JP3103362B2 - 含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物の製造法 - Google Patents

含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱安定性、成形性、成形物外観および成形
物物性を改良した含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物を製造
する方法に関するものである。
従来の技術 ポリ塩化ビニル系樹脂に代表される含ハロゲン熱可塑
性樹脂は、溶融成形時の加熱により脱塩酸によるポリエ
ン構造が生成し、黄色化が起こる。そこで、熱安定性を
向上させるために、該樹脂に安定剤として金属石鹸を配
合することが広く行われている。
この場合、安定剤としての金属石鹸のみの配合によっ
ては、長時間の溶融成形中に経時的にいわゆる金属焼け
を起こして樹脂が黒色化する傾向があるので、安定化助
剤を併用配合するのが通常である。
この目的の安定化助剤として、従来より、ポリオール
(ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール
等)、有機亜リン酸エステル(トリフェニルホスファイ
ト等)、エポキシ化合物(ビスフェノールAタイプのエ
ポキシ樹脂等)などが使われている。
このうちペンタエリスリトールやジペンタエリスリト
ールを用いるものとしては、特公昭51−25257号公報、
特公昭51−23974号公報をはじめ多数の文献がある。
本出願人は、安定剤として金属石鹸を用い、安定化助
剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用い
る方法につき下記のような出願を行っている。
・特開平1−45451号公報 安定化助剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物使用 ・特開平1−163245号公報 安定化助剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物と、β−ジケトン化合物、有機亜リン酸エステル
およびアミノカルボン酸化合物よりなる群から選ばれた
化合物とを併用 ・特開平1−178543号公報 安定化助剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物とハイドロタルサイト系固溶体とを併用 発明が解決しようとする課題 しかしながら、ポリ塩化ビニル系樹脂等の含ハロゲン
熱可塑性樹脂に安定剤として金属石鹸を配合するに際
し、安定化助剤としてペンタエリスリトールやジペンタ
エリスリトールを配合する方法は、成形時にこれらの安
定化助剤が昇華しやすく、得られる成形物の透明度、表
面状態、衝撃強度、耐温水性(耐ブリード性、耐ブルー
ム性、耐温水白化性)の点で必ずしも満足のいく結果が
得られないという限界がある。また、安定化助剤として
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を配合する方法
は、成形物の初期着色、加熱時の経時的着色増加の点で
なお改良を図る必要がある。
本発明者らは、ポリ塩化ビニル系樹脂等の含ハロゲン
熱可塑性樹脂に安定剤として金属石鹸を配合するに際
し、安定化助剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物とペンタエリスリトールまたはジペンタエリス
リトールとを粉体状の形で併用配合することにつき試
み、それぞれの助剤性能の欠点を補完した性能向上を期
待したが、両者の相加平均的な効果以下の性能が得られ
るにとどまった。
本発明は、このような状況に鑑み、熱安定性、成形
性、成形物外観および成形物物性をさらに改良した含ハ
ロゲン熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的になさ
れたものである。
課題を解決するための手段 本発明の含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物の製造法は、
含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)100重量部に金属石鹸系
安定剤(B)0.1〜5重量部および安定化助剤(C)0.1
〜4重量部を配合した樹脂組成物を製造するにあたり、
前記安定化助剤(C)として、エチレン含量20〜75モル
%、酢酸ビニル部分のケン化度50モル%以上の共重合組
成を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C
1)0.05〜2重量部と、ペンタエリスリトールまたは/
およびジペンタエリスリトール(C2)0.05〜2重量部と
を、これら(C1)成分と(C2)成分との配合割合が重量
比で10:90〜90:10となるように、予め溶融混練した組成
物を用いることを特徴とするものである。
以下本発明を詳細に説明する。
〈含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)〉 含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)としては、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−酢酸
ビニル共重合体、クロルスルホン化ポリエチレンなどが
あげられる。特に、ポリ塩化ビニル系樹脂、つまり、塩
化ビニルのホモポリマーまたは塩化ビニルと他のコモノ
マーとの共重合体が重要である。
〈金属石鹸系安定剤(B)〉 金属石鹸系安定剤(B)としては、高級脂肪酸、樹脂
酸、ナフテン酸などの第II族金属塩が用いられる。ここ
で第II族金属としては、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウムなどがあげ
られる。殊に、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール
酸などの高級脂肪酸のカルシウム塩、バリウム塩、亜鉛
塩またはカドミウム塩が重要である。これらは1種のみ
用いることもできるが、2種以上を組み合せて用いた方
が安定化効果が大きい。
〈安定化助剤(C)〉 安定化助剤(C)としては、本発明においては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)と、ペンタエ
リスリトールまたは/およびジペンタエリスリトール
(C2)とが併用される。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)として
は、組成物には、エチレン含量20〜75モル%、酢酸ビニ
ル部分のケン化度50モル%以上の共重合組成を有するも
のが用いられる。
共重合組成が上記範囲からはずれるものは、含ハロゲ
ン熱可塑性樹脂(A)の熱安定性改良効果が不足する。
なお上記共重合組成を有すれば、他に少量のコモノマー
を含んでいてもよい。
一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体をアルカリ触媒でケン化す
ることにより製造される。ところが、使用する工業用水
や試薬中には金属塩が不純物として含まれており、また
ケン化触媒(アルカリ金属水酸化物)は反応後もアルカ
リ金属の酢酸塩として残存する。そのため、これらの不
純物やアルカリ金属酢酸塩は、ケン化液から析出、ろ別
した樹脂中に含まれることになる。樹脂のエチレン含
量、ケン化度、あるいはケン化条件等種々の要因によっ
て一概には言えないが、通常上記で得られるエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物中の灰分含量はたとえば50
00〜50000ppm程度、アルカリ金属含量はたとえば4000〜
40000ppm程度である。
ここで灰分とは、乾燥したエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物を白金蒸発皿にとり、電熱器とガスバーナ
ーを用いて炭化後、400℃の電気炉に入れ、700℃まで昇
温し、さらに700℃で3時間にわたって完全に灰化後、
電気炉より取り出し、5分間放冷後、デシケーター中で
25分間放置し、灰分を精量して求めたものを言うものと
する。
またアルカリ金属は、灰分測定の場合と同一の方法で
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を灰化後、灰分
を塩酸酸性水溶液に加温下に溶解した溶液について原子
吸光法によって定量される。
本発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(C1)は、上述の共重合組成を有するだけでなく、上
記で定義される灰分含量が300ppm以下、好ましくは50pp
m以下、さらに好ましくは20ppm以下、またアルカリ金属
含量が200ppm以下、好ましくは35ppm以下、さらに好ま
しくは5ppm以下であることが必要である。灰分およびア
ルカリ金属含量が少ないほど熱安定性効果、特に初期着
色防止効果が顕著である。灰分およびアルカリ金属含量
は、上記許容範囲内でできるだけ少ない方が好ましい
が、工業的見地からは精製に限界があるので、その下限
は灰分が1ppm程度、アルカリ金属含量が0.5ppm程度とな
る。
灰分含量やアルカリ金属含量が上記許容値を越えるも
のは、含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)の熱安定性改良効
果が十分ではなく、たとえばポリ塩化ビニル系樹脂のロ
ール混練時にロール面に汚染を生ずるなど溶融成形面で
の問題点も生ずる。
上述の低灰分・低アルカリ金属含量のエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物(C1)は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体をケン化して製造されるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物の粉末、粒子、ペレットを酸、特に
弱酸の水溶液で十分に洗浄し、灰分やアルカリ金属の原
因となる塩類を除去後、さらに望ましくは水洗によって
樹脂に付着した酸を除去し、乾燥することによって得ら
れる。
弱酸としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、
乳酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタール酸、コハ
ク酸、安息香酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが使
用される。通常、25℃におけるpKaが3.5以上のものが有
用である。
また、上記弱酸による処理を行った後、水洗の前また
は後に、稀薄な強酸、たとえばシュウ酸、マレイン酸な
ど25℃におけるpKaが2.5以下の有機酸やリン酸、硫酸、
硝酸、塩酸などの水溶液でさらに処理することが望まし
い。これによりアルカリ金属の除去が一段と効率的にな
される。
ペンタエリスリトールまたは/およびジペンタエリスリ
トール(C2) 上述のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)
と併用されるもう一つの安定化助剤は、ペンタエリスリ
トールまたは/およびジペンタエリスリトール(C2)で
ある。これらは、粉体の形態で市販されている。
〈各成分の配合割合〉 含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)100重量部に対する金
属石鹸系安定剤(B)および安定化助剤(C)の配合割
合は、それぞれ0.1〜5重量部、0.1〜4重量部に設定さ
れ、これらの配合割合が上記範囲をはずれると、所期の
熱安定性改良効果等が得られなくなる。
また、安定化助剤(C)0.1〜4重量部のうちエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)の配合量は0.05
〜2重量部、ペンタエリスリトールまたは/およびジペ
ンタエリスリトール(C2)の配合量は0.05〜2重量部と
する。これらの成分の配合量が上記範囲からはずれる
と、やはり所期の効果を充分には奏しえなくなる。
そして、上記(C1)成分と(C2)成分との配合割合
は、重量比で10:90〜90:10に設定され、この範囲におい
て最もすぐれた効果が奏される。
〈配合方法〉 含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)に金属石鹸系安定剤
(B)および安定化助剤(C)を配合するに際しては、
安定化助剤(C)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(C1)とペンタエリスリトールまたは/および
ジペンタエリスリトール(C2)とを上記の割合で予め溶
融混練しておき、この溶融混練した組成物を含ハロゲン
熱可塑性樹脂(A)に配合することが必要である。溶融
混練に際しては、グリセリン、ジグリセリン、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリオールを添加
することもできる。混練物の形状は、ペレット状でも粉
体状でもよい。
(C1)成分と(C2)成分とを別々に含ハロゲン熱可塑
性樹脂(A)に配合した場合、あるいは(C1)成分と
(C2)成分との粉体同士の混合物を含ハロゲン熱可塑性
樹脂(A)に配合した場合は、(C1)成分と(C2)成分
とを予め溶融混練してから含ハロゲン熱可塑性樹脂
(A)に配合した場合ほどの顕著な効果は奏されない。
〈他の添加剤〉 本発明の含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物には、上記各
成分のほか、必要に応じ、上記以外の安定化助剤、可塑
剤、染顔料、フィラー、滑剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、ケレート剤、補強材、
発泡剤、耐衝撃性改善剤(エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アクリル系共重合体、ABS樹脂、MBS樹脂等)、他の
熱可塑性樹脂をはじめ、従来公知の含ハロゲン熱可塑性
樹脂用の添加剤を本発明の趣旨を損なわない限りにおい
て配合することができる。
殊に可塑剤の配合は有用であり、フタル酸エステル
類、脂肪族二塩基酸エステル類、トリメリット酸エステ
ル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ
系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩化パラフィンなど
が配合される。
〈溶融成形法〉 溶融成形法としては、カレンダ成形法、押出成形法、
射出成形法、ブロー成形法などが採用できる。
作用および発明の効果 本発明においては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(C1)とペンタエリスリトールまたは/およびジ
ペンタエリスリトール(C2)とを予め特定の割合で溶融
混練した組成物からなる安定化助剤を用いたため、従来
に比し熱安定性、成形性、成形物外観および成形物物性
を一段と改良した含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができ、高性能化を強く期待している市場の要求に
沿うことができる。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは、モル%とある場合およびヘ
イズ%を除き、重量基準で表わしたものである。
(C1)成分の製造 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)とし
て、次のものを準備した。
(C′) エチレン含量44モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体の40%メタノール溶液1000部を耐圧反応器に仕込み、
撹拌しながら110℃に加熱した。続いて、水酸化ナトリ
ウムの6%メタノール溶液40部およびメタノール2500部
を連続的に仕込むと共に、副生する酢酸メチルおよび余
分のメタノールを系から留出させながら2.5時間ケン化
反応を行い、酢酸ビニル部分のケン化度99.5モル%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を得た。
ケン化終了液に30%含水メタノールを450部仕込みな
がら余分のメタノールを留出させ、樹脂分濃度39%の水
/メタノール(組成比3/7)溶液となした。
液温を50℃にした前記のエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の水/メタノール混合液を孔径4mmのノズル
より1.5/hrの速度にて5℃に維持された水/メタノー
ル(混合比9/1)凝固液槽(巾100mm、長さ4000mm、深さ
100mm)にストランド状に押出した。凝固終了後、凝固
液槽の端部に付設された引き取りローラー(線速2m/mi
n)を経て、ストランド状物をカッターで切断し、直径4
mm、長さ4mmの白色、多孔質のペレットを得た。
このエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット
の灰分含量は7400ppm、ナトリウム金属含量は4800ppmで
あった。
このエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を
(C′)とする。
(C1−1) 次に上記ペレット(C′)100部を0.3%酢酸水溶液30
0部に浸漬し、30℃で1時間撹拌するという洗浄操作
(弱酸洗浄)を2回繰り返した。ついで、スラリーをろ
別した後、得られたペレットを再度水300部と混合して
スラリー化し、30℃で1時間撹拌するという洗浄操作
(水洗)を3回繰り返した後、乾燥した。
上記洗浄操作後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物ペレットの灰分は6ppm、ナトリウム金属含量は2.7p
pmであった。
このエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を(C1−
1)とする。なお使用に際しては、ペレットを粉砕した
粒度80メッシュ全通の粉体を用いた。
(C1−2) また、上記(C1−1)の水洗に先立ち、弱酸洗浄後の
ペレットをさらに0.003%リン酸水溶液230部に浸漬して
30℃で1時間撹拌するという洗浄操作(強酸洗浄)を1
回行い、ついで(C1−1)製造の場合と同様の水洗操作
を3回繰り返した後乾燥した。
得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレ
ットの灰分は10ppm、ナトリウム金属含量は1.4ppmであ
った。
このエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を(C1−
2)とする。なお使用に際しては、ペレットを粉砕した
粒度80メッシュ全通の粉体を用いた。
(C1−3) 懸濁重合で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体粒
子(エチレン含量71モル%、含水率11.0%)1124部を、
メタノール1950部、水925部、水酸化ナトリウム182部、
アセトン38部の混合溶液中に加え、30℃で3時間、さら
に35℃で3時間撹拌しながらケン化し、ケン化スラリー
を遠心分離機でろ別した。
得られたケン化物粒子100部を1%酢酸水溶液300部と
混合してスラリー化し、30℃で1時間撹拌するという洗
浄操作(弱酸洗浄)を2回繰り返した。
ついでスラリーをろ別した後、得られた粒子を0.5%
のリン酸水溶液300部に浸漬して30℃で1時間撹拌する
という洗浄操作(強酸洗浄)を1回行った。
続いてスラリーをろ別した後、得られた粒子をさらに
水300部と混合してスラリー化し、30℃で1時間撹拌す
るという洗浄操作(水洗)を3回繰り返した後、室温で
真空乾燥した。
得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物粒子
のケン化度は61.2モル%、灰分は15ppm、ナトリウム金
属含量は4.0ppmであった。
このエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を(C1−
3)とする。使用に際しては、粒子をそのまま用いた
(粒度10メッシュ全通)。
なお、灰分およびナトリウム金属の定量は以下に従っ
た。
〈灰分〉 乾燥した試料約80gを精秤し、そのうちの約10gを恒量
化した白金蒸発皿に入れ、電熱器で炭化した。炭化後、
さらに試料約10gずつを追加し、同様の操作を繰り返し
た。最後にガスバーナーで加熱し、煙が出なくなるまで
焼いた。
約400℃の電気炉内に前記の白金蒸発皿を入れ、磁性
ルツボ蓋で大半を覆い、700℃まで徐々に昇温した。700
℃に3時間保持して完全に灰化させた後、電気炉から取
り出し、5分間放冷後、デシケーター中で25分間放置
し、灰分を精秤した。
〈ナトリウム金属〉 乾燥した試料約10gを精秤して白金ルツボに入れ、上
記と同一の方法で灰化した。白金ルツボに特級塩酸2ml
および純水3mlを入れ、電熱器で加熱して溶解した。上
記溶液を50mlメスフラスコに純水で流し込み、さらに標
線まで純水を追加して原子吸光分析用の試料とした。
別途調製した標準液(ナトリウム金属1ppm、塩酸約0.
5N)を対照液として原子吸光度の測定を行い、吸光度の
比率からナトリウム金属の量を定量した。測定条件は次
の通りである。
装 置:日立180−30形原子吸光/炎光分光光度
計 波 長:589.0nm フレーム:アセチレン−空気 硬質配合処方 重合度800のポリ塩化ビニル100部、エポキシ化大豆油
2部、ステアリン酸カルシウム0.5部、ステアリン酸亜
鉛0.5部および後述の安定化助剤1部を予備混合した
後、6インチ径の2本ロールを用いて、190℃で5分間
ロール練りし、厚さ0.6mmのシートを引き出した。
硬質配合処方 重合度1100のポリ塩化ビニル100部、エポキシ化大豆
油2部、可塑剤としてのジオクチルフタレート50部、ス
テアリン酸カルシウム0.5部、ステアリン酸亜鉛0.5部お
よび後述の安定化助剤1部を予備混合した後、6インチ
径の2本ロールを用いて、170℃で5分間ロール練り
し、厚さ0.6mmのシートを引き出した。
評価方法 得られたシートにつき、次のようにして性能を評価し
た。
初期着色は、上記のシートを、硬質配合処方の場合は
190℃×8分、硬質配合処方の場合は180℃×8分の加熱
条件で積層プレスして厚さ3.0mmのシートに仕上げ、該
シートの着色度を次の1〜9段階区分で判定した。
1:無色、 2:微黄色、 3:微黄橙色、 4:淡黄色、5:淡黄橙色、6:橙色、 7:赤橙色、8:暗赤橙色、9:黒色 180℃ギヤーオーブンテストは、厚さ0.6mmのシートを
用いてテストした。ただし軟質処方については、180℃
でのギヤーオーブンテスト40分経過時の着色の程度も併
記した。着色評価区分は前記と同一である。
ブツ混入の有無は、上述の厚さ3.0mmのプレスシート
で観察した。
透明性は、上述の厚さ3.0mmのプレスシートにつき、
光線透過率計(村上色彩技術研究所製)を用いて測定
し、ヘイズ値で示した。
衝撃破壊テストは、デュポン緩衝試験機を用い、JIS
K−5400に準じて、上述の0.6mmシートを加熱積層プレス
した厚さ1.0mm、縦巾30mm、横巾30mmのシートにつき、
荷重500g、高さ20cmの条件で衝撃破壊を行い、20個中の
非破壊数表示で評価した。ただし軟質配合処方の場合に
は、このテストを省略した。
安定化助剤の調製 実施例のための安定化助剤として、上述のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)と、ペンタエリスリ
トールまたはジペンタエリスリトール(C2)との溶融混
練物を次のようにして作製した。
(C1)と粉体状の(C2)を重量比で7:3、5:5、または
3:7の割合で粉体混合した後、2軸押出機(30mm径、L/D
=30、同方向回転)を用いてシリンダー最高部温度250
℃にて溶融混練して押し出し、ペレットまたは板状物を
得た。ついで粉砕機により20メッシュ全通まで粉砕し
た。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)として
は、上述の(C1−1)、(C1−2)、(C1−3)を用い
た。
ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール
(C2)としては、下記の4種類を用いた。
(C2−1)一般工業用ジペンタエリスリトール 20メッシュ全通品 (C2−2)微粉砕ジペンタエリスリトール 300メッシュ全通品 (C2−3)一般工業用ペンタエリスリトール 20メッシュ全通品 (C2−4)微粉砕ペンタエリスリトール 300メッシュ全通品 また比較例のための安定化助剤として、上述の(C1−
1)、(C1−2)、(C1−3)をそれぞれ単独で、上述
の(C2−1)、(C2−2)、(C2−3)、(C2−4)を
それぞれ単独で、および、これらの(C1)と(C2)とを
粉体配合して用いた。
実施例1〜17、比較例1〜25 安定化助剤として次のものを使用し、上述の硬質配合
処方により成形物の製造を行った。結果を後の第1表に
示す。
実施例1 (C1−2)/(C2−1)=5/5 溶融混練品 実施例2 (C1−2)/(C2−2)=5/5 溶融混練品 実施例3 (C1−2)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例4 (C1−2)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例1 配合せず 比較例2 (C1−2)単独 粉体 比較例3 (C2−1)単独 粉体 比較例4 (C2−2)単独 粉体 比較例5 (C2−3)単独 粉体 比較例6 (C2−4)単独 粉体 比較例7 (C1−2)/(C2−1)=5/5 粉体混合品 比較例8 (C1−2)/(C2−2)=5/5 粉体混合品 比較例9 (C1−2)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例10 (C1−2)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例5 (C1−2)/(C2−1)=7/3 溶融混練品 実施例6 (C1−2)/(C2−1)=3/7 溶融混練品 実施例7 (C1−2)/(C2−2)=7/3 溶融混練品 実施例8 (C1−2)/(C2−3)=7/3 溶融混練品 実施例9 (C1−2)/(C2−3)=3/7 溶融混練品 比較例11 (C1−2)/(C2−1)=7/3 粉体混合品 比較例12 (C1−2)/(C2−1)=3/7 粉体混合品 比較例13 (C1−2)/(C2−2)=7/3 粉体混合品 比較例14 (C1−2)/(C2−3)=7/3 粉体混合品 比較例15 (C1−2)/(C2−3)=3/7 粉体混合品 実施例10 (C1−1)/(C2−1)=5/5 溶融混練品 実施例11 (C1−1)/(C2−2)=5/5 溶融混練品 実施例12 (C1−1)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例13 (C1−1)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例16 (C1−1)単独 粉体 比較例17 (C1−1)/(C2−1)=5/5 粉体混合品 比較例18 (C1−1)/(C2−2)=5/5 粉体混合品 比較例19 (C1−1)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例20 (C1−1)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例14 (C1−3)/(C2−1)=5/5 溶融混練品 実施例15 (C1−3)/(C2−2)=5/5 溶融混練品 実施例16 (C1−3)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例17 (C1−3)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例21 (C1−3)単独 粉体 比較例22 (C1−3)/(C2−1)=5/5 粉体混合品 比較例23 (C1−3)/(C2−2)=5/5 粉体混合品 比較例24 (C1−3)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例25 (C1−3)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例18〜25、比較例26〜39 安定化助剤として次のものを使用し、上述の軟質配合
処方により成形物の製造を行った。結果を後の第2表に
示す。
実施例18 (C1−2)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例19 (C1−2)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例26 配合せず 比較例27 (C1−2)単独 粉体 比較例28 (C2−3)単独 粉体 比較例29 (C2−4)単独 粉体 比較例30 (C1−2)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例31 (C1−2)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例20 (C1−2)/(C2−3)=3/7 溶融混練品 実施例21 (C1−2)/(C2−3)=7/3 溶融混練品 比較例32 (C1−2)/(C2−3)=3/7 粉体混合品 比較例33 (C1−2)/(C2−3)=7/3 粉体混合品 実施例22 (C1−1)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例23 (C1−1)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例34 (C1−1)単独 粉体 比較例35 (C1−1)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例36 (C1−1)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例24 (C1−3)/(C2−3)=5/5 溶融混練品 実施例25 (C1−3)/(C2−4)=5/5 溶融混練品 比較例37 (C1−3)単独 粉体 比較例38 (C1−3)/(C2−3)=5/5 粉体混合品 比較例39 (C1−3)/(C2−4)=5/5 粉体混合品 実施例26、比較例40〜43 塩化ビニリデン−アクリル酸メチル共重合体(アクリ
ル酸メチル含量7モル%)100部、エポキシ化大豆油4
部、可塑剤としてのジオクチルフタレート10部、ステア
リン酸カルシウム0.5部、ステアリン酸亜鉛0.5部および
安定化剤1部からなる組成物を下記の押出成形条件にて
押出成形し、得られた厚み0.6mmのシートについて、先
に述べたポリ塩化ビニルの硬質配合処方の評価方法によ
り評価した。
押出機:40mmφ スクリュー:L/D 23、圧縮比3.2 シリンダー最高温度:170℃ ヘッド温度:170℃、 ダイス温度:170℃ 安定化助剤としては次のものを用いた。結果を後の第
3表に示す。
実施例26 (C1−2)/(C2−1)=5/5 溶融混練品 比較例40 配合せず 比較例41 (C1−2)単独 粉体 比較例42 (C2−1)単独 粉体 比較例43 (C1−2)/(C2−1)=5/5 粉体混合品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/06 C08K 5/05 - 5/057 C08K 9/04 - 9/06 C08L 31/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)100重量部
    に金属石鹸系安定剤(B)0.1〜5重量部および安定化
    助剤(C)0.1〜4重量部を配合した樹脂組成物を製造
    するにあたり、前記安定化助剤(C)として、 エチレン含量20〜75モル%、酢酸ビニル部分のケン化度
    50モル%以上の共重合組成を有するエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物(C1)0.05〜2重量部と、ペンタエ
    リスリトールまたは/およびジペンタエリスリトール
    (C2)0.05〜2重量部とを、これら(C1)成分と(C2)
    成分との配合割合が重量比で10:90〜90:10となるよう
    に、予め溶融混練した組成物を用いること を特徴とする含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物の製造法。
  2. 【請求項2】含ハロゲン熱可塑性樹脂(A)が、ポリ塩
    化ビニル系樹脂である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】エチレン含量20〜75モル%、酢酸ビニル部
    分のケン化度50モル%以上の共重合組成を有するエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C1)が、灰分含量が
    300ppm以下で、アルカリ金属含量が200ppm以下の低灰分
    ・低アルカリ金属のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
    化物である請求項1記載の製造法。
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