JP2005179091A - 凝結・硬化調整剤及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents
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Abstract
【課題】気温の変動の影響が少なく、品質の安定化が図れる凝結・硬化調整剤及びそれを用いた不定形耐火物を提供する。
【解決手段】R2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩を含有する凝結・硬化調整剤、又は、該アルカリ金属アルミン酸塩と、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の群から選ばれる1種以上を含有する凝結・硬化調整剤を、アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに添加することを特徴とする不定形耐火物。さらに、アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする該不定形耐火物により、本発明の目的を達成する。
【選択図】なし
【解決手段】R2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩を含有する凝結・硬化調整剤、又は、該アルカリ金属アルミン酸塩と、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の群から選ばれる1種以上を含有する凝結・硬化調整剤を、アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに添加することを特徴とする不定形耐火物。さらに、アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする該不定形耐火物により、本発明の目的を達成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、主に、高炉出銑樋、混銑車、取鍋、及びタンディッシュなどの内張材に使用される不定形耐火物に関する。
従来、アルミナセメントを配合した不定形耐火物は、気温の変動により、可使時間や硬化時間が変動しやすく、結果として養生した後の強度発現が安定しなかったり、作業性が取れないという課題があった。
具体的には、アルミナセメントを配合した不定形耐火物は、冬場等、気温が低い場合、硬化時間が遅くなり、強度発現が遅れるため、24時間養生後の強度が低いという課題があった。
一方、夏場等、気温が高い場合、可使時間や硬化時間が早くなるため、強度発現性は十分であるが、作業性が取れないという課題があった。
そこでこれらの課題を解決するため、冬場は不定形耐火物に硬化促進剤を添加し、夏場は硬化遅延剤を添加し、作業性、可使時間、硬化時間、及び強度のバランスを取ることが行われていた。
しかしながら、冬場に使用するために硬化促進剤を添加して硬化時間を調整した不定形耐火物を、例えば、春頃のように、想定より高い気温の時に施工すると、可使時間が短く作業性が取れなかったり、場合によっては混練中、ミキサ内で硬化するという課題があった。
また、夏場に使用するために硬化遅延剤を添加して、硬化時間を調整した不定形耐火物を、例えば、秋頃のように、想定より低い気温の時に施工すると、硬化時間が長くなり、脱枠や乾燥等、養生後のスケジュールが遅れるなどの課題があった。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の凝結・硬化調整剤を使用することにより、気温の変動の影響が少なく、品質の安定化が図れることを知見して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、R2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩を含有する凝結・硬化調整剤であり、該アルカリ金属アルミン酸塩と、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の群から選ばれる1種以上を含有する凝結・硬化調整剤であり、30〜300℃に加熱処理することを特徴とする該凝結・硬化調整剤であり、500μm篩上が10質量%以下であることを特徴とする該凝結・硬化調整剤である。
さらに、アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに、該凝結・硬化調整剤を添加してなる不定形耐火物であり、アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする該不定形耐火物であり、アルミナセメントの鉱物組成が、CaO・Al2O3/CaO・2Al2O3質量比0.5〜5.0、且つ12CaO・7Al2O3/CaO・Al2O3質量比0.5以下であることを特徴とする該不定形耐火物である。
又、アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに、該凝結・硬化調整剤を添加することを特徴とする不定形耐火物の凝結、硬化調整方法であり、アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする該不定形耐火物の凝結、硬化調整方法であり、アルミナセメントの鉱物組成が、CaO・Al2O3/CaO・2Al2O3質量比0.5〜5.0、且つ12CaO・7Al2O3/CaO・Al2O3質量比0.5以下であることを特徴とする該不定形耐火物の凝結、硬化調整方法である。
本発明の凝結・硬化調整剤を使用すれば、気温の変動の影響が少ないという効果が得られ、高炉や電気炉を中心とした鉄鋼分野をはじめ、焼却炉、セメントキルン、及び化学プラント等の耐火材として好適な不定形耐火物が得られる。
本発明で使用する凝結・硬化調整剤(以下、調整剤という)は、R2OとAl2O3のモル比R2O/Al2O3が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩を有効成分とし、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする。
本発明に使用するアルカリ金属アルミン酸塩は、R2OとAl2O3のモル比R2O/Al2O3(以下、モル比という)が0.8〜1.5の範囲が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。 モル比が0.8未満では微粉化しにくく、品質が不安定になる場合があり、一方、1.5を超えると吸湿しやすく、長期安定性が低下する場合がある。なお、RはNaやK等のアルカリ金属を表す。
アルカリ金属アルミン酸塩中に、炭酸塩を含有させることが可能であり、貯蔵安定性の向上、並びに硬化促進効果向上の点で好ましい。製法例としては、アルカリ金属アルミン酸塩製造時に、モル比を1.5程度にしておき、過剰の水酸化物を炭酸ガスで炭酸化することが一例として挙げられる。
本発明で使用するクエン酸塩は、クエン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が好ましく、工業的利用の観点から、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムが一般的なものとして挙げられる。
本発明では、ホウ酸及び/又はホウ酸塩を使用する。ここで、ほう酸とは、別名ボール酸、正ホウ酸、オルソホウ酸と呼ばれる物で、化学式H3BO4で表され、ピロホウ酸、テトラホウ酸、メタホウ酸を含有するものである。
ほう酸の製造方法は、特に限定される物ではないが、通常、ほう酸の原鉱石に硫酸を加えて加熱分解し、ほう酸を遊離させて分離抽出後、精製して得られる。ほう酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、そのうち、ナトリウム塩又はカリウム塩の使用が好ましく、含水物あるいは無水物のいずれの使用も可能である。
本発明で使用する調整剤は、冬場等の低温下では、モル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩、或いは、モル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩と、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸及びホウ酸塩の群から選ばれる1種以上が、品質の安定化の点で好ましい。
本発明に使用する調整剤を30〜300℃に加熱処理することは、水分が除去され、品質が安定化するため好ましい。
加熱処理の温度が30〜300℃の範囲外では、品質の安定化が十分でない場合がある。加熱処理時間は、1時間以上が好ましい。加熱処理の時間が1時間未満だと、水分除去が不十分で、調整剤としての機能が十分発揮されない場合がある。
調整剤の粒度は、500μm篩上が10質量%以下であることが好ましい。500μm篩上が10質量%を超えると、可使時間や硬化時間の温度依存性が大きくなり、品質が安定化しない場合がある。
調整剤の使用量は、アルミナセメントと耐火骨材を含有してなるキャスタブル100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲外では、品質が安定化しない場合がある。
本発明に係るアルミナセメントは、赤ボーキサイトなどの天然原料をバイヤープロセスなどの精製法により精製して得られた高純度アルミナや、ボーキサイトなどのアルミナ原料と、石灰石や生石灰等のカルシア原料等を、混合若しくは混合粉砕し、又は、一部混合後、さらに混合粉砕して、所定の成分割合になるように配合し、溶融法で製造する場合は、電気炉、反射炉、縦型炉、及び平炉等の設備で、また、焼成法で製造する場合は、シャフトキルンやロータリーキルンなどの設備で、1,300〜1,800℃の温度で、溶融又は焼成して得られるクリンカーを、例えば、通常、粉塊物の微粉砕用に使用される、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミルなどの粉砕機によって、粉砕して製造されるものである。
本発明に係るアルミナセメントは、CaO・Al2O3(以下、CAという)、CaO・2Al2O3(以下、CA2という)、12CaO・7Al2O3(以下、C12A7という)、非晶質及びα−Al2O3を含有するものが好ましく、さらに、CA/CA2質量比が0.5〜5.0、且つ、C12A7/CA質量比が0.5以下であることが、品質安定化の点でより好ましい。CA/CA2質量比が0.5未満では養生強度が出にくい場合があり、一方、5.0を超えると、乾燥強度の低下が起こる場合がある。また、C12A7/CA質量比が0.5を超えると、反応性の高いC12A7が多くなり、作業性や乾燥強度の低下が起こる場合がある。C12A7を含まないアルミナセメントも、本発明では使用可能である。
本発明では、CA、CA2、C12A7及び非晶質からなるクリンカーを、一度に合成することも可能であるが、非晶質を含むCA、CA2、C12A7を単独で製造、混合して、目的とする鉱物組成の割合にすることも可能である。
クリンカーの粉砕は、CAクリンカー、CA2クリンカー、C12A7クリンカーや非晶質のクリンカーを混合後、粉砕しても良く、あるいは、各々に粉砕したものを混合しても良く、特に目的の鉱物組成にする手段は制限されるものではない。
粉砕したクリンカーのブレーン比表面積は、3000〜10000cm2/gが好ましく、4000〜6000cm2/gがより好ましい。ブレーン比表面積が3000cm2/g未満では強度発現性が低下し、10000cm2/gを超えると、流動性が低下する場合がある。
本発明に係るα−Al2O3は、バイヤープロセス等によって高純度化処理された水酸化アルミニウムをロータリーキルンにて焼成して得られる精製アルミナであって、Al2O3を90質量%以上含有する高純度アルミナであり、一般に、高純度アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、又は軽焼アルミナと呼ばれるものである。α−Al2O3を添加する目的は、不定形耐火物に、高耐火性、高温強度性及び体積安定性を付与する為である。
α−Al2O3、クリンカーと一緒に粉砕しても良く、クリンカーを粉砕したものと後で混入しても良い。
α−Al2O3、クリンカーと一緒に粉砕しても良く、クリンカーを粉砕したものと後で混入しても良い。
本発明では、不定形耐火物の流動性を向上させるために、さらに、セメント添加剤を併用することも可能である。
本発明に係るセメント添加剤(以下、添加剤という)は、例えば、カルボキシル基含有ポリエーテル系化合物、ポリアクリル酸類、糖類、リグニンスルホン酸類、リン酸類、硫酸塩、炭酸塩、及びケイフッ化物からなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。添加剤の種類の組合せは、適宜選択可能であって特に限定されるものではなく、不定形耐火物の使用目的に応じて、組合せを変えることが可能である。
ポリアクリル酸類とは、ポリアクリル酸やその誘導体又はそれらの塩類であって、具体的には、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エステル共重合体又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましく、共重合体としては架橋分岐型が好ましい。特に、本発明では、ポリアクリル酸ナトリウム、中でも低重合度の水に可溶な重合体で、固形分が90%以上で、25℃における40%濃度のスラリー粘度が10Pa・s以下のタイプのものの使用が、アルミナセメント組成物の流動性を向上する面から好ましく、50〜2,000Pa・sの粘度のものがより好ましい。
ポリアクリル酸類の水性スラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1質量%濃度のスラリーのpHが中性からアルカリ性であることが好ましく、特に、pHが7.5〜11のものがより好ましい。
糖類は、単糖及び多糖類が使用可能であり、具体的にはグルコース、フルクトース、デキストリン、及びショ糖等が挙げられる。
リグニンスルホン酸類としては、リグニンスルホン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ナトリウム塩の使用が好ましい。
リン酸類としては、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン酸、及びオルトリン酸又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ、工業的利用の観点から、ナトリウム塩の使用が好ましい。
硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、及び硫酸カルシウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、硫酸ナトリウムの使用が好ましい。
炭酸塩としては、無機炭酸塩のいずれも使用可能であり、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、炭酸ナトリウムの使用が好ましい。
ケイフッ化物としては、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウム、及びケイフッ化マグネシウムなどが挙げられ、工業的利用の観点から、ケイフッ化ナトリウムの使用が好ましい。
本発明で使用する添加剤の純度は特に限定されるものではないが、現在、工業的に精製されているものの使用が可能であり、純度が80質量%以上のものの使用が好ましい。添加剤の粒度は、水に溶解しやすいように細かい程好ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより好ましい。添加剤の配合量は、アルミナセメント100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.1質量部未満では、不定形耐火物の流動性が向上しなかったり、可使時間が短かったりする場合があり、一方、10質量部を超えると可使時間や硬化時間が長くなり過ぎる場合がある。
本発明において、添加剤の混合方法は、特に限定されるものではなく、添加剤を所定の割合になるように配合し、あらかじめ粉砕したアルミナセメントと、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサ、パン型ミキサ、及びオムニミキサなどの混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合でアルミナセメントに配合後、振動ミル、チューブミル、ボールミル、及びローラーミルなどの粉砕機で混合粉砕することが可能である。
本発明では、流動性の向上、高温での強度を付与する目的で、超微粉を併用することは好ましい。超微粉としては、アルミナ、マグネシア、スピネル、及びシリカなどの超微粉が挙げられる。この中で、アルミナやシリカの超微粉を配合することは、流動性や高温強度が向上する面から好ましい。超微粉の粒度は、平均粒子径で20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。超微粉の配合量は、アルミナセメント100質量部に対して、100質量部以下が好ましい。超微粉の配合量が100質量部を超えると、流動性が低下したり、可使時間が短くなったり、養生後の強度が低下したりする場合がある。
本発明では、アルミナセメント組成物と耐火骨材を含有してなるキャスタブルに、水を混合して不定形耐火物とする。
本発明に係る耐火骨材は、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシア、及び軽焼マグネシアなどのマグネシア、溶融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシアスピネル、並びに、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナなどのアルミナ、その他、溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、及び窒化珪素鉄等が挙げられる。
マグネシアとしては、水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムを溶融又は焼成した溶融マグネシア又は焼成マグネシアや、軽焼マグネシア、仮焼マグネシアなどを所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものなどが挙げられる。
マグネシアスピネルとしては、水酸化マグネシウムや仮焼マグネシアなどのマグネシア原料と、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、所定の割合になるように調合し、ロータリーキルンなどの焼成装置を用いて、約1,800〜1,900℃の温度で反応・焼結させたものや、電気炉等の溶融装置で溶融したものを、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これら焼成したものと溶融したものを混合したものなどが挙げられる。マグネシアスピネルにおけるMgO/Al2O3の質量比は、1/1〜0.1/1が好ましく、0.4/1〜0.2/1が不定形耐火物として配合した際、耐久性に優れる面からより好ましい。
アルミナとは、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、ロータリーキルンなどの焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結または溶融し、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものであって、鉱物組成として、α−Al2O3やβ−Al2O3などと示される酸化アルミニウムであり、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナなどと呼ばれるものであって、通常、Al2O3を90質量%以上含有するα−アルミナの使用が好ましい。
又、アルミナとジルコニアを溶融することで得られる、耐熱スポーリング性を向上させたアルミナ・ジルコニアクリンカーなどの使用も可能である。
耐火骨材は、通常、5〜3mm、3〜1mm、1mm下、200メッシュ下、及び325メッシュ下等のサイズのものを、要求物性に応じて配合することが好ましい。耐火骨材の使用量は、施工場所によって適宜決定すべきものであり特に限定されるものではないが、キャスタブル100質量部中、耐火骨材50〜99.5質量部であることが好ましく、耐食性と強度発現性の面から、耐火骨材85〜98質量部がより好ましい。
キャスタブルの製造方法は特に限定されるものではなく、通常の製造方法に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサ、パン型ミキサ、及びオムニミキサなどの混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
キャスタブルに、アルカリ水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金属マグネシウムなどの発泡剤や、ビニロンファイバー、ポリプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバーなどの有機繊維、窒素ガス発生分解繊維、乳酸アルミニウムなどの塩基性コロイド、並びに、フミン酸類等の爆裂防止材を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的で、配合することも可能である。
さらに、従来からセメントの流動性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性等の性状を改善する目的で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒドの縮合物等の界面活性剤、並びに、AE減水剤等を必要に応じて配合することも可能である。
不定形耐火物が水分と耐火骨材に分離する、所謂、材料分離を避けるため、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリアクリルアミド変性物又はその共重合体、及びポリビニルアルコールなどの増粘剤を配合することも可能である。
不定形耐火物を製造する際に使用する水の量は、通常の流し込みが可能な程度に設定されるもので、粒度構成や耐火骨材の気孔率等によって大きく影響を受けるが、概ね、アルミナセメント組成物と耐火骨材の合計100質量部に対して、15質量部以下が好ましい。
キャスタブル100質量部に対して、表1に示す種々の調整剤を合計1質量部添加した。次に、水8質量部(外割で添加)を加えてモルタルミキサーで4分間混練し、不定形耐火物を調製した。不定形耐火物の混練及び養生は、10℃と35℃の恒温室内で行った。結果を表1に示す。
<使用材料>
(1)調整剤a アルミン酸ナトリウム:水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウムを混合し、所定のモル比になるよう調整し、120〜140℃で反応させ、同時に余剰水を蒸発させてアルミン酸ナトリウムを製造し、300℃で乾燥し粉砕したもの。
(2)調整剤b クエン酸 :石津製薬社製 試薬品
(3)調整剤c クエン酸ナトリウム :扶桑化学社製 市販品
(4)調整剤d ホウ酸 :石津製薬社製 試薬品
(5)調整剤e ホウ酸ナトリウム :硼砂 市販品
(1)調整剤a アルミン酸ナトリウム:水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウムを混合し、所定のモル比になるよう調整し、120〜140℃で反応させ、同時に余剰水を蒸発させてアルミン酸ナトリウムを製造し、300℃で乾燥し粉砕したもの。
(2)調整剤b クエン酸 :石津製薬社製 試薬品
(3)調整剤c クエン酸ナトリウム :扶桑化学社製 市販品
(4)調整剤d ホウ酸 :石津製薬社製 試薬品
(5)調整剤e ホウ酸ナトリウム :硼砂 市販品
<キャスタブル配合>
(1)耐火骨材
電融アルミナ:昭和電工社製 50.4質量部
焼結アルミナ:昭和電工社製 24.5質量部
焼結マグネシア:宇部化学社製 3.6質量部
電融マグネシア:タテホ化学社製 3質量部
焼結マグネシアスピネル:新日本化学社製 6質量部
シリカヒューム:エルケム社製 0.5質量部
微粉アルミナA16SG:アルコア社製 2質量部
(2)アルミナセメント:電気化学工業製 ハイアルミナセメント 10質量部
(1)耐火骨材
電融アルミナ:昭和電工社製 50.4質量部
焼結アルミナ:昭和電工社製 24.5質量部
焼結マグネシア:宇部化学社製 3.6質量部
電融マグネシア:タテホ化学社製 3質量部
焼結マグネシアスピネル:新日本化学社製 6質量部
シリカヒューム:エルケム社製 0.5質量部
微粉アルミナA16SG:アルコア社製 2質量部
(2)アルミナセメント:電気化学工業製 ハイアルミナセメント 10質量部
<物性の測定方法>
フロー値:作製した不定形耐火物をJIS R 2521記載の方法に準じて測定した。
可使時間:フロー値が140mmになるまでの時間。
硬化時間:注水から水和発熱ピークまでにかかった時間。作製した不定形耐火物500gをポリビーカーに移し取り、白金測温抵抗体と打点式記録計により測定した。
養生強度:作製した不定形耐火物を4cm×4cm×16cmの型枠に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメントナイフで平らに整えた後、24時間養生後の圧縮強度を測定した。
乾燥強度:養生強度測定用供試体を110℃で24時間乾燥後、室温まで放冷し、圧縮強度を測定した。
フロー値:作製した不定形耐火物をJIS R 2521記載の方法に準じて測定した。
可使時間:フロー値が140mmになるまでの時間。
硬化時間:注水から水和発熱ピークまでにかかった時間。作製した不定形耐火物500gをポリビーカーに移し取り、白金測温抵抗体と打点式記録計により測定した。
養生強度:作製した不定形耐火物を4cm×4cm×16cmの型枠に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメントナイフで平らに整えた後、24時間養生後の圧縮強度を測定した。
乾燥強度:養生強度測定用供試体を110℃で24時間乾燥後、室温まで放冷し、圧縮強度を測定した。
表2に示す調製剤を、表2に示す各温度で2時間加熱処理した以外は、実施例1と同様に行い、経時変化における流動性の結果を表2に示す。
表3に示す調製剤を、使用した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
非晶質を含むCA、CA2及びC12A7をそれぞれ試験炉(電気炉)で製造し、ブレーン値が5000cm2/gになる様に粉砕した。CA、CA2、C12A7及びα-Al2O3を、表4の割合になるよう配合した以外は実施例1と同様に行った。なお、調整剤は、キャスタブル100重量部に対して、モル比1.2の調整剤a及びcをそれぞれ0.5質量部ずつ添加した。結果を表4に示す。
<使用材料>
α-Al2O3:日本軽金属社製、商品名「NMA20B」
α-Al2O3:日本軽金属社製、商品名「NMA20B」
表5に示すように、モル比1.0の調整剤aの粒度を変え、キャスタブル100質量部
に対して0.5質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
に対して0.5質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
Claims (10)
- R2O/Al2O3のモル比が0.8〜1.5のアルカリ金属アルミン酸塩を含有する凝結・硬化調整剤。
- 請求項1記載のアルカリ金属アルミン酸塩と、クエン酸、クエン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の群から選ばれる1種以上を含有する凝結・硬化調整剤。
- 30〜300℃に加熱処理することを特徴とする請求項1又は2記載の凝結・硬化調整剤。
- 500μm篩上が10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項記載の凝結・硬化調整剤。
- アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに、請求項1〜4のうちいずれか一項記載の凝結・硬化調整剤を添加してなる不定形耐火物。
- アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする請求項5記載の不定形耐火物。
- CaO・Al2O3/CaO・2Al2O3質量比が0.5〜5.0且つ12CaO・7Al2O3/CaO・Al2O3質量比が0.5以下であることを特徴とする請求項6記載の不定形耐火物。
- アルミナセメントと耐火骨材を含有するキャスタブルに、請求項1〜4のうちいずれか一項記載の凝結・硬化調整剤を添加することを特徴とする不定形耐火物の凝結、硬化調整方法。
- アルミナセメントが、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、12CaO・7Al2O3、非晶質及びα−Al2O3を含有することを特徴とする請求項8記載の不定形耐火物の凝結、硬化調整方法。
- CaO・Al2O3/CaO・2Al2O3質量比が0.5〜5.0且つ12CaO・7Al2O3/CaO・Al2O3質量比が0.5以下であることを特徴とする請求項9記載の不定形耐火物の凝結、硬化調整方法。
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JP2008157801A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Fujita Corp | 中性子遮蔽低放射化コンクリートおよびモルタル |
CN113443922A (zh) * | 2021-07-05 | 2021-09-28 | 安徽奇明新材料有限公司 | 一种改善施工性能的耐火浇注料结合剂及其应用 |
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2003
- 2003-12-17 JP JP2003419111A patent/JP2005179091A/ja active Pending
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