JP3104459B2 - 廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造 - Google Patents
廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物処分場における
汚染水の漏出防止構造に関し、特に、処分場の底面地盤
に敷設した遮水シートにより、底面より下方の地盤を廃
棄物投棄箇所から水密に区画することによって、廃棄物
から浸出する汚染水が処分場の外部へ漏出するのを防止
するための廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造
に関する。
汚染水の漏出防止構造に関し、特に、処分場の底面地盤
に敷設した遮水シートにより、底面より下方の地盤を廃
棄物投棄箇所から水密に区画することによって、廃棄物
から浸出する汚染水が処分場の外部へ漏出するのを防止
するための廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄する例え
ば埋立型の廃棄物処分場では、該処分場から漏出する汚
染水が地下浸透し、環境汚染を引き起こすことを防止す
るために、処分場の底面に遮水工を実施することが義務
付けられている。かかる遮水工として、従来より確実
性,安全性,施工性,経済性などの観点かから、軟質の
合成樹脂系或いはゴム系の遮水シートやプラスチック製
の遮水シートを用い、これを処分場の底面地盤に敷設し
て底面より下方の地盤を廃棄物投棄箇所から水密に区画
し、これによって廃棄物から浸出する汚染水が処分場の
外部へ漏出するのを防止する方法が採用されている。
ば埋立型の廃棄物処分場では、該処分場から漏出する汚
染水が地下浸透し、環境汚染を引き起こすことを防止す
るために、処分場の底面に遮水工を実施することが義務
付けられている。かかる遮水工として、従来より確実
性,安全性,施工性,経済性などの観点かから、軟質の
合成樹脂系或いはゴム系の遮水シートやプラスチック製
の遮水シートを用い、これを処分場の底面地盤に敷設し
て底面より下方の地盤を廃棄物投棄箇所から水密に区画
し、これによって廃棄物から浸出する汚染水が処分場の
外部へ漏出するのを防止する方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
遮水シートのみによる汚染水の漏出防止構造では、廃棄
物中の例えば鋭利な突起物等により遮水シートが破損す
る場合があり、この破損箇所から汚染水が処分場の外部
に漏出して周囲の環境に悪影響を及ぼす惧れがある。
遮水シートのみによる汚染水の漏出防止構造では、廃棄
物中の例えば鋭利な突起物等により遮水シートが破損す
る場合があり、この破損箇所から汚染水が処分場の外部
に漏出して周囲の環境に悪影響を及ぼす惧れがある。
【0004】そこで、本発明は、かかる課題を解決する
ものであって、遮水シートが前記突起物等により部分的
に破損した場合でも、汚染水が、当該破損箇所から処分
場の外部に漏出するのを容易かつ確実に防止することの
できる廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造を提
供することを目的とする。
ものであって、遮水シートが前記突起物等により部分的
に破損した場合でも、汚染水が、当該破損箇所から処分
場の外部に漏出するのを容易かつ確実に防止することの
できる廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、その要旨とするところは、
底面地盤に敷設した遮水シートにより、該底面より下方
の地盤をこれの上方の廃棄物投棄箇所から水密に区画す
ることによって、廃棄物から浸出する汚染水が処分場の
外部へ漏出するのを防止する廃棄物処分場における汚染
水の漏出防止構造において、前記底面地盤と遮水シート
との間には、所定厚さの粘性土からなり、ベントナイト
等の汚染吸着物質からなる吸着材層を挟んでその両側に
配設される二層構造となっている吸着層を介装敷設した
ことを特徴とする廃棄物処分場における汚染水の漏出防
止構造にある。
するためになされたもので、その要旨とするところは、
底面地盤に敷設した遮水シートにより、該底面より下方
の地盤をこれの上方の廃棄物投棄箇所から水密に区画す
ることによって、廃棄物から浸出する汚染水が処分場の
外部へ漏出するのを防止する廃棄物処分場における汚染
水の漏出防止構造において、前記底面地盤と遮水シート
との間には、所定厚さの粘性土からなり、ベントナイト
等の汚染吸着物質からなる吸着材層を挟んでその両側に
配設される二層構造となっている吸着層を介装敷設した
ことを特徴とする廃棄物処分場における汚染水の漏出防
止構造にある。
【0006】ここで、前記吸着層を構成する粘性土は、
汚染物質を吸着する難透水性の材料として定性的に知ら
れるものであり、また、前記所定厚さとは、前記吸着層
に浄化層としての機能をもたせるべく、使用する粘性土
の粒径、粒度、透水係数や、敷き均す際の施工性等を鑑
みて適宜設計されるものであるが、例えば施工性から最
少厚さを30cm程度とすることが好ましく、さらに、施
工精度を考慮して2層構造とすることが好ましい。
汚染物質を吸着する難透水性の材料として定性的に知ら
れるものであり、また、前記所定厚さとは、前記吸着層
に浄化層としての機能をもたせるべく、使用する粘性土
の粒径、粒度、透水係数や、敷き均す際の施工性等を鑑
みて適宜設計されるものであるが、例えば施工性から最
少厚さを30cm程度とすることが好ましく、さらに、施
工精度を考慮して2層構造とすることが好ましい。
【0007】また、この発明の汚染水の漏出防止構造
は、前記吸着層を、前記粘性土に補強繊維を混在させた
ものにより構成することが好ましい。
は、前記吸着層を、前記粘性土に補強繊維を混在させた
ものにより構成することが好ましい。
【0008】ここで、粘性土に補強繊維を混在させると
は、例えば不織布等の補強繊維をほぐした状態で粘性土
中に分散混入する場合の他、織布等のシート状のもの粘
性土中に層状に配設してもよい。
は、例えば不織布等の補強繊維をほぐした状態で粘性土
中に分散混入する場合の他、織布等のシート状のもの粘
性土中に層状に配設してもよい。
【0009】さらに、この発明の汚染水の漏出防止構造
は、前記吸着層には、ベントナイト,ゼオライト,木
炭,活性炭等の汚染吸着物質からなる吸着材を混在する
ことが好ましい。
は、前記吸着層には、ベントナイト,ゼオライト,木
炭,活性炭等の汚染吸着物質からなる吸着材を混在する
ことが好ましい。
【0010】ここで、吸着材を混在するとは、例えば吸
着層中に当該吸着材を分散混入しても良く、また、サン
ドイッチ状に敷設配置して吸着層中に介在させることも
できる。
着層中に当該吸着材を分散混入しても良く、また、サン
ドイッチ状に敷設配置して吸着層中に介在させることも
できる。
【0011】
【作用】本発明の汚染水の漏出防止構造によれば、底面
地盤に敷設した遮水シートが破損した場合でも、当該破
損箇所から漏出する汚染水は、底面地盤と遮水シートと
の間に介装する吸着層を通過する間にその汚染物質が吸
着排除され、浄化された状態で処分場の外部に流出す
る。
地盤に敷設した遮水シートが破損した場合でも、当該破
損箇所から漏出する汚染水は、底面地盤と遮水シートと
の間に介装する吸着層を通過する間にその汚染物質が吸
着排除され、浄化された状態で処分場の外部に流出す
る。
【0012】また、吸着層を、粘性土に補強繊維を混在
したものにより構成すれば、該補強繊維は、一般に水流
に対する抵抗性が小さい粘性土の流出を防止して、水流
による浸蝕やパイピング現象の発生を阻止することがで
きる。
したものにより構成すれば、該補強繊維は、一般に水流
に対する抵抗性が小さい粘性土の流出を防止して、水流
による浸蝕やパイピング現象の発生を阻止することがで
きる。
【0013】さらに、吸着層中に汚染吸着物質からなる
吸着材を混在すれば、吸着層による汚染物質の吸着作用
をより確実に発揮させることができる。
吸着材を混在すれば、吸着層による汚染物質の吸着作用
をより確実に発揮させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。図1は本発明の汚染水の漏出防止構造を適
用した廃棄物処分場10の全体を示す断面図である。
に説明する。図1は本発明の汚染水の漏出防止構造を適
用した廃棄物処分場10の全体を示す断面図である。
【0015】図において、廃棄物処分場10は、例えば
山間部などにおける広大な凹状の敷地をそのまま利用す
るか、或いは凹状に掘削形成して用いるもので、この実
施例の場合には、突堤E2 により、凹状に形成した廃棄
物処分場10を下流側敷地E1 から仕切っている。
山間部などにおける広大な凹状の敷地をそのまま利用す
るか、或いは凹状に掘削形成して用いるもので、この実
施例の場合には、突堤E2 により、凹状に形成した廃棄
物処分場10を下流側敷地E1 から仕切っている。
【0016】この処分場10には、凹状の地盤Eの地形
に沿ってその底面全域に遮水シート12が敷設され、地
盤Eとこれの上方の廃棄物投棄箇所とを水密に区画して
いる。また、遮水シート12の上面には、例えばサンド
マットからなる所定厚さの保護層14が積層され、この
保護層14の上部に廃棄物Hが、前記凹部が略平坦にな
るまで順次投棄堆積されることになる。
に沿ってその底面全域に遮水シート12が敷設され、地
盤Eとこれの上方の廃棄物投棄箇所とを水密に区画して
いる。また、遮水シート12の上面には、例えばサンド
マットからなる所定厚さの保護層14が積層され、この
保護層14の上部に廃棄物Hが、前記凹部が略平坦にな
るまで順次投棄堆積されることになる。
【0017】そして、廃棄物処分場10の最深部から、
当該廃棄物処分場10が設けられた地域の降雨量等を鑑
みて設定される、廃棄物から浸出する汚染水が遮水シー
ト12の上方に貯留すると考えられる最大水位H.W.
L.を越える高さにかけての底面領域Lには、後述する
この実施例にかかる汚染水の漏出防止構造30が設けら
れている。
当該廃棄物処分場10が設けられた地域の降雨量等を鑑
みて設定される、廃棄物から浸出する汚染水が遮水シー
ト12の上方に貯留すると考えられる最大水位H.W.
L.を越える高さにかけての底面領域Lには、後述する
この実施例にかかる汚染水の漏出防止構造30が設けら
れている。
【0018】なお、廃棄物処分場10の最深部からは、
前記突堤E2 の底部を貫通して、上部側排水管路24及
び下部側排水管路20が下流側敷地E1 まで延長してい
る。上部側排水管路24は、前記遮水シート12の上方
に敷設した保護層14中に設置した多孔管24a(図2
参照)と連通し、遮水シート12の上方に貯留した汚染
水を排除するとともに、この排水によって遮水シート1
2にかかる汚水による水頭を減じるべく設けられるもの
である。また、下部側排水管路20は、漏出防止構造3
0の下方に、例えば不織布や砂礫等によって形成した地
下水排水構造16中に配設される多孔管20a(図2参
照)と連通し、遮水シート12の下方から流出する地下
水を排除するものである。そして、上部側排水管路24
は汚染水を下流側敷地E1 に設けた例えば浸出水貯留槽
(図示せず)まで給送するとともに、この給送された汚
染水は、水処理施設において処理された後に河川等に放
流される。また、下部側排水管路20は地下水を下流側
敷地E1 に設けた例えば洪水調整池22まで給送すると
ともに、この給送された地下水は、雨水排水施設等にお
いて処理される。
前記突堤E2 の底部を貫通して、上部側排水管路24及
び下部側排水管路20が下流側敷地E1 まで延長してい
る。上部側排水管路24は、前記遮水シート12の上方
に敷設した保護層14中に設置した多孔管24a(図2
参照)と連通し、遮水シート12の上方に貯留した汚染
水を排除するとともに、この排水によって遮水シート1
2にかかる汚水による水頭を減じるべく設けられるもの
である。また、下部側排水管路20は、漏出防止構造3
0の下方に、例えば不織布や砂礫等によって形成した地
下水排水構造16中に配設される多孔管20a(図2参
照)と連通し、遮水シート12の下方から流出する地下
水を排除するものである。そして、上部側排水管路24
は汚染水を下流側敷地E1 に設けた例えば浸出水貯留槽
(図示せず)まで給送するとともに、この給送された汚
染水は、水処理施設において処理された後に河川等に放
流される。また、下部側排水管路20は地下水を下流側
敷地E1 に設けた例えば洪水調整池22まで給送すると
ともに、この給送された地下水は、雨水排水施設等にお
いて処理される。
【0019】そして、この実施例の漏出防止構造30
は、図2に示すように、主として、地盤Eを覆って廃棄
物処分場10の底面に敷設した遮水シート12と、この
遮水シート12と地盤Eとの間に介装して敷設される難
透水性の粘性土からなる吸着層18とによって構成され
る。
は、図2に示すように、主として、地盤Eを覆って廃棄
物処分場10の底面に敷設した遮水シート12と、この
遮水シート12と地盤Eとの間に介装して敷設される難
透水性の粘性土からなる吸着層18とによって構成され
る。
【0020】遮水シート12は、例えば軟質の合成樹脂
系或いはゴム系の材料からなるシート部材で、敷設施工
に適した所定の大きさのものを現場にて接合一体化しつ
つ敷設する。また、この遮水シート12の上下面には、
当該遮水シート12を防護すべく、これを挾んで、例え
ばベントナイト含浸不織布や屋根防水マット等の遮水効
果の高い保護マット28を敷設する。なお、かかる保護
マット28を透水性のある材料で構成すると、例えば、
遮水シート12のわずかな破損部分からもかなりの量の
汚染水の漏出が生じることになるため好ましくない。ま
た、遮水シート12及び保護マット28の厚さは、これ
らの上方に敷設される保護層14の土砂の最大粒径より
厚くし、保護層14を構成する砂利がその突起等により
遮水シート12を貫通しないようにする。
系或いはゴム系の材料からなるシート部材で、敷設施工
に適した所定の大きさのものを現場にて接合一体化しつ
つ敷設する。また、この遮水シート12の上下面には、
当該遮水シート12を防護すべく、これを挾んで、例え
ばベントナイト含浸不織布や屋根防水マット等の遮水効
果の高い保護マット28を敷設する。なお、かかる保護
マット28を透水性のある材料で構成すると、例えば、
遮水シート12のわずかな破損部分からもかなりの量の
汚染水の漏出が生じることになるため好ましくない。ま
た、遮水シート12及び保護マット28の厚さは、これ
らの上方に敷設される保護層14の土砂の最大粒径より
厚くし、保護層14を構成する砂利がその突起等により
遮水シート12を貫通しないようにする。
【0021】一方、吸着層18は、難透水性の粘性土
を、例えばブルドーザー等を用いて敷均すことによって
形成する。なお、この粘性土は、地下水により当該粘性
土が流出するのを防止するための補強繊維としての不織
布を混在したものを使用する。また、この粘性土による
吸着層18は、ブルドーザー等による施工精度等を鑑み
て、例えば最少厚さ30cm程度の二層構造とするとと
もに、その中間には、例えばベントナイト,木炭,活性
炭,コーラル,ゼオライト等の汚染吸着物質からなる吸
着材18aを敷設するして吸着材層を配設する。この吸
着材18aは、粘性土による汚染物質の吸着作用を補完
して、汚染水の浄化をより確実に行うことができるよう
にするものである。なお、前記吸着層18の厚さは、使
用する粘性土の粒径,透水係数等を勘案して適宜設計さ
れるものであるとともに、吸着層18は必ずしも二層構
造とする必要はない。また、吸着材18aは必ずしも粘
性土の各層の間に配設する必要はなく、粘性土中に分散
混在させることもできる。
を、例えばブルドーザー等を用いて敷均すことによって
形成する。なお、この粘性土は、地下水により当該粘性
土が流出するのを防止するための補強繊維としての不織
布を混在したものを使用する。また、この粘性土による
吸着層18は、ブルドーザー等による施工精度等を鑑み
て、例えば最少厚さ30cm程度の二層構造とするとと
もに、その中間には、例えばベントナイト,木炭,活性
炭,コーラル,ゼオライト等の汚染吸着物質からなる吸
着材18aを敷設するして吸着材層を配設する。この吸
着材18aは、粘性土による汚染物質の吸着作用を補完
して、汚染水の浄化をより確実に行うことができるよう
にするものである。なお、前記吸着層18の厚さは、使
用する粘性土の粒径,透水係数等を勘案して適宜設計さ
れるものであるとともに、吸着層18は必ずしも二層構
造とする必要はない。また、吸着材18aは必ずしも粘
性土の各層の間に配設する必要はなく、粘性土中に分散
混在させることもできる。
【0022】そして、かかる構成を有する漏出防止構造
30の上方には、さらに、保護層14が積層敷設され
る。この保護層14は、例えばサンドマットとしての土
砂をブルドーザー等を用いて敷均らすことにより、例え
ば最少巻出し厚さを30cmとして施工する。なお、保護
層14の厚さは、これの上方に投棄される廃棄物Hの最
大寸法より大きくして、廃棄物Hが遮水シート12に接
触するのを極力防止する。また、保護層14に廃棄物H
から浸出する汚染水の集排水層としての機能をもたせる
べく、その透水係数を10-3cm/s以上とするととも
に、保護層14には、砂礫26によって覆われた多孔管
24aを配設する。この多孔管24aの管径や配置間隔
は、廃棄物処分場10の内部に貯留される汚染水の許容
水量等を鑑みて適宜設計される。また、この多孔管24
aは、上述のように、上部側排水管路24と連通し、汚
染水を下流側敷地E1 に設けた上記浸出水貯留槽まで給
送する。なお、この浸出水貯留槽は、保護層14を形成
する土砂が地震時に液状化を生じる恐れがあるため、こ
れを防止すべく多孔管24aに内部に浸出汚染水が貯留
されないようにするために設けられたものである。
30の上方には、さらに、保護層14が積層敷設され
る。この保護層14は、例えばサンドマットとしての土
砂をブルドーザー等を用いて敷均らすことにより、例え
ば最少巻出し厚さを30cmとして施工する。なお、保護
層14の厚さは、これの上方に投棄される廃棄物Hの最
大寸法より大きくして、廃棄物Hが遮水シート12に接
触するのを極力防止する。また、保護層14に廃棄物H
から浸出する汚染水の集排水層としての機能をもたせる
べく、その透水係数を10-3cm/s以上とするととも
に、保護層14には、砂礫26によって覆われた多孔管
24aを配設する。この多孔管24aの管径や配置間隔
は、廃棄物処分場10の内部に貯留される汚染水の許容
水量等を鑑みて適宜設計される。また、この多孔管24
aは、上述のように、上部側排水管路24と連通し、汚
染水を下流側敷地E1 に設けた上記浸出水貯留槽まで給
送する。なお、この浸出水貯留槽は、保護層14を形成
する土砂が地震時に液状化を生じる恐れがあるため、こ
れを防止すべく多孔管24aに内部に浸出汚染水が貯留
されないようにするために設けられたものである。
【0023】また、漏出防止構造30の下方には、地下
水を排出するとともに、上記漏出防止構造30を通過し
た浄化後の汚染水を回収して、これが地盤E中に直接流
出するのを防止するための、地下水排水構造16が設け
られている。地下水排水構造16は、漏出防止構造30
と地盤Eとの間に介装敷設した、例えば不織布等からな
る排水層17と、該排水層17の上面に適宜間隔を置い
て形成した凹部に、砂礫26で周囲を覆いつつ配置した
多孔管20aとによって構成される。そして、多孔管2
0aは、上述のように、下部側排水管路20と連通し、
地下水等を上記洪水調整池22まで給送する。なお、こ
の地下水排水構造16は、上載荷重以上の大きな水圧が
地下水によって負荷されないような構造とする必要があ
る。
水を排出するとともに、上記漏出防止構造30を通過し
た浄化後の汚染水を回収して、これが地盤E中に直接流
出するのを防止するための、地下水排水構造16が設け
られている。地下水排水構造16は、漏出防止構造30
と地盤Eとの間に介装敷設した、例えば不織布等からな
る排水層17と、該排水層17の上面に適宜間隔を置い
て形成した凹部に、砂礫26で周囲を覆いつつ配置した
多孔管20aとによって構成される。そして、多孔管2
0aは、上述のように、下部側排水管路20と連通し、
地下水等を上記洪水調整池22まで給送する。なお、こ
の地下水排水構造16は、上載荷重以上の大きな水圧が
地下水によって負荷されないような構造とする必要があ
る。
【0024】そして、以上の構成を有するこの実施例の
漏出防止構造30によれば、図2に示すように、例えば
廃棄物H中の鋭利な突起物H1 が、堆積圧力などによっ
て保護層14を貫通して遮水シート12側に押し付けら
れ、これによって遮水シート12が破損したとしても、
当該破損箇所から下方に流出する汚染水は、吸着材層1
8aを挟んだ二層構造からなる吸着層18を通過する間
にこれの吸着作用によって汚染物質が排除され、浄化さ
れた状態で前記排水層17に至り、さらに多孔管20a
を介して処分場の外部に放出される。すなわち、汚染水
を無害化することにより、汚染水の汚染水としての処分
場外部への漏出を容易かつ確実に防止することができ
る。
漏出防止構造30によれば、図2に示すように、例えば
廃棄物H中の鋭利な突起物H1 が、堆積圧力などによっ
て保護層14を貫通して遮水シート12側に押し付けら
れ、これによって遮水シート12が破損したとしても、
当該破損箇所から下方に流出する汚染水は、吸着材層1
8aを挟んだ二層構造からなる吸着層18を通過する間
にこれの吸着作用によって汚染物質が排除され、浄化さ
れた状態で前記排水層17に至り、さらに多孔管20a
を介して処分場の外部に放出される。すなわち、汚染水
を無害化することにより、汚染水の汚染水としての処分
場外部への漏出を容易かつ確実に防止することができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造によれ
ば、処分場の底面地盤と遮水シートとの間に所定厚さの
粘性土からなる吸着層を介装敷設するので、たとえ遮水
シートの破損箇所から汚染水が漏出しても、汚染水に含
まれる汚染物質は吸着層の吸着作用により排除され、し
たがって、汚染水の処分場の外部への漏出を容易かつ確
実に防止することができる。
かる廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造によれ
ば、処分場の底面地盤と遮水シートとの間に所定厚さの
粘性土からなる吸着層を介装敷設するので、たとえ遮水
シートの破損箇所から汚染水が漏出しても、汚染水に含
まれる汚染物質は吸着層の吸着作用により排除され、し
たがって、汚染水の処分場の外部への漏出を容易かつ確
実に防止することができる。
【0026】また、前記吸着層を、粘性土に補強繊維を
混在させたものにより構成すれば、吸着層としての粘性
土の地下水による流出を容易に防止することができる。
混在させたものにより構成すれば、吸着層としての粘性
土の地下水による流出を容易に防止することができる。
【0027】さらに、前記吸着層に、ベントナイト,ゼ
オライト,木炭,活性炭等の汚染吸着物質からなる吸着
材を混在すれば、吸着層による汚染物質の吸着作用をよ
り確実に発揮させることができる。
オライト,木炭,活性炭等の汚染吸着物質からなる吸着
材を混在すれば、吸着層による汚染物質の吸着作用をよ
り確実に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる廃棄物処分場の全体
構成を示す断面説明図である。
構成を示す断面説明図である。
【図2】本発明の汚染水の漏出防止構造の一実施例を示
す拡大断面図である。
す拡大断面図である。
10 廃棄物処分場 12 遮水シート 14 保護層 16 地下水排水構造 18 吸着層 18a 吸着材 30 漏出防止構造 E 地盤 H 廃棄物 H1 突起物 L 底層部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−123108(JP,A) 特開 平2−126982(JP,A) 特開 昭61−101288(JP,A) 特開 平3−76915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 1/00 ZAB E02B 3/12
Claims (3)
- 【請求項1】 底面地盤に敷設した遮水シートにより、
該底面より下方の地盤をこれの上方の廃棄物投棄箇所か
ら水密に区画することによって、廃棄物から浸出する汚
染水が処分場の外部へ漏出するのを防止する廃棄物処分
場における汚染水の漏出防止構造において、 前記底面地盤と遮水シートとの間には、所定厚さの粘性
土からなり、ベントナイト等の汚染吸着物質からなる吸
着材層を挟んでその両側に配設される二層構造となって
いる吸着層を介装敷設したことを特徴とする廃棄物処分
場における汚染水の漏出防止構造。 - 【請求項2】 前記吸着層は、前記粘性土に補強繊維を
混在させたものからなることを特徴とする請求項1に記
載の廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造。 - 【請求項3】 前記吸着層には、ベントナイト,ゼオラ
イト,木炭,活性炭等の汚染吸着物質からなる吸着材を
混在したことを特徴とする請求項1または2に記載の廃
棄物処分場における汚染水の漏出防止構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05054313A JP3104459B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05054313A JP3104459B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262158A JPH06262158A (ja) | 1994-09-20 |
JP3104459B2 true JP3104459B2 (ja) | 2000-10-30 |
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ID=12967096
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05054313A Expired - Fee Related JP3104459B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 廃棄物処分場における汚染水の漏出防止構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3104459B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6654702B2 (en) | 2000-07-26 | 2003-11-25 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Method of checking vehicle mounted electronic units |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002045816A (ja) * | 2000-08-01 | 2002-02-12 | Etsuro Sakagami | 廃棄物最終処分場における有害汚染物の拡散防止方法 |
KR100473400B1 (ko) * | 2002-10-01 | 2005-03-10 | 한국파라마운트 주식회사 | 폐기물 매립장의 건설방법 |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP05054313A patent/JP3104459B2/ja not_active Expired - Fee Related
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