JP3106870B2 - 耐火物の溶損を抑制する製錬法 - Google Patents

耐火物の溶損を抑制する製錬法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネシア系耐火物が
ライニングされた製錬炉を使用し、鉄鉱石、ニッケル鉱
石、クロム鉱石等の金属酸化物を製錬する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶融還元炉や転炉を使用する製銑法ある
いは製鋼法においては、近年、マグネシア系の耐火物で
ライニングされた製錬炉が多く使用されている。マグネ
シア系耐火物がライニングされた製錬炉を使用する製錬
法の一例として、溶融還元法について説明する。ニッケ
ル鉱石やクロム鉱石等を溶融還元する場合には、例えば
図1に示すような溶融還元炉が使用されている。図中、
1はマグネシア系耐火物がライニングされた溶融還元炉
本体、2は上吹酸素ランス、3は攪拌ガスを吹込むため
の底吹羽口であり、4は溶湯、5はスラグ浴(溶融スラ
グ)を示す。
【0003】この炉を使用する操業においては、溶銑を
装入し、ランス2から酸素を、底吹羽口3から攪拌ガス
を吹込みながら、ニッケルやクロム等の鉱石、炭材、及
び造滓材を装入する。そして炉内の溶銑中の炭素又は炭
材によって鉱石を溶融還元し、溶湯4を生成させる。こ
の際、生成したCOガスを炉内で燃焼(二次燃焼)さ
せ、効率的な熱の補給を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
においては、製錬時に生成した溶融スラグによって炉体
耐火物中のマグネシアが溶解すると言う問題があり、こ
のマグネシアの溶解が炉体耐火物を損耗させる大きな要
因となっている。そして、このマグネシアの溶解による
炉体耐火物の損耗は激しく、その損耗がコスト面でも無
視できない問題となっている。
【0005】炉体耐火物の損耗は、主に炉体耐火物と溶
融スラグとの界面における溶融スラグの流動によって、
炉体耐火物中のマグネシアがスラグ中に溶解する現象、
いわゆる溶損によるものである。特に、溶融還元炉で
は、炉体耐火物の損耗が激しく起こる。その理由として
は、溶融還元製錬の操業では、転炉製錬の操業に比べ
て、溶銑装入から出鋼までの処理時間が長いために、炉
体耐火物と溶融スラグの接触時間が長いこと、及び炉内
でCOガスを二次燃焼させるので、スラグの温度が溶湯
の温度より高くなること等が挙げられる。更に、溶融還
元製錬においては、多量のスラグが生成するので、炉体
耐火物と溶融スラグの接触面積が広くなり、耐火物の損
耗度合は一層大きくなる。
【0006】本発明は、炉体耐火物の損耗を大幅に少な
くすることができる製錬法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
操業中の溶融スラグ層中にマグネシア又はマグネシア含
有物質の固相を存在させ、かつスラグ組成をCaO、M
gO、Al2 3 、SiO2 の4元系に換算し、該4元
系状態図より求められる操業中のスラグ層平均温度での
前記固相の比率が8重量%以上となるように、マグネシ
ア又はマグネシア含有物質を装入することを特徴とす
る。
【0008】また、請求項2に係る発明は、操業中の溶
融スラグ層に固相として存在させるマグネシア含有物質
がペリクレース乃至はフォルステライトで示されるもの
であることを特徴とする。ここでペリクレースとはCa
O、Al2 3 、SiO2 等を固溶したMgOで、フォ
ルステライトとはその組成が2MgO・SiO2 で示さ
れるものである。
【0009】
【作用】本発明者らは、マグネシア系耐火物がライニン
グされた溶融還元炉を使用して金属酸化物を溶融還元す
る製錬法における種々の操業条件について、炉体耐火物
の損耗速度とスラグ組成との関係についての検討を重ね
た。その結果、溶融スラグ中に固相のマグネシア又はマ
グネシア含有物質を存在させておくと、炉体耐火物の溶
損量が減少することを見出した。しかし、炉体耐火物の
溶損を更に減少させ、その溶損がほとんど起こらないよ
うにするためには、単に、溶融スラグ中に溶解度以上の
マグネシアを過剰に存在させるだけでは十分ではなく、
溶融スラグを均一な溶融状態にし、かつ溶融スラグ中に
存在させるマグネシア又はマグネシア含有物質の固相含
有率(固相比率)を所定値以上にする必要があることが
分かった。
【0010】そこで、本発明においては、炉体耐火物の
溶損がほとんど起こらなくなるようにするために、溶融
スラグ中の固相の比率を8重量%以上にしている。この
ように、溶融スラグ中に過剰のマグネシアを固相として
存在させるのは、溶融スラグの温度変動や、溶融スラグ
の攪拌流の変動や、装入物投入等によって溶融スラグ組
成が変動した場合、これらの変動があった箇所において
は、溶融スラグがマグネシア未飽和の状態となることが
あり、このような際には、炉体耐火物の溶損が起こる。
このため、操業中の溶融スラグ中に一定量以上のマグネ
シア又はマグネシア含有物質の固相を存在させ、常時、
必要に応じてマグネシアを溶出させ補給しうる状態にし
ておく。このように、過剰に添加されたマグネシア源の
固相はマグネシア飽和の状態を維持するための緩衝分と
なる。
【0011】このように、操業中の溶融スラグが常にマ
グネシア飽和の状態に維持されるようにしておけば、炉
体耐火物の溶損は十分に防止される。すなわち、炉体耐
火物の稼働面近傍の溶融スラグはスラグ浴の中心部より
温度が低いので、耐火物稼働面の近傍では、マグネシア
混和物の析出が起こり、この析出物が上記稼働面を被覆
し、保護層を形成する。また、上記析出物の生成によっ
て、上記稼働面近傍の溶融スラグの固相比率は高くな
り、緩衝分として蓄えられるマグネシア量が増加する。
上記保護層や固相比率の高いスラグ層は、生成スラグ組
成物とマグネシアとの混和物(他の炉体耐火物成分が混
和する場合もあり得る)の組成から状態図により推定で
きる析出物、あるいは、その混和物の組成その物によっ
て形成される。
【0012】そして、溶融スラグ中に存在させる固相の
マグネシア系物質としては、CaO−MgO−Al2
3 −SiO2 系の4元系状態図に換算したスラグ組成が
この4元系状態図上における固相と液相の共存領域内に
あり、かつマグネシア又はマグネシア含有物質の所定固
相比率(8重量%以上)を充たすことができるものであ
れば、どのような組成のものでもよいが、蓄えられるマ
グネシア量を多くするためにマグネシア含有量の多いマ
グネシア、ペリクレース(MgO)、フォルステライト
(2MgO・SiO2 )がより好ましい。
【0013】なお、マグネシア含有物質を多量に添加す
ると、マグネシア飽和の状態を維持するための固相が多
くなり、マグネシアの飽和状態が安定的に保たれるが、
スラグ中の固相比率が30%を超えると、スラグ浴の流
動性が悪くなって、還元不足になったり、あるいはスロ
ッピングが起こったりする等、操業上の問題が発生す
る。このため、溶融スラグの固相比率は30%程度が上
限となる。
【0014】
【実施例】本発明の試験結果について説明する。この試
験において、炉体耐火物の損耗速度は、次のようにして
求めた。損耗速度測定用試験煉瓦(マグカーボン煉瓦、
寸法測定済)を炉内に投入し、所定時間後この測定用試
験煉瓦を回収してその損耗量を測定し、この損耗量と操
業時間から損耗速度を算定した。
【0015】又、固相比率は図2に示す方法によって求
めた。スラグのAl2 3 含有量が15〜20%の範囲
の場合、図2において、L1 はAl2 3 が20%の時
のMgO−CaO−SiO2 −Al2 3 の4成分系状
態図上で、スラグ組成Sと同一のCaO/SiO2 の液
相線の点であり、L2 はAl2 3 15%の時のMgO
−CaO−SiO2 −Al2 3 の4成分系状態図上
で、スラグ組成Sと同一のCaO/SiO2 の液相線の
点である。Mは初晶組成であり、この場合はマグネシア
である。そして、L1 とL2 を結ぶ直線とMとSを結ぶ
直線の交点Lを求め、次式によって固相比率を求める。 固相比率(重量%)=(線分LS/線分LM)×100
【0016】又、スラグのAl2 3 含有量が上記と異
なる場合、例えば10〜15%の範囲の場合には、L1
をAl2 3 が15%、L2 をAl2 3 が10%とし
て、同一の方法で正確に算出できる。
【0017】(実施例1)構成が図1と同様のものであ
って、マグカーボン煉瓦でライニングされた溶融還元炉
に、初期溶銑として脱硫及び脱燐の予備処理がなされた
溶銑60tを装入し、底吹羽口から窒素ガスを吹込むと
共にランスから酸素を吹込んだ。初期造滓材を装入した
後、溶銑温度が1520℃となるまで昇温した時点で、
炉体耐火物の損耗速度測定用試験煉瓦をサブランス孔よ
り投入し、次いで、ニッケル鉱石(Ni含有率2%)を
1.7〜1.8t/min.、炭材を0.7t/min.の装入
速度で原料装入を行なった。ニッケル鉱石及び炭材を装
入することによってスラグ組成が変化するが、マグカー
ボン煉瓦屑を10〜15分毎に0.7tonの割合で添加
し、スラグ中のマグネシア含有率を、CaO−MgO−
Al2 3 −SiO2系に換算したスラグ組成の152
0℃における固相(フォルステライト)の比率が24重
量%となるように、その添加を続けた。なお、1520
℃でスラグの固相比率を管理したのは、同じ操業条件に
おいてサブランスにより測定した平均スラグ浴温度もメ
タル浴と同じ1520℃であったためである。
【0018】そして、出湯及び排滓後、上記測定用試験
煉瓦を回収し、これを切断して煉瓦残厚の測定及び付着
スラグの組成分析を実施した。これらの結果は、表1及
び図4(a)に示す。表1はスラグ組成と、溶融スラグ
の固相比率及び測定用試験煉瓦の溶損速度を示した表で
あり、図4は回収した測定用試験煉瓦の切断面における
結晶の構造を示す顕微鏡写真である。なお、表1に記載
されているスラグ組成の換算値は、煉瓦付着スラグ分析
値のうち、CaO、MgO、Al2 3 、SiO2 の4
成分の和を求め、この和で上記4成分の値を除算して求
めた値である。
【0019】回収された測定用試験煉瓦については、表
1に記載のごとく、溶損による損耗は認められなかっ
た。そして、光学顕微鏡観察により判断した付着スラグ
均一部の1520℃における推定固相比率は23.6重
量%であった。又、図4(a)の顕微鏡写真によれば、
煉瓦稼働面(写真上部)に保護層が形成されているのが
認められる。
【0020】(実施例2)構成が図1と同様のものであ
って、マグカーボン煉瓦でライニングされた溶融還元炉
に、溶銑90tを装入し、底吹羽口から窒素ガスを吹込
むと共にランスから酸素を吹込んだ。初期造滓材を装入
した後、溶銑温度が1650℃となるまで昇温した時点
で、炉体耐火物の損耗速度測定用試験煉瓦をサブランス
孔より投入し、次いで、クロム鉱石(Cr含有率30
%)を0.6〜0.7t/min.、炭材を0.7t/min.
の装入速度で原料装入を行なった。クロム鉱石及び炭材
を装入することによってスラグ組成が変化するが、マグ
カーボン煉瓦屑を10〜15分毎に0.7tonの割合で
添加し、スラグ中のマグネシア含有率を、CaO−Mg
O−Al2 3 −SiO2 系に換算したスラグ組成の1
650℃(同じ操業条件の平均スラグ浴温度)における
固相(MgO)の比率が8重量%となるように、その添
加を続けた。
【0021】出湯及び排滓後、上記測定用試験煉瓦を回
収し、これを切断して煉瓦残厚の測定及び付着スラグの
組成分析を実施した。この結果は表1に示す。回収され
た測定用試験煉瓦については、表1に記載のごとく、溶
損による損耗は認められなかった。そして、光学顕微鏡
観察により判断した付着スラグ均一部の1650℃にお
ける推定固相比率は7.7重量%であった。
【0022】(実施例3)実施例2と同様にしてクロム
鉱石の溶融還元を行なった。この操業においては、原料
装入開始後、溶融スラグの固相比率が12重量%になる
ように、マグカーボン煉瓦屑を8〜13分毎に0.7to
n の割合で添加した。結果は表1に示す。この操業にお
いても、回収された測定用試験煉瓦には溶損による損耗
は認められなかった。そして、光学顕微鏡観察により判
断した付着スラグ均一部の1650℃における推定固相
比率は12.0%であった。
【0023】(実施例4)実施例2と同様にしてクロム
鉱石の溶融還元を行なった。この操業においては、原料
装入開始後、溶融スラグの固相比率が14重量%になる
ように、マグカーボン煉瓦屑を7〜12分毎に0.7to
n の割合で添加した。結果は表1及び図4(b)に示
す。この操業においても、回収された測定用試験煉瓦に
は溶損による損耗は認められなかった。そして、光学顕
微鏡観察により判断した付着スラグ均一部の1650℃
における推定固相比率は14.6%であった。又、図4
(b)の顕微鏡写真によれば、煉瓦稼働面(写真上部)
に保護層が形成されている。
【0024】(比較例1)構成が図1と同様のものであ
って、マグカーボン煉瓦でライニングされた溶融還元炉
に、溶銑90tを装入し、底吹羽口から窒素ガスを吹込
むと共にランスから酸素を吹込んだ。初期造滓材を装入
した後、溶銑温度が1650℃となるまで昇温した時点
で、炉体耐火物の損耗速度測定用試験煉瓦をサブランス
孔より投入し、次いで、クロム鉱石(Cr含有率30
%)を0.6〜0.7t/min.、炭材を0.7t/min.
の装入速度で原料装入を行なった。クロム鉱石及び炭材
を装入することによってスラグ組成が変化するが、マグ
カーボン煉瓦屑を10〜15分毎に0.4tonの割合で
添加し、スラグ中のマグネシア含有率を、CaO−Mg
O−Al2 3 −SiO2 系に換算したスラグ組成の1
650℃(同じ操業条件の平均スラグ浴温度)における
固相の比率が3重量%となるように、その添加を続け
た。
【0025】出湯及び排滓後、上記測定用試験煉瓦を回
収し、これを切断して煉瓦残厚の測定及び付着スラグの
組成分析を実施した。この結果は表1に示す。回収され
た測定用試験煉瓦については溶損による損耗が認めら
れ、損耗速度は2.1mm/Hr であった。そして、光学顕
微鏡観察により判断した付着スラグ均一部の1650℃
における推定固相比率は3.0重量%であった。
【0026】(比較例2〜3)比較例1と同様にしてク
ロム鉱石の溶融還元を行なった。これらの操業において
は、原料装入開始後、溶融スラグ中の固相比率がそれぞ
れ目標値になるように、マグカーボン煉瓦屑を10〜1
5分毎に0.5〜0.7ton の割合で添加した。比較例
2の場合には、溶融スラグの固相比率が1重量%になる
ようにした。又、比較例3の場合には、溶融スラグの固
相比率が0(スラグ組成が液相線上で、マグネシア飽
和)になるようにした。
【0027】結果は表1に示す。回収された測定用試験
煉瓦については、いずれも溶損による損耗が認められ
た。この場合の損耗速度は、比較例2では3.3mm/Hr
、比較例3では4.7mm/Hr であった。そして、光学
顕微鏡観察により判断した付着スラグ均一部の1650
℃における推定固相比率は、比較例2では1.4重量
%、比較例3では0.4重量%であった。
【0028】図3は表1に記載されている実施例及び比
較例の結果をまとめ、溶融スラグの固相比率と煉瓦の溶
損速度との関係を示した図である。図3によって実施例
と比較例の結果を比べてみると、比較例の中では最もよ
い結果が得られた比較例1においても、煉瓦の溶損は依
然としてかなりの速度で進行しており、耐火物の溶損を
抑制する条件が未だ十分ではないことを示している。こ
れに対し、実施例1〜4においては、煉瓦は溶損されて
おらず、溶損抑制条件が十分に充たされていることを示
している。そして、溶融スラグ中の固相比率が約8重量
%以上であれば(実施例2の固相比率7.7重量%)、
耐火物の溶損は起こらないことが分かった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、マグネシア又はマグネシア含
有物質を装入して、操業中の溶融スラグ層中にマグネシ
ア又はマグネシア含有物質の固相を存在させ、この際、
CaO−MgO−Al2 3 −SiO2 の4元系に換算
したスラグ組成の状態図によって求められる固相比率が
操業中のスラグ層平均温度において8重量%以上になる
ようにする方法である。
【0031】本発明を実施すれば、炉内中心部よりも温
度が低い炉体耐火物の稼働面に析出物による保護層が形
成され、また炉体耐火物の稼働面近傍には固相比率の高
いスラグ層が形成される。このため、溶融スラグの温度
変動や組成変動があっても、マグネシアの溶出による炉
体耐火物の溶損は起こらなくなり、炉体耐火物の損耗は
主として熱的スポーリング、機械的スポーリング等によ
るものに限定されるので、その損耗速度は非常に小さく
なる。この結果、炉体寿命は極めて長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属酸化物の溶融還元に用いるマグネシア系耐
火物をライニングした溶融還元炉を示す。
【図2】溶融スラグの固相比率を求める方法を示す図で
ある。
【図3】溶融スラグの固相比率と煉瓦の溶損速度との関
係を示す図である。
【図4】損耗速度測定用試験煉瓦の切断面における結晶
の構造を示す顕微鏡写真である。a)は、実施例1でN
i還元処理(50倍)、b)は、実施例4でCr還元処
理(50倍)を示す。
【符号の説明】
1 溶融還元炉本体 2 上吹き酸素ランス 3 底吹羽口 4 溶湯 5 溶融スラグ
フロントページの続き (72)発明者 田辺 治良 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−252712(JP,A) 特開 昭61−23709(JP,A) 特開 昭52−4406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 5/00 - 13/14 C21C 5/00 - 5/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア系耐火物がライニングされた
    製錬炉を使用し、金属酸化物を炭材と共に装入して溶融
    還元する製錬法において、 操業中の溶融スラグ層中にマグネシア又はマグネシア含
    有物質の固相を存在させ、かつスラグ組成をCaO、M
    gO、Al2 3 、SiO2 の4元系に換算し、該4元
    系状態図より求められる操業中のスラグ層平均温度での
    前記固相の比率が8重量%以上となるように、マグネシ
    ア又はマグネシア含有物質を装入することを特徴とする
    耐火物の溶損を抑制する製錬方法。
  2. 【請求項2】 操業中の溶融スラグ層に固相として存在
    させるマグネシア含有物質がペリクレース乃至はフォル
    ステライトであることを特徴とする請求項1に記載の耐
    火物の溶損を抑制する製錬方法。
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