JP3074484B2 - パルス発生方法および装置 - Google Patents
パルス発生方法および装置Info
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Description
応じて電気的パルス信号を発生させる技術、より詳しく
は、物理量の変化に比例した数のパルスを発生させる方
法および装置に関し、この発生パルスを計数することに
より変化量、例えば変位ないし移動量を検知することが
できる。
発生する装置として、エンコーダと呼ばれる装置があ
る。このエンコーダには、ロータリーエンコーダとリニ
アエンコーダがあり、ロータリーエンコーダは回転型で
角度の変化に応じたパルスを発生し、リニアエンコーダ
は直進型で変位距離に応じた数のパルスを発生するもの
である。いずれも、変位方向に一定間隔で目盛を刻み、
変位によって通過した目盛の位置で、その目盛の数だけ
電気信号(パルス)を発生する。
な接点の開閉を利用したもの、平面に櫛状の導電性のパ
ターンを描いたもの、光学的に反射率あるいは透過率の
異なるパターンを描いたもの、磁気的に磁化の強弱また
は方向を変化させてパターンを描いたもの等種々の方式
がある。
的に描かれていることである。多くの用途にあっては、
これらのエンコーダを使用する装置やシステムにとって
繰り返し安定に動作することを保証するために、目盛の
位置は固定していることが必要である。ロータリーエン
コーダにあっては、多回転あるいは360度以上にわたっ
て連続性を得るために、1回転の目盛の数は整数とされ
ている。
ーエンコーダでは1回転あたりのパルス数は製造時に決
定され固定である。従って、分解能が高い場合、長い距
離の移動をパルス数で指示する場合は敏速な操作ができ
て便利であるが、最後に位置決めをしようとすると動き
が早すぎて、あるいは移動単位が粗すぎて、目的の位置
を指示しにくい。場合によっては行き過ぎる恐れがあ
り、機械装置であれば衝突の恐れがある。また、分解能
が低い場合は高い場合とは逆に、位置決めはやりやすい
が、長い移動には時間がかかり、あるいは一動作では移
動が完了せず、操作性がよくない。実際には、用途に応
じてその中間的な分解能を設定しているが、分解能が固
定であるが故に操作性が悪い。
従来次の方法が提案されているがこれにも問題がある。
エンコーダが出力するパルスを電子回路で整数倍に逓倍
して見かけ上のパルス密度を高くする方法が提案されて
いるが、逓倍されたパルス列は連続性がなく、エンコー
ダの変位が滑らかに増減した場合でも、逓倍されたパル
ス列はだんご状に出力され、機械を動かすような場合、
ぎくしゃくした動きをしたり、振動を発生したりする。
エンコーダが出力するパルス列を整数分の一に分周し、
パルス密度を低くする方法である。しかし、この方法で
は分周比は整数に限られること、より高価な高分解能エ
ンコーダと別にパルス分周のための機構(電子回路)を
必要とする欠点がある。
ってあるために、チャタリング(光学式であれば光を反
射する部分としない部分の二つの状態の間を不安定に行
ききし、誤ったパルス列を出力すること)を生じる。従
って、低速動作時、あるいは静止時に目盛の境目付近で
エンコーダの駆動部が微振動を生じていると、振動によ
り二つの状態を往復してパルス列を発生する。このパル
ス列はエンコーダを組み込んでいるシステムにおいては
もともと想定していないし、エンコーダが通常発生する
パルス列と比較して高速なパルス列である場合が多く、
システムが誤動作する等の恐れがある。
量(変位量)を対応する電気量、例えば電圧(アナログ
量)に変換し、この電気量が予め設定した基準ないし単
位量だけ増減する毎に1個の電気パルスを発生させるよ
うにしたもので、このパルスの数によって物理量の変化
量を表わすことができる。
Y軸に電圧をとり、物理量−電圧変換器の出力6をプロ
ットしたものであるが、本発明は出力6が予め設定した
基準量Rだけ増加または減少する毎に1個のパルス9を
出力し、このパルス数によって物理量の増減量を表わそ
うとするものである。Rの大きさを変えることによって
物理量の単位変化量に対するパルス9の密度ないし発生
間隔(分解能)を自由に変えることができる。
予め定めた基準量だけ変化する毎に1個の電気パルスを
発生させる方法において、各電気パルスの発生時点にお
ける物理量測定値を記憶保持し、物理量が記憶保持値に
対して予め定めた基準量だけ変化する毎に1個の電気パ
ルスを発生させるとともに、その時点の物理量の測定値
を先の記憶保持値に代えて記憶保持する動作を反復させ
ることを特徴とする。基準量を変えることにより出力パ
ルスの発生間隔ないし密度を変えこれにより分解能を変
えることができる。物理量の変化は正負いずれの方向に
行なわれてもよい。
と、 b)前記変換手段の出力電気量が予め定めた基準量だ
け変化する毎にその時点の前記出力電気量を記憶保持す
る保持手段と、 c)前記保持手段の記憶保持値と前記変換手段の出力
電気量とを比較し、前記出力電気量と前記記憶保持値の
差が前記基準量に達したとき1個のパルスを出力するパ
ルス発生手段と、 d)前記出力パルスを前記保持手段に与えてその記憶
保持値をその時点における前記変換手段の出力電気量で
置換させる手段と、 からなることを特徴とする。
量の異なる範囲に応答変換動作して対応する電気量を出
力する複数の変換器によって構成し、前記変換器の出力
電気量を予め定めた制限値と比較し、出力電気量が予め
定めた制限値に達した変換器から出力電気量が前記制限
値に達していない変換器へ順次切換え、出力電気量が前
記制限値に達しない変換器の出力電気量に基づく前記パ
ルス発生手段からの出力パルスを選択する手段を併せ設
けたことを特徴とする。
力電気量の一方向および反対方向の変化によって生じる
前記出力電気量の前記保持値との差が前記基準量に達し
たとき、それぞれ1個のパルスを出力するように、構成
したことを特徴とする。
力電気量の一方向および反対方向の変化によって生じる
前記出力電気量の前記保持値に対する差が前記基準量に
達したとき、それぞれ1個のパルスを出力するように、
構成したことを特徴とする。
作して変換手段が変位量に応じた電気量、例えば電圧を
保持手段に与える。保持手段はこの入力電圧が基準レベ
ルだけ変化する毎にその電圧レベルを段階的に保持す
る。パルス発生手段が保持手段に保持された電圧レベル
と変換手段からの電圧レベルとを比較し、両者の差が基
準レベルに達する毎に1個のパルスを出力するととも
に、このパルスを前記保持手段にも与えてそれまでの保
持値に置換してそのときの変換手段からの出力電圧レベ
ルを新しく記憶保持させる。パルス発生手段からのパル
スは出力端子に出力され、外部のカウンタで計数され
て、その計数値によって変位の大きさを表わすことがで
きる。
もので、物理量の変化が一つの系統の変換手段で対処で
きる変化範囲を越えると、次の系統に切換えられ同じ動
作が継続して行なわれる。
て生じる場合に対処するもので、二つのパルス発生手段
の出力パルスを加算すれば正逆方向の変位の合計値を、
また、正方向の変位によるパルス発生手段の出力パルス
から負方向の変位によるパルス発生手段のパルスを減算
すれば、基準位置からの変位を表わすことができる。
ので、これら二つの構成の動作を行なうことができる。
め定めた基準量を変えることによってパルス発生手段か
らの出力パルスの間隔ないし密度を変え、従って、装置
の分解能を変えることができる。また、測定物理量の変
化の速さ、従って、変換手段の出力電気量の変化の速さ
が予め定められた値以下であるとき、かかる変化は意図
された変化でなく、すなわち、不用意な変化であるとし
て装置をその変化に不感応ならしめるために、保持手段
の記憶保持値を変換手段の出力電気量に継続的に近づく
ように変化させることによって、変換手段の出力電気量
の保持手段保持値との差が基準値に達することがなく、
従って、パルス発生手段はパルスを発生しない(物理量
の緩い変化には装置が不感である)ようにすることがで
きる。
温度、湿度、重量、速度、加速度、光学的な量として色
相、彩度、明度、光量、反射率、透過率等、および放射
線密度、電界強度、磁束密度、薬液濃度、pH等の電気化
学的な量、成分比、透明度、流量、圧力、振動数、周波
数、その他のあらゆる自然現象をあげることができる
が、以下の説明においては変位を例として説明する。
と摺動子を組合せたポテンショメータが最も一般的であ
るが、角度や位置の変化を電気信号に変換できるもので
あれば、いかなる変換素子を用いてもよく、例えば、磁
気抵抗素子と磁石、光によって抵抗値や発生電気量、例
えば電圧が変化する光電素子と遮蔽板を使用できる。
に変換できる適当な素子を使用できる。
ディジタル的であったが、本発明では目盛の間隔を使用
に際して任意に設定でき、1パルス当りの変位量は任意
であり、従来のものに比べてアナログ的である。例えば
ロータリーエンコーダであれば、1回転当りの分解能を
100、200または500等のパルス数のエンコーダとして用
いることができる。さらに、101、102、103、499、501
等としても用いることができる。また、本発明では整数
値以外の端数も可能である。2回転で345パルス、7回
転で678パルスといった設定も可能である。これらは1
回転当り172.5パルス、96.857142・・・・・といった値
であるが、パルスの間隔は連続性をもって多回転を実現
できる。ここでは整数回転でパルス数が整数値になる例
を示したが、まったくの端数もとり得る。
パルス密度を任意に設定することができる。本発明の装
置は製造時にはパルス発生位置を示す目盛は付けずにお
き、使用ないし動作時にパルス密度または1パルス当り
の変位量を設定する。従って、動作中に1パルス当りの
変位量を設定し直すことも可能である。本発明では、こ
のようにして動作中にパルス発生密度を自由に変更する
ことができる。長い距離を移動し目的の位置を指示する
場合、パルス発生密度を高く設定し大きく移動し、目的
の位置に近付くにしたがいパルス発生密度を低くし、最
終的に位置を指示するときには最も低いパルス発生密度
で位置決めをする。このようにパルス密度を加減するこ
とによってスムーズな操作を実現できる。
するものであるが、位置または角度を他のあらゆる物理
量におき換え、物理量を適当なセンサによって電気量と
して検出して、物理量の変化を直接パルス列に変換す
る。
とにより、二次元(平面上の位置表示)、三次元(立体
表示あるいは球面上の位置表示)における変位に対応す
るパルス発生方式とすることが可能である。
器、2は信号保持器、3は比較器、4は微分器である。
変換器1は例えば公知の回転型ポテンショメータやスラ
イドボリュウムが使用でき、入力変位量5を対応する電
圧に変換し、出力信号(変位信号)6として出力する。
保持器2は、微分器4の出力パルス信号9が入力された
時点における変換器1からの変位信号6のレベルを保持
して、この保持されたレベル(保持値)を出力信号(保
持値信号)7として出力する。
信号7とを比較し、信号6が信号7に対して予め設定さ
れた電圧差(基準値)Rだけ増加したとき出力パルス信
号8を出力する。
号9を出力する。このパルス信号9は、例えば外部のパ
ルスカウンタに入力されるとともに、保持器2に保持さ
れている保持値信号6のレベル(保持値)をその時点に
おける信号6のレベルで置換するタイミング信号として
も作用する。
ある。すなわち、変換器1からの変位信号6が増加して
ゆき、保持器2の保持値信号7よりも予め設定された変
位に対応する電圧差(基準値)R、例えば1ミリボルト
だけ増加したとき、比較器3はこれを検出してパルス信
号8を出力する(論理1となる)。この出力信号8を微
分器4が波形整形してパルス信号9を出力する。パルス
信号9により、保持器2は保持電圧(保持値信号)7を
現時点の入力電圧(変位信号)6で置換する。換言すれ
ば、現時点の入力電圧が保持器2の新しい保持値とな
る。これによって信号6と信号7の差が零になり、設定
された電圧差がなくなったことにより信号8は論理0と
なる。以下変位信号6の増加により、以上の動作が繰り
返えされ変位量に応じた数のパルス信号9が出力され
る。この出力パルスは例えばカウンタで計数され、計数
値は目的に応じて処理され、例えば、表示器に変位量と
して表示される。
3図) 第1図の構成では変換器1は1個であるので、回転型
ポテンショメータの場合は抵抗体の直径により、また、
直進型ポテンショメータの場合でも抵抗体の長さによ
り、変位量の有効測定範囲が制限される。この範囲は変
換器を複数個用いることによって拡大することができ
る。回転型ポテンショメータの場合、有効角度範囲が通
常250度〜350度であるので、2個のポテンショメータ
r1、r21を同軸上に180度程度ずらし、かつ、それぞれの
摺動子s1、s2をポテンショメータの軸に一致する共通軸
A上に同一方向に固定したもの(第18図(a))か、ま
たは、2個のポテンショメータr1、r2を同じ角度で配置
し、それぞれの摺動子s1、s2を軸A上に180度ずらして
固定したもの(第18図(b))を使用することができ
る。あるいはまた、第18図(c)に示すように、2個の
ポテンショメータr1、r2を左右に配置し、それぞれの摺
動子をそれぞれの回転軸A1、A2上に180度ずらして固定
するとともにそれぞれの回転軸に歯車G1、G2を固定し、
両歯車を共通の一個の駆動歯車Gに噛合させ、駆動歯車
を回転させることにより各摺動子を回動させるようにし
たものを用いることができる。さらにまた、1個の円形
抵抗体rと同心の一本の回転軸A上に二つの摺動体s1、
s2を180度間隔をおき、かつ、互いに電気的に絶縁して
取付けたものを使用してもよい(第18図(d))。
s1、s2(変換器1、1′)から取出せる出力(変位信号
6、6′)は第4a図に示すように、互いに位相が180度
ずれているので、一方の出力が有効な範囲を外れる前に
他方の出力を利用するようにすればよい。なお、ポテン
ショメータの円形抵抗体の有効角度範囲が上記よりも小
さい場合、3個以上の抵抗体を用いこれらを順次切り換
え360度の連続性を得ることができる。
される移動量に必要な単位変換素子(スライドボリュウ
ム等)の有効抵抗部分の両端を少しずつ重ねて配置し、
順次切り換えて大きな(長距離の)移動量の変位に対応
させることができる。
ニアエンコーダの代りにロータリーエンコーダを用いて
直線変位の測定を行なうことも可能である。
2の構成の一例を示す。
び微分器4からなる第1系統の回路網と各回路の信号5
〜9とは第1図の構成と同じであり、また、変換器
1′、保持器2′、比較器3′および微分器4′からな
る第2系統の回路網も第1系統の回路網と同じであり、
各回路の信号5′〜9′は対応する第1系統の回路網の
対応する信号5〜9に対し180度の位相差をもつ。
の二つの系統を切換え選択する第1と第2の切換器10、
11、上限値発生器12、比較器13および切換指令信号発生
器(フリップフロップ)14からなる切換指令系統を有す
る。
号)19が論理1か0かによって第1系統の微分器4の出
力信号9か第2系統の微分器4′の出力信号9′のいず
れかを選択(切換え)し、これをパルス信号15として出
力する。第1図の構成では、保持器2の保持値(変位信
号6のレベル)は出力信号9によって更新させたが、本
構成では両系統の保持器2、2′の保持値は切換器10の
出力信号15(微分器4または4′の出力信号9または
9′)によって更新させる。
14の出力信号19により切換器10が選択しているのと同じ
系統の変位信号6または6′を選択し、これを出力信号
16として比較器13に与える。
範囲を越えるいくらか手前の変位(有効動作範囲上限
値)に対応する信号6のレベルをもつ出力信号(上限値
信号)17を比較器13に与える。
16が信号17のレベルに達したとき変換器1または1′の
有効動作範囲を越える時点よりも予め定めた値だけ前に
出力信号18(論理1)をアンド回路AN1に与える(第4b
図)。
回路AN1に切換器10の出力パルス信号15が入力される
と、切換信号発生器14が現在動作中の系統、例えば第1
系統(1〜4)が有効動作範囲の上限に達したと判断
し、出力信号19の論理を反転させる。この反転により、
切換器10、11が切換動作されて他方の系統、例えば第2
系統(1′〜4′)を選択し、以後第2系統の出力信号
9′を出力パルス信号15として出力する。
動作し、信号9または9′が出力パルス信号15として出
力される。この信号9、9′の発生動作は第1図に示す
基本構成におけると同じであるから、第1系統の有効動
作範囲を越え、第2系統へ切り変わる動作についてのみ
第3図、第4a図、第4b図を参照してさらに詳しく説明す
る。なお、第4b図は第4a図の円内部分を拡大した図であ
る。
より選択されている第1系統の変位信号6は、切換器11
を介して信号16として比較器13に入力される。比較器13
は入力信号16のレベルが上限値発生器12からの上限値信
号17のレベルに達すると、変換器1の有効動作範囲の上
限値の手前であることを示す信号18(第4b図)を出力
し、アンド回路AN1に与える。一方、変位の増加により
変位信号6が増加し、次にパルス信号9が発生される
と、このとき切換器10は信号9側の第1系統を選択して
いるので、信号9は信号15として出力され、アンド回路
AN1に入力される。従って、アンド条件が成立し、アン
ド回路AN1の出力により切換信号発生器14は出力信号19
の論理を0から1に反転させ、切換器10、11を切換え、
動作系統を第1系統から第2系統に切換えて信号6′に
よって動作を継続させる。
力パルス信号15により保持器2と同時に保持器2′もそ
の保持値を更新されているので、系統を切換えた場合で
も、出力信号15のパルス列の連続性は維持される。
成では第1系統と第2系統にそれぞれ比較器3、3′お
よび微分器4、4′を設けたが、第5図の構成では保持
器2、2′の後段に切換器10を配置することにより、比
較器3と微分器4をそれぞれ1個にして回路構成の簡素
化を計ったものである。動作については第3図の構成に
準じ容易に理解されるので、説明を省略する。
の後段に切換器11を配置し、保持器2、比較器3および
微分器4を両系統に共通にそれぞれ1個として回路構成
をさらに簡素化したものである。
路21を介して保持器2に与えて、保持値を更新させるよ
うにしている。先の第3図第5図の構成では、出力信号
15、9の発生と同時に、この信号15、9により保持器
2、2′の保持値が更新されるが、第6図の構成では信
号9を遅延回路21を介して信号20として保持器2の保持
値を更新するようにしている。これは切換信号発生器14
の出力信号19で切換器11を切換え、新しい系統のその時
点の変位信号6または6′が信号16として保持器2に入
力されて保持値となった後に、この更新された保持値
と、その後の変位信号6または6′とを比較器3で比較
するようにするためである。もし、パルス9で保持器2
の保持値を更新した後に、切換器11を新しい系統(例え
ば第2系統)に切換えると、保持器2の更新された保持
値は切換え以前の先の系統(例えば第1系統)の高いレ
ベルの変位信号6の値であり、その高い信号レベルの保
持値と新しい系統の低い信号6′とを比較することにな
り、その場合変位信号6′が基準量だけ変化しても保持
器2の保持値に達せずパルス9が出力されないことにな
って不都合であるからである。
値の更新に時間がかり、パルス列発生の精度が少々悪く
なるが全体の回路構成を一層簡素化することができる。
発明の第3の構成は変位が増加する場合と減少する場合
とに対応できる構成である。その一例を第7図に示す
が、この構成は第1図の構成を変位が増減両方向の場合
に対処できるように構成したものであり、同一参照記号
は対応する構成要素を示し、動作も同一である。変位が
減少方向で出力される信号および回路要素には増加する
方向で出力される対応する信号および回路要素と同一参
照記号に添字aを付して示す。
らの変位信号6と保持器2からの保持値信号7とを比較
し、信号6が信号7に対して予め設定された電圧差だけ
減少したとき、換言すれば信号6の信号7との差が予め
定められた基準量Rに達したとき、信号8aを出力する。
微分器4aは比較器3aの出力信号8aを受けてパルス信号9a
を出力する。
の出力信号9aを受けたとき、これを信号23として出力
し、保持器2に入力して保持値を更新させる。
持器2はそれまでの変位が増加であったか減少であった
かにかかわらず、前回のパルス9または9aの発生位置D
に対応する信号6のレベルを保持しており、比較器3ま
たは比較器3aはそれぞれの設定電位差(基準量R)に相
当する増加方向または減少方向の変位(変位信号6の増
減)であったときに、その位置(dまたは−d)で信号
8または8aを出力し、微分器4または4aが出力パルス9
または9aを発生する。この出力パルスは例えばそれぞれ
別のまたは共通のパルスカウンタに入力させることがで
きる。
には、1個の共通の電位差(基準量)設定器26を両比較
器3、3aに接続することができる(第9図)。
10図) 第10図は第3図と第7図の構成の機能を併せ備えた構
成、すなわち、変位の増減に対応するとともに二つの系
統を交互に切換えて動作させるようにしたものである。
系統備えており、変位信号6または6′が上限値または
下限値に達すると、現在選択されている動作中の系統を
他方の系統へ切り換える。両系統における各対応する構
成要素の信号は互いに180度の位相差があり、同じ参照
番号にダッシュ(′)を付したものと付さないもので示
す。また、変位が減少する方向で出力される信号には増
加する方向で出力される信号と同じ記号に添字aを付し
て示す。なお、AN2はAN1と同様のアンド回路で、微分器
4aまたは4′aの出力15aおよび比較器13aまたは13′a
の出力を切換器50を介して受け、その出力をオア回路OR
2を介して切換指令信号発生器14に与える。
み合せであり、理解に容易であろうから、説明は簡単に
留める。
生し、変位の減少により出力パルス信号15aが発生す
る。変位の増加または減少により、変換器1、1′のい
ずれかの出力信号6、6′が上限値または下限値に達し
たとき、切換信号発生器14からの切換指令信号19によっ
て切換器50が切換えられて動作する系統が切換えられ
る。
6′を切換器11を介して比較器13および13aに与えるこ
とによって、比較器13′、13′aを省略した構成を示
す。第11図では切換器51は第10図の切換器50に対応する
が、第11図では比較器13、13aの出力18、18aを切換器51
を介さずにそれぞれ直接アンド回路AN1、AN2の一方の入
力に与えている。この変形例の動作は第10図の動作から
容易に理解できるので説明は省略する。
るとともに(すなわち、第11図の構成において、さら
に)、比較器3′および3′a並びに微分器4′および
4′aをも省略したもので、保持器2、2′の出力7、
7′を切換器52を介して比較器3および3aに与えるよう
にしてある。なお、第12図では第11図の切換器11を切換
器52に組み込んである。この変形例の動作も既述例の動
作から容易に理解できるので説明は省略する。
現パルスから次パルスが発生するまでの変位量(基準量
R)は予め一定値に設定されていたが、これを可変とす
ることにより分解能を可変とすることができる。比較器
3、3′、3a、3′aは比較器24、加算器25および電位
差(基準量)設定器26によって構成することができる
(第9図、第13図)。変位の増加方向と減少方向の二つ
の比較器3(3′)、3a(3′a)が設けられた構成で
は第9図に示すように、変位の増加方向と減少方向とで
感度(分解能)に差が生じないように基準量設定器26を
比較器3(3′)と比較器3a(3′a)で共用してい
る。いずれの場合も、分解能を可変にするためには、基
準量設定器26をその出力電圧が変更可能なものを使用す
る。可変基準量設定器としては種々あるが、例えば、手
動または外部の変化に連動させて操作し設定基準量(電
位差)を変化させるポテンショメータや外部の電子装
置、コンピュータ等によって制御されるD/Aコンバータ
により電位差を任意に設定するものがある。
力パルス発生時点の変位に対応する電圧レベルを次回の
パルスの発生まで正確に保持する機能を有する。しか
し、この種のエンコーダにおいては、意図されない不本
意な変位が生じる場合があり、このような場合装置が不
感応であることが望ましい。このような装置を不感応と
すべき変位は通常低速であるから、本発明では低速の変
位に対し不感応とする構成が可能である。
に示すようにコンデンサ32と演算増幅器34およびスイッ
チング回路31により構成されるサンプル・アンド・ホー
ルド回路(以下S/H回路)を用いることができる。スイ
ッチング回路31は普通電子回路で構成される。保持器2
(2′)への更新指令信号としての出力パルス9、15、
20、23が存在しないときは、スイッチング回路31は開か
れており、コンデンサ32の端子電圧が演算増幅器34を介
してそのまま信号7、7′aとして出力されている。更
新信号9(15、20、23)が入力されたとき、スイッチン
グ回路31は閉じられ、入力変位信号(変換器1(1′)
の出力)6(6′)が演算増幅器33、スイッチング回路
31を通してコンデンサ32に設定(充電)され、このコン
デンサ32の端子電圧が出力信号7(7′)となる。これ
をサンプリング動作という(第16図)。なお、微分器4
(4′、4a、4′a)の出力パルス信号に基づく更新指
令信号9(15、20、23)の有効な時間(パルス幅)は出
力パルス発生間隔に比べて無視できる程度小さく選ぶの
で、サンプリング動作は一瞬に行なわれ、全体の系統の
動作に問題はない。
完全に開かれた状態(絶縁状態)か完全に閉じられた状
態(導通状態)かの2通りの状態を有する。
持器2(2′)の保持値信号7(7′)の関係を示す。
信号6(6′)が増加して信号7(7′)との差が基準
量Rに達する毎に出力パルス9が発生する。変位の速さ
が減じる(カーブの傾斜が緩くなる)のにつれてパルス
9の間隔は大きくなる。
明では第15図に示すように、保持器2(2′)を構成す
るS/H回路のスイッチング回路31にまたがって抵抗器35
を付加接続することにより、スイッチング回路31の開路
状態においても不完全絶縁状態とする。すなわち、スイ
ッチング回路31が閉じられたサンプリング動作では第14
図の構成と同じく一瞬でコンデンサ32をその時点の入力
電圧6(6′)のレベルにまで充電する(保持値を更新
する)が、スイッチング回路31が開かれた保持(ホール
ド)状態でも抵抗器35を通じてコンデンサ32を少しづつ
充電してゆく。従って、コンデンサ32の端子電圧(信号
7(7′))が徐々に増大していく。これは第17図にお
いて信号7(7′)が第16図の水平位置から右上りに傾
斜することを意味する。
の速さ(不感応変位速さ、例えば2秒に1個のパルス9
を発生するような変位の速さ)をコンデンサ32の容量と
抵抗器35の抵抗値によって設定しておくと、設定した不
感応変位速さよりも速く、例えば、1秒に10パルスを発
生する変位の速さで変位が入力されると通常の動作をす
る。つまり、入力変位信号6(6′)の変化に応じて出
力保持値信号7(7′)も徐々に変化するけれども、信
号6(6′)の変化が信号7(7′)よりも大いので、
両者の差は基準量Rに達して信号8(パルス9)が出力
される(第17図のパルスPnまで)。しかし、変位が不感
応変位速度より遅い速さ、例えば、5秒に1パルスを発
生する程度に遅くなると(第17図のパルスPnより右
側)、前回のパルスPnの発生位置から本来ならば次のパ
ルスを発生する位置までの変位があっても、入力の変位
信号6(6′)の変化(増加)に伴なって、その変化と
同じ速さでコンデンサ32が抵抗値35を介して充電される
ので、入力信号6(6′)が比較される基準となる保持
値信号7(7′)、すなわち、コンデンサ32の端子電圧
も入力電圧(信号6(6′)に追従してこれに近づくよ
うに変化(増加)するから、信号6(6′)と7
(7′)の差は基準量Rに達せず(第17図でPnより右側
では信号6(6′)と7(7′)の差が拡大しない)、
従って、比較器3(3′)は出力信号8を発生しない。
つまり、低速の変位に対して装置は不感応である。
ある。例えば、第4の構成においても、第2の構成の変
形例2(第6図)におけるように、2個の保持器2と
2′を1個の保持器2で共用する構成も可能である。
あるが、3系統以上を順次切り換える構成も可能であ
る。
対象とすることも勿論可能である。
えることができる。従って、一台で使用目的に応じて分
解能を随時設定することができる。
ルスを発生させるべき状態ないし位置へ変化ないし変位
して始めてパルスを発生するのでチャタリングが発生し
ない。
ンコーダでは機械的精度を必要としたが、本発明では円
板等の使用は不要で目盛も不要であり、機械的な精度が
不要なので製作が容易であるのみならず、使用により機
械的摩耗等による誤差の発生もない。
に覚えこませるティーチングやCADシステム等、コンピ
ュータによる図形処理の位置情報入力装置(マウス、ト
ラックボール等のポインティングデバイス)に使用でき
る。
定するためのダイヤル類にも適用可能である。
図、 第10図は第4の構成の一例を示す図、 第11図は第4の構成の変形例を示す図、 第12図は第4の構成の他の変形例を示す図、 第13図は比較器の一例を示す図、 第14図は保持器の一例を示す図、 第15図は保持器の他の例を示す図、 第16図は第14図の保持器の動作説明図、 第17図は第15図の保持器の動作説明図、 第18図(a)(b)(c)(d)は変換器の構成例を示
す概略図である。 1、1′……変換器、 2、2′……保持器、 3、3′、3a、3′a、13、13a……比較器、 4、4′、4a、4′a……微分器、 10、10′、11、50、51、52……切換器、 12……上限値発生器、 12a……下限値発生器、 14……切換指令信号発生器。
Claims (7)
- 【請求項1】連続的に変化する物理量の測定値が予め定
めた基準量だけ変化する毎に電気パルスを発生させる方
法において、電気パルスの発生時点における前記物理量
の測定値を記憶保持し、この記憶保持値とその後の物理
量の測定値とを比較して物理量の測定値が記憶保持値に
対して予め定めた基準量だけ変化する毎に1個の電気パ
ルスを発生させるとともに、その時点の物理量の測定値
を先の記憶保持値に代えて記憶保持する動作を反復させ
ることを特徴とするパルス発生方法。 - 【請求項2】前記基準量を変えることにより発生パルス
の密度を可変とした請求項(1)に記載のパルス発生方
法。 - 【請求項3】a)連続的に変化する物理量を対応する電
気量に変換出力する変換手段と、 b)前記変換手段の出力電気量が予め定めた基準量だけ
変化する毎にその時点の前記出力電気量を記憶保持する
保持手段と、 c)前記保持手段の記憶保持値と前記変換手段の出力電
気量とを比較し、前記出力電気量と前記記憶保持値の差
が前記基準量に達したとき1個のパルスを出力するパル
ス発生手段と、 d)前記出力パルスを前記保持手段に与えてその記憶保
持値をその時点における前記変換手段の出力電気量で置
換させる手段と、 からなることを特徴とするパルス発生装置。 - 【請求項4】前記変換手段を、同一対象物理量のそれぞ
れ異なる範囲に応答変換動作して対応する電気量を出力
する複数の変換器によって構成し、 前記変換器の出力電気量を予め定めた制限値と比較し、
出力電気量が予め定めた制限値に達した変換器から出力
電気量が前記制限値に達していない変換器に順次切換
え、出力電気量が前記制限値に達しない変換器の出力電
気量に基づく前記パルス発生手段からの出力パルスを選
択する手段 を併せ設けたことを特徴とする請求項(3)に記載のパ
ルス発生装置。 - 【請求項5】前記パルス発生手段を、前記出力電気量の
一方向および反対方向の変化によって生じる前記出力電
気量と前記保持値との差が前記基準量に達したとき、そ
れぞれ1個のパルスを出力するように、構成したことを
特徴とする請求項(3)または(4)に記載のパルス発
生装置。 - 【請求項6】前記予め定めた基準量が可変であることを
特徴とする請求項(3)から(5)に記載のパルス発生
装置。 - 【請求項7】前記変換手段の出力電気量の変化の速さが
予め定めた値以下であるとき、前記記憶保持値を前記出
力電気量に近づくように変化させる機能を前記保持手段
が備えていることを特徴とする請求項(3)から(6)
に記載のパルス発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02096086A JP3074484B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | パルス発生方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02096086A JP3074484B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | パルス発生方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03293520A JPH03293520A (ja) | 1991-12-25 |
JP3074484B2 true JP3074484B2 (ja) | 2000-08-07 |
Family
ID=14155591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02096086A Expired - Lifetime JP3074484B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | パルス発生方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3074484B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
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JP4677579B2 (ja) * | 2000-03-24 | 2011-04-27 | 株式会社関西コムネット | 信号伝送装置 |
JP5925485B2 (ja) * | 2011-12-26 | 2016-05-25 | 日本電産サンキョー株式会社 | エンコーダ装置およびエンコーダ装置の信号生成方法 |
JP7275827B2 (ja) * | 2019-05-10 | 2023-05-18 | オムロン株式会社 | カウンタユニット、データ処理装置、計測システム、カウンタユニット制御方法、およびデータ処理方法 |
JP2021155178A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 住友重機械工業株式会社 | 搬送システム、入力回路 |
-
1990
- 1990-04-10 JP JP02096086A patent/JP3074484B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
水野光彦、市原正貴、池上文夫、吉田進、電子通信学会技術研究報告、日本国、京都大、昭和53年、vol177、no.221、p.31−36 |
Also Published As
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---|---|
JPH03293520A (ja) | 1991-12-25 |
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