JP3104090B2 - タイミング信号発生方法および装置 - Google Patents

タイミング信号発生方法および装置

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JP3104090B2 JP03327992A JP32799291A JP3104090B2 JP 3104090 B2 JP3104090 B2 JP 3104090B2 JP 03327992 A JP03327992 A JP 03327992A JP 32799291 A JP32799291 A JP 32799291A JP 3104090 B2 JP3104090 B2 JP 3104090B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物理量、例えば、位置
または角度の変化に応じてタイミング信号を発生させる
技術、より詳しくは、物理量の変化に比例した数のタイ
ミング信号を表わす電気的情報としての符号や電気的パ
ルス信号を発生させる方法および装置に関するもので、
このタイミング信号を計数することにより変化量、例え
ば変位ないし移動量を検知することができる。
【0002】
【従来の技術】位置または角度の変化に相応して電気的
パルス信号を発生する装置として、エンコーダと呼ばれ
る装置がある。このエンコーダには、ロータリーエンコ
ーダとリニアエンコーダがあり、ロータリーエンコーダ
は回転型で角度の変化に応じたタイミング信号を発生
し、リニアエンコーダは直進型で変位距離に応じた数の
タイミング信号を発生するものである。いずれも、変位
方向に一定間隔で目盛を刻み、変位によって通過した目
盛の位置で、その目盛の数だけ電気信号(パルス)を発
生する。
【0003】目盛の刻み方には、歯車状の凹凸とばねに
よる機械的な接点の開閉を利用したもの、平面に櫛状の
導電性のパターンを描いたもの、光学的に反射率あるい
は透過率の異なるパターンを描いたもの、磁気的に磁化
の強弱または方向を変化させてパターンを描いたもの等
種々の方式がある。
【0004】これら従来技術に共通な特徴は、目盛が等
間隔に固定的に描かれていることである。多くの用途に
あっては、これらのエンコーダを使用する装置やシステ
ムにとって繰り返し安定に動作することを保証するため
に、目盛の位置は固定していることが必要である。ロー
タリーエンコーダにあっては、多回転あるいは360度
以上にわたって連続性を得るために、1回転の目盛の数
は整数とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のエンコーダには
次のような問題がある。 (1)分解能が固定である。すなわち、1個のロータリ
ーエンコーダでは1回転あたりの、あるいは、一定操作
量あたりのパルス数は製造時に決定され固定である。入
力パルス数に比例した変移を生じる制御対象を有するシ
ステムに一定の変位を与えようとする場合、最初から目
的の位置に制御対象を移動させるとき、できるだけ速や
かにかつ滑らかに行き過ぎないように操作することが望
まれる。ここで、分解能の高いエンコーダを用いると、
最初の位置から目的の位置近くまでは、エンコーダに対
して、少ない操作量を与えることで、素早く大きく移動
させることができる。ところが、少ない操作量で大きな
移動が生じるために、最終的な位置決めをしようとする
とき、動きが速すぎるか、あるいは、移動単位が粗すぎ
て、目的の位置を指示しにくく、また行き過ぎる恐れが
あり、機械装置であれば衝突のおそれもある。そこで制
御対象を目的の位置に高精度に位置決めするには微細な
操作が必要となるが、これが容易ではなく操作性が悪
い。逆に分解能の低いエンコーダを用いると、粗い操作
で最終的な位置決めができるが、大きな変移を得たい場
合には操作量が多くなって、速やかな移動は望めずやは
り操作性が悪い。このように、エンコーダを実際に使用
する場合、速やかで大きな変位を得たい(高密度のパル
スが必要な)場合と、微細な変位を得たい(密度は低い
がタイミング精度の高いパルスが必要な)場合との相反
する要求がある。従来のエンコーダでは分解能が固定で
あるから、このような要求には答えられず、用途に応じ
て中間的な分解能を選定しているが、操作性が悪い。
【0006】(2)上述の分解能が一定である欠点をな
くすために、従来次の方法が提案されているがこれにも
問題がある。 a)パルス数を逓倍する方法。すなわち、ロータリーエ
ンコーダが出力するパルスを電子回路で整数倍に逓倍し
て見かけ上のパルス密度を高くする方法が提案されてい
るが、逓倍されたパルス列は連続性がなく、エンコーダ
の変位が滑らかに増減した場合でも、逓倍されたパルス
列はだんご状に出力され、機械を動かすような場合、ぎ
くしゃくした動きをしたり、振動を発生したりする。 b)パルス数を分周する方法。すなわち、ロータリーエ
ンコーダが出力するパルス列を整数分の一に分周し、パ
ルス密度を低くする方法である。しかし、この方法では
分周比は整数に限られること、より高価な高分解能エン
コーダと別にパルス分周のための機構(電子回路)を必
要とする欠点がある。
【0007】(3)発生すべきパルスのパターンを予め
固定的に目盛ってあるために、チャタリング(光学式で
あれば光を反射する部分としない部分の二つの状態の間
を不安定に行ききし、誤ったパルス列を出力すること)
を生じる。従って、低速動作時、あるいは静止時に目盛
の境目付近でエンコーダの駆動部が微振動を生じている
と、振動により二つの状態を往復してパルス列を発生す
る。このパルス列はエンコーダを組み込んでいるシステ
ムにおいてはもともと想定していないし、エンコーダが
通常発生するパルス列と比較して高速なパルス列である
場合が多く、システムが誤動作する等の恐れがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の基本原理は物理
量の変化量、例えば、位置や角度の変化量(変位量)を
対応する電気量、例えば電圧(アナログ量)に変換し、
これをさらに数値(ディジタル量)に変換(A/D変
換)して測定値を得、この測定値が予め設定した基準な
いし単位量に相当する数値だけ増減する毎に1個のタイ
ミング信号を発生させようとするもので、このタイミン
グ信号の数によって物理量の変化量を表わすことができ
る。
【0009】すなわち、図2はX軸に対象物理量として
変位を、Y軸に電圧をとり、物理量−電圧変換器(第一
次変換部)の出力6xをプロットしたものであるが、本
発明は出力6xが予め設定した基準量Rだけ増加または
減少する毎に1個のタイミング信号9を出力させ、基準
量Rの大きさを変えることによって物理量の単位変化量
に対するタイミング信号9の密度ないし発生間隔(分解
能)を自由に変えることができる。
【0010】本発明が基本とする方法は、測定されてい
る物理量が予め定めた基準量だけ変化する毎に1個のタ
イミング信号を発生させ、各タイミング信号発生時点に
おける物理量測定値を記憶保持し、この記憶保持値とそ
の後の物理量の測定値とを比較して物理量測定値が記憶
保持値に対して予め定めた基準値だけ変化する毎に1個
のタイミング信号を発生させるとともに、その時点の物
理量測定値を先の記憶保持値に代えて記憶保持する動作
を反復させることを特徴とする。出力タイミング信号の
数を計数することによって変化量を知ることができ、基
準値を変えることにより出力タイミング信号の発生間隔
ないし密度を変えこれにより分解能を変えることができ
る。物理量の変化は正負いずれの方向に行なわれてもよ
い。
【0011】本発明は次の四つの基本構成を有する。第
1の構成は、 a)物理量を対応する電気量に変換出力する第一次変換
部とこの第一次変換部からのアナログ量の出力電気量を
ディジタル量の測定値に変換出力する第二次変換部とを
有する少なくとも一つの変換器からなる変換手段と、 b)前記変換手段の出力測定値が予め定めた基準値だけ
変化する毎にその時点の前記出力測定値を記憶保持する
保持手段と、 c)前記保持手段の記憶保持値と前記変換手段の出力測
定値とを比較し、前記出力測定値と前記記憶保持値の差
が前記基準値に達したとき1個のタイミング信号を出力
するタイミング信号発生手段と、 d)前記出力タイミング信号を前記保持手段に与えてそ
の記憶保持値をその時点における前記変換手段の出力測
定値で置換させる手段と、からなることを特徴とする。
【0012】第2の構成は、第1の構成において、前記
変換手段を、同一対象物理量の異なる範囲に応答変換動
作して対応する測定値を出力する複数の変換器によって
構成し、前記変換器の出力測定値を予め定めた制限値と
比較し、出力測定値が予め定めた制限値に達した変換器
から出力測定値が前記制限値に達していない変換器へ順
次切換え、出力測定値が前記制限値に達しない変換器の
出力測定値に基づく前記タイミング信号発生手段からの
出力タイミング信号を選択する手段を併せ設けたことを
特徴とする。
【0013】第3の構成は、第1の構成において、前記
タイミング信号発生手段を、前記出力測定値の一方向お
よび反対方向の変化によって生じる前記出力測定値の前
記保持値との差が前記基準値に達したとき、それぞれ1
個のタイミング信号を出力するように、構成したことを
特徴とする。
【0014】第4の構成は、第2の構成において、前記
タイミング信号発生手段を、前記出力測定値の一方向お
よび反対方向の変化によって生じる前記出力測定値の前
記保持値との差が前記基準値に達したとき、それぞれ1
個のタイミング信号を出力するように、構成したことを
特徴とする。
【0015】本発明の構成は、 a)測定されている連続的に変化する物理量を対応する
電気量に変換出力する第1次変換部とこの第1次変換部
からのアナログ量の出力電気量をディジタル量の測定値
に変換出力する第2次変換部とを有する少なくとも一つ
の変換器からなる変換手段と、 b)前記変換手段の出力測定値が予め定めた基準値だけ
変化する毎にその時点の前記出力測定値を記憶保持する
保持機能と、前記保持機能による記憶保持値と前記変換
手段の出力測定値とを比較し前記出力測定値と前記記憶
保持値の差が前記基準値に達したとき1個のタイミング
信号を出力するタイミング信号発生機能と、前記出力タ
イミング信号に応答し前記記憶保持値をその時点におけ
る前記変換手段の出力測定値で置換させる機能とを有す
る蓄積プログラム制御手段と、からなることを特徴とす
る。
【0016】
【作用】第1の構成では、変換器の第1次変換部が物理
量、例えば位置の変化に応答動作して変位量を相応する
電気量例えば電圧に変換し、さらに第2次変換部がこの
電圧を相当する数値に変換し、出力測定値として保持手
段に与える。保持手段はこの入力測定値が基準値だけ変
化する毎にその測定値を段階的に保持する。タイミング
信号発生手段が保持手段に保持された測定値と変換手段
からの測定値とを比較し、両者の差が基準値に達する毎
に1個のタイミング信号を出力するとともに、このタイ
ミング信号を前記保持手段にも与えてそれまでの保持値
と置換してそのときの変換手段からの出力測定値を新し
く記憶保持させる。タイミング信号発生手段からのタイ
ミング信号は出力端子に出力され、外部のカウンタで計
数されて、その計数値によって変位の大きさを表わすこ
とができる。
【0017】第2の構成は、第1の構成の系統を複数系
統並設したもので、物理量の変化が一つの系統の変換手
段で対処できる変化範囲を越えると、次の系統に切換え
られ同じ動作が継続して行なわれる。
【0018】第3の構成は、物理量の変化が正逆二つの
方向において生じる場合に対処するもので、二つのタイ
ミング信号発生手段の出力タイミング信号を加算すれば
正逆方向の変位の合計値を、また、正方向の変位による
タイミング信号発生手段の出力タイミング信号から負方
向の変位によるタイミング信号発生手段のタイミング信
号を減算すれば、基準位置からの変位を表わすことがで
きる。
【0019】第4の構成は、第2の構成と第3の構成を
組合せたもので、これら二つの構成の動作を行なうこと
ができる。
【0020】第1から第4の各構成が、変換手段によっ
て得た物理量相当測定値を保持、比較、置換、タイミン
グ信号発生の各手段により布線論理制御方式の動作手順
よって処理するの対し、本発明の構成は、前記測定値を
電子計算器、ディジタル信号処理(DSP)等の蓄積プ
ログラム制御方式によって処理し、第1から第4の各構
成と同等の機能を実現するものである。
【0021】いずれの構成においても、変換手段の出力
測定値の予め定めた基準値を変えることによって出力さ
れるタイミング信号の間隔ないし密度を変え、従って、
装置の分解能を変えることができる。また、測定物理量
の変化の速さ、従って、変換手段の出力測定値の変化の
速さが予め定められた値以下であるとき、かかる変化は
意図された変化でなく、すなわち、不用意な変化である
として装置をその変化に不感応ならしめるために、記憶
されている保持値を変換手段の出力測定値に継続的に近
づくように変化させることによって、変換手段の出力測
定値と記憶保持値との差が基準値に達することがなく、
従って、タイミング信号が発生されることがない(物理
量の緩い変化には装置が不感である)ように構成するこ
とができる。
【0022】本発明の対象となりうる物理量としては位
置、角度、温度、湿度、重量、速度、加速度、光学的な
量として色相、彩度、明度、光量、反射率、透過率等、
および放射線密度、電界強度、磁束密度、薬液濃度、p
H等の電気化学的な量、成分比、透明度、流量、圧力、
振動数、周波数、その他のあらゆる自然現象をあげるこ
とができるが、以下の説明においては変位を例として説
明する。
【0023】変位を電気量に変換する手段としては、例
えば抵抗体と摺動子を組合せたポテンショメータが最も
一般的であるが、角度や位置の変化を電気信号に変換で
きるものであれば、いかなる変換素子を用いてもよく、
例えば、磁気抵抗素子と磁石、光によって抵抗値や発生
電気量、例えば電圧が変化する光電素子と遮蔽板を使用
できる。また、変位以外の物理量の場合もその物理量を
電気量に変換できる適当な素子を使用できる。
【0024】従来のエンコーダは一定の間隔で目盛を付
けており、ディジタル的であったが、本発明では目盛の
間隔を使用に際して任意に設定でき、1タイミング信号
当りの変位量は任意であり、従来のものに比べてアナロ
グ的である。エンコーダの出力タイミング信号として
は、一般に、電気的パルスである。例えばロータリーエ
ンコーダであれば、1回転当りの分解能を100,20
0または500等のパルス数のエンコーダとして用いる
ことができる。さらに、101,102,103,49
9,501等としても用いることができる。また、本発
明では整数値以外の端数も可能である。2回転で345
パルス、7回転で678パルスといった設定も可能であ
る。これらは1回転当り172.5パルス,96.85
7142・・・といった値であるが、パルスの間隔は連
続性をもって多回転を実現できる。ここでは整数回転で
パルス数が整数値になる例を示したが、まったくの端数
もとり得る。
【0025】本発明では、このように単位移動量(変位
量)当りのタイミング信号(パルス)密度を任意に設定
することができる。本発明の装置は製造時にはタイミン
グ信号発生位置を示す目盛は付けずにおき、使用ないし
動作時にタイミング信号密度または1タイミング信号当
りの変位量を設定する。従って、動作中に1タイミング
信号当りの変位量を設定し直すことも可能である。本発
明では、このようにして動作中にタイミング信号発生密
度を自由に変更することができる。長い距離を移動し目
的の位置を指示する場合、タイミング信号発生密度を高
く設定し大きく移動し、目的の位置に近付くにしたがい
タイミング信号発生密度を低くし、最終的に位置を指示
するときには最も低いタイミング信号発生密度で位置決
めをする。このようにタイミング信号密度を加減するこ
とによってスムーズな操作を実現できる。
【0026】本発明は特に位置または角度の変位を連続
するタイミング信号に変換するものであるが、位置また
は角度を他のあらゆる物理量におき換え、この物理量を
適当なセンサによって電気量として検出して、物理量の
変化を別の物理量の変化に変換した後に、本発明によっ
てその変化をタイミング信号に変換するように構成する
こともできる。
【0027】本発明によるタイミング信号発生装置を2
組以上組み合せることにより、二次元(平面上の位置表
示)、三次元(立体表示あるいは球面上の位置表示)に
おける変位に対応するタイミング信号発生方式とするこ
とが可能である。
【0028】
【基本構成】1)第1の構成(一方向変位単一系)(図
1(a),(b)) 図1は第1の構成例を示し、1は物理量を測定値に変換
する変換器で、変位(物理量)を電圧(電気量)に変換
する第1次変換部Cと、電圧を数値(測定値)に変換
する第2次変換部Cとからなり、2は信号保持器、3
は比較器、4は微分器である。第1次変換部Cは例え
ば公知の回転型ポテンショメータやスライドボリュウム
が使用でき、入力変位量5を対応する電圧に変換し、出
力信号(変位信号)6xとして出力する。第2次変換部
はA/Dコンバータで、出力信号6xを入力としそ
れに相当するディジタル値に変換し測定値信号6として
出力する。すなわち、変換器1は入力変位量(物理量)
を対応する測定値に変換し測定値信号6として出力す
る。保持器2は微分器4の出力タイミング信号9が入力
された時点における変換器1からの測定値信号6のレベ
ルを保持して、この保持されたレベル(保持値)を出力
信号(保持値信号)7として出力する。
【0029】比較器3は変換器1の測定値信号6と保持
器2の保持値信号7とを比較し、信号6が信号7に対し
て予め設定された電圧差(基準値)Rだけ増加したとき
出力タイミング信号8を出力する。以下、理解を容易に
するために、電位差を基準値として説明するが、実際は
電位差に相当する数値であり、ディジタル論理回路での
処理である。
【0030】微分器4は比較器3の出力信号8を検出し
てタイミング信号9を出力する。このタイミング信号9
は、例えば外部のカウンタに入力されるとともに、保持
器2に保持されている測定値信号6のレベル(保持値)
をその時点における信号6のレベルで置換するためのタ
イミング信号としても作用する。
【0031】以上の回路の動作をグラフで示すと第2図
のごとくである。すなわち、変換器1からの測定値信号
6が増加してゆき、保持器2の保持値信号7よりも予め
設定された変位に対応する電圧差(基準値)R、例えば
1ミリボルトだけ増加したとき、比較器3はこれを検出
して信号8を出力する(論理1となる)。この出力信号
8を微分器4が波形整形してタイミング信号9を出力す
る。微分器4は信号8の論理0から1への変化の一瞬の
み信号9を出力する。タイミング信号9により、保持器
2は保持電圧(保持値信号)7を現時点の入力電圧(測
定値信号)6で置換する。換言すれば、現時点の入力電
圧が保持器2の新しい保持値となる。これによって信号
6と信号7の差が零になり、設定された電圧差がなくな
ったことにより信号8は論理0となる。以下測定値信号
6の増加により、以上の動作が繰り返えされ変位量に応
じた数のタイミング信号9が出力される。この出力タイ
ミング信号は例えばカウンタで計数され、計数値は目的
に応じて処理され、例えば、表示器に変位量として表示
される。
【0032】2−1)第2の構成(一方向変位複数系統
切換系)(図3) 図1の構成では変換器1は1個であるので、回転型ポテ
ンショメータの場合は抵抗体の直径により、また、直進
型ポテンショメータの場合でも抵抗体の長さにより、変
位量の有効測定範囲が制限される。この範囲は変換器を
複数個用いることによって拡大することができる。回転
型ポテンショメータの場合、有効角度範囲が通常250
度〜350度であるので、2個のポテンショメータ
,rを同軸上に180度程度ずらし、かつ、それ
ぞれの摺動子s、sをポテンショメータの軸に一致
する共通軸A上に同一方向に固定したもの(図18
(a))か、または、2個のポテンショメータr、r
を同じ角度で配置し、それぞれの摺動子s、s
軸A上に180度ずらして固定したもの(図18
(b))を使用することができる。あるいはまた、図1
8(c)に示すように、2個のポテンショメータr
を左右に配置し、それぞれの摺動子をそれぞれの回
転軸A上に180度ずらして固定するとともにそ
れぞれの回転軸に歯車G、Gを固定し、両歯車を共
通の一個の駆動歯車Gに噛合させ、駆動歯車を回転させ
ることにより各摺動子を回動させるようにしたものを用
いることができる。さらにまた、1個の円形抵抗体rと
同心の一本の回転軸A上に二つの摺動体s、sを1
80度間隔をおき、かつ、互いに電気的に絶縁して取付
けたものを使用してもよい(図18(d))。
【0033】以上のような構成の変換器によれば、二つ
の摺動体s、s(変換器1、1’)から取出せる出
力(測定値信号6、6’)は図4aに示すように、互い
に位相が180度ずれているので、一方の出力が有効な
範囲を外れる前に他方の出力を利用するようにすればよ
い。なお、ポテンショメータの円形抵抗体の有効角度範
囲が上記よりも小さい場合、3個以上の抵抗体を用いこ
れらを順次切り換え360度の連続性を得ることができ
る。
【0034】直進型(リニアエンコーダ)を使用する場
合は、要求される移動量に必要な単位変換素子(スライ
ドボリュウム等)の有効抵抗部分の両端を少しずつ重ね
て配置し、順次切り換えて大きな(長距離の)移動量の
変位に対応させることができる。
【0035】なお、直進運動を回転運動に歯車等で変換
すれば、リニアエンコーダの代りにロータリーエンコー
ダを用いて直線変位の測定を行なうことも可能である。
【0036】図3は以上のような変換器を2個用いた本
発明の第2の構成の一例を示す。図3においては、変換
器1、保持器2、比較器3および徴分器4からなる第1
系統の回路網と各回路の信号5〜9とは図1の構成と同
じであり、また、変換器1’、保持器2’、比較器3’
および微分器4’からなる第2系統の回路網も第1系統
の回路網と同じであり、各回路の信号5’〜9’は対応
する第1系統の回路網の対応する信号5〜9に対し18
0°の位相差をもつ。
【0037】図3の構成は上記2系統の回路網に加え
て、これらの二つの系統を切換え選択する第1と第2の
切換器10、11、上限値発生器12、比較器13およ
び切換指令信号発生器(フリップフロップ)14からな
る切換指令系統を有する。
【0038】切換器10は切換信号発生器14の出力信
号(切換指令信号)19が論理1か0かによって第1系
統の微分器4の出力信号9か第2系統の微分器4’の出
力信号9’のいずれかを選択(切換え)し、これをタイ
ミング信号15として出力する。図1の構成では、保持
器2の保持値(測定値信号6のレベル)は出力信号9に
よって更新させたが、本構成では両系統の保持器2、
2’の保持値は切換器10の出力信号15(微分器4ま
たは4’の出力信号9または9’)によって更新させ
る。
【0039】切換指令系統において、切換器11は切指
令信号発生器14の出力信号19により切換器10が選
択しているのと同じ系統の測定値信号6または6’を選
択し、これを出力信号16として比較器13に与える。
【0040】上限値発生器12は変換器1または1’が
その有効動作範囲を越えるいくらか手前の変位(有効動
作範囲上限値)に対応する信号6のレベルをもつ出力信
号(上限値信号)17を比較器13に与える。
【0041】比較器13は測定値信号16と上限値信号
17を比較して信号16が信号17のレベルに達したと
き変換器1または1’の有効動作範囲を越える時点より
も予め定めた値だけ前に出力信号18(論理1)をアン
ド回路ANに与える(図4(b))。
【0042】出力信号(論理1)18が入力されている
状態のアンド回路ANに切換器10の出力タイミング
信号15が入力されると、切換信号発生器14が現在動
作中の系統、例えば第1系統(1〜4)が有効動作範囲
の上限に達したと判断し、出力信号19の論理を反転さ
せる。この反転により、切換器10、11が切換動作さ
れて他方の系統、例えば第2系統(1’〜4’)を選択
し、以後第2系統の出力信号9’を出力タイミング信号
15として出力する。
【0043】図3の構成の動作について説明する。変位
にともない二つの系統の回路網は交互に択一的に動作
し、信号9または9’が出力タイミング信号15として
出力される。この信号9、9’の発生動作は第1図に示
す基本構成におけると同じであるから、第1系統の有効
動作範囲を越え、第2系統へ切り変わる動作についての
み図3、図4(a)、図4(b)を参照してさらに詳し
く説明する。なお、図4(b)は図4(a)の円内部分
を拡大した図である。
【0044】切換信号発生器14からの切換指令信号1
9(論理0)により選択されている第1系統の測定値信
号6は、切換器11を介して信号16として比較器13
に入力される。比較器13は入力信号16のレベルが上
限値発生器12からの上限値信号17のレベルに達する
と、変換器1の有効動作範囲の上限値の手前であること
を示す信号18(図4(b))を出力し、アンド回路A
に与える。一方、変位の増加により測定値信号6が
増加し、次にタイミング信号9が発生されると、このと
き切換器10は信号9側の第1系統を選択しているの
で、信号9は信号15として出力され、アンド回路AN
に入力される。従って、アンド条件が成立し、アンド
回路ANの出力により切換信号発生器14は出力信号
19の論理を0から1に反転させ、切換器10、11を
切換え、動作系統を第1系統から第2系統に切換えて信
号6’によって動作を継続させる。
【0045】なお、第2系統においては、第1系統の動
作中にも出力タイミング信号15により保持器2と同時
に保持器2’もその保持値を更新されているので、系統
を切換えた場合でも、出力信号15のタイミング列の連
続性は維持される。
【0046】2−2)第2の構成の変形例1(図5) 図5は、図3の変形例を示す。まず、図3の構成では第
1系統と第2系統にそれぞれ比較器3、3’および微分
器4、4’を設けたが、図5の構成では保持器2、2’
の後段に切換器10を配置することにより、比較器3と
微分器4をそれぞれ1個にして回路構成の簡素化を計っ
たものである。動作については図3の構成に準じ容易に
理解されるので、説明を省略する。
【0047】2−3)第2の構成の変形例2(図6) 図6は図3の他の変形例を示し、変換器1、1’の後段
に切換器11を配置し、保持器2、比較器3および微分
器4を両系統に共通にそれぞれ1個として回路構成をさ
らに簡素化したものである。
【0048】図6の変形例では、微分器4の出力信号9
を遅延回路21を介して保持器2に与えて、保持値を更
新させるようにしている。先の図3図5の構成では、出
力信号15、9の発生と同時に、この信号15、9によ
り保持器2、2’の保持値が更新されるが、図6の構成
では信号9を遅延回路21を介して信号20として保持
器2の保持値を更新するようにしている。これは切換信
号発生器14の出力信号19で切換器11を切換え、新
しい系統のその時点の測定値信号6または6’が信号1
6として保持器2に入力されて保持値となった後に、こ
の更新された保持値と、その後の測定値信号6または
6’とを比較器3で比較するようにするためである。も
し、タイミング信号9で保持器2の保持値を更新した後
に、切換器11を新しい系統(例えば第2系統)に切換
えると、保持器2の更新された保持値は切換え以前の先
の系統(例えば第1系統)の高いレベルの測定値信号6
の値であり、その高い信号レベルの保持値と新しい系統
の低い信号6’とを比較することになり、その場合測定
値信号6’が基準値だけ変化しても保持器2の保持値に
達せずタイミング9が出力されないことになって不都合
であるからである。
【0049】図6の構成では、遅延回路21のために保
持器の保持値の更新に時間がかり、タイミング信号列発
生の精度が少々悪くなるが全体の回路構成を一層簡素化
することができる。
【0050】3)第3の構成(両方向変位単一系)(図
7) 以上の構成は変位が増加する場合の構成であるが、本発
明の第3の構成は変位が増加する場合と減少する場合と
に対応できる構成である。その一例を図7に示すが、こ
の構成は図1の構成を変位が増減両方向の場合に対処で
きるように構成したものであり、同一参照記号は対応す
る構成要素を示し、動作も同一である。変位が減少方向
で出力される信号および回路要素には増加する方向で出
力される対応する信号および回路要素と同一参照記号に
添字aを付して示す。
【0051】図7では比較器3のほかに、比較器3aが
変換器1からの測定値信号6と保持器2からの保持値信
号7とを比較し、信号6が信号7に対して予め設定され
た電圧差だけ減少したとき、換言すれば信号6の信号7
との差が予め定められた基準値Rに達したとき、信号8
aを出力する。微分器4aは比較器3aの出力信号8a
を受けてタイミング信号9aを出力する。
【0052】オア回路ORは微分器4の出力信号9ま
たは微分器4aの出力信号9aを受けたとき、これを信
号23として出力し、保持器2に入力して保持値を更新
させる。
【0053】上記構成の動作を図8をも参照して説明す
ると、保持器2はそれまでの変位が増加であったか減少
であったかにかかわらず、前回のタイミング信号9また
は9aの発生位置Dに対応する信号6のレベルを保持し
ており、比較器3または比較器3aはそれぞれの設定電
位差(基準値R)に相当する増加方向または減少方向の
変位(測定値信号6の増減)があったときに、その位置
(dまたは−d)で信号8または8aを出力し、微分器
4または4aが出力タイミング信号9または9aを発生
する。この出力タイミング信号は例えばそれぞれ別のま
たは共通のカウンタに入力させることができる。
【0054】比較器3と比較器3aの設定基準値Rを等
しくするためには、1個の共通の電位差(基準値)設定
器26を両方の比較器3、3aに接続することができる
(図9)。
【0055】4−1)第4の構成(両方向変位複数系統
切換系)(図10) 図10は図3と図7の構成の機能を併せ備えた構成、す
なわち、変位の増減に対応するとともに、二つの系統を
交互に切換えて動作させるようにしたものである。
【0056】図10の構成は図7に示した両方向変位単
一系を2系統備えており、測定値信号6または6’が上
限値または下限値に達すると、現在選択されている動作
中の系統を他方の系統へ切り換える。両系統における各
対応する構成要素の信号は互いに180度の位相差があ
り、同じ参照番号にダッシュ(’)を付したものと付さ
ないもので示す。また、変位が減少する方向で出力され
る信号には増加する方向で出力される信号と同じ記号に
添字aを付して示す。なお、ANはANと同様のア
ンド回路で、微分器4aまたは4’aの出力15aおよ
び比較器13aまたは13’aの出力を切換器50を介
して受け、その出力をオア回路ORを介して切換指令
信号発生器14に与える。
【0057】図10の構成の動作は既述の三つの構成例
の動作の組み合せであり、理解に容易であろうから、説
明は簡単に留める。変位5または5’の増加によりタイ
ミング信号15が発生し、変位の減少により出力タイミ
ング信号15aが発生する。変位の増加または減少によ
り、変換器1、1’のいずれかの出力信号6、6’が上
限値または下限値に達したとき、切換信号発生器14か
らの切換指令信号19によって切換器50が切換えられ
て動作する系統が切換えられる。
【0058】4−2)第4の構成の変形例1(図11) 図11は図10における変換器1、1’の出力6、6’
を切換器11を介して比較13および13aに与えるこ
とによって、比較器13’、13’aを省略した構成を
示す。図11では切換器51は図10の切換器50に対
応するが、図11では比較器13、13aの出力18、
18aを切換器51を介さずにそれぞれ直接アンド回路
AN、ANの一方の入力に与えている。この変形例
の動作は図10の動作から容易に理解できるので説明は
省略する。
【0059】4−3)第4の構成の変形例2(図12) 図12は図10の構成において比較器13’、13’a
を省略するとともに(すなわち、図11の構成におい
て、さらに)、比較器3’および3’a並びに微分器
4’および4’aをも省略したもので、保持器2、2’
の出力7、7’を切換器52を介して比較器3および3
aに与えるようにしてある。なお、図12では図10の
切換器11を切換器52に組み込んである。この変形例
の動作も既述例の動作から容易に理解できるので説明は
省略する。
【0060】5)分解能可変の構成(図9、図13) 既述の構成においては、タイミング信号9の間隔、すな
わち、現タイミング信号から次タイミング信号が発生す
るまでの変位量(基準値R)は予め一定値に設定されて
いたが、これを可変とすることにより分解能を可変とす
ることができる。比較器3、3’3a、3’aは比較器
24、加算器25および電位差(基準値)設定器26に
よって構成することができる(図9、図13)。変位の
増加方向と減少方向の二つの比較器3(3’)、3a
(3’a)が設けられた構成では図9に示すように、変
位の増加方向と減少方向とで感度(分解能)に差が生じ
ないように基準値設定器26を比較器3(3’)と比較
器3a(3’a)で共用している。いずれの場合も、分
解能を可変にするためには、基準値設定器26をその出
力電圧が変更可能なものを使用する。可変基準値設定器
としては種々あるが、例えば、手動または外部の変化に
連動させて操作し設定基準値(電位差)を変化させるポ
テンショメータや外部の電子装置、コンピュータ等によ
って制御されるD/Aコンバータにより電位差を任意に
設定するものがある。
【0061】6)低速変位に不感応な構成(図14〜図
17) 既述の構成においては、保持器2(2’)は前回の出力
タイミング信号発生時点の変位に対応する電圧レベルを
次回のタイミング信号の発生まで保持する機能を有す
る。しかし、この種のエンコーダにおいては、意図され
ない不本意な変位が生じる場合があり、このような場合
装置が不感応であることが望ましい。このような装置を
不感応とすべき変位は通常低速であるから、本発明では
低速の変位に対し不感応とする構成が可能である。
【0062】本発明においては、保持器2(2’)は、
図14に示すようにレジスタ31の集合体で構成され
る。レジスタはデータを一時的に保持する論理回路で、
2進数の1ビットを表現することができ、図14の例で
は6個、すなはち、6ビットで64通りの電圧レベルを
表現する。但し、実用的な装置では8個(8ビットで2
56通りの電圧レベルを表現する)以上のレジスタで構
成される。保持器2(2’)への更新指令信号としての
出力タイミング信号9、15、20、23が存在しない
ときは、レジスタ31の値がそのまま信号7、7’とし
て出力されている。更新信号9(15、20、23)が
入力されたとき、入力測定値信号(変換器1(1’)の
出力)6(6’)がレジスタ31に設定され出力信号7
(7’)となり、保持器2の保持値、すなわち、出力信
号7(7’)が更新される(図16)。なお、微分器4
(4’、4a、4’a)の出力タイミング信号に基づく
更新指令信号9(15、20、23)はある時間幅を有
するが、更新動作(レジスタ31への設定)はタイミン
グ信号の論理0から1への変化点(立上りエッジ)で一
瞬に行なわれ、全体の系統の動作に問題はない。
【0063】図16は変位の速さ(測定値信号6
(6’)の変化)と保持器2(2’)の保持値信号7
(7’)の関係を示す。信号6(6’)が増加して信号
7(7’)との差が基準値Rに達する毎に出力タイミン
グ信号9が発生する。変位の速さが減じる(カーブの傾
斜が緩くなる)のにつれてタイミング信号9の間隔は大
きくなる。
【0064】低速の変位に対して装置を不感応とするた
めに、本発明では保持器2(2’)を図15に示すよう
に構成する。2x(2’x)は、その出力信号7
(7’)を入力信号6(6’)に設定可能な加減算器
(カウンタ回路)であり、各値を入出力する端子の外
に、加算/減算を指示する信号33、33’、加算/減
算を実行するタイミングを示す信号35(等間隔信号発
生器34の出力)および出力値7(7’)を入力値6
(6’)で置換することを指示する信号9(15、2
0、23)の端子を有する。32(32’)は加減算器
2x(2’x)の入力信号6(6’)と出力信号7
(7’)を比較し、比較結果を信号33(33’)とし
て出力する比較器である。この構成においては、信号3
5が入力される毎に、入力信号6(6’)と出力信号7
(7’)の比較結果(比較器32(32’)の出力信号
33(33’))によって加減算器(保持器)の保持値
が増減(+1または−1)される。すなわち、入力信号
6(6’)が正方向に変化していくとき、出力信号7
(7’)も徐々に増大していく。これは図17において
信号7(7’)が図16の水平位置から右上りに傾斜す
ることを意味する。
【0065】変位が生じてもこれを無視して不感応なら
しめる変位の速さ(不感応変位速さ、例えば2秒に1個
のタイミング信号9を発生するような変位の速さ)を等
間隔信号発生器34で設定しておくと、設定した不感応
変位速さよりも速く、例えば、1秒に10のタイミング
信号を発生する変位の速さで変位が入力されると通常の
動作をする。つまり、入力測定値信号6(6’)の変化
に応じて出力保持値信号7(7’)も徐々に変化するけ
れども、信号6(6’)の変化が信号7(7’)よりも
大きいので、両者の差は基準値Rに達してタイミング信
号8が出力される(図17のタイミング信号Pnま
で)。しかし、変位が不感応変位速度より遅い速さ、例
えば、5秒に1個のタイミング信号を発生する程度に遅
くなると(図17のタイミング信号Pnより右側)、前
回のタイミング信号Pnの発生位置から本来ならば次の
タイミング信号を発生する位置までの変位があっても、
入力の測定値信号6(6’)の変化(増加)に伴なっ
て、入力信号6(6’)が比較される基準となる保持値
信号7(7’)も入力信号6(6’)に追従してこれに
近づくように変化(増加)するから、信号6(6’)と
7(7’)の差は基準値Rに達せず(図17でPnより
右側では信号6(6’)と7(7’)の差が拡大しな
い)、従って、比較器3(3’)は出力信号8を発生し
ない。つまり、低速の変位に対して装置は不感動であ
る。
【0066】6)基本構成1)〜4)の変形例 上述の基本構成以外にも種々の変形例が可能である。例
えば、第4の構成においても、第2の構成の変形例2
(図6)におけるように、2個の保持器2と2’を1個
の保持器2で共用する構成も可能である。
【0067】図示の複数系統切換系は、2系統を切り換
える構成であるが、3系統以上を順次切り換える構成も
可能である。
【0068】7)本発明の構成(図19、図21) 第1〜第4の構成およびその変形、分解能可変の構成、
低速変化に不感応な構成、その他の変形例の構成は、こ
れらの機能、動作が布線論理制御方式によって処理され
るものである。本発明の構成は、上記の論理回路による
布線論理制御方式に対し、電子計算機等による蓄積プロ
グラム制御方式による構成である。換言すると、前記の
ハードウエアによる制御に代えてソフトウエアによる制
御を使用したものである。
【0069】従って、基本的な考えは全く同じと言って
よく、何れもa)物理量→電気量変換器、b)電気量
(アナログ値)→数値(デジタル値)変換器c)制御部
の三つから構成され、c)制御部の機能は同等である。
【0070】図19(a)は、図1に対応する本発明の
構成例を示し、36は電子計算機の如き蓄積プログラム
制御方式による処理装置、37はプログラムを逐次実行
し、データに対し、移動、計算、比較等の処理を行う制
御部、38はプログラム、基準値R等の固定データ等を
格納する記憶部、39は入力データ(設定値信号6
(6’))や保持値データ(保持値信号7(7’))等
を格納する記憶部である。記憶部38、39は区別する
必要はない。図19(b)は記憶部38、同39の内容
を示す。図20はプログラムのフローチャートの一例で
あり、動作は次のとおりである。すなわち、ステップ1
で信号6を入力して入力値6とする。ステップ2で入力
値6から保持値7を引き、その結果を基準値Rと比較
し、Rより大きくなければステップ1から繰り返し、R
より大きければステップ3で入力値6を新しい保持値7
として格納するとともに、ステップ4でタイミング信号
9を出力し、ステップ1から繰り返す。
【0071】図21(a)は、図10に対応する本発明
の構成例を示し、処理装置36の内部構成は図19と同
じである。信号6は変換器1の出力信号、信号6’は変
換器1の出力信号6とは180°の位相差をもつ変換器
1’の出力信号であり、15はタイミング信号発生装置
として機能する処理装置36の出力信号、15aは入力
変位が信号15のときとは逆方向であったときの処理装
置36の出力信号であって、図10における信号6、
6’、15、15aと等価である。
【0072】図21(b)は記憶部38、39の内容を
示し、出力信号が180°の位相差をもった二つの変換
器1、1’に対応して保持値7、7’、入力値6、6’
および何れの変換系を選択しているかを切換指令信号1
9として保持格納するとともに、変換系を切換える位置
を示す上限値12(12’)、下限値12a(12’
a)をプログラムとともに固定データとして格納してい
る。基準値Rは同図では固定データとして記憶部38に
置かれているが、分解能可変として用いるときは、記憶
部39に移し、可変データとして用いる。
【0073】図22はプログラムのフローチャートの一
例である。切換指令信号19は変換器1の変換系を値
「1」、変換器1’の変換系を値「2」で示していると
する。動作は次のとおりである。すなわち、ステップ1
では信号6または信号6’を入力し、入力値6または入
力値6’とする。ステップ2で切換指令信号19の値に
よって処理を分岐し、値が「1」であれば、変換器1の
変換系が選択されているものとし、ステップ3では入力
値6が保持値7よりも基準値Rより大きいか否か((6
−7)>R)を判定する。(6−7)>Rであれば、ス
テップ4で入力値6が上限値17より大きいか否か(6
>17)を判定する。入力値が上限値より大きければ、
ステップ5で値「2」を切換指令信号19に設定し、入
力値が上限値より大きくなければ、切換指令信号19は
そのままにする。続いてステップ6で保持値7を更新す
る。このとき、保持値7’も同時に更新する。
【0074】図10の処理では入力値6を保持値7に、
また、入力値6’を保持値7’に、それぞれ設定してい
たが、プログラムが入力値6(6’)が保持値7
(7’)より大きいことを判定したとき、既に入力値6
(6’)は保持値7(7’)より大きくなっており、そ
の差がタイミング信号の発生間隔(密度)、あるいは、
その発生数に誤差を生じさせるのを防ぐために、図22
に示すようにステップ6では保持値7(7’)に基準値
Rを加え、その和を新しい保持値7(7’)とするとと
もに、ステップ7でタイミング信号15を出力する。
【0075】ステップ3において、入力値6が保持値7
より基準値Rだけ大きくなければ、ステップ3aで減少
方向の変位を判定し、入力値6が保持値7より基準値R
より小さいか否か((7−6)>R)を判定する。この
後は、前記と同様で、ステップ4a→5a→6a→7a
と処理し、タイミング信号15aを出力する。
【0076】ステップ3aにおいて、入力値6と保持値
7の差が基準値Rより大きくないときは、ステップ1へ
戻り処理を繰り返す。同様に、切換信号19が値「2」
であったとき、入力値6’が増大しているときは、ステ
ップ1→2→3’→4’→5’→6→7と処理(動作)
する。また、入力値6’が減少しているときは、ステッ
プ1→2→3’→3’a→4’a→5’a→6a→7a
と処理する。ステップ3’aにおいて、入力値6’と保
持値7’の差が基準値Rより大きくないときは、ステッ
プ1へ戻り、処理を繰り返す。以上の例では上限値17
と17’、下限値17aと17’aは別の値を与えた
が、実用上は各々同一の値で動作させてもよい。
【0077】図19および図21における本発明の構成
は図1および図10に対応するものであるが、第1〜4
の構成の他の図示例および不図示例についても同様にそ
れぞれ対応する本発明の構成が可能である。また、図示
例では、対象物理量を位置としたが、他の物理量を対象
とすることも勿論可能である。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、分解能
を連続的に変えることができる。従って、一台で使用目
的に応じて分解能を随時設定することができる。一つの
タイミング信号を発生させた状態ないし位置から次にタ
イミング信号を発生させるべき状態ないし位置へ変化な
いし変位して始めてタイミング信号を発生するのでチャ
タリングが発生しない。円板上に目盛を固定的に刻設し
た従来のロータリーエンコーダでは機械的精度を必要と
したが、本発明では円板等の使用は不要で目盛も不要で
あり、機械的な精度が不要なので製作が容易である。さ
らに、本発明の装置はロボットの動き、位置を最初に覚
えこませるティーチングやCADシステム等、コンピュ
ータによる図形処理の位置情報入力装置(マウス、トラ
ックボール等のポインティングデバイス)に使用でき
る。また、各種計測器、制御装置、通信機器等の数値を
設定するためのダイヤル類にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の基本構成を示す図。
【図2】本発明の原理の説明図。
【図3】本発明の第2の基本構成を示す図。
【図4】本発明の図3の基本構成の動作説明図。
【図5】本発明の第2の基本構成の変形例を示す図。
【図6】本発明の第2の基本構成の他の変形例を示す
図。
【図7】本発明の第3の基本構成を示す図。
【図8】本発明の図7の基本構成の動作説明図。
【図9】電位差設定器を共用した比較器の構成を示す
図。
【図10】本発明の第4の基本構成を示す図。
【図11】本発明の第4の基本構成の変形例を示す図。
【図12】本発明の第4の基本構成の他の変形例を示す
図。
【図13】比較器の一例を示す図。
【図14】保持器の一例を示す図。
【図15】保持器の他の例を示す図。
【図16】図14の保持器の動作説明図。
【図17】図15の保持器の動作説明図。
【図18】変換器の構成例を示す概略図。
【図19】本発明の構成の一例を示す図。
【図20】本発明の構成の動作を示すフローチャート。
【図21】本発明の構成の他の例を示す図。
【図22】図21の構成の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1、1’ 変換器 2、2’ 保持器 3、3’、3a、3’a、13、13a、32、32’
比較器 4、4’、4a、4’a 微分器 10、10’、11、50、51、52 切換器 12 上限値発生器 12a 下限値発生器 14 切換指令信号発生器 26 電位差設定器 31 レジスタ 34 等間隔信号発生器 36 処理装置 38、39 記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62 G01D 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)測定されている連続的に変化する
    理量を対応する電気量に変換出力する第一次変換部とこ
    の第一次変換部からのアナログ量の出力電気量をディジ
    タル量の測定値に変換出力する第二次変換部とを有する
    少なくとも一つの変換器からなる変換手段と、 b)前記変換手段の出力測定値が予め定めた基準値だけ
    変化する毎にその時点の前記出力測定値を記憶保持する
    記憶保持機能と、前記記憶保持機能による記憶保持値と
    前記変換手段の出力測定値とを比較し前記出力測定値と
    前記記憶保持値の差が前記基準値に達したとき1個のタ
    イミング信号を出力するタイミング信号発生機能と、前
    記出力タイミング信号に応答し前記記憶保持値をその時
    点における前記変換手段の出力測定値で置換させる機能
    とを有する蓄積プログラム制御手段と、 からなることを特徴とするタイミング信号発生装置。
  2. 【請求項2】 前記変換手段を、同一対象物理量のそれ
    ぞれ異なる範囲に応答変換動作して対応する測定値を出
    力する複数の変換器によって構成するとともに、前記変
    換器の出力測定値を予め定めた制限値と比較し、出力測
    定値が予め定めた制限値に達した変換器から出力測定値
    が前記制限値に達していない変換器に順次切換え、出力
    測定値が前記制限値に達しない変換器の出力測定値に基
    づく前記タイミング信号発生手段からの出力タイミング
    信号を選択する手段を併せ設けたことを特徴とする請求
    に記載のタイミング信号発生装置。
  3. 【請求項3】 前記タイミング信号発生機能が、前記出
    力測定値の一方向および反対方向の変化によって生じる
    前記出力測定値前記保持値との差が前記基準値に達し
    たとき、それぞれ1個のタイミング信号を出力する機能
    を含むことを特徴とする請求項またはに記載のタイ
    ミング信号発生装置。
  4. 【請求項4】 前記予め定めた基準値が可変であること
    を特徴とする請求項からに記載のタイミング信号発
    生装置。
  5. 【請求項5】 前記変換手段の出力測定値の変化の速さ
    が予め定めた値以下であるとき、前記記憶保持値を前記
    出力測定値に近づくように変化させる機能を前記記憶
    機能含むことを特徴とする請求項からに記載の
    タイミング信号発生装置。
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