JP2013096764A - 放射線遮蔽用モルタル、これを用いた放射線遮蔽板及び放射線遮蔽容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不定形炭素等を除去したCNTを配合した放射線遮蔽用モルタルで作成した放射線遮蔽用容器である。その肉厚内に鉛板を配してある。水100mLに塩化アンモニウム6.19g及びペンタエリトリトール1.76gを溶解させた第1の溶液と、水50mLにジシアンジアミド1.75gを溶解させた第2の溶液とを混合して第3の溶液を作成し、この第3の溶液に、プロピレングリコール0.02g、CNT5g及び水850mLを加えて撹拌した後に濾過し、不定形炭素成分を除去したCNT分散液を得る。セメント15kgと砂45kgを混合した空練りモルタル60kgに、透明なCNT分散液1000mLを加えて混練し、放射線遮蔽用モルタルを作成し、これで成形した。
【選択図】 図2
Description
また以上において、前記ひび割れ誘発目地材は、その一端が密封体と対向しない側の放射線遮蔽用コンクリートの壁面に位置し、かつその一端に対向する他端が外壁面から放射線遮蔽用コンクリートの厚み方向における、該厚みの15〜50%に位置し、角度αが、放射線の放射方向とひび割れ誘発目地材における一端との交差角であって、30〜50°であるものである。
またひび割れ誘発目地材は、鉛、ステンレス、鋼のいずれかよりなるものである。
更に以上の方法で作成される放射線遮蔽用コンクリートである。
そして以上の放射線遮蔽用コンクリートは、更にホウ素含有化合物を含有し、該ホウ素含有化合物がコレマナイトであり、前記粗骨材が電融アルミナからなり、前記ハイアルミナセメントのブレーン比表面積が4000〜5000cm2 /gである等のものである。
CNTをモルタルに、重量比で、モルタル:CNT=100:0.0080〜0.015の割合で配合したものである。
前記CNTとして不定形炭素を含む黒色炭素成分を除去したそれを採用したものである。
水に塩化アンモニウム及びペンタエリトリトールを、重量比で、水:塩化アンモニウム:ペンタエリトリトール=100:6.04〜6.34:1.72〜1.80の割合で混合して作成した第1の溶液と、
水にジシアンジアミドを、重量比で、水:ジシアンジアミド=50:1.71〜1.79の割合で混合して作成した第2の溶液とを、
前記第1の溶液と第2の溶液とが、重量比で、第1の溶液:第2の溶液=100:47.8〜48.0の割合になるように混合して第3の溶液を作成し、
この第3の溶液にCNT及び希釈水を、重量比で、第3の溶液:CNT:希釈水=150:5:850の割合で混合して撹拌・濾過することで、CNTから不定形炭素を含む黒色炭素分を除去したものである。
前記第3の混合溶液にCNT及び希釈水に加えてプロピレングリコールを、重量比で、第3の溶液:CNT:希釈水:プロピレングリコール=150:5:850:0.02の割合で混合して撹拌・濾過することで、CNTから不定形炭素を含む黒色炭素分を除去したものである。
表面又は裏面若しくは内部に鉛板を配したものである。
外面又は内面若しくは内部に鉛板を配したものである。
前記鉛板の厚さを0.3〜2.0mmの範囲で設定するものである。
前記鉛板の厚さを0.3〜2.0mmの範囲で設定するものである。
硫黄と石炭灰と鉄粉とを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉=25:45:30の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を表面又は裏面若しくはその双方にコーティングしたものである。
硫黄と石炭灰と鉄粉とを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉=25:45:30の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を外面又は内面若しくはその双方にコーティングしたものである。
硫黄と石炭灰と鉄粉とジシクロペンタジエンとを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉:ジシクロペンタジエン=25:45:30:1.25の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を表面又は裏面若しくはその双方にコーティングしたものである。
硫黄と石炭灰と鉄粉とジシクロペンタジエンとを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉:ジシクロペンタジエン=25:45:30:1.25の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を外面又は内面若しくはその双方にコーティングしたものである。
前記セメントとしては最も一般的なポルトランドセメントを使用し、前記細骨材である砂は、篩にかけて2mm以下の粒径に調整したものを使用した(以下の他の実施例においても同様)。前記CNTは、製造の過程で生じた不定形炭素等の黒色炭素成分を含むそれであり、かつ単層及び多層のそれが混合状態になっているものを採用した(以下の他の実施例においても同様)。
またこの実施例1の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は、32.7%であった。
またこの実施例2の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は、36.4%であった。
水100mLに塩化アンモニウム6.19g及びペンタエリトリトール1.76gを溶解させた第1の溶液と、水50mLにジシアンジアミド1.75gを溶解させた第2の溶液とを混合して第3の溶液を作成し、この第3の溶液に、プロピレングリコール0.02gと共に、CNT5g及び水850mLを加えてよく撹拌した後に濾過する。こうして不要な黒色の成分が除去され、透明なCNT分散液が得られる。
またこの実施例3の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は、39.5%であった。
またこの実施例4の放射線遮蔽容器2は、容器本体2a及び蓋体2bの内部に鉛板2cを埋設したものであるが、鉛板2cは厚さが1mmであり、容器本体2a及び蓋体2bはいずれも厚さが50mmと十分に薄いので非常に軽量のものとなった。
更にこの実施例4の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は79.2%であった。
更にこの実施例5の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は84.4%であった。
この実施例6の放射線遮蔽容器は、容器本体及び蓋体の厚さが70mmと実施例5のそれより厚くなったが、コンクリートによって作成される一般のそれと比較すれば、十分に薄いので非常に軽量のものである。
更にこの実施例6の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は93.0%であった。
水100mLに塩化アンモニウム6.19g及びペンタエリトリトール1.76gを溶解させた第1の溶液と、水50mLにジシアンジアミド1.75gを溶解させた第2の溶液とを混合して第3の溶液を作成し、この第3の溶液に、プロピレングリコール0.02gと共に、CNT5g及び水850mLを加えてよく撹拌した後に濾過する。こうして不要な黒色の成分を除去され、透明なCNT分散液が得られる。
またこの実施例7の放射線遮蔽用容器2は、内部に鉛板2cを配してあるが、それは1mmの厚さのものに過ぎず、これ自体の厚さも50mmと十分に薄いので非常に軽量のものとなっている。
またこの実施例7の放射線遮蔽容器2は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は、84.1%であった。
この実施例8の放射線遮蔽容器は、容器本体及び蓋体の厚さが70mmと実施例7のそれより厚くなったが、コンクリートによって作成される一般のそれと比較すれば、十分に薄いので非常に軽量のものである。
更にこの実施例8の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は93.4%であった。
更にこの実施例9の放射線遮蔽容器は、後記放射線遮蔽試験に従って試験した結果、ガンマー線に対するその放射線遮蔽率は96.1%であった。
この比較例1は一般的なモルタルで作成した放射線遮蔽用容器に関する。
セメント15kgと細骨材(砂)45kgを均一に混合した空練りモルタルに、水1Lを加えて撹拌し、フレッシュモルタルを作成した。
前記セメントとしては、実施例1〜9で使用したのと同様の最も一般的なポルトランドセメントを使用し、前記細骨材である砂も、実施例1〜9で使用したものと同様に、篩にかけて2mm以下の粒径に調整したものを使用した。
この比較例2は一般的なモルタルで作成した放射線遮蔽容器であって、比較例1の放射線遮蔽容器とはその一部の寸法のみが異なるものである。すなわち、放射線遮蔽容器を構成する容器本体の厚さ、より具体的には、その周側部と底部の厚さが、比較例1では、50mmであるのに対し、比較例2では、70mmであり、放射線遮蔽容器を構成する他の要素である蓋体の厚さが、比較例1では、50mmであるのに対して、比較例2では、70mmであることである。他の寸法は全て同一である。
試験方法:測定対象汚泥の放射する放射線量を室外の一定地点の一定高さ位置で測定し、その測定値から予め測定しておいた該一定地点の該一定高さ位置の空間線量の値を減算し、得られた値を測定対象汚泥の放射線量(汚泥放射線量)とする。
前記測定対象汚泥を収納した放射線遮蔽容器を前記室外の一定地点の一定高さ位置に配置し、その外部の所定位置で、放射線量を測定し、その測定値から予め測定しておいた該一定地点の該一定高さ位置の空間線量の値を減算し、得られた値を放射線遮蔽容器を透過した測定対象汚泥の放射線量の値(透過放射線量)とする。
放射線遮蔽容器の放射線遮蔽率は、
放射線遮蔽率=(汚泥放射線量−透過放射線量)/汚泥放射線量×100
で求めた。
基準となる測定対象汚泥は、福島第1原発の排水路空採取した汚泥であり、用いた放射線測定装置は、環境放射線モニタ PA-1000 Radi(株式会社堀場製作所)である。この放射線測定装置の仕様は、以下の表1に示すとおりである。
実施例1、2は、一定割合でCNTを配合したモルタルで作成した放射線遮蔽容器であり、これをCNTを配合していない比較例1、2と比較すると、前者の方が遮蔽率が高く、後者の方が低いことから、CNTを配合することにより、モルタルの放射線遮蔽能力が向上することが分かる。
1a 容器本体
1b 蓋体
2 放射線遮蔽容器
2a 容器本体
2a1 周側部
2a2 底部
2b 蓋体
2c 鉛板
3 放射線遮蔽容器
3a 容器本体
3b 蓋体
3c 鉛板
Claims (15)
- CNTを配合したモルタルで作成した放射線遮蔽モルタル。
- CNTをモルタルに、重量比で、モルタル:CNT=100:0.0080〜0.015の割合で配合した請求項1の放射線遮蔽用モルタル。
- 前記CNTとして不定形炭素を含む黒色炭素分を除去したそれを採用した請求項1又は2の放射線遮蔽用モルタル。
- 水に塩化アンモニウム及びペンタエリトリトールを、重量比で、水:塩化アンモニウム:ペンタエリトリトール=100:6.04〜6.34:1.72〜1.80の割合で混合して作成した第1の溶液と、
水にジシアンジアミドを、重量比で、水:ジシアンジアミド=50:1.71〜1.79の割合で混合して作成した第2の溶液とを、
前記第1の溶液と第2の溶液とが、重量比で、第1の溶液:第2の溶液=100:47.8〜48.0の割合になるように混合して第3の溶液を作成し、
この第3の溶液にCNT及び希釈水を、重量比で、第3の溶液:CNT:希釈水=150:5:850の割合で混合して撹拌・濾過することで、CNTから不定形炭素を含む黒色炭素分を除去することとした請求項3の放射線遮蔽用モルタル。 - 前記第3の混合溶液にCNT及び希釈水に加えてプロピレングリコールを、重量比で、第3の溶液:CNT:希釈水:プロピレングリコール=150:5:850:0.02の割合で混合して撹拌・濾過することで、CNTから不定形炭素を含む黒色炭素分を除去した請求項4の放射線遮蔽用モルタル。
- 請求項1、2、3、4又は5の放射線遮蔽用モルタルで作成した放射線遮蔽板。
- 請求項1、2、3、4又は5の放射線遮蔽用モルタルで作成した放射線遮蔽容器。
- 表面又は裏面若しくは内部に鉛板を配した請求項6の放射線遮蔽板。
- 外面又は内面若しくは内部に鉛板を配した請求項7の放射線遮蔽容器。
- 前記鉛板の厚さを0.3〜2.0mmの範囲で設定する請求項8の放射線遮蔽板。
- 前記鉛板の厚さを0.3〜2.0mmの範囲で設定する請求項9の放射線遮蔽容器。
- 硫黄と石炭灰と鉄粉とを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉=25:45:30の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を表面又は裏面若しくはその双方にコーティングした請求項6、8又は10の放射線遮蔽板。
- 硫黄と石炭灰と鉄粉とを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉=25:45:30の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を外面又は内面若しくはその双方にコーティングした請求項7、9又は11の放射線遮蔽容器。
- 硫黄と石炭灰と鉄粉とジシクロペンタジエンとを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉:ジシクロペンタジエン=25:45:30:1.25の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を表面又は裏面若しくはその双方にコーティングした請求項6、8又は10の放射線遮蔽板。
- 硫黄と石炭灰と鉄粉とジシクロペンタジエンとを、重量比で、硫黄:石炭灰:鉄粉:ジシクロペンタジエン=25:45:30:1.25の割合で混合し、その混合物を120〜150℃に加熱・撹拌し、生じた流動体を外面又は内面若しくはその双方にコーティングした請求項7、9又は11の放射線遮蔽容器。
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