JP2008157801A - 中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタル - Google Patents

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健一 木村
Masaharu Konno
正晴 金野
Hiroshi Ikemi
拓 池見
Seiichi Yokosuka
誠一 横須賀
Hirokazu Nishida
浩和 西田
Yusuke Fujikura
裕介 藤倉
Norichika Katayose
哲務 片寄
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Abstract

【課題】放射線を遮蔽するための遮蔽体の材質として、一般には汎用的な普通ポルトランドセメントを結合材として、単位水量を通常のコンクリートよりも増大させたコンクリートが用いられているが、このような放射線遮蔽体が中性子に曝されると、誘導放射能をもつようになってしまい、放射線発生源の保守、点検等に携わる作業員に対して放射線被曝の危険性がある。
【解決手段】コンクリートまたはモルタルに、ホウ素含有化合物を配合し、中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルとする。該中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルは、例えばサイクロトロンを備えた照射室の床面部1における、表面床面部20に利用可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタルに関するものであり、詳しくは加速器施設等からの放射線(中性子)を遮蔽し、かつ内部の中性子核反応による放射化を抑制する中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタルに関するものである。
加速器施設等の放射線発生源の周囲には、核分裂反応等に伴う放射線(中性子線、γ線等)を遮蔽するための遮蔽体を構築し、作業者の健康の悪影響、外部環境への放射線の漏出を防止している。
放射線を遮蔽するための遮蔽体の材質として、一般には汎用的な普通ポルトランドセメントを結合材として、単位水量を通常のコンクリートよりも増大させたコンクリートが用いられている。これらのコンクリートは水和反応による水(HO)として水素原子を多く含み、この水素原子が高エネルギーを有する放射線(中性子)を効果的に減速させることができる。また、中性子とほぼ同質量の水素原子を多く含む材料をコンクリートに添加する等の方法もある。
下記特許文献1には、加速器をコンクリート躯体で覆ってなる放射線遮蔽設備であって、コンクリート躯体の外部に面する部位の外表面から内表面に向かって、コンクリート躯体の伸縮を抑制するスリットを設け、当該スリットに充填材を補充する放射線遮蔽設備が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示されたようなコンクリートからなる放射線遮蔽体が中性子に曝されると、コンクリートに含まれているCo,Eu等の元素が放射性同位元素に変化し、放射能をもつようになり(誘導放射能)、コンクリートが放射線(γ線)を発するようになる。このように放射線を発するに至ったコンクリートは、加速器や原子炉等の放射線発生源の保守、点検、解体等に携わる作業員に対して厳しい安全管理なしでは放射線被曝による健康上の悪影響を及ぼす可能性がある。また、大量の放射性廃棄物を残すことにもなる。
このような放射性同位元素の生成量は、コンクリート中の標的元素の量、中性子のエネルギースペクトルおよび中性子束を把握するとともに、放射性同位元素の半減期と中性子の反応断面積から推定が可能である。
放射性廃棄物の減容という観点から言えば、一般的なコンクリートにおける標的元素は、Co、Eu、Csなどであり、誘導放射能の発生は、エネルギーの低い熱中性子にほとんど起因している。
しかしながら、上述したような従来技術の中性子の遮蔽方法では、エネルギーの高い中性子を遮蔽するには有効であるが、エネルギーの低い中性子の遮蔽効果は不十分であり、このような熱中性子束も有効に低減させる技術が求められていた。
特開2002−181990号公報
したがって本発明の目的は、加速器施設等から発生する中性子を十分に遮蔽し、かつ内部の中性子核反応による放射化(誘導放射能の発生)を抑制する中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタルを提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
(1)少なくとも、ホウ素含有化合物を含んでなることを特徴とする中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(2)骨材として低放射化石灰石を使用することを特徴とする前記(1)に記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(3)前記ホウ素含有化合物が、BCであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(4)前記ホウ素含有化合物中のBの含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(5)膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに含んでなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(6)凝結・硬化調整剤をさらに含んでなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
(7)少なくとも、ホウ素含有化合物を含んでなることを特徴とする中性子遮蔽低放射化モルタル。
(8)骨材として低放射化石灰石を使用することを特徴とする前記(7)に記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
(9)前記ホウ素含有化合物が、BCであることを特徴とする前記(7)または(8)に記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
(10)前記ホウ素含有化合物中のBの含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
(11)膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに含んでなることを特徴とする前記(7)〜(10)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
(12)凝結・硬化調整剤をさらに含んでなることを特徴とする前記(7)〜(11)のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
(13)(1)、(8)記載のコンクリート或いはモルタルにあって、水和の進行を促進または遅延する目的で凝結時間調整剤、硬化調整剤を使用することを特徴とするコンクリート或いはモルタル。
(14)(1)、(8)記載のコンクリート或いはモルタルの材料分離、ブリーディング量(またはブリーディング率)を軽減する目的で低放射化混和材(例えば、タンカル、シリカ粉、シリカフューム、電融アルミナ粉など)や不分離性混和材を使用することを特徴とするコンクリート或いはモルタル。
(15)(1)、(8)記載のコンクリート或いはモルタルの水和熱を軽減する目的で混和材(例えば、タンカル、シリカ粉、電融アルミナ粉など)の量の調整や水和熱低減剤を使用することを特徴とするコンクリート或いはモルタル。
(16)(1)、(8)記載のコンクリート或いはモルタルに使用するセメント系材料として普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色セメント、(ハイ)アルミナセメントを少なくとも2種類以上混合して使用することを特徴とするコンクリート或いはモルタル。
本発明によれば、ホウ素含有化合物を配合することにより、熱中性子を効率的に吸収することができるため、中性子遮蔽効果に優れ、中性子等の放射線が照射されても放射化し難い、中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタルを提供することができる。
また、骨材として低放射化石灰石を使用することにより、放射化がさらに低減する。
また、ホウ素含有化合物としてBCを使用することにより、厚みが薄くても同等な放射線遮蔽効果が得られる。
また、本発明者らの検討によれば、Bの存在がセメントの水和反応を阻害することが見出され、Bの含有量を一定値以下(0.5質量%以下)にすることにより、コンクリートまたはモルタルの硬化反応を高めることができる。
また、膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに配合することにより、中性子遮蔽効果を向上させるためにコンクリートまたはモルタル調製時の単位水量を増加させても、その乾燥収縮や自己収縮を低減することができる。
また、凝結・硬化調整剤をさらに配合することにより、Bが存在していたとしてもセメントの水和反応が阻害されない。
また、遮蔽機能として必要とされる部材寸法を小さくできることにより、セメントの水和熱の影響による温度ひび割れの発生確率を軽減し、欠陥の少ないコンクリートを製造できる。さらに、構造体に使用するコンクリート量の軽減が実現されることで、コスト削減、環境への負荷軽減へと貢献できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の必須要件は、ホウ素含有化合物をコンクリートまたはモルタルに配合することにある。よく知られているように、コンクリートは一般的に、セメント、細骨材、粗骨材、その他の添加材(剤)を含み、モルタルは一般的に、セメント、細骨材、その他の添加材(剤)を含む。
本発明で使用するホウ素含有化合物は、例えばホウ素粉末、BC、コレマナイト等が挙げられる。これらのホウ素含有化合物を使用することにより、熱中性子との反応断面積が大きく、熱中性子を効率的に吸収し、熱中性子束を減少させることができる。とくにBCは、熱中性子の吸収効率が高く、所望の遮蔽効果を得るのにコンクリートまたはモルタルの厚さを薄くすることができ、好ましい。
本発明で使用されるセメントは、とくに制限されないが、低放射化を改善するために、白色セメント、ハイアルミナセメント、低熱ポルトランドセメントが好ましい。
本発明で使用される粗骨材、細骨材等の骨材は、とくに制限されず、従来から用いられている砕石、砕砂、石灰石等を利用することができるが、本発明では、骨材として低放射化石灰石を使用するのが好ましい。なお本発明でいう低放射化石灰石とは、Co、Eu、Csなどの標的元素をできるだけ少なく含むものであり、具体的には、標的元素であるEuを0.1ppm以下、Coであれば3ppm以下、Csであれば30ppm以下含むもの(以上の数値はそれぞれの標的元素が単独であると考えた場合)が挙げられる。
本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルは、添加材(剤)として、膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに配合することが好ましい。これらを配合することにより、中性子遮蔽効果の向上を目的としてコンクリートまたはモルタル調製時の単位水量を増加させた場合であっても、その乾燥収縮や自己収縮を低減することができる。
膨張材(剤)としては、カルシウムサルホアルミネート・酸化カルシウム・無水石膏と水が反応してエトリンガイトを生成するもの、アルミン酸三カルシウムと石膏と水が反応してエトリンガイトを生成するもの(エトリンガイト系)、酸化カルシウム(生石灰)が水和して水酸化カルシウムを生成するもの(石灰系)、またはエトリンガイトおよび水酸化カルシウムの両方を生成するもの等が挙げられる。
また収縮低減材(剤)としては、低級アルコール−アルキレンオキシド付加物、ポリエーテル系、グリコールエーテル系、ポリオキシアルキレンアルキル−エーテルなどの界面活性剤等が挙げられる。
また、本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルは、添加材(剤)として、凝結・硬化調整剤を配合するのも好ましい形態である。これらを配合することにより、コンクリートまたはモルタル中にBが存在していたとしても、セメントの水和反応が阻害されない。さらに、生コンクリート工場から施工現場までの運搬時間や施工環境を考慮して、凝結・硬化速度の調節が可能である。
凝結・硬化調整剤は、凝結・硬化促進剤と凝結・硬化遅延剤がある。凝結・硬化促進剤としては、無機系ではカルシウム、ナトリウム、カリウムなどの塩化物、硝酸塩・亜硝酸塩、硫黄含有化合物などの無機塩類があり、有機系では、アミン類、有機酸カルシウム塩が用いられる。また、凝結・硬化遅延剤としては、無機系ではけいふっ化物、ほう酸類、りん酸類、亜鉛、鉛、銅酸化物などが、有機系では、カルボン酸(塩)、ケト酸(塩)、糖類、糖アルコール類、高分子有機酸塩など多くの化合物が用いられる。
本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルは、上述の各成分のほかに、中性子線の照射によって放射性同位元素に変化する元素(Eu、Co等)の含有量の小さい混和材を含んでいてもよい。このような混和材としては、例えば、シリカフューム、石英粉末、珪砂等が挙げられる。
さらに本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートは、コンクリートの流動性・作業性を向上させるために、減水剤を使用することが好ましい。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤が挙げられる。
本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートの配合処方は、低放射化、強度発現性、耐久性等の観点から、例えばセメント(例えば白色セメント)が80〜900kg/m、細骨材(例えば石灰石)が200〜1500kg/m、粗骨材(例えば石灰石)が10〜1200kg/m、ホウ素含有化合物0.24〜200kg/m、好ましくはB4C2.4〜24kg/m、膨張材(剤)0〜40kg/m、収縮低減材(剤)0〜10kg/m、凝結・硬化調整剤については単位セメント量の0〜10%(種類、形態による)、AE剤または減水剤0〜20kg/m、水100〜400kg/mである。
コンクリートの混練方法は、とくに制限されず、各材料を個別にミキサに投入し、混練する等の方法が挙げられる。使用されるミキサについても限定されず、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。なお、水は水道水、地下水等を使用することができる。
混練後、所定の型枠に生コンクリートを投入し、十分な締め固めを行った後、養生を行うことにより本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートの構造体が得られる。養生条件はとくに限定するものではないが、せき板による被覆、養生マットまたは水密シートによる被覆、散水、噴霧、膜養生剤の塗布などによる湿潤養生などが挙げられる。
なお、上記配合から粗骨材を省いてモルタルとして使用することもできる。
また本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートを放射線遮蔽体として用いる場合には、現場でコンクリートを打設するよりも、プレキャストコンクリートパネルを製造して現場で組み立てて遮蔽体とするのが好ましい。プレキャストコンクリートパネルは、工場において厳しい品質管理のもとに、適正な原材料を用いて製造することができるので、品質や性能の安定した中性子遮蔽低放射化コンクリート構造物を構築することができる。
プレキャストコンクリートパネルのサイズは、遮蔽すべき放射線の種類や、加速器のサイズ等を勘案して適宜決定すればよいが、例えば厚みは50〜300mmである。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例1
下記表1に記載のコンクリートの調合にしたがって、本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートを製造した。
Figure 2008157801
上記表1中、Wは上水道水、Cは白色セメント(ρ=3.05g/cm)、Sは石灰石細骨材(コンクリート用細骨材としての粒度分布を満たす、ρ=2.67g/cm)、Gは石灰石粗骨材(粒径2005、ρ=2.70g/cm)、B1はホウ素粉末である。S/aは細骨材率を表す。
また、骨材として用いた石灰石のCo、Eu、Csなどの標的元素の含有量は、Coが0.2ppm、Euが0.05ppm、Csが0.04ppm程度であった。
コンクリート中のBの含有量は(3〜5)×10−3質量%程度であったと考えられる。
2軸強制練りミキサーを用い、上記各原料を15秒間空練りし、続いて上水道水を投入して90秒間の本練りを行った。得られた生コンクリートを型枠を用いて成形後、20℃で14日間気中標準養生または封かん養生して、厚さ70cmのプレキャストコンクリートを作製した。またプレキャストコンクリートの養生後の圧縮強度(常法)は、標準養生の材齢7日の供試体が平均38.8N/mm、28日の供試体が52.5N/mmであった。なお、プレキャストコンクリートには、アラミド繊維をコンクリート中、0.4質量%となるように配筋した。
サイクロトロンが設置された照射室の床面部に、上記プレキャストコンクリートを設置した。図1は、当該床面部の断面図である。床面部1は、下部床面部10と表面床面部20とからなり、下部床面部10は、普通コンクリート11および鉄筋12から構成されている。普通コンクリート11は、玄武岩を骨材として含み、鉄筋12は、コンクリート中4.4質量%を占めている。表面床面部20は、アラミド繊維22が配筋された本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートからなるプレキャストコンクリート21から構成されている。上記のとおり、表面床面部20は70cmの厚さを有する。下部床面部10は、cmの厚さを有する。また照射室の床面部総面積は、約20mである。
表1に示すようなサイクロトロン運転条件下で、運転年数20年、冷却時間運転後6ヶ月の場合の、最大熱中性子束、表面床面部20全体質量におけるクリアランスレベル(Σ(Ci/CLi))、表面床面部20におけるプレキャストコンクリート21およびアラミド繊維22のクリアランスレベル、下部床面部10のクリアランスレベル、下部床面部10における普通コンクリート11および鉄筋12のクリアランスレベルを調べた(計算による)。また、比較例として、表面床面部20を設置しない場合の、下部床面部10のクリアランスレベル、下部床面部10における普通コンクリート11および鉄筋12のクリアランスレベルを調べた(計算による)。図2は、比較例における床面部の断面図である。床面部1は、下部床面部10のみからなり、表面床面部20は設置されていない。下部床面部10は、図1と同様に、普通コンクリート11および鉄筋12から構成されている。
結果を表2に示す。
Figure 2008157801
*1 測定値2.0×106から想定最高ビーム電流で規格化
表2から分かるように、本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートを適用することによって、表面床面部20および下部床面部10共に、原子炉に適応されるクリアランスレベル換算で、Σ(Ci/CLi)が1以下となることが確認された。
一方、比較例における下部床面部10では、2005年制定クリアランスレベルで29.79と極めて高い値となり、本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートの有効性が確認された。
なお、上記実施例のコンクリートの調合において、ホウ素粉末B1の替わりに、BCを使用したところ、上記と同じ低放射化効果を得るのに、プレキャストコンクリート21厚さを30cmに設定すれば十分であることが確認された。
本発明の中性子遮蔽低放射化コンクリートまたはモルタルは、熱中性子を効率的に吸収するとともに、内部の中性子核反応による放射化は極めて小さい。そのため、陽子加速器周辺の鋼板モルタルや、医療用放射線照射施設、アイソトープ貯蔵施設、ウラン処理施設などの放射線遮蔽用構造物として好適に用いられる。
実施例におけるサイクロトロンが設置された照射室の床面部の断面図である。 比較例における床面部の断面図である。
符号の説明
1……床面部、10……下部床面部、11……普通コンクリート、12……鉄筋、20……表面床面部、21……プレキャストコンクリート、22……アラミド繊維。

Claims (12)

  1. 少なくとも、ホウ素含有化合物を含んでなることを特徴とする中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  2. 骨材として低放射化石灰石を使用することを特徴とする請求項1に記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  3. 前記ホウ素含有化合物が、BCであることを特徴とする請求項1または2に記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  4. の含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  5. 膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  6. 凝結・硬化調整剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化コンクリート。
  7. 少なくとも、ホウ素含有化合物を含んでなることを特徴とする中性子遮蔽低放射化モルタル。
  8. 骨材として低放射化石灰石を使用することを特徴とする請求項7に記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
  9. 前記ホウ素含有化合物が、BCであることを特徴とする請求項7または8に記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
  10. の含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
  11. 膨張材(剤)および/または収縮低減材(剤)をさらに含んでなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
  12. 凝結・硬化調整剤をさらに含んでなることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の中性子遮蔽低放射化モルタル。
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