JP3106845B2 - フィルムの厚さ測定装置および測定方法ならびにフィルムの製造方法 - Google Patents

フィルムの厚さ測定装置および測定方法ならびにフィルムの製造方法

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JP3106845B2 JP06070791A JP7079194A JP3106845B2 JP 3106845 B2 JP3106845 B2 JP 3106845B2 JP 06070791 A JP06070791 A JP 06070791A JP 7079194 A JP7079194 A JP 7079194A JP 3106845 B2 JP3106845 B2 JP 3106845B2
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    • B29C48/92Measuring, controlling or regulating
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルムの厚さをインラ
インで測定するための厚さ測定装置および測定方法なら
びにその厚さ測定装置を用いたフィルムの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリプロピレン等の高分
子フィルムの厚さむら、すなわちフィルム厚さの不均一
性はフィルムの重要な品質であり、製品の厚さむらが大
きい場合や、局所的な厚さむらや周期的な厚さむらがあ
る場合には、ユーザーがこれを使用する段階でハンドリ
ング不良、搬送不良、磁性体の塗布不良、蒸着の不良
等、さまざまなトラブルの原因となる。
【0003】そこで、ユーザーに厚さむらの大きい製品
や局所的・周期的な厚さむらのある製品を出荷しないと
いう品質保証のために、そしてこれら厚さむらの不良が
発生した場合に早急に製造工程の対応箇所を修正して不
良製品を製造しないようにするという工程管理のため
に、定常的に製品の厚さむらを測定することが重要であ
る。
【0004】このようなフィルムの最終的な品質保証の
観点からは、フィルムの厚さむらを表すパラメータとし
ては一般にフィルムの幅方向(TD:Transversal Direc
tion)の厚さむらと、長手方向(MD:Machine Directi
on)の厚さむらの2種類が用いられている。
【0005】TD厚さむらはフィルム製造工程の幅方向
の不均一性により発生する。すなわち、口金より溶融吐
出して製造したフィルムでは、口金出口付近に付着した
異物などの影響でフィルムの長手方向に筋状に最小幅が
2〜3mmの凸または凹の局所的な厚さむらが生ずるこ
とがある。この筋状の厚さむらはフィルムの品質に重大
な影響を与えるため、凸部の高さ(凹部の低さ)が例え
ば0.25μm以上のものが発生した場合にはこれを製
品として出荷することはできない。
【0006】したがって、引き続きこのような筋状の厚
さむらが含まれる製品が製造されることのないように、
直ちに口金部分を清掃する等の製造工程上の対策が必要
となる。そのため、この筋状の局所的な厚さむらの形状
を迅速に幅方向に定量的に測定することが重要である。
【0007】かかる筋状の厚さむらを検出するために
は、TD厚さむらの測定精度がたとえば±0.1μm以
内であることが必要であり、測定の間隔は1mm程度で
ある必要がある。
【0008】一方、MD厚さむらはフィルム製造工程の
時間的な不均一性により発生する。すなわち、長手方向
に延伸して製造したフィルムでは、延伸に用いたロール
の偏心等により長手方向に周期的な厚さむらを生ずるこ
とがある。この周期的な厚さむらも製品の品質に重大な
影響を与えるため、TD厚さむらと同様にこの形状を長
手方向に定量的に測定することが必要である。かかる周
期的な厚さむらを検出するためには、TD厚さむらと同
程度の測定精度と測定間隔が必要である。
【0009】さて、フィルム製造工程においてフィルム
の厚さむらをオンラインで測定する装置としては、例え
ば特公平5−67881号公報に記載されている、スキ
ャナに載った厚さ計がフィルムの幅方向に往復走行しな
がら厚さを測定する装置が知られている。この厚さ測定
装置は、フィルムの全体の平均的な厚さを均一に保つた
めに、成形後のフィルムの厚さを測定してその結果を口
金にフィードバックして口金の間隙や温度を調整して厚
さを制御することを目的とするものである。
【0010】すなわちこの厚さ測定装置は、フィルムの
製造工程でフィルムを成形し巻き取る過程で、厚さ計を
フィルムの幅方向に往復移動させながら測定を行なうも
のである。つまり、厚さの測定位置はフィルムの巻き取
りにより長手方向に移動し、同時に幅方向にも往復移動
するため、フィルムの厚さををジグザグに斜め方向の厚
さむらを測定することとなる。したがって、測定される
厚さの変動は長手方向と幅方向の両方の厚さむらの影響
を受けたものであり、フィルムの全体的な厚さの変動を
あらわすものである。また、フィルムの製造工程の製膜
と同時に測定するため、特に長手方向の測定間隔はたと
えば400mm程度と大きい。
【0011】したがって、上記のような品質保証段階で
問題となる局所的な筋状の厚さむら(TD厚さむら)や
周期的な厚さむら(MD厚さむら)を測定することは困
難であった。
【0012】このため従来、TD厚さむら、MD厚さむ
らをオンラインで測定する装置は無く、製造後のフィル
ムロール表層からサンプル切り出し、これをオフライン
で測定することによっていた。すなわち、図2に示すよ
うに、TD厚さむらは例えば幅40mmでフィルムロー
ル全幅(例えば6m)の長いテープ状のサンプルをカッ
ターナイフで切り出し、これを一定速度で移動させなが
ら電子マイクロと呼ばれる接触式厚さ計で測定してい
た。またMD厚さむらは、同様に幅40mmでフィルム
ロールの長手方向に一定長(例えば20m)のテープ状
のサンプルを切り出し、これを一定速度で移動させなが
ら接触式厚さ計で測定していた。なお、サンプルを一定
速度で移動させるには、例えばサンプルの一端から一定
速度で巻取る方法が用いられる。
【0013】しかし、この方式では以下のような問題が
あった。すなわち、 (1)サンプルを切り出すのに時間・手間がかかり、迅
速な測定ができない、 (2)長いテープ状サンプルを取り扱う際にしわ・折れ
目が入ることがあり、これを接触式厚さ計で測定した場
合には局所的な厚さむらと同様な測定結果となり判別が
できない、 (3)接触式厚さ計の取り扱いにはある程度の熟練が必
要で、測定精度が測定者の技能に影響される、 (4)サンプルを切り出す際にカッターナイフでけがを
する場合がある、などである。
【0014】特に、この測定装置で製品を検査したと
き、測定者の技能が低い場合には測定精度が悪く、ま
た、局所的な厚さむらが発生していても、それをフィル
ムのしわと誤判定して見逃してしまうことがある。この
結果、実際には厚さむらが規格範囲外のフィルムや、局
所的な厚さむらのあるフィルムを製品として出荷してし
まうことになる。また、こうして局所的な厚さむらや周
期的な厚さむらが発生しているのを見逃した場合には、
対応する工程を修正することもできず、そのため欠点の
あるフィルムを製造し続けることになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第1の目的は、フィルムのTDおよびMDの厚さむらを
インラインで、サンプルを切り出すことなく、迅速に検
出することのできるフィルムの厚さ測定装置を提供する
ことにある。
【0016】また、本発明の第2の目的は、フィルムの
透明度や表面粗さ等の影響による測定精度の低下を起こ
しにくいフィルムの厚さ測定装置および測定方法を提供
することにある。
【0017】また、本発明の第3の目的は、簡便な操作
で、測定者の技能に左右されずにフィルムのTDおよび
MDの厚さむらを検出することのできるフィルムの厚さ
測定装置および測定方法を提供することにある。
【0018】また、本発明の第4の目的は、TDおよび
MDの厚さむらを効率良く検出して不良なフィルムの製
造を最小限にとどめ、歩留まりを高めることのできるフ
ィルムの製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のフィルムの厚さ測定装置は、白色平行光を発
生させる白色平行光源と、前記白色平行光をフィルムの
厚さ測定位置に収束させる入射光収束手段と、前記入射
光収束手段により収束させられた前記白色平行光の厚さ
測定位置における反射光を平行光化する反射光平行光化
手段と、前記反射光の分光強度を測定する分光反射強度
測定手段と、前記反射光の分光強度にもとづいて前記フ
ィルムの厚さを算出する厚さ算出手段を備えてなるフィ
ルムの厚さ測定装置であって、かつ、前記フィルムの表
面において反射する前記反射光の成分と前記フィルムの
表面において透過し前記フィルムの裏面において反射す
る前記反射光の成分との間の光学的光路差の分布範囲幅
が、前記分光反射強度測定手段の有効分光範囲の最短波
長の0.2倍以下であることを特徴としている。
【0020】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置の
好ましい態様は、前記入射光収束手段が前記反射光平行
光化手段を兼ねることを特徴としている。
【0021】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置の
好ましい態様は、前記厚さ測定位置のフィルム面の傾斜
を規制する傾斜規制手段を備えてなることを特徴として
いる。
【0022】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置の
好ましい態様は、前記厚さ算出手段は、前記反射光の分
光強度の極値を与える複数の波長位置に基づいて前記フ
ィルムの厚さを算出するものであることを特徴としてい
る。
【0023】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置の
好ましい態様は、さらに、前記厚さ測定位置を前記フィ
ルムに対して前記フィルムの幅方向に相対的に移動させ
る幅方向測定位置移動手段と、前記厚さ測定位置を前記
フィルムに対して前記フィルムの長手方向に相対的に移
動させる長手方向測定位置移動手段を備え、かつ、前記
幅方向測定位置移動手段と前記長手方向測定位置移動手
段のうち少なくともいずれか一方は、前記分光反射強度
測定手段が前記フィルムの厚さを測定しているときに前
記厚さ測定位置を移動させないものであることを特徴と
している。
【0024】また、本発明のフィルムの厚さ測定方法
は、白色平行光を発生させ、前記白色平行光をフィルム
の厚さ測定位置に収束させ、収束させられた前記白色平
行光の厚さ測定位置における反射光を平行光化し、前記
反射光の分光強度を測定し、前記反射光の分光強度にも
とづいて前記厚さを算出するフィルムの厚さ測定方法で
あって、かつ、前記フィルムの表面において反射する前
記反射光の成分と前記フィルムの表面において透過し前
記フィルムの裏面において反射する前記反射光の成分と
の間の光学的光路差の分布範囲幅を、前記分光反射強度
測定手段における有効分光範囲の最短波長の0.2倍以
下とすることを特徴としている
【0025】また、本発明のフィルムの製造方法は、上
記のようなフィルムの厚さ測定方法によりフィルムの幅
方向および長手方向のうち少なくとも一方の各位置にお
ける厚さを測定し、前記各位置の厚さを所定のしきい値
と比較した結果に基づいてフィルム製造工程を管理する
ことを特徴としている。
【0026】
【作用】本発明のフィルムの厚さ測定装置によれば、フ
ィルムの長手方向または幅方向の厚さむらをインライン
で検出できる。
【0027】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置お
よび測定方法によれば、フィルム面がわずかに傾いても
測定結果が変化せず、かつ、受光素子で十分な光量が得
られる。
【0028】また、本発明のフィルムの製造方法によれ
ば、TDおよびMDの厚さむらを効率良く検出して不良
なフィルムの製造を最小限にとどめることができる。
【0029】以下、本発明の一実施態様について、図を
参照しながら説明する。
【0030】図1は、厚さ計検出装置6(厚さ測定手
段)と、この厚さ計検出装置6をフィルム1の幅方向に
往復移動させて厚さ計検出装置6による厚さ測定位置を
幅方向に移動させるスキャナ8(幅方向測定位置移動手
段)を、フィルムの巻き返し装置(長手方向測定位置移
動手段)の巻出し側に設置した本発明の一実施態様の構
成を示すものである。
【0031】図1において、フィルム1はフィルムロー
ル2より巻出され、巻き返し装置のロール3、4の上部
を通り、そこから鉛直方向に下がりロール5を経て、所
定の幅にスリットされた後巻き返し装置の図示しない巻
取部に巻取られる。
【0032】厚さ計は厚さ計検出装置6と厚さ計データ
処理装置7(厚さ算出手段)から構成されている。この
うち、厚さ計検出装置6だけが巻き返し装置内のスキャ
ナ8に搭載されており、厚さ計データ処理装置7は巻き
返し装置の外部に設置され、厚さむら測定結果を記録す
るためのペンレコーダ9と接続されている。
【0033】スキャナ8はスキャナ制御装置10に接続
されている。このスキャナ制御装置10はスキャナの動
作を制御するもので、厚さ計検出装置6を一定速度で移
動し、かつフィルム全幅の任意位置で静止できるように
なっている。またスキャナ制御装置10は、厚さ計デー
タ処理装置7および巻き返し制御装置11とも接続され
ており、スキャナ8の動作と巻き返し装置の動作や厚さ
計の測定動作の連携を取るようになっており、厚さ計の
測定中はスキャナ8と巻き返し装置が同時には動作しな
いようになっている。
【0034】この実施態様では厚さ計検出装置6として
反射型光干渉式厚さ計を使用している。これは、白色平
行光を一定の入射角度でフィルムに入射させ、そのフィ
ルムの表面と裏面で反射した光の干渉現象によって分光
強度が変化した反射光の分光強度を測定して、これから
フィルムの厚さを算出するものである。
【0035】次に、この装置の動作について説明する。
【0036】TD厚さむら測定においては、測定開始前
には厚さ計検出装置6はフィルムの一端の外側の退避位
置にある。最初に、スキャナ制御装置10より巻き返し
制御装置11に巻き返し停止信号が出力されフィルムは
静止状態になる。
【0037】一方、スキャナ制御装置10から厚さ計デ
ータ処理装置7には測定開始の制御信号が出力され、厚
さ計データ処理装置7はペンレコーダ9にチャート記録
開始信号を送出するとともに、厚さ測定を開始する。こ
の後、スキャナ制御装置10の制御によりスキャナ8は
一定速度で移動を開始し、厚さ計データ処理装置7から
は測定位置での厚さに応じた電圧出力がペンレコーダ9
に出力され、TD厚さむらがチャートに記録される。
【0038】厚さ計検出装置6がフィルムの他端の外側
に到ると、スキャナ制御装置10はスキャナ8の移動を
停止するとともに厚さ計データ処理装置7に測定終了の
制御信号を送出する。これを受けて厚さ計データ処理装
置7は厚さ測定を終了するとともにペンレコーダ9にチ
ャート記録終了信号を送出する。
【0039】スキャナ制御装置10はこの後、厚さ計検
出装置6が退避位置に到るまでスキャナ8を逆方向に移
動させる。
【0040】図3はこのようにして測定したポリエステ
ルフィルムのTD厚さむら測定結果である。TD厚さむ
ら測定中のスキャナの移動速度は25mm/秒である。
【0041】なお、厚さ計検出装置6の移動速度V
s(mm/秒)と、厚さ計が1秒間に厚さ測定できる回
数Nm(回/秒)と、フィルム上での厚さ測定点の間隔
m(mm)にはVs = Dm × Nmの関係がある。たと
えばNm=20〜50回/秒のときVsを10〜50mm
/秒とすればDmを0.5〜1mmにすることができ
る。これにより、フィルム製造装置の口金の異物などに
よる幅2〜3mmの凸または凹の局所的な厚さむらを確
実に検出することができる。
【0042】次に、MD厚さむら測定においては、測定
開始前には厚さ計検出装置6はフィルムの一端の外側の
退避位置にあるのはTD厚さむら測定の場合と同様であ
る。最初にスキャナ制御装置10の制御によりスキャナ
が移動を開始し、厚さ計検出装置6があらかじめ設定し
た幅方向の位置に到ると停止する。
【0043】次にスキャナ制御装置10から巻き返し制
御装置11に巻き返し開始信号が送出され、巻き返し装
置は一定速度でフィルムを巻取り始める。この後、スキ
ャナ制御装置10から厚さ計データ処理装置7に測定開
始の制御信号が出力され、厚さ計データ処理装置7はペ
ンレコーダ9にチャート記録開始信号を送出するととも
に、厚さ測定を開始する。厚さ計データ処理装置7から
は測定位置での厚さに応じた電圧出力がペンレコーダ9
に出力され、MD厚さむらがチャートに記録される。
【0044】あらかじめ設定した時間が経過して一定長
が巻き返されると、スキャナ制御装置10は巻き返し制
御装置11に停止信号を送出するとともに厚さ計データ
処理装置7に測定終了の制御信号を送出する。これを受
けて厚さ計データ処理装置7は厚さ測定を終了するとと
もにペンレコーダ9にチャート記録終了信号を送出す
る。
【0045】スキャナ制御装置10はこの後、厚さ計検
出装置6が退避位置に到るまでスキャナ8を逆方向に移
動させる。
【0046】図4はこのようにして測定したポリエステ
ルフィルムのMD厚さむら測定結果の一例である。巻き
返し速度(フィルム移動速度)は50mm/秒である。
【0047】なお、巻き返し装置の巻き返し速度V
f(mm/秒)と、厚さ計が1秒間に厚さ測定できる回
数Nm(回/秒)と、フィルム上での厚さ測定点の間隔
m(mm)にはVf = Dm × Nmの関係がある。たと
えば、Nm=20〜50回/秒のとき、Vfは20〜20
0mm/秒とすればDmを1〜4mmにすることができ
る。これにより、図4に示したような周期的に現われる
急峻な長手方向の厚さむらを確実に検出することができ
る。
【0048】次に、上記のフィルムの厚さ計を使用した
フィルムの製造方法の一実施態様について説明する。フ
ィルムの製造方法に当たっては、こうして測定したTD
厚さむら、MD厚さむらを用いて以下のように製品検
査、工程管理を行なう。
【0049】TD厚さむらについてはこれを記録したチ
ャートより、スリット幅毎にその厚さの変化量(最大値
と最小値の差)を読み取る。次に、この変化量と、フィ
ルムの品種毎にあらかじめ定めてあるしきい値とを比較
する。スリット幅毎の厚さむらがこのしきい値より大き
い場合、そのスリットの製品を不合格とする。この厚さ
の変化量の合格不合格判定のしきい値は、例えば厚さ約
14μmの一般ビデオテープ用フィルムの場合は0.5
μmというように、フィルム自体の厚さ、フィルムの用
途等によって定める。
【0050】また、局所的な厚さむらがあった場合その
凸の高さ(または凹の低さ)を読み取る。次に、この高
さ(低さ)と、フィルムの品種毎にあらかじめ定めてあ
る所定のしきい値とを比較し、このしきい値より大きい
場合には対応する位置のスリットの製品を不合格とす
る。この局所的厚さむらの合格不合格判定のしきい値に
ついても、例えば厚さ約14μmの一般ビデオテープ用
フィルムの場合は0.2μm、厚さ7μmのオーディオ
テープ用フィルムの場合は0.1μmというように、フ
ィルム自体の厚さ、フィルムの用途等によって定める。
【0051】一方、この局所的な厚さむらは前述のよう
に口金出口付近に付着した異物などの影響で発生するも
のであるから、対応する口金位置を清掃する。
【0052】MD厚さむらについてはこれを記録したチ
ャートより、一定長毎にその厚さの変化量(最大値と最
小値の差)を読み取る。次に、この変化量と、フィルム
の品種毎にあらかじめ定めてある所定のしきい値とを比
較し、変化量が大きい場合にはこのMD厚さむらを測定
した位置に対応するスリットの製品を不合格とする。
【0053】また、周期的な厚さむらがあった場合、そ
の凸の高さ(または凹の低さ)を読み取る。次に、この
高さ(低さ)と、フィルムの品種毎にあらかじめ定めて
ある所定のしきい値とを比較し、このしきい値より大き
い場合にはこのMD厚さむらを測定した位置に対応する
位置のスリットの製品を不合格とする。一方、この周期
的な厚さむらの周期よりフィルム製膜工程の対応する装
置が特定できるので、その装置を修正する。
【0054】MD厚さむらにおいてもその変化量および
周期的厚さむらの合格不合格判定のしきい値は、フィル
ム自体の厚さ、フィルムの用途等によって定める。
【0055】本発明において、厚さ測定手段としては、
上述したような光干渉式厚さ計が用いられる。このほ
か、厚さ計としては接触式厚さ計、赤外線吸収式厚さ
計、放射線吸収式厚さ計静電容量方式の厚さ計があ
る。以下、これらの各方式の厚さ計と光干渉式厚さ計
得失について述べる。
【0056】接触式厚さ計は、主として比較的厚く光吸
収率の高いフィルムの厚さを測定する場合に用いられ
る。これは、以下に述べるようにフィルムが薄いときの
測定誤差が大きいためである。接触式厚さ計は、その原
理上、厚さ計検出装置とフィルムとの厚み方向の相対位
置が変動するとそれがそのまま測定値の誤差となる。す
なわち、TD厚さむらの測定においては、厚さ計検出装
置自体をフィルムの幅方向に移動させながら測定する
が、この移動にともなって厚さ計とフィルムとの厚み方
向の相対位置が変化すると、測定値の誤差となる。
【0057】これは、次のような理由による。厚み方向
の相対位置の変化量は、スキャナによる厚さ計検出装置
の移動にともなう接触ヘッドの厚さ方向の移動の軌跡か
ら検出される。この変化量を、上述のようにフィルムが
ある場合とフィルムがない場合について測定しておき、
その差をフィルム各部の厚さの測定値とする。そのた
め、スキャナによる厚さ計検出装置の移動の厚さ方向の
ぶれとフィルムの厚さによる接触ヘッドの厚さ方向の移
動とを区別することができない。
【0058】したがって、こうした接触式厚さ計の測定
精度は、スキャナの走行軌跡の繰り返し再現性で決定さ
れる。しかし、例えば幅6mのスキャナにおいて繰り返
し再現性精度を±0.1μm以内にすることはかなり困
難である。したがって、接触式厚さ計の場合は、特にフ
ィルム幅が大きいときのTD厚さむらの測定では測定誤
差が大きくなりやすい。
【0059】しかしながら、接触式厚さ計はフィルムが
厚く光吸収率が極端に高い場合など、光干渉式などの光
学的な厚さ計で十分な測定精度が得られない場合には、
好適に用いられる。また、MD厚さむらの測定を中心と
する場合や、フィルムの幅が狭い場合には好ましく用い
られる。
【0060】また、赤外線吸収式厚さ計や放射線吸収式
厚さ計のようなエネルギー吸収式の厚さ計も、比較的厚
いフィルムの膜厚の測定の場合を中心に用いられる。こ
れは、薄いフィルムの厚さを測定する場合には、必要な
測定精度を得るために厚さ測定位置の測定スポットを大
きくする必要があり、特にTD厚さむらの測定で要求さ
れる幅の狭い局所的な厚さむらの検出に必要な空間分解
能を得ることが難しいためである。
【0061】これは、次のような理由による。すなわ
ち、エネルギー吸収式厚さ計は、フィルムによる照射線
のエネルギー吸収量を厚さに換算するもので、照射線の
エネルギーが直接信号となる。フィルムが薄い場合は単
位面積あたりのエネルギー吸収量が小さくなってS/N
が悪化し、このS/Nの悪化が測定精度に直接に影響す
る。したがって測定精度を得るのに必要な信号(エネル
ギー吸収量)を得るために測定面積を大きくする必要が
ある。例えば30μm以下のフィルムの厚さを±0.1
μmの精度で測定する場合に必要な測定スポットの直径
は20〜30mm以上であり、測定される厚さはこの測
定スポット内の平均厚さである。したがって、エネルギ
ー吸収式厚さ計の場合はTD厚さむら測定で要求される
最小幅2〜3mmの局所的な厚さむらの形状を測定する
ことは困難である。
【0062】しかしながら、こうしたエネルギー吸収式
の厚さ計は、厚いフィルムの厚さを測定する場合は、十
分なエネルギーの吸収が得られるため好ましく用いられ
る。特に、接触式のようなフィルムの幅の制限もないた
め、TD厚さむらの測定にも好ましく用いられる。
【0063】同様に、静電容量式厚さ計も比較的厚いフ
ィルムの厚さの測定に用いられる。これは、薄いフィル
ムの厚さを高精度に測定するためには、測定電極の面積
を大きくする必要があり、エネルギー吸収式の厚さ計と
同様に空間分解能の制限があるためである。
【0064】これに対し、光干渉式厚さ計は、たとえば
厚さ30μm以下の透明(もしくは透明に近い)フィル
ムのTDおよびMD厚さむら測定において好適に用いら
れる。これは、干渉光の分光波形からフィルム厚さを測
定するものであり、照射線のエネルギーの絶対量が厚さ
を示すものではないためである。したがって、エネルギ
ー吸収式の厚さ計や静電容量式の厚さ計にみられた薄い
フィルムでの空間分解能の制限が比較的ゆるやかであ
り、例えば直径3mm以下の測定光スポット径を得るこ
とが容易である。したがって、特にTD厚さむら測定で
要求される最小幅2〜3mmの局所的な厚さむらの形状
を測定することができる。なお、光干渉式厚さ計には反
射型と透過型がある。一般に干渉光の分光強度の変化の
割合が反射型の方が透過型より大きいため好ましい。し
かし、フィルム面の位置が極端に変動する場合などは、
受光部が影響を受けにくい透過型の方が有利となる。
【0065】次に、反射型光干渉式厚さ計の厚さ計検出
装置の3種類の態様について説明する。
【0066】図5は反射型光干渉式厚さ計の検出装置
参考態様例(以下「参考例」という。)を示すもので
ある。この態様は、厚さ30μm以下程度で比較的透明
度の高いフィルムのTDおよびMD厚さむら測定に好適
なものである。白色光源12から出射した光は、コンデ
ンサレンズ13、ピンホール板14、コリメータレンズ
15、偏光板16を通り、さらに後述する集光器17に
設けられた入射窓18を通ってフィルム1に導かれるよ
うになっている。
【0067】フィルム1には、集光器17が対向して配
置されている。この集光器17は、フィルム1上の厚さ
測定位置近傍に曲率中心をもち、前記入射窓18が穿孔
された半球状の支持体19と、多数の光ファイバ20か
らなり、各光ファイバ20の各入射端は支持体19に穿
孔された孔に一体的に固定され、各出射端は束ねられて
固定されている。全ての光ファイバ20の一端は、繊維
軸(入射光軸)がフィルム1の厚さ測定位置すなわち支
持体19の曲率中心を向くように固定されている。一方
各光ファイバ20の各出射端は出射光軸が平行になるよ
うに固定されている。このようにして、光ファイバ20
を導光路とする導光器(導光手段)が形成されている。
【0068】集光器17の後方には、各光ファイバ20
の出射端面に対向して抽出用レンズ21が配置され、さ
らに、抽出用レンズ21の後方に抽出用ピンホール板2
2、コリメータレンズ23、分光器24、結像レンズ2
5、イメージインテンシファイア26、リニアイメージ
センサ27がこの順序で配置されている。
【0069】次に、上述した装置の作用を説明する。白
色光源12から出射した白色光はコンデンサレンズ13
によってピンホール板14のピンホールに収束され、さ
らにコリメータレンズ15によって平行にされた後、偏
光板16によってP波成分またはS波成分の振動方向を
もつ直線偏光のみとなり、これが集光器17の入射窓1
8を通ってフィルム1の厚さ測定位置に入射される。こ
のとき光束は入射窓18によって適当な大きさのスポッ
トに絞られる。このとき、フィルムに入射する光は直線
偏光の白色平行光である。直線偏光にすることによって
フィルムの複屈折の影響を軽減できるため反射光の分光
強度の変化が急峻となり好ましいが、必ずしも必要なも
のではない。
【0070】フィルム1上に入射された光は、このフィ
ルム1によって反射されるが、その際、干渉現象によっ
て図6に示すように分光強度Iに変化ができる。これは
フィルムの厚さをd、入射角をθ、フィルムの屈折率n
としたとき、フィルムの表面で反射される光と、フィル
ムの表面を透過して裏面で反射される光とで
【0071】
【数1】で表される光学的光路長(屈折率の影響を考慮
して真空中の伝播長さに換算した光路長)の差、すなわ
ち光学的光路差Δが生じて干渉を起こすためである。す
なわち、表面で反射された光は反射面で位相反転するの
で、Δが波長の整数倍になるような光は表面で反射した
光と裏面で反射した光の位相が逆になって互いに弱めあ
い暗部となる。一方Δが波長の整数倍から半波長ずれた
光は表面で反射した光と裏面で反射した光が互いに強め
あい明部となる。
【0072】したがって、入射角θを一定に維持し、フ
ィルムの屈折率nを予め測定しておくことにより、反射
光の分光強度の変化から次の式2により厚さを求めるこ
とができる。
【0073】
【数2】ここで、dは測定すべき厚さを、λm、λ
m+1(λm>λm+1)は相隣合う明部または暗部(ピー
ク)の波長を表す。また、mは整数である。
【0074】ところで、フィルム1に入射した光は、通
常正反射されるが、フィルム面にしわがあったり上下の
動きや傾斜がある場合には、反射方向が変動したり、反
射光が拡散したりする。しかしながら、この実施態様で
は多数の光ファイバ20の各入射端の入射光軸が、フィ
ルム1上の厚さ測定位置を向くように配列されて構成さ
れている導光器を用いているため、フィルム1面におけ
る反射光を確実に捕捉することができる。
【0075】これは、この導光器の次のような作用によ
る。すなわち、フィルム面の傾斜などにより厚さ測定位
置で反射された白色平行光の反射方向が変動しても、入
射光軸が様々な方向から厚さ測定位置に向けられている
各光ファイバ20のうちのいずれかの光ファイバ20の
入射光軸と一致する。しかも、各光ファイバ20の出射
光軸が平行に固定されているので、反射方向がどのよう
に変動あるいは拡散しても、抽出用レンズ21に導かれ
る段階ではある一定の方向に反射光が伝播するようにな
る。このため、反射方向の変動や拡散の影響が極小化さ
れる。
【0076】このように出射方向が平行にそろえられた
反射光は、抽出用レンズ21に導かれ、さらに抽出用ピ
ンホール板22のピンホールに導かれる。抽出用レンズ
21は、各光ファイバ20の各出射端からの出射光のう
ちの出射光軸方向の付近の特定方向の成分のみを抽出用
ピンホール板22を通して抽出する。このようにして、
光ファイバ20を出射した反射光のうち出射光軸方向の
付近の成分のみが抽出される。こうして抽出された反射
光は、コリメータレンズ23によって平行光にされた
後、分光器24に一定角度で導かれる。なお、反射光は
各光ファイバ20を通過する間に散乱されるため、各光
ファイバ20の出射端から出射される光から同一方向の
成分のみを抽出するため、ピンホール板22のピンホー
ル径を非常に小さくすることが好ましい。
【0077】分光器24に一定角度で入射された光は回
折現象により各波長毎に異なる角度で回折され出射す
る。このとき入射角ιと出射角(すなわち回折角)βの
関係は次の式(3)で表される。
【0078】
【数3】ここで、λは光の波長、bは回折格子の格子間
隔を表す。mは回折の次数と呼ばれ、0、±1、±2、
・・・の値をとるが、通常の光学系においてはm=1の
場合の回折光を用いる。
【0079】分光器24から出射した回折光は同一波長
の光は互いに平行で、かつ、波長により異なる角度で結
像レンズ25に入射する。結像レンズ25は入射した平
行光をイメージインテンシファイア26の受光面上に結
像するように配置されているため、各波長の回折光は波
長毎に受光面上の異なる点に結像される。このような構
成をとると、イメージインテンシファイア26の各画素
に、それぞれ特定波長の回折光のみが入射する。このイ
メージインテンシファイア26は、入射した光を増幅す
る装置で、リニアイメージセンサ27に入射する光の光
量が少ない場合に用いられる。上記のような光ファイバ
の束等を用いた導光器を使用すると、利用できる光が少
なくなるため、必要に応じて光学系に挿入することが好
ましい場合がある。
【0080】この光はイメージインテンシファイア26
の出光面に密接されたリニアイメージセンサ27に入力
されて波長毎の光の強度すなわち分光強度として検出さ
れる。
【0081】前述の厚さ計データ処理装置7は、この検
出した分光強度を取り込み、干渉現象によって生じた明
部または暗部の極値を与える波長を求め、前述した式
(2)からフィルム1の厚さdを演算する。
【0082】このように、本態様によれば厚さ30μm
以下の透明(もしくは透明に近い)フィルムのTDおよ
びMD厚さむら測定において、高精度に(例えば測定精
度±0.1μmで)厚さむらを測定し、かつ前述した最
小幅2〜3mmで凸部の高さ(凹部の低さ)が0.25
μm以上の局所的な筋状の厚さむらの形状を測定するこ
とが可能である。また、光ファイバの束を利用した導光
器を用いているため、フィルム面の傾斜などによる反射
方向の変動がある場合でも、効率良くフィルムにおける
反射光を捕捉できる。したがって、MD厚さむら測定に
おいて、フィルム巻き返し装置による厚さ測定位置の移
動を比較的高速に行なうことができる。
【0083】次に、本発明のフィルムの厚さ計に用いる
光干渉式厚さ計の実施態様例(以下「第の実施態様
例」という。)について説明する。この態様は、厚さ3
0μm以下程度のフィルムのTDおよびMD厚さむら測
定に好適なもので、フィルム面での光の反射方向の変動
範囲が小さいならば、フィルムの複屈折性や表面粗さな
どの条件が悪く、白色平行光のフィルムの厚さ測定位置
での反射光の分光強度の変化がゆるやかな場合でも、精
度の高い測定が可能なものである。以下、この理由につ
いて述べる。
【0084】光干渉式厚さ計は、反射光の分光強度の変
化から明部または暗部の極値を与える波長を検出して、
この波長から厚さを求めるものであるが、この明部と暗
部の強度の差は測定すべきフィルムの特性によって違い
がある。
【0085】すなわち、フィルムの干渉現象によって分
光強度Iが変化するのは、フィルムの表面で反射される
光と、フィルムの裏面で反射される光に式(1)で表さ
れる光学的光路差Δが生じて干渉を起こすためである。
しかし、実際にフィルムを測定する場合には厚さ測定位
置の測定スポット内での光学的光路差Δは均一でなく、
ある変動幅を有している。
【0086】この変動幅の大小を決める要因には、以下
のようなフィルム特性が含まれる。すなわち、 (1)表面粗さと呼ばれるフィルム表面の微小な凹凸に
よる測定点内での厚さの不均一性、および、この微小な
凹凸による反射光の散乱、 (2)フィルムの内部粒子による光の散乱、 (3)フィルムの複屈折による屈折率の不均一性 等である。これらの要因が大きいほど、すなわち、表面
粗さが粗く、内部粒子の量が多く、複屈折が大きいほど
厚さ測定位置の測定スポット内での光学的光路差の変動
幅は大きくなり、さらにフィルムの厚さが厚いほど、変
動幅の絶対値は大きくなる。
【0087】なお、前述の参考例ではフィルムの複屈折
の影響を低減させるために、直線偏光した入射光を使用
している。しかし、2軸延伸して製造したフィルムで
は、幅方向の位置によってその配向方向が異なっている
ことが一般的であり、TD全幅にわたって複屈折の影響
を完全に除去することは必ずしも容易でない。
【0088】干渉の明部、暗部の波長は光学的光路差Δ
によって決まるため、Δが均一でなくある変動幅を有し
ている場合、得られる分光波形は明部、暗部の波長が微
少にずれたものの重ね合わせとなり、結果として明部、
暗部が相殺されてその差が小さくなり、分光強度の変化
がゆるやかとなる。
【0089】ところで、光干渉式厚さ計が厚さ演算に用
いるのは、明部または暗部の波長であり、明部と暗部の
強度差の大小は測定精度とは直接的な関係は無い。しか
し、実際の装置では信号にノイズ成分が含まれるため、
明部と暗部の差が小さくなるとその波長を検出する精度
が低下する。
【0090】すなわち、透明度が高く、表面粗さが小さ
く、複屈折が小さく、さらに厚さが薄いフィルムでは、
装置上のノイズと比較して、分光強度における明部と暗
部の差は大きいため、測定上の問題とはならない。しか
し、一部の品種では、フィルムの透明度、表面粗さ、複
屈折、厚さといった要因が重なって分光強度における明
部と暗部の差が小さくなる場合があり、この場合には装
置上のノイズの影響が大きくなって、測定精度が低下す
る場合があるのである。したがって、これらのフィルム
の厚さを高精度に測定するためには分光強度信号に含ま
れるノイズを充分小さくする必要がある。
【0091】ところで、上記の参考例における光干渉式
厚さ計の構成においては、光ファイバの束を利用した導
光器を用いている。そのため、上述のとおりフィルムの
厚さ測定位置からの反射光のうちごく一部しか利用でき
ない。そこで、参考例では、微弱な回折光の強度を検出
するためにイメージインテンシファイアなどを用いて光
量の増幅を行なっている。ところが、このイメージイン
テンシファイアなどの光増幅装置に起因するノイズが装
置上のノイズの最大の要因となることがある。
【0092】イメージインテンシファイアは受光面(光
電面)において微弱な光を電子に変換し、この電子の数
をマイクロチャンネルプレートと呼ばれる電子増倍装置
で増倍し、出光面(蛍光面)でこの電子を再び光に変換
して出光するというものである。ところが、マイクロチ
ャンネルプレートにおける電子の増倍率はその原理上統
計的な変動を有しており、時間的、空間的に変化する。
したがって、イメージインテンシファイアから出射され
る光の強度も時間的、空間的に変動したものとなる。こ
れを受光素子で検出した分光強度には、この時間的、空
間的な変化がノイズとなって重畳することとなる。イメ
ージインテンシファイア以外の光増幅装置や、受光素子
の電気信号の増幅度を高めた構成でも同様のノイズの発
生が避けられない。
【0093】この光増幅装置などの増倍率の統計的変動
を除去するために、通常、出力を時間的に平均化する方
法が用いられる。すなわち、上記参考例において、たと
えば40回/秒の割合で検出していた分光強度を、これ
より少ない頻度、たとえば5回/秒で検出することでノ
イズは低減する。
【0094】しかし、この方法は時間当たりの厚さ測定
の回数を少なくするため、フィルム上を一定間隔で厚さ
測定するためには、全体(TD全幅)の測定時間が長く
なる。すなわち、最小幅2〜3mmの局所的な筋状の厚
さむらの形状を測定するためには、少なくともフィルム
上を1mm間隔で厚さ測定する必要があるため、測定頻
度を例えば5回/秒としたときには幅6mのフィルムの
TD厚さむら測定に20分を要することとなる。すると
上述のように、この間フィルムは静止しており、生産性
が低下する。
【0095】そこで、光干渉式厚さ計として、光ファイ
バの束を利用した導光器を用いない構成をとり、十分な
光量を受光素子に与えることができるようにすれば分光
強度信号に含まれるノイズを小さくすることが可能であ
る。
【0096】光ファイバの束を利用した導光器は、フィ
ルムの厚さ測定位置におけるフィルム面の傾斜や光の散
乱に起因する、入射白色平行光の反射方向の変動が大き
い場合に、その影響を極小化するものである。本発明者
等は、かかる入射白色平行光の反射方向の変動が小さい
ならば、このような導光器の代わりに変動した範囲内の
反射光を効率良く捕捉できる別な構成の光学系を考案し
た。
【0097】図8は、このような光学系を用いた本発明
のフィルムの厚さ測定装置の実施態様例の構成を示すも
のである。
【0098】白色光源12から出射した光は、コンデン
サレンズ13、ピンホール板14、コリメータレンズ1
5、偏光板16、光束絞り28を通り、ハーフミラー2
9、集光レンズ30を通り、フィルム1にほぼ垂直に
(入射角0度付近で)導かれるようになっている。
【0099】フィルム1はそれ自体の張力で、厚さ測定
位置で平面を保持しており、前記集光レンズ30は、こ
の厚さ測定位置の近傍に焦点をもっている。
【0100】ハーフミラー29の側方には、抽出用レン
ズ31が配置され、さらに、抽出用レンズ31の後方に
抽出用ピンホール板32、コリメータレンズ33、分光
器24、結像レンズ25、受光素子例えばリニアイメー
ジセンサ34がこの順序で配置されている。
【0101】次に、上述した装置の作用を説明する。白
色光源12から出射した白色光はコンデンサレンズ13
によってピンホール板14のピンホールに集光され、さ
らにコリメータレンズ15によって平行にされた後、偏
光板16によって直線偏光のみとなり、光束絞り28を
通って一定径の光束に絞られる。この絞られた平行光の
一部はハーフミラー29を透過し、集光レンズ30によ
って収束光となる。
【0102】集光レンズ30は、フィルム1が平面を保
持した状態で、このフィルム1上の厚さ測定位置近傍に
焦点をもっているため、前記収束光はフィルム1上の厚
さ測定位置の近傍で結像する。なお、この結像した像
(測定スポット)の輪郭は、ピンホール板14のピンホ
ールの像であり、したがって、この測定スポットの径と
ピンホール板14のピンホール径との比は、集光レンズ
30(ここでは、入射光収束手段として作用する。)の
焦点距離とコリメータレンズ15の焦点距離との比に等
しい。
【0103】フィルム1上に入射された光は、このフィ
ルム1によって反射されるが、その際、干渉現象によっ
て分光強度Iに変化が生じる。この変化は前述のよう
に、入射角θと、フィルムの屈折率nが一定であれば、
フィルム1の厚さに依存するため、前記式(2)にした
がって厚さを求めることができる。
【0104】さて、フィルム1に入射した光は、フィル
ム1がそれ自体の張力で平面を保持しているため、反射
光は正反射されて再び集光レンズ30で受光される。こ
のとき、厚さ測定位置は集光レンズ30の焦点近傍にあ
るため、厚さ測定位置から正反射された反射光は集光レ
ンズ30(ここでは、反射光平行光化手段として作用す
る。)で受光されて再び平行光となる。このように、フ
ィルム1面での反射光が集光レンズ30に受光される範
囲にあれば、この反射光は集光レンズ30により平行光
化される。平行光化された反射光は、ハーフミラー29
で反射され90度方向を変えて抽出用レンズ31に導か
れる。この反射光は抽出用レンズ31で収束光となり抽
出用レンズ31の焦点位置にあるピンホール板32のピ
ンホールを通過し、再びコリメータレンズ33で平行光
となって、一定角度で分光器24に入射する。
【0105】一定角度で分光器24に導かれた光は第1
の実施態様例と同様に分光器24によって回折分光さ
れ、同一波長の光は互いに平行で、かつ、波長により異
なる角度で結像レンズ25に入射する。結像レンズ25
は入射した平行光をリニアイメージセンサ34の受光面
上に結像するように配置されているため、各波長の回折
光は波長毎に受光面上の異なる点に結像される。こうし
て、フィルムの厚さ測定位置において反射した白色光は
リニアイメージセンサ34によって波長毎の強度として
検出される。
【0106】データ処理装置7はこの検出した光の強度
すなわち分光強度を取り込み、干渉現象によって生じた
明部または暗部の波長を求め、前述した式(2)からフ
ィルム1の厚さdを演算する。
【0107】次に、フィルム面にわずかな傾斜αがあ
り、フィルム1面に入射した白色光の反射方向が変移あ
るいは変動する場合の上記光学系の作用について以下に
説明する。
【0108】図9はこのような傾斜αがある場合の白色
光の光路について示したものである集光レンズ30に入
射した白色平行光は、集光レンズ30により収束され、
フィルム1の厚さ測定位置近傍に収束される。ここでフ
ィルム1の厚さや屈折率に応じた分光強度の変化を受
け、反射して再び集光レンズ30に入射する。ここで、
フィルム1の面が角度αだけ傾いているため、反射光が
集光レンズ30に再び入射する位置は、先に入射した位
置とは異なり、図9では左に寄った位置となっている。
ところが、集光レンズ30はもともと平行光であった白
色光を収束したものであるから、平面を保持しているフ
ィルム1面で反射した発散光が入射すればもとの平行光
に戻すことができる。これは、集光レンズ30の焦点位
置がフィルム1の厚さ測定位置から極端に離れていなけ
れば成り立つ。
【0109】これは、言い換えると、反射光が集光レン
ズ30に再び入射する範囲であれば、フィルム面の傾斜
αがどのように変動しても、反射光は常に平行光化され
るということを意味する。これは、第1の実施態様にお
いて、図5のいずれかの光ファイバ20に反射光が入射
すれば、光ファイバ20の出射光軸が平行となるように
構成されているため、導光器の出射側で反射光が平行に
出射したが、これと同じ効果が本実施態様例の光学系で
得られていることを示す。ここで平行光化された反射光
は、第1の実施態様例と同様に抽出用レンズ31とピン
ホール板32のピンホールにより出射光軸付近の特定方
向の成分のみ抽出されて分光器24に入射する。
【0110】このとき、分光器24への入射角度もフィ
ルム1が平面を保持し、傾いていない場合の入射角度と
同一であるため、式(3)にしたがって各波長毎の回折
角も同一となり、結局リニアイメージセンサ上における
結像位置と波長の関係も同一となる。すなわち、本実施
態様例によれば反射方向が変動した場合でも、波長毎の
分光強度の変化が正確に検出できるわけである。
【0111】このように、本実施態様例の構成によれ
ば、フィルム面の傾斜αが十分小さければ、光ファイバ
を利用した導光器を用いずに傾斜αの変移または変動の
影響をうけない測定が可能となる。したがって、イメー
ジインテンシファイアのような光増幅装置を用いなくて
も十分な量の光をリニアイメージセンサに与えることが
できる。これにより、光増幅装置や電子回路のノイズの
影響を減らすことができる。
【0112】こうした構成をとることにより、本実施態
様例における装置上のノイズは主にリニアイメージセン
サとその検出回路に起因するものとなる。これはイメー
ジインテンシファイア等の光増幅装置などに起因するノ
イズと比較して微小である。それゆえ、フィルムの透明
度、表面粗さ、複屈折、厚さといった要因が重なって分
光強度における明部と暗部の差が小さくなった場合で
も、分光強度信号上のノイズが充分小さいために、その
明部と暗部の波長を高精度に検出することが可能であ
る。したがって、これら明部と暗部の波長を用いて求め
る厚さ測定値の精度は高い。
【0113】また、本構成によれば厚さ計検出装置6の
外部の光や、光学系内での反射の影響を低減することが
可能である。
【0114】すなわち、厚さ計検出装置6の外部の光の
一部はフィルム1からの反射光と同様に集光レンズ30
に到る。しかし、抽出用ピンホール板32のピンホール
は測定点で反射された光のみを通す位置にあるため、こ
れら外光の大部分は抽出用ピンホール板32によって遮
蔽される。
【0115】さらに、ハーフミラーとしてキューブビー
ムスプリッタを使用した場合、光束絞り28を通ってハ
ーフミラー29に入射された光の一部はハーフミラーで
反射された後、キューブの端面で反射されて再びハーフ
ミラーを通過して抽出用レンズ31に到る。また、光束
絞り28を通ってハーフミラー29に入射された光の一
部はハーフミラーを通過した後、キューブの端面で反射
されて再びハーフミラーで反射して抽出用レンズ31に
到る。しかし、ハーフミラー面を保持したままキューブ
角度を調整する機構によって、この光の進行方向を厚さ
測定位置から反射された光の進行方向と変えることによ
り、抽出用ピンホール板32よって遮蔽することができ
る。ハーフミラー面を保持したままキューブ角度を調整
する機構としては、例えばハーフミラー面と一致する回
転面を持ったゴニオメータにキューブを固定することで
実現できる。また、前述の抽出用ピンホール板32のピ
ンホールの径はキューブ角度の調整によって、キューブ
端面からの反射光の進行方向をどれだけ変化させられる
かによって決定する必要があるが、1〜3mm程度が好
ましい。
【0116】次に、本実施態様例における光学系の条件
について述べる。
【0117】本実施態様例ではフィルム1に入射される
光は収束光であるため、フィルム1への入射角は一定で
はない。すなわち、図9に示すように、角度α(>0)
で傾いたフィルムに収束角ψ(>0)で光を入射したと
き、入射光はα±ψの範囲でその入射角が分布してい
る。このためフィルム1の表面で反射した光と、裏面で
反射した光の光学的光路差Δも一定ではなく、入射角の
分布による分布範囲を有している。この分布範囲が大き
くなると、前述のように明部と暗部の差が小さくなって
しまう場合がある。
【0118】干渉による明部と暗部がお互いに打ち消し
あわないようにするためには、光路差Δの分布範囲は分
光する波長に対して充分に小さい必要がある。例えば、
分光する波長範囲(実際にフィルムの厚さの算出に使用
する分光強度の明部や暗部を含む範囲)をλb〜λe(λ
b<λe)としたとき、光学的光路差Δの分布範囲の範囲
が±λb/2になるとλb付近では明部と暗部が完全に打
ち消されてしまう。明部と暗部の強度差を、光学的光路
差Δが0の場合の90%以上に保つには光学的光路差Δ
の分布範囲は±0.2×λb より小さくなければならな
い。
【0119】ところで収束光を入射した場合の光路差Δ
の分布範囲は、入射光の収束角とともに、その中心角度
αによっても変化する。以下ではこの関係を定量化す
る。
【0120】光を角度θでフィルムに入射したときにフ
ィルム表裏で反射した光の光学的光路差をΔ(θ)とす
ると、
【0121】
【数4】となる。ここでdはフィルムの厚さ、nはフィ
ルムの屈折率である。いま、θ=0の場合からの光路差
の変化量としてΔ’(θ)=Δ(θ)−Δ(0)を考え
る。すなわち、
【0122】
【数5】とする。図10はd=25μm、n=1.65
と仮定してΔ’(θ)をプロットしたものである。図9
に示すように角度α±ψで収束する光を中心角度αでフ
ィルムに入射した場合、フィルム表面で反射する光と裏
面で反射する光の光学的光路差の分布範囲は、図10に
おいて、θ=αを中心に、θを±ψの範囲にわたって変
化させた場合のΔ’(θ)の値の分布範囲に相当する。
【0123】このΔ’(θ)の値の分布範囲は、α>ψ
の場合とα<ψの場合とで場合わけして考えなければな
らない。すなわち、図9のようにα>ψの場合は、光の
入射角度θの範囲は0°(すなわちフィルム面への垂直
入射成分)を含まない。したがって、Δ’(θ)の値の
最大値はθ=α−ψの場合に得られ、最小値はθ=α+
ψの場合に得られる。したがって、光学的光路差の変化
量Δ’(θ)の値の分布範囲幅δは
【0124】
【数6】となる。一方、α<ψの場合は、光の入射角度
θの範囲は0°(すなわちフィルム面への垂直入射成
分)を含む。したがって、Δ’(θ)の値の最大値はθ
=0°の場合に得られ、最小値はθ=α+ψの場合に得
られる。したがって、光学的光路差の変化量Δ’(θ)
の値の分布範囲δは
【0125】
【数7】となる。
【0126】結局、干渉による明部、暗部が相殺されな
いようにするには、入射光の収束角ψは以下の関係を満
たすように設定する必要がある。すなわち、測定すべき
フィルムの最大厚さd、有効分光範囲の最小波長λb
屈折率n、フィルム面の傾斜の最大角度をαとしたと
き、式(6)または式(7)で表されるδに対し、
【0127】
【数8】で計算される光路差比aが0.2以下である必
要がある。
【0128】したがって、たとえばλbが600nm
(0.2λb=120nm)、フィルムの最大厚さが2
5μm、フィルムの屈折率が1.65、フィルム面の傾
斜の最大角度αが5°の場合、図10からΔ’(3.6
°)=−65nmに対し、Δ’(6.4°)=−185
nmであるから、収束角ψは1.4°以下である必要が
ある。また、αが2.5°のときは、Δ’(0°)=0
nmに対し、Δ’(5.0°)=120nmであるか
ら、ψは2.5°以下にすればよい。これらはフィルム
の最大厚さが25μm程度の場合の値である。一般にポ
リエステル、ポリプロピレンなどの高分子フィルムで
は、実用上最大厚さdは3〜30μmに設定することが
多い。したがって、最大厚さが25μmより薄いときは
ψはさらに大きくすることができる。
【0129】次に、白色平行光をフィルムに入射する際
に収束し、厚さ測定位置での反射光を平行光化する機能
を同一の集光レンズにより実現する場合において、反射
光がすべてこの集光レンズに受光されるための集光レン
ズの有効径φLの条件を示す。この反射光がすべて集光
レンズに入射しなくても本発明の作用は得られるが、十
分な光量を確保するためにはこの条件を満たすことが好
ましい。
【0130】すなわち、図9に示すように、傾斜がαの
フィルムに収束角ψの収束光が入射すると、光は2α±
ψの角度で反射される。したがって、この反射光をすべ
て受光するためには
【0131】
【数9】である必要がある。また、収束角ψははじめに
集光レンズに受光される白色平行光の直径DAと集光レ
ンズの焦点距離fによって定まり、
【0132】
【数10】で表される。
【0133】たとえば、本実施態様例で、α=5°、D
A=5mm、f=120mm、φL=50mmとすると、
ψ=1.2°、tan(2α+ψ)=0.20、φL/
2f=0.21となり、上記条件を満たすことができ
る。
【0134】実際の装置でフィルムの最大傾斜角度αを
決定するためには、巻き返し装置においてフィルムがど
のくらい傾くかを確認する必要がある。通常、フィルム
に外見上のしわ、たるみがない場合で5°程度とする。
また、巻き返し装置のローラなど、フィルムの状態を規
制するものの近辺で測定できる場合には3°とすること
も可能である。
【0135】したがって、本実施態様例の構成によれば
フィルム面の最大傾斜角度が十分小さい場合は、参考
よりも多い光量を受光素子に入射させることができ、フ
ィルムの表面粗さや、複屈折などによって反射光の分光
強度の変化がゆるやかな場合であっても精度の高い厚さ
測定ができる。
【0136】次に、本発明のフィルムの厚さ計に用いる
光干渉式厚さ計の別の実施態様例(以下「第の実施態
様例」という。)について説明する。
【0137】上述の第の実施態様例を適用するために
は、フィルムの最大傾斜角度αが十分小さいことが必要
であった。フィルムの巻き返し装置の構成上の制約か
ら、フィルム面の傾斜がそれ自体の張力だけでは実用的
な範囲に収まらない場合もある。そこで、本発明者ら
は、さらにフィルムの傾斜を規制する手段を追加するこ
とによって、フィルムの最大傾斜角度αを小さくするこ
とを実現した。
【0138】図11は、本発明に用いる光干渉式厚さ計
の厚さ検出装置の上述のようなフィルムの傾斜規制手段
を含む実施態様例を示すものである。この実施態様例
は、フィルム面の傾斜がそれ自体の張力だけでは実用的
な範囲に収まらない場合にも、第の実施態様例の光学
系を用いた測定を可能とするものである。
【0139】図11においてリング状のフィルムガイド
35は検出装置の前面にとりつけられており、厚さ計検
出装置6をフィルム1に押しつけたとき、フィルム1は
それ自体の張力のリング状フィルムガイド35の内側で
平面を保持するとともにフィルム面の傾斜を規制してい
る。集光レンズ30は、フィルム1が平面を保持した状
態で、このフィルム1上の厚さ測定位置の近傍に焦点を
持っている。
【0140】図11に示す実施態様例のその他の構成、
作用は図10と同一であるので省略する。この場合、フ
ィルムの厚さ測定位置ではフィルム面の最大傾斜角度を
1.5°とすることも可能である。
【0141】したがって、本実施態様例の構成によれば
フィルム自体の張力だけではフィルム面の最大傾斜角度
を十分小さくできない場合でも、フィルム面の傾斜規制
手段を追加することにより、第2の実施態様例と同様
に、フィルムの表面粗さや、複屈折などによって反射光
の分光強度の変化がゆるやかな場合であっても精度の高
い厚さ測定ができる。
【0142】本発明においてフィルムとしては、ポリエ
ステル、ポリプロピレンなどの有機または無機の高分子
フィルムなどが用いられる。
【0143】本発明において、幅方向測定位置移動手段
としては、上述の実施態様例のような厚さ測定手段の全
部または一部を移動させるスキャナや、測定光の光路の
向きを変える回転構造つきのミラーなどが好ましく用い
られる。
【0144】本発明において、長手方向測定位置移動手
段としては、上述の実施態様例のようなフィルムの巻き
返し装置や、厚さ測定手段の全部または一部を移動させ
るスキャナや、測定光の光路の向きを変える回転構造つ
きのミラーなどのが好ましく用いられる。また、フィル
ムの巻き返し装置としては、製造の際に巻き取られたフ
ィルムを巻き返しながらスリットするいわゆるスリッタ
や、巻き返しながらフィルムの表面状態を目視検査する
ための検反機が好ましく用いられる。これらを用いる場
合は、長手方向測定位置移動手段として専用の部材を設
ける必要がないため好ましい。
【0145】本発明において、白色平行光を発生させる
光源は、測定するフィルムにおける反射光の分光強度に
おいて、少なくとも明部または暗部の極値を与える波長
が2個以上含まれる範囲にわたる波長の光を発生させら
れるものである必要がある。したがって、その波長範囲
は可視領域に限られるものではなく、たとえば400〜
750nm、700〜850nmといった範囲が好まし
く用いられる。白色光源としては、白熱電球、ハロゲン
ランプ、キセノンランプあるいは可変波長のレーザが好
ましく用いられる。
【0146】本発明において、分光測定手段としては、
平面回折格子や分光プリズムなどにより光を波長毎に異
なる方向に伝播させる部材と、リニアイメージセンサな
どを組み合わせたものや、受光素子の波長感度を時間的
に変化させながら測定するものなどが用いられる。ま
た、光源として可変波長レーザのように時間的に波長の
変化するものを用いた場合は、通常の受光素子とレーザ
等の波長可変装置の組み合わせにより分光測定が実現さ
れる。また、リニアイメージセンサとしては、CCD
(Charge Coupled Device)素子
やPCD(Plasma Coupuled Devi
ce)素子などが好ましく用いられる。また2次元のイ
メージセンサを使用してもよい。
【0147】本発明において、厚さ算出手段としては、
反射光の分光強度の明部または暗部の極値を与える複数
の波長位置に基づいてフィルムの厚さを算出するもの
や、反射光の分光強度のプロファイルを最小二乗法等に
よりフィッティングすることによって算出するものが好
ましく用いられる。
【0148】また、分光反射強度測定手段の有効分光範
囲の最短波長とは、実際のフィルムの厚さ測定に用いる
範囲の波長のうちの最短波長をさす。たとえば、厚さ算
出手段として反射光の分光強度の明部や暗部の波長位置
に基づいて厚さの算出を行なうものを用いる場合は、算
出に用いる明部や暗部の波長位置のうちの最短波長位置
が、反射光の分光強度のプロファイルをフィッティング
して厚さの算出を行なうものの場合は、フィッティング
に用いる波長範囲のうちの最短波長が、それぞれ分光範
囲の最短波長に該当する。
【0149】また、本発明において、フィルムの傾斜規
制手段としては、フィルムの厚さ測定位置の近傍に強制
的に張力を付与できるものであればどのようなものでも
よい。たとえば、金属やプラスチックなどの環状の枠ま
たは棒などをフィルム面に押し付けるものや圧空を吹き
付けるものなどが好ましく用いられる。
【0150】
【実施例】比較例1 図1に示す構成をもち、厚さ計検出装置6として図5に
示す反射型光干渉式のものを用いたフィルムの厚さ計を
製造した。白色光源12としては100Wのハロゲンラ
ンプを使用し、光ファイバ20には、直径1mmのプラ
スチック製のものを600本使用した。分光器24とし
てはブレーズ波長が750nm、溝数が1200本/m
mの平面回折格子を使用し、リニアイメージセンサ27
としては光ファイバープレート(直径6μm程度の光フ
ァイバを複数本束ねて成形した板材)とリニアイメージ
センサが一体化したものを用いている。リニアイメージ
センサ27としては1024画素のPCD素子を使用し
ている。なお、光増幅装置としてイメージインテンシフ
ァイア26を分光器24とリニアイメージセンサ27の
間に挿入している。フィルムの厚さ測定位置の白色光の
スポット径は2mmで、有効分光範囲は700〜850
nmとした。
【0151】図7はこのフィルムの厚さ測定装置を使用
して測定したTD厚さむらの測定結果を示す。この測定
に用いたフィルムとしては、薄く、透明で、表面が滑ら
かであり、反射光の分光強度の変化が急峻にあらわれる
ものを用いた。本実施例においてはフィルムの平均厚さ
は約9μm、厚さ計の移動速度は25mm/秒である。
1秒間あたりの厚さ測定回数を40回/秒とし、フィル
ム上の厚さ測定の間隔を約0.6mmとした。図7に示
した測定結果では中央部には幅20mm、高さ0.4μ
mの筋状の厚さむらが測定できている。実施例図1に
示す構成をもち、厚さ計検出装置6として図11に示す
反射型光干渉式のものを用いたフィルムの厚さ計を製造
した。白色光源12、分光器24、リニアイメージセン
サ27は実施例1と同じものを用いた。ハーフミラーと
しては一辺50mmのキューブビームスプリッタを使用
した。有効分光範囲は700〜850nmとした。
【0152】なお、本実施例においては測定対象のフィ
ルムの最大厚さd=25.0μm、有効分光範囲の最短
波長λb=700nm、フィルム面の最大傾斜角度α=
5度、白色平行光のビーム径DA=5mm、集光レンズ
30の焦点距離f=120mmとした。これにより、白
色光の収束角度ψ=1.2°、光学的光路差の分布範囲
δ=60nm、光路差比a=0.086となる。
【0153】図14はこのフィルムの厚さ測定装置を使
用して測定したポリエステルフィルムのTD厚さむら測
定の結果である。この測定に用いたフィルムとしては、
比較的厚手で、表面がやや粗く、反射光の分光強度の変
化がゆるやかなものを用いた。本測定例においてはフィ
ルムの平均厚さは約21μm、スキャナの移動速度は2
5mm/秒である。
【0154】また、図3は同様にこのフィルムの厚さ測
定装置を使用して測定したポリエステルフィルムのTD
厚さむら測定結果である。本測定例においてはフィルム
の平均厚さは約14μm、TD厚さむら測定中のスキャ
ナの移動速度は25mm/秒である。
【0155】また、図4は同様にこのフィルムの厚さ測
定装置を使用して測定したポリエステルフィルムのMD
厚さむら測定結果である。本測定例においてはフィルム
の平均厚さは約14μm、巻き返し速度は50mm/秒
である。
【0156】つぎに、比較例1と実施例のフィルムの
厚さ測定装置のノイズの影響を比較する。
【0157】図12は比較例1に示したフィルムの厚さ
測定装置を用いて、厚さが約21μmのポリエステルフ
ィルムの同一点の厚さを連続測定したときの測定値の時
間的変動を示したものである。本測定に用いたポリエス
テルフィルムは内部粒子を多く含有し、しかも複屈折が
大きいために、前述のように検出された分光強度におけ
る明部、暗部の差は小さい。比較例1の測定装置では検
出した分光強度にイメージインテンシファイアによるノ
イズが重畳しているため、フィルム上の同一点を測定し
ているにもかかわらず、測定値は約1μmの幅で変動し
ている。すなわち、このポリエステルフィルムに対して
比較例1の装置では、局所的な厚さむらを検出するた
めに必要な±0.1μmの測定精度が得られなかった。
【0158】これに対し、図13は実施例のフィルム
の厚さ測定装置用いて、図12の場合と同一のポリエス
テルフィルムの同一点の厚さを連続測定したときの測定
値の時間的変動を示したものである。本測定例では、上
比較と同様に、分光強度の明部、暗部の差は小さ
いが、実施例の装置では、イメージインテンシファイ
アを使用していないために、分光強度に重畳するノイズ
が小さく、よって測定値の変動は0.02μm以下とす
ることができた。すなわち、実施例の装置では、TD
厚さむら測定、MD厚さむら測定に必要な測定精度が得
られた。
【0159】
【発明の効果】本発明によれば、インラインで、サンプ
ルを切り出すことなく、迅速に精度良くフィルムのTD
厚さむらおよび、MD厚さむらを測定することができ
る。また、簡便な操作で厚さむら測定ができるため、測
定値が測定者の技能に左右されない。この結果、品質保
証のための検査に必要な要員を削減することができ、フ
ィルムの製造コスト削減になる。
【0160】また、サンプルを切り出す必要がないため
にカッターによる災害もなく、労働環境面でも改善され
る。
【0161】さらに、サンプルを切り出してオフライン
測定する場合と比較して、サンプル取扱い中のしわや折
り目の発生がないため、高精度、かつ信頼性の高い測定
結果が得られる。この結果、製品の品質保証の精度が向
上する。
【0162】また、特に、厚さ測定手段として光干渉式
厚さ計を使用するので、フィルムに局所的な筋状の厚さ
むらが発生した場合や、長手方向に周期性のある厚さむ
らが発生した場合に、これを確実に測定することができ
る。それゆえ、歩留まりが向上する。
【0163】さらに、これら厚さむらが発生した場合
に、その状況が迅速に確認でき、口金清掃などの対応策
をとることが可能となる。したがって不良をもった製品
を製造することが減少するため、フィルムの製造コスト
を削減することができる。
【0164】また、本発明のフィルムの厚さ測定装置の
好ましい態様によれば、測定対象フィルムの複屈折性や
表面粗さの影響を受けて分光強度の変化がゆるやかな場
合でも、精度良く厚さを測定することができる。
【0165】また、本発明のフィルムの製造方法によれ
ば、フィルムのTDおよびMDの厚さむらを迅速に発見
して、原因を取り除くことにより、生産の歩留まりを高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルムの厚さ測定装置の実施態様例
を示す概略構成図
【図2】従来のオフラインでの厚さむら測定の例を示す
模式図
【図3】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例に
よる平均厚さ14μmのポリエステルフィルムのTD厚
さむら測定例を示すグラフ
【図4】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例に
よる平均厚さ14μmのポリエステルフィルムのMD厚
さむら測定例を示すグラフ
【図5】ィルムの厚さ測定装置の一参考例に用いられ
る厚さ計測定装置の構造を示す概略構成図
【図6】薄膜による分光強度の干渉波形を示す模式図
【図7】ィルムの厚さ測定装置の一参考例による平均
厚さ9μmのポリエステルフィルムのTD厚さむら測定
例を示すグラフ
【図8】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例に
用いられる厚さ計測定装置の構造を示す概略構成図
【図9】光学系のパラメータの関係を示す図
【図10】入射角と光学的光路差の変化量の関係を示す
グラフ
【図11】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例
に用いられる厚さ計測定装置の構造を示す概略構成図
【図12】ィルムの厚さ測定装置の一参考例による厚
さ21μmのポリエステルフィルムの1点を連続測定し
た測定例を示すグラフ
【図13】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例
による厚さ21μmのポリエステルフィルムの1点を連
続測定した測定例を示すグラフ
【図14】本発明のフィルムの厚さ測定装置の一実施例
による平均厚さ21μmのポリエステルフィルムのTD
厚さむら測定例を示すグラフである。
【符号の説明】
1:フィルム 2:フィルムロール 3:ロール 4:ロール 5:ロール 6:厚さ計検出装置 7:厚さ計データ処理装置 8:スキャナ 9:ペンレコーダ 10:スキャナ制御装置 11:巻き返し制御装置 12:白色光源 13:コンデンサレンズ 14:ピンホール板 15:コリメータレンズ 16:偏光板 17:集光器 18:入射窓(孔) 19:支持体 20:光ファイバ 21:抽出用レンズ 22:ピンホール板 23:コリメータレンズ 24:分光器 25:結像レンズ 26:イメージインテンシファイア 27:リニアイメージセンサ 28:光束絞り 29:ハーフミラー 30:集光レンズ 31:抽出用レンズ 32:ピンホール板 33:コリメータレンズ 34:リニアイメージセンサ 35:フィルムガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G01B 21/00 - 21/32 B29C 47/00 - 47/96

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色平行光を発生させる白色平行光源と、
    前記白色平行光をフィルムの厚さ測定位置に収束させる
    入射光収束手段と、前記入射光収束手段により収束させ
    られた前記白色平行光の厚さ測定位置における反射光を
    平行光化する反射光平行光化手段と、前記反射光の分光
    強度を測定する分光反射強度測定手段と、前記反射光の
    分光強度にもとづいて前記フィルムの厚さを算出する厚
    さ算出手段を備えてなるフィルムの厚さ測定装置であっ
    て、かつ、前記フィルムの表面において反射する前記反
    射光の成分と前記フィルムの表面において透過し前記フ
    ィルムの裏面において反射する前記反射光の成分との間
    の光学的光路差の分布範囲幅が、前記分光反射強度測定
    手段の有効分光範囲の最短波長の0.2倍以下であるこ
    とを特徴とするフィルムの厚さ測定装置。
  2. 【請求項2】前記入射光収束手段が前記反射光平行光化
    手段を兼ねることを特徴とする請求項に記載のフィル
    ムの厚さ測定装置。
  3. 【請求項3】さらに、前記厚さ測定位置のフィルム面の
    傾斜を規制する傾斜規制手段を備えてなることを特徴と
    する請求項またはに記載のフィルムの厚さ測定装
    置。
  4. 【請求項4】前記厚さ算出手段は、前記反射光の分光強
    度の極値を与える複数の波長位置に基づいて前記フィル
    ムの厚さを算出するものであることを特徴とする請求項
    またはに記載のフィルムの厚さ測定装置。
  5. 【請求項5】さらに、前記厚さ測定位置を前記フィルム
    に対して前記フィルムの幅方向に相対的に移動させる幅
    方向測定位置移動手段と、前記厚さ測定位置を前記フィ
    ルムに対して前記フィルムの長手方向に相対的に移動さ
    せる長手方向測定位置移動手段を備え、かつ、前記幅方
    向測定位置移動手段と前記長手方向測定位置移動手段の
    うち少なくともいずれか一方は、前記分光反射強度測定
    手段が前記フィルムの厚さを測定しているときに前記厚
    さ測定位置を移動させないものであることを特徴とする
    請求項またはに記載のフィルムの厚さ測定
    装置。
  6. 【請求項6】白色平行光を発生させ、前記白色平行光を
    フィルムの厚さ測定位置に収束させ、収束させられた前
    記白色平行光の厚さ測定位置における反射光を平行光化
    し、前記反射光の分光強度を測定し、前記反射光の分光
    強度にもとづいて前記厚さを算出するフィルムの厚さ測
    定方法であって、かつ、前記フィルムの表面において反
    射する前記反射光の成分と前記フィルムの表面において
    透過し前記フィルムの裏面において反射する前記反射光
    の成分との間の光学的光路差の分布範囲幅を、前記分光
    反射強度測定手段における有効分光範囲の最短波長の
    0.2倍以下とすることを特徴とするフィルムの厚さ測
    定方法。
  7. 【請求項7】請求項に記載のフィルムの厚さ測定方法
    によりフィルムの幅方向および長手方向のうち少なくと
    も一方の各位置における厚さを測定し、前記各位置の厚
    さを所定のしきい値と比較した結果に基づいてフィルム
    製造工程を管理することを特徴とするフィルムの製造方
    法。
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