JP3105558B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP3105558B2
JP3105558B2 JP03061153A JP6115391A JP3105558B2 JP 3105558 B2 JP3105558 B2 JP 3105558B2 JP 03061153 A JP03061153 A JP 03061153A JP 6115391 A JP6115391 A JP 6115391A JP 3105558 B2 JP3105558 B2 JP 3105558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の制御装置、
特に油圧制御回路に所定の摩擦締結要素への締結圧の供
給タイミングを調整するバイパス通路が設けられた自動
変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合せ、こ
の変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等
の複数の摩擦締結要素の選択的締結によって切換えるこ
とにより、変速段を運転状態に応じて自動的に設定する
ようにしたもので、上記各摩擦締結要素のアクチュエー
タに締結圧を選択的に供給するための油圧制御回路が設
けられる。
【0003】ところで、この種の自動変速機において
は、レンジや変速段の切換えに際して所定の摩擦締結要
素を締結するときに、急激な締結による変速ショックを
防止し、しかも可及的速やかに締結を完了することが要
求される。そこで、例えば特開昭62−83535号公
報に開示されているように、摩擦締結要素への油圧供給
通路に絞り要素やアキュムレータを設けると共に、これ
をバイパスするバイパス通路を設け、変速初期には該通
路上のバイパスバルブを開いて締結圧の立ち上がりを促
進すると共に、その後は該バイパスバルブを閉じて上記
絞り要素やアキュムレータを作動させることにより、締
結圧が略一定値に保持されるいわゆる棚圧を形成して、
摩擦締結要素の締結動作を緩やかに行わせることが行わ
れる。その場合に、上記バイパスバルブを開く時間は、
作動油が実際に油路内に充満されるのに要する時間、換
言すれば締結圧の供給開始時から摩擦締結要素が締結を
開始する直前までの時間に設定するのが望ましく、この
設定を精度よく行うため、該バイパスバルブの開時間は
タイマで設定されるが通例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
バイパスバルブの開時間をタイマによって一律に設定し
た場合、次のような問題が起こりうる。
【0005】つまり、摩擦締結要素への締結圧の供給初
期において、作動油が油路内に充満されるのに要する時
間は該作動油の粘度、即ち作動油の油温によって変化す
るのであり、そのため、粘度が高い低油温時には、作動
油が油路内に十分充満される前にバイパスバルブが閉じ
ることになって変速時間がいたずらに長くなり、また、
粘度が低い高油温時には、作動油が油路に充満されるの
に要する時間が短くなって、バイパスバルブの開時間が
相対的に長くなるため、摩擦締結要素の締結初期に作動
油が急激に供給されることになり、そのため大きなショ
ックが発生するのである。
【0006】そこで、本発明は、中立レンジもしくは後
退レンジから前進レンジへの切換え時に締結される所定
の摩擦締結要素について、油圧制御回路に締結圧の供給
タイミングを調整するバイパス通路が設けられている自
動変速機において、該バイパス通路による締結圧の供給
時間を常に適切に設定することにより、作動油が油路に
充満されるのに要する時間のばらつき等に拘らず、レン
ジの切換え動作が常に良好に行われるようにすることを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る自動変速機の制御装置は次のように構
成したことを特徴とする。
【0008】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、変速歯車機構と、該変速歯車機構
の動力伝達経路を切換える複数の摩擦締結要素と、運転
者によって操作されるレンジ選択手段と、前進レンジに
おいて上記各摩擦締結要素に選択的に締結圧を供給する
ことにより変速段を切換える油圧制御回路とを有すると
共に、該油圧制御回路に、前進レンジで締結される所定
の摩擦締結要素に対する締結圧の供給タイミングを調整
するバイパス通路が設けられている自動変速機におい
て、上記レンジ選択手段が前進レンジに操作されたとき
に、その操作時からタイマによって設定される所定時間
の間、上記バイパス通路を開いて上記所定摩擦締結要素
に該通路を介して締結圧を供給させるバイパス制御手段
と、該バイパス通路を介して締結圧を供給している状態
で上記変速歯車機構の入力回転数が低下し始めたとき
に、上記所定時間の経過前であっても、該バイパス通路
による締結圧の供給を終了させるバックアップ手段と
後退レンジから前進レンジへの切換え時には上記バック
アップ手段の作動を禁止するバックアップ禁止手段と
設けたことを特徴とする。
【0009】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2発明という)は、上記第1発明と同様の自動変速機
において、レンジ選択手段が前進レンジに切換えられた
ときに、その切換え時からタイマによって設定される所
定時間の間、バイパス通路を開いて所定摩擦締結要素に
該通路を介して締結圧を供給させるバイパス制御手段
と、該バイパス通路を介して締結圧を供給している状態
で変速歯車機構の入力回転数が低下し始めたときに、上
記所定時間の経過前であっても、該バイパス通路による
締結圧の供給を終了させるバックアップ手段と、当該前
進レンジへの切換え時において上記変速歯車機構の入力
回転数が所定値以下のときには、上記バックアップ手段
の作動を禁止するバックアップ禁止手段とを設けたこと
を特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】上記の構成によれば、第1、第2発明のいずれ
においても、前進レンジへの切換え時に、該レンジで締
結される所定の摩擦締結要素に対して、その切換え直後
はバイパス通路を介して速やかに締結圧が供給されると
共に、切換え時からタイマによって設定された所定時間
が経過すれば該バイパス通路が閉じて、その後は緩やか
に締結圧が供給されることになる。その場合に、バイパ
ス通路の開時間を作動油が油路内に充満されるのに要す
る時間に予め設定しておくことにより、締結圧が速やか
に立ち上がり、しかも当該摩擦締結要素の締結が緩やか
に開始されることになる。
【0012】一方、例えば作動油の油温が高いため、該
作動油が油路内に充満される時間が予めタイマによって
設定したバイパス通路の開時間より短くなる場合には、
その時間の経過前であっても、変速歯車機構の入力回転
数が低下し始めた直後、つまり当該摩擦締結要素が締結
を開始した直後にバックアップ手段の作用によりバイパ
ス通路が閉じられることになり、したがって、該バイパ
ス通路の開時間が相対的に長くなって、摩擦締結要素の
締結初期に作動油が急激に供給されることによる大きな
ショックの発生が防止されることになる。
【0013】なお、上記のように前進レンジへの切換え
時に、変速歯車機構の入力回転数の低下により摩擦締結
要素の締結開始を検出してバックアップ手段を作動させ
るためには、その切換え直前における変速歯車機構の入
力回転数が一定以上である必要があるが、例えば停車中
の後退レンジから前進レンジへの切換え時には、その切
換え直前の回転数は0であり、また中立レンジから前進
レンジへの切換え時においても、エンジンの始動直後等
においては切換え直前の回転数が所要の回転数まで上昇
していない場合があり、これらの場合、摩擦締結要素の
締結開始を上記入力回転数の低下によっては正しく検出
できないおそれがある。
【0014】これに対し、本願の第1発明では、後退レ
ンジから前進レンジへの切換え時には上記バックアップ
手段の作動が禁止され、また、第2発明では、後退レン
ジもしくは中立レンジから前進レンジへの切換え時にお
いて、変速歯車機構の入力回転数が所定値以下のとき
に、同じくバックアップ手段の作動が禁止されるので、
これらの場合に、摩擦締結要素の締結開始時期を誤検出
することが防止される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】まず、図1によりこの実施例に係る自動変
速機の機械的構成を説明すると、この自動変速機10
は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、
該コンバータ20の出力により駆動される変速歯車機構
30と、該機構30の動力伝達経路を切換えるクラッチ
やブレーキ等の複数の摩擦締結要素41〜46及びワン
ウェイクラッチ51,52とを有し、これらにより走行
レンジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジ
での1〜4速、Sレンジでの1〜3速、Lレンジでの1
〜2速とが得られるようになっている。
【0017】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され且つ変速機ケ
ース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されて
トルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21
とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介し
てエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロック
アップクラッチ26とで構成されている。そして、上記
タービン23の回転がタービンシャフト27を介して変
速歯車機構30側に出力されるようになっている。ここ
で、上記エンジン出力軸1にはタービンシャフト27内
を貫通するポンプシャフト12が連結され、該シャフト
12により変速機後端部に備えられたオイルポンプ13
が駆動されるようになっている。
【0018】一方、上記変速歯車機構30はラビニョ型
プラネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト
27上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、
該サンギヤ31の後方において同じくタービンシャフト
27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32と、上
記スモールサンギヤ31に噛合された複数個のショート
ピニオンギヤ33と、前半部が該ショートピニオンギヤ
33に噛合され、後半部が上記ラージサンギヤ32に噛
合されたロングピニオンギヤ34と、該ロングピニオン
ギヤ34及び上記ショートピニオンギヤ33を回転自在
に支持するキャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34に
噛合されたリングギヤ36とで構成されている。
【0019】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース11との間には、該キャ
リヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ5
2と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ4
6とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ
36が出力ギヤ14に連結され、該出力ギヤ14から差
動装置を介して左右の車輪(図示せず)に回転が伝達さ
れるようになっている。
【0020】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦締結要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,5
2の作動状態と変速段との関係をまとめると、表1に示
すようになる。
【0021】
【表1】 次に、図2により上記各摩擦締結要素41〜46のアク
チュエータに対して油圧を給排する油圧制御回路60に
ついて説明する。ここで、上記各アクチュエータのう
ち、2−4ブレーキ45の油圧アクチュエータ45aは
アプライポート45bとリリースポート45cとを有す
るサーボピストンで構成され、アプライポート45bの
みに油圧が供給されているときに2−4ブレーキ45を
締結し、両ポート45b,45cとも油圧が供給されて
いないとき及び両ポート45b,45cとも油圧が供給
されているときに、2−4ブレーキ45を解放するよう
になっている。また、その他の摩擦締結要素41〜4
4,46のアクチュエータは通常の油圧ピストンで構成
され、油圧が供給されたときに当該摩擦締結要素を締結
する。
【0022】この油圧制御回路60には、主たる構成要
素として、図1に示すオイルポンプ13からメインライ
ン110に吐出された作動油の圧力を所定のライン圧に
調整するレギュレータバルブ61と、手動操作によって
レンジンの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速段
に応じて作動して各摩擦締結要素(アクチュエータ)4
1〜46に対する油圧の給排を行う1−2,2−3,3
−4の各シフトバルブ63,64,65とが備えられて
いる。
【0023】上記マニュアルバルブ62は、メインライ
ン110からライン圧が導入される入力ポートeと、第
1〜第4出力ポートa〜dとを有し、スプールの移動に
より、上記入力ポートeが、Dレンジ及びSレンジでは
第1,第2出力ポートa,bに、Lレンジでは第1,第
3出力ポートa,cに、またRレンジでは第4出力ポー
トdにそれぞれ連通されるようになっている。そして、
各出力ポートa〜dには、それぞれ第1〜第4出力ライ
ン111〜114が接続されている。
【0024】また、上記1−2,2−3,3−4シフト
バルブ63,64,65は、それぞれスプールをスプリ
ング(図示省略)により図面上、右側に付勢した構成
で、これらのスプールの右側にパイロットポート63
a,64a,65aが設けられている。
【0025】そして、1−2シフトバルブ63のパイロ
ットポート63aには、上記メインライン110からラ
イン115を介して導かれた第1パイロットライン11
6が接続され、2−3シフトバルブ64のパイロットポ
ート64aには、上記第1出力ライン111から分岐さ
れた第2パイロットライン117が接続され、また3−
4シフトバルブ65のパイロットポート65aには、上
記メインライン110から導れた第3パイロットライン
118が接続されていると共に、これらのパイロットラ
イン116,117,118には、それぞれ変速用の第
1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,68が設
けられている。これらのソレノイドバルブ66〜68
は、それぞれONのときに当該パイロットポート63a
〜65aをドレンさせて、各対応するシフトバルブ63
〜65のスプールを図面上、右側に位置させ、またOF
Fのときに上記パイロットポート63a〜65aに各パ
イロットライン116,117,118からパイロット
圧を導入させて、スプールをそれぞれ左側に位置させる
ようになっている。
【0026】ここで、図3に示すように、これらの変速
用ソレノイドバルブ66〜68、並びに後述するロック
アップ用及びバイパス制御用ソレノイドバルブ92,9
9、ロックアップ用及びライン圧制御用デューティソレ
ノイドバルブ93,96の作動を制御するコントローラ
200が備えられ、このコントローラ200に、当該自
動車の車速を検出する車速センサ201と、エンジンの
スロットル開度を検出するスロットル開度センサ202
と、当該自動変速機に備えられたシフトレバーの位置
(レンジ)を検出するシフト位置センサ203からの信
号と、トルクコンバータ20のタービン回転数を検出す
るタービン回転数センサ204からの信号とが入力され
るようになっている。そして、このコントローラ200
は、シフトレバー(図示せず)で選択された各レンジ毎
に、当該自動車の車速とエンジンのスロットル開度とに
応じて予め設定されたマップに基いて上記各変速用ソレ
ノイドバルブ66〜68をON,OFF制御する。これ
により、各シフトバルブ63〜65のスプールの位置が
切換って各摩擦締結要素41〜46に通じる油路が選択
的に連通され、これらの摩擦締結要素41〜46が表1
に示す組み合せで締結されて、変速段が運転状態に応じ
て切換えられる。その場合に、D,S,Lの前進レンジ
における各変速段と各ソレノイドバルブ66〜68のO
N,OFFの組み合せパターンとの関係は表2に示すよ
うに設定されている。
【0027】
【表2】 一方、上記マニュアルバルブ62における各出力ポート
a〜dに接続された第1〜第4出力ライン111〜11
4のうち、D,S,Lの各前進レンジでメインライン1
10に連通される第1出力ライン111からはライン1
19が分岐され、このライン119がフォワードクラッ
チラインとされて、ワンウェイオリフィス71を介して
フォワードクラッチ41に導かれている。したがって、
D,S,Lレンジで、フォワードクラッチ41が常に締
結されることになる。なお、上記フォワードクラッチラ
イン119の分岐ライン120には、ワンウェイオリフ
ィス72を介してフォワードクラッチ締結時の緩衝用の
アキュムレータ73が接続されている。
【0028】また、第1出力ライン111は、上記1−
2シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ6
6がONとなって該シフトバルブ63のスプール63a
が右側に位置したときにサーボアプライライン121に
連通し、ワンウェイオリフィス74を介してサーボピス
トン45aのアプライポート45bに至る。したがっ
て、D,S,Lレンジで第1ソレノイドバルブ66がO
Nのとき、即ちDレンジでの2,3,4速、Sレンジの
2,3速、及びLレンジの2速で、上記アプライポート
45bに油圧(サーボアプライ圧)が導入され、リリー
スポート45cに油圧(サーボリリース圧)が導入され
ていないときに2−4ブレーキ45が締結される。な
お、上記アプライポート45bにはライン122を介し
て2−4ブレーキ締結時の緩衝用のアキュムレータ75
が接続されている。
【0029】さらに、第1出力ライン111は、3−4
シフトバルブ65にも導かれ、第3ソレノイドバルブ6
8がOFFで、該シフトバルブ65のスプールが左側に
位置するときにライン123に連通する。このライン1
23は上記2−3シフトバルブ64に導かれ、第2ソレ
ノイドバルブ67がONで、該シフトバルブ64のスプ
ールが右側に位置するときに、コーストクラッチライン
124に連通する。このコーストクラッチライン124
は、ワンウェイオリフィス76及びボールバルブ77介
してコーストクラッチ42に連通し、したがって、S,
Lレンジで第2ソレノイドバルブ67がON、第3ソレ
ノイドバルブ68がOFFのとき、即ちSレンジの2速
及びLレンジの1,2速でコーストクラッチ42が締結
される。
【0030】一方、D,Sレンジでメインライン110
に連通する第2出力ライン112は、2−3シフトバル
ブ64に導かれている。そして、該ライン112は、第
2ソレノイドバルブ67がOFFで、2−3シフトバル
ブ64のスプールが左側に位置するときに3−4クラッ
チライン125に連通する。このライン125は、さら
にワンウェイオリフィス78を介して3−4クラッチ4
3に至っている。したがって、D,Sレンジで第2ソレ
ノイドバルブ67がOFFのとき、即ちDレンジの3,
4速、及びSレンジの3速で3−4クラッチ43が締結
されることになる。なお、上記3−4クラッチライン1
25の分岐ライン126には、ワンウェイオリフィス7
9を介して、3−4クラッチ43の締結時の緩衝用のア
キュムレータ80が接続されている。
【0031】ここで、上記3−4クラッチライン125
から分岐されたライン127は3−4シフトバルブ65
に導かれ、第3ソレノイドバルブ68がOFFで、該シ
フトバルブ65のスプールが左側に位置するときにライ
ン128に連通し、2−3タイミングバルブ81を介し
てサーボリリースライン129に連通する。このライン
129は、ワンウェイオリフィス82を介してサーボピ
ストン45aのリリースポート45cに至っている。し
たがって、D,Sレンジで第2,第3ソレノイドバルブ
67,68がともにOFFのとき、即ちDレンジの3速
及びSレンジの3速で、サーボピストン45aのリリー
スポート45cにサーボリリース圧が導入され、2−4
ブレーキ45が解放される。
【0032】さらに、上記サーボリリースライン129
から分岐されたライン130は、コーストタイミングバ
ルブ83、ライン131及び上記ボールバルブ77を介
して前述のコーストクラッチライン124に連通し、コ
ーストクラッチ42に至っている。したがって、サーボ
リリースライン129内に油圧が導入されるDレンジの
3速及びSレンジの3速でもコーストクラッチ42が締
結されることになる。
【0033】また、マニュアルバルブ62においてLレ
ンジでメインライン110に連通する第3出力ライン1
13は、ボールバルブ84及びライン132を介して1
−2シフトバルブ63に導かれている。そして、このラ
イン132は、第1ソレノイドバルブ66がOFFで、
1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置すると
きにローリバースブレーキライン133に連通し、ワン
ウェイオリフィス85を介してローリバースブレーキ4
6に至っている。したがって、Lレンジで第1ソレノイ
ドバルブ66がOFFのとき、即ちLレンジの1速でロ
ーリバースブレーキ46が締結される。
【0034】さらに、上記ローリバースブレーキライン
133には、上記ワンウェイオリフィス85をバイパス
するバイパスライン134が設けられている。このバイ
パスライン134は、上記ワンウェイオリフィス85の
上流側から分岐して3−4シフトバルブ65に至る上流
部と、該3−4シフトバルブ65から上記ワンウェイオ
リフィス85の下流側に至る下流部とでなっており、上
記第3ソレノイドバルブ68がOFFで、3−4シフト
バルブ65のスプールが左側に位置するときに、上、下
流部が連通するようになっている。なお、上記ローリバ
ースライン133の分岐ライン135には、ワンウェイ
オリフィス86を介してローリバースブレーキ締結時の
緩衝用のアキュムレータ87が接続されている。
【0035】さらに、Rレンジでメインライン110に
連通する第4出力ライン114は、該ライン114から
分岐されたライン136、上記ボールバルブ84及びラ
イン132を介して1−2シフトバルブ63に導かれ、
第1ソレノイドバルブ66がOFFで該バルブ63のス
プールが左側に位置するときに上記ローリバースブレー
キライン133に連通する。また、上記第4出力ライン
114は、リバースクラッチライン137となって、リ
バースクラッチ44に至っている。したがって、Rレン
ジでは、第1ソレノイドバルブ66がOFFのときにロ
ーリバースブレーキ46が締結される一方、リバースク
ラッチ44が常に締結される。
【0036】また、この油圧制御回路60には、図1に
示すトルクコンバータ20内のロックアップクラッチ2
6を作動させるためのロックアップシフトバルブ88
と、該ロックアップシフトバルブ88を介して上記トル
クコンバータ20へ供給される油圧を調整するロックア
ップコントロールバルブ89とが備えられている。
【0037】上記ロックアップシフトバルブ88には、
レギュレータバルブ61からリリーフバルブ90を介し
て導かれたトルクコンバータライン138が接続されて
いると共に、該シフトバルブ88の両端に設けられた第
1、第2パイロットポート88a,88bには、メイン
ライン110からソレノイドレデューシングバルブ91
及びパイロットライン139を介して導かれたライン1
40,141がそれぞれ接続されている。そして、ライ
ン140にロックアップ用のソレノイドバルブ92が設
けられ、該ソレノイドバルブ92がONのときにロック
アップシフトバルブ88のスプールが右側に位置するこ
とにより、上記トルクコンバータライン138がトルク
コンバータ20内に通じるコンバータインライン142
に連通し、これにより該トルクコンバータ20の内圧が
高まってロックアップクラッチ26が締結される。ま
た、上記ソレノイドバルブ92がOFFとなってロック
アップシフトバルブ88のスプールが左側へ移動すれ
ば、上記トルクコンバータライン138がロックアップ
コントロールバルブ89及びライン143を介してロッ
クアップ解放ライン144に連通し、トルクコンバータ
20内にロックアップ解放圧が導入されることになる。
その場合に、上記パイロットライン139からロックア
ップコントロールバルブ89の一端のパイロットポート
89aに導入されるパイロット圧がロックアップ用デュ
ーティソレノイドバルブ93によって調整されることに
より、上記ロックアップ解放圧が制御されて、ロックア
ップクラッチ26が完全解放状態もしくは所定のスリッ
プ状態に制御されるようになっている。
【0038】以上の構成に加えて、この油圧制御回路6
0には、各変速時における油圧の給排タイミングの調整
用として、前記のコーストタイミングバルブ83及び2
−3タイミングバルブ81の他に、第1バイパスバルブ
94及び第2バイパスバルブ95が備えられている。
【0039】上記コーストタイミングバルブ83は、前
述のように、サーボリリースライン129から分岐され
たライン130と、コーストクラッチライン124にボ
ールバルブ77を介して通じるライン131との間に設
けられ、スプールの一端に、サーボアプライライン12
1から分岐されたライン145によりサーボアプライ圧
が供給されるようになっている。そして、上記サーボリ
リースライン129によってスプールの他端に供給され
るサーボリリース圧とスプリングの付勢力との和がサー
ボアプライ圧に打ち勝ったときにスプールが右側に移動
し、上記ライン130,131を連通させるようになっ
ている。したがって、これらのライン130,131を
介してコーストクラッチ42にコーストクラッチ圧が供
給されるDレンジの2−3シフトアップ変速時に、サー
ボリリース圧が十分上昇してから、つまり2−4ブレー
キ45が確実に解放されてからコーストクラッチ42が
締結されることになり、2−4ブレーキ45とコースト
クラッチ42とが同時に締結状態となることによる変速
歯車機構30のダブルロック状態が防止される。なお、
上記スプールの一端にサーボアプライ圧が導かれている
ので、上記ライン130,131を連通させるタイミン
グがライン圧に応じて変更されることになり、その連通
タイミングとサーボリリース圧の圧力レベルとの対応関
係が適切に設定されることになる。
【0040】また、上記2−3タイミングバルブ81
は、3−4シフトバルブ65から導かれているライン1
28と、サーボリリースライン129との間に設けら
れ、スプールの一端部に3−4クラッチライン125か
らライン146を介して3−4クラッチ圧が導入され、
他端部に上記サーボリリース圧が導入されるようになっ
ている。そして、3−4クラッチ圧及びサーボリリース
圧の作用により、上記サーボリリースライン129をラ
イン128に連通させ、もしくはドレンさせることによ
り、サーボリリース圧を3−4クラッチ圧に対応させて
調整するようになっている。
【0041】さらに、上記第1バイパスバルブ94は、
3−4クラッチライン125に設けられたワンウェイオ
リフィス78をバイパスするバイパスライン147上に
設けられていると共に、上記3−4クラッチライン12
5のワンウェイオリフィス78より下流の油圧(3−4
クラッチ圧)がスプールの一端に供給される。また、ラ
イン圧制御用のデューティソレノイドバルブ96の作動
によってエンジン負荷に応じたスロットルモデュレータ
圧を発生させ、これをレギュレータバルブ61に供給す
るスロットルモデュレータバルブ97から、上記スロッ
トルモデュレータ圧がライン148を介して該第1バイ
パスバルブ94におけるスプールの他端に供給される。
そして、3−4クラッチ圧が所定値以上に上昇してスプ
ールが左側に移動したときに、上記バイパスライン14
7を遮断するようになっている。したがって、3−4ク
ラッチ圧は、供給開始時にはバイパスライン147によ
り速かに供給されるが、その後ワンウェイオリフィス7
8によって供給が緩やかになり、このようにして2−3
シフトアップ変速時における3−4クラッチ43の締結
タイミングが調整され、また、そのタイミングがエンジ
ンのスロットル開度に応じて変更されることになる。こ
こで、上記スロットルモデュレータ圧をレギュレータバ
ルブ61に供給するライン149には、該油圧の供給時
における緩衝用のアキュムレータ98が設置されてい
る。
【0042】一方、本発明が対象とする第2バイパスバ
ルブ95は、図4に拡大して示すように、マニュアルバ
ルブ62から第1出力ライン111を介して導かれたフ
ォワードクラッチライン119上のワンウェイオリフィ
ス71をバイパスする第1バイパスライン150と、1
−2シフトバルブ63から導かれたサーボアプライライ
ン121上のワンウェイオリフィス74をバイパスする
第2バイパスライン151とに跨がって設けられ、且つ
サーボリリースライン129から分岐されたドレンライ
ン152が接続されている。そして、スプール95aの
一端に、メインライン110からライン115を介して
導かれたパイロットライン153が接続され、該パイロ
ットライン153にバイパス制御用のソレノイドバルブ
99が設けられている。
【0043】この第2バイパスバルブ95は、上記ソレ
ノイドバルブ99の作動により、NレンジやRレンジか
らDレンジ(もしくはSレンジ、Lレンジ)へのレンジ
の切換え時、1−2シフトアップ変速時、及び3−2シ
フトダウン変速時に上記第1、第2バイパスライン15
0,151を開通、遮断し、またドレンライン152を
開閉して、これらの動作時における油圧の給排タイミン
グを制御する。
【0044】つまり、NレンジもしくはRレンジからD
レンジ等への切換え時には、ソレノイドバルブ99が当
初OFFであって該第2バイパスバルブ95のスプール
95aが左側に位置することにより、フォワードクラッ
チ41に通じる第1バイパスライン150が連通する。
そのため、マニュアルバルブ62の切換え操作により第
1出力ライン111に吐出された作動油は、まず、該第
1バイパスライン150ないし第2バイパスバルブ95
を通過してフォワードクラッチ41のアクチュエータに
至る油路を速やかに充満させる。次いで、上記ソレノイ
ドバルブ99がONとなって上記スプール95aが右側
に移動することにより上記第1バイパスライン150が
遮断され、そのため、作動油は上記第1出力ライン11
1からフォワードクラッチライン119上のワンウェイ
オリフィス71を通過して、フォワードクラッチ41の
アクチュエータに緩やかに導入されることになる。
【0045】また、1−2シフトアップ変速時には、ま
ずソレノイドバルブ99がONとなってスプール95a
が右側に位置することにより、第2バイパスライン15
1が開通し、したがって作動油がサーボピストン45a
のアプライポート45bに至る油路に速やかに充満され
る。そして、その後、上記ソレノイドバルブ99がOF
Fとなってスプール95aが左側に位置することによ
り、上記第2バイパスライン151が遮断される。その
ため、変速動作の後半にはサーボアプライ圧がワンウェ
イオリフィス74を介して緩やかに供給されることにな
る。
【0046】さらに、3−2シフトダウン変速時には、
変速開始時に、まずソレノイドバルブ99がONとなっ
てスプール95aが右側に位置することによりドレンラ
イン152が開通し、その後、上記ソレノイドバルブ9
9がOFFとなってスプール95aが左側に移動するこ
とにより、該ドレンライン152が遮断される。したが
って、サーボリリース圧が、変速動作の前半はドレンラ
イン152により速やかに排出され、後半はサーボリリ
ースライン129上の排出方向に絞り作用を行うワンウ
ェイオリフィス82を介して緩やかに排出されることに
なる。
【0047】ここで、この第2バイパスバルブ95によ
る上記各変速時のバイパス制御動作とソレノイドバルブ
99のON,OFF動作との関係をまとめると表3に示
すようになる。
【0048】
【表3】 次に、上記バイパス用ソレノイドバルブ99によるバイ
パス制御を図5及び図6のコントローラ200の動作を
示すフローチャートにしたがって説明する。
【0049】まずコントローラ200は、ステップS1
で、イニシャライズとして以下の制御で用いる各種のタ
イマやフラグをリセットし、次いでステップS2で、シ
フト位置、車速及びタービン回転数Nを図3に示すそれ
ぞれのセンサからの信号に基いて読み込み、またステッ
プS3で車速と変速段とに対応するタービン回転数Nの
上、下限値N ’,N ”を算出する。この上、下限値
N’,N”は、タービン回転数Nがその範囲内にあるか
否かによって当該変速段への変速が完了しているか否か
を判定するもので、後述する制御で用いられる。
【0050】さらに、コントローラ200は、ステップ
S4で、シフト位置がRもしくはNレンジからD,S,
Lのいずれかの前進レンジ(以下、これらのレンジをD
レンジ等と記す)に切換えられたか否かを判定し、切換
えられたときには、ステップS5で、そのときのタービ
ン回転数Nが0に近いごく小さな所定回転数N0より大
きいか否かを判定する。
【0051】そして、N>N0のとき、即ち図1に示す
トルクコンバータ20のタービン23が回転している状
態での上記のレンジの切換え時、具体的には、走行中に
おけるNもしくはRレンジからDレンジ等への切換え
時、または停車中におけるNレンジからDレンジ等への
切換え時には、ステップS6で、変速段設定フラグFG
を1にセットし、且つタービン回転時用の第1、第2タ
イマTA1,TA2にそれぞれ所定時間tA1,tA2をセット
する。また、N<N0のとき、即ちタービンが停止して
いる状態でのレンジの切換え時、具体的には、停車中に
おけるRレンジからDレンジ等への切換え時には、ステ
ップS7で、同じく変速段設定フラグFGを1にセット
し、且つタービン停止時用の第1、第2タイマTB1,T
B2にそれぞれ所定時間tB1,tB2をセットする。
【0052】ここで、上記変速段設定フラグFGは、こ
のバイパス制御において通常の変速段と異なる変速段を
設定する場合に1にセットされるものである。また、上
記タービン回転時用及び停止時用の第1タイマTA1,T
B1にそれぞれセットされる時間tA1,tB1は、図7に符
号(イ)で示すように、フォワードクラッチ圧の供給時
においてバイパス用ソレノイドバルブ99をOFFとし
て、図4に示す第1バイパスライン150を開通させる
ことにより油圧を速やかに立ち上げるための時間(バイ
パス時間)であり、また、タービン回転時用及び停止時
用の第2タイマTA2,TB2にそれぞれセットされる時間
A2,tB2は、上記バイパス時間tA1,tB1の経過後、
当該バイパス制御を終了するまでの時間であって、上記
ソレノイドバルブ99をONとして第1バイパスライン
150を遮断することにより、図7に符号(ロ)で示す
ように、油圧を緩やかに供給して棚圧を形成する時間に
対応するものである。
【0053】次に、コントローラ200は、ステップS
8,S9で、上記タービン回転時用または停止時用の第
2タイマTA2またはTB2の値が0より大きいか否かを判
定し、いずれも0のとき、即ちこのバイパス制御が行わ
れておらず或いは終了したときは、ステップS10,S
11で、バイパス用ソレノイドバルブ99をOFFにし
て、通常の変速制御としてのソレノイドバルブの制御を
実行する。
【0054】一方、タービン回転時用の第2タイマTA2
が0より大きいとき、即ち上記のような走行中のNもし
くはRレンジからDレンジ等への切換え時及び停車中の
NレンジからDレンジ等への切換え時におけるバイパス
制御中は、ステップS12で、同じくタービン回転時用
の第1タイマTA1が0より大きいか否かを判定し、該タ
イマTA1が0より大きいときは、ステップS13で該タ
イマTA1の値を所定値tA1から1づつ減算し、バイパス
時間の経過を計測する。また、該タイマTA1が0となっ
て、当該レンジの切換え時のバイパス制御中において上
記の所定バイパス時間tA1が経過した後は、ステップS
14で第2タイマTA2の値を所定値tA2から1づつ減算
し、該バイパス制御の経過時間を計測する。
【0055】同様に、タービン停止時用の第2タイマT
B2が0より大きいとき、即ち停車中のRレンジからDレ
ンジ等への切換え時におけるバイパス制御中は、ステッ
プS15で、同じくタービン停止時用の第1タイマTB1
が0より大きいか否かを判定し、該タイマTB1が0より
大きいときは、ステップS16で該タイマTB1の値を所
定値tB1から1づつ減算し、バイパス時間の経過を計測
する。また、該タイマTB1が0となって上記の所定バイ
パス時間tB1が経過した後は、ステップS17で第2タ
イマTB2の値を所定値tB2から1づつ減算し、該バイパ
ス制御の経過時間を計測する。
【0056】そして、コントローラ200は、上記のタ
ービン回転時及びタービン停止時のそれぞれについて、
図6のフローチャートにしたがって制御を行う。
【0057】まず、タービン回転時のバイパス制御にお
けるバイパス時間中においては、ステップS18でター
ビン回転数Nがニュートラル状態での回転数より若干小
さい所定回転数N1より小さいか否かを判定する。そし
て、図8に示すように、NレンジからDレンジ等への切
換えが行われてタービン回転数Nが低下し、該回転数N
が上記所定回転数N1より小さくなったときに、ステッ
プS19でタービン回転時用の第1タイマTA1を0にリ
セットする。これは、所定のバイパス時間tA1が経過す
る前であっても、フォワードクラッチ41の締結が開始
されてタービン回転数Nの低下が検出されたときに、上
記第1バイパスライン150ないし第2バイパスバルブ
95によるフォワードクラッチ圧の供給を終了するため
である。
【0058】そして、上記第1タイマTA1が0になるこ
とにより、次は図5のステップS14から図6のステッ
プS20を実行し、タービン回転数NがDレンジへの切
換えの完了を判定するための0に近い所定回転数N2
下に低下したか否かを判定し、図8に示すように、N<
2となった時点で、ステップS21で第2タイマTA2
を0にリセットする。これにより、バイパス制御時間用
の所定時間tA2の経過前であっても、フォワードクラッ
チ41の締結が完了した時点で該バイパス制御が終了す
ることになる。また、このフォワードクラッチ41の締
結動作中であって、タービン回転数Nが上記所定回転数
1,N2の中間の回転数N3以下に低下したときに、図
8に示すように、ステップS22からステップS23を
実行して変速段設定フラグFGをリセットし、該制御中
における通常の変速段と異なる変速段の設定を解除す
る。
【0059】なお、走行中におけるRレンジからDレン
ジ等への切換え時には、タービン回転数Nは上記所定回
転数N1,N2,N3等よりも高いから、上記ステップS
19,S21,S23によるタイマTA1,TA2及びフラ
グFGのリセットは行われなず、バイパス時間及びその
後の棚圧形成時間は常に所定時間tA1,tA2とされ、且
つこれらの時間が経過するまで変速段は通常の変速段と
異なる変速段に保持される。
【0060】一方、タービンが停止している停車中にお
けるRレンジからDレンジ等への切換え時には、バイパ
ス時間中及びその後の棚圧形成時間中のいずれの場合に
も、図5のステップS16もしくはS17から図6のス
テップS24を実行し、RD切換えフラグFRDが1であ
るか否かを判定する。このフラグFRDは、Rレンジから
Dレンジへの切換えが行われたときに1にセットされる
ものであるが、当初は0であるので、ステップS25で
タービン回転数Nが所定回転数N4より大きいか否かを
判定する。この停車中におけるRレンジからDレンジ等
への切換え時にはニュートラル状態を経由し、そのとき
に、図9に示すようにタービン回転数Nが一時的に上昇
する。そして、該タービン回転数Nが上記所定値N4
超えたときに、ステップS25からステップS26を実
行して上記RD切換えフラグFRDを1にセットすると共
に、次に、上記ステップS24からステップS27,S
28を実行し、タービン回転数Nが所定回転数N5より
小さくなった時点で変速段設定フラグFGを0にリセッ
トする。これにより、RレンジからDレンジ等への切換
えが完了した時点で、このバイパス制御用として設定さ
れた変速段が解除されることになる。なお、この場合
は、バイパス時間及び棚圧形成時間は常に予め設定され
た所定時間tB1,tB2とされる。
【0061】以上のようにして、タイマTA1,TA2,T
B1,TB2及びフラグFGの値の設定、換言すれば各レン
ジの切換え時におけるフォワードクラッチ圧のバイパス
時間ないしバイパス制御時間の設定、及びその間におけ
る変速段の設定が行われるのである。そして、コントロ
ーラ200は、このようにして設定したところにしたが
い、以下のステップで、バイパス用ソレノイドバルブ9
9の制御及び変速段の制御を行う。
【0062】つまり、コントローラ200は、まずステ
ップS29で、タービン回転数Nが図5のステップS3
で求めた車速と変速段とに応じた回転数の上、下限値
N’,N”間の範囲にあるか否かを判定し、この範囲に
あるときは、すでに変速は終了しているから、ステップ
S30で上記各タイマTA1,TA2,TB1,TB2及びフラ
グFGをリセットする。
【0063】一方、タービン回転数Nが上記範囲にない
場合は、ステップS31でタービン回転時用またはター
ビン停止時用の第2タイマTA2またはTB2が0より大き
いか否かを判定する。そして、これらのタイマTA2,T
B2のいずれか一方が0より大きいいとき、つまり、ター
ビン回転時またはタービン停止時のいずれかにおいてバ
イパス制御が行われている間は、ステップS32で、同
じくタービン回転時用またはタービン停止時用の第1タ
イマTA1またはTB1が0より大きいか否かを判定する。
【0064】そして、該タイマTA1またはTB1のいずれ
かが0より大きくて、バイパス制御中のバイパス時間内
にあるときは、ステップS33で、バイパス用ソレノイ
ドバルブ99をOFFとして、図4の第1バイパスライ
ン150を開通させ、且つ通常の変速制御を禁止する信
号を出力する。また、上記第1タイマTA1またはTB1
両者が0であって、バイパス制御中におけるバイパス時
間が経過した後の棚圧形成中は、ステップS34を実行
してバイパス用ソレノイドバルブ99をONにして、上
記第1バイパスライン150を閉じると共に、同じく通
常の変速制御を禁止する信号を出力する。さらに、上記
第2タイマTA2またはTB2の両者が0のとき、つまりバ
イパス制御が終了したときは、ステップS35で上記バ
イパス用ソレノイドバルブ99をOFFにすると共に、
上記の通常の変速制御を禁止する信号を解除する。
【0065】さらに、コントローラ200は、ステップ
S36で変速段設定フラグFGの値を判定し、該フラグ
Gが0のときはステップS37で通常の変速制御によ
る各ソレノイドバルブのON,OFF制御を行い、また
該フラグFGが1のときは、ステップS38で現在選択
されているレンジがLレンジであるか否かを判定して、
Lレンジであるときは、ステップS39でコーストクラ
ッチ42が締結されない1速となるソレノイドバルブの
ON,OFFパターンをを選択する。
【0066】また、選択されているレンジがLレンジで
ない場合は、ステップS40で運転状態に応じた変速段
領域が4速領域であるか否かを判定し、4速以外の変速
段の領域であるときは、ステップS41でコーストクラ
ッチ42が締結される3速となるソレノイドバルブのO
N,OFFパターンを選択し、また、4速の領域である
ときは、ステップS42でコーストクラッチ42が締結
されない3速となるソレノイドバルブのON,OFFパ
ターンを選択する。
【0067】このようにして、NレンジもしくはRレン
ジからDレンジ等への切換え時におけるフォワードクラ
ッチ圧のバイパス制御と変速段の制御とが行われるので
あるが、特にNレンジからDレンジ等への切換え時にお
けるバイパス制御においては、フォワードクラッチ41
に到る油路を作動油で速やかに充満させるためのバイパ
ス時間が、基本的には第1タイマTA1に設定された所定
時間tA1とされると共に、この時間tA1の経過前であっ
ても、上記ステップS18,S19で、タービン回転数
Nがアイドル回転数より若干低い所定回転数N1まで低
下すれば、その時点で該バイパス時間は終了され、図4
に示す第2バイパスバルブ95がフォワードクラッチ4
1に通じる第1バイパスライン150を遮断する。した
がって、通常は上記バイパス時間が精度よく制御され
て、フォワードクラッチ41の良好で且つ速やかな締結
動作が得られると共に、例えば作動油の油温が高いため
該作動油が油路に充満されるのに要する時間が短くなる
場合には、その充満後も上記第1バイパスライン150
が開いていてフォワードクラッチ41が急激に締結開始
されるといった事態が回避され、このような場合におけ
る大きなショックの発生が防止されることになる。
【0068】なお、レンジの切換え時におけるタービン
回転数Nが所定回転数N0より小さいとき、具体的には
停車中におけるRレンジからDレンジ等への切換え時に
は、前述のように、バイパス時間は常に所定時間tB1
されて、該タービン回転数Nの低下によるバイパス動作
の終了制御を行わないので、この制御を当初からタービ
ン回転数Nが低い状態で行おうとすることによる誤動作
が防止される。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、油圧制御
回路に、前進レンジへの切換え時に締結される所定の摩
擦締結要素に対する締結圧の供給タイミングを調整する
バイパス通路が設けられている自動変速機において、該
バイパス通路を介して締結圧を供給するバイパス時間を
タイマによって所定時間に設定すると共に、この所定時
間の経過前であっても、変速歯車機構の入力回転数が低
下し始めたときに、バックアップ手段により、該バイパ
ス通路による締結圧の供給を終了させるようにしたか
ら、通常は上記バイパス時間が精度よく制御されて、上
記摩擦締結要素の締結動作ないし当該レンジの切換えが
速やかに且つ良好に行われると共に、例えば作動油の油
温が高いために上記所定時間が相対的に長くなって、そ
の経過前に摩擦締結要素の締結が開始される場合には、
該時間の経過前であっても摩擦締結要素の締結が開始さ
れた時点でバイパス通路が閉じられて、該摩擦締結要素
の締結動作が緩やかに開始されることになる。そして、
特に本発明によれば、後退レンジから前進レンジへの切
換え時や、エンジンの始動開始直後等の摩擦締結要素の
締結開始を変速歯車機構の入力回転数の低下によっては
正しく検出できないおそれがある場合には、上記バック
アップ手段の作動が禁止されるから、摩擦締結要素の締
結開始時期を誤検出することが防止され、このようにし
て、バイパス時間が常に適切に設定されて、作動油が油
路に充満されるのに要する時間のばらつき等に拘らず、
前進レンジへの切換えが大きなショックを発生させるこ
となく常に良好に行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動変速機の機械的構造
を示す骨子図である。
【図2】 同自動変速機の油圧制御回路図である。
【図3】 同自動変速機の電気的制御システムを示すブ
ロック図である。
【図4】 図2に示す油圧制御回路の要部拡大図であ
る。
【図5】 本実施例の制御動作の前半部を示すフローチ
ャート図である。
【図6】 同制御動作の後半部を示すフローチャート図
である。
【図7】 フォワードクラッチ圧供給時のタイムチャー
ト図である。
【図8】 タービン回転状態でのレンジ切換え時のタイ
ムチャート図である。
【図9】 タービン停止状態でのレンジ切換え時のタイ
ムチャート図である。
【符号の説明】
10 自動変速機 30 変速歯車機構 41 フォワードクラッチ 60 油圧制御回路 95 バイパスバルブ 150 バイパスライン 200 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 龍彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−55455(JP,A) 特開 平2−203065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速歯車機構と、該変速歯車機構の動力
    伝達経路を切換える複数の摩擦締結要素と、運転者によ
    って操作されるレンジ選択手段と、前進レンジにおいて
    上記各摩擦締結要素に選択的に締結圧を供給することに
    より変速段を切換える油圧制御回路とを有すると共に、
    該油圧制御回路に、前進レンジで締結される所定の摩擦
    締結要素に対する締結圧の供給タイミングを調整するバ
    イパス通路が設けられている自動変速機において、上記
    レンジ選択手段が前進レンジに切換えられたときに、そ
    の切換え時からタイマによって設定される所定時間の
    間、上記バイパス通路を開いて上記所定摩擦締結要素に
    該通路を介して締結圧を供給させるバイパス制御手段
    と、該バイパス通路を介して締結圧を供給している状態
    で上記変速歯車機構の入力回転数が低下し始めたとき
    に、上記所定時間の経過前であっても、該バイパス通路
    による締結圧の供給を終了させるバックアップ手段と、
    後退レンジから前進レンジへの切換え時には上記バック
    アップ手段の作動を禁止するバックアップ禁止手段とを
    設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 変速歯車機構と、該変速歯車機構の動力
    伝達経路を切換える複数の摩擦締結要素と、運転者によ
    って操作されるレンジ選択手段と、前進レンジにおいて
    上記各摩擦締結要素に選択的に締結圧を供給することに
    より変速段を切換える油圧制御回路とを有すると共に、
    該油圧制御回路に、前進レンジで締結される所定の摩擦
    締結要素に対する締結圧の供給タイミングを調整するバ
    イパス通路が設けられている自動変速機において、上記
    レンジ選択手段が前進レンジに切換えられたときに、そ
    の切換え時からタイマによって設定される所定時間の
    間、上記バイパス通路を開いて上記所定摩擦締結要素に
    該通路を介して締結圧を供給させるバイパス制御手段
    と、該バイパス通路を介して締結圧を供給している状態
    で上記変速歯車機構の入力回転数が低下し始めたとき
    に、上記所定時間の経過前であっても、該バイパス通路
    による締結圧の供給を終了させるバックアップ手段と、
    前進レンジへの切換え時において変速歯車機構の入力回
    転数が所定値以下のときには、上記バックアップ手段の
    作動を禁止するバックアップ禁止手段とを設けたことを
    特徴とする自動変速機の制御装置。
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