであ
    る請求項2に記載の真空二重容器を持った電気貯湯容
    器。
  4. 【請求項4】 内筒と外筒により構成される真空二重容
    器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外
    部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐
    出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電
    気貯湯容器において、 真空二重容器に当てがわれたヒータのまわりの昇温雰囲
    気を吸引し、吐出路の真空二重容器の外側を立ち上がる
    立ち上がり部に向け送風する送風手段を設けたことを特
    徴とする真空二重容器を持った電気貯湯容器。
  5. 【請求項5】 吐出路の真空二重容器の底部近くの途中
    に吐出ポンプを有し、送風手段は吐出ポンプと駆動モー
    タを共用する請求項4に記載の真空二重容器を持った電
    気貯湯容器。
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