JP3106053B2 - 水硬性不定形耐火組成物 - Google Patents
水硬性不定形耐火組成物Info
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- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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- C04B2111/00474—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水硬性アルミナセメン
トを含む硬化時間の温度依存性の少ない水硬性不定形耐
火組成物、特にキャスタブル耐火物に関する。
トを含む硬化時間の温度依存性の少ない水硬性不定形耐
火組成物、特にキャスタブル耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナセメントを結合剤とする不定形
耐火物の代表的なものに、キャスタブル耐火物がある。
キャスタブル耐火物は一般窯炉関係に広く利用されてお
り、最近の不定形化の動きに伴い、その使用量及び適用
場所も広範囲になってきている。
耐火物の代表的なものに、キャスタブル耐火物がある。
キャスタブル耐火物は一般窯炉関係に広く利用されてお
り、最近の不定形化の動きに伴い、その使用量及び適用
場所も広範囲になってきている。
【0003】例えば、特公昭60−9983号公報には、各種
骨材100重量部にアルミナセメント3〜10重量部、
カルシウムイオンまたはアルミニウムイオンに対して錯
体形成能を有する酸性化合物0.01〜1重量部、分散
剤0.01〜1重量部、粒子径10μm以下が50%以
上を有し、かつ比表面積が10m2/g以上の耐火微粉
末0.1〜10重量部からなる水硬性耐火組成物が開示
されている。この発明は、錯体形成能を有する酸性化合
物及び分散剤の適量を添加することにより、アルミナセ
メント及び不活性耐火微粉末の分散を促し、流動性を確
保しつつ、絶対水分量を減少して耐火性、耐食性の向上
を図ったもので、錯体形成能を有する酸性化合物の添加
で、アルミナセメントから溶解するカルシウムやアルミ
ニウムイオンを錯体として封鎖し、分散状態を維持する
ことを特徴とする技術である(可使時間と温度との関係
を図で示している)。
骨材100重量部にアルミナセメント3〜10重量部、
カルシウムイオンまたはアルミニウムイオンに対して錯
体形成能を有する酸性化合物0.01〜1重量部、分散
剤0.01〜1重量部、粒子径10μm以下が50%以
上を有し、かつ比表面積が10m2/g以上の耐火微粉
末0.1〜10重量部からなる水硬性耐火組成物が開示
されている。この発明は、錯体形成能を有する酸性化合
物及び分散剤の適量を添加することにより、アルミナセ
メント及び不活性耐火微粉末の分散を促し、流動性を確
保しつつ、絶対水分量を減少して耐火性、耐食性の向上
を図ったもので、錯体形成能を有する酸性化合物の添加
で、アルミナセメントから溶解するカルシウムやアルミ
ニウムイオンを錯体として封鎖し、分散状態を維持する
ことを特徴とする技術である(可使時間と温度との関係
を図で示している)。
【0004】また、特開昭61−158872号公報には、10
0〜1μmのアルミナセメント及び/またはマグネシア
1〜8重量%、粒子径5〜0.01μmでpH3.5〜
8.5のシリカ超微粉1〜10重量%、残部粒度調整さ
れた耐火性粉末と、解膠剤を外掛で0.01〜0.3重量
%加えてなるキャスタブル耐火物が開示されている。特
に、シリカ超微粉のpHを特定することにより、可使時
間の確保と硬化時間短縮を図る技術である(雰囲気温度
と可使時間、硬化時間の値が示されているが、同一材料
の硬化依存性については何も考慮されていない)。
0〜1μmのアルミナセメント及び/またはマグネシア
1〜8重量%、粒子径5〜0.01μmでpH3.5〜
8.5のシリカ超微粉1〜10重量%、残部粒度調整さ
れた耐火性粉末と、解膠剤を外掛で0.01〜0.3重量
%加えてなるキャスタブル耐火物が開示されている。特
に、シリカ超微粉のpHを特定することにより、可使時
間の確保と硬化時間短縮を図る技術である(雰囲気温度
と可使時間、硬化時間の値が示されているが、同一材料
の硬化依存性については何も考慮されていない)。
【0005】更に、特公昭62−51912号公報には、耐火
骨材84〜97重量%、粒子径10μm以下の耐火性超
微粉2〜8重量%、1種以上のアルミナセメント1〜8
重量%、pH7未満の解膠剤が外掛で0.01〜0.5重
量%、アルミナセメントの硬化遅延剤が外掛0.005
〜0.1重量%、アルミナセメントの硬化促進剤が外掛
0.005〜0.1重量%よりなる低気温作業用耐火コン
クリート組成物が開示されている。異常凝集に起因する
可使時間、硬化時間の変動による施工及び冬季の硬化不
良を調整剤を用いて解決する技術である。
骨材84〜97重量%、粒子径10μm以下の耐火性超
微粉2〜8重量%、1種以上のアルミナセメント1〜8
重量%、pH7未満の解膠剤が外掛で0.01〜0.5重
量%、アルミナセメントの硬化遅延剤が外掛0.005
〜0.1重量%、アルミナセメントの硬化促進剤が外掛
0.005〜0.1重量%よりなる低気温作業用耐火コン
クリート組成物が開示されている。異常凝集に起因する
可使時間、硬化時間の変動による施工及び冬季の硬化不
良を調整剤を用いて解決する技術である。
【0006】また、耐火物(1988)40、206〜2
10頁には、低セメントキャスタブルの流動性、硬化機
構について、また、アルミナセメントの水和反応につい
て詳細に解説されている。この文献には幾つかの低セメ
ントキャスタブルの問題点が挙げられており、施工雰囲
気(夏場、冬場)により、可使時間、硬化時間及び常温強
度が影響され易い旨の問題が指摘されている。
10頁には、低セメントキャスタブルの流動性、硬化機
構について、また、アルミナセメントの水和反応につい
て詳細に解説されている。この文献には幾つかの低セメ
ントキャスタブルの問題点が挙げられており、施工雰囲
気(夏場、冬場)により、可使時間、硬化時間及び常温強
度が影響され易い旨の問題が指摘されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アルミナセメントを結
合剤とする水硬性不定形耐火組成物は、水と混合された
後、微粉が分散状態となり流動性を示す。その後結合剤
として使用しているアルミナセメントからのカルシウム
イオンの溶出、これに伴う超微粉原料の凝集並びにアル
ミナセメント自身の水和結晶物の生成が同時進行するこ
とにより、硬化反応が進んで行く。また、アルミナセメ
ントは、分散剤や超微粉の種類、添加量により、カルシ
ウムイオンの溶出、水和物生成の機能が左右され易く、
施工雰囲気温度(夏場、冬場)により可使時間、硬化時間
が影響され易い。
合剤とする水硬性不定形耐火組成物は、水と混合された
後、微粉が分散状態となり流動性を示す。その後結合剤
として使用しているアルミナセメントからのカルシウム
イオンの溶出、これに伴う超微粉原料の凝集並びにアル
ミナセメント自身の水和結晶物の生成が同時進行するこ
とにより、硬化反応が進んで行く。また、アルミナセメ
ントは、分散剤や超微粉の種類、添加量により、カルシ
ウムイオンの溶出、水和物生成の機能が左右され易く、
施工雰囲気温度(夏場、冬場)により可使時間、硬化時間
が影響され易い。
【0008】従って、アルミナセメントを結合剤とする
水硬性不定形耐火組成物は、その硬化反応において、養
生温度の影響を大きく受けるため、水硬性不定形耐火組
成物が使用される季節や場所等の温度条件によって、綿
密な硬化調整を必要とする。しかも、特に季節の変わり
目等において、製造時と施工時の間の僅かな温度変化
で、硬化が早過ぎてミキサー内で固まってしまったり、
あるいは硬化が遅過ぎて翌日に型枠を外す(脱枠する)と
部分的に流れだしたりするというトラブルが発生するこ
とがある。
水硬性不定形耐火組成物は、その硬化反応において、養
生温度の影響を大きく受けるため、水硬性不定形耐火組
成物が使用される季節や場所等の温度条件によって、綿
密な硬化調整を必要とする。しかも、特に季節の変わり
目等において、製造時と施工時の間の僅かな温度変化
で、硬化が早過ぎてミキサー内で固まってしまったり、
あるいは硬化が遅過ぎて翌日に型枠を外す(脱枠する)と
部分的に流れだしたりするというトラブルが発生するこ
とがある。
【0009】そこで、常に安定した施工を行うために、
養生時の温度変化に対して硬化時間が余り大きく変化し
ない水硬性不定形耐火組成物の開発が重要である。水硬
性不定形耐火組成物の硬化反応は、アルミナセメントか
らのカルシウムイオンの溶出による超微粉原料の凝集及
びアルミナセメント自身の水和結晶物の生成によるもの
であり、このアルミナセメントの特性並びに超微粉原
料、分散剤を詳細に研究することにより、養生温度に大
きな変化があっても、可使時間、硬化時間が実用上問題
ない程度の範囲であるような、硬化時間の温度依存性の
少ない水硬性不定形耐火組成物を提供することにある。
養生時の温度変化に対して硬化時間が余り大きく変化し
ない水硬性不定形耐火組成物の開発が重要である。水硬
性不定形耐火組成物の硬化反応は、アルミナセメントか
らのカルシウムイオンの溶出による超微粉原料の凝集及
びアルミナセメント自身の水和結晶物の生成によるもの
であり、このアルミナセメントの特性並びに超微粉原
料、分散剤を詳細に研究することにより、養生温度に大
きな変化があっても、可使時間、硬化時間が実用上問題
ない程度の範囲であるような、硬化時間の温度依存性の
少ない水硬性不定形耐火組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の水硬性不
定形耐火組成物は、粒度調整を施した耐火性骨材に、結
合剤として12CaO・7Al 2 O 3 (以下、C 12 A 7 と
記載する)と、CaO・Al 2 O 3 、CaO・2Al
2 O 3 、2CaO・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3CaO・Al 2
O 3 及びα−Al 2 O 3 からなる群から選択される1種ま
たは2種以上の鉱物組成を有し、且つC 12 A 7 を1〜2
0重量%含有するアルミナセメントを0.5〜15重量
%、アルミナセメントと同等以下の粒度を有するシリカ
フラワー及び/または粘土を1〜30重量%及び分散剤
を0.005〜2重量%添加、配合してなることを特徴
とする。
定形耐火組成物は、粒度調整を施した耐火性骨材に、結
合剤として12CaO・7Al 2 O 3 (以下、C 12 A 7 と
記載する)と、CaO・Al 2 O 3 、CaO・2Al
2 O 3 、2CaO・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3CaO・Al 2
O 3 及びα−Al 2 O 3 からなる群から選択される1種ま
たは2種以上の鉱物組成を有し、且つC 12 A 7 を1〜2
0重量%含有するアルミナセメントを0.5〜15重量
%、アルミナセメントと同等以下の粒度を有するシリカ
フラワー及び/または粘土を1〜30重量%及び分散剤
を0.005〜2重量%添加、配合してなることを特徴
とする。
【0011】
【作用】以下、本発明を更に詳細に説明する。水硬性不
定形耐火組成物の結合剤として使用されるアルミナセメ
ントは、いろいろなタイプのものが市販されており、化
学成分等に応じてJIS R2511で分類されている。しか
し、例えば耐火物(1977)29,369頁にも示され
ているが、JISで同じ部類に分類されているものでも、
その鉱物組成の例としてCaO・Al2O3(以下、CA
と記載する)、C12A7、CaO・2Al2O3(以下、C
A2と記載する)も記載されているが、水硬性不定形耐火
組成物の硬化時間の温度依存性に与える影響に関しては
全く考慮されているものではなかった。
定形耐火組成物の結合剤として使用されるアルミナセメ
ントは、いろいろなタイプのものが市販されており、化
学成分等に応じてJIS R2511で分類されている。しか
し、例えば耐火物(1977)29,369頁にも示され
ているが、JISで同じ部類に分類されているものでも、
その鉱物組成の例としてCaO・Al2O3(以下、CA
と記載する)、C12A7、CaO・2Al2O3(以下、C
A2と記載する)も記載されているが、水硬性不定形耐火
組成物の硬化時間の温度依存性に与える影響に関しては
全く考慮されているものではなかった。
【0012】本発明者らは、このアルミナセメントの鉱
物組成の違いに注目し、水硬性不定形耐火組成物の養生
温度別硬化時間を、いろいろな鉱物組成をもつセメント
を使用した水硬性不定形耐火組成物について検討を重ね
た結果、アルミナセメントの組成鉱物中にC12A7を含
むアルミナセメントを使用し、超微粉原料とその分散剤
を使用した水硬性不定形耐火組成物は、養生温度変化に
対して硬化時間の変化が少ない、すなわち硬化の温度依
存性が小さくなることがわかった。
物組成の違いに注目し、水硬性不定形耐火組成物の養生
温度別硬化時間を、いろいろな鉱物組成をもつセメント
を使用した水硬性不定形耐火組成物について検討を重ね
た結果、アルミナセメントの組成鉱物中にC12A7を含
むアルミナセメントを使用し、超微粉原料とその分散剤
を使用した水硬性不定形耐火組成物は、養生温度変化に
対して硬化時間の変化が少ない、すなわち硬化の温度依
存性が小さくなることがわかった。
【0013】粒度調整を施した耐火性骨材とは、珪砂、
珪石、溶融石英などの珪酸質原料、ロー石、陶石、粘
土、シャモットなどのシリカ−アルミナ質原料、バン土
頁岩、シリマナイト、カイヤナイト、アンダルサイト、
ボーキサイト、ムライトなどのアルミナ−シリカ質原
料、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナなどの
高アルミナ質原料、クロム鉄鉱、焼結スピネル、電融ス
ピネル、マグクロなどのスピネル質原料、マグネシアク
リンカー、フォルステライト、ドロマイトクリンカー、
カルシアなどの塩基性原料、ジルコニア質原料、ジルコ
ン質原料、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化アルミニ
ウム、炭化硼素などの炭化物質原料、窒化珪素、窒化ジ
ルコニウム、窒化硼素、窒化アルミニウムなどの窒化物
質原料、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛、無煙炭、カー
ボンブラック、カーボンれんが屑、電極屑などの炭素質
原料の他、珪酸ソーダ塊、珪素、酸化クロムなどであ
り、これらの原料を1種または2種以上組み合わせて使
用することができる。
珪石、溶融石英などの珪酸質原料、ロー石、陶石、粘
土、シャモットなどのシリカ−アルミナ質原料、バン土
頁岩、シリマナイト、カイヤナイト、アンダルサイト、
ボーキサイト、ムライトなどのアルミナ−シリカ質原
料、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナなどの
高アルミナ質原料、クロム鉄鉱、焼結スピネル、電融ス
ピネル、マグクロなどのスピネル質原料、マグネシアク
リンカー、フォルステライト、ドロマイトクリンカー、
カルシアなどの塩基性原料、ジルコニア質原料、ジルコ
ン質原料、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化アルミニ
ウム、炭化硼素などの炭化物質原料、窒化珪素、窒化ジ
ルコニウム、窒化硼素、窒化アルミニウムなどの窒化物
質原料、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛、無煙炭、カー
ボンブラック、カーボンれんが屑、電極屑などの炭素質
原料の他、珪酸ソーダ塊、珪素、酸化クロムなどであ
り、これらの原料を1種または2種以上組み合わせて使
用することができる。
【0014】また、これらの骨材の粒度は、例えば粗粒
として1mm以上を15〜70重量%、好ましくは20
〜65重量%、中粒として1〜0.3mmを5〜30重
量%、好ましくは10〜25重量%、微粉として0.3
mm以下を5〜40重量%、好ましくは10〜35重量
%程度となるように組み合わせて粒度調整して使用する
のが良い。
として1mm以上を15〜70重量%、好ましくは20
〜65重量%、中粒として1〜0.3mmを5〜30重
量%、好ましくは10〜25重量%、微粉として0.3
mm以下を5〜40重量%、好ましくは10〜35重量
%程度となるように組み合わせて粒度調整して使用する
のが良い。
【0015】アルミナセメントは上述のように実に多種
のものが市販されている。JIS R2511には、耐火物用ア
ルミナセメントの規定があり、その規定内容は、粉末
度、凝結時間、安定性、強度、化学成分であり、鉱物組
成については特に規定されていない。国内、国外の各セ
メントメーカーにおいて製造されるアルミナセメント
は、上記規定内容において、同一に分類されるもので
も、その鉱物組成の組み合わせは様々である。
のものが市販されている。JIS R2511には、耐火物用ア
ルミナセメントの規定があり、その規定内容は、粉末
度、凝結時間、安定性、強度、化学成分であり、鉱物組
成については特に規定されていない。国内、国外の各セ
メントメーカーにおいて製造されるアルミナセメント
は、上記規定内容において、同一に分類されるもので
も、その鉱物組成の組み合わせは様々である。
【0016】現在市販されているアルミナセメント中の
鉱物組成は、CAが主体であり、その他に含まれている
鉱物として、CA2、C12A7、α−Al2O3、2CaO
・Al2O3・SiO2(C2AS)、3CaO・5Al2O3
(C3A5)等が挙げられる。このアルミナセメントの鉱物
組成の違いに注目して、水硬性不定形耐火組成物の硬化
時間に関する種々の検討を行った結果、アルミナセメン
トを結合剤とする水硬性不定形耐火組成物の硬化時間に
及ぼす養生温度の影響がアルミナセメントの種類、すな
わち、鉱物組成の組み合わせの違いにより大幅に異なる
ことが判明した。特に、鉱物組成としてC12A7を有す
るアルミナセメントを使用した場合、養生温度による硬
化時間の変化は小さくなるが、逆に、C12A7を含まな
いセメントを使用した場合、養生温度による硬化時間の
変化が大きく、特に低温下では一日経過後でも硬化しな
い場合があることが判明した。
鉱物組成は、CAが主体であり、その他に含まれている
鉱物として、CA2、C12A7、α−Al2O3、2CaO
・Al2O3・SiO2(C2AS)、3CaO・5Al2O3
(C3A5)等が挙げられる。このアルミナセメントの鉱物
組成の違いに注目して、水硬性不定形耐火組成物の硬化
時間に関する種々の検討を行った結果、アルミナセメン
トを結合剤とする水硬性不定形耐火組成物の硬化時間に
及ぼす養生温度の影響がアルミナセメントの種類、すな
わち、鉱物組成の組み合わせの違いにより大幅に異なる
ことが判明した。特に、鉱物組成としてC12A7を有す
るアルミナセメントを使用した場合、養生温度による硬
化時間の変化は小さくなるが、逆に、C12A7を含まな
いセメントを使用した場合、養生温度による硬化時間の
変化が大きく、特に低温下では一日経過後でも硬化しな
い場合があることが判明した。
【0017】この点に着目して、結合剤としてC12A7
と、CaO・Al 2 O 3 、CaO・2Al 2 O 3 、2CaO
・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3CaO・Al 2 O 3 及びα−A
l 2 O 3 からなる群から選択される1種または2種以上の
鉱物組成を有するアルミナセメントを用いることによ
り、硬化時間の温度依存性の少ない水硬性不定形耐火組
成物を造ることが可能となった。
と、CaO・Al 2 O 3 、CaO・2Al 2 O 3 、2CaO
・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3CaO・Al 2 O 3 及びα−A
l 2 O 3 からなる群から選択される1種または2種以上の
鉱物組成を有するアルミナセメントを用いることによ
り、硬化時間の温度依存性の少ない水硬性不定形耐火組
成物を造ることが可能となった。
【0018】アルミナセメントを結合剤とする水硬性不
定形耐火組成物における硬化は、前述したように超微粉
の凝集とセメント自身の水和反応によるものである。水
を添加すると、超微粉は分散剤によって分散状態とな
り、例えば水硬性不定形耐火組成物の流動性を著しく高
める等、施工性を改善すると共に、少ない水分量で流動
性が得られるので緻密な施工体が得られる。一方、アル
ミナセメントからカルシウムイオンやアルミニウムイオ
ンの溶出が始まり、超微粉原料の電気二重層の厚さ、あ
るいはζ電位に影響を及ぼし、分散−凝集状態に変化を
与える。
定形耐火組成物における硬化は、前述したように超微粉
の凝集とセメント自身の水和反応によるものである。水
を添加すると、超微粉は分散剤によって分散状態とな
り、例えば水硬性不定形耐火組成物の流動性を著しく高
める等、施工性を改善すると共に、少ない水分量で流動
性が得られるので緻密な施工体が得られる。一方、アル
ミナセメントからカルシウムイオンやアルミニウムイオ
ンの溶出が始まり、超微粉原料の電気二重層の厚さ、あ
るいはζ電位に影響を及ぼし、分散−凝集状態に変化を
与える。
【0019】この場合、アルミナセメントから溶出する
カルシウムイオンやアルミニウムイオンが影響を与える
超微粉原料の粒子の大きさは、セメント粒子の大きさと
同等がそれ以下であり、適当な分散剤により一定時間の
分散状態を保つことができ、やがて凝集状態へと変化
し、最終的には硬化反応により固化する。
カルシウムイオンやアルミニウムイオンが影響を与える
超微粉原料の粒子の大きさは、セメント粒子の大きさと
同等がそれ以下であり、適当な分散剤により一定時間の
分散状態を保つことができ、やがて凝集状態へと変化
し、最終的には硬化反応により固化する。
【0020】超微粉が凝集すると、流動性がなくなり、
施工体自身を保持できる程度の固さを有するようになる
ので、施工枠を外すことが可能となる。この時、アルミ
ナセメントの各鉱物、例えば主鉱物であるCAもカルシ
ウムイオンを溶出し、アルミナセメント粒子自身と超微
粉とを凝集させるが、CAからのカルシウムイオンの溶
出速度は温度に大きく影響されるため、低温では超微粉
の凝集が起こり始めるのに長時間を要する。
施工体自身を保持できる程度の固さを有するようになる
ので、施工枠を外すことが可能となる。この時、アルミ
ナセメントの各鉱物、例えば主鉱物であるCAもカルシ
ウムイオンを溶出し、アルミナセメント粒子自身と超微
粉とを凝集させるが、CAからのカルシウムイオンの溶
出速度は温度に大きく影響されるため、低温では超微粉
の凝集が起こり始めるのに長時間を要する。
【0021】アルミナセメント自身の水和反応による硬
化は、その主成分であるCAの水和反応が中心であり、
このCAの水和反応もまた養生温度の影響を大きく受け
る。C12A7はもともとかなり強い凝集作用を示すの
で、温度変化による超微粉に対する凝集作用が余り変わ
らない。従って、低温下でも超微粉を凝集し易くする作
用があるため、CAを主体としてC12A7を含まないア
ルミナセメントと比べると、広い温度域で同程度の時間
で超微粉凝集作用が認められる。また、C12A7にはア
ルミナセメントの水和反応の促進作用があり、特に低温
においてCAの水和反応が遅くなる場合に、硬化促進作
用が働き、結果として硬化時間の温度依存性が小さくな
る。
化は、その主成分であるCAの水和反応が中心であり、
このCAの水和反応もまた養生温度の影響を大きく受け
る。C12A7はもともとかなり強い凝集作用を示すの
で、温度変化による超微粉に対する凝集作用が余り変わ
らない。従って、低温下でも超微粉を凝集し易くする作
用があるため、CAを主体としてC12A7を含まないア
ルミナセメントと比べると、広い温度域で同程度の時間
で超微粉凝集作用が認められる。また、C12A7にはア
ルミナセメントの水和反応の促進作用があり、特に低温
においてCAの水和反応が遅くなる場合に、硬化促進作
用が働き、結果として硬化時間の温度依存性が小さくな
る。
【0022】ただし、C12A7は強い凝集作用をもつた
め、C12A7を含むアルミナセメントを用いる水硬性不
定形耐火組成物では、必ず分散剤及び超微粉原料と組み
合わせて使用する必要がある。特に、シリカフラワー等
の超微粉原料では、その表面状態により適度な分散作用
を示す。
め、C12A7を含むアルミナセメントを用いる水硬性不
定形耐火組成物では、必ず分散剤及び超微粉原料と組み
合わせて使用する必要がある。特に、シリカフラワー等
の超微粉原料では、その表面状態により適度な分散作用
を示す。
【0023】C12A7を含むアルミナセメントは、88
μm以下が97重量%以上となるように粒度調整された
ものを使用するのが望ましい。このアルミナセメントの
添加量が0.5重量%より少ないと、超微粉を凝集する
のに必要なカルシウムイオンの溶出が不足したり、アル
ミナセメント自身の水和物生成による強度発現が十分で
ない。また、15重量%よりも多くなると、凝集が早す
ぎたり、高温焼成による過焼結及び耐食性の低下が激し
くなる。従って、アルミナセメントの添加量としては
0.5〜15重量%、好ましくは1〜13重量%が良
い。
μm以下が97重量%以上となるように粒度調整された
ものを使用するのが望ましい。このアルミナセメントの
添加量が0.5重量%より少ないと、超微粉を凝集する
のに必要なカルシウムイオンの溶出が不足したり、アル
ミナセメント自身の水和物生成による強度発現が十分で
ない。また、15重量%よりも多くなると、凝集が早す
ぎたり、高温焼成による過焼結及び耐食性の低下が激し
くなる。従って、アルミナセメントの添加量としては
0.5〜15重量%、好ましくは1〜13重量%が良
い。
【0024】また、アルミナセメント中のC12A7の含
有量が1重量%未満であると、硬化時間の温度依存性を
抑制する効果が少ないために好ましくなく、逆に、C12
A7の含有量が20重量%より多くなると、分散剤によ
る超微粉の分散作用の限界を超えて、水硬性不定形耐火
組成物の施工時に異常凝集が始まる等、可使時間を短縮
してしまい、施工トラブルを引き起こすことがあるため
に好ましくない。このため、アルミナセメント中のC12
A7の量としては、1〜20重量%程度が好ましい。更
に安定した施工性、硬化性を得るには、C12A7の含有
量は2〜15重量%程度が更に好ましい。
有量が1重量%未満であると、硬化時間の温度依存性を
抑制する効果が少ないために好ましくなく、逆に、C12
A7の含有量が20重量%より多くなると、分散剤によ
る超微粉の分散作用の限界を超えて、水硬性不定形耐火
組成物の施工時に異常凝集が始まる等、可使時間を短縮
してしまい、施工トラブルを引き起こすことがあるため
に好ましくない。このため、アルミナセメント中のC12
A7の量としては、1〜20重量%程度が好ましい。更
に安定した施工性、硬化性を得るには、C12A7の含有
量は2〜15重量%程度が更に好ましい。
【0025】超微粉原料としては、分散性及びC12A7
からのカルシウムイオン溶出による凝集挙動の両面で、
シリカフラワー及び/または粘土を使用することが好ま
しい。
からのカルシウムイオン溶出による凝集挙動の両面で、
シリカフラワー及び/または粘土を使用することが好ま
しい。
【0026】超微粉原料の添加量が1重量%未満では超
微粉原料とアルミナセメントが骨材中に均一に分散でき
ず、また、30重量%を超えると微粉過剰となって高温
下で過焼結に伴う収縮を生じる等の点で好ましくない。
超微粉原料の添加量としては、更に好ましくは2〜25
重量%である。
微粉原料とアルミナセメントが骨材中に均一に分散でき
ず、また、30重量%を超えると微粉過剰となって高温
下で過焼結に伴う収縮を生じる等の点で好ましくない。
超微粉原料の添加量としては、更に好ましくは2〜25
重量%である。
【0027】分散剤はアルミナセメント及び超微粉原料
を分散させるために使用するもので、アルカリ金属リン
酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩等の無機系分散剤、アルカ
リ金属フミン酸塩、カルボン酸、アルカリ金属カルボン
酸塩、カルボン酸の共重合体、アルキルスルホン酸塩、
芳香族スルホン酸塩等の有機系分散剤の1種以上を使用
する。
を分散させるために使用するもので、アルカリ金属リン
酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩等の無機系分散剤、アルカ
リ金属フミン酸塩、カルボン酸、アルカリ金属カルボン
酸塩、カルボン酸の共重合体、アルキルスルホン酸塩、
芳香族スルホン酸塩等の有機系分散剤の1種以上を使用
する。
【0028】分散剤の添加量が0.005重量%以下で
は良好な分散状態が得られず、また、2重量%を超える
と最適な分散状態から外れ、また、分散剤に含まれるア
ルカリ金属等が増えて、耐火物の性能が低下する恐れが
ある。分散剤の添加量としては、更に好ましくは0.0
1〜1重量%である。
は良好な分散状態が得られず、また、2重量%を超える
と最適な分散状態から外れ、また、分散剤に含まれるア
ルカリ金属等が増えて、耐火物の性能が低下する恐れが
ある。分散剤の添加量としては、更に好ましくは0.0
1〜1重量%である。
【0029】分散剤の種類としては、無機系のリン酸ソ
ーダではヘキサメタリン酸ソーダ、テトラポリリン酸ソ
ーダ、ピロリン酸ソーダ等の縮合リン酸ソーダがアルミ
ナセメントの分散において高性能を示す。また、有機系
の酒石酸、酒石酸ソーダ、クエン酸、クエン酸ソーダ等
のカルボン酸あるいはカルボン酸塩、無水カルボン酸の
重合物は、水硬性不定形耐火組成物の異常凝集を抑制す
る効果がある。また、超微粉原料の分散剤として、有機
系のリグニンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩縮合物、芳香族スルホン酸系縮合物、ビ
スフェノールスルホン酸系縮合物等が効果的である。
ーダではヘキサメタリン酸ソーダ、テトラポリリン酸ソ
ーダ、ピロリン酸ソーダ等の縮合リン酸ソーダがアルミ
ナセメントの分散において高性能を示す。また、有機系
の酒石酸、酒石酸ソーダ、クエン酸、クエン酸ソーダ等
のカルボン酸あるいはカルボン酸塩、無水カルボン酸の
重合物は、水硬性不定形耐火組成物の異常凝集を抑制す
る効果がある。また、超微粉原料の分散剤として、有機
系のリグニンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩縮合物、芳香族スルホン酸系縮合物、ビ
スフェノールスルホン酸系縮合物等が効果的である。
【0030】これらの分散剤の中でも、本発明のC12A
7を含むアルミナセメントと超微粉の組み合わせでは、
リン酸塩や珪酸塩等の無機系分散剤と比べ有機系の分散
剤の使用が、硬化時間の温度依存性を少なくする目的の
ためには好ましい。この分散機構は明確には解明されて
いないが、リン酸塩系分散剤の水に対する溶解性は温度
の影響が大きく、水硬性不定形耐火組成物の混練時にお
ける分散効果に差が生じるものと推定される。また、超
微粉の分散性と凝集性とが不定形耐火物の硬化に大きく
影響を及ぼすため、この点において、有機系の分散剤の
使用は、水硬性不定形耐火組成物混練時における分散効
果の向上及び異常凝集の抑制の作用が得られるので、可
使時間を大きく短縮することもなく、硬化時間の温度依
存性を小さくすることができる。
7を含むアルミナセメントと超微粉の組み合わせでは、
リン酸塩や珪酸塩等の無機系分散剤と比べ有機系の分散
剤の使用が、硬化時間の温度依存性を少なくする目的の
ためには好ましい。この分散機構は明確には解明されて
いないが、リン酸塩系分散剤の水に対する溶解性は温度
の影響が大きく、水硬性不定形耐火組成物の混練時にお
ける分散効果に差が生じるものと推定される。また、超
微粉の分散性と凝集性とが不定形耐火物の硬化に大きく
影響を及ぼすため、この点において、有機系の分散剤の
使用は、水硬性不定形耐火組成物混練時における分散効
果の向上及び異常凝集の抑制の作用が得られるので、可
使時間を大きく短縮することもなく、硬化時間の温度依
存性を小さくすることができる。
【0031】また、本発明の水硬性不定形耐火組成物へ
の水の添加量は良好な施工性を得る目的で適宜調整する
ことができる。なお、本発明の水硬性不定形耐火組成物
において、添加される水の量の差によって品質的に大き
な差はなく、更に、硬化時間の差のついても水の添加量
の影響はないものと思料され、水の添加量は特に限定さ
れるものではない。
の水の添加量は良好な施工性を得る目的で適宜調整する
ことができる。なお、本発明の水硬性不定形耐火組成物
において、添加される水の量の差によって品質的に大き
な差はなく、更に、硬化時間の差のついても水の添加量
の影響はないものと思料され、水の添加量は特に限定さ
れるものではない。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。第1表に、使用した各種セメントの品質特性を
示す。セメントA及びBは本発明品に使用されるC12A
7を含有するセメントである。セメントC及びDはC12
A7を含まないセメントである。いずれもJISに規定
される1種または2種に相当するセメントである。セメ
ントEは過剰にC12A7を含有するものである。
明する。第1表に、使用した各種セメントの品質特性を
示す。セメントA及びBは本発明品に使用されるC12A
7を含有するセメントである。セメントC及びDはC12
A7を含まないセメントである。いずれもJISに規定
される1種または2種に相当するセメントである。セメ
ントEは過剰にC12A7を含有するものである。
【0033】
【表1】
【0034】本発明品を表2に、比較品を表3に示す。
各例とも、表2及び3にそれぞれ示す各種骨材を用い
て、1mm以上の粗粒が40重量%、1〜0.3mmの
中粒が25重量%、0.3mm以下の微粉が20重量%
になるように粒度調整し、水硬性不定形耐火組成物を作
成した。
各例とも、表2及び3にそれぞれ示す各種骨材を用い
て、1mm以上の粗粒が40重量%、1〜0.3mmの
中粒が25重量%、0.3mm以下の微粉が20重量%
になるように粒度調整し、水硬性不定形耐火組成物を作
成した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】それぞれの配合物の流動性が振動を5秒間
与えたときのフロー値で180〜190mmとなるよう
に、所定量の水分を添加して、混練した後、所定の温度
で保持し、10分毎にフロー値を測定し、フロー値が1
60mm未満になるまでの時間を可使時間とした。可使
時間が1時間以上である場合を○、1時間〜30分であ
る場合を△、30分未満である場合を×として評価した
(通常、水硬性不定形耐火組成物は水と混練後30分以
上の可使時間があれば問題なく大量施工が可能であ
る)。
与えたときのフロー値で180〜190mmとなるよう
に、所定量の水分を添加して、混練した後、所定の温度
で保持し、10分毎にフロー値を測定し、フロー値が1
60mm未満になるまでの時間を可使時間とした。可使
時間が1時間以上である場合を○、1時間〜30分であ
る場合を△、30分未満である場合を×として評価した
(通常、水硬性不定形耐火組成物は水と混練後30分以
上の可使時間があれば問題なく大量施工が可能であ
る)。
【0038】なお、上記の「振動を5秒間与えたときの
フロー値」はJIS R2521耐火物用アルミナセメントの物
理試験方法のフロー試験において、フローテーブルの代
わりに振動テーブルを用い、15回の落下運動の代わり
に5秒間の振動を与えて、不定形耐火組成物の広がった
後の径をJISの規定に従って測定したものである。現
場における水硬性不定形耐火組成物の施工では、棒状バ
イブレーターあるいは型枠に取り付けたユーラスモータ
ーによって振動を与えて施工を行う。このため、水硬性
不定形耐火組成物の施工性(流動性)の評価は、この振動
を5秒間与えたときのフロー値で行うのがより現実的な
評価となる。因みに、フロー値の大きさによって施工性
の目安は次のようになる。 振動を5秒間与えたときのフロー値 施工性 160mm未満 いくら振動を与えても施工困難 160〜180mm 十分振動を与えれば施工可能 180〜190mm 少しの振動を与えるだけで施工可能 190mm超 振動を与えなくても施工可能 このフロー値は当然のことながら水の添加量によって変
化する。良好な施工性(流動性)が得られるように、すに
わち、振動を5秒間与えたときのフロー値が180〜1
90mmとなるように所定量の水を水硬性不定形耐火組
成物中に添加してそれぞれの試験サンプルを得た。
フロー値」はJIS R2521耐火物用アルミナセメントの物
理試験方法のフロー試験において、フローテーブルの代
わりに振動テーブルを用い、15回の落下運動の代わり
に5秒間の振動を与えて、不定形耐火組成物の広がった
後の径をJISの規定に従って測定したものである。現
場における水硬性不定形耐火組成物の施工では、棒状バ
イブレーターあるいは型枠に取り付けたユーラスモータ
ーによって振動を与えて施工を行う。このため、水硬性
不定形耐火組成物の施工性(流動性)の評価は、この振動
を5秒間与えたときのフロー値で行うのがより現実的な
評価となる。因みに、フロー値の大きさによって施工性
の目安は次のようになる。 振動を5秒間与えたときのフロー値 施工性 160mm未満 いくら振動を与えても施工困難 160〜180mm 十分振動を与えれば施工可能 180〜190mm 少しの振動を与えるだけで施工可能 190mm超 振動を与えなくても施工可能 このフロー値は当然のことながら水の添加量によって変
化する。良好な施工性(流動性)が得られるように、すに
わち、振動を5秒間与えたときのフロー値が180〜1
90mmとなるように所定量の水を水硬性不定形耐火組
成物中に添加してそれぞれの試験サンプルを得た。
【0039】また、上記と同様に水を加えて混練した
後、通常の気温の範囲として5℃、10℃、20℃、3
5℃の各温度で養生し、硬度計を用いて硬度が80に達
するまでの時間を測定し、硬化時間とした。硬化時間測
定の結果、いずれの場合も5℃において硬化時間が最も
長く、35℃において硬化時間が最も短かったので、5
℃養生における硬化時間と35℃養生における硬化時間
の差を、硬化時間の温度依存性の大小とした評価した。
時間差の大きいものほど硬化時間の温度依存性が大き
く、温度変化による硬化時間の変動が激しいことを意味
する。
後、通常の気温の範囲として5℃、10℃、20℃、3
5℃の各温度で養生し、硬度計を用いて硬度が80に達
するまでの時間を測定し、硬化時間とした。硬化時間測
定の結果、いずれの場合も5℃において硬化時間が最も
長く、35℃において硬化時間が最も短かったので、5
℃養生における硬化時間と35℃養生における硬化時間
の差を、硬化時間の温度依存性の大小とした評価した。
時間差の大きいものほど硬化時間の温度依存性が大き
く、温度変化による硬化時間の変動が激しいことを意味
する。
【0040】また、各配合物を40×40×160mm
の形状に流し込み成形し、5℃及び35℃で24時間養
生後に105℃で24時間乾燥し、曲げ強度を測定し
た。更に、20℃で養生した試料を1500℃で3時間
加熱し、加熱による焼結性を線変化率で比較した。マイ
ナスの線変化、即ち収縮の大きいものは過焼結を表して
おり、亀裂を生じ易い。本発明品は、いずれも可使時間
に問題ない。硬化時間の温度依存性は少なく、いずれも
12時間(720分)以下であり、現場における実際の施
工作業においても例えば夕刻に施工して翌朝の脱枠が可
能である。また、乾燥後強度も養生温度による差が少な
く安定している。加熱後線変化率は通常収縮のマイナス
を示すと亀裂の原因となるので、幾分のプラスが望まし
いが、本発明品は概ねプラスを示し、本発明品6はマイ
ナスではあるが微小であり問題ない値である。
の形状に流し込み成形し、5℃及び35℃で24時間養
生後に105℃で24時間乾燥し、曲げ強度を測定し
た。更に、20℃で養生した試料を1500℃で3時間
加熱し、加熱による焼結性を線変化率で比較した。マイ
ナスの線変化、即ち収縮の大きいものは過焼結を表して
おり、亀裂を生じ易い。本発明品は、いずれも可使時間
に問題ない。硬化時間の温度依存性は少なく、いずれも
12時間(720分)以下であり、現場における実際の施
工作業においても例えば夕刻に施工して翌朝の脱枠が可
能である。また、乾燥後強度も養生温度による差が少な
く安定している。加熱後線変化率は通常収縮のマイナス
を示すと亀裂の原因となるので、幾分のプラスが望まし
いが、本発明品は概ねプラスを示し、本発明品6はマイ
ナスではあるが微小であり問題ない値である。
【0041】これに対して、比較品1及び2は、本発明
品1及び2と同じ配合物でセメントの種類が異なるだけ
であるが、硬化時間の温度依存性が非常に大きく、ま
た、乾燥後強度の絶対値も低めで且つ養生温度による差
が大きい。比較品3は初期凝集が早いため可使時間が確
保できず、流動性が大きく低下するので流し込み試料の
強度が非常に低い。比較品4は可使時間、硬化時間の温
度依存性に問題はないが、加熱後の収縮が著しい。比較
品5は硬化時間の温度依存性が大きく、5℃の低温では
30時間(1800分)でも硬化しなかった。従って、5
℃養生後の強度は測定できなかった。また、加熱後線変
化率は測定しなかった。比較品6は可使時間、硬化時間
の温度依存性、強度に大きな問題はないが、加熱後収縮
が大きく実用に供することはできなかった。
品1及び2と同じ配合物でセメントの種類が異なるだけ
であるが、硬化時間の温度依存性が非常に大きく、ま
た、乾燥後強度の絶対値も低めで且つ養生温度による差
が大きい。比較品3は初期凝集が早いため可使時間が確
保できず、流動性が大きく低下するので流し込み試料の
強度が非常に低い。比較品4は可使時間、硬化時間の温
度依存性に問題はないが、加熱後の収縮が著しい。比較
品5は硬化時間の温度依存性が大きく、5℃の低温では
30時間(1800分)でも硬化しなかった。従って、5
℃養生後の強度は測定できなかった。また、加熱後線変
化率は測定しなかった。比較品6は可使時間、硬化時間
の温度依存性、強度に大きな問題はないが、加熱後収縮
が大きく実用に供することはできなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上詳記した通り、水硬性不
定形耐火組成物において、粒度調整を施した耐火性骨材
に、結合剤としてC12A7 と、CaO・Al 2 O 3 、Ca
O・2Al 2 O 3 、2CaO・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3C
aO・Al 2 O 3 及びα−Al 2 O 3 からなる群から選択さ
れる1種または2種以上の鉱物組成を有するアルミナセ
メントを使用することを特徴とし、これにより、その硬
化時間が養生温度に余り依存せず、硬化のトラブルをな
くす効果を奏する。
定形耐火組成物において、粒度調整を施した耐火性骨材
に、結合剤としてC12A7 と、CaO・Al 2 O 3 、Ca
O・2Al 2 O 3 、2CaO・Al 2 O 3 ・SiO 2 、3C
aO・Al 2 O 3 及びα−Al 2 O 3 からなる群から選択さ
れる1種または2種以上の鉱物組成を有するアルミナセ
メントを使用することを特徴とし、これにより、その硬
化時間が養生温度に余り依存せず、硬化のトラブルをな
くす効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−305043(JP,A) 特開 昭55−144456(JP,A) 特開 昭55−121934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/66 C04B 7/00 - 28/36
Claims (2)
- 【請求項1】 粒度調整を施した耐火性骨材に、結合剤
として12CaO・7Al 2 O 3 と、CaO・Al 2 O 3 、
CaO・2Al 2 O 3 、2CaO・Al 2 O 3 ・SiO 2 、
3CaO・Al 2 O 3 及びα−Al 2 O 3 からなる群から選
択される1種または2種以上の鉱物組成を有し、且つ1
2CaO・7Al2O3を1〜20重量%含有するアルミ
ナセメントを0.5〜15重量%、アルミナセメントと
同等以下の粒度を有するシリカフラワー及び/または粘
土を1〜30重量%及び分散剤を0.005〜2重量%
添加、配合してなることを特徴とする水硬性不定形耐火
組成物。 - 【請求項2】 分散剤が有機系分散剤である請求項1記
載の水硬性不定形耐火組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06067316A JP3106053B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 水硬性不定形耐火組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06067316A JP3106053B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 水硬性不定形耐火組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07277841A JPH07277841A (ja) | 1995-10-24 |
JP3106053B2 true JP3106053B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=13341502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06067316A Expired - Lifetime JP3106053B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 水硬性不定形耐火組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106053B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-05 JP JP06067316A patent/JP3106053B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07277841A (ja) | 1995-10-24 |
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