JP4522421B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波加熱と蒸気加熱とを組み合わせて被加熱物を加熱処理する高周波加熱装置に関する。
従来の高周波加熱装置としては、高周波加熱のみの単機能型や高周波加熱に加えて熱風を発生させるコンベクションヒータを備えたコンビネーションレンジ等があり、また、高周波と蒸気とを加熱室に供給可能に構成した高周波加熱装置も検討されている。蒸気発生機能を付加した高周波加熱装置としては、例えば加熱室外にボイラを設け、このボイラから発生する蒸気を加熱室内に導入する方式等、種々の方式が提案されている。
また、最近の高周波加熱装置においては、高周波加熱装置の操作パネルを扉部に配置すると共に制御回路を底面に配置して、筐体の正面側全体を扉部として構成し、さらに、加熱室を形成する壁体を必要最小限に薄くすることで、加熱室の容積を拡大した構成のものが採用されつつある。
上記した蒸気発生機能付きの高周波加熱装置においては、蒸気発生のための水供給方式として、ヒータ加熱される貯水器に直接供給する方式や、蒸気発生部に接続された水タンクから供給する方式等がある。しかし、貯水器に直接供給する方式では、貯水器に水を溜めて加熱すると、貯水器の水が蒸発して濃縮されることで、水に含まれるカルシウムやマグネシウム等のいわゆる水垢が析出し、ヒータや貯水器内面に付着してくる。このため、蒸発の熱効率が低下すると共に貯水器の清掃を頻繁にする必要があり、衛生上好ましくない。また、被加熱物の加熱処理の度に貯水器へ水を供給することとなり、加熱処理自体が面倒となり、使い勝手が悪くなる。
この点、水タンクから供給する方式の方が使い勝手に優れるが、水タンクを用いる方式であっても次のような問題を生じる。まず、水タンクが高周波加熱装置から脱着できない場合には、水タンク内が不衛生となる。また、高周波加熱装置に水タンクを単純に取り付けると、高周波加熱装置の筐体サイズを拡大することとなり、装置の設置面積が拡大して省スペース化ができなくなる。さらに、高周波加熱装置の内部に水タンクを配設すると、水の侵入があってはならない制御回路への漏水の危惧を生じさせ、また、侵入した水が筐体内に残留することで衛生上の問題が生じる。さらに、加熱室と水タンクとが近接配置されるため、被加熱物の加熱処理に伴う加熱室からの熱が水タンクに伝播する可能性が大きくなる。
このように、水タンクの配置は、設置スペースの面からは高周波加熱装置内にコンパクトに収めることが好ましく、水タンクからの漏水と加熱室からの熱伝播の面からは高周波加熱装置外に設けることが好ましいというトレードオフの関係にあり、全ての問題を一挙に解決でき、且つ使い勝手のよい水タンクの配置が望まれていた。特に、水タンクの水を蒸気発生部へ供給するポンプは使用可能温度限界が低く、熱伝播による過熱を極力防ぐ必要がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で装置の大型化を招くことなく、水タンクの装置内への漏水を防止でき、加熱室からの熱による悪影響を受けることがなく、衛生的で使い勝手のよい高周波加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の高周波加熱装置は、被加熱物を収容する加熱室に高周波を供給する高周波発生部と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部とを備え、前記加熱室に高周波と蒸気との少なくともいずれかを供給して前記被加熱物を加熱処理する高周波加熱装置であって、前記高周波加熱装置の側面に、少なくとも一部が光透過性を有する材料で構成され、前記蒸気発生部へ水を供給するための水タンクを脱着自在に有する高周波加熱装置において、前記高周波加熱装置の側面には、前記水タンクを収容するタンクケースが開閉自在に設けられ、前記水タンクが高周波加熱装置に装着された状態において、前記水タンクの液位レベルを前記高周波加熱装置の正面側に表示するための反射体が前記水タンクに設けられ、かつ、前記タンクケースから突出するように設けられるとともに、前記水タンクの前記加熱室側の面と対向するように蛍光色の背面板が設けられるものである。
この高周波加熱装置では、高周波加熱装置の外面のいずれかの位置に水タンクを脱着自在に配設したことにより、水タンクを高周波加熱装置から容易に取り外して洗浄等が行えるため、衛生的で使い勝手のよい高周波加熱装置の構成にできる。
更に、水タンクの液位の確認できる側面の少なくとも一部が光透過性を有することで、水タンク内の水量が外側から見えるようになり、水タンクの水残量管理が容易となる。
また、反射体と背面板とにより、水タンクを加熱装置に装着した状態で装置の真正面から見た場合でも水タンク内の水が着色されて見えるため、水タンクの液位の確認が容易となり、使い勝手及び美観にも優れた構成にできる。
請求項記載の高周波加熱装置は、前記背面板上に前記水タンクの液位レベルを示す目盛りが形成されていることを特徴とする。
この高周波加熱装置では、目盛りの取り付けが、目盛り付き背面板を加熱装置側に貼り付けるだけで済み、製造及び製品コストを低減できる。
請求項記載の高周波加熱装置は、前記水タンクに液位レベルを示す目盛りを設けたことを特徴とする。
この高周波加熱装置では、水タンクに直接目盛りを設けたことにより、水タンクを単体で取り出した状態でも、水タンクを加熱装置に装着した状態でも目盛りから液位を容易に読みとることができる。また、目盛りをタンク本体と一体に射出成形して形成すれば、低コストで取り付けが行える。
請求項記載の高周波加熱装置は、前記反射体が、三角柱形状のプリズムであることを特徴とする。
この高周波加熱装置では、反射体を三角柱形状のプリズムとすることで、安価に形成でき、安価な構成でありながら液位を視認性良く確認することができる。
本発明に係る高周波加熱装置によれば、水タンクを高周波加熱装置から容易に取り外して洗浄等が行えるため、衛生的で使い勝手のよい高周波加熱装置の構成にできるとともに、更に、水タンクの液位の確認できる側面の少なくとも一部が光透過性を有することで、水タンク内の水量が外側から見えるようになり、水タンクの水残量管理が容易となる、という効果を有する。
以下、本発明に係る高周波加熱装置の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る高周波加熱装置の外観斜視図、図2は高周波加熱装置の開閉扉を開けた状態を示す概略的な正面図、図3はこの装置に用いられる蒸気発生部の蒸発皿を示す斜視図、図4は蒸気発生部の蒸発皿加熱ヒータと反射板を示す斜視図、図5は蒸気発生部の断面図である。
本発明は、図1に示すように、高周波加熱装置100に備えられた蒸気発生部へ水供給を行うための水タンク23を、高周波加熱装置100の側面に脱着可能に設けた構成に特徴を有しているが、ここでは、まず最初に本発明に係る高周波加熱装置100の基本的な構成とその作用から説明する。
本高周波加熱装置100は、図1及び図2に示すように、被加熱物を収容する加熱室11に、高周波(マイクロ波)と蒸気との少なくともいずれかを供給して被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、高周波を発生する高周波発生部としてのマグネトロン13と、加熱室11内で蒸気を発生する蒸気発生部15と、加熱室11内の空気を撹拌・循環させる循環ファン17と、加熱室11内を循環する空気を加熱する室内気加熱ヒータとしてのコンベクションヒータ19と、加熱室11の壁面に設けた検出用孔を通じて加熱室11内の温度を検出する赤外線センサ21と、蒸気発生部15への給水路に接続された脱着自在な水タンク23とを主要な構成要素として備えている。
加熱室11は前面開放の箱形の本体ケース(筐体)10内部に形成され、本体ケース10の前面には、加熱室11の被加熱物取出口を開閉する透光窓25a付きの開閉扉25を設けている。開閉扉25は、下端が本体ケース10の下縁にヒンジ結合されることで、該下端を回転中心として上端が前後方向に移動して開閉可能となっている。加熱室11と本体ケース10との壁体面間には所定の断熱空間が確保されており、必要に応じてその空間には断熱材が装填される。特に加熱室11の背後の空間は、循環ファン17及びその駆動モータ27(図8参照)を収容した循環ファン室29となっており、加熱室11の後面の壁が、加熱室11と循環ファン室29とを画成する仕切板31となっている。仕切板31には、加熱室11側から循環ファン室29側への吸気を行う吸気用通風孔33と、循環ファン室29側から加熱室11側への送風を行う送風用通風孔35とが形成エリアを区別して設けられている。各通風孔33,35は、多数のパンチ孔として形成されている。
循環ファン17は、矩形の仕切板31の中央部に回転中心位置として配置されており、循環ファン室29内には、この循環ファン17を取り囲むようにして矩形環状のコンベクションヒータ19が設けられている。そして、仕切板31に形成された吸気用通風孔33は循環ファン17の前面に配置され、送風用通風孔35は矩形環状のコンベクションヒータ19に沿って配置されている。循環ファン17は、駆動により発生する風が循環ファン17の前面側から駆動モータ27のある後面側に流れるように設定されているので、加熱室11内の空気が、吸気用通風孔33を通して循環ファン17の中心部に吸い込まれ、循環ファン室29内のコンベクションヒータ19近傍を通過して、送風用通風孔35から加熱室11内に送り出される。従って、この流れにより、加熱室11内の空気が撹拌されつつ循環ファン室29を経由して循環されるようになっている。
マグネトロン13は、加熱室11の下側の空間に配置され、マグネトロン13より発生した高周波を受ける位置にはスタラー羽根37を設けてある。このマグネトロン13から発生した高周波を、回転駆動されるスタラー羽根37に照射することにより、該スタラー羽根37によって高周波が加熱室11内へ撹拌しながら供給されるようになっている。なお、マグネトロン13やスタラー羽根37は、加熱室11の底部に設ける構成に限らず、例えば加熱室11の上面や側面側に設けた構成にもできる。
蒸気発生部15は、図3に示すように、加熱により蒸気を発生する水溜凹所39aを有した蒸発皿39と、蒸発皿39の下側に配設され、図4及び図5に示すように蒸発皿39を加熱する蒸発皿加熱ヒータ41と、該ヒータ41の輻射熱を蒸発皿39に向けて反射する断面略U字形の反射板43とから構成されている。蒸発皿39は、例えばステンレス製の細長板状のもので、加熱室11の被加熱物取出口とは反対側の奥側底面に長手方向を仕切板31に沿わせた向きで配設され、赤外線センサ21の温度検出走査の検出範囲外に設けている。なお、蒸発皿加熱ヒータ41としては、ガラス管ヒータ、シーズヒータ、プレートヒータ等が利用できる。
図6に蒸気発生機能付き高周波加熱装置100を制御するための制御系のブロック図を示した。この制御系は、例えばマイクロプロセッサを備えてなる制御部501を中心に構成されている。制御部501は、主に、電源部503、記憶部505、入力操作部507、表示パネル509、加熱部511、制御回路等の冷却用ファン513、蒸気発生部へ水を供給するポンプ55等との間で信号の授受を行っている。
入力操作部507には、加熱の開始を指示するスタートスイッチ519、高周波加熱や蒸気加熱等の加熱方法を切り替える切替スイッチ521、予め用意されている加熱プログラムをスタートさせる自動調理スイッチ523等の種々の操作スイッチが接続されている。
加熱部511には、高周波発生部13、蒸気発生部15、循環ファン17、赤外線センサ21等が接続されている。また、高周波発生部13は、電波撹拌部(スタラー羽根)37と協働して動作し、蒸気発生部15には、蒸発皿加熱ヒータ41、室内気加熱ヒータ19(コンベクションヒータ)等が接続されている。
次に、本高周波加熱装置100の基本的な加熱動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
操作の手順としては、まず、加熱しようとする食品を加熱室11内に入れ、開閉扉25を閉める。そして、加熱方法、加熱温度又は時間を入力操作部507により設定して(ステップ10、以降はS10と略記する)、スタートスイッチ519をONにする(S11)。すると、制御部501の動作によって自動的に加熱処理が行われる(S12)。
即ち、制御部501は、設定された加熱方法に基づいて加熱処理を開始し、被加熱物が設定された加熱温度・時間に達したか否かを赤外線センサ21やタイマから判断して(S13)、設定値に達したときに、各加熱源を停止して加熱処理を終了する(S14)。なお、S12では、蒸気発生、室内気加熱ヒータ、循環ファン回転、高周波加熱を、それぞれ個別或いは同時に行う。
上記した加熱処理の際に、例えば「蒸気発生+循環ファンON」の加熱モードが選択・実行された場合の作用を説明する。このモードが選択されると、図8に本高周波加熱装置100の動作説明図を示すように、蒸発皿加熱ヒータ41がONにされることで、蒸発皿39の水が加熱され蒸気Sが発生する。蒸発皿39から上昇する蒸気Sは、仕切板31の略中央部に設けた吸気用通風孔33から循環ファン17の中心部に吸引され、循環ファン室29を経由して、仕切板31の周部に設けた送風用通風孔35から、加熱室11内へ向けて吹き出される。吹き出された蒸気は、加熱室11内において撹拌されて、再度、仕切板31の略中央部の吸気用通風孔33から循環ファン室29側に吸引される。これにより加熱室11内と循環ファン室29に循環経路が形成される。なお、仕切板31の循環ファン17の配置位置下方には送風用通風孔35を設けずに、発生した蒸気Sを吸気用通風孔33に導くようにしている。そして、図中白抜き矢印で示すように蒸気Sが加熱室11を循環することによって、被加熱物Mに蒸気が吹き付けられる。
この際、室内気加熱ヒータ19をONにすることによって、加熱室11内を循環する蒸気の温度を高温に設定することができる。従って、いわゆる過熱蒸気が得られて、被加熱物Mの表面に焦げ目を付ける加熱調理も可能となる。また、高周波加熱を行う場合は、マグネトロン13をONにし、スタラー羽根37を回転することで、高周波を加熱室11内に撹拌しながら供給して、ムラのない高周波加熱処理を行うことができる。
次に、本高周波加熱装置100の基本構成による作用を説明する。
この高周波加熱装置100によれば、加熱室11の内部で蒸気を発生させる構成にしているので、加熱室11内を清掃する場合と同様に、蒸気を発生する部分、つまり蒸発皿39の清掃を簡単に行うことができる。例えば、蒸気発生の過程では、水分中のカルシウムやマグネシウム、塩素化合物等が濃縮されて蒸発皿39の底部に水垢として沈殿固着することがあるが、その場合には、蒸発皿39の表面に付着した水垢を布等で拭き取るだけできれいにできる。また、特に汚れが激しい場合には、蒸発皿39を加熱室11外に取り出して洗浄することもでき、蒸発皿39の清掃を簡単にできる。また、場合によっては、新しい蒸発皿39と簡単に交換することもできる。従って、蒸発皿39を含めて、加熱室11内が清掃しやすくなり、加熱室内部を常に衛生的な環境に保つことが容易となる。
また、この高周波加熱装置100では、蒸発皿39を加熱室11の被加熱物Mの取出口とは反対側の奥側底面に配設しているので、被加熱物Mの取り出し動作の邪魔にならず、蒸発皿39が高温になっていても、被加熱物Mの出し入れ時に蒸発皿39に手が触れるおそれもなく安全性に優れる。また、赤外線センサ21による温度検出範囲から実質的に外れた位置に蒸発皿39が配設されるため、加熱室内で高温となる蒸発皿39が存在しても、被加熱物Mの加熱温度を高精度で測定可能となる。
さらに、この高周波加熱装置100では、蒸発皿加熱ヒータ41で蒸発皿39を加熱して蒸気Sを発生させているので、簡単な構造で効率良く蒸気を加熱室内に供給でき、また、加熱によってある程度高い温度の蒸気を発生できるので、単に加湿するだけの調理、あるいは高周波加熱と併用して乾燥を防止しつつ加熱する調理も可能となる。
また、蒸発皿加熱ヒータ41の輻射熱は、反射板43で蒸発皿39に向けて反射させているので、蒸発皿加熱ヒータ41の発生する熱を無駄なく効率良く蒸気発生のために利用することができる。
そして、この高周波加熱装置100では、加熱室11内の空気を循環ファン17で循環・撹拌するようにしているので、蒸気加熱を行う際に、蒸気を加熱室11内の隅々までムラなく行き渡らせることができる。従って、加熱室11内に蒸気が充満するものの、滞留することはなく、蒸気が加熱室11内全体に行き渡ることになり、その結果として、赤外線センサ21による被加熱物の温度計測時に、赤外線センサ21が加熱室11内の蒸気粒子の温度を計測することなく確実に被加熱物Mの温度を測定し、温度検出精度が高められる。これにより、検出温度を参照してなされる加熱処理が、誤動作することなく適正に行われるようになる。
また、加熱方法としては、高周波加熱と蒸気加熱の双方を同時に行ったり、いずれかを個別に行ったり、双方を所定の順番で行ったりすることが自由にできるため、食品の種類や冷凍品か冷蔵品かの区別等に応じて、適切な加熱方法を任意に選択することができる。特に、高周波加熱と蒸気加熱を併用した場合には、被加熱物の温度上昇速度を速めることができるので、効率の良い調理が可能となる。
また、加熱室11内を循環する空気を、循環ファン室29に装えた室内気加熱ヒータ19で加熱が行えるようにしたため、発生させた蒸気の温度を自在に調整することができる。例えば、蒸気の温度を100℃以上の高温に設定することもできるため、過熱蒸気によって被加熱物を効率良く昇温させることができ、また、被加熱物表面を乾燥させて、場合によっては表面に焦げ目を付けることも可能となる。また、被加熱物が冷凍品の場合には、蒸気の熱容量が大きいために熱伝達が効率よく行われ、短時間で解凍することができる。
次に、本発明の特徴部分である上述した本高周波加熱装置100の水タンク23の配置構成について、以下、詳細に説明する。
本発明の主要な構成上の特徴点として3つの点が挙げられる。即ち、
(1)水タンクを高周波加熱装置100の外面のいずれかの位置に脱着自在に配設した点にある。
(2)加熱室に近接配置された水タンク23が、加熱室からの熱の影響を受け難くした点にある。
(3)仮に水タンク23からの漏水が有った場合でも、高周波加熱装置100が漏水の影響を受けることのない防水対策を施した点にある。
まず、第1の水タンク23の脱着自在に配設した点から詳細に説明する。
図9に高周波加熱装置の側面に水タンクを配設した構成の分解斜視図を示した。詳細は後述するが、本高周波加熱装置100の側面には、加熱室内側の側壁板から加熱装置100の外方へ所定の空間(第1の空間)を空けて側面断熱板51が固設されており、この側面断熱板51にタンクケース本体53を、側面断熱板51に対して所定の空間(第2の空間)を空けて設けている。なお、このタンクケース本体53には、給水用のポンプ55を取り付けてある。タンクケース本体53には、タンクケース扉部材57が開閉軸を中心として開閉自在に軸支され、タンクケース本体53とタンクケース扉部材57との間には、水タンク23がタンクケース扉部材57に載置されて収容される。さらに、タンクケース扉部材57の外周に扉枠体59を取り付けている。扉枠体59の加熱装置100前面側の内側には、水タンク23との間にタンクケース扉部材57を開閉するための開閉ボタン(扉係止手段)61が設けられている。開閉ボタン61には、タンクケース本体53と、タンクケース扉部材57とを閉じ合わせる係止部材(図示略)の係止機能を有し、係止が解除されたときにタンクケース扉部材57は、扉の開方向に付勢された弾性部材(図示略)によって加熱装置100の外方へ飛び出すようになっている。
これら各部材を組み立てることで、水タンク23が高周波加熱装置100の内部に収容された図1に示す外観形状となる。
次に、図10に本高周波加熱装置100から水タンク23を取り出す手順を示した。図10(a)に示すように、高周波加熱装置100の側面の手前側に設けられた開閉ボタン61を加熱装置100の内側方向へ押下することで、図10(b)に示すように、タンクケース扉部材57とこれに載置された水タンク23が加熱装置100の側面から外方へ開く。そして、図10(c)に示すように、水タンク23を加熱装置100の正面側へ引き出すことで水タンク23が取り出される。
また、水タンク23を収容する場合は、上記手順と反対に、タンクケース扉部材57を開いた状態として、タンクケース扉部材57に水タンク23をスライドさせて挿入し、水タンク23を奥まで挿入する。そして、タンクケース扉部材57を加熱装置100の内側方向へ押し戻すことで、タンクケース扉部材57が係止部材(図示略)によって扉の閉状態で係止される。
水タンク23は、図11に拡大斜視図を示すように、扁平な直方体形状であって、タンク本体63と、取水筒65と給水口67が固定されタンク本体63に脱着自在なタンク蓋体69からなる。タンク本体63の一方の側端部には、水タンク23を把持する際の滑り止め用突起(或いは溝)63aが形成されており、また、タンク蓋体69の上面には、タンク取り出し時に用いる引き出しつまみ69aが形成され、水タンク23を脱着動作を容易にしている。水タンク23は、液位が確認できるように少なくともタンク本体63の側面の一部が光透過性を有する材料からなり、タンク本体63の加熱装置100装着時に表出するいずれかの部位には、タンク内の水の液位レベルを示す目盛り71を設けている。これにより、水タンク23の水残量は、水タンク23を単体で取り出した状態でも、水タンク23を加熱装置100に装着した状態でも目盛り71から容易に読みとることができる。また、目盛り71をタンク本体63と一体に射出成形して形成すれば、低コストで取り付けが行える。なお、目盛り71はタンク本体63に設ける以外にも、加熱装置100側(例えばタンクケース本体53の取り付け側の面53a等、(図21参照))に設けて、水タンク23の装着時に水タンク23を透かして液位を表示させる構成としてもよい。具体的には、水タンク23を加熱装置100に装着した状態における、該水タンク23の加熱室11側の面に対面する、例えば加熱装置100側に、蛍光色等の視覚的に認識しやすい背面板、或いは、蛍光色等の下地に黒色等の目盛りを記した目盛り付き背面板を貼り付けること等が挙げられる。これによれば、背面板や目盛り付き背面板を加熱装置100側に貼り付けるだけで済み、製造及び製品コストを低減できる。また、背面板を設けることによって、外側からは水タンク23内の水が着色されたように見えるため、液位の視認性が格段に向上し、使い勝手及び美観にも優れた構成にできる。
なお、背面板は、下地及び目盛りが印刷され裏面に接着剤が塗布されたシール体であってもよく、また、プラスチックや金属等のプレート体であってもよい。
また、水タンク23の液位の確認が、水タンク23を加熱装置100に装着した状態で装置の真正面から見た場合でも容易に行えるように、次に示す構成としてもよい。
図12に水タンクの取出側の側端部の斜視図、図13に図12のA−A断面図を示すように、反射体として三角柱形状のプリズム62を水タンク23のタンク本体63側面に設け、水タンク23内の水の液位を、背面板64の色としてプリズム62に写し込ませる。この構成では、水タンク23内の水の液位以下に相当するプリズム62の領域では、蛍光色である背面板64の色が図中矢印方向の手前側に表示されるようになり、一方、液位より高い領域では、蛍光色の表示はなく、半透明な状態となる。従って、この水タンク23を側方から見た場合、図14に模式的に示すように、プリズム62に、水タンク23内の水の液位が背面板64の色として表示される。これにより、図15に加熱装置100全体の正面図に示すように、水タンク23から外方に突出して設けられたプリズム62によって、加熱装置100の真正面からでも水タンク23内の水の液位を、安価な構成でありながら視認性良く確認することができる。
なお、上記の反射体としては、プリズム62の代わりに鏡を用いても同様の作用効果が奏される。図16に鏡を用いて構成した一例を示した。水タンク23のタンク本体63の側面に、反射面を水タンク23側に傾斜させて設けた鏡66は、図示しない取り付け具によってタンク本体63に固定され、水タンク23内の水の液位を背面板64の色として加熱装置100の正面方向へ高い反射率で反射表示している。この構成によっても、図15と同様の液位表示が行える。
また、この水タンク23では、タンク本体63とタンク蓋体69とが分離できるため、タンク内の清掃が容易な衛生的で使い勝手のよい構成となっている。また、水タンク23の厚みWtを薄く設定しているため、加熱装置100に装着した場合の水タンク収容厚みが増大することを防止している。
一般に、高周波加熱装置では、開閉扉との間で電波漏れが生じないように開閉扉側にチョーク溝と呼ばれる溝を形成している。図12に開閉扉のチョーク溝を表す水平断面図を示した。開閉扉25の合わせ目の入口部(A点)から1/2波長(使用する高周波の波長λは約12cm)の位置(C点)で終わる溝を設けると、1/4波長のB点で磁界はゼロになるため、電界はチョーク溝方向にしか進まず、また電界はC点で反射するため波を形成できずに前へ進めなくなる。また、実際にはA点とC点では電位差がなくなることから、電波は入口でシールされ、電波漏れが防止される。
従って、加熱装置100の加熱室11を形成する壁体の厚みWcは少なくとも1/2波長以上必要であるが、加熱装置100の設置面積縮小の要求から、壁体は極力薄肉化するために1/2波長に近い厚みに設計される。この壁体の厚みWc内に水タンク23を収容するには、水タンク23自体の厚みWtが少なくとも1/2波長以下の厚みである必要がある。このように、水タンク23の厚みWtを1/2波長以下の厚みにすることで、水タンク23の収容のために加熱装置100の壁体を特に厚肉化する必要がなくなり、よりコンパクトに収容することが可能となる。
また、この水タンク23は、加熱装置100への装着時にタンク蓋体69が半開き状態であっても、挿入動作によってタンク蓋体69がタンク本体63に自動的に係合される。このタンク蓋体69の係合動作を図18〜図20を用いて説明する。
ここで、図18はタンクケース扉部材の拡大斜視図、図19は図18に示すタンクケース扉部材に水タンクを挿入している様子を示す説明図、図20は水タンクの挿入動作に伴うタンク蓋体69の係合動作を示す説明図である。
図18に示すタンクケース扉部材57は、扁平状直方体の一つの面を開口したタンクケース本体53(図9参照)の、該開口した面を覆うと共に、タンクケース本体53との間に水タンク23を収容するように構成してある。即ち、水タンク23は、タンクケース扉部材57の底面57aに載置して、上部ガイド57b、下部ガイド57cに沿って図中矢印方向に挿入することで収容される。そして、水タンク23は、タンクケース扉部材57の側面に突設されたリブ(側方ガイド)58に摺接することで水平方向の位置決めがなされる。
このとき、図19に示すように、タンクケース扉部材57の上部ガイド57bは、水タンク23のタンク蓋体69上面に立設された板状の規制用ガイド68と係合することで、水タンク23の挿入位置を規制する。この規制動作を図20を用いて説明する。図20は、水タンクの挿入動作とタンク蓋体の係合動作を上視図(a1),(b1),(c1)と、これらそれぞれに対応するタンク挿入方向に見た側面図(a2),(b2),(c2)を示す説明図である。
まず、図20(a1),(a2)に示すように、水タンク23をタンク蓋体69が半開き状態のままタンクケース扉部材57内に挿入すると、タンク蓋体69の一方の端面がリブ58に沿ってスライドするようになる。そして、図20(b1),(b2)に示すように、さらに水タンク23を挿入し続けると、タンク蓋体69の規制用ガイド68がタンクケース扉部材57の上部ガイド57bに当接し始めて、タンク蓋体69の端面がリブ58に押し付けられる。これにより、水タンク23が挿入方向に直交する水平方向に位置決めされる。次いで、図20(c1),(c2)に示すように、タンク蓋体69の規制用ガイド68がタンクケース扉部材57の上部ガイド57bに摺接しながら挿入され続けると、上部ガイド57bの下面がタンク蓋体69の規制用ガイド68の脇部69aに乗り上げて、タンク蓋体69がタンク本体63に係合して閉じられる。
これら規制用ガイド68、上部ガイド57b、脇部69a、及び対面側のリブ58によって、水タンク23が挿入方向に対して直交方向に位置決めされると共に、上下方向にも規制され、タンク蓋体69を閉め忘れた時にも、水タンク23の挿入動作によって確実に閉蓋することができる。
以上のように、水タンク23を加熱装置100から脱着自在に配設したことにより、水交換が容易にでき、衛生的な水供給が行えるようになる。また、水タンク23を加熱装置100の側面に配置したことにより、加熱装置100の正面側からの加熱動作に何ら影響を及ぼすことがなく、また、水タンク23の脱着動作も、タンクケース扉部材57の回転軸を加熱装置100の奥側に設けたことで、タンクケース扉部材57が正面側で開くこととなり、正面側からの操作性のよい抜き差し動作で行える。
なお、水タンク23は、上記したように加熱装置の一方の側面に配置する以外にも、反対側の側面、或いは上面、下面のいずれの位置に設けることができる。その場合にも、壁体内から加熱装置100の外方へ水タンク23を引き出してから正面側に抜き差しすることで操作性のよい脱着動作が行える。
また、水タンク23を加熱装置100の壁体内にコンパクトに収容することで、加熱装置100の筐体サイズを特に拡大することなく、設置面積の増加が防止される。
次に、第2の特徴である加熱室に近接配置された水タンク23が、加熱室からの熱の影響を受け難くした点を説明する。
この特徴を説明するために、水タンク23の収容に係わる部材について、より詳細に説明する。
図21にタンクケース本体の拡大斜視図、図22に図21のP1方向矢視図、図23に図21のP2方向矢視図を示した。
タンクケース本体53は、扁平状直方体の一つの面を開口した箱形形状をなし、ポンプ55等の収容されるポンプ領域73と、水タンク23の収容される水タンク領域75と、タンクケース扉部材57を係止する係止部材の収容される係止部材領域77とを有する。タンクケース本体53の取り付け側の面53aは、加熱装置100の加熱室の壁面に沿って設けられた側面断熱板51(図9参照)に所定の空間を空けてネジ止めされる。
そして、タンクケース本体53の底面53bには、水タンク領域75内に該底面53bを区画する突条79,80を略垂直に立設し、また、底面53bの取り付け側の面53a側からこれとは反対側の側端面側へ向けて形成した複数の水切り用の溝81を備えている。そして、図22に示すように、底面83bのポンプ領域73には下部開口孔83を、また、水タンク領域75にも下部開口孔84,85を設けている。なお、下部開口孔83,84,85の垂直方向で図21における上側には、隙間を有して下部開口孔85覆う防水用突起体86を、取り付け側の面53aを基端としてタンクケース本体53の内方に向けて突設させている。この防水用突起体86は、下部開口孔83,84,85上方位置から突条79,80の位置まで延設されている。
一方、タンクケース本体53の上部には、図23に示すように、ポンプ領域73の上面83cに上部開口孔89、水タンク領域75の上面83dに上部開口孔90、同上面83eに上部開口孔91を設けている。そして、各上部開口孔89,90,91の取り付け側の面53aとは反対側の縁部には、上面83c,83d,83eに付着した水滴が上部開口孔89,90,91からタンクケース本体53内部に流れ落ちないように、堰き止め用のリブ93を上部開口孔89,90,91の形成された上面全領域に亘って突設している。
また、タンクケース本体53の回転軸Lには、前述の図18に示すタンクケース扉部材57が回転自在に軸支される。
ここで、図24にタンクケース本体の回転軸Lにタンクケース扉部材を軸支させ、水タンクを双方の間に収容した構成を表す斜視図を、図25に図24に示す組立体を高周波加熱装置の側面断熱板に取り付けた様子を表す側面図を示した。
図24,図25に示すように、タンクケース本体53には、水タンク23の装着を検出するための検出スイッチ95と、水タンク23の給水口67と接続されるジョイント部97を取り付けてある。水タンク23内の水は、ポンプ55の駆動により送水パイプ98を通して吸引・吐出され、大径の送水パイプ99を通して加熱室底面の蒸発皿へと、所定量ずつ供給される。大径の送水パイプ99は、送水パイプ98よりパイプ内径が大きく設定され、大気圧によりポンプ55によって供給された水がパイプ内に残留することを防止している。従って、送水パイプ98内の液位は大径の送水パイプ99との連結部位103の高さとなり、水タンク23内の水の圧力によって、水がポンプ55の駆動なしで、自然に流れ出ることを防止している。
次に、水タンク23の冷却方式について説明する。
図26は高周波加熱装置の加熱室下側からの送風を側面側に導き出している様子を示す説明図、図27はタンクケース本体による送風された風の経路を模式的に示す斜視図である。
図26及び図27を用いて水タンク23周辺の概略的な冷却風の経路を説明する。図26に示すように、高周波加熱装置100の底面には、マグネトロン13等の電子部品が配置された制御回路が搭載されており、これらの電子部品を冷却するための冷却ファン111が同じく底面に配置されている。冷却ファン111から送風される風は、マグネトロン13の図示しない冷却用フィンを通過して図中の矢印F1に示すように底面側から側面側に流れてくる。そして、側面断熱板51に固定された下側を開口する集向ダクト113により冷却ファン111からの風が上方へ導かれる。集向ダクト113は、詳細は後述するが、導入された一部の風を矢印F2に示すようにタンクケース本体53の取り付けられる側面断熱板51の外方へ供給し、また、他の風を矢印F3に示すように、側面断熱板51の内方の加熱室側壁板との隙間へ供給している。
集向ダクト113により側面断熱板51の外方へ供給された矢印F2の風は、
図27に示すように、タンクケース本体53の下部開口孔83,84,85によりF2a、F2b、F2cに分流されてタンクケース本体53内部に導入され、上部開口孔89,90,91からそれぞれ排気される。
上記矢印F2の風について、さらに詳細に説明する。
図28は集向ダクト113の部分の拡大斜視図、図29は図28の集向ダクトを省略したP3方向矢視図である。図28に示すように、集向ダクト113に導入された矢印F1の風は、タンクケース本体53の下部開口孔83によってポンプ領域へ供給される矢印F2aで示す風と、下部開口孔84,85によって水タンク領域へ供給される矢印F2b,F2cで示す風に分流される。なお、ポンプ領域と水タンク領域との風供給量は、それぞれが概ね等しくなるようにしている。
また、図29に示すように、下部開口孔83,84,85は、その配列方向に沿って側面断熱板51の開口部115が形成され、この開口部115から側面断熱板51内方の加熱室側壁板との隙間へ矢印F3で示す風を供給している。
ここで、ポンプ領域と水タンク領域のそれぞれに対して、風の流れと断熱の作用について説明する。
図30は図25のR1−R1断面、図31は図30の一部拡大図、図32はタンクケース本体の下側傾斜面を延設した構成を示す断面図、図33は図25のR2−R2断面、図34は図33の一部拡大図である。
まず、ポンプ領域に関しては、ポンプ55が特に熱強度に乏しく、非動作状態で70℃、動作状態で65℃が限界温度とされている。しかし、高周波加熱装置100の加熱室を、コンベクションヒータによって約250℃に加熱した場合には、ポンプ領域は、80〜90℃程度にまで昇温することになる。また、水タンク領域も同様で、水タンク自体がプラスチック等の樹脂材料で形成されているために、高温雰囲気に晒されると変形するおそれがある。
そこで本発明の高周波加熱装置100の構成では、ポンプ55及び水タンク23と加熱室側壁板117との間に、複数の空気層を形成して、この空気層内を冷却ファンにより通風させることで、コンベクションヒータ19の加熱時における加熱室11側からの熱をポンプ55及び水タンク23側に伝達されることを極力防止している。
具体的には、図30に示すように、高周波加熱装置100の底面側に配置されたマグネトロン13を冷却する冷却ファン111からの送風は、マグネトロン13の放熱板13aを通り抜け、集向ダクト113の下方で流れの向きを上方に変換して集向ダクト113に向けられる。集向ダクト113では、図31に拡大して示すように、導入された風を側面断熱板51と加熱室側壁板117との隙間(第1の空間)、及び、タンクケース本体53の取り付け側の面53aとの間の隙間(第2の空間)に供給している。さらに、タンクケース本体53の取り付け側の面53aとポンプ55との間に介装されたポンプ用断熱板119との間の隙間(第3の空間)にも風を供給している。ポンプ用断熱板119は金属板からなり、加熱室側からの輻射熱を遮断している。
このように、ポンプ55と加熱室側壁板117との間に第1、第2、第3の空間を形成し、これら空間内に送風することで、加熱室側壁板117、側面断熱板51、タンクケース本体53の取り付け側の面53a、及びポンプ用断熱板119が冷却され、また、各空間内の空気の滞留が防止される。これにより、各空間による断熱効果が向上して、その結果、加熱室11側からの熱によるポンプ55の昇温を抑えることができる。なお、実際に加熱室11をコンベクションヒータによって約250℃に加熱したときには、ポンプ領域は63℃程度となり、ポンプ55の動作限界温度以下まで昇温が抑えられることが確認できている。
一方、高周波加熱を行う際は、加熱方式の性質上、加熱室11自体は特に高温にはならず、加熱室側壁板117からの熱がポンプ55の昇温に大きく寄与することはない。しかし、高出力型のマグネトロン13を用いる場合には、出力が大きいためにマグネトロン13自体の温度上昇が大きくなり、放熱板13aを通り抜ける風が高温となって、この風がポンプ55に吹き付けられるとポンプ55が限界温度以上に昇温する可能性がある。そこで、このような高出力型のマグネトロン13を用いる場合には、図32に示すように、タンクケース本体53の下側傾斜面53cを延設することで、前述した第3の空間を閉塞する。これにより、ポンプ55及びポンプ用断熱板119に直接風が晒されることがなくなり、ポンプ55の昇温が防止される。
第1の空間を流れた風は、加熱室側壁板117の開口121(図2参照)から加熱室11内に流れ、加熱室11を換気する風となる。また、第2の空間を流れた風は、(第3の空間を風が流れる場合には、第2の空間の風とタンクケース本体53上方で合流して)、高周波加熱装置100筐体の通気口123(図1参照)から排気され、その一部は、高周波加熱装置100の背面側に設けた通気口(図示略)から排気される。
また、水タンク領域に関して説明すると、図33及び図34に示すように基本的にポンプ領域と同様であって、加熱室側壁板117と側面断熱板51との間の隙間(第1の空間)、側面断熱板51とタンクケース本体53の取り付け側の面53aとの間の隙間(第2の空間)、取り付け側の面53aと水タンク23との間の隙間(第4の空間)が形成され、各空間に上記同様にして供給された風により、水タンク23及びその周辺の昇温を抑制している。
また、冷却ファン111から送出される風を高周波加熱装置100の側面側へ導入するための集向ダクト113が、ポンプ55の配設位置の下側を含む領域に高周波加熱装置100側面の奥行き方向に対して1箇所に偏在させて設けてある。これにより、水タンク23側を流れる風が集中的に供給されて、風の勢いが強くなる。従って、奥行き方向に対して平均的に風を供給する場合と比較して、効率よく風を吹き当てることができ、風の淀みを無くすことができる。
次に、第3の特徴である高周波加熱装置が漏水の影響を受けることのない防水対策を施した点を説明する。
仮に水タンク23からの漏水が有った場合には、高周波加熱装置100の底面側に制御回路が配置されているため、制御回路に水が回り込むことを防止する必要がある。そのためまず第1に、水タンク23を高周波加熱装置100に装着する際に、水タンク23の外周を覆うタンクケースを収容する高周波加熱装置100の壁体内に設けている。このタンクケースは、前述の通りタンクケース本体53とタンクケース扉部材57からなる。タンクケースで水タンク23を覆うことにより、水タンク23から直接的に筐体内へ水が漏れることを防止でき、水の勢いによって漏水範囲が広がることがなくなる。
また第2に、タンクケース本体53の底面53bに対して、水タンク23からの水漏れ対策を施してある。図21及び図34に示すように、タンクケース本体53の底面53bの下部開口孔84(85も同様)の水タンク23側上方では、水タンク23側からタンクケース扉部材57を伝わり落ちてくる水を防水用突起体86により、そのまま下部開口孔84へ直接流れ落ちることを防止している。つまり、図34中Q1からの漏水がQ2で一旦受け止められ、Q3に流れてQ4に落下し、Q5方向へ流れることになる。Q5方向へ向かう水は、図33に示すよう
に扉枠体59との接合部125から扉枠体59外方へ流れ出たり、扉枠体59の下側隙間127に落下して、筐体外方へ流れ落ちる。従って、水タンク23からの漏水が、下部開口孔84から制御回路側へ落下することはない。
また、タンクケース本体53の底面53bには、図21及び図34に示すように、下部開口孔84,85に対して底面53bに落下した水が落下しないように、リブ129を突設している。これにより、底面53bに流れた水が下部開口孔84,85に流れ込まないようにしている。
さらに、タンクケース本体53の底面53bには、タンクケース本体53の加熱室側とは反対側の側端面へ向けて形成した水切り用の溝81を備えている。これにより、タンクケース本体53の底面53bに水滴が溜まることが防止され、底面53b上の水滴が円滑に移動して流れ落ちるようになる。
また、タンクケース本体53の底面53bから立設され、底面53bを区画する突条を備えている。これにより、底面53b上の水滴が、底面53上の他の区画領域まで移動することを防止でき、仮に漏水があっても、底面53b全体が水に浸ることを防止できる。
そして第3に、タンクケース本体53の上面の上部開口孔89,90,9からの結露による防水対策を施してある。タンクケース本体53の周囲には、高周波加熱装置100の加熱内容によっては、暖かい空気や水分を多く含む空気が流れることになる。このとき、タンクケース本体53に空気中の水分が結露して、上部開口孔89,90,91からタンクケース本体53内部に水滴が流れ落ちることが起こり得る。そのため、図23に示すように、上部開口孔89,90,91の延設方向に沿って連続するリブ93を形成している。このリブ93により、タンクケース本体53の上面に結露した水滴が上部開口孔89,90,91から直接流れ込まないようにしている。
以上のように本発明は、簡単な構成で装置の大型化を招くことなく、水タンクの装置内への漏水を防止でき、加熱室からの熱による悪影響を受けることがなく、衛生的で使い勝手のよい高周波加熱装置を提供できるものである。
本発明に係る高周波加熱装置の外観斜視図である。 高周波加熱装置の開閉扉を開けた状態を示す概略的な正面図である。 高周波加熱装置に用いられる蒸気発生部の蒸発皿を示す斜視図である。 蒸気発生部の蒸発皿加熱ヒータと反射板を示す斜視図である。 蒸気発生部の断面図である。 蒸気発生機能付き高周波加熱装置を制御するための制御系のブロック図である。 高周波加熱装置の基本的な加熱動作について説明するフローチャートである。 高周波加熱装置の動作説明図である。 高周波加熱装置の側面に水タンクを配設した構成の分解斜視図である。 高周波加熱装置から水タンクを取り出す手順を示す説明図である。 水タンクの拡大斜視図である。 水タンクの取出側の側端部の斜視図である。 図12のA−A断面図である。 水タンク側方から見た場合の模式的な側面図である。 加熱装置全体の正面図である。 水タンクのタンク本体の側面に鏡を傾斜させて設けた一例を示す断面図である。 開閉扉のチョーク溝を表す水平断面図である。 タンクケース扉部材の拡大斜視図である。 図18に示すタンクケース扉部材に水タンクを挿入している様子を示す説明図である。 水タンクの挿入動作に伴うタンク蓋体の係合動作を示す説明図である。 タンクケース本体の拡大斜視図である。 図21のP1方向矢視図である。 図21のP2方向矢視図である。 タンクケース本体の回転軸にタンクケース扉部材を軸支させ、水タンクを双方の間に収容した構成を表す斜視図である。 図24に示す組立体を高周波加熱装置の側面断熱板に取り付けた様子を表す側面図である。 高周波加熱装置の加熱室下側からの送風を側面側に導き出している様子を示す説明図である。 タンクケース本体による送風された風の経路を模式的に示す斜視図である。 集向ダクトの部分の拡大斜視図である。 図28の集向ダクトを省略したP3方向矢視図である。 図25のR1−R1断面を示す断面図である。 図30の一部拡大図である。 タンクケース本体の下側傾斜面を延設した場合の構成を示す断面図である。 図25のR2−R2断面を示す断面図である。 図30の一部拡大図である。
符号の説明
11 加熱室
13 マグネトロン
15 蒸気発生部
17 循環ファン
19 コンベクションヒータ
21 赤外線センサ
23 水タンク
25 開閉扉
39 蒸発皿
41 蒸発皿加熱ヒータ
43 反射板
51 側面断熱板
53 タンクケース本体
55 ポンプ
57 タンクケース扉部材
58 側方ガイド
57b 上部ガイド
59 扉枠体
61 開閉ボタン
62 プリズム(反射体)
63 タンク本体
65 取水筒
66 鏡(反射体)
67 給水口
68 規制用ガイド
69 タンク蓋体
71 目盛り
73 ポンプ領域
75 水タンク領域
77 係止部材領域
79,80 突条
81 溝
83,84,85 下部開口孔
86 防水用突起体
89,90,91 上部開口孔
93 リブ
95 検出スイッチ
97 ジョイント部
111 冷却ファン
113 集向ダクト
117 加熱室側壁板
119 ポンプ用断熱板
121 開口
123 通気口
125 接合部
127 下部隙間
129 リブ

Claims (4)

  1. 被加熱物を収容する加熱室に高周波を供給する高周波発生部と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部とを備え、前記加熱室に高周波と蒸気との少なくともいずれかを供給して前記被加熱物を加熱処理する高周波加熱装置であって、前記高周波加熱装置の側面に、少なくとも一部が光透過性を有する材料で構成され、前記蒸気発生部へ水を供給するための水タンクを脱着自在に有する高周波加熱装置において、
    前記高周波加熱装置の側面には、前記水タンクを収容するタンクケースが開閉自在に設けられ、前記水タンクが高周波加熱装置に装着された状態において、前記水タンクの液位レベルを前記高周波加熱装置の正面側に表示するための反射体が前記水タンクに設けられ、かつ、前記タンクケースから突出するように設けられるとともに、前記水タンクの前記加熱室側の面と対向するように蛍光色の背面板が設けられる高周波加熱装置。
  2. 前記背面板上に前記水タンクの液位レベルを示す目盛りが形成されていることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 前記水タンクに液位レベルを示す目盛りを設けたことを特徴とする請求項2記載の高周波加熱装置。
  4. 前記反射体が、三角柱形状のプリズムであることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置。
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