JP4070709B2 - アルミナセメント用凝結・硬化調整剤、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

アルミナセメント用凝結・硬化調整剤、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火物 Download PDF

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Description

本発明は、主に、高炉出銑樋、混銑車、取鍋、及びタンディッシュなどの内張材に使用される不定形耐火物に係り、気温の変動に伴う硬化時間の変動が少いアルミナセメント用凝結・硬化調整剤、及びそれを用いたアルミナセメント組成物、並びに不定形耐火物に関する。
従来、アルミナセメントを配合した不定形耐火物は、気温の変動により、可使時間や硬化時間が変動しやすく、結果として養生した後の強度発現が安定しなかったり、作業性が取れないという課題があった。
具体的には、アルミナセメントを配合した不定形耐火物は、冬場等、気温が低い場合、硬化時間が遅くなり、強度発現が遅れるため、24時間養生後の強度が低いという課題があった。
一方、夏場等、気温が高い場合、可使時間や硬化時間が早くなるため、強度発現性は十分であるが、作業性が取れないという課題があった。
そこでこれらの課題を解決するため、冬場は不定形耐火物に硬化促進剤を添加し、夏場は硬化遅延剤を添加し、作業性、可使時間、硬化時間、及び強度のバランスを取ることが行われていた。
しかしながら、冬場に使用するために硬化促進剤を添加して硬化時間を調整した不定形耐火物を、例えば、春頃のように、想定より高い気温の時に施工すると、可使時間が短く作業性が取れなかったり、場合によっては混練中、ミキサ内で硬化するという課題があった。
また、夏場に使用するために硬化遅延剤を添加して、硬化時間を調整した不定形耐火物を、例えば、秋頃のように、想定より低い気温の時に施工すると、硬化時間が長くなり、脱枠や乾燥等、養生後のスケジュールが遅れるなどの課題があった。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定のアルミナセメント用凝結・硬化調整剤を含有したアルミナセメント組成物を不定形耐火物中に配合すれば、気温の変動の影響が少なく、一年中同じ配合で施工可能となるということを知見して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、R2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩、クエン酸、クエン酸塩の群から選ばれる1種または2種以上を含有してなるアルミナセメント用凝結・硬化調整剤であり、アルカリ金属アルミン酸塩中に炭酸塩を含有することを特徴とする該アルミナセメント用凝結・硬化調整剤であり、100〜400℃に加熱処理することを特徴とする該アルミナセメント用凝結・硬化調整剤であり、500μm篩上が10質量%以下であることを特徴とする該アルミナセメント用凝結・硬化調整剤であり、アルミナセメントと該アルミナセメント用凝結・硬化調整剤とを含有してなるアルミナセメント組成物であり、アルミナセメント100質量部に対して該アルミナセメント用凝結・硬化調整剤を0.1〜10質量部添加してなる該アルミナセメント組成物であり、アルミナセメントの鉱物組成がCaO・Al2O3及びCaO・2Al2O3であることを特徴とする該アルミナセメント組成物であり、アルミナセメントの鉱物組成が、CaO・Al2O350〜95質量部及びCaO・2Al2O350〜5質量部であることを特徴とする該アルミナセメント組成物であり、さらに、耐火骨材と、該アルミナセメント組成物とを含有してなる不定形耐火物である。
本発明のアルミナセメント用凝結・硬化調整剤、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火物を使用すれば、気温の変動に伴う硬化時間の変動が少ないという効果が得られ、高炉や電気炉を中心とした鉄鋼分野をはじめ、焼却炉、セメントキルン、及び化学プラント等、また、各種耐火材として使用可能である。
即ち、可使時間や硬化時間の温度依存性が少なく、フロー値が適度な範囲内にあり、養生圧縮強度や乾燥圧縮強度が高い良好な硬化体が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するアルミナセメント用凝結・硬化調整剤(以下、調整剤という)は、R2OとAl2O3のモル比R2O/Al2O3が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩、クエン酸、クエン酸塩の群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明に使用するアルカリ金属アルミン酸塩は、R2OとAl2O3のモル比R2O/Al2O3(以下、モル比という)が0.8〜1.5の範囲が好ましく、1.1〜1.2がより好ましい。 モル比が0.8未満では微粉化しにくく、一方、1.5を超えると吸湿しやすく、長期安定性が低下する傾向がある。なお、RはNaやK等のアルカリ金属を表す。
アルカリ金属アルミン酸塩中に炭酸塩を含有させることは、貯蔵安定性の向上、並びに硬化促進効果向上の点で好ましい。製法例としては、アルカリ金属アルミン酸塩製造時に、モル比を2.5程度にしておき、過剰の水酸化物を炭酸ガスで炭酸化することが一例として挙げられる。
本発明で使用するクエン酸塩は、クエン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が好ましく、工業的利用の観点から、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムが一般的である。
本発明に使用する調整剤を100〜400℃に加熱処理することは水分除去の点で好ましい。
加熱処理の温度が100〜400℃の範囲外では、可使時間や硬化時間の温度依存性が少ないという本発明の効果が得られない場合がある。又、加熱処理の時間は1時間以上が好ましい。加熱処理の時間が1時間未満だと、水分が残り、調整剤としての機能を十分発揮しない場合がある。
調整剤の粒度は、500μm篩上が10質量%以下が好ましい。500μm篩上が10質量%を超えると、可使時間や硬化時間の温度依存性が少ないという本発明の効果が得られない場合がある。
調整剤の使用量は、アルミナセメント100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲外では、可使時間や硬化時間の温度依存性が少ないという本発明の効果が得られない場合がある。
ここで、アルミナセメントとは、赤ボーキサイトなどの天然原料をバイヤープロセスなどの精製法により精製して得られた高純度アルミナや、ボーキサイトなどのアルミナ原料と、石灰石や生石灰等のカルシア原料等を、混合若しくは混合粉砕し、又は、一部混合後、さらに混合粉砕して、所定の成分割合になるように配合し、溶融法で製造する場合は、電気炉、反射炉、縦型炉、及び平炉等の設備で、また、焼成法で製造する場合は、シャフトキルンやロータリーキルンなどの設備で、1,300〜1,800℃の温度で、溶融または焼成して得られるクリンカーを、例えば、通常、粉塊物の微粉砕用に使用される、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミルなどの粉砕機によって、粉砕して製造されるものである。
本発明で使用するアルミナセメントの鉱物組成は、CaO・Al2O3(以下、CAという)及びCaO・2Al2O3(以下、CA2という)であり、CA50〜95質量部、CA250〜5質量部がより好ましい。
この範囲外では、可使時間や硬化時間の温度依存性が少ないという本発明の効果が得られない場合がある。
本発明では、CA、CA2からなるクリンカーを、一度に合成することも可能であるが、更に、CA、CA2を単独で製造、混合して、目的とする鉱物組成の割合にすることも可能である。
クリンカーの粉砕は、CAクリンカーとCA2クリンカーを混合後、粉砕しても良く、あるいは、各々に粉砕したものを混合しても良く、特に目的の鉱物組成の割合にする手段は制限されるものではない。
粉砕したクリンカーのブレーン比表面積は、3000〜8000cm2/gが好ましく、4000〜6000cm2/gがより好ましい。ブレーン比表面積が3000cm2/g未満では強度発現性が低下し、8000cm2/gを超えると、流動性が低下する場合がある。
本発明では、アルミナセメント中にアルミナが混入していても良い。アルミナとは、バイヤープロセス等によって高純度化された水酸化アルミニウムをロータリーキルンで焼成して得られる精製アルミナであって、95質量%以上の純度があれば充分である。一般には、高純度アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結性アルミナ、又は軽焼アルミナと呼ばれるものである。 アルミナは、クリンカーと一緒に粉砕しても良く、クリンカーを粉砕したものと後で混入しても良い。
本発明では、夏場でのアルミナセメントの流動性を向上させたり、可使時間を延長させるためにセメント添加剤を併用しても良い。
本発明で使用するセメント添加剤(以下、単に添加剤という)としては、例えば、ポリエーテル系化合物、ポリアクリル酸類、糖類、リグニンスルホン酸類、オキシカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、硫酸塩、炭酸塩、及びケイフッ化物からなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、これらのうち、ポリアクリル酸類、オキシカルボン酸類、及びホウ酸類が好ましい。 添加剤の種類の組合わせは、適宜選択可能であって特に限定されるものではなく、材料配合に合わせて組合わせを変えることが可能である。
ポリエーテル系化合物とは、カルボキシル基を持つモノマー、エチレンオキサイド鎖を持つモノマー、及びスルホン基を持つモノマーの3元共重合物を有効成分とするものであり、他のモノマーを共重合していても良い。
ポリアクリル酸類とは、ポリアクリル酸やその誘導体又はそれらの塩類であって、具体的には、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エステル共重合体又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましく、共重合体としては架橋分岐型が好ましい。特に、本発明では、ポリアクリル酸ナトリウム、中でも低重合度の水に可溶な重合体で、固形分が90%以上で、25℃における40%濃度のスラリー粘度が10Pa・s以下のタイプのものの使用が、アルミナセメント組成物の流動性を向上する面から好ましく、50〜2,000mPa・sの粘度のものがより好ましい。ポリアクリル酸類の水性スラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1質量%濃度のスラリーのpHが中性からアルカリ性であることが好ましく、特に、pHが7.5〜11のものがより好ましい。
糖類は、多価アルコールのアルデヒド、ケトン、並びに、多価アルコールの酸、多価アルコール自体、及びそれらの誘導体や置換体であり、具体的にはグルコース、フルクトース、デキストリン、及びショ糖等が挙げられる。
リグニンスルホン酸類としては、リグニンスルホン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ナトリウム塩の使用が好ましい。
オキシカルボン酸類としては、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、及び乳酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ナトリウム塩及び/又はカリウム塩の使用が好ましい。
ホウ酸類としては、ホウ酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ホウ酸の使用が好ましい。
リン酸類としては、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン酸、及びオルトリン酸又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ナトリウム塩の使用が好ましい。
硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、及び硫酸カルシウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、硫酸ナトリウムの使用が好ましい。
炭酸塩としては、無機炭酸塩のいずれも使用可能であり、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、炭酸ナトリウムの使用が好ましい。
ケイフッ化物としては、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウム、及びケイフッ化マグネシウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、ケイフッ化ナトリウムの使用が好ましい。
本発明で使用する添加剤の純度は特に限定されるものではないが、現在、工業的に精製されているものの使用が可能であり、純度が80質量%以上のものの使用が好ましい。添加剤の粒度は、水に溶解しやすいように細かい程好ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより好ましい。また、添加剤の配合量は、可使時間や硬化時間の温度依存性が少ないという本発明の効果を低下させないために、アルミナセメント100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.1質量部未満では、アルミナセメント組成物の流動性が向上しなかったり、可使時間が短かったりする場合があり、10質量部を超えると可使時間や硬化時間が長くなり過ぎる場合がある。
本発明で使用する添加剤は、あらかじめアルミナセメントにプレミックスすることが可能であり、施工時に別途に投入したり、混合したりする手間が省けることから、粉末タイプであることが好ましい。本発明において、添加剤の混合方法は、特に限定されるものではなく、添加剤を所定の割合になるように配合し、あらかじめ粉砕したアルミナセメントと、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサ、パン型ミキサ、及びオムニミキサなどの混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合でアルミナセメントに配合後、振動ミル、チューブミル、ボールミル、及びローラーミルなどの粉砕機で混合粉砕することが可能である。
本発明では、流動性の向上、高温での強度を付与する目的で、超微粉を併用することは好ましい。超微粉としては、アルミナ、マグネシア、スピネル、及びシリカなどの超微粉が挙げられる。この中で、アルミナやシリカの超微粉を配合することは、流動性や高温強度が向上する面から好ましい。
超微粉の粒度は、平均粒子径で20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
超微粉の配合量は、アルミナセメント100質量部に対して、100質量部以下が好ましい。超微粉の配合量が100質量部を超えると、流動性が低下したり、可使時間が短くなったり、養生後の強度が低下したりする場合がある。
本発明では、アルミナセメント組成物と耐火骨材、必要に応じてそれに水を混合して不定形耐火物とする。
耐火骨材としては、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシア、及び軽焼マグネシアなどのマグネシア、溶融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシアスピネル、並びに、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナなどのアルミナ、その他、溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、及び窒化珪素鉄等が挙げられる。
マグネシアとしては、水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムを溶融又は焼成した溶融マグネシア又は焼成マグネシアや、軽焼マグネシア、仮焼マグネシアなどを所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものなどが挙げられる。
マグネシアスピネルとしては、水酸化マグネシウムや仮焼マグネシアなどのマグネシア原料と、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、所定の割合になるように調合し、ロータリーキルンなどの焼成装置を用いて、約1,800〜1,900℃の温度で反応・焼結させたものや、電気炉等の溶融装置で溶融したものを、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これら焼成したものと溶融したものを混合したものなどが挙げられる。マグネシアスピネルにおけるMgO/Al2O3の質量比は、1/1〜0.1/1が好ましく、0.4/1〜0.2/1が不定形耐火物として配合した際、耐久性に優れる面からより好ましい。
アルミナとは、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、ロータリーキルンなどの焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結または溶融し、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものであって、鉱物組成として、α−Al2O3やβ−Al2O3などと示される酸化アルミニウムであり、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナなどと呼ばれるものであって、通常、Al2O3を90質量%以上含有するα−アルミナの使用が最も好ましい。
また、アルミナとジルコニアを溶融することで得られる、耐熱スポーリング性を向上させたアルミナ・ジルコニアクリンカーなどの使用も可能である。
耐火骨材は、通常、5〜3mm、3〜1mm、1mm下、200メッシュ下、及び325メッシュ下等のサイズのものを、要求物性に応じて配合することが好ましい。耐火骨材の使用量は、施工場所によって適宜決定すべきものであり特に限定されるものではないが、不定形耐火物100質量部中、耐火骨材50〜99.5質量部であることが好ましく、耐食性と強度発現性の面から、耐火骨材85〜98質量部がより好ましい。
不定形耐火物の製造方法は特に限定されるものではなく、通常の製造方法に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサ、パン型ミキサ、及びオムニミキサなどの混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
不定形耐火物に、アルカリ水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金属マグネシウムなどの発泡剤や、ビニロンファイバー、ポリプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバーなどの有機繊維、窒素ガス発生分解繊維、乳酸アルミニウムなどの塩基性コロイド、並びに、フミン酸類等の爆裂防止材を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的で、配合することも可能である。
また、従来からセメントの流動性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性等の性状を改善する目的で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒドの縮合物等の界面活性剤、並びに、AE減水剤等を必要に応じて配合することも可能である。
不定形耐火物が水分と耐火骨材に分離する材料分離を避けるため、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリアクリルアミド変性物又はその共重合体、及びポリビニルアルコールなどの増粘剤を配合することも可能である。
不定形耐火物を製造する際に使用する水の量は、通常の流し込みが可能な程度に設定されるもので、粒度構成や耐火骨材の気孔率等によって大きく影響を受けるが、概ね、アルミナセメント組成物と耐火骨材の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。
モル比が表1に示す様なアルミン酸ナトリウム0.5質量部とクエン酸ナトリウム0.5質量部からなる調整剤を調製し、アルミナセメント100質量部に対して1質量部配合し、アルミナセメント組成物を製造した。製造したアルミナセメント組成物10質量部に、耐火骨材90質量部、水8質量部を加えてモルタルミキサーで4分間混練し、不定形耐火物を得た。不定形耐火物の混練及び養生は、10℃と40℃の恒温室内で行った。結果を表1に示す。
<使用材料>
アルミン酸ナトリウム:水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウムを混合し、所定のモル比になる様調整したもの。
クエン酸ナトリウム:市販品。
アルミナセメント:電気化学工業社製商品名「ハイアルミナセメント」。
耐火骨材:市販電融アルミナの5〜3mmを15質量部、3〜1mmを20質量部、1mm下を15質部、200メッシュ下を10質量部、325メッシュ下を15質量部、平均粒子径5μmの微粉アルミナを15質量部の混合品
水:上水道水
<物性の測定方法>
フロー値:作製した不定形耐火物をJIS R 2521記載の方法に準じて測定した。
可使時間:フロー値が140mmになるまでの時間(可使時間は10℃、40℃共に60分以上が好ましい)。
硬化時間:作製した不定形耐火物500gをポリビーカーに移し取り、白金測温抵抗体と打点式記録計により測定した、注水から水和発熱ピークまでにかかった時間(10℃と40℃での硬化時間の差が6時間以内、更に好ましくは4時間以内であれば、気温の変動による硬化時間の変動が少ないと判断される)。
養生強度:作製した不定形耐火物を4cm×4cm×16cmの型枠に突き棒でスタンピングしなら打設し、表面をセメントナイフで平らに整えた後、24時間養生後の圧縮強度を油圧式強度測定機で測定。
乾燥強度:養生強度測定用供試体を110℃で24時間乾燥後、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧式強度測定機で測定。
Figure 0004070709
モル比が1.2のアルミン酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムを表2の割合になる様に調整剤を調製し、アルミナセメント組成物を製造したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0004070709
モル比が1.2で、表3に示す量の炭酸ナトリウムを含有するアルミン酸ナトリウムを使用してアルミナセメント組成物を製造したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0004070709
モル比が1.2のアルミン酸ナトリウムを使用し、調整剤を表4に示す温度で2時間加熱処理したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0004070709
モル比1.2のアルミン酸ナトリウムを使用し、調整剤の500μm篩上を表5に示す量にしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
Figure 0004070709
モル比1.2のアルミン酸ナトリウム50質量%とクエン酸ナトリウム50質量%からなる調整剤を、アルミナセメント100質量部に対して表6に示した量を配合し、アルミナセメント組成物を製造したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
Figure 0004070709
CAとCA2を個別に試験炉で製造し、各々ブレーン値が4000cm2/gになる様に粉砕し、表7に示す割合で混合し、モル比R2O/Al2O3が1.2のアルミン酸ナトリウムを使用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表7に示す。
Figure 0004070709
モル比1.2のアルミン酸ナトリウムを使用し、セメント添加剤A〜Cを表8に示す割合でアルミナセメント組成物に配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表8に示す。
<使用材料>
セメント添加剤A:ポリアクリル酸ナトリウム
セメント添加剤B:グルコン酸ナトリウム
セメント添加剤C:ホウ酸
Figure 0004070709
アルミナセメント100質量部に、超微粉1,2を表9に示した量を配合し、モル比が1.2のアルミン酸ナトリウムを使用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表9に示す。
<使用材料>
超微粉1:アルミナ超微粉、平均粒子径5μm
超微粉2:シリカ超微粉、平均粒子径1μm
Figure 0004070709
表1〜9に示す様に、本発明のアルミナセメント用凝結・硬化調整剤を含有したアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、作業性が良く、可使時間や硬化時間の温度依存性が少なく、適度な強度が得られる。

Claims (6)

  1. 鉱物組成がCaO・Al2O3 50〜95質量部及びCaO・2Al2O3 50〜5質量部であるアルミナセメント、並びに、Na 2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルミン酸ナトリウム及びクエン酸塩からなるアルミナセメント用凝結・硬化調整剤をアルミナセメント100質量部に0.1〜10質量部含有してなるアルミナセメント組成物。
  2. アルミン酸ナトリウム中に炭酸塩を含有することを特徴とする請求項1記載のアルミナセメント組成物。
  3. アルミナセメント用凝結・硬化調整剤を100〜400℃に加熱処理することを特徴とする請求項1又は2記載のアルミナセメント組成物。
  4. アルミナセメント用凝結・硬化調整剤の500μm篩上が10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項記載のアルミナセメント組成物。
  5. アルミナセメント100質量部に対して、アルミナセメント用凝結・硬化調整剤を0.1〜10質量部添加することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項記載のアルミナセメント組成物。
  6. 耐火骨材と、請求項1〜5のうちいずれか一項記載のアルミナセメント組成物とを含有してなる不定形耐火物。
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