JP3106636B2 - 酸化ジルコニウム粉末の製造方法 - Google Patents

酸化ジルコニウム粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒径が均一に制御さ
れ、分散性に優れた高純度の酸化ジルコニウム粉末の製
造方法に関するものである。
【0002】酸化ジルコニウム粉末は、弱電用材料、光
学レンズ、薄膜形成用焼結体、電気光学セラミックス、
圧電素子、触媒担体等に用いられている。これらの用途
に使用される酸化ジルコニウム粉末には、純度が高い
こと(例えば、99.9重量%以上)、粉体の大きさ
が微小であること、粒子径が均一であること、粒子
の分散性が良いこと等の諸特性が要求されている。
【0003】
【従来の技術】比較的粒径分布の均一な酸化ジルコニウ
ム粉末を製造することを目的とする、ないしはその効果
が期待される方法として、所定のpH値に調整された液
の準備された反応槽内へジルコニウム塩の水溶液とアン
モニア水等のアルカリ溶液とをそれぞれ別々に定量的に
送り、反応槽内のpHを一定の範囲に調整しながら反応
を行い、該沈澱物を生成させる方法(特公平2−896
8号公報)、この沈澱生成反応を反応槽内の液量が一定
となるように該沈澱物を含む反応生成液を流出させなが
ら連続的に行う方法(特公平2−35694号公報)な
どが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは、このように反応槽内の液のpHや供給液流量の
調整だけでは、酸化ジルコニウム粉末の粒径分布を均一
なものにするには不十分であり、かつ該粉末の純度をさ
らに向上させる余地のあることを見出だした。
【0005】本発明は、以上の問題点を解決すること、
すなわち、粒径がより均一に制御され、分散性に優れた
高純度の酸化ジルコニウム粉末を得ることを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジルコニ
ウム塩の水溶液として水和酸化ジルコニウムを含む液を
用い、該中和沈澱生成反応を、反応時のpHを一定に保
ちながら行なうことにより、上記目標の微粉末が得られ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、反応系内のpHを一
定の値に維持しつつ、該反応系に水和酸化ジルコニウム
を含むジルコニウム塩の水溶液とアルカリ溶液とを供給
して接触させ、えられた沈澱物を分離し、乾燥し、焼成
することからなる、酸化ジルコニウム粉末の製造方法、
を要旨とするものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】ジルコニウム塩の水溶液としては、オキシ
塩化ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、硝酸ジル
コニウム等をあげることができる。この水溶液中に含有
させる水和酸化ジルコニウムとしては、非結晶性水和ジ
ルコニアおよび結晶性水和ジルコニアをあげることがで
き、いずれをも使用しうる。結晶性水和ジルコニアは、
加熱加水分解法によって得られる高純度・高結晶性のも
のがよく、例えば、ZrO濃度が0.2mol/リッ
トルのオキシ塩化ジルコニウムを80時間煮沸加水分解
して得られる。また、アルカリ溶液としては、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液をあ
げることができる。
【0010】本発明による反応は、回分式、連続式等の
いずれによっても行なうことができるが、工業的・経済
的な観点から連続式反応方式による操作が好ましい。ま
た、反応槽の型式については特別な制約はないが、沈澱
物濃度が高くなると、反応液の粘度が上昇するので、混
合状態を均一に保つことができるように攪拌機を備えた
反応槽が好ましい。
【0011】反応操作方法は、反応系のpHが一定の値
に維持されるのであれば、どのような方法でもよいが、
以下に説明する方法によればそのpHの調整がよういで
ある。すなわち、まず反応を開始する前に、予め反応槽
内に、所定のpHに調製した水を準備する。ここで、所
定の生成沈澱物の最終到達濃度を越えない範囲の濃度の
水和酸化ジルコニウムを、予め反応槽内に準備しておく
と、後述のように効果がよりよく発揮される。このよう
に調製された水に、所定のpHが維持されるように、水
和酸化ジルコニウムをジルコニウム塩の水溶液中に含有
させたもの(以後、これを「ジルコニウム源」と称す
る)とアルカリ溶液とをそれぞれ別々に同時に供給す
る。所定の一定濃度のジルコニウム源と所定の一定濃度
のアルカリ溶液とを一定流量比で供給することによっ
て、反応槽内の生成液のpHを一定の値に維持すればよ
い。連続操作においては、生成液量が反応槽内で一定と
なるように定量ポンプあるいはオーバーフロー方式等に
より生成液を連続的に抜き出す。回分操作の場合は、反
応槽内の液が所定の量となった時点で原料液の供給を停
止する。
【0012】このようにしてえられた沈澱物を分離し、
洗浄し、乾燥し、焼成することにより、粒径分布の均一
に制御され、分散性に優れた、カチオンやアニオンの不
純物を含まない高純度の酸化ジルコニウム粉末がえられ
る。また、予め反応槽内に、反応時と同一pHの水を準
備し、原料のジルコニウム塩の水溶液中に水和酸化ジル
コニウムを含有させておくことにより、これが反応開始
直後(溶液添加開始直後)に起こりがちの流量の若干の
アンバランスより生ずる系のpHの変動あるいは反応槽
内の粘度の上昇に対して緩衝作用の役目を果たして、反
応開始時からpHが実質上一定に維持され、かつ常に均
一な混合状態が保たれ、それによって粒径が均一に制御
され、分散性に優れた高純度の酸化ジルコニウム微粉末
が得られる。この粉末の粒径は、遠心沈降式粒度分布測
定装置等により測定でき、分散性は電子顕微鏡写真等の
観察により判断できる。本発明により得られたサンプル
の一例によれば、ジルコニア前駆体(沈澱乾燥物)を8
50℃で仮焼すると、0.10〜1.00μmの粒径範
囲のものが95%以上を占め、また球状粒子がほぼ一粒
子ずつ分散した状態となっている。
【0013】生成液中の沈澱物はろ過後水洗し、次いで
この沈澱物を脱水乾燥し、300〜1300℃の範囲で
焼成して微粉末を得る。
【0014】また、予め反応槽内に準備される所定のp
Hの水量については、特に制約はない。この予め反応槽
内に準備される所定のpHの水は、水に酸性物質または
アルカリ性物質を添加してpHを本運転におけるそれに
調整すればよい。
【0015】ジルコニウム源中の水和酸化ジルコニウム
は、Zr換算で1%以上であればよく、上限は生産性を
考慮し決定すればよい。含有率が1%より低くなると、
緩衝作用が低く、したがって、反応系のpHの均一性に
劣り、それによってえられる酸化ジルコニウム粉末の粒
径の均一性および純度が低くなりがちである。
【0016】また、生成沈澱物の最終到達濃度は、特に
制限はないが、粒径が均一に制御され、分散性に優れた
高純度の微粉末を得るには、ZrO換算で10〜30
0g/リットルの範囲が好ましい。10g/リットルよ
り濃度が低い場合には、該沈澱乾燥物中の水分等が除去
されにくく、これが原因と考えられるが、焼成後の粉末
は粒径の不均一な、分散性および純度の悪い微粉末とな
りがちであり、300g/リットルを越えると生成液の
粘度が高く流動性が悪くなり、粒径の均一な、分散性の
よい、かつ純度の高い微粉末がえにくくなる。
【0017】pHは、2〜13の範囲から選ぶのがよ
い。pHが2より低くなると得られた沈澱物のろ過分離
操作が困難となり、また13を越えると該沈澱物から
水、不純物等の除去が困難になり、これが原因と考えら
れるが、粒径の均一な、分散性のよいかつ純度の高い微
粉末を得ることが困難となる。
【0018】
【作用】前記の反応液のpHおよび原料液の供給流量を
一定にする従来方法においては、ジルコニウム塩の水溶
液とアルカリ溶液との反応は、反応開始直後の沈殿物濃
度が薄い時点で、該中和沈澱生成反応が反応槽内におい
て局部的に起こるために、粒径が不均一になるだけでな
く、凝集が激しくなり、その凝集の際液中の不純物アニ
オンおよびカチオンがこの凝集物中に取込まれてしま
い、得られる酸化ジルコニウム粉末の純度が悪くなる。
【0019】本発明では、ジルコニウム塩の水溶液中に
水和酸化ジルコニウムを含有させるので、上記従来方法
における欠点がすべて解消されるものと推定される。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、粒径が均一に制御され、粒子の分散性に優れた
高純度の酸化ジルコニウム粉末を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0022】実施例1 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、塩酸によってpHを6に調製した水を2リットル入
れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全Zr量の
10%を結晶性水和ジルコニアとして含む濃度1.6m
ol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を42
ml/minおよび濃度8.3wt%のアンモニア水を
42ml/minの流量で定流量ポンプで同時に供給を
開始し、オーバーフロー管より反応液を原料溶液換算値
で84ml/minの割合で流出させるオーバーフロー
方式により連続的に中和沈澱生成反応を2.6時間行な
った。反応槽内の液は、pH6に維持された。オーバー
フロー流出液中の沈澱物を分離し、水洗することにより
不純物を除去した。反応操作開始直後、反応操作終了直
前および反応操作時間中の等間隔時点の3点計5点の沈
澱物のサンプルを各々110℃で24時間乾燥した後、
800℃で1時間焼成して、遠心沈降式粒度分布測定装
置による平均粒径0.53〜0.64μm、粒径範囲
0.10〜1.00μmの範囲のもの90〜94%およ
び粒度分布幅いずれも0.10〜2.00μm、比表面
積いずれも21m/gならびに純度いずれも99.9
wt%以上の酸化ジルコニウム粉末が得られた。
【0023】実施例2 反応槽内に塩酸によってpH6に調製した水を2リット
ル入れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全Zr
量の10%を結晶性水和ジルコニアとして含む濃度1.
6mol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を
42ml/minおよび濃度8.3wt%のアンモニア
水を42ml/minの流量で定流量ポンプで同時に供
給を開始し、回分式反応方式により中和沈澱生成反応を
0.6時間行なった。反応槽内の液は、pHが6に維持
された。生成した沈澱物を分離し、水洗することにより
不純物を除去した。反応操作開始直後、反応操作終了直
前および反応操作時間中の等間隔時点の3点計5点の反
応槽内の沈澱物サンプルを各々110℃で24時間乾燥
した後、700℃で1時間焼成して、遠心沈降式粒度分
布測定装置による平均粒径0.42〜0.60μm、粒
径範囲0.10〜1.00μmの範囲のもの92〜95
%および粒度分布幅いずれも0.10〜2.00μm、
比表面積いずれも27m/gならびに純度いずれも9
9.9wt%以上の酸化ジルコニウム粉末が得られた。
【0024】実施例3 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、塩酸によってpH6に調製した水を2リットル入
れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全Zr量の
90%を結晶性水和ジルコニアとして含む濃度2.4m
ol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を56
ml/minおよび濃度8.8mol/リットルのNa
OH水溶液を28ml/minの流量で定流量ポンプで
同時に供給を開始し、オーバーフロー管より反応液を原
料溶液換算値で84ml/minの割合で流出させるオ
ーバーフロー方式により連続的に中和沈澱生成反応を
1.6時間行なった。反応槽内の液は、pHが6に維持
された。オーバーフロー流出液中の沈澱物を分離し、水
洗することにより不純物を除去した。反応操作開始直
後、反応操作終了直前および反応操作時間中の等間隔時
点の3点計5点の沈澱物のサンプルを各々110℃で2
4時間乾燥した後、850℃で1時間焼成して、遠心沈
降式粒度分布測定装置による平均粒径0.30〜0.4
2μm、粒径範囲0.10〜1.00μmの範囲のもの
94〜98%および粒度分布幅いずれも0.10〜2.
00μm、比表面積いずれも32m/gならびに純度
いずれも99.9wt%以上の酸化ジルコニウムが得ら
れた。
【0025】実施例4 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、塩酸によってpH6に調製した水を2リットル入
れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、濃度0.8
mol/リットルの加水分解反応率が96%の結晶性水
和ジルコニアゾルを42ml/minおよび濃度1.5
mol/リットルのNaOH水溶液を42ml/min
の流量で定流量ポンプで同時に供給を開始し、オーバー
フロー管より反応液を原料溶液換算値で84ml/mi
nの割合で流出させるオーバーフロー方式により連続的
に中和沈澱生成反応を2.6時間行なった。反応槽内の
液は、pHが6に維持された。オーバーフロー流出液中
の沈澱物を分離し、水洗することにより不純物を除去し
た。反応操作開始直後、反応操作終了直前および反応操
作時間中の等間隔時点の3点計5点の沈澱物のサンプル
を各々110℃で24時間乾燥した後、850℃で1時
間焼成して、遠心沈降式粒度分布測定装置による平均粒
径0.60〜0.92μm、粒径範囲0.10〜1.0
0μmの範囲のもの80〜84%および粒度分布幅いず
れも0.10〜2.00μm、比表面積いずれも25m
/gならびに純度いずれも99.9wt%以上の酸化
ジルコニウム粉末が得られた。
【0026】実施例5 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、アンモニア水によってpH10に調製した水を2リ
ットル入れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全
Zr量の1%を非結晶性水和ジルコニアとして含む濃度
0.8mol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶
液を42ml/minおよび濃度4.7wt%のアンモ
ニア水を42ml/minの流量で定流量ポンプで同時
に供給を開始し、オーバーフロー管より反応液を原料溶
液換算値で84ml/minの割合で流出させるオーバ
ーフロー方式により連続的に中和沈澱生成反応を4.6
時間行なった。反応槽内の液は、pHが10に維持され
た。オーバーフロー流出液中の沈澱物を分離し、水洗す
ることにより不純物を除去した。反応操作開始直後、反
応操作終了直前および反応操作時間中の等間隔時点の3
点計5点の沈澱物のサンプルを各々110℃で24時間
乾燥した後、900℃で1時間焼成して、遠心沈降式粒
度分布測定装置による平均粒径1.01〜1.24μ
m、粒径範囲0.10〜2.00μmの範囲のもの88
〜91%および粒度分布幅いずれも0.10〜3.00
μm、比表面積いずれも15m/gならびに純度いず
れも99.9wt%以上の酸化ジルコニウム粉末が得ら
れた。
【0027】実施例6 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、塩酸によってpH3に調製した水を2リットル入
れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全Zr量の
10%を水酸化ジルコニウムとして含む濃度1.6mo
l/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を42m
l/minおよび濃度6.8wt%のアンモニア水を4
2ml/minの流量で定流量ポンプで同時に供給を開
始し、オーバーフロー管より反応液を原料溶液換算値で
84ml/minの割合で流出させるオーバーフロー方
式により連続的に中和沈澱生成反応を2.6時間行なっ
た。反応槽内の液は、pHが3に維持された。オーバー
フロー流出液中の沈澱物を分離し、水洗することにより
不純物を除去した。反応操作開始直後、反応操作終了直
前および反応操作時間中の等間隔時点の3点計5点の沈
澱物のサンプルを各々110℃で24時間乾燥した後、
900℃で1時間焼成して、遠心沈降式粒度分布測定装
置による平均粒径1.12〜1.47μm、粒径範囲
0.10〜2.00μmの範囲のもの87〜92%およ
び粒度分布幅いずれも0.10〜3.00μm、比表面
積いずれも17m/gならびに純度いずれも99.9
wt%以上の酸化ジルコニウム粉末が得られた。
【0028】実施例7 反応槽内に、塩酸によってpH3に調製した水を2リッ
トル入れ、攪拌した。この水攪拌下の反応槽内に、全Z
r量の1%を非結晶性水和ジルコニアとして含む濃度
1.6mol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶
液を42ml/minおよび濃度7.4wt%のアンモ
ニア水を42ml/minの流量で定流量ポンプで同時
に供給を開始し、回分式反応方式により中和沈澱生成反
応を0.6時間行なった。反応槽内の液は、pHが3に
維持された。生成した沈澱物を分離し、水洗することに
より不純物を除去した。反応操作開始直後、反応操作終
了直前および反応操作時間中の等間隔時点の3点計5点
の反応槽内の沈澱物サンプルを各々110℃で24時間
乾燥した後、900℃で1時間焼成して、遠心沈降式粒
度分布測定装置による平均粒径1.09〜1.28μ
m、粒径範囲0.10〜2.00μmの範囲のもの79
〜81%および粒度分布幅いずれも0.10〜3.00
μm、比表面積いずれも16m/gならびに純度いず
れも99.9wt%以上の酸化ジルコニウム粉末が得ら
れた。
【0029】比較例1 反応槽内に、濃度1.6mol/リットルのオキシ塩化
ジルコニウム水溶液を2.5リットル入れ、これに攪拌
しつつ濃度8.3wt%のアンモニア水を2.5リット
ル加えて沈澱物濃度ZrO換算100g/リットル、
pH6の懸濁液を得た。生成した沈澱物を分離し、水洗
することにより不純物を除去した。これを110℃で2
4時間乾燥した後、850℃で1時間焼成することによ
り、遠心沈降式粒度分布測定装置による平均粒径5.0
6μm、粒径範囲4.00〜6.00μmの範囲のもの
38%および粒度分布幅1.00〜25.0μm、比表
面積9m/gならびに純度98.6wt%の酸化ジル
コニウム微粉末が得られた。
【0030】比較例2 反応槽内に、塩酸でpH6に調整した水1リットルを入
れ、攪拌した。この攪拌下の反応槽内に、濃度1.6m
ol/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を42
ml/minおよび濃度8.3wt%のアンモニア水を
42ml/minの流量で定流量ポンプで同時に供給を
開始し、0.8時間回分式反応方式により中和沈澱生成
反応を行った。反応槽内の液のpHは6に維持され、反
応終了時の沈澱物濃度はZrO換算80g/リットル
であった。生成した沈澱物を分離し、水洗することによ
り不純物を除去した。これを110℃で24時間乾燥し
た後、850℃で1時間焼成することにより、遠心沈降
式粒度分布測定装置による平均粒径4.65μmおよび
粒径範囲4.00〜6.00μmの範囲のもの46%お
よび粒度分布幅1.00〜21.0μm、比表面積11
/gならびに純度98.9wt%の酸化ジルコニウ
ム微粉末が得られた。
【0031】比較例3 オーバーフロー流出管までの容積5リットルの反応槽内
に、塩酸でpH6に調整した水2リットルを入れ、攪拌
した。この攪拌下の反応槽内に、濃度1.6mol/リ
ットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を42ml/m
inおよび濃度8.3wt%のアンモニア水を42ml
/minの流量で定流量ポンプで同時に供給を開始し、
オーバーフロー管より反応液を原料溶液換算値で84m
l/minの割合で流出させるオーバーフロー方式によ
り4.6時間連続的に中和沈澱生成反応を行った。反応
槽内の液のpHは6に維持され、反応終了時の沈澱物濃
度はZrO換算97.5g/リットルであった。オー
バーフロー流出液中の沈澱物を分離し、水洗することに
より不純物を除去した。これを110℃で24時間乾燥
した後、850℃で1時間焼成することにより、遠心沈
降式粒度分布測定装置による平均粒径4.08μmおよ
び粒径範囲3.00〜5.00μmの範囲のもの65%
および粒度分布幅1.00〜18.0μm、比表面積1
2m/gならびに純度99.0wt%の酸化ジルコニ
ウム微粉末が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応系内のpHを一定の値に維持しつつ、
    該反応系に水和酸化ジルコニウムを含むジルコニウム塩
    の水溶液とアルカリ溶液とを供給して接触させ、えられ
    た沈澱物を分離し、乾燥し、焼成することを特徴とす
    る、酸化ジルコニウム粉末の製造方法。
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