JP3105600B2 - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP3105600B2 JP03311341A JP31134191A JP3105600B2 JP 3105600 B2 JP3105600 B2 JP 3105600B2 JP 03311341 A JP03311341 A JP 03311341A JP 31134191 A JP31134191 A JP 31134191A JP 3105600 B2 JP3105600 B2 JP 3105600B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】内視鏡として、イメージガイドファイバ
ーを用いたファイバースコープが多く利用されている。
しかし最近では、イメージガイドの代りに各種固体撮像
素子を用いたビデオスコープも多く使用されるようにな
った。
【0003】ビデオスコープの撮像方式には、主として
面順次方式と点順次方式とがある。ここで、点順次方式
とは、固体撮像素子の各絵素に対応させて微少な色フィ
ルターをモザイク状に集積した色符号化フィルター(通
常カラーモザイクフィルター等と呼ばれている)を固体
撮像素子の入射側に設けて色信号を得るようにしたもの
である。
【0004】モザイク式の撮像素子を用いた場合、固体
撮像素子の各絵素上に各色フィルターが配置されてい
る。しかし、フィルターと固体撮像素子の受光素子の受
光面との間隔が離れていると固体撮像素子に対して大き
な入射角をなす光線は、色フィルターを通過後、本来入
射すべき絵素に入射せず、それに隣接する絵素上に入射
して得られる画像が色むら(色シェーディングと云う)
が生ずることがある。これは、例えば図19に示す特開
昭62−173415号に記載されたもののように、撮
像素子に対し斜めに入射するようなタイプのレンズ系で
は、色シェーディングを防ぐことは出来ない。
【0005】また、上記の欠点を解消する手段として特
開平2−74912号公報に記載されている光学系があ
る。
【0006】この光学系は図20に示す通りで、物体側
から順に、強い負のパワーの凹レンズと凸レンズと明る
さ絞りと赤外カットフィルターと接合レンズとフィール
ドレンズと、そして最も像側に光学的ローパスフィルタ
ーを配置したものである。
【0007】この光学系は、強い負のパワーの凹レンズ
で発生するコマ収差、非点収差を補正するために明るさ
絞りより前に凸レンズを配置している。又この凸レンズ
で、前記の凹レンズで発生する倍率の色収差も補正して
いる。
【0008】しかしこの対物レンズは、構成レンズ枚数
が多い。
【0009】また、レンズ枚数を減らして比較的簡単な
構成にしようとすると、各レンズのパワーが総体的に増
大し、それに伴って諸収差が増加する。この収差を補正
するためにはレンズ系の全長が長くなり内視鏡により要
求されるコンパクト性が保てなくなる。又後群の接合レ
ンズを単レンズにすると倍率の色収差を十分補正できな
くなる。
【0010】また固体撮像素子の直前に配置される水晶
フィルター等による光学ローパスフィルターは、内視鏡
が細くなるに伴ない固体撮像素子が小さくなると加工が
難しくなり非常に高価になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、テレ
セントリック系で、広角で、全長が短く外径が小さくレ
ンズ枚数が少くかつ収差が良好に補正された対物レンズ
を備えた内視鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡は、対物
レンズと撮像素子とを備えていて、対物レンズが、図9
に示すように物体側より順に、負のパワーを有する第1
レンズL1 と、正のパワーを持ち像側に凸面を持つ第
2レンズL2 と、明るさ絞りSと、明るさ絞り直後に
配置されているフィルター群Fと、両凸レンズの第3レ
ンズL3 と、平凹レンズの第4レンズL4 との接合レ
ンズとよりなり、前記接合レンズが撮像素子に密着され
ているレンズ系で、次の条件を満足するものである。 (1) 0.18<Im/fR <0.642 (2) 0.1<|f1/f2 |<2(3) |ν 1 −ν 2 |<15 (4) 0.5f<f R <5f (5) |ν 3 −ν 4 |≧20 ただし、f R は第3レンズと第4レンズの合成焦点距
離、I m はレンズ系の最大像高、f 1 ,f 2 は夫々第1
レンズおよび第2レンズの焦点距離、ν 1 ,ν 2 ,ν
3 ,ν 4 は夫々第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、
第4レンズのアッベ数である。
【0013】更に本発明では、明るさ絞り近傍に光学的
ローパス効果を持つ面を少なくとも1面有している。
【0014】本発明は、特開平2−74912号公報に
記載されたレンズ系における明るさ絞りより後ろに配置
した接合レンズとフィールドレンズの機能を、収差補正
能力を劣化させずに一体化したもので、一体化のために
撮像素子直前に配置されていた複屈折板をなくしたもの
である。
【0015】本発明の対物レンズは、前記のように負の
屈折力を有する第1レンズL1 と明るさ絞りSとの間に
正のパワーを持つ第2レンズL2 を配置し像に対し凸面
を向けたことによって、第1レンズL1 の凹面で発生す
るマイナス側のコマ収差と反対のプラス側のコマ収差を
第2レンズL2 の後面で発生させることによって明るさ
絞り前側でコマ収差を良好に補正できる。ここでコマ収
差の符号は、ガラス像面上で主光線より光軸側で結像さ
せる方向をマイナス、その逆をプラスとする。
【0016】次に非点収差に関しては、第1レンズL1
の凹面で発生するプラスの非点収差は、第2レンズL2
の後面でマイナスの非点収差を発生させて補正するよう
にしている。このように絞りより前の前群で発生するコ
マ収差、非点収差を前群中で除去することが可能であ
る。
【0017】又明るさ絞りの後ろ側では、フィールドレ
ンズとしての機能を持ち、撮像素子例えばCCDにほぼ
垂直に主光線が入射するように配置されている。
【0018】またこの時は、第3レンズL3 と絞りSと
の間はある程度あけて第3レンズL3 のパワーが強すぎ
ないようにして、第3レンズL3 の物体側の面で発生す
る非点収差を小さく抑えておかないと接合面では補正で
きない。また、前群で発生する非点収差を補正不足にし
て、前記第3レンズL3 の物体側の面でバランスさせる
ようにすると、明るさ絞りSと第3レンズL3 の間に収
差補正上も有利であり、フィルターをおくスペースをと
ることが出来る。
【0019】以上のようにして色収差以外は、良好に補
正することが出来る。
【0020】色収差に関しては、絞りより前と後ろとで
独立して補正することが出来、明るさ絞りよりも物体側
に第2レンズを配置したので、第1レンズと第2レンズ
とで打消し合うようにすることが出来る。このようにし
て、第1レンズと第2レンズともパワーを強くすること
が可能であり、それによって小型化できる。
【0021】明るさ絞りより後ろ側でも第3レンズの凸
のパワーで発生するマイナスの色収差をこの第3レンズ
と第4レンズの接合面で十分補正できる。
【0022】最近、CCDも高画素化が進み、人体中
(胃や腸)では、高い空間周波数を持つ物体がないの
で、物体とCCDとの干渉でのモアレが生じにくい。そ
のため、従来モアレ除去のためにこの位置に配置されて
いた水晶等のローパスフィルターを省略出来、接合レン
ズを含んだフィールドレンズにすることが出来る。
【0023】このような構成の光学系は、後群にフィル
ターを配置するための条件が必要になる。
【0024】条件(1)は、フィルターを配置した時
に、入射する光線のフィルターへの入射角度に制限を加
えたものである。
【0025】赤外カットフィルター,YAGカットフィ
ルター等を用いるビデオスコープの場合、前述のように
明るさ絞りの直後に上記のフィルターを配置し、条件
(1)を満足するようにすることが望ましい。
【0026】図9に示すように、像面に入射する主光線
が垂直である光学系は、明るさ絞りを通過する軸外主光
線の光軸に対する角度をθ' とすると次のように表わす
ことが出来る。 sin θ' =I/fR ただしIは像高である。
【0027】通常、干渉型の赤外カットフィルターは、
光線の入射角が大になると、赤外域の透過率が急激に高
くなり、赤外域の光を遮断することが出来なくなる。
【0028】また吸収型フィルターは、光線の入射角が
大になると、像高の違いにより硝路に差が生ずるため、
画面上の色むらの原因になる。
【0029】以上のことから、干渉型フィルターも、吸
収型フィルターも、それへの入射角を小にする必要があ
る。その角度は、約40°以下で、条件(1)の上限を
満足すると色むらを除去できる。逆に条件(1)の上限
を越えると色むらを生じ好ましくない。
【0030】また下限を越えると後群の全長が長くなり
光学系が大型化し好ましくない。条件(2)は、前群に
おける収差を良好に補正するためのものである。
【0031】この条件(2)の下限を越えると第1レン
ズのパワーが第2レンズのパワーに対し強すぎて、第1
レンズで発生するマイナスのコマ収差やプラスの非点収
差が第2レンズで補正できなくなる。
【0032】逆に条件(2)の上限を越えると、第2レ
ンズによる補正が過剰になり好ましくない。
【0033】上記条件(2)を満足した状態で前群での
色収差をある程度補正するためには、次の条件(3)を
満足することが望ましい。 (3) |ν1 −ν2 |<15 ただしν1 ,ν2 は夫々第1レンズおよび第2レンズの
アッベ数である。この条件(3)を満足しないと、前群
での色収差の補正が出来なくなり、後群で補正しようと
しても倍率の色収差と軸上の色収差を同時に補正するこ
とが出来なくなる。次に明るさ絞りの直後にフィルター
を置くスペースを確保するために、下記条件(4)を満
足することが好ましい。 (4) 0.5f<fR <5f 本発明の対物レンズは、テレセントリック系であるため
図3からもわかるようにfR ≒Ds(Ds は明るさ絞り
から第3レンズの物体側の面の面頂までの空気換算長)
という関係が成立つ。
【0034】Ds は絞り直後のフィルターを配置するス
ペースであり、条件(4)はある特性を持ったフィルタ
ーを配置するための条件である。
【0035】条件(4)の下限を越えるとフィルターを
配置することが出来なくなる。上限を越えるとレンズ系
の全長が伸びすぎて大型化し実用的でなくなる。また無
理に前群によって短くしようとすると後群のパワーが弱
くなりすぎテレセントリック系にならなくなる。
【0036】又後群でもある程度色収差の発生を抑える
ようにするためには、次の条件(5)を満足することが
望ましい。 (5) |ν3 −ν4 |≧20 ただしν3 ,ν4 は夫々第3レンズ、第4レンズのアッ
ベ数である。
【0037】後群での倍率の色収差を単独で抑えるには
上記条件(5)を満足する必要がある。
【0038】また、この対物レンズは、固定焦点である
ため、被写界深度をかせぐためあまりFナンバーを大き
くすることができない。そのため、CCDに入射する光
束の太さは制限され、CCDに近い面にゴミが付着する
とその影がCCDに写りやすい。
【0039】この欠点を解消するために本発明では、フ
ィールドレンズつまり図3の第3レンズL3 と第4レン
ズL4 の接合レンズはゴミ付着の防止に役立つ構成にな
っている。つまり第3レンズL3 と第4レンズL4 で構
成される像側の面を平面にしてCCDのカバーガラス又
はCCDに直接接着又は密着して、下記の条件(6)を
満足するようにしている。 (6) 0.5f<DR <5f ただしDR は第3レンズL3 の物体側の面から結像位置
までの空気換算長である。
【0040】このレンズ系においては、最もゴミが付着
しやすいのは、第3レンズL3 の物体側の面であり、こ
の面との間隔が大であればゴミによる影響がなくなる。
つまりDR が条件(6)の下限値以上であることが望ま
しく、この条件の下限を越えるとゴミの影が写りやすく
なる。又条件(6)の上限を越えDR が大になると、主
光線が垂直に入射するためにフィールドレンズの外径が
大になり実用上好ましくない。
【0041】
【実施例】次に本発明の内視鏡対物レンズの各実施例を
示す。 実施例1 f=1.000 ,F/5.481 ,IH=0.8021 ,物点距離=-9.7222 r1 =∞ d1 =0.2222 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =0.5376 d2 =0.3472 r3 =1.3829 d3 =0.9208 n2 =1.64769 ν2 =33.80 r4 =-0.9650 d4 =0.1042 r5 =∞(絞り) d5 =0.0208 r6 =∞ d6 =0.2778 n3 =1.52287 ν3 =59.89 r7 =∞ d7 =0.0208 r8 =∞ d8 =1.0417 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r9 =∞ d9 =0.7549 r10=1.6092 d10=1.0488 n5 =1.72916 ν5 =54.68 r11=-1.8194 d11=0.8532 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r12=∞ d12=0.2778 n7 =1.52287 ν7 =59.89 r13=∞ Im /fR =0.326 ,|f1 /f2 |=0.587 ,|ν1 −ν2 |=6.98 , fR /f=2.461 ,|ν3 −ν4 |=30.9 ,DR /f=1.29 実施例2 f=1.000 ,F/5.636 ,IH=0.7804 ,物点距離=-9.4595 r1 =∞ d1 =0.1741 n1 =1.51633 ν1 =64.15 r2 =0.4113 d2 =0.6757 r3 =-30.5166 d3 =0.3971 n2 =1.61405 ν2 =54.95 r4 =-0.7508 d4 =0.1014 r5 =∞(絞り) d5 =0.0203 r6 =∞ d6 =0.2703 n3 =1.52287 ν3 =59.89 r7 =∞ d7 =0.0203 r8 =∞ d8 =1.0135 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r9 =∞ d9 =0.9285 r10=1.4373 d10=1.3514 n5 =1.65844 ν5 =50.86 r11=-1.4377 d11=0.5100 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r12=∞ d12=0.2703 n7 =1.52287 ν7 =59.89 r13=∞ Im /fR =0.293 ,|f1 /f2 |=0.639 ,|ν1 −ν2 |=9.2 , fR /f=2.659 ,|ν3 −ν4 |=27.08 ,DR /f=1.31 実施例3 f=1.000 ,F/5.297 ,IH=0.8128 ,物点距離=-9.8522 r1 =∞ d1 =0.2252 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =0.5321 d2 =0.3519 r3 =1.2799 d3 =0.8707 n2 =1.64769 ν2 =33.80 r4 =-0.9606 d4 =0.1056 r5 =∞(絞り) d5 =0.0211 r6 =∞ d6 =0.2815 n3 =1.52287 ν3 =59.89 r7 =∞ d7 =0.0211 r8 =∞ d8 =1.0556 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r9 =∞ d9 =0.7210 r10=1.6137 d10=1.0724 n5 =1.72916 ν5 =54.68 r11=-2.0150 d11=0.6162 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r12=∞ d12=0.2815 n7 =1.52287 ν7 =59.89 r13=∞ Im /fR =0.333 ,|f1 /f2 |=0.603 ,|ν1 −ν2 |=6.98 , fR /f=2.44 ,|ν3 −ν4 |=30.9 ,DR /f=1.22 実施例4 f=1.000 ,F/5.340 ,IH=0.8327 ,物点距離=-10.0937 r1 =∞ d1 =0.2307 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =0.7089 d2 =0.6870 r3 =1.6655 d3 =1.0718 n2 =1.74950 ν2 =35.27 r4 =-1.5461 d4 =0.1081 r5 =∞(絞り) d5 =0.0216 r6 =∞ d6 =0.2884 n3 =1.52287 ν3 =59.89 r7 =∞ d7 =0.0216 r8 =∞ d8 =1.0815 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r9 =∞ d9 =0.5078 r10=1.3148 d10=1.0941 n5 =1.51112 ν5 =60.48 r11=-2.1699 d11=0.4596 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r12=∞ d12=0.2884 n7 =1.52287 ν7 =59.89 r13=∞ Im /fR =0.231 ,|f1 /f2 |=0.643 ,|ν1 −ν2 |=5.51 , fR /f=3.602 ,|ν3 −ν4 |=36.7 ,DR /f=1.21 ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d
1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n
1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・
は各レンズのアッベ数である。
【0042】これら実施例1〜4は夫々図1〜4に示す
もので、明るさ絞り直後の2枚の平行平面板は、物体側
よりYAGレーザー等のCCDへの影響を除去するYA
Gレーザーカットフィルター等で、次に赤外線カットフ
ィルターである。
【0043】これら実施例では、条件(1)を満足する
ことによって、最大像高における主光線のフィルター群
への入射角度は25°になっている。また第1レンズで
発生するコマ収差,非点収差を補正するために第2レン
ズの明るさ側の面は、像側に凸になっている。
【0044】以上の実施例1〜4においては、水晶フィ
ルターを省略したために物体中に高い空間周波数を持つ
部分があったり、白い小さい輝点があったりすると、そ
の部分においてモアレが発生するおそれがある。
【0045】これを防ぐためには、次に述べるような構
成を採用することが効果的である。
【0046】内視鏡を用いて人体の中を観察する時など
は、被写体とCCD等の固体撮像素子との干渉で生ずる
モアレと呼ばれる現象が生じにくい。しかし、人体内で
あっても観察される被写体に白い小さな輝点がある場
合、これをCCDで撮像すると、白い輝点のまわりに疑
白と呼ばれる色モアレが生ずる。
【0047】また、内視鏡は、医療用だけでなく、工業
用として、水道管のパイプの中やエンジンの中を観察、
検査する場合もある。この場合は、被写体として、高い
空間周波数を持つ物体が多く、モアレが生じ易く実際に
使用する上で支障をきたす。
【0048】本発明の対物レンズは、次に述べるように
して、前記の状況に対応し得るようにしている。
【0049】一般に離散的なサンプリング構造を持つ撮
像素子とこの撮像素子のサンプリングによるナイキスト
限界とが存在し、物体面を所定の結像面に形成するため
の撮像光学系とを有する構成で、像に均一なボケを与え
る事が可能な光学的ローパス効果を持つ面を1面以上撮
像光学系の明るさ絞りの近傍に配置すればよい。
【0050】ここで前記のローパス効果をもつ面は、次
の条件(7)を満足することが望ましい。 (7) S/2≦fR sin {|θm |(n1-n0 /n0 )}≦3S ただし|θm |<90° ここでSは固体撮像素子の輝度信号を得るための最小サ
ンプリング間隔、θmはローパス効果を持つ面の法線と
その面の基準面の法線との角度差の最大値、n0 ,n1
は夫々光学的ローパス効果を持つ面の物体側と像側の媒
質の屈折率である。
【0051】このような光学的ローパス効果を与えるた
めには、例えば結像面に均一な方向性のある高次の収差
を与える方法がある。図10は、上記の方法を採用した
光学系の構成を示すもので、CCDの水平走査方向に対
してのみ、高次収差によるぼけを与えるため明るさ絞り
の直後に水平走査方向にほぼ合致させた方向に、1周期
以上のほぼ波状の形をした面を有するフィルターを配置
したものである。このフィルターは、CCDの水平走査
方向にほぼ垂直な平面状でシリンドリカル状をしてい
る。
【0052】このモアレ除去手段の原理を次に説明す
る。
【0053】図11は、明るさ絞りより後方の後群を示
している。後群のレンズ群2の焦点距離をfR とし、光
軸に対して法線の角度がθである面R1 を持つフィルタ
ー1を配置する。
【0054】ここで後群のレンズ群1が球面収差が良好
に補正されていれば軸上光線は結像面に集まる。しかし
この軸上光線はフィルターの面R1によって屈折し光軸
に対してΔi の角度を持つ。
【0055】この時、次の関係が成立つ。 B=fR sin Δi (a) 又Δi ≒θ(n1-n0 /n0 )である。
【0056】ここで、n0 ,n1 は夫々面R1の物体側
と像側の媒質の屈折率である。したがって、Bは次の式
で与えられる。 B=fR sin {θ(n1-n0 /n0 )} (b) 図12は他の光学的ローパス効果を有する面で、更に複
雑な形状で、うねりを持たせた形状である。
【0057】この図12において、光軸をz軸、CCD
走査方向をx軸、垂直方向をy軸にとった時、x方向に
のみ図12に示すようなうねりを持つ面は、次の式
(c)にて表わせる。 z=f(x) (c) この場合、上記の値を基準面からのずれ量と呼ぶことに
する。
【0058】この時、この面の傾きによる光線角度の変
化Δi は下記式(d)のようになる。 Δi ={df(x)}/dx
(d) 式(a)より次の式が求まる。 B=fR sin {df(x) /dx(n1-n0 /n0)}
(e) また図11および図12のような面によりどのような高
次の収差が発生するかを示したのが夫々図13および図
14である。
【0059】既に式にて表わしたように面の形状とBと
の関係は式(a)および式(e)にて示す通りである。
【0060】図13(A)は、面の形状の基準面からの
ずれを示している。ここで基準面とは、光学系の球面収
差が充分補正されている状態での面と考えることが出
来、平面とは限らない。
【0061】図13(B)は式(c)より求めたBの値
を示してある。
【0062】この形状の面を用いると、図15の(A)
に示すようにスポットが2点に分離する。ただしΔB
は、Bの最大値の絶対値である。そのためレスポンス
(MTF)は、図15の(B)のようにコサインカーブ
に近いものになる。
【0063】図14の(A)は、明るさ絞りの開口の範
囲内に基準面に対して1周期以上のうねりを持たせた面
で、この形状の面による高次の収差は、式(f)より、
図14の(B)のような形状になる。このような形状の
面を用いるとスポットが図16の(A)に示すように矩
形状に近くなるので、MTFは図16の(B)のように
なり、図15の(B)より低周波では、MTFが低いが
高周波では、よく押えられるMTFとなる。
【0064】次に前記の光学的ローパス効果を有する面
形状を組合わせた図17の(A)に示すものも考えられ
る。
【0065】この面形状によれば、図18に示すような
MTFを得ることが出来る。
【0066】以上の説明は、一つの面の一つの方向につ
いて述べてきた。しかし他の方向例えば垂直方向の他の
面に対してこのような光学的ローパス効果を生じさせる
ことも可能である。この場合同一の面に同時に2方向以
上ローパス効果を生ずるようにしてもよく、又光軸に対
し回転対称にしてもよい。
【0067】一つの面に同時に2方向に効果を生じさせ
る場合、次の式(f)で表わされる面になる。 Z=f(x) ×f(y) (f) 又回転対称の面については、次の式(g)で表わされ
る。 Z=f(r) (g) ここで基準面の取り方について説明する。
【0068】本発明は、収差が良好に補正された対物レ
ンズの一つの面を変形することによって、光学的ローパ
スフィルターの効果を付与するようにしたものである。
したがって基準面は、変形を取り除いた時に諸収差が良
好に補正されているような面である。より具体的には、
本発明の光学的ローパスフィルターの効果を有する面
は、対物レンズの瞳近傍に設けられていることが多いの
で、球面収差が最小になるような面が基準面である。
【0069】本発明では、基準面の形状を平面、球面、
回転楕円面、回転双曲面のいずれかとし、例えば基準面
を球面とする場合は、球面収差が最も小さくなるような
曲率半径のものを基準面と考える。そして基準面が球面
の場合には、基準面からのずれ量は、いわゆる非球面量
そのものとなる。
【0070】ここで図18,19,21からわかるよう
に、ΔBの値は、スポットの径を決める。このΔBの値
は、式(c),式(f)ともに、光学的ローパス効果を
持つ面の法線と基準面の法線との角度の差をθとしその
最大値をθm とすると次の式で表わすことが出来る。 ΔB=fR sin{|θm |(n1-n0/n0)} ただし|θm |<90° 同時式の固体撮像阻止として現在主流なのは、テレビジ
ョン学会誌37巻10号(1983年)頁89−96の
「フィルド蓄積モードCCDの単板カラー化方式」に記
載された撮像方式によるものである。
【0071】上記文献に記載された撮像方式は、固体撮
像素子の前に図21のような色配列を持つ色フィルター
アレイを配置し、画像信号を読み出す際に垂直方向(図
面上下方向)の隣接する2画素の信号を混合するように
したものである。即ち第1フィールド(Aフィールド)
では、図中右側に示されたように垂直2画素を混合して
水平走査を行ない、第2フィールド(Bフィールド)で
は、図中左側に示されたように垂直方向に1画素ずつ水
平走査を行なう。このとき、Aフィールドにおけるnラ
イン,n+1ラインの輝度信号をYAn,YAn+1、Bフィ
ールドにおけるnライン,n+1ラインの輝度信号をY
Bn,YBn+1とし、各フィルター透過後の光による各画素
の電荷を夫々Mg (マゼンタ)、Ye (イエロー)、G
(グリーン)、Cy (シアン)とすると、輝度信号は次
のようにして得られる。
【0072】 YAn=(Ye +Mg )+(Cy +G) =YAn+1=(Ye +G)+(Cy +Mg ) =2R+3G+2B YBn=(Mg +Ye )+(G+Cy ) =YBn+1=(G+Ye )+(Mg +Cy ) =2R+3G+2B このような固体撮像素子を用いる場合には、水平方向の
ローパスフィルターカットオフ周波数νcは、次の関係
を満足するのが一般的である。 νn ≦νc ≦νs (h) ただしνsは、この固体撮像素子の輝度信号のサンプリ
ング周波数、νn はナイキスト限界の周波数である。
【0073】また図15,16,18より、スポット形
状によるカットオフ周波数は、図15の(B)を組合わ
せることによって、次の範囲内で動かすことが出来る。 1/4ΔB≦νc ≦3/4ΔB (i) 固体撮像素子の輝度信号を得るための最小サンプリング
間隔をSとすると、次の関係がある。 νs=1/s=2νn (j) まずνc =νn とした時は、νn とΔBとの関係は、式
(h)と式(i)から次のようになる。 1/4ΔB≦νn ≦3/4ΔB (k) 次にνc =νsとした時は次のようになる。 1/4ΔB≦νs ≦3/4ΔB (m) 式(k)と式(j)および式(m)と(j)とから次の
関係が得られる。 1/2S≦ΔB≦3/2 S S≦ΔB≦3S 又S/2≦ΔB≦3S したがって次の関係が得られる。 S/2≦fR sin{|θm |(n1-n0/n0)}≦3S ただし|θm |<90°である。
【0074】これが前述の条件(7)である。つまりこ
の条件を満足することによって効果的に撮像素子と被写
体とにより生ずるモアレを除去することが出来る。
【0075】この条件の上限を越えると光学的ローパス
効果が強すぎてぼけた画像となる。又下限を越えるとモ
アレを除去することが出来ない。
【0076】以上述べたモアレ防止を持たせた構成をも
つレンズ系の数値例を示すと下記の通りである。 f=1.000 ,F/5.535 ,IH=0.8134 ,物体距離=-9.8592 r1 =∞ d1 =0.2254 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =0.5365 d2 =0.3521 r3 =1.5395 d3 =0.9225 n2 =1.64769 ν2 =33.80 r4 =-0.9365 d4 =0.1056 r5 =∞(絞り) d5 =0.0211 r6 =∞(非球面) d6 =0.2817 n3 =1.52287 ν3 =59.89 r7 =∞ d7 =0.0211 r8 =∞ d8 =1.0563 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r9 =∞ d9 =0.8190 r10=1.6405 d10=1.2622 n5 =1.72916 ν5 =54.68 r11=-1.6059 d11=0.6232 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r12=∞ d12=0.2817 n7 =1.52287 ν7 =59.89 r13=∞ 非球面係数 E=-0.13388×102 ,F=0.19179 ×104 ,G=-0.10971×106 , H=0.32108 ×107 ,I=-0.50865×108 ,J=0.41464 ×109 , K=-0.13616×1010 上記データー中の非球面(ローパス効果を持つ面)は光
軸をz、CCDの水平走査方向をx,上記走査方向に垂
直方向をyとし、この面の関数形をz=f(x)×g
(x)とすると次の式で表わされる。 f(x)=Ex4+Fx6+Gx8+Hx10+Ix12+Jx14+Kx16 g(x)=C (Cは定数) 又上記数値例のレンズ系の非球面の基準球面は平面であ
る。つまり他のレンズデーター(r,d,n,νの値)
を変えることなしにこの面のみの形状を変更する場合、
この面が平面である時に全系の球面収差が最小になるよ
うになっている。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、広角で全長が短く、コ
ンパクトでレンズ枚数の少ない、使用する撮像素子に適
合した収差を有する内視鏡対物レンズを得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例4の断面図
【図5】本発明の実施例1の収差曲線図
【図6】本発明の実施例2の収差曲線図
【図7】本発明の実施例3の収差曲線図
【図8】本発明の実施例4の収差曲線図
【図9】本発明の対物レンズの基本構成を示す図
【図10】本発明の対物レンズに光学的ローパス効果を
持つ面を設けた構成を示す図
【図11】光学的ローパス効果を持つ面およびその面に
よる作用を説明する図
【図12】他の光学的ローパス効果を持つ面を示す図
【図13】図10に示す面の基準面からのずれ量および
結像面での光軸からの距離を示す図
【図14】図11に示す面の基準面からのずれ量および
結像面での光軸からの距離を示す図
【図15】図12に示す面のx方向のスポットの強度と
MTFを示す図
【図16】図13に示す面のx方向のスポットの強度と
MTFを示す図
【図17】図12と図15を組合わせ形状の光学的ロー
パス効果を持つ面形状を示す図
【図18】図20に示す面のスポット強度分布とMTF
を示す図
【図19】従来例の断面図
【図20】他の従来例の断面図
【図21】撮像方式の一例を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズと撮像素子を備えた内視鏡で、
    前記対物レンズが物体側より順に、負のパワーを有する
    第1レンズと、正のパワーを有し像側に凸面を持つ第2
    レンズと、明るさ絞りと、明るさ絞りの直後に配置され
    たフィルター群と、両凸の第3レンズと平凹の第4レン
    ズとを接合させた接合レンズとよりなり、上記接合レン
    ズを撮像素子に密着させた構成で、次の条件(1),
    (2),(3),(4),(5)を満足する内視鏡。 (1) 0.18<Im/fR <0.642 (2) 0.1<|f1/f2 |<2 (3) |ν1 −ν2 |<15 (4) 0.5f<fR <5f (5) |ν3 −ν4 |≧20 ただし、fR は第3レンズと第4レンズの合成焦点距
    離、Im はレンズ系の最大像高、f1 ,f2 は夫々第1
    レンズおよび第2レンズの焦点距離、ν1 ,ν2 ,ν
    3 ,ν4 は夫々第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、
    第4レンズのアッベ数である。
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